姉「私の外見が弟くんの好みじゃないってことだ！」


弟「......」


姉「......」


弟「それ以前の問題と思うけど」


姉「いーや、これ以上の問題はない！　さあ弟くん！　私に思いっきり自分の好みを吐いちゃいな！」


弟「別に姉ちゃんは十分可愛いと思うよ」


姉「............へ？」


弟「普通に可愛いよ」


姉「......まじ？」


弟「まじ」


姉「......」


弟「......」


姉「......今私の顔どうなってる？」


弟「まくらに顔埋めながら言われても」


姉「そ、それもそうか......」

姉「はい！　次の法則に行きます！」


弟「まだあんのか」


姉「VIPで大量に拾ってきたからな！」


弟「ふーん」


姉「じゃあ、どん！」


【ボッサードの法則】
物理的距離と心理的距離は比例するという法則。
つまり、普段近くにいる相手ほど好意を抱きやすいということ。
誰かと付き合いたかったら、その人の近くにいるように心がけることを教えてくれる法則。


弟「へえ、結構為になるね」

姉「てことで、はい！」ギュー


弟「.........なに？」


姉「どう？　お姉ちゃんにドッキドキですかい？」


弟「どっちかっていうと姉ちゃんの胸にドッキドキだよ」


姉「な......！　そんな邪魔者がいたのか......」


弟「あの、離れてくれませんかね。暑いので」


姉「お姉ちゃんももうだいぶホットな気分だよ」


弟「だったら離れてください」


姉「ねえ......。キス......していい？」


弟「ついに頭がおかしくなったか」


姉「私は本気だよ」


弟「あのさ、いつになったらブラコン治るの？　もう大学生なんだよ？」

姉「......付き合ってくれたら治る」


弟「いや、それ全然治ってないから」


姉「うぅ〜！　頼むよ！」ギュー


弟「ダメです。俺たち姉弟なんだから」


姉「......うん」


弟「......」


姉「......」


弟「はぁ......。じゃあ、これで勘弁して」ギュ


姉「......おお」


弟「これ、周りから見たらただのバカップルだよ」


姉「私は構わない」


弟「俺が良くないんだよ」


姉「私は弟のことが好きだよ」


弟「俺も"姉"として姉ちゃんのこと好きだよ」


姉「へへ......相思相愛だね」


弟「いや、人の話聞いてた？」


姉「私の耳は都合のいいことしか聞き取らないようにできてるから」


弟「うわ〜、面倒くせー」

・・

弟「あれ、今日は髪おろしているんだ」


姉「んー、気分転換にね」


弟「ふーん、かわいいね」


姉「ふっふっふ......これを髪下ろしの法則と言うのだよ！」


【髪下ろしの法則】

普段髪を結んでる女性が髪を下ろしていると、ドキッとするという法則である。

弟「あー。それはちょっとわかるかも」


姉「だろー？　まあ、これは私が考えたけど」


弟「へー。ちょっと今度、クラスの女子に髪下ろしてもらおうかな」


姉「な......！　そんなのお姉ちゃんが認めません！」


弟「なんでだよ」


姉「弟がドキッとしちゃうかもでしょうが！」


弟「そりゃあ、それを検証するためにするんだから」


姉「だめ！　弟は私にだけドキッとしていればいいの！」


弟「なんて大人気ない姉なのだろうか」


姉「とにかくそんなことしちゃダメだからね！」


弟「はいはい」

・・

姉「10000時間の法則ってのがあるんだけどさ」


弟「うん」


【10000時間の法則】
ある分野で成功するために必要といわれている時間が約１万時間。
１日３時間を毎日、１０年続ければ約１万時間になる。
毎日コツコツと進歩することの大切さを教えてくれる法則。

姉「私が一日三時間、毎日弟に好きって言えば十年後には弟と付き合えるんじゃね？」


弟「......」


姉「......」


弟「......完全に洗脳だよね。それ」


姉「いやいや、そんなことないよ」


弟「ありまくるよ」


姉「というわけで、今日から毎日三時間好きっていうから」


弟「はあ......そうですか」


姉「うん。------では」


弟「......」


姉「弟くん......好き」


弟「うん」


姉「......愛してる」


弟「......ん」ポチポチ←スマホ


姉「私、ずっと弟のことが好きだったの......」


弟「......へー」ポチポチ

姉「私、弟なしでは生きていけない」


弟「......」ポチポチ


姉「......」


弟「......」ポチポチ


姉「うぉーーーい！」


弟「な、なに、びっくりするじゃん」


姉「ちょっと人が真剣に入ってるのにスマホなんかいじるなよ！」


弟「いや、真剣に聞いてたら頭おかしくなるから」


姉「もぉ〜......」ダキッ


弟「ああ、画面が見えない」


姉「真剣に聞かなかった罰です」


弟「はぁ、そんなことしてるから好かれないんだよ」


姉「え、そうなの？」離れ


弟「うん」


姉「じゃ、じゃあこういうところ直せば好きになってくれる？　異性として見てくれる？」


弟「いや、それは無理」


姉「なんだよ！」

　おわり。