さやか「まどかー」(18)
さやか「むぅ……いない……」キョロキョロ
さやか「あたしを置いて先に帰っちゃったのかー」マドカー
さやか「いやいや、まどかに限ってそんな事はないでしょ。先に帰るなら言ってくれるって」ドコー?
さやか「まーどかー」マドカーマドカー
▼物陰
まどか(うぇひひ、わたしを探してキョロキョロするさやかちゃんカワイイ!)コソコソ
さやか「トイレにもいない、か」マドカー
さやか「やっぱ、もう帰っちゃったのかな。……あたしも帰ろっと」マドカー…
まどか(あ、さやかちゃん帰っちゃう!)コソコソ
まどか(さやかちゃんを影から愛でるのは止めにして、早く顔出さなきゃ!)コソコソ
まどか「さやかちゃー」
ほむら「あら、美樹さやか」
さやか「むむっ、転校生」
まどか(わわっ、ほむらちゃん!)カクレ
まどか(あ、わたし、どうしてまた隠れちゃったんだろ)コソコソ
ほむら「いつも真っ先に帰ろうとする貴女が、まだ校舎内にいるなんて」
ほむら「どうしたのかしら」
さやか「今帰るとこだよ。さっきまで、まどかを探しててね」
ほむら「鹿目まどかを……?」
ほむら「そういえば、鹿目まどかがいないわね。いつも貴女と一緒にいるのに」ホムン
さやか「ずっと探してるんだけどさー、何処にもいないんだよねー」
ほむら「そう……先に帰ってしまったのかしら」ホムム
さやか「だと思うよ。だから、あたしも帰ろうかなって」
さやか「転校生は、どうしてまだ学校にいるのさ」
ほむら「貴女には関係ないわ」ファサッ
さやか「あー、そーですかー」
ほむら「それじゃ、お先に失礼するわ、美樹さやか」
さやか「あっ、ちょっと転校生っ!」
さやか「……うわ、歩くの早っ」
さやか「……さて。あたしも帰るかぁー」
まどか「さやかちゃーん!」タタタッ
さやか「ん? あ、まどか!」マドカー
さやか「何処にいたのさ、探したよー」
まどか「うぇひひ、ごめんね。ちょっと先生に呼ばれちゃって。職員室にいたんだよ」
さやか「えー? まどかってば、どんな事をやらかしたのさー」
まどか「な、何もしてないよっ」
さやか「ホントにー?」
まどか(さやかちゃんをこっそり影から見る意外は何もしてないよっ)
さやか「これからは、何かあるなら伝えてよね。あたし結構探したんだから」
まどか「ごめんね、さやかちゃん」
まどか「お詫びに、ケーキ一つ奢るよ!」
さやか「え? いやいや、いいよ、そんなの」
まどか「ううん、奢らせて。深く考えなくていいよ、ケーキ一つくらい、そんなに高い買い物じゃないでしょ?」
まどか「お詫びのしるしだから、ね?」
まどか(カワイイさやかちゃんを堪能したからね。ケーキくらいホントに安いモノだよっ!)マドッ
さやか「うーん……あ、じゃあさ、まどか」
まどか「?」
さやか「あたしも半分出すよ。割り勘にしよう」
まどか「え?」
さやか「ケーキ一つを割り勘って、みみっちいかな。あたし今月ピンチだからさ、半分くらいしか出せないんだよねー」
まどか「でもさやかちゃん、それじゃお詫びにならないよ」マドマド
さやか「なるよ、なるなる。充分だよ。まどかにだけお金払わせるのは、嫌だしさ」
まどか「さやかちゃん……」
さやか(ホントは奢ってくれなくていいんだけど……まどかってば、妙に頑固だからなー……奢るって言い張って聞かないだろうし)
さやか(割り勘で妥協してもらおう)
まどか(わたしにだけお金を払わせたくない、なんて)
まどか(流石だよ、さやかちゃん! 素敵だよ、さやかちゃん!)マドッ
まどか(好感度がうなぎ登りだよっ!)
さやか「んじゃあ、行こっか。ケーキ買いに」
まどか「うん!」
さやか「あそこでいいよね? マミさん行き付けの」
まどか「そだね。あそこのケーキ、とっても美味しいし」
――――
―――
――
―
さやか「美味しい! やっぱりあそこのケーキは絶品だね!」モグモグ
まどか(ケーキを頬張るさやかちゃんったら最高だよ!」
さやか「え? 何が最高なの?」
まどか「あ、えっと、な、なんでもないよ!」マドマド
まどか(口走っちゃったよ……気を付けなくちゃ)
さやか「まどか」
まどか「ふぇ?」
さやか「はい、あーん」
まどか「え、えぇーっ!?」ドッキィ
まどか(あ、あ、あーん!? さやかちゃんからあーんして貰えるのっ!? そんな!)
まどか(まるで、天国だよ!)マドッ
さやか「まどかー? どうかした?」
まどか「はっ!」ハッ
さやか「?」アーンシナイノ?
まどか「何でもないよ!」アーンハスルヨ!
さやか「じゃあ……はいっ」
まどか「あ、あーん」パクッ
まどか「……」モグモグ
まどか(うひゃあああああああ)
まどか(歓喜だよ! 感涙だよ! いや別に泣きはしないけどね!)
まどか(ケーキ代半分出しただけで、この至福の一時が味わえるなら……)
まどか(毎日ケーキを買う事も厭わないよ!)マドッ
まどか「美味しいぃぃぃぃ…」ジーン
さやか「あはは、まどかってば、ちょっと大袈裟じゃない? 気持ちは分かるけどさ」
――――
―――
――
―
さやか「うーん、美味しかったけど、流石に二人で一個のケーキってのは物足りないね」
まどか「うぇひひ、そうだね」
まどか(わたしは満たされたけどね!)
さやか「今度また来ようか、まどか。その時は、マミさんとか杏子、ついでに転校生も一緒にね」
まどか「……あ、うん、そだね」
まどか「二人っきりがいいのに…」ボソッ
さやか「んー? なんか言った?」
まどか「ううん! なんにも! ……次来る時が楽しみだよ!」
マミ「…あら? 美樹さん、鹿目さん」
さやか「あ、マミさん」
まどか「こんにちは」
マミ「こんなところで会うなんて奇遇ね」
さやか「ホントですね。マミさんは……パトロール、ですか?」
マミ「ええ。もう大方見回ったのだけれど、後もう少し、ね」
まどか「大変、ですね」
マミ「そうでもないわよ? もう慣れたし……散歩みたいなモノね。ソウルジェムに反応が無ければ」
マミ「ところで、二人は何をしてたのかしら?」
まどか「ケーキを食べてたんです。マミさん行き付けのお店の」
マミ「あら、あそこの?」
さやか「まどかが、あたしにケーキを奢るって言い出しまして、それで。結局あたしと割り勘したんですけど」
さやか「やっぱりあそこのケーキは美味しいですね、マミさん! あたし、ほっぺた落ちちゃうかと思いましたよ!」
まどか「うぇひひ、さやかちゃんったら。大袈裟だよぉ」ウェヒヒ
さやか「大袈裟なのはまどかでしょー?」
さやか「美味しいぃぃぃぃ…」ジーン
さやか「って、ケーキ食べて喜びに打ち震えてたじゃんか」
まどか「そ、そんな事してないよ!」
まどか(ケーキじゃなくて、さやかちゃんの『あーん』に感動してただけだもん!)
まどか(あ、ケーキも美味しかったけどね勿論!)マドッ
マミ「うふふ、鹿目さんったら、そんなに美味しかった?」
まどか「違うんですよー! あ、いや、美味しくなかったわけじゃないんですけど……あの……その……」マドマド
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