夏凜「友奈、最近太ったわね」 (25)
~☆
友奈「太った……?」
夏凜「うん」
風「……そうね、明らかに太ったわね」
樹「……」
友奈「え、ええ……?」
東郷「――ごめんなさいっ!」
友奈 風 樹 夏凜 園子「!?」
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東郷「私が友奈ちゃんに、最近ほぼ毎日和菓子をたくさん食べてもらっていたから……」
東郷「友奈ちゃんの味覚が戻って、本当においしそうに食べてくれるのが嬉しくて、それで……」
夏凜「なるほど」
園子「わっしーのお菓子おいしいよね~」
風「納得の理由ね」
樹「お姉ちゃんは大丈夫なの?」
風「え? 何が?」
友奈(私って、知らない内に太ってたんだ……)
友奈(確かに、お腹をつまむとプニってする)プニッ
友奈(あっ)
友奈(もしかしてこれ、つまむと二段どころか三段に――)
友奈「よし! 痩せなきゃっ!」
夏凜「痩せるなら、効果的なサプリメントがあるわよ」
夏凜「あと、先に言っておくけど、素人が安易な食事制限で痩せようなんて考えない方が良い」
夏凜「私たちは成長期だし、ちゃんとバランス崩さずに食事を摂って、運動で痩せることを考えましょう」
友奈「なるほど」
風「…………」
風(この常識的な発言が、コンビニ弁当サプリ暮らしの夏凜の口から出るのって、なんかおかしくない?)
夏凜「運動のメニューなら私が組んであげるから、それをしっかりこなしていく」
夏凜「トレーニングの機器も、家にある奴使わせてあげる」
友奈「か、夏凜ちゃん……頼もしい!」
夏凜「痩せるために、まず放課後数日私の家で合宿をやりましょう」
友奈「合宿?」
夏凜「ええ。こういうのは、最初の滑り出しが肝心なのよ」
夏凜「やるぞーって意志を自分に上手いこと刻み込んで、それを最後まで維持できれば、
人間はちゃんと痩せることができるはずだわ」
東郷(ああ、なんて愚かなの東郷美森……)
東郷(私が、自分の気持ちばかり優先して、適量を弁えずに友奈ちゃんへ――)
友奈「東郷さん」
東郷「……友奈ちゃん?」
友奈「私、はやく痩せて、東郷さんのぼたもちやその他のお菓子を、
また気兼ねなく食べられるようになって、帰ってくるね」
東郷「友奈ちゃん……」グスッ
風(これ、ダイエットしようってだけの話よね?)
~☆
夏凜「……」タッタッタッ
友奈「……」タッタッタッ
夏凜「あと十分、走りぬきなさいっ!」タッタッタッ
友奈「はいィっ!」タッタッタッ
~☆
友奈「三十一、三十二、三十三……」グッ グッ グッ
夏凜「ファイト―! まだあと二セットあるわよー!」
友奈「三十四、三十五、三十六」グッ グッ グッ
友奈(腕立て伏せって、こんなに大変だったんだなぁ……)
~☆
夏凜「はい、サプリと水」
友奈「ありがとう」
友奈「んぐ、んぐ」ゴクゴク
友奈「ぷはぁ!」
~☆
友奈「うおおおおおおおおおおおっ!」ゴゴゴゴゴゴ
夏凜「うおおおおおおおおおおおっ!」ゴゴゴゴゴゴ
~☆
友奈「じゃじゃーん!」
友奈「結城友奈、夏凜ちゃんの手助けのおかげもあって、無事にダイエットに成功しました!」
風「おめでとー」パチパチ
園子「おめでとう~」パチパチ
樹「おめでとうございます」パチパチ
東郷(良かった……)
東郷(これでようやく、友奈ちゃんと思う存分一緒にいられなかった生活と、おさらばできるわ……)
東郷(こんなに長いことかかるのなら、私もダイエット、友奈ちゃんと夏凜ちゃんと一緒にやればよかった)
~☆
東郷「ねえ、友奈ちゃん」
友奈「ん?」
東郷「何してるの?」
友奈「何って、片手懸垂だよ?」
東郷「なんでいま片手懸垂を……」
友奈「いやぁ、最近私の筋肉が、ボクのことをもっと鍛えてくれって喧しくてさ」
友奈「ほら、上腕二頭筋が言ってるよ」
友奈「ムキムキ、ボク、ムキムキニナリタイヨ!」ウラゴエ
東郷「え?」
友奈「冗談冗談」
友奈「でも、筋肉鍛えるの、本当に楽しくて」
友奈「せっかく空いてる時間、何もしないでいると、もったいないじゃない?」
東郷「それって、私といる時間よりも、大事ってこと……?」
友奈「そんなことないよ」
友奈「けど、筋肉を鍛えるのはなにも考えずにできるでしょ?」
友奈「東郷さんとお喋りしながら、筋肉を鍛えたら、楽しいに楽しいをかけて百倍だよ」
東郷「…………」
東郷(友奈ちゃんが何を言っているのか、わかるようでちょっとよくわからない……)
~☆
東郷「最近友奈ちゃんが、私のことよりも、自分の筋肉を大事にしてるらしいのが、見ていて辛くて、辛くて……」
夏凜 風(何を言っているのか一応わかるけど、中身はよくわからないこの感じはいったい)
園子「つまり、ゆーゆの筋肉愛に嫉妬してるわっしーは、ゆーゆの筋肉からゆーゆを取り戻したいってこと?」
夏凜 風(……?)
東郷「そう言うことに……なるのかしら」
夏凜 風(あっ、通じるんだ)
園子「三角関係だ~」
東郷「ええ」
東郷「友奈ちゃんの叱咤に応えて、ムキムキと育っていく筋肉を見るに、
筋肉も友奈ちゃんのことを愛していると言って過言じゃないはず」
夏凜 風(過言だよ、無茶苦茶過言だよ)
園子「なら、わっしーも筋肉の魅力に負けない、女の武器で、友奈ちゃんをメロメロに籠絡しなきゃダメだね~」
東郷「女の武器……?」
樹「――たわわに実った、東郷先輩のおっぱい二房ですね」
~☆
東郷「ゆ、友奈ちゃん」
友奈「なに?」
東郷「こっちに、来て」
友奈「うん、いいよ」
友奈「なんの用――」
東郷「えいっ!」ムギュゥ
友奈「!?」
樹『優しく包み込むように、おっぱいに顔を押し付けさせるんです。ぐいっと、こう抱きしめて』
樹『おっぱいチュウチュウ数回させれば、友奈さんと東郷先輩の仲ですから、あっという間に友奈さんは落ちます』
樹『タロットカードもそう言っています。あなたの星を、信じてください』
東郷(樹ちゃん……あなたの言葉を、星を、信じるわよっ!)
東郷「ほら、友奈ちゃん。あったかいおっぱいでちゅよ~」
友奈「//////」
~☆
東郷「実は最近、友奈ちゃんが、私自身よりも、私のおっぱい目当てに――」
風 夏凜「もう、いいわよ! そのパターン!」
~☆
先生「~~~~~~」
園子「zzzzzzz」
夏凜(また、授業中に寝てるし……)
園子「……えへへ~、東郷さんのおっぱいには、大きな大きな夢が詰まってるんだよ~」zzzzz
夏凜(クラス全体にはっきり聞こえる音量で言う寝言なの、それ)
夏凜(東郷さん、ってことは、友奈になりきって……おっぱい?)
東郷「/////」
友奈「と、東郷さん、ドンマイだよ!」
先生「結城さん、授業中ですよ」
先生「私が今、読み上げていた教科書のページを、最初から読んでみてください」
友奈「え、ええ~!」
園子「zzzzzz」
夏凜(乃木家の家格は、露骨な授業中の居眠りを、容易には注意させないほどのものなのね……)
終わり
樹海の記憶ってだいたいこういうテンションだったよねってネタだけど
実際書いてみると予想以上にしょうもない
でも書くとき何も悩まずに済んだので、最近書いたSSで一番書くスピード速かった
HTML化依頼してきます
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