未央「…どうしよう」 (26)

凛「え、なに?」

卯月「レッスンで分からない所あったの?」

未央「いや、あの…んーっと…」

凛「…?」

未央「私さ、…結構前だけど、その、プロデューサーに大分、やらかした、ってか、迷惑かけた、じゃん?」

凛「ん…んー…」

卯月「まあ、過去の事、だし、ね?」

凛「ん?…う、う…ん」

未央「あれからさ、その、何となくお互いあの事触れないような感じでさ…」

凛「でも、謝ってたじゃない。……あ、私も、うん」

未央「それは、そうなんだけどさ。…プロデューサーとは、うやむやなんだよね」

卯月「…だ、大丈夫だよ!プロデューサーさんは絶対気にしてないって!」


未央「それも、そうだと思うけどさ。プロデューサー、本当に優しいから…」

凛「じゃ、何がダメなの?」

未央「ダメじゃないよ。…でもちゃんとそこは、しっかりしとかないと、なぁ…と」

卯月「…未央ちゃんらしいね」

凛「改めて、プロデューサーに謝るって事?」

未央「…それと、何か、してあげたい、かなあ、と」

凛「何か?」

未央「プロデューサーが喜んでくれそうな事、とか」

凛「あ…えっと、あー…そんな感じね」

卯月「プロデューサーさんの欲しい物…」


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凛「…そもそもプロデューサーの性格からしてあんまり物欲無さそうだよね」

未央「…強いて言うなら、あれかな?…名刺入れ」

凛「プロデューサー、名刺入れ3つくらい持ってたよ?」

未央「あ、そうなんだ…」

凛「警察に捕まってからは名刺なるべく多く持つ事にしたんだとさ」

未央「あれ本当だったんだね…」

凛「卯月は何かある?」

卯月「んー…分かったよ!私達がトップアイドルになる事だよ!」

未央「時間かかる時間かかる。…時間かかるというか、いやまあ、そんな自信家じゃないけど」

凛「だとしたら、アイマスクとか、実用的なやつかな?」

卯月「そういうの好きそうだよね」

未央「でもプロデューサーが疲れたーって所とか、見ないよね」

凛「何だろ、万年筆的なやつは?」

未央「私達のお小遣いじゃねえ…」

卯月「高そうだよね…」

凛「もう普通にさ、お弁当作ってくるとかにしようか」

卯月「あ!いいねそれ!」

未央「あっ…」

凛「何?」

未央「いや〜…」

卯月「…あっ」

凛「未央は…ああ」

未央「しょうがないじゃん!そんな機会今まで一回も無いんだからさ!」

凛「私達も無いよ」

未央「うぐ…」

卯月「私はママとパパに作ってあげた事があるよー」

凛「よしよし」

卯月「えへへ〜」

凛「じゃあ、私はプロデューサーにお弁当で」

未央「えっ?」

凛「ん?」

未央「…あれ?」

凛「何かあった?」

未央「…ごめんこれって、私がプロデューサーと完全に仲直りするって話だったよね?」

凛「プロデューサーを労おうかなって」

未央「…」

凛「…」

卯月「(あ、あれー?)」

未央「じゃあ、私は…?」

凛「右手あげてごめんねって」

未央「さっきと随分違わない?」

凛「何作ろっかなって」

未央「…」

凛「…」

卯月「ね、ねえ!私達三人で協力してお弁当作ってみない?」

凛「…どうやって?」

卯月「えっとね…えっと…私の家で?」

未央「…うーん…いい、のかな?」

凛「まあ、別に良いけど…」

卯月「(良かったあ…)」

卯月「ただいまー!」

凛「お邪魔します」

未央「お邪魔しまーす!」

卯月母「あらいらっしゃい。卯月からいつも聞いてますよ。さ、上がって上がって」

卯月「ママ、後で台所借りるね!」

卯月母「はいはい」

凛「卯月のお母さん、凄い美人だね」

未央「それに何だか落ち着いてるよねえ」

卯月「えへへ」

凛「…可愛いなあ」

未央「…良いよねえ」

未央「…よし!」

凛「…で、どうするの?」

卯月「じゃあ、未央ちゃんと凛ちゃん!おかずお願いね!私お米研いでるから!」

凛「ん」

未央「ねえ、しぶりん」

凛「ん?」

未央「包丁切れないんだけど」

凛「押してるだけじゃ切れないよ」

未央「え?」

凛「…そこから?」

武内P「…」

\セーイッパイカーガヤクー/

武内P「…島村さん?」

『明日は食堂行っちゃダメですよ!』

武内P「……?」

\セーイッパイカーガヤクー/

武内P「…?」

『お弁当も買っちゃダメですよ!』

武内P「…??」

翌朝

卯月・凛・未央「おはようございます!」

武内P「おはようございます。あの島村さん、昨夜のメールについてですが…」

卯月「…未央ちゃん?」

未央「…う、うん!」

武内P「?」

未央「ぷ、プロデューサー!」

武内P「はい?」

未央「初LIVEの時、迷惑かけてごめんなさい!」

武内P「…初LIVE…ああ、あの時の…」

凛「私もごめん。プロデューサー」

武内P「いえ、もう過ぎた事ですし…」

未央「えっと、あの、だから…こ、これ!」

武内P「…これは…」

卯月「私達で作ったんですよ!」

武内P「…そういう、事でしたか…」

卯月「はい!…じゃ、凛ちゃん?」

凛「ん?」

卯月「ほら行くよ…!!」グググ

凛「……あれおかしいなあ…!三人で渡すだけって聞いてたけど…!!」グググ

卯月「今の私はお姉さんなんです…!!!」ズルズル…

凛「聞いてないよ…」ズルズル…

未央「…えっと…」

武内P「…あの、一体何が何だか…」

未央「と、とりあえず座って!」

武内P「は、はい…」

未央「あの、あのねプロデューサー…」

武内P「?」

未央「…えいっ!」

武内P「…!未央さん…?」

ちひろ「…あの、卯月ちゃん?」

卯月「はい?」

ちひろ「…何で凛ちゃんを羽交い締めに?」

卯月「今は二人きりにしなければならないんです!私はお姉さんなんです!」

ちひろ「…?プロデューサーさんの部屋………あらあら…」

卯月「凛ちゃん!まだ入っちゃダメぇ…!!」

凛「見るだけ!見るだけだから!」

未央「…」

武内P「…」


ちひろ「(あすなろ抱きかあ…)ここはそっとしておかなきゃいけませんね…」

卯月「そうですね…」

未央「プロデューサー、いつも迷惑かけてごめんね」

武内P「…いえ、そんな事は…」

未央「本当は疲れてるんじゃないかなって、ずっと思ってたんだよ」

武内P「…本田さん達を見ていると、元気が湧いてきますよ」

未央「…嘘。いつも栄養ドリンク飲んでるくせに」

武内P「…仕事…いえ、その…」

未央「…」

武内P「…貴方達を」

未央「?」

武内P「………貴方達を、トップアイドルにする事が私の生きがいですから、頑張れます」

未央「…プロデューサー…」

武内P「お弁当、ありがたくいただきます」

未央「……もおおおおおめっちゃ恥ずかしいよおおおおおお!!」ギュウウウウウ

武内P「ほ、本田さん…!!!」

未央「プロデューサー、いつも迷惑かけてごめんね」

武内P「…いえ、そんな事は…」

未央「本当は疲れてるんじゃないかなって、ずっと思ってたんだよ」

武内P「…本田さん達を見ていると、元気が湧いてきますよ」

未央「…嘘。いつも栄養ドリンク飲んでるくせに」

武内P「…仕事…いえ、その…」

未央「…」

武内P「…貴方達を」

未央「?」

武内P「………貴方達を、トップアイドルにする事が私の生きがいですから、頑張れます」

未央「…プロデューサー…」

武内P「お弁当、ありがたくいただきます」

未央「……もおおおおおめっちゃ恥ずかしいよおおおおおお!!」ギュウウウウウ

武内P「ほ、本田さん…!!!」

卯月「良かったね未央ちゃん!仲直りできて!」

未央「仲直りどころじゃないよ。もう顔真っ赤だよお…」

凛「…何かあったの?」

未央「…あんな事はっきり言われたら……」

凛「あ?」

卯月「…で、でももうこれでお互い気にしなくて済むよ!」

未央「…気にするよぉ」

凛「未央、何があったの?ねえ、ねえ?」

ちひろ「全くプロデューサーさんも隅に置けませんねえ」

武内P「…千川さん、からかうのは…」

ちひろ「うふふ。…でも、ああいうの、年頃の子には効いちゃうんですよ?」

武内P「…」

ちひろ「未央ちゃんが出て行った時の顔、どう見ても…こほん」

武内P「あの…」

ちひろ「ま、未央ちゃんも思春期という事ですよ」

武内P「…」

ちひろ「責任は重いですよお…」

武内P「千川さん」

ちひろ「うふふ♪」

未央「明日からプロデューサーの顔見れないよおおおおお!!!」

凛「ちょっと未央!逃げんなおい!!!」

卯月「凛ちゃんステイ!!!」


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