八幡「うわっ大雨……」(7)

地の文ありです

駄文ですがお付き合い下さい

暖かいマッカンを少々手の内で弄んでから、待ちきれず一口……

「太陽がいっぱいで、最高の気分だ…」

いけない、マッカンに酔いしれるあまり、ついつい名セリフをパクっちまったぜ。いつ誰かに見られてるかどうか解らないのに…

すると聞きなれた声が

「うわ……先輩うわ…」

見られてましたね

「……げ」

「こっちのセリフです。流石に今のはキモすぎですよ……自分がそう言っているのを想像してみてください」

………うわっ…通報しなきゃ

一色はそんな俺の表情をみてとったのか、得意そうな顔をして、他人のふりをしようかと一瞬考えました、と言った。今度からは本人の前で言うのはやめようね、軽く傷付いちゃったから

「先輩部活はどうしたんですか~?サボり?」

「サボってねえ……ほら、今雨どしゃ降りだろ。だから中止だよ、中止」

「あ、なら都合がいいです。私今日ちょうど傘忘れちゃって~誰か入れて貰おうと思ってたんですよ~」

「え……いや…恥ずかしいから嫌なんですけど」

「は?」

「いや、怖いから、超怖いから」

「いや、私結衣先輩にお願いしようと思ってたんですけど…はっ!なんですか今口説いてましたか正直先輩はいい人とは思いますけど恋愛対象とみるにはカッコ悪すぎですごめんなさい出直してきて下さい」

「あーはいはいそーですねー」

「てか結衣先輩もう帰っちゃいましたか?」

「いや、まだ学校に居ると思うぞ?別れたのついさっきだし」

「ならいいんですけど…」

俺と一色は少し足早に昇降口へ急いだ。昇降口までいくと案の定、由比ヶ浜と雪ノ下が抱き合い、もつれながら歩いていた。いや…歩く時までそうとかドン引きなんですけど

「あ!いろはちゃん、やっはろー」

「こんにちは、一色さん」

「こんにちは、結衣先輩、雪乃先輩。ところで私、傘忘れちゃって、一緒に入る人を探しているんですけど…」
 
「あ、ならあたしいれてあげようか?傘おっきいし!」

「本当ですか?ラッキー!ありがとうございます!」

由比ヶ浜の二つ返事で場が和んだ。一色もずいぶん安心した表情をしている。さてさて…俺も帰りますかね……

………………………

「………」

「………」

「………」

冠水してるわ……昇降口の大部分が水に浸かっちゃってんじゃん…マンホールが噴水と化しちゃってるし、なにこれ?冬ってもうちょっと乾燥してるんじゃないの?俺はまだましだが、駅まで歩く一色とかはどうなるんだ?流石に長距離氷みたいな水に足を漬からせたまま帰るとヤバイと思うんだけど。つーかよく気づかなかったな俺ら……

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