千川ちひろ「NGの三人が話し込んでる」 (61)


・モバマスss

・キャラ崩壊

・Pは複数(登場するとは限らない)


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渋谷凛「プロデューサーに私の好意を察して欲しい」

本田未央「ほうほう」

島村卯月「ついに告白ですか?あんまり表立っては出来ないですが、応援しますね!」

未央「ああ、しまむーはそういうスタンスなんだ」

卯月「え?」

未央「いや、良いんだけどね。私微妙に部外者だし」

卯月「?」


凛「まあ告白とかはまだ考えてないんだ。まして成功したとしても、付き合うことも。アイドルとしてやりたいこと、まだまだたくさんあるし」

卯月「ならなんで決意表明を?」

凛「それはね、プロデューサーと問題なく付き合える人が近くに居ると、気付いてしまったからだよ……!」

千川ちひろ「ん?視線?……凛ちゃんどうしたんですか?」

未央「こら、しぶりん!八つ当たりで仕事中のちひろさんジト目で睨むの止めなさい!」

凛「……ごめん。ちひろさんもごめんなさい」

ちひろ「い、いえ?」


卯月「つまり、凛ちゃんはプロデューサーさんに待ってて欲しいんですか?」

凛「うん。言葉にすると多分そうなる」

未央「で、私たちにどうやったら好意だけを察して貰えるか相談を」

卯月「私は急には思い付かないです……。ごめんなさい」

凛「あ、良いんだよ。私のワガママなんだし。実はもうひとつ試したんだ」

卯月「そうなんですか?」

未央「……なんだろう、なんか嫌な予感が」

凛「プロデューサーが着てきたコート。それに自分の匂いを思い切り刷り込んでみたんだ」

未央「…………」

卯月「…………えと」


凛「肝心のプロデューサーには気付かれなかったけどね。でも外に付ける時は抱き締めたからプロデューサーに抱きついてる気がして、内に付ける時は羽織ったからプロデューサーに抱き締められた気がして……まあ、悪くなかったかな」

未央「…………うわぁ」

卯月「うわぁ、は止めてあげてください未央ちゃんっ」

未央「いや引くよ。うわぁ、だよ。だって友達がさ、スゴい乙女な顔で、自分のそういう妄想?それを語ってくるんだよ、ちひろさん!」

ちひろ「また巻き込まれた!?」

未央「だって未成年だけで受け止められないよ、これ」

卯月「こ、こら未央ちゃん!お犬さんのマーキングみたいだと思えれば、その、可愛いじゃないですか!」

未央「フォローになってないよ、しまむー」

凛「……犬か。プロデューサーが望むなら悪くないね」

未央「ほらー、ちひろさん。……あとそれ絶対外で洩らしちゃ駄目だよ?出来れば内でも相手したくないし」

凛「未央が冷たい……」

卯月「えっと、えと……ち、ちひろさーん!」

ちひろ「いえ、こういう言い方したくないんですが、私今結構重要な案件処理してる最中なんです!猥談に巻き込まないでくれますか!?」

時間切れですごめんなさい。
まだ導入も終わってないです。
とりあえずまた夜に

でわでわ




未央「で、どうするの、しぶりん」

凛「もう遅い時間だけど、他の人に聞きに行くよ。善は急げと言うし」

卯月「あ、なら美嘉ちゃんや奏ちゃんに聞きに行きましょう」

未央「!?」

卯月「カリスマギャルの美嘉ちゃんや、自分のプロデューサーさんに積極的に迫る奏ちゃんなら、きっと良い案をくれます」

未央「いや、しまむー?」

凛「その二人には聞いたことあるんだ」

卯月「そうなんですか?」

凛「でも私には早いとか、一途な凛には参考にならないって言われた。……全く。年齢なんて大して変わらないのに」


卯月「それは残念ですね……。あ、なら私が」

未央「……しまむー、しまむー!」

卯月「小声でどうしたんですか、未央ちゃん」

未央「前にみんなで大々的なお泊まり会した時があったよね?」

卯月「?はい」

未央「その時持ち寄った映画見てたら、唐突な濡れ場シーンで二人が真っ赤になって俯いてたの、しまむーも気付いてたよね?も、もしかしてしまむー……」

卯月「んー……えへっ☆」

未央「可愛い!……その笑顔を見せられたらもう追及出来ないね」

卯月「えへへ」

凛「?」


凛「じゃあこの後予定もないし行ってくる」

卯月「私もお付き合いしますね!」

未央「なら未央ちゃんも着いて行かないとね!」

凛「ありがとう、二人とも」

未央「で、誰に聞くってプランはあるの?」

凛「そうだね。あまり人は残っていないだろうけど、出来れば自分のプロデューサーと仲の良い人や、大人の女性。それにがっついてる人も良いかも」

未央「……最後の絶対本人の前では言わないでね?」

凛「?うん」


凛「じゃあ行ってくるよ、ちひろさん。多分そのまま帰ると思う。あとごめん、忙しいのに巻き込んで」

ちひろ「ああ、良いんですよ、それくらい」

凛「今度ドリンク買わせて貰うね。それじゃあ」

ちひろ「はい、行ってらっしゃい。……ん?」

卯月「私もそうさせてもらいます!ではお疲れ様でした、ちひろさん!」

ちひろ「あ、はい。お疲れ様です……じゃない!あれ単純に皆さんが心配だから勧めてるだけで、まして私が作ってる訳でも……!」

未央「……どんまい☆」

ちひろ「タダで渡してるの自腹なのに……」




未央「……しぶりーん!しまむー!待ってよ!」

凛「何話してたの?」

未央「んー、なんでも。時間も時間だし、さくさく行こう!」

凛「そうだね」

卯月「条件が合えばすぐに突撃ですね!」

凛「そう言えば未央はなにか案無かったの?」

未央「んー……大したこと言えないし、フェアでもないから止めとく」

卯月「フェアじゃない、ですか?」

未央「アッハッハッハ……お、誰か居るみたいだよ!」


卯月「光ちゃんですね」

未央「幸先良いね!彼女なら条件のひとつの自分のプロデューサーと仲が良い、が合うよ」

卯月「よくお家に遊びに行ってるそうですもんね!」

凛「……羨ましい。とても羨ましい」

未央「そういうのは後で聞いてあげるから」

卯月「行きましょう!」


凛「光、今帰り?」

南条光「NGの三人じゃないか。うん、その通りだ。アタシに何か用か?」

未央「うん、あるのです。光ちゃんは自分のプロデューサーと仲良いんだよね?」

光「え?そ、そうかな?そんなことは……」

凛「ううん、そんなことあるよね?なんせ家に行ったり、家に行ったり、家に行ったりしてるもんね?」

光「それはそうだけど、なんか怖いぞ凛さん」

未央「自分ががっついてどうするの、しぶりん」

卯月「凛ちゃんが舵取ると話が進まなそうなので、私が説明しますね!」

光「う、うん」

未央「しまむー……」

凛「私が当事者なのに……」


卯月「自分のプロデューサーさんと仲良くする秘訣、みたいなモノってありますか?」

光「そもそも特別に仲が良いつもりはなかったんだけど、そうだな」

未央「なに、なに?」

光「アタシとアタシのプロデューサーの趣味が同じで、だから周りに仲が良いと思われれのかもしれない」

卯月「それって特撮鑑賞ですか?」

光「うん。オフの日によく家に行って、DVD一緒に見たり、変身ポーズ決めたり。後は最近小説借りたりもしてる」

未央「ほうほう。で、うちのプロデューサーの趣味は?しぶりん」

凛「動物と遊ぶことだって。実家暮らしで、ペットの散歩は日課だって」

未央「ならしぶりんのすることは?」

凛「そ、そうか!私がプロデューサーの犬に」

未央「ダウト」


凛「痛っ!?何するの、未央!」

未央「そっちこそ何を血迷ってるの?あと外で言うなって言ったよね?」

凛「じゃあどうするの!」

未央「え、ええー?本気の解答であれ?……しまむー?」

卯月「私ですか?えと、ハナコちゃんを連れてプロデューサーさんと一緒にお散歩するとか?」

凛「……その手が!」

未央「マジかー。マジなのかー。マジだったのかー。……まあそうだね!さすがしまむー!」

卯月「え、えへへ」

光「あれ?凛さんもそう言おうとしたんじゃないのか?」

未央「……光ちゃんはこうなったらダメだよ?」

光「う、うん」


未央「ありがとね、光ちゃん。参考になったよ」

凛「でも、やっぱり犬も」

卯月「凛ちゃん?次に行きましょう?ありがとうございました、光ちゃん」

光「あ、うん」

凛「私からもありがとう。でもやっぱり」

未央「しぶりん?置いていかれたいの?」

凛「う、うぅ……」



光「何か嵐の様に去っていった……」

光「でもアタシとアタシのプロデューサーってそんなに仲良く見えるのか」

光「……なんだろう。スゴく胸がジンジンする」



卯月「あ、あそこで空を仰いでるのはのあさんですね!」

未央「でかした、しまむー!大人枠だよ、しぶりん!」

凛「うーん……」

未央「およ?煮え切らないね」

卯月「凛ちゃんが二の足踏むのは、のあさんはミステリアスな方ですから、私生活が想像出来ないのが原因かもしれないです」

未央「まあどんな恋愛されるか、あまり想像出来ないね」

凛「……のあさんってみくをよく弄ってるよね?」

卯月「?そうですね。この前麗奈ちゃんのバズーカ持ってみくちゃんを追いかけ回していました」

未央「何してんの、あの人……。私も早弁してると思ったら、それがみくニャンのお弁当だったりしたの、見たことあるけど」

凛「私はやり過ぎたのか、マストレさんと彼女のプロデューサーに、引きずられて行くのを見たことある」


未央「……あれ?私達あの人に頼って良いの?」

卯月「だ、大丈夫ですよ!……多分、きっと!」

凛「でしょ?不安になるでしょ?だから好きな人は苛めろ、みたいな解答が返ってくるかと思うと……」

未央「さ、さすがにわかってやってる人が、友情と愛情の接し方を取り違えないとは思いたいけど……」

卯月「もう凛ちゃん!未央ちゃん!そんなこと言うから、のあさんさっきから小刻みにプルプルしてるじゃないですか!」

未央「……それってしまむーの台詞も聞こえてるよね?」

卯月「あ」


NG「……ごめんなさい」

高峯のあ「いえ、いいわ。普段の私にも、問題あるのだから」

未央「そう言ってもらえると」

卯月「はい、助かります」

のあ「凛が聞きたいのは、好きな人へ自分の好意を告白以外で伝える方法、だったわね」

凛「はい」

のあ「その人は年上?年下?どれくらい離れているの?」

凛「年上で、一回り近く離れてます」

のあ「なら男と女以前に、ただ子供としか思われていない可能性も考えておかないとね」

凛「……なるほど。でも急に成長なんて」

のあ「別に貴女が子供っぽいと言ってるわけじゃないわ。それに貴女はとても魅力的、とても輝いているわ。それは忘れないで」

凛「あ、ありがとうございます」

未央(予想以上に真面目だ!)

卯月(ボケる暇も、突っ込む隙もないですね!)


のあ「年齢を理由に子供扱いしてくるなら、その認識を普段の印象を変えることで揺るがせればいい。例えば化粧、例えば髪型、そして例えば、服装」

凛「服装?」

のあ「そう。普段より、女性特有の柔らかさを意識させる部位を露出させたり」

凛「!」

未央(一瞬でバニー姿に!?)

卯月(スゴい速業です!)

のあ「露出が嫌なら、コスプレ染みた物でも有りかもね」

卯月(今度はメイド風エプロンドレスです!)

未央(明らかに布面積増えてるのにどうやって!?)

凛「おー……」


のあ「……こんなものね。どうかしら?」

凛「う、うん。ありがとう、のあさん」

卯月(服装戻っちゃいましたね)

未央(見切れなかった……!)

のあ「なら私は行くわ。それでは、ね」



未央「……私達わりと失礼だったのに、真摯に相談乗ってくれたね」

卯月「ちゃんと活かさないといけませんね、凛ちゃん!」

凛「うん。でも露出にコスプレ……はっ!?」

未央「釘を刺しとくけど、犬コスとか止めてね?」

凛「くっ!」


卯月「あの、凛ちゃん。アブノーマルな行為と愛情の深さはイコールでは無いと思いますよ?」

凛「そ、それは……」

卯月「それにのあさんだって、今の凛ちゃんは十分素敵だって言ってたじゃないですか。そんなのに頼る必要無いです!」

未央「良いこと言うね、しまむー!で、しぶりんはしまむーの言ってること間違ってるとおもう?」

凛「思わない。……ごめん。そしてありがとう、卯月。私、変に焦ってたみたい」

卯月「えへへ、いいんですよ」

未央「よーし!次行ってみよう!」



のあ「…………」

のあ「もしもし?私よ、みく」

のあ「いえ、指摘されて初めて自分を省みれたから、お詫びに貴女を食事に誘いたいと思って」

のあ「私の中では繋がってるから良いのよ。行くの?行かないの?」

のあ「……そう。なら私が決めておいて良いのね?わかった。それではまた、ね」

のあ「…………みくニャンマジチョロカワ」

とりあえず前半終了です。
天使と悪魔を出す案もありましたが、諸事情でお蔵入り。のあさんがどうしたかはご想像にお任せを
残りは飛び入りとキュート枠、そして落ちとオマケになります。

では明日もお付き合いを


卯月「あれ?こっちに来るの、愛海ちゃんですね」

棟方愛海「およ?NGの御三方だ。相変わらずバリエーションに富んでてたまんないね!……あ、まだ冗談だから引かないで」

未央「まだ残ってたんだね、愛海ちゃん。あとここ愛海ちゃんの所と結構距離あるのに何で居るの?」

愛海「今日粗相した分のレッスンその他がさっき終わったんだ。そしたらこっちにあたし好みのシチュの気配がした、と思ったんだけど、もう終わってたみたい」

未央(さっきののあさんの早着替えのことかな?)

卯月(なんかもう、スゴいですね!)


凛「…………うん」

未央「どしたの、しぶりん」

凛「いや、愛海もありかもね」

未央「……確かにある意味がっついてるけどさ」

卯月「あ、未央ちゃん!本人の前でがっついてるなんて言ったらダメです!」

未央「うん。さすがに今のはわざとだとわかったよ?」

卯月「えへっ☆」

未央「可愛い!……二度目はないよ、しまむー!」

卯月「きゃー」

凛「なにをイチャついてるの」


愛海「ふむ、つまり揉んで良いんだね?」

凛「なにがどうしてその結論に……」

未央「待った、愛海ちゃん!少しでも不埒な真似に及ぼうとしたら、このヘルプメールを愛海ちゃんの担当プロデューサーの、愛海ちゃん対策用ケータイに送らせてもらうよ!」

愛海「いつの間にそんなモノが!?おのれプロデューサー!」

卯月「この前事務所全体でお触れが出てましたね」

愛海「ぐぬぬ、そんな特別扱いは嬉しくない!」

凛「自業自得でしょ?」


未央「愛海ちゃんはほっといて……しぶりん本気?確かにがっついてるけど、明らかに方向性違うよ?」

凛「でも、愛海ってなんと言うか」

愛海「ところでもう揉んで良いんだよね?」

凛「流れをガン無視、いや、自分の流れに無理矢理戻した!?」

愛海「あたしに前置きって必要かな?」

卯月(……ポチポチ)

未央「忘れたのかな、愛海ちゃん!このメールを送信するだけで……あ、あれ?私のスマホは?」

愛海「これのことかな」

未央「いつの間に!?」

愛海「これもあたしの登山スキルのちょっとした応用だよ。卓越した指使いのなせる業!」

凛「何で間違った方向のスキルばっかり達者なの……」

愛海「あ、後でちゃんと返すから安心してね」

未央「今からされることに安心出来ないんだけど!」


卯月(もう少し時間が必要かな?)

卯月「あの、愛海ちゃん?」

愛海「何かな、卯月さん」

卯月「最初に冗談だと言ってませんでした?」

愛海「まだ、とも言ったよ?時間稼ぎのつもりかな?」

愛海「残念だけど、あたしのプロデューサーは事務仕事で部屋に缶詰め!だから偶然通りかかることもない!勝ったね!」

未央「結果論なのに、さも計算通りみたいなことを!」

愛海「観念したかな?うひひ!NGのNGなお山に感謝して、いただきますっ!」

あつみんの暴走はまだ始まったばかり
とりあえずここまでです

でわでわ


「観念するのはお前だ、愛海」


愛海「ぐえっ!プ、プロデューサー!?何でプロデューサーがここに!?……卯月さん!」

卯月「あ、はい。私です」

愛海「しまった!他の二人は頭に無かった!」

未央「それでよくあんな勝ち誇れたね……」

愛海「で、でも!こんなに早くここに来るには、あたし達の場所が正確に分からないといけない!プロデューサーの性格上、着信と同時に飛び出したはず!」

「ご明察だがな、こっちはプロデューサーだぞ?担当アイドルの気配を追えないでどうする。お前は特に追いやすいしな」


愛海「…………そう、なんだ」

「?急に大人しくなったな。まあ間に合ったみたいだし、反省文で勘弁してやるよ」

愛海「も、もう原稿用紙一枚分文章考えるの嫌なんだけど!」

「自業自得だろうが。ほら、早く行くぞ」

愛海「あ、あたしが倒れても、第二第三の棟方愛海が……!」

「お前みたいな邪念に溢れた美少女が、二人も三人も居てたまるか」

愛海「び、美少女ぉ!?」

「口に出しとかないと、オッサンと間違えるかもしれないしな」

愛海「ぬがっ!」


「しかしお前、少しは自制出来ないのか?」

愛海「無理だね!法子ちゃんが遅めに来たり、かな子さんがみんなを集めてる時、お裾分けを期待してそわそわしちゃう甘党のプロデューサー位に無理だね!」

「おー、そうかい。じゃあ島村、本田、渋谷。これが迷惑かけたな、すまん。気を付けて帰れよ」

卯月「あ、いえ。ありがとうございました!」

未央「来てくれて助かりました!」

凛「……ありがとうございます」

愛海「むう!さすがに物扱いは酷いよ!」

「女性扱いされたいなら、せめて少し控えろ。もしくは、そうだな。十年アイドル続けられたら考えてやるよ」

愛海「十年?楽勝だね!」

「そっちかよ。本当にぶれないな、愛海は……」


卯月「……乗っ取られるかと思いました」

未央「そっち方面で似た者同士だから、しぶりんも一考したんだね。……しぶりん?」

凛「……ズルい」

未央「はい?」

凛「ズルいよ!だってアレ、プロポーズみたいなものじゃん!」

未央「……そう捉えちゃうかー。でも十年何もされないって考えも出来るよ?」

凛「だ、だけど」

卯月「凛ちゃん?隣の芝生を羨んでも仕方ないですよ?」

凛「う、うぅ……」

未央(バッサリだ……)


佐久間まゆ「あれ?こんな所で奇遇ですねぇ?」

凛「!」

卯月「あ、まゆちゃん。こんばんは!」

まゆ「こんばんはぁ、卯月ちゃん」

未央「まゆちゃんこんばんは。私としまむーはしぶりんに付き合ってるんだ。まゆちゃんは?」

まゆ「私は私のプロデューサーさんがお仕事を済ますまで、時間潰しにうろついているんですよぉ。……その、今日は一緒に帰る約束なので」

未央「ほう!でもまゆちゃんは自分のプロデューサーを眺めてるだけで時間潰せそう。むしろ時間を忘れられそうだよね」

まゆ「それも素敵ですけど、お仕事の邪魔をしたらいけないので」


凛「……ま、まゆ?」

まゆ「はい?」

卯月「凛ちゃん?」

凛「その指輪は、なに?」

まゆ「これですか?二人の記念にと、買って貰ったペアリングです」

卯月「へぇ、それって」

未央「なんの?なんの?」

まゆ「……二人のその、お付き合いの記念にって」

凛「……ぐふっ」

卯月「凛ちゃーん!?」

未央「しぶりんが呻いて倒れたー!?」

まゆ「え、ええ!?」


未央「傷は浅いよ、しぶりん!まゆちゃんはおめでとう」

卯月「しっかりして、凛ちゃん!私からもおめでとうございます、まゆちゃん」

まゆ「あ、ありがとうございます。い、いえ。凛ちゃんは大丈夫なんですか!?」

凛「わ、私は大丈夫だよ、まゆ。そしておめでとう」

まゆ「で、でも凄く顔色が悪いですよぉ!?」

凛「私のまゆに対する、勝手な劣等感からくるものだから、まゆは気にしないで……それより詳細を聞いて良い?」

まゆ「それは良いですけど、そんなに語れること無いですよぉ?」

凛「それでも良いから」

卯月「私も聞きたいです!」

未央「私も私も!」


まゆ「それならお話しますね?少し前から、私のプロデューサーさんと作ってきたお弁当の交換と、内容の感想を言い合ってたんです」

卯月「まゆちゃんのプロデューサーさんはお料理出来るんですね」

未央「うちのプロデューサーはどうだったかな」

凛「私、あまり料理しないんだけど、私にも出来るかな?」

まゆ「不安なら私が教えますよ?……話を戻すと、それを繰り返す内に想いが溢れて、それを言葉にしたら受け入れられた。それだけなんです」

NG「ええー!?」

未央「さすがに短すぎない!?」

卯月「消化不良です!」

凛「告白したのはまゆから、なんだ……」

まゆ「うふふ、ごめんなさい。でもあの人に言われた言葉も、あの人に言った言葉も、そして告白した時の言葉の応酬も。全部大切な、私達だけの思い出なんです。だから諦めてくださいねぇ?」

未央「ぐぬぬっ……」

卯月「そうまではっきり言われたら……」

凛「…………」


まゆ「ちょっと失礼しますね。……はい。あなたのまゆですよぉ?……わかりました。ではあなたの下へ向かいますね?……はい。待っててください」

まゆ「うふふ、お仕事が終わったみたいだから、私はもう行きますね?」

未央「うん。ありがとうまゆちゃん!」

卯月「さようなら、まゆちゃん!」

凛「…………まゆ!」

まゆ「はい?」

凛「まゆは怖くなかったの?二人の関係が確実に変わるのに」

まゆ「私はより怖くない方を切り捨てただけです。……凛ちゃんは?」

凛「私は……うん。ありがとう」

まゆ「良いんですよ。私も凛ちゃん、凛ちゃん達を応援してますね?」



卯月「もうこんな時間ですね。そろそろ帰りましょう?」

未央「そうだね。ところでしぶりん。今日の収穫は実行してみるの?……愛海ちゃんとか完全に振り回されただけだったけど」

凛「……それなんだけど、私やっぱり正面から告白するよ」

未央「はい!?」

卯月「ええ!?」

凛「今日散々付き合わせたのにごめん。……でも」

未央「それって酷い言い方だけど、まゆちゃんが成功してたから自分もってこと?」

凛「ううん。そうじゃない」

卯月「……なら、ならどうしてですか?」

凛「……ちゃんと失恋したいって思ったから」

卯月「?」


凛「まゆが自分から告白したって聞いた後、今日の私を省みてみたんだ」

凛「周りくどい方法で好意を伝えようとする私」

凛「年齢や立場がお似合いだからちひろさんに、自分に無い積極性を持った他のアイドルに嫉妬する私」

凛「変な性癖を自分に付けようとする私」

凛「それって全部、私が間接的に振られた時、言い訳するために仕組もうとしたことだと思うんだ。……だからそんな言い訳に頼る情けない私を晒す前に告白してくる」

凛「告白して、玉砕してくる。卯月やのあさんが言ってくれた、魅力的な女の子で、アイドルで在りたいから」

卯月「凛ちゃん……」

未央「……ねえ、しぶりん」

凛「なに?」

未央「最初にカミングアウトしたアピール方法は……その、ガチな奴だよね?」

凛「うん、そうだけど?」

卯月「……それ、今の流れで聞く必要あったんですか!?」


未央「いや、しぶりんのボーダーラインどこかなって気になって。……お、メール返ってきた」

卯月「メールですか?」

未央「うん。ちひろさん情報だと、プロデューサー帰ってきてるって。自分は仕事も終わらせたし帰るけど、プロデューサーはまだ残るそうだよ?……どうする?」

凛「……行く!」

未央「じゃあ頑張ってね!」

凛「ありがとう、未央」

卯月「……凛ちゃん!」

凛「卯月?」

卯月「凛ちゃんが魅力的な女の子だって言ったのは本気です!だから諦めないで……ううん、頑張ってください!」

凛「ありがとう、卯月。……行ってくる」


未央「……しぶりんを焚き付けておいてなんだけど、しまむーは良かったの?」

卯月「はい。私はプロデューサーさんも、凛ちゃんも、もちろん未央ちゃんも。みんな大好きですから」

未央「そっか。ならもししぶりんが振られたら、今度こそ二人とも応援させてもらうね?私もみんな大好きだしね!」

卯月「……ありがとう、未央ちゃん。心強いです!」


凛「お疲れ様、プロデューサー。仕事中にごめんね」

凛「私どうしてもプロデューサーに伝えたいことがあるんだ」

凛「……うん。ありがとう。あの、ね?……私は……私は……!」



・おまけ

NGの去った直後

ちひろ「もうちょっと誤解されないよう、自重を……いやでも無理をされても……うーん」

悪魔ちひろ『何を悩む必要が?』

ちひろ「!」

悪魔ちひろ『会社の利益は自分の利益、ですよ?第一自分の財布が痛むわけでも無いのに、躊躇う理由がわかりま、いったあ!?』

ちひろ「!?」

天使ちひろ『…………』

悪魔ちひろ『な、殴ってきた!?あ、待って!関節はそちらに曲がらな、いだだだだっ!』

天使ちひろ『言葉で惑わせてくる輩に、言葉は不要。……ですが』

悪魔ちひろ『痛いです!痛いですって!』

天使ちひろ『Pさんやアイドルをサポートする立場の私が!逆に迷惑をかけて!どうするんですかあっ!』

悪魔ちひろ『いや、その言葉で十分論破出来てますよね!?う、うわーっ!』

ちひろ「……私の中の天使って武闘派なんですね。価値観が悪い方に変わったら、躊躇いなく実行出来そうな自分が怖いです……」

ひとつ前の一レス完結物のお話でですね、ちひろさんをわりと便利に使っていながら、自分の決めた仕様上仕方なかったので、メインにしなかったんです。
その雪辱でおまけはこんなのになりました。……あつみんを初め、終盤は例外だらけだった?知らんな。

見てくれた方に感謝を

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