男「いかん」 (26)
男「便座になってしまった」
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男「どうしてこうなった」
男「どうしてよりによって幼馴染の家の便座になった」
男「どうしてこうなった」
数時間前
男「やはり大学は自転車通学に限る」シャー
男「移動費がタダになればバイトの給料もたんまり貯金出来るしな」
男「こんなにメリットがあるのに、自転車で片道一時間なのに、自転車通学をしない理由が無い」
男「大学の授業も終わったし、さっさと帰ろう」シャー
男「気のせいかな...腹が痛くなって来た気がする」ジャッコジャッコ
男「まああと数十分我慢出来るだろ」
男「しかしなあ...痛くなるとしたらどうしてだろうか」
男「昼に食べた肉はやっぱ腐ってたかなあ」ジャッコジャッコ
さらに数十分後
男「グウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」ジャッコジャッコ
男「これはヤバいかもしれない」
男「本格的にヤバいかもしれない」
男「めちゃくちゃ痛い。痛いというかヤバい」
男「あと数十分くらい...あと数十分くらい...」ジャッコジャッコ
さらに数分後
男「ヌウウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」ジャッコジャッコ
男「コオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
男(ヤバい...ヤバい...)
男(このままじゃ濁流が発生する...)
男(ズボンがめちゃめちゃになる...)
男「ウオオオオオオオオオオオ!!!!」
男(俺の家まで保つか本格的に怪しくなって来た...!)
男(ヤバい...いち早くトイレに行かなくては...)
男(この辺りにトイレあったっけ...)
男(ダメだ!この辺りのスーパーとか公園の位置全く分からん!)
男(もう何処でも良い...トイレ...トイレ...!!)
男(そうだ...この辺りに引っ越した幼馴染の家があったはず)
男(最近会ってないけど...ここは行くしか...)
男(いやでも久々に会って「トイレ貸してください!」はねえよなあ...)
男(グウッ!?)ピーピーピー
男(迷ってる暇はない!)
男(幼馴染には会いませんように...!)ジャッ
男(この家だ!)
ピンポーン
男(誰か来い、誰か来い、誰か来い!!!)
ガチャ
幼母「あら、男君久しぶりねえ」
男「え、ああ、はい、あの、おひ、お久しぶりです」
幼母「幼に何か用?今はいないのだけど...」
男「い、いえ!あの、その、実は、トイレ、トイレを貸してほしくてですね」
幼母「え?」
男「トイレ!!!!!」クワッ
幼母「どうぞ」
ジャー
ゴボゴボゴボゴボ
男「ふいーーーーーーーーーーーー」
男「死ぬかと思った...が、助かったーーー」
男「いやー幼馴染のトイレ様様だな」
男「使わせてもらった身だし、来たときより綺麗に!しっかり洗おう」ゴシゴシフキフキ
男「突然押し掛けてすいませんでした」
幼母「別に良いのよ、トイレくらい」
幼母「幼には会わなくて良いのかしら?何か言っておく?」
男「ああいや、特に何も...」
男「俺は...トイレを借りに来た、ただ、それだけなので...」
男「それでは!」ジャッ
男「いやー助かった助かった」ジャッコジャッコ
男「さっさと帰ってもう一回トイレし直そう」
男「幼馴染のトイレには本当に感謝しなきゃな」
男「全く、トイレ様様、だぜ!!」ピカッ
現在
男「こうして俺は便座になった」
男「訳が分からないよ」
男「今俺は天井を見ている」
男「そしてこの天井は幼馴染の家のトイレ」
男「恩人(?)だ、忘れようが無い」
男「だが何をどうして俺は便座にさせられたのか」
男「何にしてもこれはいかん」
男「このままではいかん。元に戻る方法を模索しなくては...」
男「現状把握をしっかりしよう」
男「まず俺は動けない」
男「何も出来ない」
男「耳は聞こえる。これは間違いない」
男「そして喋れない。俺は喋ってるつもりだけど、俺の声が聞こえないから喋れてはいない」
男「...詰んでる」
タダイマー
オカエリー
男「幼馴染が帰宅したようだ」
男「だからといって状況は何も変わらないが」
男「俺は便座人生を送らねばならんのか...」
男「学費払ってもらってるのに親に迷惑かけたくないなあ...」
ガチャ
男「!?」
男(誰か入って来ただと!?今は俺が中にいるんだぞおおおおお!!!!)
幼「ふう...危ない危ない」
男「幼馴染ィィィ!!!こんな形では会いたくなかったよ!!」
幼「...?」
男「そうですよねえ聞こえてませんよねえ!」
幼「...まあいいや」イソイソ
男「でもよくない!よくないよ幼馴染さん!」
幼「」スッ
男「ぎゃああああああああああ尻が近づいてくるううううううううう」
幼「うっさい!!!!!!」
男「!?」
幼「さっきからなんなのさ!?男の声が聞こえるんだけど!?」
幼「どこにいんのさ!?さっさと出て来なよ男!!」
男「幼馴染...俺の声が聞こえるのか...?」
幼「は?聞こえるも何も...」
男「聞こえるのか!俺の声が!」
幼「何!?さっさと出て来なよ!!」
男「お前の目の前にいるんだが?」
幼「は?」
男「見えるだろ、便座が。それ俺」
幼「ふざけてんの?」
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