書き溜め中。ちょぼちょぼ投下していく
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自分は素直ではない と言われることがある。しかし、
自分の性格なんてそこまで実に明快に理解できるものでは無いだろう。
例え僕が素直でない。と言う事実を認めたとしたら、それは実は素直であると言う事の証左かもしれないし、
認めないとしたら、矢張り素直ではないという指摘を受けるだろう。これは明らかに矛盾であり、
そう、何かの本で読んだが、うそつきのパラドクスと言うのだった。
キミはうそつきか? と訊いて、はい、と答えたならばうそつき。
いいえ、と答えたならば、矢張りうそつきなのだ。
ここまで錯綜した思索とも言えない妄想を続けていても、自分の性格と言うのは良く解らない物であるし、
他人、と言ったら少し語弊があるかもしれないが、親友からの折角のアドバイスなのたのだから、気に入る、
気に入らない別にして受け止めておこう。言われるうちが華と言うだろう。
今日は家族が全て 出払ってしまって、少し、音が無くて寂しい。
ペンを止めてリビングに行ってみても当然のことながら自分の足音と外の車の通る音ぐらいしか聞こえない。
普段滅多に見ないテレビを点ける。
画面の中の女の子は煌びやかな衣装を身に纏い、鈴の音のような声で歌を歌い、全身を使って踊る。
音楽に対して特に大きな拘りを持ってはいない。どのような歌であってもメロディラインが楽器と同じように感じられ、
声をも楽器と見做して聴いているのだ。
しかし、時たま歌詞の一文が自分の心を突き刺すことが有る。
「アイドルの歌もなかなか良いものなんだな……」
画面に向かって言葉を発するだなんて年寄りじみた事をしてしまう。
自分と歳が変わらない、或いは自分よりもうんと若い者が歌うものにこうもメッセージが込められることがあるのかと。
むろんこの歌詞を書いたのは彼女たちでではないだろう。しかし、そう思わせるものがあった。
ここ最近、学校と、塾とそれから家。ここ以外で立ち寄った場所はあるだろうか。
少し前に中学時代の親友と友達を通じて会うことが有ったが、それ以降何もない気がする。
書店に行ったとしても、最近は文芸書籍を通り抜けて専ら、きたる受験に備えた参考書を選ぶことの方が多いし、
好きだった洋楽のCDコーナーに行くことも少なくなった。いや、CDショップにも行かなくなったのかもしれない。
だから、最近有名になり始めたであろう画面の中のアイドルの曲を知らないのは当然とも言えた。
が、少し興味が湧いてきてしまった。最近の世の中は便利で、テレビの前に坐ったまま、
手元の電話をいじればどんな情報も手に入れられる。
「346プロダクションか……」
アイドル事務所は数字のプロダクションが多い。友達が聴いていたのは765だっただろうか、961だっただろうか。
一通り、サイトを巡回すると少々疲れる。小さい画面を見つめるのは、向いていないようだ。そろそろ寝るとしよう。
いつもより遅い目覚ましで起きる。
今日は日曜日。いくら通っている学校が私立の進学校と言えどもこんな日に学校があるというのは野暮というものだ。
この国はキリスト教の教えなど全く守らないで、やる事と言ったらクリスマスに俄かに聖歌を歌ったりといったものだが、
この日ばかりは聖書の教えを守ろうじゃないか。
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