魔法使い「・・・何をやってるんですか?」 (126)
魔法使い「もう一度聞きます。何をやってるんですか?」
戦士「え、ええと、これは・・・、その・・・。」
魔法使い「さっさと言ってください。」ニコッ
戦士「い、いいだろ?たかが一匹だし、絶対バレな・・・。」
魔法使い「どうして宿にスライムを連れ込んでいるんですか!」
戦士「ぬおっ!」キーン
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期待
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名前欄は無しにするか酉付けた方が、読者に叩かれたり乗っ取られたりせずに済むぞ
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>>2 >>3 >>4 アドバイスありがとうございます!
魔法使い「全く、スライムといえど魔物、嫌悪の対象なんですよ?」
魔法使い「それに魔物使いといった、魔物を操ったり、会話したりする人々も・・・。」
魔法使い「それはあなたが、一番分かってるでしょう?」
戦士「・・・分かってるさ、そんなこと・・・。」
戦士「お前が俺を思って、そんな風に言ってんのも、な。」
~回想(十五年前)~
幼魔法使い「・・・まだやってるの?」
幼戦士「ああ!やると決めたら、俺はやる!」
幼魔法使い「でも、村の人に見つかったら大変だよ・・・。」
幼戦士「でもついて来るのは、やっぱりアイツが可愛いからだろ?」
幼魔法使い「・・・そりゃあ、そうだけど・・・。」
幼戦士「お、いたいた!」ダッ
幼魔法使い「あ!待って、戦士!」ダッ
幼戦士「よ~しよし、可愛いなあ~。」デレデレ
幼魔法使い「・・・デレデレし過ぎ・・・。」ボソッ
幼戦士「ええ~可愛いしいいだろお~。」プクッ
幼戦士「それにお前だって撫でてるじゃないか!」
幼魔法使い「・・・別に、これは・・・。」プイッ
幼戦士「それにさあ、ひんやりして気持ちいいし。」ペタッ
幼戦士「なんでスライムくらいで、みんな怖がんだろ?」ナデナデ
幼魔法使い「そういうものなんだよ、世間って。」
幼戦士「あ、忘れてた!」ガサゴソ
幼戦士「ほら、やるよ。食うだろ、クッキー。」
スライム「ピキー!」モグモグ
幼戦士「美味いか?」
スライム「ピキー!」コクコク
幼戦士「そっか!やっぱり美味いよな!」ニコッ
幼魔法使い(・・・戦士はいつも楽しそうだけど・・・。)
幼戦士「そうだ!鬼ごっこしようぜ!いいだろ、魔法使い!」
幼魔法使い「・・・うん。」ニコッ
幼魔法使い(このスライムと遊んでいるときが、一番楽しそうだな。)
?「・・・。」ニヤリ
~幼魔法使い 自宅~
幼魔法使い「ただいま。」
魔法使い父「・・・幼魔法使い、ここへ座れ。」
幼魔法使い「?はい、父上。」ギシッ
魔法使い父「・・・幼魔法使い、お前には失望した。」
幼魔法使い「え?」
魔法使い父「なぜ魔物などと関わりを持ったのだ!」ドンッ
幼魔法使い「!・・・なんの話でしょうか?僕にはさっぱり・・・。」
魔法使い母「とぼけないでちょうだい!」ガタッ
魔法使い母「村長さんの息子さんが、あなたと戦士君が、スライムと戯れているのを見たんだから!」
幼魔法使い「!」
幼魔法使い(アイツのことか!)
幼魔法使い(村長さんの息子、村子供A。)
幼魔法使い(色々と僕達に絡んで来てはいたけど、まさかスライムのことを知ってるなんて・・・!)
魔法使い父「お前は勘当だ!二度と家には戻って来るな!」
幼魔法使い「!そ、そんな・・・。」
魔法使い母「お前はこの家、いや、この村の恥なんだよ!」
魔法使い母「むしろこの位で済んで、よかったと思いなさい!」
魔法使い父「さあ、さっさと出ていけ!」
魔法使い父「もう貴様を息子とは思わん!」
幼魔法使い「・・・はい。」
村子供B「このうらぎりものめー!」ビュンッ
村子供C「にどとかえってくるなー!」ビュンッ
幼魔法使い「っ!」ビシッ
幼魔法使い(そんな・・・、昨日まで、あんなに仲良しだったのに・・・。)
幼魔法使い「あ・・・。」
村子供A「・・・ふふっ。」ニヤニヤ
幼魔法使い「っ・・・。」ダッ
~村はずれ~
幼魔法使い(どうしよう・・・、どうすれば・・・?)
幼魔法使い「・・・そうだ。」
幼魔法使い(あそこに、行けば・・・。)タッ
~村はずれ 丘~
幼戦士「・・・。」ザッザッ
幼魔法使い「あ!戦士!」
幼戦士「・・・。」ザッザッ
幼魔法使い「ねえどうしよう!スライムのことばれちゃった!」
幼魔法使い「このままじゃ僕達・・・、って、何作ってるの?」
幼戦士「・・・お墓。」
幼魔法使い「え・・・。」
幼戦士「・・・スライムの・・・、お墓。」
幼魔法使い「え・・・、え?」
幼魔法使い「それ・・・、どういう・・・。」
幼戦士「・・・親父が・・・、斬った。」
幼魔法使い「え・・・、嘘、嘘だよね?」
幼魔法使い「ねえ、どいてよ!」ドンッ
幼戦士「!」ドスンッ
幼魔法使い「・・・え、・・・あ、嘘・・・。」
スライム「」ウゴカナイ タダノ シカバネノ ヨウダ
幼魔法使い「そんな・・・、なんで・・・?」
幼戦士「これを見て、反省しろだってさ。」ザッザッ
幼魔法使い「っ!戦士は、戦士はなんとも思わないの!」
幼戦士「・・・。」ザクザク
幼魔法使い「戦士にとって、スライムは死んでもよかったものなの?ねえ、戦士・・・。」
幼戦士「そんなわけないだろ!」
幼魔法使い「!」
幼戦士「俺だって・・・、悔しいし悲しいんだよ!」ボロボロ
幼戦士「友達・・・、だったんだよ!お前と同じくらい、大切な!」ボロボロ
幼戦士「そんな奴が殺されて、悲しくない訳がないだろ!」ボロボロ
幼魔法使い「う・・・、あ・・・、せ、戦士いいい!」ボロボロ
幼戦士「ま・・・、魔法使いいい!」ボロボロ
幼魔法使い「うわあああん!」ボロボロ
幼戦士「スライムううう!うわあああん!」ボロボロ
~十分後~
幼魔法使い「・・・これから、どうしよう・・・。」
幼戦士「・・・だよな、勘当されちまったし。」
幼戦士「つーか・・・。」
幼魔法使い「?」
幼戦士「『勘当』ってなんだ?」
幼魔法使い「知らずに使ってたのかよ!?」ズデッ
幼魔法使い「はあ、勘当というのは、要するに親との縁を切られること。」
幼魔法使い「僕達はもう、親から援助してもらえないんだよ。」
幼戦士「?」
幼魔法使い「・・・つまりね、 ご飯が食べれないってことだよ。」
幼戦士「な、なんだってー!?」
幼魔法使い(この言い方だと分かるんだな・・・。)
幼魔法使い「ああ、本当にどうしよう・・・。」
幼魔法使い「きっと、村中にこの話が伝わってる。」
幼魔法使い「もし見つかりでもしたら、それこそリンチだよね・・・。」
幼戦士「・・・魔法使い。」
幼魔法使い「?なに?」
幼戦士「・・・逃げよう。」
幼魔法使い「・・・え?」
幼魔法使い「せ、戦士、ちょっと待ってよ!」
幼魔法使い「僕達まだ子供だよ!?お金とか稼ぐ方法わかんないし、そもそもどこに逃げるの!?」
幼戦士「わかんないし、考えてない。」
幼魔法使い「じゃあどうやって・・・。」
幼戦士「でも!」
幼魔法使い「!」
幼戦士「・・・このまま、ずっと村人にあんな風に扱われて、暴力を振るわれるよりは・・・、マシだと思う・・・。」
幼魔法使い「・・・。」
幼戦士「きっと、いや、絶対いるはずだよ。俺等を受け入れてくれる人が・・・。」
幼戦士「だから、俺は・・・。」
幼魔法使い「・・・戦士。」
幼戦士「?なんだ?」
幼魔法使い「・・・僕、も・・・。」
幼戦士「え?」
幼魔法使い「・・・僕も、一緒に逃げる!」
幼魔法使い「・・・え?」
幼魔法使い「せ、戦士、ちょっと待ってよ!」
幼魔法使い「僕達まだ子供だよ!?お金とか稼ぐ方法わかんないし、そもそもどこに逃げるの!?」
幼戦士「わかんないし、考えてない。」
幼魔法使い「じゃあどうやって・・・。」
幼戦士「でも!」
幼魔法使い「!」
幼戦士「・・・このまま、ずっと村人にあんな風に扱われて、暴力を振るわれるよりは・・・、マシだと思う・・・。」
幼魔法使い「・・・。」
幼戦士「きっと、いや、絶対いるはずだよ。俺等を受け入れてくれる人が・・・。」
幼戦士「だから、俺は・・・。」
幼魔法使い「・・・戦士。」
幼戦士「?なんだ?」
幼魔法使い「・・・僕、も・・・。」
幼戦士「え?」
幼魔法使い「・・・僕も、一緒に逃げる!」
申し訳ありません、>>27はミスです。
~回想終了~
魔法使い「・・・あんなことがあったんです、貴方だって分かってるはずでしょう?」
魔法使い「魔物と関わることの、危険性が。」
戦士「・・・ああ。あのせいで俺達、故郷に帰れなく・・・。」
魔法使い「分かっているなら、早くそのスライムを置いてきてください。」
魔法使い「しかし、貴方だけではどうも不安ですね・・・。」
戦士「は?」
魔法使い「どこに行くのかと聞かれて、うっかりバカ正直に答えそうです。」
戦士「え?俺ってそんな信用ないの!?」
魔法使い「ありません。」ビシッ
戦士「即答かよ!?」ガーン
魔法使い「というわけで、僕もついていきます。」
~野原~
戦士「じゃあな、スライム。」
スライム「ピキー!」ピョンピョン
戦士「・・・行っちゃった。」
魔法使い「なに女々しいこと言ってるんですか?」ジトー
戦士「いやだって、可愛いし・・・。」
魔法使い「はあ、とにかく用事は済みましたし、宿屋に戻りましょう。」
~宿屋~
戦士「あ~あ、本っ当可愛いかったなあ・・・。」
魔法使い「全く、そのガタイでそれなんですから・・・。」ジトー
戦士「べ、別にガタイが良いからって、可愛いのに否定的にならなくてもいいだろ!」
魔法使い「はいはい分かりましたよ、全く・・・。」
?1「お~い、二人共いるかあ~?」コンコン
?2「いたら開けてちょうだ~い。」コンコン
戦士&魔法使い「!?」
ガチャ
魔法使い「・・・剣士様、賢者様、どうなされたのですか?」
剣士「ははは、魔法使い君は相変わらずだな。戦士にも見習わせたいよ。」
賢者「んもう、私と貴方の仲じゃないの~。敬語なんていらないわよ~。」フニフニ
魔法使い「・・・賢者様、僕の頬をフニフニするのはやめてください。」
賢者「あら、そう?」パッ
戦士「し、師匠?それに、賢者さんも・・・?」
魔法使い「わざわざ宿を訪ねてくるなんて、一体何があったんですか?」
賢者「それがねえ~大変なのよ~。」
剣士「・・・君達が・・・。」
剣士「魔王を討伐する者に、任命された。」
戦士&魔法使い「!?」
戦士「ちょ、ちょっと待て!」
戦士「魔王を討伐する者ってどうことだ!?」
賢者「どうもなにも、そのままの意味よ~。」
剣士「国王から、直々に指名があってな。」
剣士「『この国1番の備兵と聞く、戦士と魔法使いに魔王の討伐を命じる!』と言ったらしい。」
魔法使い「らしいって、直に聞いたのではないのですか?」
剣士「城の前で偶然兵士長に会ってな。その時に聞いたんだ。」
剣士「もっとも、兵士長がその場にいたわけじゃなくて、国王がそう言ったという、城内の噂らしい。」
戦士「な、なんだ・・・。」
賢者「でも、もし本当だったら・・・、そうねえ~あと5秒ってところかしら?」
魔法使い「?なにがあと5秒・・・。」
?「戦士殿と魔法使い殿はいるか!」ドンドン
戦士&魔法使い「・・・。」
ガチャ
魔法使い「・・・どなたですか?」
近衛兵士長(以下近衛長)「失礼します、近衛長という者です。」
近衛長「戦士殿と魔法使い殿に、お話があって参りました。」
戦士「ああ、うん。話ってのは?」
近衛長「はい、国王様のご命令により、お二人に魔王討伐を依頼しに参りました
。」
剣士&賢者(あ、噂本当だったんだ。)
魔法使い「・・・拒否権、があるはずもないですよね。」
魔法使い「お話を伺いに、城へ行ってもよろしいですか?」
近衛長「もちろんです。もとよりそのつもりでしたし。」
近衛長「さあ、行きましょう。」クルッ
男&男?
~宿屋前~
戦士&魔法使い「!」
魔法使い(兵士・・・、制服からみて、近衛兵士のようですね。)
魔法使い(ざっと二十人といったところでしょうか。)
戦士「・・・魔法使い、なんなんだよこれ。」ヒソヒソ
戦士「腕利きの兵士が二十三人、盗賊でも退治するのか?」ヒソヒソ
魔法使い「・・・恐らく、僕達が逃亡しないようにする為の処置でしょう。」ヒソヒソ
魔法使い「魔王討伐なんて、普通引き受けませんし。」ヒソヒソ
戦士「なるほどな。じゃ、交渉は任せたぜ。」ヒソヒソ
魔法使い「はい、了解しました。余計な口出しはしないでくださいね。」ヒソヒソ
戦士「分かってるって。」ヒソヒソ
>>38 そうです。
~城内 王座の間~
国王「おお、そなたらがこの国一番の傭兵、戦士と魔法使いだな。」
魔法使い「はい。それで、今回は魔王討伐を依頼したいとのことでしたが・・・。」
国王「うむ、その通りじゃ。」
国王「ここ最近で、魔物共の動きが活発になっているのは知っているな?」
魔法使い「はい、存じ上げております。」
国王「ならば話は早い。」
国王「古き時代より、魔物共の活発化は魔王復活の前兆とされてきた。」
国王「つまり、今回も魔王が復活しようとしておるのじゃ!」
戦士&魔法使い(うん、話の流れでそれは分かる。)
国王「そこで、そなたらに依頼したい!」
国王「魔王を討伐し、世界に平和を取り戻すのじゃ!」
魔法使い(いや、依頼じゃなくて命令になってます。)
戦士(そもそもこの国が戦争ばっか仕掛けてんのに、なに言ってんだよ・・・。)
魔法使い「・・・分かりました。その依頼、引き受けましょう。」
国王「おお、やってくれるのか!」
魔法使い「我々は傭兵、報酬さえ頂ければ、大抵の依頼は引き受けます。」
魔法使い(もっとも断っても、脅して無理矢理引き受けさせたでしょうが。)
国王「うむ、感謝する。」
国王「それでは旅立ちの餞別として、贈り物と資金を与えよう!ここへ!」
近衛長「はっ!」タタッ
~5分後~
近衛長「国王様、お持ちいたしました!」
国王「ご苦労、下がってよいぞ。」
近衛長「はっ!」ササッ
国王「さあ、これがそなたらへの餞別じゃ!」
戦士(・・・これって・・・。)
魔法使い(木の剣に木の杖、ですよね?)
国王「袋の中身は資金じゃ。中をあらためよ!」
魔法使い「・・・。」ガサゴソ
魔法使い(100G・・・、農民でももっと持ってますね。)
魔法使い「ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」ペコッ
戦士「・・・。」ペコッ
国王「うむ、ご苦労であった。」
国王「・・・そういえば、そなたの連れは随分と無口だな?」
魔法使い「もともとこのような性分でして・・・。」
国王「なるほどな、では下がるがよい。」
魔法使い「はい。必ず国王様のご期待に添えられるように、誠心誠意努力いたします。」
国王「うむ、期待しておるぞ。」
国王「そうじゃ、出発は明日の朝にするがよい。家族にしばし、別れを告げてきなさい。」
魔法使い「はい。では、失礼いたします。」
ギイイイ~ バタン
国王「・・・くくくっ、あっはっはっは!」
国王「はははっ!見たか大臣?あやつら、木の剣と木の杖だけで、魔王を討伐するそうじゃ!」
大臣「わっはっは!いやはや、全くもって滑稽ですな!」
国王「おまけに資金はたったの100G、あれでは宿屋に一晩泊まるのに使いきってしまうわい!」
大臣「まあしかし、あの者共は下賎な傭兵。」
大臣「むしろ、あの程度の装備と資金を与えただけでも感謝してほしいものですな!」
国王「がっはっは!その通りじゃ!」
~宿屋~
剣士「木の武器に100Gだあ~?」
賢者「それ・・・、冗談?」
魔法使い「正真正銘の事実です。こちらに、ほら。」スッ
戦士「最初に見たときは、ふざけてんのかと思ったんですけどね・・・。」
剣士「・・・確かに、木の剣に木の杖だな。それにきっちり100G。」
賢者「全く、前々からケチ臭いとは思ってたけど、まさか魔王討伐にこれだけなんて・・・。」
戦士「ま、傭兵程度にはその位で充分だと思ったんでしょうね。死んでもなんとも思わなさそうだし。」
魔法使い「とにかく、これでは魔王討伐などできません。100Gは懐に入れさせてもらいますが、武器はお二人が処分しておいていただけますか?」
剣士「ああ、任せておけ。」
賢者「さあ、今夜は無礼講よお~!」
剣士「ちょ、ちょっと待て賢者!まだ言わなければいけないことがあるだろう!?」
賢者「ん?ああ、あのことね。」
戦士&魔法使い「?」
剣士「二人共、よく聞いてくれ。」
剣士「実は・・・、二人がしていたことを、俺達は見ていたんだ。」
戦士&魔法使い「!?」
賢者「最初は驚いたわ、ゴブリンに話し合いを持ち掛けるなんて。」
剣士「帰ってきたら殴ってでもやろうかと思ったんだが、な。」
剣士「必死にゴブリンと交渉するお前らを見て、なんだかその気が失せちまった。」
賢者「それでね、話し合いが終わって、貴方達がゴブリンと笑顔で握手したとき、思ったの。」
賢者「『ああ、こんなやり方もあるんだ』って。」
剣士「魔物は殺す、それが俺達の『当たり前』だったからな。」
剣士「方法は一つじゃないって、思い知ったよ。」
戦士「師匠・・・。」
魔法使い「賢者様・・・。」
剣士「・・・俺達から、最後に教えることだ。」
剣士「『周りに流されるな』。」
戦士「周りに・・・。」
魔法使い「流されるな・・・?」
賢者「そう。周りからなんと言われようと、自分で正しいと思ったことを貫きなさい。」
賢者「残念な結果になっても、きっと悔いは残らないわ。」
剣士「・・・忘れるなよ、この言葉を。」
戦士&魔法使い「はい!」
剣士「・・・うっし、それじゃあ今日は飲むぞ!」
戦士「うっす!」
魔法使い「明日の朝出発なんですから、飲み過ぎないでください。」ジロッ
戦士「・・・はい。」ショボン
~翌朝~
戦士「よし、装備はOKだ。魔法使い、アイテムの方は・・・。」
魔法使い「大丈夫です。回復薬、毒消し草・・・。全部ありますよ。」
剣士「しかしまあ、俺達が拾ったときから、随分と成長したなあ。」
賢者「うう、魔法使い君、こんなに立派になって・・・。」ボロボロ
魔法使い「賢者様、帰ってきたらアップルパイ作ってあげますから、泣かないでください。」
賢者「ホント!?」キラキラ
魔法使い「はい、本当です。」ニッコリ
魔法使い(ふっ、チョロイですね。)
剣士「戦士、首だけで帰ってきたら、承知しないぞ!」
戦士「大丈夫っすよ、師匠。まだまだ死ぬ気にゃなれません。」
剣士「よし、それじゃあ二人共・・・。」
剣士「張り切って行ってこい!」
戦士&魔法使い「はい!」
~野原~
戦士「・・・って、張り切って出たは良いものの・・・。」
魔法使い「・・・魔物、出ませんね。」
戦士「まあ、出ても精々スライムとかくらいだし、そいつらも・・・。」
スライム×2と一角兎が現れた!
スライムAとスライムBと一角兎の体当たり!
戦士「遊んでほしくてじゃれついてくるだけだしなあ・・・。」ヨシヨシ
スライムA&B「ピキー・・・。」トロン
魔法使い「まあ、この辺りの魔物はたいして害のない種ですし、今日はのんびりと行きましょうか。」ヨシヨシ
一角兎「キュウン・・・。」ゴロン
戦士「そうだな。」ヨシヨシ
~昼 第一の村~
戦士「結構ゆっくり目に進んだんだが、余裕だったな。」
魔法使い「そうですね。」
魔法使い「この村で困っていることがないか聞いてから、次の村へ進みましょう。」
戦士「おう。そんじゃ、早速村長の所へ・・・。」
魔法使い「馬鹿なんですか、あなた?」ボカッ
戦士「っ~!」
魔法使い「村長さんはこの村の責任者です。簡単に会わせてくれるはずがないでしょう?」
戦士「・・・すみませんした。」
魔法使い「分かればいいんですよ。それじゃあ村人の方達に、なにかないか聞いてみましょう。」
魔法使い「すいません、なにかお困りのことはありませんか?」
村人A「ん?あんたら、冒険者か?」
魔法使い「ええ、まあ。」
村人A「そりゃあよかった!実はな、最近狼が畑を荒らしとるんだ!」
村人A「いっちょ退治してくれないか?」
魔法使い「構いませんが・・・。」
戦士「・・・なあ、魔法使い。」ヒソヒソ
魔法使い「やはり、戦士も気づきましたか・・・。」ヒソヒソ
戦士「ああ。」ヒソヒソ
戦士「冬ならともかく、今はまだ春。それに家畜なら分かるが、畑を荒らすって・・・。」ヒソヒソ
魔法使い「ええ、村人の方を疑う訳ではありませんが、なにやら裏がありそうです。」ヒソヒソ
魔法使い「では、待ち伏せの許可をとりたいので、村長の所へ案内していただけますか?」
村人A「ああ、もちろんだ!」
~村長宅~
魔法使い「・・・という訳ですので、待ち伏せの許可をいただけますか?」
村長「ええ、もちろんですとも!」
村長「あの狼達にはほとほと困り果てていたのです!」
村長「どうぞお好きなように、待ち伏せしてください。」
村長「そうだ!討伐は夜になりそうですから、今のうちにお体を休めてはいかがでしょうか?」
魔法使い「ありがたい申し出ではありますが、少々確認したいことがありますので、今は大丈夫です。」
村長「ふむ、そうですか・・・。」
村長「では、宿の準備だけしておきますね。」
魔法使い「はい、よろしくお願いします。」ペコリ
魔法使い「それでは、失礼いたします。」ガチャ
戦士「・・・。」ペコリ
バタンッ
戦士「・・・なあ、魔法使い。」
魔法使い「なんですか?」
戦士「確認したいことって、なんだ?」
魔法使い「ま、話すと長くなりますし、道中説明します。」
~2時間後~
戦士「・・・魔法使い・・・。」ザッザッ
魔法使い「はい?」ザッザッ
戦士「道中説明すると言ってから早2時間・・・。」ザッザッ
戦士「説明されるどころか、山の中に入ってるんだが・・・。」ザッザッ
魔法使い「しっ!静かに!」
戦士「・・・?」
鹿's「・・・。」ムシャムシャ
戦士(鹿の・・・、群れ?)
魔法使い「?これは、一体・・・?」
戦士「いや、どっからどう見ても鹿の群れだろ。」
魔法使い「そういう意味で言ったのではありません。」ジロッ
戦士「お、おう。」
魔法使い「ふう。ま、確認したいことは済みましたし、村へ戻りましょう。」ザッザッ
戦士「?ああ・・・。」
戦士(結局、なにを確認したかったんだ?)
戦士(・・・鹿を見たかっただけか・・・?)
~夜 第一の村~
戦士「ふう・・・。春とはいえ、なかなか冷えるなあ・・・。」
魔法使い「・・・。」モグモグ
戦士「ん?魔法使い、何食ってんだ?」
魔法使い「村の方から頂いたレーズンです。」モグモグ
戦士(こいつ、いつの間に・・・。)
戦士「つーかお前、そのまんま食べんのかよ・・・。」
魔法使い「結構いけますよ。」モグモグ
戦士「は~あ、早く宿に帰って寝てえなあ・・・。」
魔法使い「・・・と、言っている間に来たようですね。」
狼's「グルル・・・。」ザッ
月明かりに照らされた何匹もの狼が、二人を静かに取り囲む。
その目はどれも殺気を宿しており、身のこなしは鋭く、刃のようであった。
しかし、二人はいたって落ち着いていた。
戦士「・・・十匹、か。」
戦士が、冷静に敵の数を確認する。
魔法使い「この程度なら、楽勝ですね。」
チロリと舌をちらつかせて笑いながら、魔法使いが呟く。
女性にさえ見間違われる美貌がより引き立つ残忍な笑みは、相棒の戦士でさえもゾッとしてしまう。
魔法使い「防御魔法、発動します。」
ブゥ~ン
低い音をたてて、防御魔法が発動する。しかし、それは二人に対してのものではない。防御の対象は、畑。あくまで狼から畑を守る依頼であるので、その辺りはしっかりしている。
だが、相手は殺る気満々の狼。普通、彼らに対して自身に防御魔法をかけずに挑むのは、あまりに無謀な選択であった。
が、しかし。
以前、ある旅人がそのことを指摘したところ、魔法使いは不敵に笑いながら言った。
魔法使い「戦士なら全て避けきると僕は信じてますし、僕にとってもMPの無駄使いにしかなりません。だから大抵、防御魔法はかけないんです。」
自身を守る防御魔法を、彼は「MPの無駄使い」と言い切ったのだ。
それを「底無しの自信だ」「あいつらはいつか死ぬだろう」と言う者もいるだろう。が、もし今の戦いをそんな人々が見ていたのなら、その考えを訂正せざるおえないだろう。
乙!
少し改行すると読みやすくなるかも
>>70 ありがとうございます。
最初に動いたのは、戦士だった。
戦士「・・・。」ザッ
それを合図に二体の狼が、戦士に自らの牙を突き立てまいと襲い掛かる!
狼A「グアウ!」ザザッ
戦士「よっ、と・・・。」ブウンッ
しかし、その攻撃を冷静に戦士は避け、担いでいた大剣を振った。
こともなげに振るわれたその大剣は、二体の狼を50m程先まで吹き飛ばしてしまった。
狼A「ギャイン!」
狼B「ギャン!」
が、狼達の腹には傷がない。
殺傷能力を抑えるために、大剣に厚手の布を巻いているからだ。
できるかぎり生き物を殺さない為にという、戦士の配慮だ。
こんな感じでどうでしょう?
>>70 アドバイスありがとうございます。
最初に動いたのは、戦士だった。
戦士「・・・。」ザッ
それを合図に二体の狼が、戦士に自らの牙を突き立てようと襲い掛かる!
狼A「グアウ!」ザザッ
戦士「よっ、と・・・。」ブウンッ
しかし、その攻撃を冷静に戦士は避け、担いでいた大剣を振った。
こともなげに振るわれたその大剣は、二体の狼を50m程先まで吹き飛ばしてしまった。
狼A「ギャイン!」
狼B「ギャン!」
が、狼達の腹には傷がない。
殺傷能力を抑えるために、大剣に厚手の布を巻いているからだ。
できるかぎり生き物を殺さない為にという、戦士の配慮である。
もっとも、布を巻いて切れないようにしても、戦士が手加減なしで振るえば、体中の骨を骨折させて、死にいたらしめることができるのだが。
戦士「あらよっ、と。」ブウンッ
狼C「ギャウン!」
戦士が大剣を振る度に、狼が吹き飛ばされていく。
その様はまるで、雷が地面を吹き飛ばしていくかのようだった。
こんな感じでどうでしょう?
申し訳ありません!>>71はミスです!
無視してください!
>>72
乙あり!
自分には読みやすくなりました。
>>74 ありがとうございます。
戦士には敵わないと悟った狼達は、魔法使いに狙いを定めた。
戦士より小柄で、力もなさそうな魔法使いなら、容易に仕留められると思ったのだろう。
狼C「ガウ!」ダッ
だがー。
魔法使い「動きが単純過ぎますし、なにより遅いです。」
狼C「!」
狼が飛びかかった瞬間、魔法使いは狼の後ろに立っていた。
そして、容赦なく魔法を放つ。
魔法使い「メラ。」ゴウッ
狼C「ギャイン!」
魔法が直撃した狼だが、その腹には火傷だけが残った。
魔法使いも、彼なりに手加減しているのだ。
狼D「ガルル!」ダダッ
魔法を放った隙を見て、狼が魔法使いに飛びかかろうとする。
しかしー。
戦士「はっ!」ブン!
狼D「ギャイン!」ドサッ
戦士が素早く狼の背後に近付き、大剣で吹き飛ばす。
さらに、その時発生した風に乗って、魔法使いは横へずれ・・・。
魔法使い「バギ。」ビュンッ
狼E「ギャウン!」ドサッ
戦士の背後へ迫っていた狼を、吹き飛ばした。
雷のように攻撃する戦士と、風のように魔法を繰り出す魔法使い。
二人のこの連携こそが、異名「サンダー&ウィンドウ」ー「S&W」の由来である。
すみません、間違えました。
雷と風なら、「T&W」ですね・・・。
遂に敵わないと悟ったのか、狼達が撤退し始める。
魔法使い(そろそろですかね・・・。)
その動きを見た魔法使いは、両手に魔力を集中させる。
数秒後、彼の手には透明な球があった。
魔法使い「はっ!」ビュンッ
魔法使いはその球を、一匹の狼へぶつける。
球はぶつかると破裂した。
狼A「!」ビクッ
狼は驚き、一瞬足を止めるが、また駆け出していった。
魔法使い「・・・ふう、案外早く終わりましたね。」
戦士「ああ、そうだな・・・。ところで魔法使い?」
魔法使い「はい?」
戦士「さっきのって、『魔力玉』だよな?たかが狼に、そこまでする必要あったのか?」
~賢者&剣士の用語解説コーナー~
賢者「はあい、皆さんお久しぶり!魔法使いの師匠の賢者だよ!」ピース
賢者「時々、このSSオリジナルの用語とか、世界観が出てくる時があります。」
賢者「そんなとき、私や剣士ちゃんがこのコーナーで説明しちゃうという訳です。」ドヤア
賢者「ちなみに、どっちのキャラを出すかは>>1の気まぐれだよ。」
賢者「今回は魔法関連なので、私が選ばれたようですな。」フムフム
賢者「では、早速解説、行ってみよー!」
~魔力玉とは~
賢者「魔力玉とは、魔力を凝縮した球のこと。」
賢者「こうやって、両手に魔力を集中させると・・・。」
賢者「はい、出来上がり。魔力を持つ人なら、誰でも作り出すことができるよ!」ポンッ
賢者「対象にこれを当てることで魔力が染み付き、その魔力を追跡することができるのです。」ドヤア
賢者「なので、主に追跡に用いられるよ!」
賢者「では、これにて解説コーナーは終了。」
賢者「引き続き、本編を楽しんでねー!」バイバイ
臭い玉みたいなものかな?
ペイントボールじゃなくて?
賢者「>>87 >>88 ん~、微妙に違うかな。」
賢者「あれは皆五感とかで感じるでしょ?視覚とか、嗅覚とか。」
賢者「魔力球はね、何というか、第六感で感じるんだ。」
賢者「そこら辺のメカニズムは、まだ分かってなんいんだけどね。」
賢者「そんじゃ、本編をどーぞ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔法使い「ええ、あったんですよ。魔力球を使う理由が。」
戦士「・・・はあ。教えてくれって言ったって、「今はダメ」って言うんだろ?」
魔法使い「分かってるじゃないですか。」
戦士「長い付き合いだからな・・・。」
魔法使い「ま、とりあえず宿に帰って休みましょう。」
魔法使い「明日は朝から行く所がありますし。」
戦士「マジかよ・・・。」ゲッソリ
~翌朝~
戦士「魔法使い~、そろそろ教えてくれよ~。」ザッザッ
魔法使い「何をです?」ザッザッ
戦士「いやだから、お前分かってんだろ?狼の襲撃の全貌。」ザッザッ
戦士「これから黒幕捕まえに行くんだろうし、教えてくれたっていいだろ?」
魔法使い「・・・まあ、そうですね。」ザッザッ
魔法使い「戦士、悪徳商人という男について知っていますか?」クルッ
戦士「?いや、全く知らん。」
魔法使い「表向きはごく普通の商人ですが、裏で色々と悪事を働いているようなんです。」
戦士「ふ~ん、そうなのか・・・。」
魔法使い「それから、黒魔術師についてはご存じですか?」
戦士「ああ、そいつなら知ってる!」
戦士「禁断の黒魔術を研究して、『魔法学会』を追い出された奴だろ。」
~翌朝~
戦士「魔法使い~、そろそろ教えてくれよ~。」ザッザッ
魔法使い「何をです?」ザッザッ
戦士「いやだから、お前分かってんだろ?狼の襲撃の全貌。」ザッザッ
戦士「これから黒幕捕まえに行くんだろうし、教えてくれたっていいだろ?」
魔法使い「・・・まあ、そうですね。」ザッザッ
魔法使い「戦士、悪徳商人という男について知っていますか?」クルッ
戦士「?いや、全く知らん。」
魔法使い「表向きはごく普通の商人ですが、裏で色々と悪事を働いているようなんです。」
戦士「ふ~ん、そうなのか・・・。」
魔法使い「それから、黒魔術師についてはご存じですか?」
戦士「ああ、そいつなら知ってる!」
戦士「禁断の黒魔術を研究して、『魔法学会』を追い出された奴だろ。」
すみません、>>93は無視してください。
何度も連投、申し訳ありません・・・。
~賢者&剣士の用語解説コーナー~
賢者「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン!賢者ちゃんです☆」
賢者「え、誰も呼んでないって?まあまあ気にしな~い!」
賢者「では、今回解説する用語はこちら!」デーデン!
~魔法学会とは~
賢者「まあ、そのまんまなんだけどね。」
賢者「新しい魔法の研究をしたり、様々な魔法に関する書物を管理したり・・・。」
賢者「それから魔法使いの登録をしたりね。」
賢者「ここに腕利きの魔法使いを頼む人も多いから、ギルド的な役割も果たしてるかな?」
賢者「ちなみに、私もここに所属してて、新しい魔法の開発に日々勤しんでいるのです。」ドヤア
賢者「では、引き続き本編をどうぞ!」
魔法使い「はい、その通りです。」
魔法使い「そして王都で、二人が手を組んでいるとの噂がありました。」
魔法使い「悪徳商人は主に農作物を売っていて、動物を操る類の魔法は黒魔術の分野です。」
戦士「?魔法使い、さっきから話が全然繋がってないぞ?」
魔法使い「つまり、です。」
魔法使い「黒魔術師が動物を操って畑を荒らし、悪徳商人がその村の人々に農作物を売り付けているんです。」
戦士「!」
戦士「いやいやちょっと待てって!」
戦士「それだと黒魔術師が得しないんじゃないか?」
魔法使い「彼にとっては黒魔術が全てですからね。」
魔法使い「新しい魔法を試しているのなら、それが彼の利益になるでしょう。」
戦士「納得しました・・・。」
戦士「ほんでもって、今は奴らを捕まえに行く途中ってわけか。」
魔法使い「そうです。」
魔法使い「そろそろアジトに着くと思いますよ。魔力も濃くなってきましたし。」
戦士「そうだといいんだがなあ・・・。」
魔法使い「・・・!こっちです!」ザッザッ
戦士「へっ!?いや、そっちは林だぞ!」ザッザッ
魔法使い「!?こ、これは・・・。」
戦士「・・・岩、だよな?」
戦士「それも、めちゃくちゃでっかい・・・。」
魔法使い「・・・魔力は、この岩の前で途切れていますね。」
戦士「でも、この辺りに怪しい小屋とかねえぞ?」キョロキョロ
魔法使い「・・・もしかして・・・?」
戦士「?心当たりあんのか?」
魔法使い「ダンジョンによく、外からボタンを押して扉を開く仕掛けがありますよね?」ペタペタ
魔法使い「それが仕掛けられてるんじゃないかと思いまして。」ペタペタ
戦士「それって、作れるもんなのか?」
魔法使い「ある程度の技術と知識さえあれば、誰だって作れますよ。」ペタペタ
魔法使い「ほら、見てないで手伝ってください。」ペタペタ
戦士「へ~い。」ペタペタ
戦士「ってもよお、そう簡単に見つかるか?」ペタペタ
戦士「見つかんねえように、偽装だってしてるだろ?」ペタペタ
魔法使い「まあ、そうだとは思いますが・・・。」ペタペタ
魔法使い「・・・あなたなら大丈夫でしょう。」ペタペタ
戦士「?どういこうわあ!?」ズテッ
ガゴンッ!
魔法使い「ま~た、派手にこけましたねえ・・・。」ザッザッ
ゴゴゴゴゴ・・・
魔法使い「ん・・・?この音は・・・。」
パッカーン
魔法使い「やはり、岩が開いた音でしたか・・・。」
戦士「いてててて・・・。あれ、いつの間に・・・?」
魔法使い「あなたが偶然転んだ場所に、スイッチがあったのでしょうね。」
戦士「やれやれ、運がいいんだか悪いんだか・・・。」
魔法使い「いつものことじゃないですか。」
魔法使い「さっさと、捕まえて、王都に転送しましょう。」
戦士「へーい。」
戦士「・・・暗っ!光魔法使ってくれよ!」
魔法使い「ばれたらどうするつもりですか?」
戦士「ごめんなさい。」
魔法使い「・・・!シッ!」
戦士「・・・?」
魔法使い「・・・。」ユビサシ
戦士「!」
悪徳商人「ん?今声が聞こえなかったか?」
黒魔術師「キシシシシ、そんなはずはありませんよ!」
黒魔術師「この隠れ家はダンジョンの仕掛けを使って隠してありますし、仕掛けを作動させるボタンも偽装してますからね!」
黒魔術師「この隠れ家を見つけるなど、まず不可能ですよ!」
悪徳商人「はっはっは!確かにその通りだな!」
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戦士&魔法使い(見つけるどころか侵入しちゃってるんですが。)
戦士「しっかしどうする?真正面から行くのは無謀だぜ?」ヒソヒソ
魔法使い「正面がダメなら、後ろから行くしかないですね。」ヒソヒソ
戦士「後ろ、って・・・?」ヒソヒソ
魔法使い「・・・。」ユビサシ
戦士「こ、こっから行くのかよ・・・。」
ゴトッ
悪徳商人「む・・・?なにか音がしたような・・・。」
黒魔術師「キシシ!なあに、空耳でしょう。」
悪徳商人「・・・そうだな。」
悪徳商人「・・・。」
ガタッ
悪徳商人(・・・いや、やはり聞こえる。)
悪徳商人(後ろから聞こえたような気がしたが・・・?)クルッ
戦士「のぎゃあああ!」
商人&魔術師「!?」ビクウッ
ドスンっ!
戦士「い、いてえ・・・。」
魔法使い「まったく。あなたが落ちるから見つかってしまったじゃないですか。」ストン
戦士「お前が押したせいだろ!」
悪徳商人「き、貴様らまさか、洞窟のひび割れを通って来たのか!?」
魔法使い「ご名答。その通りです。」
黒魔術師「だ、だが人一人入れる隙間もなかったんだぞ!?」
戦士「魔法使いが魔法で、空間を広げてくれたんだよ。」
黒魔術師「く、くそっ!こうなったらコイツで・・・!」パチンッ
ブゥン・・・
食人植物「ギャアアア!」
黒魔術師「俺の技術を結集させて造った食人植物だ!」
黒魔術師「傭兵なんぞあっという間に始末してくれるわ!」
魔法使い「・・・やれやれ、思ってたより、頭は悪いようですね・・・。」
魔法使い「相手の力も理解できないとは・・・。」
黒魔術師「な、なんだと!?」
戦士「えーと、つまり、俺達をあんまり侮るなってことだ。」
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