男「不老不死になる肉?」 (74)
戦国時代 初期
男「そんなもんあるわけないだろう」
足軽「あるんだよそれが!ここだけの話、将軍もそれがここにあると聞きつけて、それで俺達にそれを探させようとしてるんだってよ」
男「へぇ、それって何の肉なんだ?」
足軽「なんでも、ツチノコって言う蛇の肉らしいぜ」
男「ツチノコ!?あの名前だけで実在しないって言われている幻の蛇か?そんなもんどうやっても見つからないだろ」
足軽「そうだよなあ。将軍も無茶を言う」
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夜
男「厠がないからな。立って小便しても咎められねえだろ」
ガサガサ
男「ん?」ヒョイ
男「蛇か?それにしては太ってんな」
男「調度いい。あんな飯だけじゃ腹は太らん。こいつを焼いて食うとするか」
パチパチ
男「そろそろいいだろう」
男「いただきまーす」パクッ
モグモグ
男「なかなかウマイな。足軽と火縄兵にも食わせてやるか」
足軽「なんだよこんな夜更けに」フワァ
火縄兵「我も暇ではないんだぞ。大した用でなければすぐ寝るぞ」
男「実はそこで蛇を捕まえてな。これがまたウマイんだよ。お前たちも食ってみろ」スッ
モグモグ
足軽「おぇっ!?まずっ!!」ペッ
火縄兵「!?」ゲロロロロ
足軽「こんなまずいもん食わせやがって!目が覚めたじゃねえか!」
火縄兵「...お主が友でなければその場で斬り捨てるところだったぞ」
男「え?ウマイだろ?」モグモグ
足軽・火縄兵「」ポカーン
足軽「...寝るわ。じゃあな」スタスタ
火縄兵「...明日に備えておけよ」スタスタ
男「...ウマイのになあ?」モグモグ
翌日
男「あー、少し眠いな」フワァ
将軍「今日より、体が肥えている蛇を探してもらう!見つけた者には1万石の報酬を約束する!」
ザワザワ
足軽「い、一万石!?」
火縄兵「なんとしてでも見つけたいものだな」
男「えっ...」
男(一万石損したぁぁぁ!!!)ズーン
一ヶ月後
将軍「ううむ、やはり噂は偽りの物であったか」
将軍「全軍!今日を持って城へ引き返す!!」
ザッザッザッ
足軽「さすがに不老不死の肉だからなぁ。やっぱり幻かぁー」
火縄兵「一万石は惜しいが致し方ない」
男「一万石一万石...」ブツブツ
足軽「おいおい男、仕方ないだろ?」
男(自分が間違えて食っちまったんだからなぁ)
男「仕方ないかぁ」ハァ
しばらくして
ワーワー
敵兵「いぇやぁぁぁ!!」ズブッ
兵「」バタッ
兵2「うぉぉぉぉ!!!兵のかたきぃぃぃ!!」ザシュ
将軍「ふむ、我が軍が優勢であるな」
軍師「はい。勝つのも時間の問題ですな」
男「おおおお!!」ブンッ
敵兵2「うわぁぁぁ!!」ブシャァ
バタッ
男「はぁっ、はぁっ」ゼェゼェ
敵兵3「うぉぉぉぉ!!」ブンッ
男「やぁぁぁ!」ブンッ
ガキッ
男「ふんっ!」ザシュ
敵兵3「」バタッ
足軽「へっ、やっぱり男はつえぇや」
火縄兵「隊長程の強さを持っていながら一兵士とは...」バン
火縄兵「む、あれは!」
敵武将「うぉぉ!」ブゥン
兵3.4.5.6.7「」ドバァ
男(一気に五人も!?)
敵武将「むぅん!!」
男(!?)スッ
バキィン!
男(くそっ!量産した剣じゃ折れるのも当然かっ!)ビリビリ
敵武将「ほう、やるな。だが死ねぇ!」ドッ
男「ぐっ!!」ズブッ
足軽「!?」
火縄兵「...!!」
男「うぁっ...」ドサッ
男(くそぅ、痛ぇ。苦しい...)
男(死ぬのかよ。俺は...)
男(あぁ、意識が...駄目だ.....)
男「」
男(...)
男「...う」
男「うぅ...」ムクッ
男「あれっ、ここは?」
男「確か俺は戦場で戦って、敵武将に...」ハッ
男「なのに、何で...?」
男「傷もふさがってる...それにここはよく見れば戦場じゃないか」スタスタ
男「死体を見るからに、昨日今日死んだっぽいな」
男「あ!!」
童『ツチノコってのは、丸っこい蛇なんだって!』
将軍『体が肥えている蛇を探してもらう!』
足軽『将軍もそれがここにあると聞きつけて俺達にそれを探させようとしてるんだってよ』
男「なるほど!」
男「俺は不老不死になったのか...」
男「え、どうしよう」
足軽「うぅ、男ぉ!」グスン
火縄兵「...」ポロポロ
足軽「お前の分も、俺は強くなってやる!!そして、あの敵武将を倒す!」
火縄兵「我もだ!!友の敵...!」
男「さて、本当にどうしよう」
男「足軽達のところへ戻るか?いや、返ってまずいことになりそうだな」
男「そうだ!この国を旅してみるか!」
男「そうと決まれば、いざ行かん!」スタスタ
ワイワイガヤガヤ
男「ほぅ、賑わってるねぇ!」
男(えっと、今の手持ちは...三疋と四文か)
男「腹へったな。飯食うか」スタスタ
親父「へいらっしゃい!」
男「おっちゃん、人気なの一つくれよ」
親父「あいよ!」
男「ふー、ごちそうさん」チャリン
親父「毎度!」
男「さて、やる気出てきたー!...おや?」
盗人「」ダッ
町女「キャッ!」ドンッ
盗人「へへっ」タッタッタッ
男「あいつ今、女から何か盗りやがった!」ダッ
盗人「へっ、足の速さならそこいらの奴には負けねえぜ!ん?」
男「あの女から盗んだブツを返しな!」ライダーキック
盗人「ぐぼぁ!!」ドサッ
男「お、手に持っているそれか」ヒョイ
男「返してもらったぜ。じゃあな」
盗人「あいつ、何者だよ...」ガクッ
男「これ、さっきあいつから盗られたやつだろ?」
町女「え、いつの間に!?ありがとうございます!」
町女「あ、私町女と申します。失礼ながらあなたは?」
男「俺は男って言うんだ。この国を旅してるんだ」
町女「まぁ!旅のお方でしたの!?」
町女「それならば、私の家で一日だけでも宿代わりとして泊まっていってくださいな!」
男「おお?それはありがたい!是非ともお願いします!!」
町女「良かった。では案内致しますね!」スタスタ
町女「こちらです」ガララ
男「お邪魔します」スタスタ
親父「お帰り娘よ。ぬ?そちの者は?」
町女「先程出会った男様です。なんでも旅をなさっているとか」
親父「ほぉ?それで連れてきたのか?」
町女「それもありますが、かくかくしかじかで、一泊泊めて差し上げる約束をしたのです」
親父「そうか!ゆっくりしていきな!」
男「ありがとうございます親父さん!」
翌朝
男「一晩とは言えありがとうございました。では、自分はこれにて」スタスタ
町女「お待ちください!」
男「?」
町女「あの、私もその旅、連れていって下さいませんか?」
男「ふむ、構わないけど親父さんはいいのかい?」
町女「はい!昨日の間に父と話をつけましたから。それに、元々旅に憧れていましたので」
男「そうか!それならば共に行こう!!」
町女「はい!!これからよろしくお願い致します、男様」ニコ
書き溜めはある程度ありますがこんな感じで投下します
町女て…
町娘じゃ駄目なの?
>>21この後の展開的に町女で統一してますスンマセン
男「おや?ここは通れないのかい?」
門番「ここから十里程先では戦が起きている。通るのは得策ではない」
男「ふむ、では他の道を探すか」スタスタ
男「さて、今日はここで休むか」
町女「はい。お休みなさい、男様」
男「お休み、町女」
男「お、町が見えたぞ」スタスタ
町女「今日はあそこの町の宿で泊まりませんか?流石に野で何日も寝ると屋根のついた家が恋しいです」
男「そうだな。今日はあの町に泊まろう!」
男「おや、活気がないな」
町女「どうしたのでしょうか。」
男「ちょいとすまねぇ。どうしてこの町はこんなに静かなんだい?」
モブ人「なんでもお尋ね者がいてなぁ。そいつが少し強いからってここに無一文で居座って飲み食いしているんだ」
男「ほう、そいつは許せないな」
町女「強いからって弱者から物を奪うなんて最低な輩ですよ!」
男「で、そいつはどこにいるんだ?」
モブ人「あそこの宿だ」
男「よし!」タッタッタッ
町女「あ、男さん!」
男「やい!お尋ね者はどいつだ!?」
浪人「あぁ?私だが何か用か?」
男「貴様が無一文で色々な悪さしているって聞いたぞ!」
浪人「それがどうした?弱い者から物を奪う。それが今の時代であろう?」
男「てめぇ!」ダッ
浪人「武器も持たぬ者に何ができる!!」スチャ
浪人「むん!」ブンッ
男「甘いんだよ!!」キック
浪人「ぶふっ!」ドゴォ
浪人「くっ!」ブォン
男「一発で倒れないとはやるなてめぇ!」ブンッ
浪人「かはっ!!」ドカッ
男「このこのぉ!!!」ドカバキボコ
浪人「こ、降参だ!まいった!」
男「へ、だったらこの町から出ていきな」
浪人「あぁ...。そうするとしよう...」ユラユラ
町女「もう、男さん!心配したんですからね!!」プンスカ
男「すまんすまん。でも結果良ければすべてよし!」
町女「でも、男さんって強かったんですね」
男「どうだろうな」
男(仮にも武将の一太刀を防いだくらいだしな。まぁ殺されたんだが)
翌朝
男「泊めてもらったのに代金どころかこっちが色々と貰っちまったな」
町女「皆男さんに感謝していましたね。良いおこないをすると気持ちの良いものですね」
男「そうだな。じゃあ次の町を目指して出発!」
町女「はい!」
男「さようなら!ありがとう、町の皆!」
モブ人「元気でなー!」
男「さて、どこへ向かおうか」
浪人「待ってくれ!」
男「なんだ?昨日の借りを返しに来たかい?」
浪人「違う。あんたら旅のものと聞いた。そこで私も連れていって欲しいのだが」
男「断る」
町女「行きましょう、男さん」スタスタ
浪人「待ってくれ!ではせめてこれを受け取って頂きたい」スッ
男「刀?」
浪人「いかにも。旅に危険はつきもの。これから危険があるかもしれん。そのようなときのために受け取ってくれ。敗者の情けだ」
男「そういうことなら受け取っておく。ありがとな」スチャ
町女「ありがとうございます。では、行きましょう、男さん」
男「ああ」スタスタ
浪人「良い旅を」クルッ スタスタ
男「船に揺られ、ようやく辿り着いたぞ!」
町女「ここが伊予(愛媛辺り)ですか...」
男「さて、疲れたので一泊しますか!」
町女「はい!」
男「宿を二部屋頼む」
店主「あいよ!」
男「じゃあまた明日~」フリフリ
町女「お休みなさい」ニコ
男「さて、行きますか」
町女「はい」スタスタ
男「む、あれは温泉?」
町女「ほうほう。そう言えば久しく水浴びもしていませんね」
男「行くしかねえな!」
男「あ"ぁ"~。いい湯じゃぁー」ザボン
町女「さらに貸し切り状態。最高ですねぇ」チャポン
男「ふむ、こう見ると町女も女だな」
町女「な...!!」カァァ
男「む、不快だったならすまない」フイッ
町女「...あまり体は見ないで欲しいです」
男「さて、では出発!」
町女「いい湯でした!」スタスタ
男「しかし長旅も疲れたな。しばらく次の町に滞在しないか?」
町女「確かにそうですね。それでは次の町を見つけましょう」スタスタ
男「む、町発見!」
町女「なかなか賑わっていますね」
男「平和だねぇ」
男「今の手持ちが、八文か...」
町女「...滞在している間、何処かで働きましょう」
男「宿を一部屋頼む」
店主「はいよ!」
男「さ、行くか」スタスタ
町女「はい!」スタスタ
---------- ---------- ----------
キリがいいのでここまでにします
数ヶ月後
男「今日も大漁だなー!」
親方「はっはっは!!男は物覚えがはえぇ!そのおかげで俺も町も潤ってるぜ!!」
男「じゃ、女房が待ってるんで帰ります。お疲れ様です!」タッタッタッ
漁師「ったく、羨ましいやつですねぇ」
親父「旅をしていた人間が、今は家を持ち家庭を持っている。人は変わるもんだな」
男「帰ったぞ~」ガララ
町女「あら、お帰りなさいあなた」
男「ただいま。改めて見ると、お前のお腹も随分大きくなったな」ナデナデ
町女「ふふ、産まれてくるまでが待ち遠しいわ」
男「ああ」
男「その子が産まれて成長したら、今度は三人で旅しような!」
町女「ええ。その日が楽しみだわ」
漁師『大変だ~!!!落武者達だぁ~~~!!!』
男・町女「!?」
町女「落武者達!?一体何人いるのかしら!」
男「お前はここにいろ!」ダッ
町女「あなた!!」
落武者「金目の物と女を寄越せぇ!」ブンッ
町人「ぐぁぁ!!」ブシャァ
落武者2「怨むなら時代を怨め!」ブォン
町人2「」スパァン
親方「くそぅ!いくらなんでもこの小さい町で落武者を10人も相手に出来る勢力はねぇ...」
漁師「戦えるのは俺と親方と男のやつくらいですぜ...」
男「うぉぉぉぉ!!!」ブンッ
落武者3「」スパァン
落武者4「な、何だこいつ!?」
親方「男!」
落武者「一人減ったとてまだ九人。盗みの邪魔だ。こいつを一気に畳み掛けるぞ!!」ダッ
親方「そうはさせるか!!」スチャ
落武者10「死人の武器を奪ったのか。だが貴様らはそれでも武器持ちが二人。死ねい!」
漁師「そこらの石ころだって武器にはなるんだよ!」ヒョイ
落武者6「死ね死ねぇぃ!」ブォンブォン
男「てめぇらぁぁ!!!」ブンッ
男「はぁっ、はぁっ...」
落武者「くっ、何てやつだ...!」
落武者2「くそっ、化け物め...」
落武者4.5.6.7.8.9「」
親方「この!!」ブン
落武者10「力だけでは勝てんと言っておろうが!」ブォン
親方「ぐぁっ!」ズバァ
親方「はぁ、はぁ、くっ!」ガクッ
落武者10「終わりだ」スッ
ゴンッ!!
落武者10「」バタッ
漁師「ふ、不意の攻撃は避けられないだろ」ハァハァ
漁師「親方!」ダッ
親方「俺の事は後回しだ...男を...」
漁師「そういやあいつで八人も...!」
漁師「すまねぇ親方!」ダッ
落武者2「ぐぁ...!」バタッ
落武者「く、くそっ!」
落武者(こんな手練れがいたのか!くそ、いくら俺でも勝てるかどうか...)
男「うぉぉ!!」ブンッ
ガキィン!
落武者「しまった、武器が!」
男「おら!」ブン
落武者「く...そ...」バタッ
男「くそっ、かなりの深手を負っちまったな...」ドサッ
男(そういえば、不老不死って怪我とかも治るのか?)ハァハァ
漁師「男~!!」タッタッタッ
男「漁師さん...?」
漁師「う...ひでぇ怪我だな...。ん?まさかお前一人で全員を!?」
男「ああ、まぁな。...親方は?」
漁師「怪我はしてるがまだ大丈夫だ。まってろ、医者のところまで...」
男「大丈夫だ。それより親方を頼む」
漁師「そんなに出血してて大丈夫なわけないだろう!」
男「大丈夫だよ。ほとんど返り血だ」スッ
男(傷口がふさがっていくのが分かる。これも不老不死の肉を食ったからか...)
漁師「お、おめぇ...。わかった、親方を見てくる!」ダッ
男「...さてと、俺もあいつのとこへ帰るか」スタスタ
数年後
男「じゃあな、世話になったよ。親方、漁師」
町女「旦那がお世話になりました」ニコ
親方「おう!!女房さんを大切にな!」グスン
漁師「男ぉ!俺の事忘れんなよ~!!」フリフリ
男「またな~~!」フリフリ
町女「ほら、娘も手を振って」
娘「ばいばーい!」フリフリ
息子「ぐぅー」スヤスヤ
男「少し滞在するはずが長い時間滞在したな」
町女「でも、いい人ばかりでとてもいい日々だったわ」
男「ああ。別れるのが惜しかったくらいだ...。よし、久々にお前の親父さんに会いに行くか!」
町女「そうね。分かったわ」
町女「お父さまー?」ガララ
親父「おお!!久しぶりじゃねぇか町女!!」
男「久しぶりです。親父さん」
親父「おぅ!確か男って言ったな。...ん?その子達はまさか??」
町女「私と彼の子供ですよ」フフッ
娘「こんちはー」フリフリ
息子「だー」
親父「おーおー、めんこいなぁー。で、名前は何て言うんだ?」
男「こっちの女の子が娘、今年で五歳。こっちが息子って名前で三歳ですよ」
親父「はっはっは!!俺もついにじいちゃんかぁ!!」
親父「うし、男、飲もうぜ!!今夜は寝かせんぞぉ!?」
男「ええ、いいですとも!」
親父「男ぉ。お前はこれからとうするんでぃ?」ヒック
男「また旅をしようと思っていますよ」グビッ
親父「ならよぉ、せめて町女と孫一人はこっちに置いてってくれよぉ」ヒック
男「...どうしてですか?」ピタッ
親父「俺は女房を早くに亡くしちまってなぁ。家族は町女だけだったんでぃ」ヒック
男「...」
親父「で、年頃になった町女が旅ってもんに憧れを持ちはじめてな」
親父「一人娘の願いってことだしあいつの恩人って訳で町女があんたと同行するのを許したんでぃ」
親父「それから一人の生活ってもんは寂しくてなぁ...せめて俺が死ぬまでは...」
男「そういうことですか...」
男「分かりました。ですが、旅の間幾度かここを訪れても良いですか?」
親父「おう!もちろんだともよ!」
数日後
男「じゃあ、俺と娘で旅をして来るよ」
町女「ええ。体には気を付けてね?」
男「ああ。お前も気を付けろよ。じゃあな」スタスタ
娘「じゃーなー」フリフリ
息子「なー」ブンブン
男(町女、お前も連れていきたかった...)スタスタ
娘「ふふーん!」トテトテ
町女「うぅ、男ぉ...」グスン
親父「...」
男「よし、今度は金に困らねぇな」
娘「ふふふ」ニヤリ
男「さて、色々とまわってみますか!」
娘「おー。っ!」ズルッ
コテッ
男「娘!大丈夫か!?」
娘「うー、いたーい」ジンジン
男「まずは水を掛けるからな。痛いけど我慢しろよ」スッ
娘「だいじょーぶ!こうすれば」ゴシゴシ
娘「ほら、なおってる!」
男「!!」
男「...いつからそんな体になった?」
娘「ずっとむかし!あたしだけみんなと違ったの!」
男「...これで...いいのか?」
男「不老不死って...まさかこの娘までそんなこと...」
娘「?」
男「...今日はこの町に泊まろうか」
娘「はいよー!」ビシッ
男「宿を一部屋頼む」チャリン
店員「あいよ!!」
娘「ぐー...」スヤスヤ
男(...今まで俺は不老不死になって別に嫌だとは思わなかった)
男(不老不死になってなければ町女にも会えなかったしな)
男(だが、娘が不老不死になっているとすると...)
男「...すまない」ナデナデ
娘「んふふー」ニヤニヤ
男(しかし、そうなっていない可能性もある)
男(現に俺も不死ではあるが不老かどうかは分からん)
男「考えても仕方ない。寝るか」
翌日
男「おはよう、娘」
娘「おはよー」
男「よーし吹っ切れたぜ!!お前とこの国の全てを見に行くぞ俺は!!」
娘「おおー!!」
男「そうと決まれば出発じゃい!」
娘「じゃい!」
----- ----- ----- ----- -----
また明日投下します
火縄銃が戦国時代初期からあるっておかしいですね
すいませんが
>>1 戦国時代 初期→戦国時代 中盤
に変更します
男「ここに来るまでに何回死んだだろうな」
女「さあ?でもそんなこと言われたら思い出すわ。初めて私が生き返ったときの父さんの顔...」プクク
男「仕方ないだろう!?本気で心配だったんだ」
女「うん、あのとき心配してくれてありがとう」
男「どういたしまして。じゃ、帰りますか。町女のところへ」
女「ええ...」
男「あいつのところへはここ三年は行ってないし、久しぶりだな」ニヤニヤ
女「...本当に母さんが好きなんだから」プクッ
男「町女~、帰って来たぞー」ガララ
町女「あら、あなた、女、おかえりなさい」ニコ
女「ただいま母さん」
遊び人「あー、親父と姉ちゃんかよ。...お、姉ちゃん結構美人さんになってるじゃん」スッ
町女「遊び人、やめなさい」キッ
遊び人「けっ」スタスタ
男「...あいつももう十五か」
町女「あの子はいつも町に出ては女の人を連れてきて...」ハァ
女「最低ね」ハァ
夜
遊び人「おー、びじんなねーちゃんだー」スヤスヤ
女「とうさんつぎはあそこいこー」スヤスヤ
男「...」
町女「不老不死ですか...」
男「ああ。今まで黙っていてすまない」
町女「確かに、出会ってかれこれ二十年近くと言うのに...私に信頼が無かったと言うことですか」ムス
男「そうじゃない。...お前に真実を話して避けられるのが怖かったんだ」
町女「ふふ、冗談です。ですが、本当に不老不死というものは存在したんですね...」
男「ああ。俺も生き返ったときは驚いたよ」ハハハ
遊び人「おはよー」ボー
女「おはよう」
遊び人「お、美人なねえちゃんじゃん」スッ
女「私だよ」パシッ
遊び人「いてっ、何だ姉ちゃんか。いいじゃねえか少しくらい」
女「嫌に決まってるでしょう?何であんたなんかと...」
遊び人「あんたなんかって...俺はかなり女性に人気なんだぜ?」
女「私は死んでも嫌よ」
男「おーおー喧嘩か?」スタスタ
遊び人「ちぇー」スタスタ
女「ふんっ」スタスタ
モグモグ
町女「久しぶりの家族全員での食事ですねぇ」
男「やっぱりみんなで食う飯がうめぇや」ガツガツ
女「あ、父さんここにお弁当ついてる」ヒョイパク
遊び人、町女「!!」
男「おう、ありがとよ女」
女「ふふ、どういたしまして」ニコニコ
遊び人(おいおい姉ちゃんってもしかして...)
町女(若い人しか出来ない事よね...私もやりたかった)ズーン
男「ふー、ごちそうさん!」
男「うし、親父さんが残した畑があったよな。遊び人と耕してくる」スタスタ
遊び人「へいへい」スタスタ
女「いってらっしゃい」フリフリ
町女「私も手伝いますよ」スタスタ
男「うし、ざっとこんなもんだろ」
遊び人「よーし終わったー」グテー
町女「一仕事終わるとお腹が減りましたね」グー
女「お疲れ様ー!おにぎり持ってきたよー!」
男「お、ちょうどいい!頂きまーす」ヒョイパク
遊び人「ついでに姉ちゃんも食っていい?」パクパク
町女「いい加減にしなさい。遊び人」モグモグ
遊び人「思ったんだけどさー、親父って見た目かなり若いよな」
遊び人「正直俺と同い年って言っても分からない気がするんだよな。何か秘訣でもあんの?」
男「...お前にも話しておこうか」
遊び人「うわー、まじかよ...」
遊び人「それに姉ちゃんも、か」
女「体は成長してるけどね」
遊び人「不老不死か。俺は怪我したら何日か治らないし、違うんだろうな」
男「お前までそうじゃなくてよかったよ」ホッ
遊び人「いやいや、俺にとっては不老不死が羨ましいぜ!」
女「私も別になんとも思ってないよ」
男「俺も何とも思ってない。女がそう思っているならいいんだ...」
男「あと、この事は分かっているとは思うが...」
遊び人「他言無用だろ?任せろ、俺はその辺はしっかりしているんだ」
男「...助かる」
ザッザッ
男「誰だ?」サッ
遊び人「俺が行く」スタスタ
武将「貴様が遊び人か」
遊び人「おっと、駄目な部下の尻拭いについに武将さんのお出ましかよ」サッ
武将「駄目な部下?俺の部下には駄目なやつなどいねぇ!!」スチャ
遊び人「女を権力を使って強引に誘うやつのどこが駄目じゃないって言うんだよ!」
武将「俺はそうは聞いてないぞ!女と遊んでいたら『遊び人』と名乗るものがいきなり斬りかかってきて女を連れ去ったと聞いた!」ブゥン
カキィン!
遊び人「それこそ出任せだろうが!俺はそいつを傷つけてないぞ!」サッ
武将「うるせぇ!それにお前は戦死した俺の友に似ていて腹が立つんだよ!!」ブゥン
遊び人「くそっ!槍と剣じゃ奴の間合いに入れねえ!!」
男「おいやめろ!!!」
武将「うるせぇ邪魔するな...え?」ピタッ
遊び人「?」
男「あれ、お前...」
武将「男ぉぉぉ!!!!」ダッ
武将「てめぇ生きてやがったのかよ!!このこのぉ!!!」グリグリ
男「いててててて!!瀕死だったけどな。しかし久しぶりだな、足軽」
武将「今は武将だ。そして、お前の仇の敵武将は俺が討ち取ったんだぜ?」
男「本当かよ!お前強くなったな!!」
ワイワイガヤガヤ
遊び人「なーんだ、父さんの知り合いだったのか」
武将「あ、そういやこいつお前の息子か?」
男「ああ。で、こいつが何かやらかしたのか?」
武将「うーん、そうらしいんだが...」
遊び人「やっと落ち着いて話し合えるのか。じゃあ俺が無罪ってことを証明するために引っ掛けた女を連れてきてやるよ」スタスタ
武将「分かった。じゃあな男!お前が生きていると知ったら死んだ火縄兵も喜ぶぜ!!」スタスタ
男「...なんとかなったな」
町女「あの子は女癖が悪いところを除いたらいい子なのよ。そんなことするはずがないわ」
女「それにしても、あの武将って人、からり有名よ?まさか父さんと知り合いなんてね...」
男「名前が変わっているから今まで分からなかったんだよ」
男(しかし、火縄兵が...)
男「これが戦争か」ボソッ
占い師「...」
男「よし、今日はここまででいいだろう」
遊び人「じゃあ飯食ってその後美人なねえちゃんを...」
町女「こら、いい加減そんなことやめなさいっていつも言っているでしょう」
女「父さんはい、あーん」スッ
占い師「あれが不老不死のお方ですか...」
占い師「...今、私が訪れても意味がないようですね」
占い師「時が来る日まで待ちましょう。何十年でも」
占い師「そして、不老不死の子を...」
---------- ---------- ----------
ここまでで一区切りです
また明日投下します
悲しい
>>67結構悲しい展開になると思います
戦国時代 終盤
「最近あの信長様が死んだらしいぜ」
「嘘だろ?じゃあ信長様の後は誰が継ぐんだ?」
「人生五十年とはよく言いますね...私の命もここまで...」
「あなた...ごめんなさい.....」
男「う...」ムクッ
女「あ、おはよう父さん。ご飯もう少しでできあがるから待っててね」タッタッタッ
遊び人「よー親父、相変わらず若いな。今年五十とは思えないぜ」スタスタ
男「...お前もあの時から変わらないな」
遊び人「最高だぜ。お陰で美人なねえちゃんと遊べるからな!まあ体が少しついていかなくなってるけどな」
男「...そうか」
男「...」
遊び人「...母さんは仕方なかったんだ。不治の病が相手じゃ医者もどうしようもなかったんだよ」
男「...ああ」
遊び人「あーもう、元気ねぇなあ」ガシガシ
遊び人「俺や姉ちゃんだって出来ることならやりたかった。でも何も出来なかった。それは一番助けようと必死だった親父ならわかってるだろう?医者でも治せない病気なんてどうしようもねえんだ」
男「俺に...力があれば...」プルプル
遊び人「いつまでも甘ったれんなよ!!」パチィン
男「...」ジンジン
遊び人「死んじまったもんは仕方ねぇんだ。母さんだって親父がいつまでも自分の死で落ち込んでいるのを望んでるわけねえ。一家の主だろ?しっかりしろよ」
男「...」
女『ご飯できたよ~!』
遊び人「...とりあえず飯食おうぜ」スタスタ
パクパクモグモグ
男「...」モグモグ
男(町女が死んでもう三日経つのか)
男(世間では信長が死んだだの言っているがそんなことはどうでもいい)
男(...だが、いつまでも息子達に甘えているわけにもいかないな。仕方のないことなんだ、生きている限り人が死ぬのは...)
男「町女...」ボソッ
女「...」
遊び人「...ご馳走さま。外で美人なねえちゃん探してくる」スタスタ
女「...ねぇ、父さん」
男「...何だ?」
女「確かに父さんの気持ちも分かるよ。大切な人が死んじゃったんだもん。それに、私達みたいに生き返りはしない」
男「...」
女「でも、やっぱり区切りはつけなきゃ駄目よ。いつまでも逃げてちゃ駄目」
男「...そうだな」
男「いつまでも後ろばかり見てちゃ駄目だな。前を見て進まないとな」
男「ふぅ、ご馳走さま。ありがとな、女」
女「あ、あと...出来るか分からないけど...」モジモジ
男「?」
女「私が母さんの変わりになるよ、男」
男「!!」
町女『男様』ニコ
男「女...」ダキッ
女「...!」
男「ありがとう。本当に」ナデナデ
女「...ふふ。困ったときは助け合うものだよ」
男「ああ、そうだな。よし、町に出て遊び人にも礼を言ってくるよ」スタスタ
女「...私が支えてあげるからね。男」
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