【艦これ】金剛「ヘイ提督ゥ、私って何歳に見えますカ?」 (93)

衝撃が、体を襲った


全身に電流を流され、反射的にビクッとなってしまったような感じだろうか


目の前にいる今日の秘書艦担当を直視出来ない


汗が、全身から吹き出す


それも運動した後のようなさらさらとした気持ちの良い汗ではない


限界まで追い詰められた時に出る、ドロドロとした脂汗

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太陽が漸く控えめになり、過ごしやすい日々になってきたはずだった


今日は特に涼しく、少し肌寒いかな?とすら感じた程で


天気も晴れ晴れして湿度なども完璧


洗濯をしていた間宮が鼻歌で快晴・上昇ハレルーヤを歌いだすほどだった


それなのに、それなのに、ぶわっ、と


先日も二日酔いで同じような体調になったが、それの比ではない


女性がこんなことを聞くのは男性にとって死刑宣告だ


自分は今刻一刻と処刑台に向かって歩みを進めている

そもそも何故金剛はこんな質問をしようと思った?


着任して金剛に会ってからの約2年、そんなことは話題にすらしなかったはずだ


取り敢えずその辺りをはっきりとさせないといけまい


提督「こ、金剛。ど……」


うしてそんなことを?と続けようとしてやめる


理由を聞いた瞬間逃げ道が消えるからだ


今ならまだ『え?何か言った?』と鈍感系主人公で逃げることが出来る


こんなデリケートな質問、金剛だってもう一度言い出したくはないだろう

よし、勝った


処刑は取りやめ


無罪を勝ち取ったのだ


さぁ勝利の言葉を一言






提督「え?何だっ


金剛「私って何歳に見えますカ?」






有罪確定


逃げ道が一瞬で崩れ落ちた

誰か助けてくれ


『待った!!』でも『それは違うよ!』でもなんでもいい


逆転を起こしてくれ、論破してくれ


しかし証拠が一切なかった


完璧犯罪に穴などなかった


さて、どうする


こうなったらどうにかして答えを導き出すしかない

仮にだ、若い年齢を言ってみるとしよう


金剛は喜ぶだろうか?


いや、若すぎる年齢を言っても世辞だなんだと取ってしまうだろう


最悪の場合嘘を付くなと言われ、


『私に嘘を付くなんていい度胸デース。もっと私のことを知ってもらわなきゃいけまセーン』


と、いう状況になる


すると死より恐ろしいものが待ちうけることになる


金剛だけだったら処刑はまだ大丈夫かもしれない


だが問題なのはあの妹たちだ

あいつらはどんなに隠しても金剛のことは一瞬で把握する


そしてお姉様を悲しませたと便乗する


金剛自身が話すかどうかなど関係ないのだ


美しすぎる姉妹愛に涙が出てくる


一日中傍から離れない、劇物の試食、サンドバックや細かすぎる戦術を一日中勉強させられる、24時間耐久性交、etc……


一人一人からの様々な拷問が待ち受ける

では高い年齢を言った場合はどうか


もっとヤバい


この世から消えることになる


胃の中を破壊され、頭をパンクされ、枯れ果てる


そもそもだ、金剛は見た目で言えばそんなに歳を食っているわけではない


と思う


20、行っても30代前半が妥当か

しかし艦時代の姿を基準にしているのなら話は別だ


100歳は超えている


BBAとかそんな次元ではない


即身仏のようなものだ


そんなひっかけ問題のようなものを求めているのか?


んなはずはない


あくまで今の艦娘の金剛としての年齢を求めていると判断すべきだ


よし、一つ解決に近づいた

女性がこういうことを聞くときは、その人物が求める答えが存在する


その答えを言い当てる


それだけが助かる手段だ


よって答えとなる数字を絞るのは何よりも大事な要素となる


そして先ほどある程度の見通しを付けた


上限は30、下限は15だ


この16個の選択肢から導き出す

出来るだろうか?


いや、やるしかない


奇跡は起こる


起こしてみせる






提督「なあ金剛、急にどうしてそんなことを聞いたんだ?」






口から出る言葉を一つ一つ吟味しながらはじき出す


余計な事も、少なすぎる言葉でも駄目だ


シンプルな質問で最大限の情報というリターンを得ようと試みた

金剛「ンー?何となくデース」


提督「…………」




会話、終了


先程と一切状況が変わっていない


もしも理由が


『この前居酒屋に行ったときにお酒が飲める年齢に見られなかったネーHAHAHA』


とかだったら笑い話で流せたかもしれないのに


結局不正解ならば俺の死が決まる

……考えるのが面倒になってきた


もう平均辺りの25歳と言ってしまえばいいんじゃないだろうか


最も無難であり生存率も高い


いやいやいやいや待て


軽率な発言はアウトだと先ほど自分が言ったではないか


もしも金剛が自分自身を少女だと言ってほしいならば、25は歳が行き過ぎている


25歳は婚期のギリギリラインであり、BBAと言われるかどうかの境目とも言える


そこからの時の流れは残酷だ


年老いていく自分を日々自覚しながら化粧やケアで無理やり延命していくしかない


それが時間稼ぎでしかなく、虚しいとしてもそれ以外に出来ることなどなくなるからだ

大体だ、25歳超えて『デース』とか言うのはあまりにも痛い


近くにいたら距離を置くくらいには痛い


そして、アニメでも艦娘は『娘達』と言われている


25歳、というか25歳以降は娘などと言うだろうか


いや、言わない


だったら少女らしく15歳くらいか


駄目だ、若すぎる

金剛は人間としてかなり出来上がっている


こんな15歳は見たことが無い


先程も言ったが、世辞と取られてもアウトなのだ


大体、大人意識がある者に少女などと言うと逆に舐められているように思われる


さらに絞ると、『このゲームの登場人物は全て18歳以上です』という魔法の言葉がある


16や17ではその辺りが不便になってしまう


つまり、18歳以上20歳以下


この3つの中に答えはある


どれが最適か

ここまで絞れれば自ずと答えは見えてくる


『娘』という年齢が適応でき、かつ世辞とも取られない最適な年齢


それは、20歳だ


20歳とは『はたち』と呼ばれる重要な年齢だ


酒や煙草などが解禁され、一種の完全自立状態である


反面自立したばかりでどこかまだぎこちなさや脆い面もある


まさに金剛にぴったりだ

実を言うと19歳というのも迷った


しかし金剛姉妹で比較すると、最年少の霧島が18歳、大学入りたてくらい


三女の榛名と次女の比叡が19歳で大学2年


金剛は年長で20歳


こういうイメージだ(※あくまでイメージです)

完璧だ


なんて完璧な理論なのだ


体が軽い


こんな気持ちは初めて


もう何も怖くない


では言おうではないか


前に、ただひたすらに前に


輝ける明日へとつながる答えを






提督「俺は、にじゅっ


鳳翔「あら、ドアが開いてる……提督、失礼します」


金剛「OH、鳳翔ネ!」


提督「えっ」

突然の乱入者


言いかけた答えを中断してしまう






鳳翔「少し聞きたいことが……あら?どうかいたしましたか?」


金剛「調度いいデース!ヘイ鳳翔、私は何歳に見えますカ?」






俺がさんざん苦悩した問題を他の者にも問いかけだす金剛


しかし女同士の、それも鳳翔にはそんなものは無意味だった

鳳翔「そうですね……20歳くらいでしょうか?」


金剛「それはどうしてですカ?」


鳳翔「金剛さんは姉妹の長でとても大人っぽい印象がありますし、実際艦隊のムードメーカーや統率をこなしてくれています」


金剛「ワオ……」


鳳翔「ですが私のお店に来ているときは愚痴をこぼしたり、不安だと言っています。この不安定さが20歳のようだな、と思ったのです」


金剛「ありがとうございマース!素敵な回答で嬉しいデース!」


鳳翔「ふふ、気分を悪くされなくて私も安心です」

好反応


流石鳳翔だ


俺とほぼ同じ理論で金剛を諭しきった


では俺もそれに続こう






提督「俺も金剛は20歳に見えるぞ」


金剛「提督もですカ!」


提督「ああ、姉妹からは頼りになる姉とよく言われているし、明るさや理性的な言動にも信頼をしている」


金剛「えへへ、そんなに言われると照れるネ」

成し遂げた


正しい選択を選ぶことが出来たのだ


いや、元から正しい答え答えなどなかったのかもしれない


今回は鳳翔に便乗する形だったからこそスムーズに行けた


しかし一人だったら微妙な空気になっていたかもしれない


年齢という数字は一瞬でその形を変える


無限に存在する答えを導き出すことなどできないのだ


まぁなんにせよ今回の事件はこれで終わりだ


また平和な日常が戻って






金剛「そういえば鳳翔は一体何歳なんですカ?」


提督「……あ?」

鳳翔「ふふ、秘密です」


金剛「むぅ、だったら私も鳳翔の見た目年齢を答えてあげマース!提督もやりますよネ?」


鳳翔「あら、どんな答えになるのかしら」






終わっていなかった


死神を倒したと思ったら親玉が『そうしてぇ!』とやりだした

鳳翔の年齢など金剛の数倍難しい


あまりにもいろいろなことが謎すぎる


かなりの艦娘から敬語を使わているのを見てもただならぬ人物であるのは分かるだろう


俺は敬語で話していたらある日


『私も貴方の部下なんですから、どうか普通にお話し下さい』


と言われたため砕けた風に話すが、正直油断したらつい敬語を使ってしまいそうになる


その気遣いにはドキッときたが


要するに鳳翔にはそれだけの年季というか、威圧感というか、とにかくそんなものがあるのだ

しかし、鳳翔はものすごく声が若々しい


まるで第六駆逐隊の子や青葉が話しているようにすら思う


実際もしも鳳翔に目隠しされて『だーれだ?』みたいな甘々な事をされたらまず判別が困難だろう


いや、胸部装甲やにおいなどでわからなくもないのだが


というか鳳翔にそんなことされたらまず間違いなく襲う


ただでさえ普段から意味深な目線で新婚三択を迫ってくるくらいなのだ


本人も確信犯なのではないだろうか


閑話休題

そうだ、金剛


あいつは一体なんて答える?


横を見る






金剛「ンー……」






まだ考えてやがる


しかも顎に手を置いてもの凄い真面目に


話しかけれる雰囲気ではないようだ


自分で答えを出すしかないか……

金剛の時と同じ理屈で行けば、まず鳳翔にも彼女自身が内在的に求める答えというものがあるはずだ


正直どんな答えを言っても余程的外れな事を言わなければ笑って流してくれそうではあるのだが、出来る限り穏便に運びたいと思うのは日本人のサガだろう


店に行ったときにこっそり一品増えてたり減ってたりするかもしれない


あの微笑の威圧感が増すかもしれない


そう考えるとやはり適当には答えられまい


ではまず見た目から判別しようか


鳳翔は見た目的に30あるかどうかだと思う


ただの女将というよりは若女将みたいな感じはするのだ


つまり上限は30

下限はどうだろうか


金剛の時のように『娘』という基準では考えられない


鳳翔はどう考えても『娘』ではないからだ


決して嫌味ではない


むしろ『娘』という表現は失礼にすら感じる


金剛の時の最初の下限の15歳はまず当てはまらない


『娘』という言葉にも例外はあるのだ

考えてもみて欲しい


鳳翔(15)とか……


ほうしょう(15)とひらがなにしても……


アリだな


セーラー服着せて恥ずかしがる鳳翔


それを優しく抱きしめながらというシュチュエーション


実にアリだ


いやいやこれはただの自分の性癖であるため今回は除外だ


酒を扱っているのだから未成年とかも考えにくいし


だとすると娘の範囲から外れ、かつあの若々しさに適して数字は25くらいだろう

25とは大体社会人になって数年目といった年齢だ


鳳翔はよく未亡人とか言われるが、恐らくは処女だ


優しくリードすると言うよりはお互いが初々しい感じで致したい


よし、これで候補が25~30のどれかになった


この6つから選ぶのだが、恐らく25歳が妥当であろう


何故なら鳳翔の下半身を見て欲しい


あの短めの袴?スカート?まぁどちらでもいいが、あそこまで足を出しているという冒険心には若さを感じる


更には長めのソックス、そこに食い込むむっちりとした太腿


あの要素を持った30歳などそうはいない

さらには鳳翔は結構遠慮がちな面がある


人間年を食うほど図々しくなっていくもので、その点鳳翔は譲りの精神を忘れない


いくらお艦と言われていても鳳翔は『女』としての面がまだまだ強いのだ


以上の要素から鳳翔は25歳だと結論付ける


OK、今回も我ながら隙がない


勝ったな風呂に田んぼの用水路見ながら台風の飯食ってくる

金剛はまだ悩んでいるようだし、俺が先に言わせてもらおうか






提督「鳳翔、決めたぞ」


鳳翔「あらあら、ではどうぞ」


提督「鳳翔はな、にじゅ


金剛「決めましター!!鳳翔は16歳ネ!!」






……は?

16?


じゅうろく?


正気か?


今日は『にじゅ』と言いかけた瞬間に邪魔される日だとか、そんなことは今はどうでもいい


何故そんな結論になった


ほら、鳳翔も困惑して






鳳翔「じ、16歳ですか……そんな風に言われたのは初めてですね……」






あれ?結構嬉しそう?

金剛「鳳翔は確かに皆のお母さんと言われるくらいに素晴らしい方デース。でも、たまにはこちらにも甘えて欲しいと思ってこう思いましタ!」


鳳翔「甘える……ですか」


金剛「YES!!後方支援をしてくれるのはありがたいデスが、偶には休んでほしいネ」


鳳翔「…………」


金剛「それに、鳳翔はとっても若々しいと思いマース!お肌や雰囲気からもそれがひしひしと感じるデース!」


鳳翔「……あ、ありがとうございます……」

鳳翔、顔真っ赤である


金剛は奇跡を起こしたというのか


見た目年齢を極限まで若くし、違和感を感じさせないように褒め殺す


俺が真っ先に捨てた可能性を拾い、納得させた


その技量、見事也

しかし困った


この状況だと25歳とか非常に言いづらい


あの様子からして鳳翔は若く見られたいという欲求がかなり強いようだからだ


ここで25歳とか言ったら空気が冷める






鳳翔「て、提督はどう思いますか……?」






と、このように考え直そうにも鳳翔は既に答えを聞き出す体勢に入ってしまっている


考え直す時間などもはやない

ああ畜生、そんな真っ赤な顔で上目遣いにこちらを見ないでくれ


今すぐ抱きしめたくなる


この気持ち、まさしく恋ッ


そう、恋だ


俺は鳳翔に惚れているのだ


こんなくだらない状況からそれを自覚させられるとは思わなかった

恋は盲目


では答えなど俺の本能に従って言えばいいではないか


俺の本能とは?


そんなの決まっている






提督「鳳翔は、16歳だああああアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


提督「鳳翔に駆逐艦の子の服を着せて抱きしめたい!!普段の着物でも抱きしめたい!!鳳翔に俺の朝食を毎日作ってもらいたい!!」


金剛「!?」


提督「年齢なんてどうだっていい!!俺は鳳翔が好きだ!!」


提督「鳳翔!!俺とケッコンしてくれ!!」


鳳翔「え、ええええええ!?」

聞け、我が魂の叫びを!!


そして答えてくれ!!


手を取り、顔を近づけた






鳳翔「あ、あの……不束者ですが……よろしくお願い、します……」


提督「っ!!」






無言で抱きしめる


胸の中であわあわとする鳳翔がとても愛しい


徐々に言葉の意味を理解したのか、抱きしめ返してくるところなんて最高だ

鳳翔「提督……いいえ、あなた」


提督「ん?」


鳳翔「例え何年たっても、何歳になっても、ずっと一緒ですからね?」


提督「ああ、もちろんだ」






こうして年齢騒動は終わった


俺と鳳翔は結ばれ、数十年たった今でも夫婦として暮らしている


この騒動のきっかけとなった金剛には感謝してもしきれない

俺はあいつに大切なことを教わった


愛に年齢など関係ないのだ


何歳に見える、などというのは何の意味もないのである


何歳だろうが女性は美しく、気高い


どんな姿でもお互いを認め合う


これが愛というものなのだから

終わり
これ金剛出さなくても良かったんじゃないかな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月13日 (日) 15:26:40   ID: dgLgv2QF

coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/161/1328352916

パクリ乙
二度と書くなや

2 :  SS好きの774さん   2015年09月13日 (日) 22:37:23   ID: pR3IDDwN

こんなおもんないの書くな死ね

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