男「ジュラチンコパーク?」 (9)
~ 南海の孤島・研究施設 ~
子供「うわー! すごいや!」
白人「スゴイデース!」
黒人「まじもんデース!」
ふぐり「ビキビキーッ! ビキビキーッ!」
男「ほ、本当にふぐりだ! 『古代ポコツィン図鑑』でした見たことないのに!」
博士「ふぉっふぉっ、このテーマパークを気に入ってくれたかな?」
男「はい! なんだか見ているだけで幸せな気分になります!
公開したらきっと大盛況間違いなしですよ!」
博士「うむうむ、抽選で選ばれた君たちツアー参加者の反応を見てワシも安心じゃわい。
・・・じゃが」
男「・・・? どうかしたんですか博士?」
博士「光ある所に影はある、善の塊でしかないモノの裏にも同じく・・・いや、何でもない。
今日はこのパークを楽しんでいってくれたまえ」
男「え、あ、はい・・・」
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~ 砂浜 ~
男「ほら、あれを見てごらん」
少年「なにアレ! すごい!」
ポコツィン「しゅぽー!しゅぽー!」
男「アレはポコツィンっていってね、普段は砂の中に隠れて生活しているんだ。
でもたまに土中でシワシワになったふぐりを乾かすために砂の上で日光浴をするんだ」
少年「へぇー、そうなんだ! ならアレは! その隣のアレは!?」
男「ああ、それはね・・・」
男(・・・・・・・・)
男(博士は何かを隠していた。いったい何なんだろう? 少しだけ気になる。
そういえば、この島には立ち入り禁止区画があったはずだけど・・・)
少年「ねぇ! オジサンったら! ボクの話を聞いてるの!?」
男「ん? おお、ごめん、何の話だっけ? ちなみにオレはまだ『お兄さん』だ『おじさん』じゃない」
少年「もう! 大差ないよ!
それであのツィンポコの事なんだけど・・・ッ!?」
―――ドゴォォォンッ!
男「うぉッ!? 何の爆発だ!」
少年「研究所の方からだよ! 行ってみよう!」
男「おお! 急ごう!」
~ 研究所・ロビー ~
白人「ナニガオコッタデスカー!?」
黒人「ボテクリマワスゾコノヤロー!」
研究員「す、すいません! 現在原因の解明を・・・」
男「他の連中もやって来てるな。どうしたんだろう?
・・・おや? 廊下の影から小さな声が・・・」
――廊下の片隅――
警備員1(おい、どうやら発電機用の燃料タンクが壊れたらしい)
警備員2(燃料タンクが? どうして?)
警備員1(オレが知るかよ、それより早く予備電源を復旧させないと・・・)
警備員2(お、おう。『アレ』が隔離区域から出てきたら大事だからな・・・)
―――――――――――
男「・・・『アレ』? 『アレ』っていったい・・・」
少年「おじさん! 何が起こったか博士が説明するらしいよ、みんな集まってくれって」
男「わかった、ありがとう。それとオレは『お兄さん』だ」
男(まあ、オレがどうこう考えても意味はないか)
博士「皆さん、落ち着いてください」
白人「オチツケルカコノヤロー!」
黒人「ゲンインハナンナンデスカー!」
博士「どうやら燃料タンクの一部に亀裂が入っていたようで、・・・しかしすでに鎮火しております。
この研究所は無事です」
白人「ソウダッタンデスネー!」
黒人「ヨカッター!」
博士「ですが、この研究所兼ロビーは独自の予備電源が設置されているため大丈夫ですが、他の区画がどうなっているかは分かりません。
確認のためにスタッフがパーク内、つまり島内の探索に向かっております。
まことに申し訳ありませんが安全が確認できるまで皆様はこの研究所内にとどまっていてください」
白人「シカタナイデスネー!」
黒人「ワカタヨー!」
男「どうやら問題なさそうだ」
少年「ねーねー? ちょっとお出かけしない?」
男「ダメだ。外は危険かもしれないって博士も言っていただろ?」
少年「でも、でも~、ボク見ちゃったんだよ~、おっきな凸が『ノッシ、ノッシ』って歩いていくのが~」
男「ッ!? それって、まさか伝説の凸レックス!」
少年「きっとそうだよ! 今見ておかないときっと後悔するよ~」
男「よ、よし! こっそり裏口から出て行こう! これはお兄さんとの秘密だぞ?」
少年「わーい! お兄さん大好き!」
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