魔王「新婚旅行?」 (20)

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魔王「はぁ・・・。また女勇者がきたのか・・・」 - SSまとめ速報
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仕事やらなんやらですっかり更新できませんでした。

待っててもらった方に申し訳ないです。

またやってこうと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422243955

魔王「新婚旅行?」

女勇者「うん・・・。・・・だめ?」

魔王「・・・そうだな、少し待ってくれ。側近、いるか?」

側近「ここに。」パシュン!

魔王「今後のスケジュールは?」

側近「今月は再建した温泉施設運営の具体的な打ち合わせと襲撃されたゴーレムの街、メルガルドの復興に向けての会議が連日・・・」

側近「来月は、平和式典と世界会議、各国への訪問が二週間に渡って予定されています。」

魔王「・・・ふむ・・・。」

側近「その後も随時、政務が続いております。」

女勇者「忙しい・・・ね。えへへ、ごめんね!わがまま言っちゃって。気にしないでよ!」

魔王「・・・・・。側近。」

側近「はい。」

魔王「温泉施設の段取りはお前に任せる。」

女勇者「えっ?」

側近「畏まりました。」

魔王「メルガルドはドラゴンに任せる。エルフの識者も何人か手配しろ。」

側近「すぐに通達致します。」

魔王「俺は明日から二週間休暇を取る。緊急時以外は連絡するな。」

側近「仰せのままに。」パシュン!

魔王「うむ。」

女勇者「えっ?あ・・・え?まおう・・・。」

魔王「明日から出発だ。準備は二人で、だったな。」ニコッ

女勇者「まおうぅぅ!!大好きぃ!!!」ガバッ

魔王「うおっ!」

女勇者「何で!?なんでそんなに優しいの!?」

魔王「フフ。嬉しいか?」

女勇者「すっっっごぉぉぉく!!!!」

魔王「そうか。君が喜んでくれて俺も嬉しいよ。」

女勇者「もう!しあわせすぎるぅ~!魔王だいすきぃ!!」スリスリ

魔王「それで?どこへ行くのだ?」

女勇者「えへへ~。ここに行きたい☆」スッ

魔王「DASH島?」

翌日 魔王城 正門前


魔王「では行ってくる。頼むぞ、側近。」

側近「お任せ下さい。良き休暇を愉しまれます様。」

女勇者「行ってきます!側近ちゃん!それにこんなガイド本まで作って貰っちゃって、本当にありがとう!」

魔王「俺にも渡されたが、何なのだこれは?」

側近「恐れ入ります。そのガイド本は魔王様と女勇者様で少し内容が違います。後は読んでからのお楽しみです。」ニヤァ

魔王「・・・嫌な予感しかしないぞ?」

女勇者「まぁまぁ!折角作ってくれたんだし~、楽しみの一つって事で!」

魔王「フフ、そうだな。そろそろ行こう。船が出てしまう。」

女勇者「は~い!じゃあ行ってくるね!」

魔王「留守を頼んだぞ。」

パァァァ

側近「畏まりました。」

魔王「うむ。」

バシュン!

側近「楽しい楽しい物語の始まりですねぇ。」ニタァー☆

シェルキア国 港町 ラブスカ


バシュン!

魔王「よし、まだ船は出てないな。」

女勇者「でも何だか様子が変だよ?」

船員「あっ、船に乗られる方ですか?」

女勇者「そうですけど・・・何かあったんです?」

船員「いやぁ、新入りがヘマしましてね。ちょっとエンジンの調整中なんですよ。出航まで一時間くらい遅れそうなんです。申し訳ありません。」

女勇者「そうなんだ、どうする?」

魔王「そうだな、ふむ・・・待ってても良いが・・・。」

女勇者「せっかくだしこの辺を見てまわろうよ!港街なだけあって色んなお店があるよ!」

魔王「それもそうだな、よし、では行こう。」

女勇者「じゃあまずあそこのケーキ屋さんから~☆」ビュン!

魔王「・・・・まあ、予想してたがな。」

ケーキ屋 『エンジェル・COCO』


女勇者「キャー!キャー!キャー!」

魔王「少し落ち着け。」

女勇者「無理無理!こんなに沢山のケーキ初めて!!」

魔王「確かに、これはなかなか壮観だな。」

店員「お客様。この店では世界各国、最近では魔界の材料も使ったケーキも取り揃えているんですよ。」

魔王「魔界の?」

店員「はい。特にこの”ショコラ・オ・側近”は当店の一番人気なんです。」

魔王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

女勇者「これ、この前側近ちゃんが食べさせてくれたヤツじゃ?」ヒソヒソ

店員「このケーキは以前魔界に材料を取りに行ったパティシエが道中で作り方を教わったらしいですよ。その方は側近という名前だけ残して去っていったそうです。」

店員「その方に感謝を込めてケーキに名前を勝手に入れているんです。」

女勇者「ねぇ魔王。」

魔王「ん?」

女勇者「今ガイドブックみたら、これ・・・。」

ガイドブック

港町で時間があるようならケーキ屋”エンジェル・COCO”に行ってみよう!!そこの一番人気はきっと気に入りますよ☆

魔王「確信犯だな。」

女勇者「抜け目ないね。とりあえずそれホールで下さい。」

魔王「えっ?」

女勇者「あとこのキャラメルクリームとマロン・マロンも、バター梨とマルカ苺のタルトも貰おうかな。あ、ホールです、全部。このエリアは以上かな。包んどいて下さい、まだ奥にも行かなきゃいけないんで。」

店員「・・・・・パーティーですか?」

魔王「・・・・・何も言うな。」遠い目

30分後

店員「あ、ありがとうございました。」

女勇者「えへ、えへへへへへへへへへ☆」

魔王「・・・・・食えるのか?」

女勇者「楽勝だよ~☆寧ろこれでも絞ったんだから!」

魔王「そ、そうか・・・・。」

女勇者「そろそろ港に行こうか。ぼちぼち乗船時間だし。」

魔王「結局ケーキ屋しか行けなかったな。」

女勇者「気にしない気にしない!行こ!」




船員「大変お待たせしました。只今乗船受付中です。」

女勇者「ピッタシだね~。ほら魔王!」

魔王「う、うむ。」タジロタジロ

女勇者「もしかして魔王・・・。」

魔王「しょうがないだろ!魔界には海がないし、そもそも船に乗る必要がないのだ!」

女勇者「魔王の意外な弱点発見ね」

船員「お客様の部屋は・・・なんと!エクゼクティブスイートですか!これは失礼いたしました!直ぐに係りの者に対応させます!」

女勇者「?」

魔王「どうやら側近が色々と仕掛けているようだな。」

メイド「大変失礼いたしました。魔王様に女勇者様。私、この航海の途中周りのお世話をさせて頂きますメイドと申します。」

メイド「どんな事も私にお申し付け下さって結構です。どうぞよろしくお願い致します。」

魔王「うむ、よろしく頼む。」

女勇者「よろしくお願いします。」

メイド「ではお部屋へご案内します。お荷物も・・・どうぞ。」

女勇者「あは、あははちょっと買いすぎちゃったかな~☆」

メイド「うふふ、私もあの店のファンなんですよ。仕事が終わるとついつい寄っちゃうんです。」

女勇者「そうなんですか!?あんな夢のような店にいつでも行けるなんて羨ましいです!」

メイド「帰る頃にはちょうど新しい商品が出ていると思いますよ。是非立ち寄ってみてください。」

女勇者「そうなんですか!絶対行きます!」

魔王「女勇者、そろそろ行こうか。」

女勇者「おっと、ごめんね。じゃあメイドさん。」

メイド「はい、ご案内致します。」

船内 特等客室


女勇者「キャーーー☆☆!!」

魔王「これはまた豪勢な部屋だな。」

メイド「ありがとうございます。こちらのお部屋はEXスイートと言いまして、当船が誇る最高級の客室でございます。お部屋の説明を?」

魔王「頼む。女勇者、部屋の説明だ。」

女勇者「ちょっと待って!ここも、ここも、すごーい!こっちも部屋だー!」

魔王「・・・女勇者。こっちに来い。前にも言ったろう?」

女勇者「あっ・・・と・・・。ごめんなさい。」スッ

魔王「素直なのは君のいいところだ。すまないな、頼む。」

メイド「恐れ入ります。では説明をさせて頂きます。」

メイド「まずこの場所ですが、当船の最上部に位置しておりましてこのフロアはこの部屋のみです。」

メイド「移動には客室を出られまして正面にあります魔法陣にてそれぞれ目的の場所に行かれて下さい。」

メイド「魔法陣は全部で5つございます。甲板、カジノ、食堂、ロビー、そしてサロンになります。その他の目的地へはロビーから行かれると宜しいかと思います。」

女勇者「ねぇ魔王?」チョンチョン

魔王「なんだ?」

女勇者「サロンってなに?」

魔王「質の高い交流所のことだ。後で一緒に行ってみよう。」

女勇者「うん☆」

メイド「続きまして、お部屋の説明をさせて頂きます。このEXスイートルームは全12部屋からなります。」

女勇者「12部屋!?」

メイド「はい、ですので大所帯で来られる方もいらっしゃいます。今回はお二人ということで配置もそのようにさせて頂きました。」

魔王「それは楽しみだ。」

メイド「ありがとうございます。部屋の中には、居間、客室、寝室、バスルーム、食堂、シアタールーム、プール、スポーツジムがございます。好きな時に楽しまれて下さい。」

女勇者「もう・・・すごすぎ・・・。」


10分後


女勇者「ひ・・・ひろすぎ・・・。」

メイド「大体は以上ですが何かご質問はあられますか?」

魔王「大丈夫だ。ありがとう。」

メイド「恐れ入ります。ではもうすぐ出航ですので暫くお待ち下さい。私は廊下の突き当たりの管理室にいますので有事の際はインターホンでいつでもお呼び下さい。」

女勇者「ありがとう。メイドさん!」

メイド「恐れ入ります。ではごゆっくり。」スッ パタン

魔王「大丈夫か?」

女勇者「うん。でもちょっとびっくりしちゃった。」

魔王「飲み物でも入れよう、座っているといい。」

女勇者「えへへ、ありがとう。」スッ

魔王「飲み物は・・・ここか。ふむ、良いチョイスだな。魔界の酒まで置いてあるとは、女勇者にはこれだな。俺はこれを頂こう。」

女勇者「昼間から飲むの~?」

魔王「す、すまん。ダメか?」

女勇者「ん~。いいよ!但し一杯だけね!」

魔王「わかったよ。」

カラン カラン トクトク スッ

女勇者「ありがとう。これは?」

魔王「カシスシロップにオレンジの果汁を合わせたものだ。」

女勇者「それって、カシオレじゃないの?」

魔王「そうとも言うな。」

女勇者「なにそれww。乾杯。」

魔王「ん。」

カチンッ

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