モバP「大阪市長 川島瑞樹」 (26)
この物語はあくまでフィクションです。
モバマスが現実であってもフィクションです。
大阪都構想に興味の無い方は往年の佳作「内閣総理大臣織田信長」みたいな感じでお読みいただけると幸いです
え?誰もそんなの知らない!?
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20XX年、地方政治は混迷の極みにあった。
だが、そこに、一人のアイドルが立ち上がった……!!
「はーい、アイドル瑞樹、今日から市長として故郷大阪をバリバリプロデュースしていきま~す!応援、よろしくね、うふっ♪」
おお、知ってる人がいた!全巻揃えたいんですが中古たっかい……
半年前
モバP(以下P)「川島さん、引退して帰郷するって本気ですか!?」
瑞樹「ええ、ごめんなさいね。プロデューサー君の見せてくれたトップアイドルの夢を諦めたってわけじゃないんだけど……やりたいことができてしまったの」
P「その目……決意は揺らぎそうにないですね。トップまで導けなかったのは俺の責任です」
瑞樹「ううん、プロデューサー君に責任はないわ。それに、私は今から別の方向でトップを取ってみせるから。笑美ちゃんには応援よろしくって言っておいて。それじゃ、お互い頑張りましょう」
P「……はい。今までお疲れ様でした」
P「笑美、川島さんが応援よろしくって言ってたが……心当たりはあるか?」
笑美「プロデューサーはん……ウチ、どないしたらええんやろ……ウチのせいで川島さんが……」グスッ
P「何か知ってるのか!?」
笑美「ううっ……オカンが、最近の大阪の政治家にロクなんがおらんで、芸能人でもなれるからいっそ川島さんなったらええねん、ほんなら絶対票入れたるって言いよって……オバハンの冗談本気にしてアイドル辞めてまうやなんて……」グスグス
P「……そうか。だが、川島さんは冗談を本気にしてアイドルを辞めるような人じゃない。きっと、本気で故郷のことを憂えて自分が変えると決意してのことだ。だったら本気で応援してやらなくちゃ、な」ポンポン
笑美「ううっ……なぁ、プロデューサーはん。ウチ、大阪生まれの皆と応援したいんやけど……あかんやろか」
P「任せろ。上に掛け合って許可をもぎ取ってくる。笑美は自分で思うようにやれ。ケツは俺が持つ川島さんの新しい門出だ。派手にやってやろうじゃないか!」
笑美「よっしゃ!みくにゃん、みくにゃんどこやー!」
大阪市内
瑞樹「市政にアンチエイジングを。かわしま、かわしま瑞樹でございます!皆様どうか熱い支援をお願いいたします!」
みく「川島さーん!頑張るにゃあ!」
法子「頑張れー!」
笑美「頑張ってや~!」
瑞樹「皆……私、プロダクション辞めたのにどうして……?」
櫂「あたしもいるよ!」
恵磨「へへっ、アタシも来たよ!」
愛結奈「あら、選挙ばっかりで芸能ニュース読んでないの?私達、しばらく大阪でライブやるのよ。川島さんの歌もちょっと借りるわね?」
笑美「プロダクション辞めはっても関係あらへん!川島さんはウチらの大事な先輩やさかいに!」
瑞樹「皆……ありがとう。いや、ダメよ瑞樹。泣くのは当選してから!」ウルウル
みく「今回は大阪出身の皆で来たけど他にもいっぱいいっぱいライブに来るにゃあ!」
プロデューサーが根回しに奔走した結果、元アイドルが市長選に出ている話題性から商機ありとの判断から大阪巡業が相次いで行われ、話題を集めた。
流石に本人がステージに立つ事はなかったが彼女の持ち歌は様々なアイドルが歌い、大阪市民に周知された。瑞樹自身も演説ついでに街頭で歌い、それが何よりも演説となった。そして迎えた市長選にて……
「はーい、アイドル瑞樹、今日から市長として故郷大阪をバリバリプロデュースしていきま~す!応援、よろしくね、うふっ♪」
史上初の元アイドル市長が大阪に誕生したのであった
無所属ながらも圧倒的支持率で始まった川島市長による市政の滑り出しは決して悪くはなかった。「大阪のアンチエイジング」の言葉通り、若者に目を向けた政策などが評価され、加えて彼女の曲をカバーしたアルバムの売れ行きもオリコンチャートの常連となり、経済効果ありと評された。様々な政党から後援の申し出があったものの、市長がそれを受けることはなかった。
P「いや、まさか本当に当選するとはなあ。上からしたらCDもライブも好調ならどんどんやれって感じだしな」
笑美「オカンもあんな若い娘が頑張っとんねんから、ってえろう気合い入れとったわー。これ以上入れてどないするっちゅーねん」
紗南「まぁ、レスラーが都知事になったり市長やったりしてるぐらいだからアイドルだってねー」
みく「その理屈はおかしいにゃあ!」ツッコミ
恵磨「ステージは別になったけどお互い全開ってね!おし、ライブ頑張るっ!」
全員「おー!」
かつての仲間の活躍に触発されるアイドル達。その勢いに押されるように大阪にも活気が溢れる……かに、見えた
一年後、川島市政に大きな転機が訪れる。府議会・市議会選挙でかねてより彼女と対立していた改革派の政党が過半数の議席を獲得したのだ。政治的な後ろ盾を全て断ってきたのが裏目に出た。
好機と見た改革派は常々主張していた大阪都構想を実現すべく強引な行動を開始した。市長の意向などを完全に無視した上で法定協委員を差し替えるなどの無茶を押し通し、大阪市の廃止の是非を問う住民投票に持ち込んだのだ。
元より芸能人の当選が多いという土地柄は熱しやすく冷めやすいということである。元アイドルであるという瑞樹の最大の武器は今や市民には過去のものと成り果てていた。生まれ育った大阪市の廃止を断固反対する瑞樹は後手ではあるものの都構想反対派の政党と連携し、改革派の議員との弁論に挑む……
P「と、そろそろ始まるな。テレビつけるぞ」
笑美「川島さん……大丈夫やろか……」
みく「うーん、なんか、しばらく見ないうちに風格は出たような気がするにゃあ……」
櫂「でも、ちょっと痩せた、かな」
法子「無理もないよ……あんなに包囲網を敷かれたら……」
改革派議員『大阪府と大阪市では二重行政がずっと問題になっていたんですよ!府と市で別々に使うことで大きな無駄が生じているんです!』
瑞樹『そうよね、無駄が多いのはよくないわよね。わかるわ。でも、二重行政ってそんなに問題なのかしら?』
議員『当たり前じゃないですか!』
瑞樹『でも、病院なんかは府立と市立の二つあったほうがサービスとして手厚いでしょう。どちらを選択するかは住民が判断すればいいわ。無駄が生じれば府と市で連携して削減すればいいじゃない。ニュージェネレーションとトライアドプリムスの両方に凛ちゃんは所属してるけど無駄だからどちらかのユニットを解散させようなんて話は起きなかったわ』
凛「……そういう問題なのかな」
未央「しぶりんのファンは両方のライブに出るもんね」
議員『そもそも!東京都はあんなにお金があるのに大阪は二重行政でこんなに借金を背負ってるんですよ!大阪都にすることで借金問題は解決します!』
瑞樹『私は四回シンデレラガール総選挙に出たわ。残念ながら、シンデレラガールにはなれなかったけど……。でも、私が前回のシンデレラガールの娘の真似をしたとして、シンデレラガールになれたと思うかしら?無防備に脱いだり、変わった言葉を使ってみたり、クールな中に熱い思いを秘めてみたり、飄々としてマイペースでいたり……無理でしょ?』
愛梨「私、そんなに無防備ですか?それはそうとこの部屋皆集まって暑いですね」
P「おいやめろ」
瑞樹『愛梨ちゃん、蘭子ちゃん、凛ちゃん、周子ちゃん……皆の魅力はそれぞれ彼女自身のものよ。東京にお金があるのは首都だから人も物もお金も集まってくるからでしょ。真似をしたからって成功するとは限らないわ』
卯月「事務所でも東京出身の人が一番多いですよね」
P「なんでか熊本は妙に粒ぞろいだけどな」
議員『それに!大阪市は腐敗に腐敗を重ねています!汚職三昧のこんな自治体は市民の信頼を失墜しているのでなくしましょう!』
瑞樹『はぁぁ!?論理飛躍もいいところね!私が頑張って内部を綺麗にしています!内部が腐っているからなくすのであれば党員がJCを恫喝したおたくも即時解散しなさい!』
みく「川島さん内部不正をなんとかするって必死だったもんにゃあ」
P「疑わしい職員は呼びつけて目が笑ってない笑顔で査問したらしい」
恵磨「怖ッ!」
議員『今大阪市を廃止しないと未来の子供達に迷惑がかかるんですよ!わかってるんですか!』
瑞樹『今やらないとダメだと危機感を煽るのをやめなさい!行政はアスタリスクと違います!なくしたら即時再結成できないものを強引なやり方で住民投票に持ち込んで不可逆な破壊を提案するぐらいなら現状でなんとかする方策を考えなさいよ!』
P「次からはアスタリスクの解散はプロダクション内投票で決めるか」
杏「どーせそれでもすぐ再結成するから時間の無駄だよ」
議員『都構想の実現で関空アクセスも強化する路線もできますしリニアの開通も実現します!ほらもう大阪市なんて要らない!』
瑞樹『市営地下鉄売っ払うとか言いながら同じ口で夢物語言ってんじゃないわよ!』
仁奈「どういうことでごぜーますか?」
笑美「えっとな、仁奈がキグルミやめたら新しいキグルミ買うたるっつー話や」
仁奈「わけがわからねーですよ」
弁論は不毛なまま平行線で終わった。改革派は根拠の乏しい数字を並べるだけで後は瑞樹への個人攻撃へと終始した。
アナウンサーからアイドルと魑魅魍魎の跋扈する伏魔殿を潜り抜けてきた瑞樹ではあったがここまで無意味かつ稚拙な弁論は始めてであった。
疲労困憊した瑞樹は弁論を終えて庁舎に帰るやいなや執務机に突っ伏した。
「私、何してるんだろ」
ぽつりと自嘲めいた呟きが漏れる。市長就任直後はアイドルの知名度での当選ゆえメイクにも気を遣っていたものだが、今となってはそれすらも疎かになってしまっていた。
「プロデューサー君……笑美ちゃん、みくちゃん、法子ちゃん、皆……元気かしら……」
脳裏に浮かぶのはかつての仲間。彼女達の生まれた地をより良くするために瑞樹は頑張ってきたのだ。今日まで、そして今日から
「……大阪市、なくなっちゃったらアイドル復帰……だめよね。今はやることをやらないと、元アイドルミズキ、最後の一日まで頑張るわよ!」
疲弊した身体を鼓舞して瑞樹は立ち上がる。運命の日まであと四日……
これにておしまいです
職場の前で賛成派と反対派が騒いでてイラついたので衝動的に。結局お互い「騙されないでください」としか言わなくて酷かった
よくわかる資料とやらも程度が低くて困ります
あ、このお話はフィクションですけど!
市民の人は「くっさいヲタが反対派気取ってるから賛成しとくべきやな」と判断して下さっても構いません。
とにかく投票には行きましょう。静観はないのです市民
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