男「青春はちょっとだけファンタジー」(42)

01

幼馴染「起きろー男ー」

男「…………窓の鍵閉めてなかったっけ」

幼馴染「ふっふーん。お母様から合鍵をだね」

男「その手は先週封じたはずだ。チェーンかけてただろ」

幼馴染「裏口の鍵もだね……!」

男「それは一昨日没収した。俺も持ってなかったが」

幼馴染「ここまで追い詰められれば致し方あるまい……お主に真実を教えてしんぜよう……」壁クルーッ

男「いつのまに俺の部屋はそんな忍者屋敷みたいな構造になってんだよ」

02

ザァァァアアアア

男「雨か……」

幼馴染「相合い傘だね…………」

男「不便だろうが。ちゃんと二本持ってくわ」

幼馴染「ロマンがないなぁ!」

男「節操がないなぁ」

幼馴染「まぁ私レベルになると気合いで雨を弾き返せますけどね!」

男「おやすみ」

幼馴染「……」ポチッ

ヒューン…………「オイッチョッマッ」

…………

男「いつのまに俺のベッドは細かすぎて伝わらないモノマネ選手権の落ちるアレみたいな構造になってたんだ」

幼馴染「目が覚めたでしょ」

男「悪夢みたいだわ」

03

男「あー学校だりぃ」

幼馴染「……何を言ってるの?」

男「あん?」

幼馴染「今日は日曜日だよ?」

男「なんでお前制服なの?」

幼馴染「サービス精神」

男「……なんで起こしに来たの?」

幼馴染「サービス精神」

男「……なぁ、幼馴染。添い寝しないか?」

幼馴染「大胆だね……でも……男なら……いいよ……」ベッドニバッターン

男「……」ポチッ

ヒューン……「キャーーーー」

04

幼馴染「下に行ったついでに台所でコーヒー淹れてきたよ!こっちが男のね!」

男「なんで俺のコーヒーはピンク色なの。これは本当にコーヒーなの?」

幼馴染「先週通販で買った媚薬を入れてみました」

男「媚薬を盛ったことを宣言するやつ初めて見たわ」

幼馴染「ふっふーん、ほら!ぐいっとぐいっと!」

男「えー」

幼馴染「大丈夫!冗談だよ!実際はただのビタミン剤!」

男「なんでピンク色なの」

05

男「しかし、雨かぁ。今日は家に引きこもるかぁ」

幼馴染「えっ?なんで?一緒にどっか行こうよ」

男「濡れるじゃん」

幼馴染「相合い傘したら大丈夫だよ!」

男「まだ諦めてないのかよ傘の数に心配はないんだよ」

幼馴染「フゥンッ!!!」バキィッ!!!

男「それ俺の傘だよね?俺の目の前で折るためにわざわざ玄関から持ってきたのそれ?どんだけ相合い傘に執着持ってんだよ。傘ねぇとまず引きこもるぞ」

幼馴染「フゥンッ!!!」ピロラロピロリラン

男「なにその効果音」

幼馴染「回復……魔法だ…………」ゼーハーゼーハー

男「新品同様」

06

幼馴染「そうそう、男ー」

男「なんだ」

幼馴染「朝ごはん作ってるよ!」

男「お、まじか。さんきゅ」

幼馴染「将来の嫁ですからね」フフン

男「俺、彼女いるけどな。一夫多妻制になればいいな」

幼馴染「は?」ポチッ

ヒューン……バサンッ

男「なんで意味もなく掛け布団落とすんだよこえぇよ」

幼馴染「彼女?」

男「あぁ、嘘嘘。言ってみただけ」

幼馴染「そっかぁ……よかったぁ……」

07

男「なぁ、幼馴染」

幼馴染「なぁにダーリン」

男「ダーリンじゃない。あと何故か目玉焼きがピンクなんだけど」

幼馴染「鳥じゃなくてガーゴイルの玉子とかなんじゃない?」

男「我が家はどこで玉子を買ってるんだよ」

ピーンポーン

『だーりん!メールの通り、本を返しに来ましたよー!』

…………

幼馴染「男?彼女いないんだっけ?」

男「……彼女はな」

幼馴染「……」ポチッ

ガチャンッ\キャーーーー/

男「あれ!?あれ!?なんかドアの前から悲鳴しなかった!?お前、そのボタン、あれ!?扉の前にもそれ設置してあんの!?」

08

後輩「あっ……先輩……おはようございます」

男「おう、おはよう。大丈夫か?」

後輩「ちょっと腰が抜けて立てそうにないです。手、貸してもらっていいですか?」

男「おう、ほら」

後輩「よっ……とっもう大丈夫です。ありがとうございます。さすが私のダーリンで……(シュコンッ)……矢!?」

男「おっ文矢だ」

後輩「か、軽くないですか!?」

男「私の男に触れるなだってよ」

後輩「なんというか、先輩モテモテですね……」

シュコンッ\アイシテルーアイシテルーアイシテルー……/

男「俺も流石に永遠に鳴り続けるサウンドロップでラブレターされるほどモテる日がくるとは思ってなかったわ」

後輩「それは別問題です」

09

後輩「まぁ、何にせよ冗談でもダーリン、なんて呼ぶのはやめておきます」

男「そうしとけ。殺されかねん」

後輩「つくづく大変ですね」

男「あっそうだ後輩、目玉焼きがあるんだけど食べ(シューンッ)

後輩「先輩!?私が落ちたとこですよねそれ!?先輩!?」

男「ふぅ……やれやれ……俺からのセクハラは俺が処罰されるらしいな……」

後輩「目玉焼きを勧めるだけでセクハラですか!?」

10

幼馴染「ふはははは、おはよう、後輩ちゃん!」壁クルーッ

男「俺の家どうなってんの?全部の壁が回転機能ついてんの?」

後輩「うげ……おはようございます……幼馴染先輩……」

幼馴染「うげ、とはなんだねうげ、とは!あと私服もかわいいなぁこんちくしょー!」

後輩「あ、ありがとうございます……?幼馴染先輩は何故制服なんですか……?」

幼馴染「JKサービスだよぉ!」

後輩「制服ディズニーくらいしか発揮するとこないと思いますよそれ」

ノリと展開は適当です。
書き溜めなどもございません。
50を目標としていきたいと思います。
キャッチフレーズは""そもそもラブコメってほぼファンタジー""です。
それ以外未定です。よろしくお願いします。

11
リビングにて

男「……」

幼馴染「……」

後輩「……」

幼馴染「この女は何よぉ!?」

男「高校の後輩だよ!」

幼馴染「私とのことは遊びだったのぉ!?」

男「ほぼほぼ遊びしかしてねぇよ!」

幼馴染「そういうことを聞いてるんじゃないの!!」

男「俺どっちとも付き合ってないよね!?二股ではないよねこれ!?」

幼馴染「付き合ってもない女にダーリンとか呼ばれるのはギャルゲかラノベだけよ!!!」

後輩「そうだそうだー」

男「後輩!?荷担しちゃうそこ!?」

12

後輩「そもそもですね、先輩」

男「なんだね後輩」

後輩「私は先輩とそういう関係になりたい、と常々言っているはずです」

男「ふむ。いつもかわしてるけどな」

後輩「そもそもなぜ先輩は私や幼馴染さんの好意を受け取ろうとしないんですか?」

男「俺さ……付き合うとか……よくわかんないんだ…………。友達と何が違うんだろうな……?」

幼馴染「男子中学生かよ」ポチッ

ヒューン「チョッオマッアアアアッ」

…………

男「そのスイッチ最早任意の場所に穴を出現させる魔法具的なもんではないよね???」

後輩「幼馴染先輩、グッジョブです」グッ

幼馴染「ナイスアシスト」グッ

男「何意気投合してんだよ何をアシストしてたんだよ」

13

幼馴染「そもそもね、付き合うって言うのは……うーん。特別になるってことだと思うの。男は私と特別になりたくないの……?」

男「特別にはなりたいが後輩や他の女の子からもチヤホヤされたいのである」

幼馴染「なんという潔さ。素敵」

後輩「いやいや、言ってること最低ですからね!?」

幼馴染「信念を曲げない人間って素敵だと思うの!」

後輩「信念そのものがねじ曲がってますからね」

14

男「そもそも後輩は何のために来たの?」

後輩「最初に言いましたし、夜もメールで言ったじゃないですか。本を返すためです」

男「おぉ……なんというか雨の中悪いな」

後輩「先輩に会いたかったので大丈夫です」

男「おー、さんきゅー」

ボフゥ……

男「アヅゥッ!?チョッ本が燃えっアヂッチョッこれどうなってんの!?」

幼馴染「恋は科学を超える」

男「名言ではないからね!?どうなってんのこれ!?」

15

後輩「ところで、幼馴染先輩はなんのために……?」

幼馴染「起こしにだよ」

後輩「……なんのために?」

幼馴染「ガイアが私に男を起こせと囁いたのだよ」

後輩「…………どんまいです、先輩」

男「平日は助かってんだけどな……休日になると途端にテロだよな……」

幼馴染「休日にも制服姿のJKが見れるなんてなんたる幸福」

男「お前が来なくてもかわいい私服姿の女の子が本を返しに来てくれる予定だったからな」

後輩「さらりとかわいいとか言うところ、ポイント低いですよ先輩」

男「うるせぇ」

16

後輩「とりあえず私の用事は済んだわけですが」

幼馴染「帰る?帰る?」

後輩「帰りません」

幼馴染「ぶーぶー」

後輩「先輩は今日ご予定などはありますか?」

男「いや、ないが」

後輩「では、駅まで一緒に行きませんか?ハロウィンも近いです。部室を少し飾りませんか?」

男「うーん。別にいいけど、いかんせん雨がなぁ」

幼馴染「あれ?私が誘ったときとなんか反応ちがくない?私のとき引きこもる気満々だったよね?」

17
ザァァァアアアア
ポツポツポツ

後輩「私、雨が傘に当たる音ってすごく好きなんですよね~」

男「帰んない?」

幼馴染「まだ家出て五分だよはえぇよ」

後輩「ところで先輩、傘買い換えたんですか?綺麗になってますね」

男「ホイミ喰らった」

後輩「ホイミ」

18

少女「ふん!……ふん!……ふぅーんっ!」

…………

後輩「先輩、ほら、なんかホイミ使えそうな魔法使いが……傘も刺さずホウキにまたがって飛ぼうとしてますよ」

男「帰んない?」

幼馴染「帰ろっか」

後輩「いやいやいやいや、アレ変でしょう!!!」

男「いやいやいやいや、股にホウキ挟んでぴょんぴょん飛んでるずぶ濡れの女とかホラーでしかねぇよ」

幼馴染「私ほどの魔法使いになれば当然のように飛べるしね」

後輩「幼馴染先輩はいつから魔法使いにジョブチェンジしてるんですか」

19
シカタナイデスネェッワタシガイキマスヨッ
ワーワーイキテカエッテコイヨー
……

後輩「……こんにちは」

少女「ふぅん!……ふぅん!」

後輩「こんにちは」

少女「そぉーいっ!はぁーっ!」

後輩「聞こえてますぅー?こーんにーちはー!」

少女「えっあっ。こんにちはです。気づいてませんでした。ごめんなさいです」

後輩「えっと……何をしてるんですか?」

少女「飛べないんです」

後輩「それは見ててわかります」

20

少女「えっと、驚かないでくださいね。私、魔法少女なんです」

後輩「すみません、わかってました」

少女「まさか……あなたも!?」

後輩「服装が思いっきり魔法少女じゃないですか!」

少女「盲点でした」

後輩「大丈夫ですか飛べない魔法少女さん」

少女「飛べます飛べます。いえ、飛べるはずなんです。こう、今飛べないだけで。調子が悪いだけで」

男「……」

幼馴染「……」

後輩「ちょっとお二人さん、その憐れみ満載の目線やめません???」

21

後輩「「魔法界からこっちの世界に飛ばされて、こっちの世界には魔法がないから魔法そのものが全く使えなくなっちゃったみたいで、そもそも帰る方法もわかんなくて、もう何が何やらなんですぅ~!」……とのことです」

少女「ナイスまとめです!」

男「ふむ……仕方ないかぁ」

後輩「またですか」

幼馴染「え?え?何の話?」

後輩「あぁ、幼馴染さんはまだ知らないんですね」

幼馴染「え?」

男「神様に会いに行こう」

幼馴染「ついに……私以外全員ダメになってしまったのか…………」

22

男「この街はそもそも元々おかしいんだ。町の外れの方に……あー今は廃墟なんだけど、いろんな魔法的あれそれが研究されてた施設があってさ。それが依然としてこの街全体の雰囲気とでもいうのかな、とりあえず日常のバランスを崩してしまってるんだよ。だから""たまに""レベルの頻度でこうやって非日常的なことが起きる。」

幼馴染「非日常」

後輩「ちなみに私達は別にそれをどうにかするという運命-サダメ-とか負ってないただの一般人です。神様の友達っていうだけで」

幼馴染「運命-サダメ-」

少女「なんかすごいですね……?神様と友達なんですか……?」

男「俺は神様ちょっと苦手なんだけどなぁ」

後輩「そうなんですか?私は嫌いじゃないんですけど。というか先輩は昔からの知り合いなんでしょう?」

男「まぁそうなんだけど昔からシリアスモードだから俺達のコメディムードがぶっ壊される」

幼馴染「あれ、私の幼馴染属性奪われかけてない?」

後輩「確かに私達は家に落とし穴とか回転扉つけるくらいコメディに命捧げてますもんね……」

男「今日の朝とか媚薬盛られるところだったぞ」

後輩「R18にはならなくてよかったです」

幼馴染「ついていけないオカルトチックな話も嫌だけど私へのディスっぽい話も無視もやめない???」

23

男「神社行くかぁ」

幼馴染「えっ遠くない?」

男「安心しろ、ほら、ここの近くだと……そこの空き地あるだろ、隅のブルーシートどけてみろ」

…………

幼馴染「なにこの魔法陣」

男「ワープホール」

幼馴染「回転扉よりすげぇな。ってか少女ちゃんが使えないだけで魔法自体が禁止ってわけじゃないのか」

男「まぁ神様はなんでも出来るからな」

幼馴染「……突っ込んだらキリがなさそうだし……じゃあ神社に行こっか」

男「しかしその前に神様へのお土産を用意せねばならん。油揚げだ。お約束っぽいだろ」

幼馴染「確かに。じゃあ先にスーパーまで歩く?」

男「大丈夫、このワープホールはスーパーにしか繋がってないから」

幼馴染「なんでだよ神社に繋げろよ」

24
神社前にて

女「よってらっしゃーいみてらっしゃーい月見団子だよー焼きたてだよー買わなきゃ食べちゃうよー。おや
、これはいいところに。男じゃないか。両手に花どころじゃないな。羨ましいぜ」

男「……何やってんだ?」

女「今日はお月見だからね。見ての通り、団子売りだよ。神様お手製だぜ。おひとつどうだい?ひとつ100万円だがご利益は無限大だよ」

男「この油揚げと交換に四つ頼むわ」

女「仕方ないな」

幼馴染「それでいいんだ」

25


女「ふむふむなるほどねぇ。魔法界から飛んできた迷子なのか。まぁその服装、魔法学園の制服だから私には察しがついていたけどね」パクパク

幼馴染「ほんとに自分で団子食べちゃうんだ……」パクパク

少女「えっと……私は帰れるんですかね?」パクパク

女「愚問だな、私は万能だぜ?」パクパク

男「この人これでも何度かこの街救ってるからまぁ大丈夫だよ」パクパク

後輩「あの、月見団子って月を見ながら食べるものなんじゃないんですか?真っ昼間ですよ?」パクパク

男「お前も食ってんじゃねぇか」パクパク

26

女「そもそもの話だけどね、この世界で魔法が使えないって訳ではないんだよ。例えば、そうだな。ワープホールもそうなんだけど……」ボゥッ

少女「わわっ。火炎魔法ですねっ。しかもちゃんと炎が安定しています」

男「こういうの見ると神様なんだなーってなるよな」

幼馴染「私今の今まで信じてなかったや……」

女「おいおい、失礼だな。これでも苦労して手に入れたんだぜ?」

男「嘘つけ」

女「心外だなぁ」

27

女「ありきたりな話なんだけど、魔力ってのは思いの強さに比例するんだ。……というかそれそのものだと言ってもいい。恋だとか、愛だとか、友情だとか、願いだとか、まぁそんな綺麗なものじゃなくてもいい、それこそつまらなさの極みだけれど復讐心なんかの強い意思だとか。そういうちゃっちぃものが人間にはどうしてか無限の可能性を秘めているように見えるようで。神聖化されてついに力を持っちゃったものが魔力ってやつなんだ」

後輩「ちゃっちぃ……ですか……」

女「あぁ、ちゃっちぃよ。君達だって私からすると薄っぺらいラブコメを大事そうに抱えてる人間だぜ」

男「……じゃあ神様はなんかすごい思いを乗せて魔法を使ってるのか?」

女「もちろんさ。私は神だぜ。世界征服という人類を遥かに超えた野望を乗せてるのさ」

((((うっわー、薄っぺらーい))))

28

女「……まぁ冗談はさておき少女ちゃん、君はあれだろう、さっき私が言ったような仲間との友情だとか、そういうつまらないものを思いの核にしてるタイプだろう?」

少女「確かにそうですね……でも、思いは変わってはいませんよ?」

女「それが残念なことに君の言うところの仲間ってのはどうひっくり返してもこの世界にはいやしないんだよ、無力とは言わないがどうしても弱くはなるものだよ」

男「なぁ、これアレだろ、俺達との思い出を思いの強さにするパターンだろ」

幼馴染「確かに」

…………

「「めんどく

後輩「お二人さん???慈悲ゼロですか???」

29

男「まずギャグだけ詰め込んでも終わりが見えないからって無理矢理ストーリーに筋を作ろうとする方が悪い」

女「まぁ、そう綺麗事をのたまわなくともいいんだぜ」

幼馴染「今から少女ちゃんを拷問して溢れる殺意を引き出そう」

後輩「いやいやいやいや」

男「こんなこともあろうかとこちらに電気椅子がございます」ウィーン

女「…………いつのまに私の神社の石畳から電気椅子が出てくるようになってたんだい?」

男「いつもこの神社に来るとシリアスになってつらいので改造しておきました」

女「男くんを改造してあげようか?」

男「やだなぁ、さっき屋台やってたときみたいにフレンドリーに男って呼び捨ててくださいよぅ~」

女「さて、電気椅子を試してみようか」

男「アーレー」

後輩「幼馴染先輩、私ドン引きで魔法使えそうです」

幼馴染「落ち着いて。あなたが使えても意味はないのよ」

30

幼馴染「ちょっと待って?」

後輩「どうかしました?」

幼馴染「強い思いなら、なんでもいいんだよね?神様?」

女「あぁ、なんでもいいぜ。それこそ野望でも、欲望でも、なんでもござれ。魔力はベクトルじゃなくてスカラーさ」

幼馴染み「それは……性欲でも?」

女「可」

幼馴染「少女ちゃん……この月見団子をだね……」

男「見覚えのあるピンク」ビリビリ

31

女「まぁ確かに、性欲で魔法を使えないわけでもないんだが待ちたまえよ」

幼馴染「なんで……?」

女「如何せん、私達のお話はお若い人向けだからね。刺激的なのは避けたいのさ。そう、さながら少年誌のようにね」

幼馴染「何の話……?」

女「いや、なんでもないんだけど。まぁR18展開は避けたいのだよ。やめたまえ」

幼馴染「大丈夫、18はまだ若いよ」

女「そういうことじゃない」

幼馴染「大丈夫、純粋な少年のためにトラブルでダークネスな範囲に留めておくわ」

女「ダークネスじゃなければ可」

男「いやだめだろ!?というか何がお前をそこまで突き動かしてるんだよ!?」

32

幼馴染「……ということで」

少女「よろしくですぅ」

男「やっぱりこういう……交遊パターンか……」

後輩「上手くないです」

幼馴染「どうする?ボーリングでもする?」

男「魔法少女交えながらすっげぇ日常的なことするなぁ」

幼馴染「非日常ならぬ微日常を掲げてるからね私達は」

後輩「初耳ですね」

33

女「野球をしよう」

男「ベタだなあ」

女「野球は青春の代名詞だぜ。野球回があるアニメは大体面白い」

幼馴染「人数足りなくない……?」

女「私は分身もできるぜ」

後輩「いやいやいや……」

少女「あのっ、そもそもヤキュウってなんですかぁ?」

女「打つ!投げる!走る!以上だ!」

男「超アバウト」

34

男「どうせだから知り合い当たるわ、えぇと、今何人だ……?俺、幼馴染、後輩に神様、あと少女ちゃん……五人か。あと四人?」

女「既に登場人物がごっちゃごちゃなのにこれは苦行だぜ」

男「さっきからメタメタしいな」

幼馴染「対戦相手はどうするの……?」

女「私はたまに暇潰しにそこの公園でやってる野球に混ぜてもらってるからな。口利きは余裕だぜ」

男「……そこの公園でやってるのって草野球だろ?おっさんに混ぜてもらってんの?」

女「最初は怪訝な顔をされたが一回試合に出てからは引っ張りだこだぜ」

男「さすが神様だ」

女「ミニスカで試合に出たからね!」

男「思ってたのと違う」

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