書き溜めなし まったりやっていきます
※気が向けばR18展開やるかもしれません
未来「やぶから棒にどうしたの響?」
響「Gで翼さんが先輩って呼ばれたから今度は私が名前、それが駄目でも苗字でぐらい呼ばれると思ってたのに~!」
未来「そういえば結局『あのバカ』呼びだったね」
響「もうクリスちゃんとも結構長い付き合いなんだよ? というか三期になっても主人公が未だに名前を呼ばれてないってどーゆーこと!?」
未来「主人公ってそんなアニメじゃあるまいし……」
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響「てゆうか今回、私とクリスちゃんの会話が顕著に少なかったと思うんだ」
未来「まあキャラも増えたし、Gまででクリスの問題もおおよそ解決しちゃったからね」
未来「(私はいつもどおり響を励ます役があったからいいんだけど)」
響「マリアさん達の過去乗り越えイベントとかお父さんのこととかいろいろあったけど、それでも枠を割くことは出来たと思うんだ」
響「こんなに名前で呼ばれないって、私、呪われてるかも……」
未来「あ、そのフレーズ久しぶりに聞いたかも」
未来「でも続編ありそうな終わり方だったし、四期(仮)で呼んでもらえるよきっと」
響「そーやって受身でいたらまたどうせ「あのバカ」から変わらないよ!」
未来「そんなこと言ったって……。じゃあどうするの?」
響「……攻めに転じようと思うんだ」
未来「えー……。響は受けのほうが似合うよ。響あんまりリード上手じゃないんだもん」
響「そっちの話じゃなくて!」
未来「じゃあ攻めってなに?」
響「クリスちゃんを本気でデレさせるッ!」
未来「却下」
響「なんで!?」
未来「なんでって……」
未来「(もしそれでクリスが響に恋しちゃったら困るじゃない)」
響「もう協力者も呼んであるんだよ?」
未来「協力者? 響のおバカな計画に乗ってくれる協力者なんているの?」
響「では入ってもらいましょう! どうぞ!」ガチャ
調「なんときりしら」
切歌「デース!」
未来「これは結構意外だったかも」
未来「でも響、なんでこの2人なの?」
響「それは2人が説明してくれるよ」
切歌「ご存知あたし達はGでやったことも特に咎められずリディアン学院に入る事が出来たのデス」
調「結果的にクリス先輩の後輩になって、実際後輩キャラとしての立ち入ちが確立した」
切歌「しかし!」
切歌&調「あたし(私)達も名前を呼ばれていない!(のデス!)」
未来「んー……。そういえばそうかも」
調「私と切ちゃんは基本的に2人でセットだから」
切歌「目の前にいても「お前達」とか「お前ら」とか、そんなのばっかりなのデス」
響「というわけなんだよね」
未来「うん。まぁ理由は分かったけど」
未来「というか、そんなに名前で呼ばれたいものなの?」
響「もちのろんだよ! 折角仲良く慣れたのに未だに名前も呼ばれないんじゃ寂しいよ!」
調「向こうだけ恥ずかしさから逃げるのはずるい」
切歌「デェス!」
未来「私は今のクリスのままで良いと思うけどなあ」
響「そりゃ未来はいいよね。最初の出会い方が私たちとは違うし、クリスちゃんにも恩人って思われてるんだから」
未来「ち、ちょっとなに拗ねてるの?」
調「私たちは敵対していたから」
切歌「あたしなんかアンチリンカーで弱ってる所をボッコボコにしてしまったデス」
響「だからこそクリスちゃんがデレる事に浪漫を感じるわけですよ!」
未来「あれ?じゃあマリアさんは? マリアさんも名前で呼ばれたことないんじゃない?」7
響「えーっと。そう!マリアさんは翼さんと海外だから!」
未来「そういえばそうだったね」
切歌「ぶっちゃけマリアとクリス先輩が2人きりで喋ってる所って殆ど見たことないデス」
未来「あっ……」
調「私達と違って学校が同じなわけでもないし、FIS時代も結局フィーネは私だったからもう接点とかあまりないんだと思う」
響「ま、まあその辺りはおいおい解決していくとして……」
響「ここで一回クリスチちゃんが皆を何て呼ぶか纏めてみよっか! 私が事前にパネルを用意してたから、ね!」ドン
きりしら「おー」パチパチパチ
未来「そんなの作ってる暇があるなら課題でもすればいいのに」
響「私の分かる範囲ではこんな感じかな!
私→あのバカ、お前、あいつ
切歌ちゃんと調ちゃん→お前ら、後輩達
未来→あの子
翼さん→先輩、風鳴先輩
マリアさん→不明
師匠→おっさん
エルフナインちゃん→エルフナイン
その他諸々の皆さん→不明」
響「今までの戦いを一から振り返って確認したんだけど、どう?」
未来「どうって言われても……」
調「こう見るとやっぱり未来さんは私達より先を行っている」
響「未来は出会い方が私たちは違ったからね」
未来「でもエルフナインちゃんは呼び捨てなんだね。そこは私と同じで最初っから戦う相手じゃなかったからなのかな?」
切歌「単純に丸くなっただけじゃないデスか?」
響「さて、じゃあ当初の計画に戻るわけだけど~」
響「どうしたらクリスちゃんは私達にデレてくれるんだろうかッ!」
未来「まだ続けるの?」
切歌「やっぱりデレさせるといえば甘えて母性を引き出させるデスよ!」
調「巷で噂の壁ドンというのがきっと効果的」
きりしら「むっ」
切歌「絶対甘えるのが良いデス!」
調「切ちゃんはそういう時いつも失敗するでしょ」
切歌「調こそ! そのツルペタちんちくりんボディで壁ドンなんて成功するわけないデス!」
きりしら「むむむむむむ!」
響「お、落ち着いて2人とも!」
切歌「こーなればどっちの案のが上手くいくのか勝負デス!」ダッシュ
調「望むところ」ダッシュ
響「うえぇ!? まだ全然作戦決まってないんだけど!」
響「行っちゃった」
未来「響、カリスマないんだね…」
響「私も一応先輩のはずなのになぁ…」
未来「クリスって今どこにいるの?」
響「多分クリスちゃんの部屋にいると思う。とにかく追いかけよう!」
~~クリスの部屋前~~
響「調ちゃん!」
調「しーっ」
響「え? ってあれ? 切歌ちゃんは?」
調「今勝負の真っ最中」
切歌「クリスせんぱ~い。膝枕して欲しいデス」
クリス「あん? いきなり来たと思ったらなんだよ今度は」
切歌「急に先輩に会いたくなったのデス!」
調「まずは切ちゃんが先陣を切って突撃したの」
未来「それでこそこそ部屋を覗き見してたんだ」
クリス「なんか腑に落ちねえけど、まあ折角来たんだから座れよ」
切歌「ありがとうデェス!」
響「おおっ。いきなりソファーに2人がけ!」
調「あれぐらいなら私もよくする」
切歌「今日はクリス先輩にお願いがあって来たのデス!」
クリス「さっき急に会いたくなったって言ってなかったか?」
切歌「あ……」
調「もうボロが出た」
未来「いくらなんでも早すぎない?」
クリス「やっぱなんか怪しいなおい。なにか企んでるだろ?」
切歌「な、なにも企んでんなんかないデスよ!」
切歌「(このままでは徐々に篭絡させる作戦が通用しないデス! こうなったら路線変更するしか……)」
切歌「クリス先輩!」
クリス「なんだ?」ジュースゴクゴク
切歌「名前で呼んで欲しいデス!」
クリス「ブホォッ!」
響「おぉ直球だ」
切歌「ぶわぁ!? ジュースが目にィ! しかもオレンジだから染みるデェェェェス!」
クリス「わ、悪い! とりあえず顔洗ってこい!」
切歌「目があああぁぁぁぁぁ……」ダダダ
未来「……なんか大変なことになってるけど」
調「切ちゃんのバカ。あれで成功すれば誰も苦労してない」
響「あははは……」
クリス「……ったくあいつ。急に何言い出しやがるんだよ」ハァ・・・
切歌「洗って来たデェス……」
クリス「おう、大丈夫か?」
切歌「まあまあデス」
クリス「なんかパッとしねえなその状態」
切歌「それよりさっきの話が途中デス!」
クリス「あー・・・・・・。アイスでも食うか?」
切歌「アイス!? 食べるデス!」キラキラ
クリス「おおそうか。じゃあ今持ってきてやるよ。よっこらっせ……っと」
クリス「(今回ばかりはコイツが単純で良かったぜ……)」
切歌「それで話の続きなのデスが」
クリス「覚えてたのかよ!?」
切歌「いくらあたしでもアイス如きではぐらかされるほど頭は弱くないデスよ!」
クリス「意図に気付いておいてアイスは貰おうだなんて図々しさにも限度ってもんがあるだろ!」
切歌「仲良くするくせに気恥ずかしさで名前は呼ばない先輩のがよっぽど図々しいデス! あとアイス下さい!」
クリス「だー! もうアイスやるから出てけ! 何だってんだよ今日のお前!」グイッ
響「やばッ!? クリスちゃん出てくるよ!」
未来「隠れないと!」
調「ドアの裏側に!」サッ
クリス「さあっ!出てった出てった!」
切歌「ま、まだ話は」バタン!
切歌「」
調「……作戦失敗」ボソッ
切歌「むう…・・・」
調「私の言ったとおりだった」
切歌「だったら調がやってみるデスよ!」
未来&響「しーっ」
切歌「あぅ」
響「てゆーか未来、意外とノリノリ?」
未来「ちょっと楽しくなってきちゃって」テヘヘ
調「次は私」
響「ホントに大丈夫?」
切歌「絶対壁ドンなんて成功しないデス」イジイジ
調「成功したら切ちゃんも名前で呼んでもらえるようにお願いしてあげるから、落ち込まないで?」
切歌「調ぇ・・・・・・!」パーッ
響「あ、その時は私も!」
調「……響さんは自分でやって」
響「なんで!?」ガーン
調「響さんだって先輩なんだから、自分のことは後輩頼りじゃ駄目」
未来「うんうん。その通りだね」
響「未来まで!?」
調「じゃあ、行って来ます」
調「お邪魔します」ガチャ
クリス「今度はこっちか!? つかお前達! 人の部屋に入るときはノックしろノックを!」
調「次から気をつける」
クリス「ったく。で、お前は何の用だ?」
調「用がなくちゃ来ちゃダメ?」
クリス「ん……。いやまあ、そんなことはないけどよ……」
響「おお!入りはオッケーですな!」
切歌「なんか悔しいデス…!」
調「座ってもいい?」
クリス「勝手にしてくれ」
未来「ソファーで二人きり。ここまでは切歌ちゃんと同じだけど…」
調「じーーーー」
クリス「あん?」
調「じーーーー」
クリス「なんだよ。あたしの顔になんか付いてんのか?」
調「クリス先輩はやっぱりかわいい」
クリス「は、はぁ!?」
調「そんな先輩だからこそ、私はもっと近付きたい」スッ
響「つつつつ遂に壁ドンが!?」
未来「響静かにして!」
クリス「わけのわかんねえこと言ってんじゃ、ってなんで近づいてきてるんだよ!?」
調「……」
調「(このソファー、よく考えたら壁がない……!)」
調「(……いや。壁ドンは確か手を壁に当てて逃げ場のない状態で耳元に囁く技。なら方向が違っても応用は出来る筈!)
調「先輩……」スッ
クリス「なんで倒れかかって来るんだよ!」
調「暴れるとソファから落ちる」
未来「これって……床ドン?」
響「床っていうかソファーの上だけどね」
切歌「ぐぬぬぬぬぬ……」
クリス「なんのつもりか知らないけどな、そのままで居られると身動きできねえから退け」
調「解放は私と切ちゃんを名前で呼ぶのが条件」
クリス「はぁ!? またそれか!? なんだよ今日のお前達は!」
調「ずっと思ってた事を今日実行に移しただけ」
クリス「ずっとって……! と、とにかくもう出てけ!」ジタバタ
調「観念して大人しく……きゃっ」ズルッ
未来「あっ」
響「調ちゃんの顔がクリスちゃんのお胸に……」
調「……あたたかい」ポヨンポヨン
クリス「どこに顔埋めてなんの反応だそれ!」
調「ごめんなさい。気持ちがよくてつい」
クリス「謝るんならまず顔を離せ!」
調「もう少しだけ」ムギュッ
クリス「ひゃんっ! おいホントいい加減に……!」
切歌「もう我慢できないデス!」ダッ
未来「あっ切歌ちゃん!」
切歌「調! あたしといもうのがありながらなにイチャイチャしてるデスか!」
調「切ちゃん!?ガバッ これは作戦の内でしょ!」
切歌「どうみてもただ先輩のおっぱい堪能してただけデスよ!」
クリス「……おい」ゴゴゴ
きりしら「ビクッ」
クリス「お前らがちょせえことを画策してたのはよーく分かった」ムクリ
切歌「か、画策? なんのことかさっぱり分からないデスよ?」
調「きっと先輩は何か勘違いをして」
クリス「るせえ! これからも宿題手伝って欲しけりゃ、言い訳しねえでさっさとこっから立ち去れバカ!」
切歌「ひえぇ!?」
調「それは、困る……!」
きりしら「失礼しました!」ドタタッガチャンッ
クリス「……ったく」
クリス「……名前、か。昔先輩にも似たようなこと言われたな」
クリス「慕ってくれてる後輩の頼みぐらい聞けないで、先輩なんて名乗れねえよな……」
~~~~響達の部屋~~~~~~
切歌「作戦失敗デェス……」
調「切ちゃんが邪魔するからでしょ。もう少しだったのに」
切歌「ただちちくりあってるだけだったのにもう少しもなにもないデスよ!」
響「まあまあ! 2人とも落ち着いて、ね?」
未来「でもどうするの響? 2人は明らかにクリスに警戒されちゃったと思うけど……」
響「うーん……。そうだ!」ポンッ
未来「何か良い案でもあるの?」
響「ばっちりだよ! ちょっと待ってて、今連絡してみるから!」ピポパポ
響「もしもし? 私、響。うん。直ぐに来て欲しいんだけど、大丈夫?」
響「ほんと!? ありがとう! じゃあ私の部屋で待ってるね!」ブツン
未来「誰を呼んだの?」
響「それは来てからのお・た・の・し・みってやつだよん」
未来「もー。響の意地悪」
――数十分後――
切歌「もう結構経った気がするデス」
響「そろそろだと思うんだけど……」
コンコン
響「やや。噂をすればだね! 鍵空いてるからどうぞー!」
ガチャリ
エルフナイン「あ、お邪魔します……」
未来「あらエルフナインちゃん。いらっしゃい」
調「響さんの案って、エルフナインを呼ぶこと?」
響「うん。ごめんねエルフナインちゃん。急に呼び出しちゃったけど、だいじょうぶだった?」
未来「SONGのお仕事があるんだよね? 響のお願いだからって無理は駄目だよ?」
エルフナイン「だいじょうぶです! 友里さんはすごく優しくて、藤尭さんは普段厳しいんですけど、さっきも装者の皆さんの所に遊びにいきたいって言ったら「楽しんでこいよ」って送り出してくれて……。今こうやって遊んだりお仕事できるのが、ボクはとっても幸せです」ニッコリ
響未来きりしら「(かわいい)」
切歌「でもなんでエルフナインがクリス先輩篭絡の鍵なのデスか?」
エルフナイン「ボクもなんで自分が呼ばれたのかわからないです」
響「それはね~。エルフナインちゃんにとあるものを頂ければと思いまして」
エルフナイン「ある、もの?」
響「『素直になれる薬』、が欲しいんだ!」
未来きりしら「……はい?」
響「へ?」
未来「それ本気で言ってるの?」
調「これには私達もどう言葉をかけていいかわからない」
切歌「デス」
響「な、なんで!? だって錬金術だよ? 鉄が金になったりしちゃうんだよ!? だったらそういうお薬の一つや二つぐらいあったって……」
未来「エルフナインちゃんはドラ○もんじゃないの。そんな都合の良い物あるわけないでしょ」
エルフナイン「ありますよ?」
響「ほら!」
未来「……うそ」
エルフナイン「正確にはあるのではなく、作れるです。ボクの知識の中には「惚れ薬」やそれに準ずるものもありますから。それに錬金術は思い出をも複写することができる異端技術です。だから時間さえあれば、アレンジを加えてそういったものも作れると思います」
響「う、うん! すごいよエルフナインちゃん!」
未来「響、ほんとに分かったの?」
響「……あんまり」
未来「はぁ……」
調「でも響さん。いくらクリス先輩の為とはいえ、薬なんて使っていいの?」
響「そこは私も考えたんだけどね。でもやっぱりクリスちゃんにはもう少し素直になって貰いたいんだ」
未来「そこまでして名前で呼ばれたいの?」
響「それもあるんだけど……。ほら。クリスちゃん、今年で卒業でしょ?」
切歌「それは……嫌デスが事実ではあるデスね」
響「そのとき進学するにしてもSONGにそのまま就職するにしても、今のままじゃきっと社会に出たとき困るよ!」
未来「うーん……。まあ一理あるといえばあるのかな」
未来「(授業中怒られてばかりの響が言えたことではないと思うけど)」
響「とまあ、そんなわけでエルフナインちゃん。お願いできるかな?」
エルフナイン「わかりました! 安心安全なものを作ってくるので、楽しみに待っててください!」
切歌「これでもう先輩のハートは掴んだも同然デスよ!」
調「切ちゃん、それはちょっと違うと思う」
未来「(大事になる前に止めたほうがいいかなぁ……)」モンモン
未来「(と言っても私だって素直なクリスを見たくないと言ったら嘘になるし……。エルフナインちゃんが作るなら大丈夫だよね?」
エルフナイン「それじゃ三日後に届けに来ますね?」
響「ありがとうエルフナインちゃん!」
――夜中――
クリス「この時間なら、向こうは丁度良い頃だよな……」
ピポパポ トルルルルルルルル……
翼「はいもしもし。風鳴ですが」
クリス「あ、先輩。あたしだ。雪音クリスだ」
翼「おお雪音か! 雪音の方から電話をくれるとは、珍しいな?」
翼「しかしどうした? こんな時間に電話など、何かあったのか?」
クリス「え? 時差はちゃんと計算して電話したはずなんだが……。わりぃ。また掛けなおす」
翼「待て待て。日本が夜中だから『こんな時間』だ。そうか、私の方に気を遣ってくれただなのなら問題ない」
クリス「そっか。そりゃよかった」
翼「話を戻すが、電話の用件はなんだ? まさか魔法少女事変に続き、再び不届き物の暗躍でも……!」
クリス「いやそういうんじゃねえって! その、なんて言うか……」モジモジ
翼「うん?」
クリス「先輩に、その……。相談、に乗ってもらえたらと思ってさ」
翼「相談? 雪音が私にか?」
クリス「最上級生のあたしが後輩に頼るのはちょっと、な。内容もアイツら絡みだからよ」
翼「叔父様やSONGの皆はどうした?」
クリス「おっさんはなぁ……。ありゃどうせ相談なんか持ちかけたところでB級映画で得た心構えみたいなもん教えられて終わりだ」
翼「それは・・・。納得せざるを得ないな」フフフ
クリス「あん? 何が可笑しいんだよ」
翼「いや、可笑しいのではなく、嬉しいのだ。皆や叔父様を差し置いて、真っ先に相談に来てくれたのが私でな」
クリス「な、な……」カァァ
クリス「……先輩のそういう所、ますますあのバカに影響されてないか? 初めて会った時はもっとこう……。それこそ刃物みたいな感じだったけどな」
翼「まあそう怒るな。私自身、昔より丸くなったという自覚はある。だがそれも雪音ほどではないがな」
翼「私が刃物というのなら、雪音は全身武装した狂犬のようなものだったぞ?」
クリス「狂犬ね。ま、違いないかもな」
翼「さ、話
翼「さ、話が逸れたがその相談とやらに戻ろうか。私はともかく、雪音は明日も学校だろう?」
クリス「んじゃま、遠慮なく」コホン
クリス「……先輩はあたしが初めて先輩って呼んだとき、やっぱり嬉しかったのか?」
翼「当たり前だ」
クリス「即答かよ!」
翼「それだけ心に残っているという事だ。衝撃だったとも言っていい。名前で呼んだらどうだ、と言ったときはすぐにはぐらかされていたのだからな」
翼「しかし何かと思えばそんなことか。さては立花にでもせがまれたか?」
クリス「いや、言ってきたのは後輩2人だ。しかしそういやあのバカには言われなかったな……」
翼「暁と月読か。今や学び舎から離れた私から見ても、あの2人は雪音を慕っているのが分かったからな。先輩である雪音に名前も呼ばれないのでは、痺れを切らしても無理はあるまい」
クリス「こういう時、あのバカが羨ましいんだ……。あたしももっと器用に生きれたらって。そう思う」
翼「立花とて、決して上手な立ち振る舞いが出来るわけではあるまい。無論、私や雪音が奴に救われた面があるのも事実だが」
翼「……雪音。お前は未だ私を先輩と読んでくれるが、リディアンを卒業した私はもう学生としての先輩後輩という関係にはない。そしてあと一年もすれば、雪音もそうなる」
クリス「……」
翼「本当の先輩後輩である間に、一度くらい、後輩に全力で優しくしてやっても私は良いと思うがな」
クリス「……そっか。ありがとな先輩。相談乗ってくれて」
翼「もういいのか?」
クリス「ああ。先輩のおかげだ」
翼「私としては、こうやって雪音が頼ってくれるのは吝かではないのだがな」
クリス「明日も学校だから、って言ってくれたの先輩の方だろ? じゃ、もう切るからな」
翼「ああ。頑張れ、雪音」
クリス「……うん」プツン
ツー、ツー。
クリス「――先輩に頼ったからには、アドバイスを無下にはできねえよな」
クリス「ふぁ……(欠伸)」
クリス「……とりあえず寝るか」ドサッ
クリス「パパ、ママ。あたし、ちょっと頑張ってみるよ……」
――翌日――
~~リディアン廊下~~
きりしら「あ」
クリス「おう」
切歌「こ、こんにちはデス」
調「こんにちは」
クリス「丁度良かったお前ら、ちょっと話が――」
切歌「あー! あたし達移動教室だから急がないといけないんデス! 失礼するデェス!」タッタッタ
調「あ、ちょっと待って切ちゃん!」タッタッタ
クリス「……なんだ?」キョトン
クリス「まあ、次の機会にでもいいか」テクテク
――――――
調「ねぇ切ちゃん。なんであんな逃げるような真似をしたの?」
切歌「よく考えるデス調。昨日の今日で、あたし達に「話がある」ときたらもう叱られる未来しか見えないデスよ。あと二日もすればエルフナインのお薬が出来上がるデスし、危険を冒す必要はどこにもないのデス」
調「私には怒ってるようには見えなかったけど……」
切歌「それでも、この二日間は下手な事をしでかす訳にはいかないデス。あと二日の我慢デスよ」
調「……それもそうだね」
――さらに翌日――
クリス「なあお前達、今日の放課後あたしの部屋に――」
調「ごめんなさい。今日は響さん達のお友達と約束があって……」
切歌「放課後は開いて無いのデス」ペコリ
クリス「……そっか」テクテク
調「……ほんとにこれでいいのかな?」
切歌「約束の日は明日、もう少しの辛抱デス」
――お昼――
クリス「(明日だ。明日こそ後輩達にあたしの覚悟を見せてやる――!)
クリスのクラスのメガネっ娘(以下メガネっ娘)
「雪音さん、どうしたの? なんか顔怖いよ?」
クリス「な、なんでもない!」
メガネっ娘「そう? じゃあ、あーん」
クリス「……あのなあ、これ恥ずかしいんだよ。そもそも自分の弁当なんだから自分で食べればいいだろ」プイッ
メガネっ娘「ダメだよー。雪音さん毎日お昼あんパンばっかりなんだから。栄養偏っちゃうよ? はい、あーん」
クリス「……あむ」
クリス「モグモグ」
メガネっ娘「どうかな? 今日のは結構自信作なんだけど……」
クリス「……うまい」
メガネっ娘「やった!」
クリス「(先輩に誓って、明日こそは――!)」
メガネっ娘「はい、あーん」
クリス「だー!少しは自分でも食べろよ!」
――早朝――
~~響と未来の部屋~~
ピンポーン
響「ふぇ……? 誰だろこんな朝に……」
未来「スヤスヤー」
響「(未来、まだ寝てる。未来を起こさないようにっとっ……)」ソローッ
ガチャリ
エルフナイン「あ、おはようございます」
響「エルフナインちゃん!?どうしたのこんな朝早くに
エルフナイン「頼まれた薬を届けに……」フラフラ
響「あ、ありがとう! でもそんな急いでくれなくてもよかっ……てゆーかクマ凄いよ!?」
エルフナイン「そういえば作業を始めてから寝てなかったような」フラフラ
響「あわわわ……、足元フラフラだし、とりあえず寝よ!ね?」
エルフナイン「あ、じゃあボクは戻りますね……」
響「もうここで寝ていった方が良いよ! さっきまで寝てたからまだベッド暖かいし!」
エルフナイン「でも悪いので……」
響「そんなの気にしないで! 今なら未来の温もりっていう豪華特典も付いてるよ!?」
エルフナイン「じ、じゃあお言葉に甘えて失礼します」モゾモゾ
未来「ん~……」スヤスヤ
エルフナイン「(どうして響さんのベッドに未来さんがいるんだろう……)」
エルフナイン「(でも、確かに暖かい…)」ウトウト
エルフナイン「スヤー」
響「……おやすみエルフナインちゃん」
響「はっ!? これはもしかして私が二度寝出来ないパターン……?」
響「うぅ……しょーがない。ランニングでもしてこよ」
〜〜昼休み〜〜
未来「もうっ。本当にびっくりしたんだから!」
響「だからごめんってば未来〜」アセアセ
未来「響に分かる? 起きたらエルフナインちゃんが隣で寝てる驚きが。思い当たる記憶はないし、響は部屋にいないし!」
切歌「それで、エルフナインはどうしてるんデスか?」
響「今は私の部屋で寝てもらってる。流石にぐっすりだったよ」
未来「そもそも響があんなお願いするから!」
響「わ、私もまさかエルフナインちゃんがあそこまでしてくれるとは思ってなかったといいますか……」
調「でもエルフナインのお陰で、遂に私たちはクリス先輩に名前で呼んでもらえる」
切歌「タイミングのいい所に、丁度今朝先輩に部屋に誘われたデスよ」
響「よし! じゃあ今夜決行だね!」
きりしら未来「おー!」
~~夜~~
コンコン
クリス「入って良いぞー!」」
切歌「おじゃまするデス!」ガチャリ
調「おじゃまします」
クリス「おう。まあ座れよ」
未来「結局私たちは隠れて見てるだけ?」
響「まークリスちゃんに呼ばれたのが2人だけだしね」
未来「……何気に響、この計画の発案者なのに何もしてないよね」
響「ギクリ」
未来「まあ、いいけどね。私も何もしていないし」
クリス「そんで、今日お前達を呼んだのはだな……」
調「(エルフナインのくれた薬は、即効性の粉薬)」
切歌「(飲めば1時間開放的な気分になって、嘘や恥ずかしさがなくなるうえ、効果が切れても自覚は残る優れものデス!)」
調「(隙を見て、私が先輩の飲み物に薬を混ぜる)」
切歌「(一度名前を呼ばせてしまえば、あとはこっちのものデスよ)」
きりしら「(完璧な計画(デス)!」
クリス「おい! ちゃんと聞いてんのか切歌に調!」
きりしら「……え?」
クリス「なんだよ。鳩が魔弓喰らったみたいな顔してんじゃねぇ」
調「だ、だって今……」
切歌「あたし達の名前……」
クリス「お前達が名前で呼んでくれって言ったんだろ!ったく……」ハァ
切歌「そ、そりゃ確かに言ったデスけど」
調「なんで急に?」
クリス「ま、なんだ。あたしも少しは先輩らしい所見せてやろうと思ってな」
切歌「ほえー……。人間、分からないものデスね」
クリス「んだと! お前らいい加減ちょっとはあたしの事を敬いやがれ!」ゴツン
切歌「あ痛っ!?」
調「なんで私まで……!?」
ワーワーキャキャー モッテケダブルダー!
未来「薬、必要なかったね。なにはともあれ一件落着」
響「そだね。ってあるぇ!? 私はまだ呼ばれてないよ!?」
未来「あの2人は薬なんて使わなかったんだから、もちろん響も使っちゃ駄目だからね」
響「そんな~~!!」
未来「あれは後で私が調ちゃんから預かって、ちゃんと処理しておくからね」
響「はー……。クリスちゃんの口から「響」の一言が聞けるのはいつになるやら……」ガックシ
調「もう一回。もう一回名前を」
切歌「まだ聞きたりないデス!」
クリス「しつけえ! やっぱり呼ぶんじゃなかったちくしょう!!」
完
この程度の量に丸々一週間もかかってしまいましたが、最後まで読んで頂いた方、合間合間にレスくれた方、ありがとうございました。
SSを書いたのが久しぶりだったどころか、シンフォギアSSは初めて書いたので、もしかした適合率の高い方にはキャラの口調や設定に違和感があったかもしれません。
特にビッキーは喋る時のイントネーションが文章では再現出来ませんでしたが、生暖かい目で見守ってやってください。
次はエルフナインちゃんメインかシンフォギア×ポケモンを書いてみようと思っているので、もし見かけたらよろしくやってくれると嬉しいです。
おつー
…エロはどうした
>>71
いやまあそこは展開次第なので……
ぶっちゃけスレタイ以降の流れは書きながら考えていたのでR18はその時の気分ですね
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