垣根「俺はリアルが充実してない」 (53)
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昔書いたSSが出土したので晒しあげていきます
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421506127
それは九月初頭のスクールのアジトでの事……
心理定規「あなたって童貞でしょ」
垣根「はうあ!!!」ドッキーン
心理定規「やっぱり」
垣根「どどどど童貞ちゃうわ」ギクギクシャクシャク
心理定規「誤魔化しても逆効果」
垣根「ふ、ふざけんなよ!! 俺みてーなイケメンが童貞のわけねえだろうが!!!!
バカも休み休み言え! テメェで筆下ろすぞ!」
心理定規「童貞告白してるわよ」
垣根「あっ」
心理定規「あなた顔だけはいいんだし早く卒業したら?」
垣根「つまり……お前が俺を大人にしてくれるのか?」ドキドキ カアァ...///
心理定規「気持ち悪いから赤面して迫って来ないで。通報するわよ」
垣根「テメェ最近調子に乗り過ぎだよな。マジでレイプすんぞ」
心理定規「ゴーグル君を?」
土星「ヒッ!」ビックゥ
垣根「テメェをだよ心理定規!!!」バンッ
心理定規「テーブルに八つ当たりしないでよ。ヒビ入っちゃったじゃない」
垣根「誰のせいだと思ってやがる?」
心理定規「ゴーグル君かしら」
土星「いちいち俺を巻き込まないで下さい」
土星「ていうか……なんで垣根さんが童貞かどうかなんて話になったんスか?」
垣根「それだよそれ。俺をバカにするためか? クソ売女が。レ殺(レイプして殺すぞの略)」
心理定規「あなたこの間の任務で胸の大きい粛清対象に籠絡されてかけてたでしょ?
早目に童貞を捨てて女への幻想を捨ててくれなきゃ困るのよ」
垣根「えっ? そんなことしてないし? 勝手な妄想押し付けんなよ???」
土星「目が泳ぎまくってますよ垣根さん」
垣根「待て待て待て。なんだその目は。
俺がよほど童貞を拗らせてるみたいじゃねえか」
心理定規「拗らせてるわ」
土星「同意です」
垣根「どこがだ」
心理定規「全てよ。あなたの視線、あなたの声、全てにおいて童貞力が満ち満ちてる。
そんな状態じゃ付け込まれるわよ」
垣根「知るかよクソが。文句言うならヤらせろ」
土星「絶対に嫌です」
垣根「テメェに言ってねーよ!」
心理定規「私もあれ見るまではあなたの童貞病も放っておくつもりだったんだけど……」
心理定規「あなた、Twitterやってるでしょ」
垣根「!?」
心理定規「毎日毎日いもしない彼女のこと呟いて、サブ垢でエア彼女まで自演してリア充アピールしてるなんてね」
土星(さすがに引くわー)
心理定規「何なのよ、百合子って。どこ由来なの?」
垣根「ち、ちち違う! それは俺じゃねえ! つーかそれが俺だって証拠あんのかよ!?」
心理定規「『百合子の設定:サラサラの髪が印象的な儚げな細身の色白美少女。
俺と同じクラスの優等生で料理上手。シトラスの香り。
一見淡々としたクールな印象を持たせるが根は優しく思慮深い。
普段はツンデレだがベッドでは積極的で』」
垣根「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」キエー
心理定規「こんな設定集が詰められたノート、あなたこの間ここに忘れて行ってたわ。
試しにTwitterで調べてみたら大当たり」
心理定規「ノートの内容通りの女が『帝』ってユーザーと毎日やりとりしまくってた」
垣根「ふ、ふう……そ、そんなの書いてんのは土星だろ! 俺が作った証拠出せ!」
心理定規「ノートにあなたの指紋がベットリと」
垣根「があああああああああああああああああああ!!!!!」バンバンバンバン
テーブル「やめてえええ壊れちゃ……ぁっあ、あぁ――――――!!」バッキョオオオオオオオ
土星「テーブルが!!」
心理定規「……ってわけで、あなたも痛いのは自覚済みでしょ。
早くリアルで彼女でも作って治しなさいよ。その重い童貞病」
垣根「ぅ、うるせえ……俺は暗部だ。表の女に手出し出来る身分じゃねえ」
心理定規「ヘタレなだけでしょ。自分の幻想を守るために現実から逃げてるだけ」
垣根「だぁぁぁぁまれぇええええええええええ!!」
心理定規「ほら、三日以内に恋人作って来なさい」
心理定規「じゃなきゃあなたの痛い言動をネット内外問わず晒し上げるわよ。
とっくにあなたを追い詰めるだけの証拠は集めてるんだから」
垣根「やめてください しんでしまいます」
―――こうして垣根は彼女を作る事を強いられた。
―――
垣根「恋人作れとか……簡単に言いやがって」
垣根「やろうと思ってすぐ作れるなら苦労しねえよッ!」ガンッ
佐天「見て初春。イケメンがコンビニのゴミ箱蹴ってる」ヒソヒソ
初春「ホモにレイプされた不満への八つ当たりですかね?」ヒソヒソ
垣根「はぁ……初めてがこんな、か。
こんな状況で叶えたくねえ夢だったのに」
垣根「理想の相手探してイチャラブ甘々セックスするのがな」
佐天「イチャラブ甘々セックスとか言ってるよ初春」ヒソヒソ
初春「レイプから始まる恋もありますよイケメンさん!」ヒソヒソ
垣根「まぁいいや……探さねえと。セックスの相手」トボトボ
初春「ゲイファックコミュニティ使えばいいのに」
佐天「ホモ妄想は程々にしよう、初春」
初春「尾行しましょう佐天さん! イケメンの生ハメシーンが見れるかも!」
佐天「ホモ妄想は程々にしよう、初春」
――― in ゲーセン
垣根「よお、御坂美琴。早速だが俺の子を産んでくれ」キリッ
美琴「……」ビリビリ
垣根「無言で電撃浴びせるんじゃねえ!」
――― in ファミレス
垣根「単刀直入に言うぜ第四位。やらせろ」
麦野「虫の羽音がうぜーな。絹旗バルサン持ってない?」
絹旗「はい」ドウゾ
垣根「く……流石に傷付いた」
――― 学舎の園周辺
垣根「俺の彼女になってくれ。いっそ身体だけの繋がりでもいいから!」
食蜂「な、なんで能力が効かないのよぉ!」ピッピッ
垣根「それは運命の相手だからさ」セマリセマリ
食蜂「助けてぇ! 警備員さーん!」
<ソコノ不審ナ男何ヤッテルジャン!
垣根「チッ! 卑怯者め」
――― 公園
垣根「はぁ……俺と同じ超能力者なのになぜ分かり合えないんだろう」グヨグヨ
垣根「超能力者ってのは人格破綻者の集まりだから仕方ねえか」グヨグヨ
初春「自業自得じゃないですかねえ」ガサガサ
垣根「あぁ?」グヨグヨ
佐天「ちょっ、初春! 植え込みから隠れて見てようって言ったじゃん!」
垣根「んだよ、ずっと見てたのかよ。俺のファンか?」グヨグヨ
佐天「しまった!」
初春「これだから無能は嫌なんですよ」
佐天「シバくよ?」
垣根「俺のファンだってんなら話は早い。ホテル行こうぜ。二人まとめて抱いてやる」キリッ
佐天「あなたの脳は下半身に直結してんですか?」
初春「つまりケツビッチ」
垣根「チッ、何が不満なんだ?
こんな長身イケメンで超能力者序列二位だってのに」グヨグヨ
初春「うーん」
初春「病気持ってそうなところでしょうか? 」
垣根「性病なんて罹ってねーよ!! 感染経路にすら至ってねえんだからよ!」
佐天(童貞なんだ……)ワァ
初春(童貞非処女かぁ……アナルから病気入ってないといいけど)ホヘェ
佐天「あと高校生にもなってスプリング式遊具で遊んでるところとか」
垣根「へえ、この動物のグヨグヨする遊具ってそんな名前なんだ」グヨグヨ
垣根「お前有能だな」グヨグヨ
佐天「えっ」ドキッ
初春「無能尻軽佐天ビッチさんチョロすぎますよ!!」
佐天「どっせい!」バッキィィッ
初春「あいててー」
垣根「近頃の女子中学生ってのはアグレッシブだな」グヨグヨ
佐天(ていうかいつまでパンダの遊具に乗ってるんだろうこの人)
垣根「はぁ……俺さ、今脅されてて彼女作らないと社会的に殺されそうなんだよ。
だからなれ。俺の彼女に」グヨグヨ
初春「彼氏じゃ駄目なんですか?」
垣根「俺はノンケだぁぁぁ!!」ガンッ
佐天「パンダの遊具の頭の部分がへこんだっ」
佐天「ていうか、どういう状況なんですか、それ」
垣根「まあ、弱みを握られてな……」グヨグヨ
佐天「彼女を作るだけなら、ナンパでもしたらいいんじゃないですか?
見た目だけならかっこいいんですから大丈夫ですよ」
垣根「見た目だけとはなんだテメェ。つか、見た目だけで惚れられたくない」
垣根「そんなの愛されてると思えない」グヨグヨ
佐天(めんどくさっ)
初春「見た目だけで選ばれて愛の無い抱かれ方をしたんですね……可哀想で可愛いです」
垣根「んなわけねえだろ! ……あれ? あれは……いやいや、違うだろ、うん」
佐天「あっ……(察し)」
垣根「とにかく俺は愛するより愛されたい! 愛されきゅんきゅんイチャラブセックスしたい!」
初春「わがままな人ですね~」
垣根「そりゃ第二位だからな」
初春「第二位ってぶっちゃけかませの権化みたいな順位ですよね」
佐天「こんな人が学園都市のトップクラスなんて失望しちゃうなぁ……」
垣根「お前らいい加減にしないと力づくで犯すからな?」
初春「そんなかませ童貞のために協力しようとしてんじゃないですか!!」バゴッ
垣根「マジでっ」ガツォンッ
佐天「連続攻撃でパンダの遊具の頭がもげたっ」
首の無いパンダの遊具「」
垣根「協力って一体どんなだよ? やっぱりやらせてくれんだな? や、優しくするから……」ドキドキ
初春「そんなわけないじゃないですか。男のくせに女に走るなんて生殖が必要な弱者のする事……。
超能力者の第二位という完成された強者にとって必要ないのでは?」
垣根「ふうん、それもそうだな」
垣根「とでも言うと思ったか?」
初春「言っても不思議はないですね。というのはさておき、本当に彼女が欲しいんですか」
垣根「欲しい……し、出来なきゃならねえって言ってるだろ」
初春「それなら、あなたに彼女が出来るように応援しようっていう意味ですよ」
垣根「野イケメンをプロデュース?」
初春「そういうことです」
垣根「そ、そんなんされても嬉しくねーよ!」ニヘー
初春「リアルツンデレは痛いです」キモッ
佐天(録画してるマイアミ見たい……帰りたい……)
―――
初春「いいですか、垣根さん」
垣根「なんだ? 飾利」キリッ
初春「名前で呼ばないでくださいよ気持ちが悪い……」
垣根「……悪い」ショボンヌ
初春「馴れ馴れしいと嫌われますよ。そんなことも分からないんですか?
何年生きてんですか? そろそろ死ぬんですか? 10月9日で寿命尽きるんですか?」
垣根「死なねーよ! 永久に生きまくるわ!」
初春「とにかく、あなたの駄目なところはそこです。
相手の気持ちも考えずに馴れ馴れしく絡んで自分の願望を押し付けるところが駄目なんです」
初春「本当に駄目な人ですね」
垣根「三回も駄目って言うんじゃねえ!」
佐天(初春ちょっと前まで控えめだったのになんでこうなっちゃったんだろう……)
初春「あと、ファッションですね」
垣根「はぁ? カッコイーだろ」
佐天(ああ、初春が変わったのってあの時からか)
初春「なんなんですか? そのセーターを地肌に、その上からワイシャツ……意味不明です」
垣根「自分らしさの演出ってやつかな」
初春「黙れスイーツ! ちゃんと服を着なさい!」
佐天(コミックマーケットin学園都市)
垣根「なんでそんなとこまで駄目出しされなきゃなんねえんだよ!
いいじゃねえか! ありのままの俺を愛せるように女を懐柔する方法教えろよ!」ガーッ
初春「自分が変わらないで相手を変えようとする姿勢が駄目なんですよ!」ガーッ
佐天(初コミケで同人売っていきなり神とか崇められて天狗になっちゃったんだな……)
垣根「なんで俺が変わらなきゃなんねえんだよ!
俺は第二位、長身、才気煥発、眉目秀麗の代名詞垣根帝督だぞ!」
初春「そのままのあなたが周りに受け入れられるのならなんで今まで誰もあなたを愛さなかったんですか?」
垣根「!!!!????」
佐天(初春絵ー上手いから同人誌でひと稼ぎしちゃえば? なんてあたしが言ったから……)
佐天(ごめん、ごめんね……初春)ポロポロ...
初春「周りが悪いから? 環境が悪いから? 甘えですよそんなの!」
初春「自分が変えなきゃ、変わろうとしなきゃ、何も変わりません!」
垣根「くっ……確かにそうだ。あの野郎が光を掴んだのだってあいつが自分を変えたからだ。
分かってんだよ。そんなの。でも、あいつは俺と違ってチャンスがあった。
機会さえあれば、俺だって、」
チャンスは待つものじゃなくて自分で見つけるものなんです!」
垣根「そうだな……ああ、そうだ……」ボロ...ボロ...
初春「あれっ なんで佐天さんまで泣いてるんですか?」
佐天「なんでもないよ……。目にゴミが入っただけ」
垣根「自分を変える、か……」
初春「まずは服から変えましょう。これからセブンスミストで買い物です」
垣根「俺は高級ブランドしか着ねえ」
初春「セレブ()は死ね! 学生ごときが高級ブランドなんか着てても嫌われます!」
垣根「たしかに俺みたいなノーブルな身分の人間が庶民の服着てたら親しみやすさアップか」
初春「ノーブルクソワロタ」
垣根「真顔で言わないでくれ」
――― 翌日
心理定規『彼女は出来た? 早くしないと全世界にあなたの恥ずかしい情報が配信されるわよ』
垣根「朝一にそんな電話かけてくんな!」
心理定規『この半年間のあなたの自慰のネタまで上がってるんだから早くしなさいよね』
垣根「どこから入手したのか教えろ。それに関わった奴全員殺すから」
心理定規『教えるわけ無いじゃない。あ、でもちょっと面白い情報があるわ。
昨日あなたが痛いツイ垢両方削除したから教えてあげる』
垣根「……なんだよ」
心理定規『今日の12時くらいに第七学区のジョイフルに行きなさいよ。いいことがあるわよ』
垣根「おい、どういう事だ?」
心理定規『じゃあね、童貞』プツッ
垣根のカブトムシのストラップ付き携帯「電話が切れたよ!おにいちゃん!(ロリ声)」
垣根「……心理定規め、あいつ拷問して全部吐かせてえわ、マジで。
なにかしら恐ろしい事になりそうだから出来ねえが……」
垣根(……12時、か)
時計を確認する。
午前8時。
休日に昼前に起きる必要などないが、昨夜は早く寝たので起きるのも普段より早かった。
暇つぶしとして、まず垣根はネットで「モテる方法」「セックス テクニック」と検索した。
次にエロ画像スレまとめを漁り、なんJに「勝ち組だけど質問ある?」というスレを立て、
住民にコテンパンにされ、カッとなり個人情報を流し本名と住所を特定され、顔画像が
フリー素材にされることとなった。
そうこうするうちに11時50分となった。
垣根「くっそがあああああああああああああああああああ!! 暗部ぅ!!
俺の個人情報隠ぺいしとけよコラァ!!」
垣根「なんカスも全員特定してブッ殺してやる!」
そう捨て台詞を吐いて彼はジョイフルに向かった。
時間が無いので自らの翼を使って……
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垣根「さて、ここが目的のジョイフルだな」
何の変哲もないファミリーレストランに6枚の翼をもつ見た目だけは整っている少年が降ってきたので
レストラン周囲の人々はどよめいて逃亡したが垣根は特に気にせず自動ドアから店内へと侵入した。
垣根「心理定規の話によりゃ、誰かいい女でもいそうな雰囲気だったが……
こんな雑多な店じゃわかんねえな」
もっと詳しく言えよ、と無茶なわがままを内心でボヤきつつ店内をあさる。
ちなみにこの間、垣根の翼は出っぱなしである。本人は気付いていない。
自分の方を見て色んな奴らがビックリしているのを見て「昨日初春に服選んでもらったからかな☆」と考えていた。
そんな時だった。
「あっ」
思わず垣根はそんな声を出した。
なぜなら。
彼の視線の先にいたのだ。
『彼女』が。
垣根「百合子……?」
脳内にしか存在していなかったはずのその少女が。
さらさらとした髪は絹糸より繊細に煌めき。
雪のような肌は瑞々しく。
浮世離れした風貌でありながらも伏し目で一人メニューを眺めるその少女はセーラー服と言う俗な格好で、
その首には黒のチョーカーがあり、えも言われぬ魅力があった。
垣根「ぁ、あ、」
何といって声をかければいいのか分からない。
「セックスしよっ」「やらないか?」「合体しませんこと?」
どれだ。どれがベストなんだ!?
デカい羽を広げたまま酸欠の金魚のように口をパクパクさせる垣根に、『百合子』は気付く。
百合子?「あン? なンだァ、オマエ」
垣根「!!」
予想してたより大分ハスキーボイスでガラが悪い。
だがそんなことは気にならない。
垣根「えっ、あ、いや……」
しどろもどろになる垣根の携帯が鳴り響いた。
携帯「電話だよ、おにいちゃん。早く取らなきゃ切れちゃうよぉ」
垣根「く、何だよ、心理定規か」
この忙しい時にィ! と携帯を取った垣根はいそいそと物陰に移り電話を取る。
垣根「今かけてこないでくださいよ! 殺すぞ、ムカつくんじゃ! 」
心理定規『落ち着きなさい。ね、いいことあったでしょ?』
垣根「あ、あああああああれはどどどっどういう事だよ!」
心理定規『あなたの理想の女、学園都市中漁ったら見つかったのよ。ちょっとガラは悪いけど……』
心理定規『ねえ、あなた、あの子欲しいでしょ?』
垣根「うんっ」
心理定規『そう、頑張りなさい』
垣根「アドバイスとかねえの……?」
心理定規『あの子捜し出しただけで感謝して欲しいわ。
そうね、あの子を落とさなきゃあなたの個人情報晒すから』
垣根「やだー!」
心理定規『じゃあね』プチッ
垣根「あっ」
心理定規という頼もしい仲間と見せかけた恐ろしい敵との通話が切れる。
ここから先は、正真正銘、一人の戦いだ。
垣根の心臓が高鳴る。
だが、大丈夫だ。
昨日のうちに、初春に最低限女に受ける対応を教わったのだから。
そう自分に言い聞かせ、垣根は『百合子』の元へと戻る。
垣根「悪い、待ったか?」キリキリッ
百合子?「いや誰だよオマエは!?」
垣根「俺? 俺は……垣根帝督。そ、そう、あのさ、一人、か?」
百合子?「……だったらなンだ」
垣根「だ、だったら、俺と……デートしねえ?」
周囲が一層ざわめく。
デカい羽を出した男がそんなことをほざき始めたのだから当然だ。
だが、垣根の視界にはそんなものは入らないし、耳は百合子の声、呼吸音、鼓動に至るまでを
全てつかみとらんと全力を出しているので余力は無い。
百合子?「は、はァ? 意味分かンねェ。俺はおと……つーか、なンだよ、そのメルヘンなもン」
垣根「メルヘン? あっ しまい忘れてた」
いそいそと羽を消す垣根は、どさくさで百合子の向かいの席に座りこむ。
百合子?「おい何座ってンだよ!! ってかなンだよあの羽!」
垣根「だ、駄目か……?」ウルッ
百合子「」ビクッ
百合子?(なンかこいつヤベェ!)
百合子?「帰る。ついてくンなよ」
垣根「え、ちょっと、やだ!」
百合子?「ついてくンなってンだろ!!」
店員「お客さーん! 料金はぁ!?」
料金も払わず百合子はファミレスから杖をつきながら逃げだし、垣根はその後を追う。
さあ、楽しいデートの始まりだ。
垣根の胸はそんな希望に満ちていた。
―――
百合子「クソッこンな時に……! 何しやがったあのガキィ!」
なぜかしきりに首元のチョーカーと弄りながら逃げる百合子だったが、特に何が起こるでもない。
その度に舌打ちをした彼女は垣根に腕を掴まれると絶望しきった顔をした。
百合子「なンなンだよ、オマエ!」
垣根「なあ、お前杖ついてるけど足が悪いのか?」
百合子「人の話を聞けェ!!」
垣根「行きたい場所があったら俺が運んでやるよ。お姫様だっこで」キリッ
百合子「行きたくねェ! 離せ!」
垣根「イきたくない? 焦らされるのがいいのか……エロいな」ハァハァ
百合子「」
垣根「あっ」
初春曰く、頼りがいのあるところを見せろということ。
そして、すぐ下半身に繋がる話はやめろということ……。
二つ目の忠告をもう破ってしまった。
垣根「あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああ!!」ガタガタガクガクガクガク
百合子「!?」ビクッ
垣根「嫌わないで! お願い!」
百合子「最初から嫌いだよォ!!」
垣根「なあんだ、0からの出発だったら問題ねえな」ホッ
百合子「マイナスからの出発だァ! どこまでポジティブなンだオマエ!?」
垣根「さ、デートしようぜ、デート」ニッコニコー
百合子「しねえええええええええェェェェェェ!!」
初春曰く、押しの強い男がいいとのこと。
多少強引でもイケメンなら許されるのだろう。
垣根はそう思ったのだ。
―――
垣根(やべえ、勢いでデートに誘ったけど……)
垣根「動物園でよかったのかな? お前、喘息だったりしねえ?」
百合子「しねェよ……じゃなくて!!」
百合子「手ェ離せや!!」キシャー
垣根「……この繋がりを失いたくない」ギュゥ
百合子「気持ち悪っ」
垣根「む……今晩、いや三分後にでもキモキイイ! って叫ばせてやる」
百合子「」ゾォ
垣根「おっ見ろ百合子! サルが交尾してる!」
百合子「オマエも混じってこいよ」
垣根「お前としか交尾したくない」ダキツキ
百合子「抱きつくなキメェ!!」
百合子(つーか下腹になンか固いの当たってるゥゥゥゥゥゥ!!)カタカタカタカタ
垣根「寒いのか?」
百合子「お前といるとな」
垣根「じゃ、じゃあ膣内(なか)にあったかいミルク注ぎ込んでやろうか……?」ドキドキ
百合子「やめろォォォォォ!!」ジタバタ
絹旗「あれ、あそこにいるの第二位じゃないですか?」
麦野「うわっアレに捕まった女がいるとか世も末ね……」
垣根「百合子ぉ……」
百合子「誰だそりゃァ! 俺そンな名前じゃ……いや、より面倒になりそォだからやっぱいいわ」
―――
垣根「あっほら百合子! お前とそっくりな兎だ」
百合子「どこがだ。あとお前はサルそっくりだな」
垣根「俺ほどのイケメンがサルだとぉ?」
百合子「原始人未満の理性しかねェくせに」
垣根「馬鹿野郎、俺に理性が無かったらとっくにお前は貫通済みだ」
百合子「もォ帰らせろよマジで」ゲンナリ
垣根「今夜は帰さない。その翌日も、その次も、ズ ッ ト オ マ エ ト イ ル」
百合子「おーい警備員こいつしょっぴいてくれ」
警備員「アベックは死ね!」
百合子「おい助けろコラ」
―――
垣根「キリンさんだよ百合子」
百合子「見れば分かるわ……」
垣根「あいつの頭……ツノんとこにまたがらせてやろうか?
キリンさんを見に来た子どもたちの前でよがれ」
百合子「ある種の虐待だぞそれは」
垣根「言っておくがな、ヤツのツノより俺の股間のツノの方が三兆倍気持ちいぞ」
百合子「汚ェもン考えさせンな!」
垣根「へえ、想像したんだ……へえ」
百合子「ぷっちょの容器の方がまだマシな気しかしねェよ」
垣根「それ使ってるのか……? 淫乱だな」ニヤニヤ ムクムク
百合子「ちが」
垣根「てか、あのフタのでっぱりんとこどうす……」
百合子「ンなもン使うかァァァ!! 底の方から挿入するンじゃねェの!?」
誰か1「……」
誰か2「……」
幼い男児のように無邪気にはしゃぐ垣根、そして垣根に手を掴まれていて逃亡できない
憐れな百合子を見つめる者たちがあった。
誰か1「可愛いですね、垣根さん。……本気で『百合子』を女と思いこんでるみたいです」
誰か2「初春……事実がバレたら垣根さんにレイプされるかもしれないよ?」
心理定規「大丈夫よ。あいつの弱みはちゃんと握ってるから」
初春「メジャーさん!」
佐天「あ、はじめまして。あの、今回の事……いいんですか?」
心理定規「いいのよ。あいつは一時的にでも女と認識できる存在を遊べたし、花冠さんも楽しめて誰も傷つかないわ」
佐天「あの、話が見えないんですが」
打ち止め「よし、ミサカが説明してやろう、ってミサカはミサカはメジャーさんの計画を黒髪ロングさんに暴露してみる」
佐天「えっ 何この子……こんなちっちゃい子までこんな不健全な遊びに巻き込んでるの!?」
打ち止め「むう、ちっちゃくないよ! えーと、そうだ。計画だったね、ってミサカはミサカは気を取り直してみる」
打ち止め「始まりは花冠さんが『イケメンの生ハメセックスが見たい』ってツイッターで呟いたこと」
佐天「セックスとか言っちゃ駄目!」
打ち止め「今時小学三年生だって習うもん、ってミサカはミサカは言い放ってみる!
でね、花冠さんの呟きにメジャーさんがリツイートしたの」
打ち止め「見た目だけはいいけど、どれだけ酷い扱いしても心が痛まない奴がいるって」
佐天「す、荒んでいる」
打ち止め「そのイケメンさんのド真ん中ストライクなルックスの女装少年と生ハメセックスをさせようって
計画が出来たんだ、ってミサカはミサカは続けてみる」
打ち止め「メジャーさんは花冠さんの同人誌に感動したファンだったの。だから花冠さんを喜ばせたかった、
ってミサカはミサカは補足してみる」
佐天「そ、それでアホ毛ちゃんはなんで巻き込まれちゃったの……?」
打ち止め「定規お姉ちゃんとはオンラインゲームで知り合ったんだけど、あそこの『百合子』に
ある程度言う事聞かせられるからお願いって頼まれたんだ。
今回はミサカが不正で勝利したゲームで敗者になったあの人に今日一日罰ゲームとして女装させたの。
ってミサカはミサカは無い胸を張ってみる」
打ち止め「途中で女装やめたり性別明かしたら市中引き回しの刑+αに処すというルールにしたよって
ミサカはミサカはついでに付け加えてみる」
佐天「ってかよくない! 悪い!」
初春「佐天さん。正義はどうしてあると思いますか?」
佐天「もぉーどうでもいいよ! そんな哲学的な話は!」
初春「悪があるから正義があるんです。だから悪は正義なんです。正しいんです」
佐天「こんな風紀委員いやああああああ!!」
初春「じょ、冗談ですってば! 誰も傷つかない悪は許されるんです」
佐天「それもどうなの……」
心理定規「そういうものよ……世の中って」
打ち止め「悲しい世界だね……ってミサカはミサカは嘘泣きしてみる」
打ち止め「それに、あの『百合子』はね、誰かに好意をもたれるのがすごく好きなんだ。
だからいいんだよ、ってミサカはミサカは断言してみる」
佐天「そ、そう……って破局したら逆効果じゃないの!?」
心理定規「まあ、そこはどうにでもなるから……」
―――
百合子(ヤベェ……)プルプル
垣根「あ? どうしたんだよ」
百合子「うっせえ! いい加減手ェ離せ!」
垣根「この手を離したら死ぬかもしれないんだぞ! 俺が」
百合子「死ね!」
垣根「なんでそんなにいやがるんだよ……あ、もしかしてトイレ行きたいのか?」
百合子「」ギク
垣根「へ、へえ……」トキメキ
百合子(もう嫌だ助けてヒーロー)
垣根「そーだ。トイレ行きたいなら手ぇ離してやるぜ?」
百合子「……」
垣根「代わりに俺にチューしろ。口にだぞ」
百合子「言うと思ったわ……」
垣根「ほら! キッス! キッス! ハリーアップ!」
百合子「嫌だってンだろ!!」
垣根「お前の生放尿ショーとお前からのキスは等価だ。なあ、選べよ」
百合子「チッ、クソ……限界だ。あのガキに何をされるかはもォどうでもいい。
……あいつのことだ、どォせ大したことはされねェだろうしな」
百合子「おいクソ野郎。俺は男だ」
垣根「は?」
百合子「オマエは男を勝手に女と勘違いして舞い上がってただけだ。
だからもォ離せ。オマエの欲しい女なンてどこにもいねェ」
垣根「そんなわざとらしい嘘に誰が引っ掛かるか」
百合子「本当だってンだよ!!」
垣根「……はは、そうか」
垣根「そんなに俺が嫌いなのか……」ウルッ
百合子「うン」
垣根「わーん!」ビエー
百合子「は、まだ信じられねェなら股間の証拠見せてやる。だからさっさと解放しろよ」
垣根「証拠……ねえ。どこで見せるんだよ? ここで?」
百合子「警備員に捕まるだろ!」
垣根「しょうがねえな。そこの物陰で勘弁してやるよ」
百合子「なンで上から目線なンだオマエ」ビキビキ
☆物陰☆
百合子「クソ、一瞬で理解しろよな」
垣根「ガン見したいぜ。お前の股間」
百合子「オマエの惨めな幻想は崩壊するわボケ」
百合子は何の恥ずかしげもなく、自らのスカートをたくしあげ、下着をずらす。
垣根「あっ……」
確かに、百合子の股間にはブツがあった。
短小な上に包茎な、幼い男児と同じような大きさのピンク色の陰茎が。
垣根「……」
百合子「いつまで見てンだよ!」
垣根「……悪くねえ」
百合子「え」
垣根「百合子っ」ギュッ
百合子「俺は男だってオマエ分かってンだろ!? ホモかよ!!」
垣根「や、ほら。……ちんちん小さいから問題ないかなって」ハァハァ
百合子「どォいう価値観!?」
百合子(ってこいつマジで勃起してやがる!!)ガビーン
垣根「俺の彼女になれ! 百合子!」
百合子「俺は男だァァ!!!」
垣根「うるせえ! そんな恰好で誘惑しやがった売女がほざくな!」
垣根「今すぐ合体しようぜ」ヌガセヌガセ
百合子「やめろおおおおおおおおおおおォォォォォォォォォ!!」ブルブルブル
☆ゆかいな仲良し動物園の広場☆
<ヤメロオオオオオオオオ
上条「ん? これ……一方通行の声か」
美琴「うわ、あんな奴までここに……?」
禁書「また奢ってくれるかも!」
御坂妹「……何やらとんでもない事になっているようですね」ボソッ
食蜂「あらぁ……本当ねぇ」
削板「第一位が悲鳴を上げるとは、ただ事じゃないな」
麦野「あぁ? 第一位までいんのかよ」
絹旗「超最悪ですね」
滝壺「……あくせられーたのピンチ?」
浜面「この動物園の客の戦闘力ハンパねえな」
フレンダ「案外第2位にでも襲われてるのかもねー」
フレメア「大体、男同士でそれはありえない、にゃあ」
☆楽しい物陰☆
垣根「好きだ……愛してる」チュッチュッ
一方「ぎゃあああああ!!」ビクビクッ
垣根「あんまり綺麗に女装してるから気付かなかった。お前、一方通行だったんだな」
一方「そォだよ! 能力戻り次第オマエ殺すぞ!!」
垣根「今日で手篭めにするからそんな精神もすぐに死ぬさ」ケツノアナグリッ
一方「いっでええェェェェ!! いやだァあああああああ!! つか、小便してェンだよ!!」ブルル
垣根「ここでしていいんだぞ?」キョトン
一方「いいわけあるかああああああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」ヒッギィ
<ワイワイガヤガヤ
<声コノヘンカラシタゾー
<アクセラレーターオーイ
一方「ひっ!?」
垣根「ん……ギャラリーが来たか?」
一方「頼むからここから立ち去らせろ、なァ!?」ガタガタ
一方「つか、便所行かせろ! せめてあいつらに見えねェし……」
垣根「つっても、ここから全裸で出るのは無理だろ。警備員に捕まる」グリグリ
一方「ひっ、う、服を着させろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
垣根「女物の服を着せる方法なんて分かんねえ」グリグリ
一方「ゥ、あァ! 死ねよクソ童貞!」
垣根「すぐテメェで下ろすっつの」
一方(あ、やべ……マジで小便が……)
垣根「一つになるぞ! 一方通行!」
一方「やめ……―――!!」
ズブッ
フレンダ「第一位がホントーに男に強姦されてたらどうする?」ワクワク
麦野「どうもしねえよ!」
浜面「お前そんなん好きなの……?」
フレメア「お姉ちゃんは悪ふざけが好きなだけ、にゃあ」
絹旗「なんか超嫌な予感がします」
滝壺「ムービー撮る準備はできてる」
上条「まあ、襲われてたら助けねえとな」
削板「うむ。第一位をそんな目に合わせるほどとはどんな奴なんだ」
美琴「ちょっとー、本気の訳ないよね? あいつに限ってそんな」
御坂妹「……」
禁書「白い人なら大丈夫だよ、多分。アイス奢ってもらお!」
食蜂「(純粋な子には見せられないわねえ)
……ほら、お金あげるからアイス買いに行ったほうがいいんじゃないかしらぁ?」
禁書「アイス!? ありがとー星の人!」
食蜂「ほ、星の人……?」
上条「ここかな? おーい、いるか、一方通……」
上条「」
☆物陰のさらに影☆
初春「あっちゃー。御坂さん達も来てたんですね」
佐天「ちょっ! やばいよこれ! 垣根さん達が見世物になるよ!?」
心理定規「可哀想ね、第一位」ニコニコ
打ち止め「こうやって大人になるんだねって、ミサカはミサカは微笑ましい気持ちになってみたり」ニコニコ
佐天「病気だ! あんたら心の病気!」
初春「あっ、皆さんが到着しましたね」
佐天「ああ……」
☆物陰☆
上条「」
麦野「何止まってんのよ、グズいわね……そっちに何があんのよ」スッ
麦野「……、うわ」
皆「オイオイ ナニガアッター? ウッ」
一方「み、見ないでくれェェェ!! ゥ、あ、あァァァン!」ビクッビクッ
一方「ひっ、も、駄目、だァ……っ!」チョロロッ
垣根「我慢できなくなったか? おもらししてやんの」パンッパンッ
一方「もォ、やっ、やだァァァ」ビックンビックン チョロロロロロ
そこにあったのは。
異常な光景だった。
全裸の男が二人、チンとケツでつながっていた。
ペニスをアナルにつき込んだ派手な男が動くたびに、その前にいる白い男の体が撥ねる。
アナルでペニスをくわえ込んだ白い男はペニスの先端から放水し、足元に黄色の水たまりを作っている。
特有の臭いはその水が尿であることを示していた。
垣根「ほら、一方通行。皆さんに見てもらえ。
俺はケツ犯されながら嬉しくて小便漏らす犬以下の変態ですってよぉ!!」
一方「違うゥゥ!! 違うンだァァァァァァ……」ポロポロ ジョロロロ
美琴「あ、あ……」ガタガタ
美琴「」フラッ
食蜂「あまりの光景に御坂さんが気絶したわぁ」キャッチ
食蜂「御坂さんの電磁バリアーが無い今のうちにちょっと悪戯しちゃうゾ☆」ネコニナーレ
上条「……」
フレメア「にゃあ、にゃ、にゃ……」
フレンダ「見ちゃ駄目よフレ……手遅れだった」ダゥー
浜面「第一位と、第二位、が……ど、どうすればいいんだ俺!
えーと、そうだ。とりあえず撮影しとこうっと!」ピロリーン
絹旗「クレープ屋の前に超置き去りにした黒夜に写メと位置情報送っときましょう」ピッピッ
黒夜「あ、こんなところに! なんで置いて行くんだよ!」
黒夜「ひっ」
絹旗「超グッドタイミングですね。見て下さいよあれ。ウルトラC級映画でも……」
黒夜「ひっ、ひ、びえええええええええええん!!」
麦野「あーあ。ガキの精神じゃ耐えられねえな、この精神汚染」カシャカシャ
滝壺「むぎの、ムービーも撮影中だよ」ジー
上条(なぜ俺は勃起しているんだ)
一方「ひっ、ひっ、いひ、ィ……」ビクンッビクンッ チョロロロロ
垣根「まだ小便止まんねえの? 我慢しすぎだろ」パンッパンッ
削板「おお……、お前らそんな関係だったのか?」
垣根「俺と一方通行はずっと前から恋人同士だよ」チュッチュッ
一方「ち、が、ァああっ!!」ビグンッ チョロッチョロッ
削板「素晴らしいな、愛ってのは」サワヤカ
上条「これも愛かぁ……」ヘェー
一方「クソがァ! 絶対、何があっても、俺はこンな奴に屈しねェぞ!!」キリッ ドッピューッ
垣根「体は正直だな……心と体の差はすぐに埋まる……ククク」パンパンッ
一方「あァンっらめっ」ビククッ
一時間後、一方通行は快楽に屈し垣根帝督との愛欲の日々に溺れることとなった。
それから数か月が経ち、一方通行の力と垣根帝督の力が掛け合わされたことで純粋な男性である一方通行の腹に
赤ん坊が宿るという人類史上初の奇跡が起こった。
この事態を受け、第二の神の子の誕生を危惧した十字教が学園都市に総攻撃を開始し、
魔術側と科学側の全面戦争へと発展するが大宇宙の長い歴史の中ではどうでもいいことだった。
――― 終わり ―――
ぷっちょのフタんとこのでっぱりいつの間にか無くなってたらしいですね
このSSまとめへのコメント
ガチ酷いが、最近こういうSS貴重なので嫌いじゃない