エレン「この問題……進撃ゼミでやったことある!!」(14)

エレン「はぁ……」

アルミン「どうしたの、エレン?」

エレン「座学の点が全然取れねーんだよ」

エレン「立体機動も対人格闘も最近調子悪いし」

アルミン「そっか……」

エレン「アルミン、お前はなんでそんなに成績いいんだ?」

アルミン「それは進撃ゼミのおかげだよ!」

エレン「進撃ゼミ?」

アルミン「簡単に言えば通信教育みたいなものなんだけど」

アルミン「個人の習熟度に合わせたきめ細かい指導がポイントなんだ!」

エレン「でも俺勉強好きじゃねえし、すぐ飽きちまうぞ」

エレン「訓練だって忙しいから勉強やってる暇なんか……」

アルミン「大丈夫だよ! 一日15分の学習でも効果は抜群なんだ!」

エレン「たった15分!?」

アルミン「そう! 訓練の合間にささっとやるだけで十分さ!」

アルミン「効率よくニガテ分野を克服し、トクイ分野を伸ばすことができるんだよ!」

アルミン「ちょうど今サンプル教材を持ってるんだけど、見る?」ズラッ

エレン「へー、なんかカラフルで楽しそうだな」

アルミン「さらに勉強に飽きないよう、かわいい巨人のイラストもついてくる!」

巨人『ユミル……さま……』

エレン「ユミルも進撃ゼミやってるのか?」

ユミル「さ、さあな」ピューピュー

アルミン「赤ペン先生の優しい添削つきで返ってくるから、分からないところも自由に質問できるよ!」

????『全然なってない。すべてやり直せ』

????『お前の脳みそはスカスカか? 0点だ』

エレン「確かに、これなら俺でも続けられるかも!」

エレン「ミカサ、俺進撃ゼミやってみようと思うんだ」

ミカサ「進撃ゼミ……?」

ミカサ「確か、前にも似たような講座を取ってすぐに溜めてしまったはず……」

エレン「いや今度こそ大丈夫だ! 絶対に出来る!」

ミカサ「その自信はどこから来るの?」

エレン「今申し込むと、特製赤シートと色が消えるペンが付いてくるんだ!!」

エレン「これがラストチャンスなんだよ!! 俺はここで変わってみせる!!」

ミカサ「……分かった。エレンがそう言うなら」

エレン「届いたぞ! 進撃ゼミ!」

エレン「凄いな、テストに出る重要ポイントがまとめられてる!」

エレン「俺専用のニガテ克服パックだ……確かにここよく分かんねーんだよな」

エレン「予習と復習を繰り返し行うから、知識が頭の中にしっかり残るんだ!」

エレン「極めつけはこの暗記ブック! 寝る前に読めば一日のまとめはバッチリだな!」

ミカサ「エレンが真面目に勉強している……嬉しい」

教官「では、始め!!」

エレン「……」パラッ

エレン(あ!!)

エレン(この問題……進撃ゼミでやったことある!!)

エレン(ニガテだったはずなのにスラスラ解ける……!! さすが進撃ゼミ!!)カリカリ

エレン(ふー、時間が余っちまった……こんなの初めてだ)

ジャン(エレンの奴、もう諦めちまったのか?)

エレン(おっと、油断は禁物だ。しっかり見直ししないとな)パラッ

ジャン(……なんなんだ?)

教官「テストを返却する」

教官「……次。エレン・イェーガー!」

エレン「はい!」

モブ「どうせまた赤点で居残りだぞ」ヒソヒソ

教官「素晴らしい成績の伸びだ! 93点!」

モブ「マ、マジかよ! あのエレンが!?」ザワザワ

教官「少し前までは赤点常連だったはずだ。一体どんな手を使ったんだ?」

エレン「努力のたまものです!」

ミカサ「エレン、おめでとう……!」パチパチ

アルミン「凄いよエレン!」パチパチ

ジャン「嘘だろ……俺がエレンに負けた!?」

エレン「何の用だよ、ジャン」

ジャン「エレン、お前まさかカンニングしたんじゃねえだろうな」

エレン「するわけねえだろ! これは進撃ゼミのおかげなんだ」

ジャン「進撃ゼミ……?」

エレン「ああ! これなら訓練との両立も出来るし!」

エレン「進撃ゼミさえやってれば勉強も部活も恋愛もすべてうまくいくんだ!」

ジャン「部活……? つーかベ○ッセって確か」

アルミン「ジャン! それ以上は禁句だ!」

ジャン「お、おう」

エレン「進撃ゼミには友達紹介制度ってのがあってな」

エレン「友達が入会するたびに紹介した人に100ポイントが進呈されるんだ!」

エレン「集めたポイントは超豪華賞品と引き換えできる!」

エレン「俺が狙ってるのは100000ポイントの超合金ブレードなんだけどな」

エレン「まだまだ道のりは遠い……だからお前にも協力してほしいんだ!」

エレン「お前も進撃ゼミに入らないか!?」

アルミン「ミカサは進撃ゼミに入ってる人が好きって言ってたよ!」

エレン「何でミカサが出てくるんだ?」

ジャン「……」

ジャン「いや、いいです……」

ジャン「エレンの奴、進撃ゼミとかいうのやたら推してくるんだよ……宗教みてえだ」

マルコ「ああ、進撃ゼミか」

ジャン「マルコ!? まさかお前も――」

マルコ「いや、僕はZ会だよ」

ジャン「Z会!?」

マルコ「うん、今入会すると友達紹介キャンペーンでプレゼントが――」

ジャン「いや、いいです……」


エレン「その後、俺は立体機動も対人格闘も絶好調!」

エレン「なんやかんやでミカサと付き合うことになった!」

エレン「みんなも進撃ゼミに入って新たな一歩を踏み出そう!!」


おしまい
Z会派でした

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