影の薄い男の話 (31)
「誰もいない森で倒れた木の音は存在しない、なんていうのは
せっかく倒れた木にたいして失礼だと思うんですよ」
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ぼくは、いままで影の薄い人生を歩んできた
でも、まさか本当に影が薄くなるとは、思ってもみなかったよ
これは彼女の意見なのだが、「影が薄い」という言葉自体、ぼくを含むこっち側の人達が、きみ達あっち側の人達へと伝えることが出来た
たった一つの言葉なんじゃないかと思う。
あなたの周りにも一人はいるだろう。彼は、無視されている訳ではないんだ
でも、物事は彼抜きで進むし、誰も彼の為に立ち止まりはしないし、気付くと彼とは音信不通になっている
そんな人が。
もし、それがあなた自身なら気を付けた方がいい。影が薄くなってからでは、手遅れだから
「そういう」人だったぼく自身がいうんだから間違いない。
さて、ぼくはこれが、ぼく自身を含めて誰にも読まれないことを確信している
その理由は後で話そう
ではなんでこんなことを書いているのかと言えば、まぁ、諦めきれないからだ。
死んだら焼いてくれと言いながら日記を書くひとを想像すれば分かりやすいかな
ぼくの日記はもともと灰みたいなものなんだけど
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