友「やっと見つけた」(33)

「どなたですか?」

友「記憶喪失って本当だったんだね」

「な、なぜそのことを…?」

友「君の友達だったからね」

友「…いや友達以上かな?」

「どどどんな関係だったんですか!?」

友「そんな恥ずかしいこと言えないよ」

「ちょっと!気になるので教えてください!」

友「あはは、性格まで忘れちゃったのかな?」

友「クールで何事にも動じなかったのにねぇ」

「答えになっていません!」

友「自分で思い出して欲しいなぁ」

友「そうだ、もし良かったらうちにくる?」

友「何か思い出せるかもよ」

「行きます。このまま引き下がっては後悔することになりそうですから」

友「来ても後悔するかもしれないけどね」

「記憶を失う前に一体何が!?」

友「そんなこんなでこちらがお家でございます」

「おじゃまします」

友「適当にくつろいでて」

友「アイスティーしかないけどいいかな?」

「はい、ありがとうございます」

友「んじゃ、ちょいと待ってて」スタスタ

「うーん、なんとなく見覚えがあるようなないような…」

「とにかく広いお家です」

友「お待たせ。じゃあ早速だけどいくつか質問いいかな?」

「あなたが質問するんですか?」

友「こっちも君がどんな状態か詳しくしらないものでね」

友「どの程度記憶はないの?」

「例えば車の運転など体で覚えたことや、犬や猫など常識的な固有名詞は問題ないです」

「でも自分の名前やどんな人生を送ってきたのかは覚えていません」

友「なるほど。ちなみに友って名前に覚えはある?」

「友さん…」

友「何かひっかかる?」

「…ごめんなさい」

友「あら残念。ふとしたことで記憶が蘇ることとかはないの?」

「今のところないですね」

友「そっか…。ねぇ」

「ななななななんでそんなに顔近づけるんですか///」

友「目瞑って?」

「だからなんで?に手を添えるんですか!?」

友「いいから」

「…わかりました」スッ

「!!?」ドクン

友「どうしたの?いきなりお顔が熱くなったよぉ?」

「し、知りません!!」

友「ふふっ、やっぱり思った通りだ」

「何がですか?」

友「なんでも」

友「おっといけない、お菓子買ってくるね」

「えっ、そんないいですよ」

友「ガールズトークには必要なの」

友「適当にこの部屋物色してていいから少し待っててね」

「そんなことしません!」

友「エッチな本とかあるかもよ?」

「もぅ!行くなら早く行ってください!」

友「はいはい、いってきまーす」

「・・・」

「暇です」

「友さんもいいって言っていたことですし少しこの部屋を見てみましょう」

「何か面白そうなものは…」

「おっ、これは写真ですね」

「友さんと私ともう2人写っています」

「女子高生3人と先生1人」

「おそらく卒業式だと私は推測します」

「この時からどれくらい時間が経ったのでしょうか…」

「何故か目頭が熱くなってきたので他のものを探しましょう」

「ふむ、これは日記ですかね」

「さすがにこれを読むのは道徳違反です」

「・・・」

「・・・」

「とはいえ…」

「私気になります」ペラッ

~・~・~・~・~・~・~

目を覚ますとキョロキョロ周りを見回す愛しいあの子

私の存在を認めるとホッとした表情になる

ズキンと心が痛む

そんな状態にしたのは私なのよ?

これからあなたに酷いことするのよ?

だから私をそんな目で見ないで

様々な感情が私の中で渦巻くがそれらを全て無視する

私はあの子を監禁した

~・~・~・~・~・~・~

「日記だとしたらあの人ヤバすぎますね」

「あまりにもさっきまでの印象と違いますけど本当はこのような人なのでしょうか」

「まだ判断するには早すぎますね」

「もう少し読み進めてみましょう」

~・~・~・~・~・~・~

あの子の第一声は私を心配するものだった

大丈夫?ですって?

縛られたあの子と仁王立ちする私

なんであなたはそんなことが言えるの?

どうみたって私が悪者じゃない

私はあの子の言葉を無視して部屋を出た

そうしないとあの子に泣きながら謝って解放してしまいそうだったから

気を取り直して部屋に戻った

無表情で私はあの子に告げる

今日からあなたは私のもの

不思議そうにどうしてなのか問い返してくる

あなたが好きだからと私は答えた

自分も好きだというようなことを言ったあの子

そういう好きじゃないのよ

黙ってあの子にキスをした

怒るでもなく泣くでもなく呆然とするでもなくあの子はこう言った

そんな苦しそうな顔しないで

苦しそうな顔?

大好きなあなたとキスできたのよ?

嬉しいに決まってるじゃない!

部屋をでると私は鏡の前で笑ってみた

ねぇ、なんで…なんで私は泣いてるの?

~・~・~・~・~・~・~

「愛 が 重 い」

「それと監禁されてる子おかしくないですか?」

「私だったら思いっきり怖がるかブチ切れるかしてますよ」

「すごくモヤモヤする」

「ここでやめるわけにはいきませんね」

~・~・~・~・~・~・~

今のままじゃダメだ

このままじゃ私のものにできない

壊してしまおう

たとえあの子が物言わぬ人形になっても

たとえあの子が美しくなくなっても

私は愛せる

ワタシハアイセル

ワタシハコワセル

私は壊せる

壊れてしまった私ならきっと

口移しでご飯を食べさせようとした

口移しで水を飲ませようとした

私無しじゃ生きられないようにしようとした

でも拒絶された

私のことが嫌いだから?

違うみたい

私が苦しんでいるかららしい

私が笑ったら食べてあげる

お腹減ってるくせにそんな強がりを言うあの子

仕方がない最後の手段を使うことにする

~・~・~・~・~・~・~

「なるほどこれは作り話ですね」

「流石にこの反応はありえません」

「人の密かな趣味を知ってしまったことに罪悪感でいっぱいです」

「しかしなんだか女の子同士っぽい雰囲気ですね」

「私の勘がそう告げています」

「友さんはそっちの人なのでしょうか」

「……そろそろ帰ろうかなー」

~・~・~・~・~・~・~

その時から水も食料も与えなかった

見るからに衰弱していった

もう唾液もでなかっただろう

極限まで弱ったところで私は口移しで飲ませてあげると言った

ニッコリと笑いクビを横に振るとあの子は倒れた

それからは地獄のような日々だった

一度健康体まで戻すそしてまた水も食料も与えない

問いかける倒れる治す

流石のあの子も段々表情が無くなる

言葉を発しなくなる

何度か繰り返した後遂に堕ちる

水を飲むため自らの意思で私の唇を奪った

~・~・~・~・~・~・~

「おっ、遂に堕ちましたね」

「苦しみながらも手に入れた禁断の愛」

「何故かとても監禁した人におめでとうを言ってあげたい気分です」

「私ったらイケナイ子」

「この後2人はどうなってしまうのでしょうか」

「続き続きっと…」

~・~・~・~・~・~・~

そこからはあっという間だった

何をするにしても私を必要とする状況をつくる

私を自ら求めるようにする

おねだりもさせる

上手くできたらご褒美を与える

気付けばあの子は完全に私に依存していた

きっと脳の奥までずっと

もう十分だろう

私はあの子を自由にした

この時をこの瞬間をずっと待っていた

大好きだよ

昔よりもずっとずっと大好きだよ

こんなんにしたのはあなたのせいなんだからね

責任とってもらわなくちゃ

目隠ししてみました

そんな不安そうな顔しないで

襲いたくなっちゃうじゃない

大丈夫、痛いことはしないよ

ただくすぐるだけ

お漏らししたらやめてあげるね

今日はなんと色んなオモチャを用意してみました

なんでそんな怯えた目をしてるの?

もしかしてこのまえ失神しながら盛大にお漏らししちゃったこと気にしてるの?

気にすることないのに

優しくしてあげるから安心して?

だってあなたのこと愛してるもの

イきそうになる度に好きって言わせる

愛してるって言わせる

そしたら派手にイかせてあげる

言わなかった時はイかせてあげない

イく度に見せる可愛い顔

こっちまで脳がトロけちゃいそう

イかせてトンで起こしてイかせてトンで無限ループ

中々起きなくなっちゃったから今日はおしまい

気持ち良すぎて辛かったよね?

起きたらすっごく甘やかしてあげよう

何をするにもまずはキスをする

もう最近は目を瞑るだけでも身体が火照るようになったね

イヤラシイんだから

今日はどうやって気持ち良くしてあげようかな

飽きるどころか日に日に好きになっていくよ

いないいないいないいない

なんで?なんで?なんで?

逃げれるはずがない

だって好きなんだよね?愛してるんだよね?

もうこれでおしまいなの?

そんなの絶対許さない

~・~・~・~・~・~・~

友「ただいまー、ってそれ読んだの!?」

「はい、そこそこ面白いですよ」

「あと少しなんで待っててください」

友「だめー!恥ずかしいから読ませません!」

「ちぇー」

友「よりにもよってこれを見つけるとは」

「結構わかりやすいところにありましたよ」

「こういうの趣味なんですか?」

友「高校の頃文芸部でね」

友「そんなことよりケーキと紅茶買ってきたよ」

「美味しそうですね」

友「さっ、あっちで食べながら話そう」

「そうでした。聞きたいこといっぱいあるんですよ」

友「なんでも聞いてよ」

友「有名店のケーキを食べながらググイとこの紅茶いただいちゃって」

「いただきます」

友「そしたらボクも久しぶりにいただくとするから」

~・~・~・~・~・~・~

やっと見つけた

どうやらコソコソSOSの手紙を出してたみたいだね

完全に支配したつもりだったけど足りなかったみたい

困った子だ

もう二度と離れられないように

たぁっぷりお仕置きしないとね

~・~・~・~・~・~・~おしまい

伏線とかいろいろはりたくて書いたらストーリーが残念になった上に意味もよくわからん感じになってしまった
悲しい世界
読んでくださった方誠にありがとうございます

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