相葉夕美「CDデビューのメンバーに私の名前がないんだけど!?」 (63)

CD第8弾
橘ありす 片桐早苗 一ノ瀬志希 塩見周子 櫻井桃華
おめでとう!


相葉夕美「CDデビューのメンバーに私の名前がないんだけど!?」バーン

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――注意事項――

道明寺歌鈴「藍色!」北条加蓮「思い出達」相葉夕美「お花っ」
の続編っぽい気がします。

――事務所――

北条加蓮「…………」チラッ

高森藍子「…………」チラッ

道明寺歌鈴「あ、あの、私の名前も……なんでもないです、はい」

夕美「おかしいよね! 選挙で上位になったらCDデビューできるってモバP(以下「P」)さん言ってたんだけど!?」

夕美「いや別にそれの為だけに頑張ったんじゃないけどさぁ!」

加蓮「…………」

藍子「…………」

歌鈴「あの、ドキュメンタリーアニメでボイスグループに入った片桐さんがいるなら、わた、私もっ……や、やっぱり分不相応ですよね、はい」

夕美「しかも周子ちゃんと志希ちゃんはいるのに!? 選挙上位組の2人もいるのに!? 私だけいないっておかしくないかな!?」

夕美「次にお待ちくださいってこと!?」

夕美「いいんだけど! でもなんだか納得いかないよ! ……も~~~~~!」

加蓮「…………」

藍子「…………」

夕美「……あ、あの、ちょっとは何か言ってほしいんだけど……?」

藍子「あの――」

加蓮「藍子」サッ

藍子「っ」

加蓮「…………」(首を横に振る)

夕美「???」

加蓮「…………」

夕美「ううっ、なんだかモヤモヤするっ! 大人のみんなってこういう時にお酒を飲んじゃうのかな?」

歌鈴「ええっ!? 夕美ちゃんって、まだ18歳で……!」

夕美「分かってる~~~!」

夕美「もうっ、こうなったらPさんに直談判だよ! Pさんはどこにいるのっ?」

加蓮「忙しそうに駆けずり回っているよ。今は営業の最中じゃないかな」

夕美「あ、加蓮ちゃん、私のことちゃんと見えてたんだ……無視されるからてっきり……」アハハ

夕美「とにかくっ! CDデビューのメンバーに私がいないの!」

夕美「ううっ、こうなったら事務所に立てこもってやる~! デビューさせろってメガホンで叫んでやる~!」

歌鈴「あの、それ、ドキュメンタリーアニメで同じこと……ううんっ、わた、私も参加します! あっ、でもそんなことしたらPさんにご迷惑が……えっと、えっと……ど、どうしよう……!」

夕美「一緒にやろうね歌鈴ちゃん! きっとPさんだって分かってくれるもんっ」

歌鈴「私が参加することは既に決定済みなんですか!? あ、あのっ、その、私、ドジだからきっと夕美ちゃんのご迷惑になりますから!」

夕美「後ろに立ってくれるだけでもいいよ!」

歌鈴「そんな~~~~っ!」

加蓮「…………」

藍子「…………」

夕美「……あの、加蓮ちゃん藍子ちゃん、そろそろ何か言ってほしいな? そりゃー2人にとっては人事(ひとごと)なんだろーけどさー、その、ちょっとくらいは、ね?」

夕美「あっ、一緒に抗議してくれるっていうなら大歓迎だよっ♪ 2人の言うことなら、Pさんもきっと聞いてくれるんじゃないかな」

加蓮「………………」スクッ

歌鈴「加蓮ちゃん……?」

加蓮「ハァ……」

加蓮「他人ごと、かぁ……ナメたこと言ってくれるなぁ」

夕美「へ」

加蓮「いやまあ私はいいよ? 所詮は藍子繋がりだし、そんなに話してないし、一緒にLIVEもしてないからね」

夕美「え、いやそんなつもりはないんだけどな……加蓮ちゃんも私の友達で――」

加蓮「でもさぁ……」チラッ



藍子「………………」ゴゴゴゴゴ


歌鈴「藍子、ちゃん……?」

夕美「な、なんだか真っ赤っ赤なオーラが見えて……」

加蓮「夕美、ちょっと藍子をナメてるんじゃない? あのさ……言わないって決めてたんだけど、いいや……これ見てよ」(首元を空ける)

夕美「え……加蓮ちゃん、それどうしたの!?」

歌鈴「あ、アザができちゃってます……! まさか、だ、誰かに襲われ――」

加蓮「うん。襲われたよ。そこの藍子に」

藍子「…………」(無表情)

歌鈴「え」

加蓮「テレビでCDデビューの発表を聞いた時、たまたま藍子と一緒にいてさ。八つ当たりされちゃった」

藍子「…………謝らなくていいって言ったの、加蓮ちゃんですからね」

夕美「藍子ちゃん……うん、ごめんっ! ごめんなさい! そうだよねっ、私も藍子ちゃんのこと大好きだもん! 藍子ちゃんに何かあって、藍子ちゃんに他人ごとって言われたら私もムカってなっちゃうよ!」

歌鈴「あ……わ、私もです!」

加蓮「それに」

加蓮「それに、夕美がどう出るかと思って黙って見てたんだけどさ、まあ、色々言うのは分かるけど……挙句の果てにPさんに直談判?」

加蓮「……ま、それでもいいんだろうけど……夕美にはそうしてほしくないな、私は」

夕美「どういうこと……?」

藍子「あの……ここからは、私に言わせてください」ゴゴゴ

加蓮「ん?」

加蓮「ああ、どうぞ。私は正真正銘、他人ごとだもんね」

夕美「……あ、今ちょっと私ムカってきたかも。藍子ちゃんもこうだったんだねたぶん」

加蓮「ふふっ」

藍子「夕美さん。……私、あまり偉そうなこと言えませんけれど……今回のことは、ドンマイでした」

藍子「私も、Pさんに何か言いたいっていうのは、夕美さんと同じです。私だって……今、お腹の奥がすごく熱くて、体が動きたがってて……加蓮ちゃんがいなかったら、本当に何をしていたか分からないから……」ゴゴゴゴゴゴゴ

歌鈴「ひっ……」(夕美の後ろに隠れる)

藍子「あっ、ご、ごめんなさい歌鈴ちゃん! その……こ、こんなこと、私も初めてですから!」

歌鈴「ぶるぶる……」ソー

藍子「ごほんっ。……でも、夕美さん」

藍子「私達は、アイドルです」

藍子「だから、Pさんに不満をぶつけちゃうなら、もっと違う方法にしませんか?」

夕美「違う……方法?」

藍子「Pさんに、後悔させちゃうんです。きっと、Pさんにもいろいろな事情があるでしょうけれど……夕美さんを選ばなくて失敗しちゃった、って思えるように」

藍子「そうしてもらう為には、夕美さんが“アイドル”を見せればいいかな、って思います」

夕美「……アイドルを見せる」

藍子「ほら、前に、私とユニットがってお話をした時、ここでLIVEをしましたよね。本物のLIVEとぜんぜん変わらない、すごいLIVEを」

藍子「あれと同じことをしたら、Pさんも……考えなおすことは難しくても、きっと、何かを変えられる気がして」

藍子「私達、アイドルなんですから」

夕美「…………藍子ちゃん………………そっか。そうだよね。私、アイドルだよね」

加蓮「ふふっ。藍子ってば、なかなかエグいことを考えるねー。Pさんを後悔させたい、とかさ」

藍子「それは……か、加蓮ちゃんにつられちゃったのかも?」メソラシ

加蓮「こら、人をダシにするなっ」

夕美「ふふっ、ありがと藍子ちゃん。私、よくないことをしちゃうところだったっ」

藍子「い、いえ………………」

加蓮「……なんか、自分を抑えるのに精一杯って顔してるんだけど」

藍子「うぅ……加蓮ちゃん!」

加蓮「何」

藍子「その、私が、よ、よくないことを始めそうになったら……ふん縛って転がしておいてください!」

加蓮「ぷはっ! あはっ、え、何それ、あはははっ! 縛ってって……あははははははははっっ」

藍子「笑い事じゃなくて!」

歌鈴「か、加蓮ちゃんにそんなことさせません! やるならその、私が……!」

加蓮「歌鈴まで……っっ! アンタはもっと他に言うことあるでしょーが! ってかアンタじゃ藍子に逃げられるのがオチでしょ!」

歌鈴「なっ。み、巫女さんはこう見えても力持ちなんです! いつも掃除や雑用で――」

藍子「なんならっ、加蓮ちゃんと歌鈴ちゃんの2人がかりでも……!」

加蓮「ひーっ、ひーっ、分かった、分かったからっ、やめて、真剣な顔で言うのやめてっ……!」

夕美「……」ポツーン

夕美「あの、えーっと、なんだか肩透かしになっちゃった気が……とりあえず、私はLIVEをすればいいのかな? この前みたいに」

加蓮「ふーっっ……え? うん、そうしたらいいんじゃないかな」

夕美「Pさん、すごく忙しそうだけど大丈夫?」

加蓮「アイドルの声も聞かないプロデューサーならこっちから願い下げだよ。そんな人じゃないでしょ、Pさんは」

夕美「そうだけどぉ……」

歌鈴「あの! じゃあ、私も一緒にLIVEさせてください!」

加蓮「お」

歌鈴「私は……その、Pさんに不満はないんですけど……でも、このまま引き下がったら、アイドルが廃っちゃいます!」

歌鈴「私だって、たまには……た、たまには……Pさんにっ、できるところを見せてあげたいんです!」

歌鈴「夕美さんや、藍子ちゃんと違って……私がCDデビューできないのは当たり前だ、なんて思っちゃうけど……」

歌鈴「でも、そんな自分も、もういい加減に、変えたいですから!」

夕美「歌鈴ちゃん……」

加蓮「……へぇ」

歌鈴「ぜーっ、ぜーっ、だから、お願いします! 夕美ちゃん!」

夕美「……もちろんオッケーだよ! むしろ、こっちからお願いしますって言うくらいかなっ」

歌鈴「じゃあ、一緒に、が、頑張りまじっ!(噛んだ……!)」

加蓮「あーもうまた肝心なところで……」

夕美「じゃあ早速、話しあおうっ。どんな感じにしよっか?」

歌鈴「まずは、衣装を選ぶところから――」

夕美「そうだねっ。Pさんに見せつけてやろっ」

<スタスタ
<スタスタ

(夕美・歌鈴が衣装室へと向かいました)



少し席を外します。今日中には再開する予定です。




再開します。

加蓮「はー……歌鈴があそこまで言うなんて。それこそ、ちょっとナメてたのかなぁ」

藍子「……………………」

加蓮「……ふん縛った方がいい?」

藍子「……もういっそ、首をこう、ずどっ、ってやって、眠らせてください。それか、睡眠薬」

加蓮「恐いこと言わないでよ……」

藍子「だって……それくらいっ、抑えきれなくて……!」

藍子「分かっているんです。Pさんにも、きっと何かの事情があったんだって。Pさんだって、悔しい思いをしてる筈だって」

加蓮「うん。Pさんも藍子も、優しいもんね」

藍子「なのに私っ……どうしても、納得いかないんです……!」

藍子「だって夕美さん、選挙で上位になった後も、あんなに頑張ってて! レッスンだってお仕事だって、いつもすごいって思うくらいだったのに!」

藍子「……おかしいじゃないですか! 頑張ったのに、頑張ってたのに…………!」

加蓮「……」

藍子「ひくっ……」グスッ

加蓮「……ん」ダキッ

藍子「うぅぅぅぅぅぅぅううううぅぅぅぅううう~~~~~!」

加蓮「…………夕美も幸せものだね。こんなにいい子に、こんなに想われて」

藍子「私、いい子なんかじゃないですよぉぉっ…………!」グスッ

加蓮「はいはい……」チラッ

<コッチハドウカナ?
<モウチョットハデニヤッチャッテモ...!

加蓮「…………」

加蓮「…………」ゴゴゴゴゴ

藍子「ひくっ……ぐすっ……あ、あれ、加蓮ちゃん? あの、震えて……ひっ!」

加蓮「え? あーごめん藍子ちょっと驚かせちゃった? いやー、その、ね? 改めて思ったら、そのー……」

加蓮「……………………お、お互いに殴りあって意識を吹っ飛ばすっていうのはどうかな!」

藍子「む、無理ですよそんなの!」

加蓮「それを強要したの藍子だよね!?」

藍子「お願いしただけですっ!」

加蓮「ほら、私、身体が弱いからさ。ちょっとやっただけでころっと」

藍子「できる訳ないです!」

加蓮「じゃあ一緒にPさんにゲフンゲフン」

藍子「か、加蓮ちゃんはほら、いつもクールで冷静に考えられる人だから! その、ほら!」

加蓮「ハァ? 私だってブチ切れる時はブチ切れるんだけど!」

藍子「加蓮ちゃんなら我慢できます! 我慢して、私を見張っててくださいよ!」

加蓮「馬鹿言わないでよそもそもどうして私がそんなこと――」




――後日 事務所――

P「おはようございま――」

藍子「…………!」ギロッ

加蓮「どーどー」

P「……え? 何だ……? 何で俺、いきなり藍子に睨まれてんの……? ってか恐い、恐いぞ藍子、お前そんな顔もできるんだな……」

加蓮「久しぶり、Pさん。忙しさもちょっとは落ち着いた?」

P「ああ。うちに関係ないデビューの話なのにこっちに雑用回すなっての、なんでこんな面倒なんだか……」

藍子「…………!」ギロッ

加蓮「はいはいどーどー」

P「……なぁ、加蓮。藍子が恐いんだけど」

加蓮「自分の心に聞いてみれば」

P「は……?」スタスタ

P「……って」チラッ

即席ステージ <マタアッタネ

P「…………なんか見覚えあるなぁ、これ」

加蓮「ご明察。じゃあPさん、はい。今回は観客席も用意してるんだよ」つパイプ椅子

P「お、おう。パイプ椅子か」

加蓮「何か文句でも?」

P「ねえけど……え、あの、もしかして加蓮、お前もなんか怒ってるのか?」

加蓮「…………自分の心に聞いてみれば」スタスタ

P「???」




夕美「あ、Pさんもう来たっ!?」

P「おう、おはよう夕――――ああ、うん、だよなぁ」

藍子「…………!」ギロッ

加蓮「ゆるふわゆるふわゆるふわ」

藍子「はっ。あ、ありがとうございます加蓮ちゃん」

加蓮「我ながら何だこの呪文……」

歌鈴「わ、私もっ……!」

P「歌鈴まで……」

夕美「Pさん。私と歌鈴ちゃん、Pさんに言いたいことがあるんだ」

P「ん?」

加蓮「…………だいたい察してる癖に」

P「…………まあ、なぁ……あれは、」

夕美「うん、分かってるよ。でも黙っているなんてイヤだった。そんな時、加蓮ちゃんと藍子ちゃんが背を押してくれたんだ」

P「加蓮と藍子が……?」

藍子「…………」ジロ

加蓮「藍子、そろそろ眼力を抑えなさいよ……」

歌鈴「ゆ、夕美さん! まずは私たちのLIVE、Pさんに見せちゃいましょう!」

夕美「そうしよっか。じゃあPさん、行くよっ。瞬きも禁止だからね!」

P「あ、ああ」




――LIVE終了後――

P「…………」←ひっくり返っている

夕美「まだまだ……! 次の曲は、」

加蓮「夕美、夕美ちょっとストップ。Pさんひっくり返ってるから」

夕美「え? あ、あれ? Pさん?」

P「あ、悪い……なんか、あまりにもあまりにすぎて、驚いて……」

P「夕美も歌鈴も、なんか叫ぶように歌ってきて……でもなんかが心に響いてきて……」

P「いや、もちろん2人のLIVEは全部チェックしてるけど……こんなに凄かったんだな、って改めて……」

歌鈴「よかったぁ……」ヘナヘナ

夕美「わ、歌鈴ちゃん。でもよかった。私の想い、Pさんにちょっとは伝わったかな?」

P「…………CDデビュー、の、ことだよな?」

夕美「うん。メンバーに私の名前がなくて……うーん、なんだろっ。がっかり? 違うなぁ……不満。ううん、えっと、そうっ、とにかくモヤっとして!」

夕美「そしたら加蓮ちゃんと藍子ちゃんが、アイドルを見せてやればいいって言ってくれてっ」

夕美「ねえ、Pさん」

夕美「ほんのちょっぴり、後悔してほしいな。私を、選ばなかったこと」

歌鈴「あ、私もです! その……夕美ちゃんより、無理なことだって知ってますけど、でも、ちょっとだけ……その、次は選んでほしいな、なんて……」

歌鈴「むむ、無理ならいいんです! その、選択肢に入れてくれるだけでもいいというか、覚えててくれるだけでいいというか……」

P「夕美……歌鈴……」

加蓮「……言い訳するなら今しかないよ、Pさん」

P「! ……………………いや、言い訳はしない」

P「今回のことは悪かった。本当に、悪かった!」ガバッ

夕美「…………」

歌鈴「…………」

P「それと……次のCD化の時には、絶対にいい報告を持ってくる。だから、その…………!」

夕美「うんっ。Pさん、期待してるね!」

歌鈴「私もっ。Pさんのこと、信じてますから!」

P「……うあぁ…………クソっ、絶対、絶対CDデビューまで連れてくからなっ……!」グスッ

<Pさん、私このお仕事がやってみたいなっ
<ら、LIVEバトル……! でもっ、今の私なら、きっとっ……!
<ちょっと待ってくれ。……あ、もしもし、こちらシンデレラプロダクション◯◯部署のPと言いまして、次の仕事を――え? 他にオファーをかけている? いえ、そう言わずにお話だけでも――


加蓮「……とりあえずは解決、なのかな?」

藍子「…………みたいですね」

加蓮「……張り手くらいなら許されると思うけど」

藍子「いえ、いいんです。あとは、夕美さんと歌鈴ちゃんのことですから」

加蓮「ふうん。そっか」

藍子「……………………」

加蓮「…………」

藍子「…………や、やっぱりその、もうちょっとだけ見張っておいていただけると、なんて……」アハハ

加蓮「はいはい、りょーかい」



おしまい。

待つことは大好きです。それに今回は、桃華Pの皆様に、おめでとうと、心の底から言いたいです。


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