八幡「……先生から相談だって?」 (69)
雪乃「…」
結衣「…」
八幡「…」
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八幡「おれちょっとようじを思いついたわ」ガタッ
雪乃「待ちなさい、あなたに用事なんて存在するはずなかろうはずだわ」ガシッ
八幡(速攻で否定とか酷くないですかね、っつーか言葉づかいがおかしくなってんぞ)
八幡「えーい、離せっ。家で天使が俺を待ってるんだ」
雪乃「うるさいわよ、シス谷君。いいから座りなさい」
八幡(一刀両断ですか……)
雪乃「そして今こっそり帰ろうとしている由比ケ浜さんもよ」
結衣「そ、そんなこと考えてないよ雪のん!」
雪乃「じゃあ今手に持っている荷物は床に……いえ、私に渡してくれるわよね?」ニッコリ
結衣「……はーい」
雪乃「比企谷君は財布でも渡してもらおうかしら。荷物だとあなたの場合見捨てて帰りそうだわ」
八幡(そんなこと……ないとは言い切れんな)
八幡「というか、冗談抜きで帰りたいんだが」
雪乃「依頼内容も聞かずにそういう態度はよくないわね」
結衣「そ、そーだそーだ」
八幡「声が上擦ってんぞビッチ。あの人が直接言わずにワンクッションおいて相談とか言っちゃってる時点で嫌なんだよ…」
雪乃「あら、重要で私達しか頼れない内容ならどうするの?」
八幡「声が震えてんぞ雪ノ下。そもそも重要なら学生に頼るなって話だろ」
八幡「つーか、絶対結婚の話だろ」
結衣「…」
雪乃「…」
八幡(最近妙に機嫌が良いと思ったら今日はド凹みしてたからな、まさに地を這ってるって奴)
結衣「最近すっごく機嫌が良かったのにねー、振られたのかな?」
八幡「そういうこと口に出すなよ馬鹿」
結衣「馬鹿ってなんだし!超天才でしょ!?ちゃんと気付いてるんだからぁ!」
八幡(自分で天才とか言っちゃうのがだよ馬鹿)
雪乃「由比ケ浜さんが馬鹿なのはさて置いて「ゆきのん!?」先生が廊下で聞き耳を立てていたりしたら……」ガララッ
八幡「…」
結衣「…」ア
雪乃「幸運なことにいないから良かったものの、もし居たら次の授業常に当てられたりしてもいいの、由比ケ浜さん?」
八幡「…」ホッ
結衣「それはやだなぁ……」
八幡「十中八九、愚痴……お前らいいのか、延々と酔ってもないのに聞き流しにくい自虐ネタを聞かされるんだぞ」
雪乃「随分と具体的ね、有り得ないと言い切れないのが怖いところだけれど」
結衣「でもさー」
結衣「どうせ今日逃げても明日とかに後回しになるだけじゃないの?」
八幡「いや、あの人も伊達に独り身やってないからな。放っておけば抱え続けるよりも自己処理を選ぶ筈だ」
結衣「えー、でもでも、逆に溜め込んじゃって倍増!みたいになったりとか」
八幡「確かに有り得る話ではあるが……なんか乗り気っぽいから、もうお前が処理しろよ」
結衣「やだし!ヒッキーあたしにぶん投げたいだけじゃん、マジキモい!」
八幡「今の会話にキモイ要素皆無なんですけど」
雪乃(帰ってパンさん人形と触れ合いたいわね……)
八幡「それに、今日はなんか嫌な予感がするんだよ、お前ら、最悪俺を生贄に捧げるつもりなんじゃないだろうな」
八幡(俺の将来を生贄に先生の結婚生活を召喚!やべぇ、洒落になってねぇ)
雪乃「大丈夫よ、それはちゃんと最終手段として取っておいてあげるわ」
八幡「あれ。おかしいな、雪ノ下は由比ヶ浜と違って日本語を喋れる筈なんだが、会話が繋がらない」
結衣「馬鹿にしすぎだからね!?ほらほらっ、あいうえおかきくけこー!」
八幡「馬鹿すぎる奴には発言権はないから黙ってろよ」
結衣「意味わかんないしなんか凄い馬鹿にしてる!」
八幡(言葉は理解してないのに内容を理解してんのか……)
八幡「大体だな…」
――コンコン
八幡「…」
雪乃「…」
結衣「…」
雪乃「どうぞ…」
平塚「失礼する……」
八幡(来ちゃったァァ!!俺に勝るとも劣らない目の腐り具合で放課後なのに一切気分が晴れる気配の皆無な先日振られてしまったアラサー独身女教師、平塚静!それでもやっぱり俺の方が目の腐り具合が勝ってるのは流石俺としか言い様がない。つーか雪ノ下こういう時こそ雪ぺディアを総動員して追い返せよ、こんな思い雰囲気まだ学生の身には重過ぎんだよ。先生の席ねぇから!帰ってくださいませんかね)
平塚「それでだな、実は先日また振られてしまってな……ふふ、まただ」
雪乃「…」
八幡「…」
結衣「…」
平塚「まぁ、それは良いんだ。いや良くはないんだが…」
八幡(おい雪ノ下、お前が対応してるんだから反応してやれよ。これじゃ先生の独演会になっちゃうだろうが)
平塚「今日来た理由はだな、その……どうしてなんだろうと思ってな」
雪乃「……なるほど、先生が男性に振られる詳細な理由を知りたいと」
平塚「ぐふっ」
八幡「その通りなんだろうが少しはオブラートで包めよお前!」
平塚「おえぇ……」
雪乃「いやよ」
結衣「ゆきのんバッサリ…ちょ、先生吐きそうになってるよ!」
結衣「先生、大丈夫…?」
平塚「大丈夫…この程度別れを告げられた時に比べたら…うぷ」
結衣「やばいやばい!先生吐いちゃう!」
八幡「ほら由比ヶ浜、ここに吐かせろ」
雪乃「貴方にしては気が利くわね」
八幡「当たり前だ。俺は気遣いの達人だぞ、それを表には出さないだけで」
結衣「それ意味ないじゃん…って、あぁぁ!」
平塚「おろろろろ」
結衣「うぅ、貰いゲロしちゃいそう…」
八幡「お前貰いゲロなんて難しい言葉を知ってたのか」
雪乃「私も驚いたわ…」
結衣「そんなとこ褒められても全然嬉しくないし!っていうか馬鹿にしてるでしょ!?」
平塚「うぇ、おぉ…」
結衣「あぁもうっ」サスサス
平塚「ふ、ふふ…すまんな」
結衣「べ、別に…大丈夫、じゃないけど大丈夫、です」
平塚「君が男なら即座に婚約を申し込んでいる所だ…」
結衣(褒められてる、んだよね…多分)
由比ヶ浜結衣って平塚というか目上とかにはどんな話し方してたっけ
雪乃「さて、先生の気分も持ち直した所で本題に入りましょう」
八幡(臆面もなくはっきり言えるのも一種の才能だと思える)
結衣「先生、しっかりして下さいね」サスサス
平塚「ああ…すまんな。雪ノ下頼む」
雪乃「はい。ではまずは端的に良い点と悪い点を上げてみましょう」
八幡(淡々と人の急所を突いていくな、このお方)
〇良い点
容姿(顔、スタイル)
面倒見が良い
公務員
朗らか
〇悪い点
喫煙者
痛々しい言動
女性らしさの欠如
雪乃「こんな所でしょうか」
八幡「…」
結衣「…」
平塚「…」
雪乃「何か意義がある人は?」
八幡「…」
結衣「…」
平塚「あの…」
雪乃「何か?」
平塚「そのだな」
雪乃「…」ジー
平塚「えっと」
雪乃「…」ジー
平塚「大変的を射た意見だと思う」
雪乃「ありがとうございます、しかしその様な感想は後でお礼と一緒にお願いします。進行の妨げになるので」
平塚「…はい」
八幡(先生ェ…)
大きく間違ってない気がするから適当にスルーや補完してくれ
雪乃「生徒という立場から見ると、親しみやすさや頼りやすさがあり尚且つ自主性も尊重してくれる良い先生だと思います」
平塚「雪ノ下…」ホロリ
雪乃「二人から見て先生はどう?」
結衣「いい先生だよ! カッコイイし!」
八幡「俺からは特に、大体お前らと同じ感じだ」
平塚「そ、そうか…」ニヤニヤ
八幡(やだ先生、普段はない俺の様な気持ち悪さが顔面に滲み出てる)
雪乃「しかしこれらの高評価が恋愛等にそのまま反映されているなら今のような有様にはなっていないでしょう、なので忘れて下さい」
平塚「え」
八幡「だったらなんでわざわざ持ち上げたんだよ」
雪乃「あら、飴と鞭という言葉を知らないのかしら」
八幡(傷口に酸を擦り込んでるの間違いだろ…)
平塚「いいんだ比企谷……雪ノ下も私のことを思ってくれてるんだからな…おぇ」
結衣(本当にそうなのかな……)サスサス
雪乃「まず第一に言えることは煙草を止めることです」
平塚「うぐっ」
八幡(まぁ、ど正論だな)
雪乃「ストレスの軽減効果や税収の貢献をしている一面もあるので完全に否定する訳ではありませんが…」
雪乃「結婚して将来子供を、といった女性がしていて良いものではないと思います」
結衣「そーだよねぇ、肺が真っ黒になったりとかするんでしょ?あたしは絶対嫌だなぁ」
平塚「う、うぅ……」
雪乃「聞いているのですか、先生。恐らく自分は身体が丈夫だとか多少ならストレスの捌け口になるから問題ないなど考えていていたのでしょうが…」
雪乃「本当に問題ないのでしょうか。女性の身体は子を宿し育てるものです。つまり先生はすっぱすっぱと丹念に摂取したニコチン諸々を、大きくなってね、元気に育つのよと赤ちゃんに与えるつもりなのでしょう」
平塚「いえ、あの……」
雪乃「どうなんですか!」
平塚「ち、違いま…ずぅ……」グス
雪乃「……」
平塚「あの……」
八幡「……」
結衣「……」
平塚「えっと……」オロオロ
雪乃「……先生」ギュッ
平塚「ゆ、雪ノ下……?」
雪乃「厳しいことを言ってごめんなさい…」
平塚「……いやっ、その、大丈夫だ」
雪乃「でもこれは、先生の為を思ってのことなんです…」
平塚「……」
雪乃「私思っていました。先生は素敵な女性なのに何で煙草を吸っているんだろうと」
雪乃「…先生、禁煙は結婚への第一歩です」
平塚「第一歩……」
雪乃「そうです。次にまた一歩、更に一歩と前に進んで行けば――」
平塚「………結婚」
雪乃「……」ニッコリ
平塚「ゆ゛ぎのじだぁ……!」グスグス
雪乃「まず、煙草とライターを捨てましょう」ナデナデ
平塚「うん…」グス
雪乃「あと良い医師を知っているのでそこに相談に、勿論今日すぐにです」
平塚「す、すぐにか」
雪乃「……先生、思い立ったが吉日と言います。それとも明日や1週間、1ヶ月後に禁煙を始めなければならないことでも?」
平塚「ない、かな」
雪乃「では決まりです」
平塚「はい…」
雪乃「ご安心ください。私は勿論…比企谷君と由比ヶ浜さんも、奉仕部全員で先生をちょうkご結婚へ至るまでのサポートをしますので」
結衣「うんっ、先生、一緒に頑張ろうね!」
平塚「由比ヶ浜……!」
八幡「……まぁ、雪ノ下と比べたら微々たる物ですけど」
平塚「比企谷……」クスクス
八幡(あれ……これで良いのか、何かすげぇ流されてる気がする。これがゆきのんマジックなの?つーかさっき調教とか言いかけなかった?ははっ
、流石に俺の気のせいカナー)
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