雪歩「ある日の風景1224」 (69)

朝 事務所 九時


春香「うぅ~!さむいさむい!おはようございます!」

雪歩「あ、おはよう春香ちゃん」

春香「おはよ~雪歩!…あれ?雪歩だけ?」

雪歩「うん。さっきまで音無さんがいたんだけど、ちょっと買い出しにって出てっちゃった」

春香「そっかぁ。プロデューサーさんは?」

雪歩「私は見てないけど…早朝からやってる四条さんのロケの方じゃないかなぁ?」

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雪歩「はい、あったかいお茶。どうぞ」

春香「ありがとー。雪歩はこの後お仕事?」

雪歩「ううん。私は美希ちゃんと一緒にボーカルレッスンしようって。春香ちゃんは?」

春香「私は十時からやよいと一緒に番組収録だよ」

雪歩「十時…まだ少し早いね」

春香「うん。ちょっと事務所でゆっくりしようかなって」

雪歩「最近ずっと忙しいもんね」

春香「うん、でもお仕事がたくさんあるのはありがたいし、楽しいから!」

雪歩「ふふ、春香ちゃんらしいね」

春香「えへへ…あ、私今日もお菓子作ってきたんだー!…ジャン!春香さん特製、柿の種~!!」

雪歩「へぇ~、すごいね春香ちゃん。柿の種まで作れるんだ」

春香「意外とカンタンに作れるものだよ?ささ、食べてみて食べてみて!」

雪歩「じゃあ少しもらうね…」

春香「どうかな?私的には、なかなかよくできたと思うんだけど…」

雪歩「…うん!すごくおいしくできてるよ!」

春香「ホント!?よかった~、えへへ。雪歩のお茶と合うかなって思って作ってみたんだ!」

雪歩「そうなんだ~。…うん、お茶にも合うね、えへへ」

春香「ふっふっふ、なんと春香さん、今日はもう一つ用意してますよー!」

雪歩「え?」

春香「…はい!お誕生日おめでとう、雪歩!」

雪歩「あ、ありがとう春香ちゃん!」

春香「何にしようかなって思ったんだけど、私はやっぱりケーキを作って来ました!」

雪歩「わっ…こ、これ春香ちゃんが作ったの?本当にすごいね…お店で売ってるものみたい…」

春香「この上の砂糖菓子、雪歩をイメージして作ったんだけど、どうかな?」

雪歩「すっごくかわいいよ!本当にありがとう!春香ちゃん」

春香「うん!よかった~喜んでもらえて」

雪歩「春香ちゃんは今日お仕事終わったら事務所に戻ってくる?」

春香「うん。八時にはちゃんと戻ってくるよ」

雪歩「それなら、ケーキはとりあえず事務所の冷蔵庫に入れておくね。後でみんなで食べよう?」

春香「そうだね。雪歩は、何時からレッスン行くの?」

雪歩「えっと…もうすぐ美希ちゃんが帰ってくるから、そしたら一緒に行こうって」

雪歩「春香ちゃんは?やよいちゃんも一回ここに来るの?」

春香「ううん。やよいは直接現場に行くみたい」

春香「じゃあ、私はそろそろ行こうかな」

雪歩「そう?まだ早い気もするけど…」

春香「ううん!やよいなら早めについてそうだし、私も早く着いとこうかなって!」

雪歩「そっかぁ…じゃあお仕事がんばってね、春香ちゃん」

春香「うん!行ってきます!」

朝 事務所 十時前


美希「ただいまなのー!」

千早「ただいまもどりました」

雪歩「おかえりなさい、二人とも」

美希「ただいまなの!…むっ、雪歩、一人で何食べてるの?」

雪歩「あ、これ?柿の種だよ、春香ちゃんが作ってきてくれたんだ」

美希「春香が?ミキももらっていい?」

雪歩「もちろん。じゃあお茶入れるね。千早ちゃんも飲む?」

千早「ありがとう、萩原さん。いただこうかしら」

雪歩「うん。じゃあいれてくるね」

千早「私も手伝うわ」

美希「やっぱりおいしいの!さすが春香なの!」



雪歩「お茶が入ったよ~」

美希「ありがとうなの~」

千早「もう、美希。少しは手伝いなさい?」

美希「ミキが手伝わなくても雪歩のお茶はすっごくおいしいから、必要ないって思うな」

雪歩「ふふっ。ありがとう」

千早「もう…」

美希「はふぅ。雪歩と千早さんのお茶と春香の柿の種のおかげで幸せなの…」

千早「萩原さん、今日、誕生日よね?おめでとう」

美希「そうだ!おめでとうなの!」

雪歩「ありがとう、美希ちゃん、千早ちゃん」

美希「えーっと…はいコレ!誕生日プレゼントだよ!」

雪歩「わぁ…ありがとう、美希ちゃん」

美希「うん!さっそく開けてみて欲しいの!」

雪歩「じゃあ……あ、髪留め?」

美希「そうだよ。雪歩に似合いそうだなーって思って選んだの!かわいいでしょ?」

雪歩「うん!本当にありがとう」

美希「えへへ…じゃあ、さっそくミキがつけてあげるね」

雪歩「あ…じゃあ、お願いしてもいいかな?」

美希「うん!よい…しょっと」

雪歩「ど…どうかな?」

美希「…あはっ☆やっぱり似合うの!ね!千早さん!」

千早「ええ、本当によく似合っているわ」

雪歩「ふふっ」

千早「えっと…私からは、これを。喜んでもらえるか、わからないけれど」

雪歩「ありがとう、千早ちゃん。開けてもいい?」

千早「ええ、勿論」

雪歩「これは…CD?」

千早「一応、萩原さんが好みそうなものを選んだのだけど…」

美希「千早さんったらね、プレゼントのために、765プロのみんなに雪歩が好きな音楽とかを聞いて回ってたんだよ?」

雪歩「そうなの?」

千早「ちょっ、美希!」

美希「あはっ☆おこらないでほしいの☆」

雪歩「えへへ…千早ちゃん、ありがとう」

千早「もう…」

美希「千早さん照れてるー。かわいいの!」

千早「もう!美希!からかわないで!」

美希「いやんなの☆」

雪歩「ふふっ」

千早「まったく…。萩原さんは、この後仕事?」

雪歩「ううん、美希ちゃんのお仕事まで一緒にボーカルレッスンしようって」

千早「そう…、美希の仕事は何時からなの?」

美希「一時半からだから、レッスンは十二時過ぎまでだね」

千早「十二時…私もついて行っていいかしら?実は、私もこの後一時ごろまですることがなくて…」

雪歩「私は大丈夫だよ。美希ちゃんは…」

美希「モチロンだいじょーぶなの!」

千早「よかった。じゃあ、そろそろ行きましょうか」

雪歩「そうだね」

美希「ねぇ、レッスンの後どっかお昼ご飯食べに行かない?」

雪歩「うん。私は大丈夫だよ」

千早「ええ。私も」

美希「決まりだね!じゃあレッツゴーなの!」


昼 事務所 一時前


雪歩「ただいまですぅ」

響「お、雪歩おかえり!誕生日おめでとうだぞ!」

雪歩「ありがとう響ちゃん」

亜美「あ!ゆきぴょんおっかえりー!」

真美「誕生日おめでとーぅ!」

雪歩「ふふ、ありがとう二人とも」

響「雪歩、今時間ある?もうすぐ出る?」

雪歩「ううん。まだ少しゆっくりしてから行こうかなって」

雪歩「あ、そうだ。これ、お茶菓子買ってきたんだけど、どうかな?」

亜美「ホント!?モチロン食べるっしょ!」

真美「ゆきぴょん…自分の誕生日なのに逆に差し入れを買ってくるなんて…恐ろしい子っ…!」

響「悪いなー雪歩。じゃあお茶は自分が入れるから、雪歩は座ってていいぞ」

雪歩「え…?そんな…悪いよ。私も…」

亜美「まーまーゆきぴょん。誕生日くらい、お言葉に甘えなよ」

響「そうそう。それに、雪歩ほどじゃないけど、自分だってお茶入れるの得意なんだからなー!ぴよ子やプロデューサーに褒められたこともあるぞ!」

雪歩「…じゃあ、そうしてもらおうかな。えへへ」

響「まかせといてよ!自分すっごくおいしく入れるからなー!」

真美「頑張れ―ひびきん!」

亜美「亜美たちの未来は…ひびきんの手にかかってんだかんね!」

響「二人は手伝うんだぞ」

亜美真美「なんとぉ!?」

雪歩「ふふっ」




響「おお!雪歩が買ってきた羊羹、めちゃくちゃおいしいぞ!」

真美「いやー、ゆきぴょんの和菓子センスには頭が上がりませんなぁ」

雪歩「ありがとう。響ちゃんが入れてくれたお茶もすっごくおいしいよ」

響「ホント!?えへへ…」

亜美「うんうん!亜美たちのジョリョクのおかげですな!」

雪歩「二人も、ありがとう」

亜美真美「んっふっふー!」

響「あ、そうだ!今のうちにプレゼント渡しちゃうね!…えっ…と、はいこれ!」

雪歩「あ、ありがとう!これは…マフラー?」

響「自分が編んだんだぞ!」

雪歩「え!?す、すごいね、こんな複雑な模様まで入ってるのに」

響「ふっふー!自分、編み物は得意だからなー!これくらいカンタンだぞ!」

雪歩「へえぇ…すごいなぁ…」

亜美「さっすがひびきん!」

真美「女子力マンタンだね!」

響「ま、なんたって」

亜美「自分!」

真美「完璧だからなー!」

響「うぎゃー!二人とも、自分の台詞とるなー!」

雪歩「ふふっ」

亜美「んじゃっ、次は亜美たちの番だねっ!」

真美「んっふっふ~!心して受け取りたまえよゆきぴょんクン!」

亜美「はいこれっ!」

雪歩「わっ、ありがとう!」

響「二人は何をプレゼントしたんだ?」

亜美「んっふっふー、それは見てからのお楽しみっしょー!」

雪歩「えっと、開けてみてもいい?」

真美「うむ、くるしゅーない!」

亜美「バリバリあけちゃってくれたまえ!」

雪歩「うん。じゃあ…」

響「これは…」

雪歩「ゲーム機?」

亜美「そうだよー」

真美「二人のおこづかいで買ったんだー!」

亜美「カセットも入ってるから、今度一緒に一狩り行こうぜ!ゆきぴょん新兵!」

雪歩「ふふっ、ありがとう二人とも」

亜美真美「んっふっふー!」

響「亜美真美のことだから変なモノかと思ったケド、普通にうらやましいぞ」

亜美「むっ、亜美たちだって誕生日のプレゼントはちゃんとしたものをプレゼントしてるっしょー!」

響「うっ…ゴメン…」

真美「まぁまぁ亜美さんや。今のは、来年の自分の誕生日には変なモノを期待してるぞっていうひびきんのフリっしょー!」

亜美「あ、そっかー!まかせてねひびきん!来年はとびっきり変なモノを探してくるから!」

響「う、うぎゃー!自分が悪かったぞ!それは勘弁してくれー!」

雪歩「ふふっ」

亜美「あ、そうだゆきぴょん!りっちゃんから伝言があるよー」

雪歩「律子さんから?…あ、もしかしてこの後の仕事のことかな?」

亜美「うん。なんか、迷子になったあずさお姉ちゃんを拾っていくから、悪いけどゆきぴょんは一人で向ってくれって」

雪歩「そっかぁ。わかった。ありがとう亜美ちゃん」

響「あずささんまた迷子なのか…律子も大変だなー」

真美「まあでもあずさお姉ちゃんの迷子はいつものことですからなー」

雪歩「みんなは、この後お仕事は?」

真美「亜美と真美は、この後ちょっと遠くで撮影があるんだー」

亜美「いおりんとやよいっちも一緒にね!」

響「自分はこの後、真と合流して一緒に仕事だぞ!」

雪歩「じゃあみんな出ちゃうんだね。事務所の鍵開けたままで大丈夫かなぁ」

真美「うーん、多分真美たちが一番出るの遅いからピヨちゃんが帰ってこなかったら兄ちゃんにしめてってもらうよ」

亜美「そうだねー」

雪歩「そっか。じゃあ、私はそろそろ行くね」

響「うん!いってらっしゃい!また夜にな!」

亜美真美「いってらー!」

昼 二時 テレビ局


やよい「あ、雪歩さん!」

伊織「あら」

雪歩「あ、やよいちゃん伊織ちゃん。今から帰り?」

伊織「ええ。雪歩は今から仕事?」

雪歩「うん。でもちょっと早く着きすぎちゃって」

やよい「そうなんですかー。あ、そうだ!雪歩さんお誕生日おめでとうございます!」

伊織「おめでとう」

雪歩「えへへ、ありがとう二人とも」

やよい「雪歩さん!まだ時間があるならちょっとお話しませんか?」

雪歩「私はまだ大丈夫だよ。えっと…」

やよい「あっ…伊織ちゃん、私たちの時間は…」

伊織「どのみち律子が来るまでは帰れないし、大丈夫よ」

雪歩「じゃあ、私の控室で…」

伊織「そうね」




伊織「雪歩のこの後の仕事は、たしかあずさと一緒のやつよね?」

雪歩「うん。そうだよ」

伊織「あずさはまだついてないの?」

雪歩「えっと、あずささんが迷子になっちゃったみたいで」

伊織「あぁ…なるほど、それで律子はあずさを拾いに行ってるのね」

雪歩「う、うん…」

やよい「あずささん…大丈夫でしょうか…」

伊織「ま、いつものことだし、律子が行ったんなら大丈夫でしょ」

雪歩「な、なんか慣れてるね…伊織ちゃん」

伊織「あずさが迷子だなんてしょっちゅうだもの。いちいち動揺してたらコッチが疲れちゃうわよ」

雪歩「た、大変だね…」

やよい「あ、雪歩さん!私たち、お誕生日プレゼントを持ってきたんですよー!」

雪歩「え!?そんな…ありがとうやよいちゃん、伊織ちゃん」

やよい「私からはこれです!じゃじゃーん!」

雪歩「これは…写真たて?」

やよい「はい!これ、私の手作りなんですよーっ!」

雪歩「うん。素敵なプレゼントをありがとう、やよいちゃん」

やよい「えへへ…うっうー!喜んでもらえて、私もうれしいです!」

伊織「私からはこれよ。はい、誕生日おめでとう」

雪歩「ありがとう伊織ちゃん。開けても?」

伊織「いいわよ」

雪歩「じゃあ…あ、腕時計?」

伊織「ええ。芸能人なら、持ってて損はしないでしょ?」

雪歩「う…うん。でも、いいのかな…こんな高価そうなもの…」

伊織「そこまで高価なものでもないわよ、いいから受け取りなさい」

雪歩「で、でも…」

やよい「雪歩さん!その時計、伊織ちゃんが雪歩さんのために選んで、伊織ちゃんが自分で稼いだお金だけで買った時計なんです!」

伊織「やよい?」

やよい「伊織ちゃん、今日はずーっと緊張してて、気に入ってくれるかなー?とか、いつ雪歩さんにあえるかなー?とか、ずーっと言ってました!」

雪歩「伊織ちゃん…」

伊織「い、言わなくていいのよ、そういうことは…」

やよい「そのプレゼントには、伊織ちゃんの気持ちがいーっぱい詰まってるんです!」

やよい「だから…えと…私がこんなこと言うのは変かもですけど…受け取ってください!」

伊織「もう…」

雪歩「…うん、ありがとう。伊織ちゃん、この時計、大切に使うね」

伊織「…当たり前よ。私が選んであげたんだから、なくしたりしたら承知しないんだからね!」

やよい「うっうー!伊織ちゃん、うれしそうです!」

伊織「なっ!?…もう、やよいには敵わないわね」

雪歩「ふふっ」

律子「ごめーん!遅くなったわ!」

雪歩「あ、律子さん。おつかれさまですぅ」

やよい「おつかれさまでーっす!」

伊織「遅いわよ」

あずさ「ごめんなさい伊織ちゃん。私また迷子になってしまって~」

伊織「私は別にいいけど、あんたたちはもうあんまり時間がないんだから早く準備してきなさい!」

律子「あずささーん!こっちですー!」

あずさ「はーい!じゃあまたあとでね、伊織ちゃん、やよいちゃん」

やよい「はい!お仕事がんばってください!」

雪歩「じゃあ、私も行ってくるね」

伊織「ええ、じゃあまた夜に事務所で」

雪歩「…あの…みんな言うんだけど今日の夜に何かあったっけ?」

やよい「う゛ぇっ!?雪歩さん聞いてないんですかぁ!?」

雪歩「う…うん、たぶん…」

伊織「あっきれた…あのバカプロデューサー、主役に知らせないでどうするのよ!」

やよい「今日の夜の八時から、事務所で雪歩さんのバースデーパーティーをしようってことになってるんですよ!」

雪歩「えっ!?私そんなこと全然知らなかったよぉ…」

伊織「八時からの予定はあいてる?」

雪歩「うん」

伊織「なら大丈夫ね。まったく、サプライズにはしないって聞いてたから、てっきり把握してるものだと思ってたわ」

雪歩「ご、ごめんね…」

伊織「雪歩が謝ることじゃないわよ。全部あのヘボプロデューサーが悪いんだから」

伊織「あんたはしっかりお腹すかせてきなさいよね!この伊織ちゃんがとっておきの超豪華料理を提供してあげるんだから!にひひっ」

やよい「え!?ホント!?伊織ちゃん!」

伊織「ええ、期待してなさい!」

やよい「うっうー!楽しみですーっ!」

<雪歩ー!準備してー!

雪歩「はーい!えっと、じゃあ私は…」

伊織「ええ。またあとでね」

やよい「雪歩さんも、お仕事がんばってください!」


夕方 五時 テレビ局


あずさ「お疲れさまです~」

雪歩「お、お疲れさまですぅ」

律子「あずささん!雪歩!」

あずさ「あ、律子さんもお疲れさまです~」

律子「はい、とりあえずちゃっちゃと着替えちゃってください」

雪歩「あの、律子さん。伊織ちゃんとやよいちゃんは…」

律子「ちゃんと送ってきたわ。ほら、雪歩も着替えてきなさい」

雪歩「は、はい」




律子「飲み物です、どうぞ」

あずさ「ありがとうございます~」

律子「雪歩も。はい」

雪歩「ありがとうございます」

律子「あと、雪歩にはこれもね。はい」

雪歩「…?えっと…」

律子「今日、誕生日でしょう?おめでとう」

雪歩「あ、ありがとうございます!」

あずさ「あら、律子さんも用意してたんですね~」

律子「当前ですよ」

あずさ「雪歩ちゃん、いったい何をもらったのかしら」

雪歩「えっと、開けてもいいですか?」

律子「どうぞ」

あずさ「なにかななにかな~♪」

律子「あずささん…」

雪歩「手帳…ですか?」

律子「ええ。まだ買ってないって言ってたし、実用的で邪魔にもならないと思って」

雪歩「ありがとうございます、使わせていただきますね!」

あずさ「あら?その手帳、律子さんとおそろいじゃないかしら?」

雪歩「そうなんですか?」

律子「え、よくわかりましたね。使いやすくて、デザインもかわいいですし、ちょうどいいかと思って」

あずさ「いつもみてますから。でも律子さんとおそろいなんて、なんだか妬いちゃうわ~」

律子「や、やめてくださいよ…」

雪歩「なんだか照れますね…えへへ」


あずさ「雪歩ちゃん、私からも。はい、お誕生日おめでとう」

雪歩「ありがとうございます」

あずさ「気に入ってくれるといいけど…」

律子「あずささんは、何をプレゼントしたんですか?」

あずさ「うふふ。雪歩ちゃん、開けてみて」

雪歩「はい。…あ、これは…」

律子「万年筆ですか?」

あずさ「はい。雪歩ちゃん、ポエムとか書くみたいだから、使ってもらえればなーと思って」

雪歩「は…はい!ありがとうございますぅ!」

あずさ「うふふ、よかったわ~喜んでもらえて」

律子「よし!じゃあそろそろ移動するから、準備して」

あずさ「は~い」

律子「雪歩は今日これだけだから事務所、あずささんは次の現場ね」

雪歩「はい」

律子「雪歩、悪いんだけど途中で降ろして大丈夫?」

雪歩「はい、大丈夫ですよ」

律子「ゴメンね、ありがと」

雪歩「あずささんは、次は何の仕事なんですか?」

あずさ「次はたしかファッション誌の撮影だったかしら?」

律子「はい。春物コーデ特集のモデルですね」

雪歩「いつものことですけど、季節感覚がおかしくなりそうですよね」

律子「しかたないわよ、そういうものだとして慣れてもらうしかないわね」

あずさ「でも、夏の厚着とか、冬の薄着は少し辛いですよね~」

雪歩「あぁ…」

律子「まあでも今日は屋内ですし、そこまで辛くはないと思います」

律子「準備できましたか?」

雪歩「はい、私は大丈夫です」

あずさ「私もOKですよ」

律子「じゃあ行きますか」

雪歩あずさ「はーい」

夕方 五時過ぎ 事務所


雪歩「ただいまですぅ」

小鳥「あら雪歩ちゃん。おかえりなさい」

雪歩「あ、音無さん。戻ってたんですね」

小鳥「ええ。外、寒かったでしょう?あったかい飲み物でも入れるわね」

雪歩「あ…自分でやりますよ」

小鳥「いえいえ、雪歩ちゃんは疲れてるでしょう?座って待ってて?」

雪歩「えっと、じゃあ、お願いします」

小鳥「はい♪」




小鳥「はい、ココアでよかったかしら?」

雪歩「はい、ありがとうございますぅ」

雪歩「事務所には小鳥さんだけですか?」

小鳥「ええ。四時くらいまで亜美ちゃん達がいたけど、仕事に出ていってからは私一人ね」

雪歩「小鳥さんはいつ戻ってきたんですか?」

小鳥「私?私は三時くらいだったかしら。どうして?」

雪歩「いえ、結構時間かかってたみたいだったので。何を買いに行ってたんですか?」

小鳥「事務所の備品と、今日のパーティーに使うものをちょっとプロデューサーさんに頼まれてね」

雪歩「そうだったんですか」

小鳥「雪歩ちゃんは今日お仕事一つだけだっけ?」

雪歩「はい、プロデューサーが気を遣ってくれたみたいで」

小鳥「うふふ、プロデューサーさん、今日のためにずいぶん前からみんなのスケジュール調整頑張ってたみたいよ?」

雪歩「そうなんですか?」

小鳥「ええ」

小鳥「それにしても、肝心の雪歩ちゃんに伝え忘れるなんて…やっぱりちょっと抜けてるわよね?」

雪歩「あ…伊織ちゃんですか?」

小鳥「ええ、ぷりぷり怒る伊織ちゃんもかわいかったわぁ」

雪歩「ふふっ」

小鳥「そうだ、雪歩ちゃん。誕生日プレゼント買ってきたんだけど、受け取ってくれる?」

雪歩「え…?は、はい!ありがとうございますぅ」

小鳥「これ…玉露なんだけど、私が選んだものだから気に入ってもらえるかどうか…」

雪歩「そんな…ありがとうございます!わぁ、これすっごくいい玉露です!」

小鳥「喜んでもらえたならよかった」

雪歩「えへへ…。さっそくいれてみてもいいですか?」

小鳥「ええ、勿論」

貴音「ただいま戻りました」

小鳥「貴音ちゃん。お帰りなさい」

雪歩「あ、四条さん。お疲れさまですぅ。四条さんもお茶どうですか?」

貴音「ふむ…、それではお願いいたします」

雪歩「はい♪」

貴音「あ、少し待ってください」

雪歩「…?なんですか?」

貴音「ちょうどお茶を入れるのでしたら……これを」

小鳥「これは…」

雪歩「わぁ、素敵な湯呑みですね」

貴音「はい。私からのばーすでーぷれぜんとです」

雪歩「えっ!?これを私にですか?」

貴音「はい。気に入りませんか…?それなら…」

雪歩「い、いえ!!すっごく嬉しいですぅ!」

貴音「ふふっ、それはよかったです」

小鳥「良かったわね雪歩ちゃん」

雪歩「はい!じゃあさっそく使わせてもらいますね!」




雪歩「はい、どうぞ」

小鳥「ありがとう」

貴音「ありがとうございます。おや、その羊羹は…」

雪歩「お昼に買ってきたんですぅ。せっかくいい玉露だったので、一緒にどうかと思いまして」

小鳥「雪歩ちゃん…!誕生日にまで差し入れを買ってくるなんて…!」

雪歩「ふふっ。真美ちゃんにも同じこと言われちゃいましたぁ」

貴音「なんと…!これは!なんと……!!」

小鳥「た、貴音ちゃん…」

雪歩「は、はやい…」

小鳥「あ、使ってるのね。湯呑み」

雪歩「はい、えへへ。ありがとうございます四条さん」

貴音「ふふ。頑張って作った甲斐がありました」

雪歩「がんばって…」

小鳥「作った…?」

貴音「?」

雪歩「えぇ!?これ四条さんが作ったんですかぁ!!?」

貴音「はい。こう、くるくると」

小鳥「え!?だってこれ結構高級そうな…えぇ!?」

雪歩「ど、どこでこんな本格的な…ロケ先の体験教室とかですか?」

貴音「いえ…自宅で」

小鳥雪歩「家で!?」

貴音「はい、くるくると♪」

雪歩(くるくる…)

小鳥「でも、自宅に湯呑みとか作れる環境があるって…貴音ちゃん、一体どんな家に住んでるの?」

貴音「それは、とっぷしーくれっと、ですよ」

雪歩「ふふっ」




真「たっだいまー!」

小鳥「あら、おかえり真ちゃん」

雪歩「おかえりなさい真ちゃん!」

真「うん。ただいま」

真「あ。雪歩、その髪飾りにあってるね。かわいいよ」

雪歩「そ、そうかな…?えへへ…」

小鳥(ナチュラルイケメン…)

貴音(流石ですね…)

小鳥「真ちゃん、お帰り。響ちゃんは?」

真「響なら家族の様子を見に行くとかで、一回家に寄ってから来るって言ってました」

小鳥「そうなの」

雪歩「真ちゃんもお茶飲む?」

真「ありがとう雪歩、もらうよ」

貴音「真!このお茶と羊羹の相性は真、素晴らしいですよ!」

真「や、ややこしいな…」

雪歩「ふふっ、じゃあいれてくるね」




雪歩「どうぞ、真ちゃん」

真「ありがと」

真「…なんか、お茶かえた?」

雪歩「あ、わかる?実は音無さんから良い玉露をもらったんだ。誕生日のプレゼントにって」

真「へー」

真「あ、この羊羹おいしいね」

貴音「でしょう?」

真「なんで貴音が誇らしげなのさ…」

雪歩「ふふっ」

真「あれ?雪歩、湯呑みも変えた?」

雪歩「うん、四条さんからもらったんだ。えへへ」

真「さすが、センスいいなぁ」

貴音「ふふ、有り難うございます」

雪歩「これ、四条さんが作ったんだって」

真「えぇ!?これを!?」

貴音「はい、くるくると」

真「くるくる…」

雪歩「真ちゃんは、今日はもうお仕事ないの?」

真「うん、今日はもう終わりだから、パーティの準備を手伝おうと思って」

真「雪歩と貴音も今日はもう終わり?」

雪歩「私は、うん。今日は一つだけだったから…」

貴音「私はまだ深夜のらじおが」

雪歩「あ…あのあずささんと一緒の…」

貴音「はい。レギュラーでやらせてもらっている仕事なので、流石にオフにはできなかったようです」

真「まあ仕方ないね」

真「そうだ雪歩。はいこれ」

雪歩「あ…」

真「電話でも言ったけど、誕生日おめでとう。コレ、ボクからのプレゼント」

雪歩「あ…ありがとう真ちゃぁん!」

真「へへっ。そのぬいぐるみ、ボクのとおそろいなんだ!かわいいよね!?」

雪歩「うん!えへへ」

貴音「ふふ。よかったですね雪歩」

雪歩「はい!四条さんもありがとうございますぅ!」

響「ただいまー」

雪歩「響ちゃん、おかえり」

響「ただいま、もう準備はじめてる?」

雪歩「ううん、まだだよ」

小鳥「そうね、そろそろはじめましょうか」

真「ボクたちは何をすればいいですか?」

小鳥「じゃあ響ちゃんと真ちゃんは壁の飾りつけ、貴音ちゃんは机の上を片付けてもらえないかしら?」

響「わかったぞ!」

貴音「あの…小鳥嬢?本日の料理は…」

響「料理は誰かさんがつまみ食いするからまだだぞ。それに今から並べても冷めちゃうしなー」

貴音「あう、いけずです…」

雪歩「あの…私は…」

小鳥「雪歩ちゃんは主役なんだし、ゆっくりしてても大丈夫よ」

雪歩「えっと…でも、私も手伝いたいんです。手伝わせてください」

小鳥「…そう?じゃあ、貴音ちゃんと一緒に片付けをやってもらえないかしら」

雪歩「ありがとうございます」

貴音「ふふ。それでははじめましょうか、雪歩」

雪歩「えへへ、はい!」

真「よーし、みんなが帰ってくる前に終わらせちゃうぞ!」

貴音「そうすれば早く料理が!?」

響「それはないぞ」

雪歩「ふふっ」


夜 八時過ぎ 事務所


社長「皆、飲み物はもったかな?」

一同「はーい」

P「では社長、どうぞ」

社長「うむ。それでは…ゴホン」

社長「今日は我が765プロの仲間である萩原雪歩君の誕生日であり、世間的にはクリスマスイブだ」

社長「この素晴らしい日に、こうして皆で集まって祝えることを本当にうれしく思う!」

社長「えー…思えば今日までP「かんぱーい!!!」

一同「かんぱーい!!!!」

社長「……キミぃ…」

P「はは、スミマセン…貴音がちょっと見ていられない顔でで料理を見つめていたので…」

雪歩「プロデューサー!」

P「あぁ雪歩。誕生日おめでとう」

社長「おめでとう。萩原君」

雪歩「ありがとうございます」

P「これ、誕生日プレゼント」

雪歩「あ、ありがとうございます!」

P「はは、なんか恥ずかしいから、家に帰ってから開けてくれ」

雪歩「はい」

社長「では、私からはこれを」

雪歩「そんな…社長まで…ありがとうございますぅ」

社長「はっはっは。まあ開けてみてくれたまえ」

雪歩「えっと…じゃあ、失礼します」

雪歩「これは…温泉旅館の招待券…ですか?」

社長「うむ。この一年、忙しくてゆっくりする時間もなかっただろう?」

社長「萩原君のスケジュールはこちらで何とかするから、ご家族とゆっくりしてくるといい」

雪歩「は…はい!ありがとうございます!」

P「…って、スケジュール何とかするの俺じゃないですか」

社長「はっは。バレてしまったか。私も協力するから、頼むよキミィ」

雪歩「…あっ、私、お礼を言いに来たんでしたぁ」

P「お礼?」

雪歩「えっと…プロデューサー、ありがとうございます。今日のためにスケジュール調整とかしてくれたんですよね」

P「あぁ、まぁね。でも律子や社長も協力してくれたから、そんなに大変じゃなかったよ」

雪歩「いえ…私も、この時期がどれだけ忙しいかくらいわかってるつもりです」

雪歩「音無さんからも、ずいぶん前から頑張ってくれてたって聞きました」

雪歩「だから…えっと…ありがとうございました!」

P「…はは、うん」

雪歩「社長も、ありがとうございました」

社長「いやいや。私は、なにもしていないよ」

<雪歩ー!早くしないとケーキがあぁ!

     うあうあ~!お姫ちんの暴走が止まらないっぽいよ~!!>

<うっうー!この料理おいしいですーっ!

     ちょっとやよい!そんなに急がなくてもなくならないわよ!もっとゆっくり…>

<高槻さんかわいい!

社長「はっはっは。賑やかでいいねぇ」

P「ほら、みんなが呼んでるぞ。行って来い主役」

雪歩「は…はい!」


雪歩「…えっと、プロデューサー!」

P「うん?」



雪歩「これからも、よろしくお願いします!!」



おわり


以上です。
読んでくださった方いましたらありがとうございました

雪歩誕…のつもりだったんだけど、めちゃくちゃ遅れた…
ごめんよ雪歩…

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