男「今からクラスの何人かでカラオケにでも行こうかって話をしてたんだけど、」
男「もしよかったら一緒に行かない?」
女「……え、と……わっ……わた、私……」
男「?」
女「……っ……ぁの……ご、ごめんな、さい……その……用事が……」
男「ああ、そうなんだ。無理に誘っちゃってゴメンね。女友さんは?」
女友「ゴメン、女の用事を手伝う約束だから私も行けないの」
女友「でも次があったらまた誘ってよ」
男「うん、わかった。じゃあ女さん達とはまたの機会に、だね。それじゃ、また明日」
女友「バイバイね~」
女「さ、さよ……さよ……ぅ……」
女友「……」
女「さよう、なら……」
女友「……ねぇ女」
女「な、なあに……?」
女友「用事なんてないのになんで嘘ついちゃったの?」
女友「今度こそ友達いっぱい作るって決意してたじゃない」
女「だ、だって……男の人……ばっかりだった、し」
女友「このクラスって女子少なめだからそんなこと言っていられないよ?」
女友「それに、友達に男も女も関係ないでしょ」
女「で、でも……」
女友「もっと勇気を出さなくっちゃ! 今度誘われたら頑張って行ってみよう?」
女友「そのときは私も一緒に行くからさ」
女「う、うん。がん……ばる……!」
――しばらくして
クラスの女子「あの……女さん、女友さん、お昼一緒に食べない?」
※以下「女子」で
女「……え?」
女子「友達が今日休みでさ、一緒に食べる人がいないんだよね。ぼっち飯なんてごめんだし」
女子「それに、女さん達とはあんまし話したことがなかったからいい機会だと思って」
女「ぁ……と、その……えっと……」
女子「……もしかして、お邪魔だった……かな?」
女「ち、ちがっ……います! と、突然だったから……ビックリしちゃって」
女「その……是非、い、一緒に食べましょう」
女友「……っよし! よく言えたな、女。えらいぞ」 ナデナデ
女「えへへ……私、頑張った、よ///」
女子「……?」
女友「ああっと、ごめんなさい。えっと……実はこの娘ね、極度の人見知りなの」
女友「だけどね、高校に入ったらたくさん友達を作るんだ、って意気込んでたわけだよ」
女友「で、今まさに! その第一歩を踏み出したとこなんだ」
女子「へぇ~。そういえば最初の自己紹介でも女さん、しどろもどろだったっけ」
女「あ、あれでも……結構頑張ったんだけど……やっぱり、そう見えてたんだ……」 シュン…
女子「でもその、この娘緊張しすぎ! って感じが逆に可愛かったんだけどね」
女子「なんかこう……こんなカチカチになりながらも頑張ってる人がいるんだから、」
女子「私も頑張らないと、ってふうに勇気を貰えたし」
女友「だよね。私も中学の時そんなとこに惹かれたんだ」
女「……そう言ってもらえると、嬉しい……かも」
女子「そういえばさっき『第一歩』って言ってたよね」
女子「それって、私が高校での友達候補一人目ってこと?」
女友「うん、そうなるね。この前せっかく男くん達に遊びに誘われたのに、」
女友「女ったら拒否っちゃったし」
女「だ、だって……」
女子「……だって?」
女「男子、ばっかりで……恥ずかしかった、し……」
女子「~~っ! 女さん可愛い! なにその守ってあげなきゃって思わせるようなオーラは」
女「え? ……え?」
女子「よし、決めた。ねぇ女さん達、私をあなた達の友達にしてくれないかな?」
女「え!? い、いいの……?」
女子「いいのもなにも、私からお願いしてるの」
女子「女さんや女友さんと一緒にいたら、高校生活がもっと楽しくなりそうだし」
女子「……どうかな?」
女友「私は大賛成だよ! これからよろしくね、女子さん」
女子「うん、よろしく。……女さんは?」
女「えと……ふ、ふつつかものですが……よろしく、お願いしますっ!」 ペコリ
女子「~~っっ! やっぱり可愛いなぁ、もう」 ギュッ
女友「あははは。よし、私も~」 ギュッ
女「あうぅ……く、苦しいよ~」 ジタバタ
今日はここまでです
見てくれてる人がいたら感謝
前回のssが異常なまでに亀進行だったので、そうならないように頑張ります
てか、女、女友、女子、って
もしかしてかなり見づらいんじゃ……?
女友 → 友 に変更で
こっちのほうが読みづらいって思ったらまた変更するかもです
――またしばらくして
男「あ、女さん達~。また誘いに来ちゃったよ」
女「!?」 ビクッ
男「今からみんなでゲームセンターに行くんだ。よかったら一緒にどうかな?」
女「ぇ……あの……わたし、は……」
男「また用事? もし構わないんなら僕も手伝おうか?」
友(女、頑張れ~!)
女「いや、ち、違くって……その……っ、……あ、あの……」
女「い……い、行き……ます。一緒に……行きたい、ですっ、私!」
男「いいの? よかった……。友さんも大丈夫?」
友「うん、オケーだよ」
男「よし、わかった。じゃあみんなを集めてくるね」 スタスタ
友「……よく頑張ったね! でも女、ゲーセンになんて行ったこと……ある?」
女「……ない」 ションボリ…
友「そうだと思った。女ってゲームとかにあんまり興味ないもんね」
友「でもいい機会なんだし、何事もチャレンジチャレンジ! だよ」
女「……うん、頑張る」
友「さ、行こうか」
女「……ぁ……ち、ちょっと待ってて」 トテトテ
友「?」
女「あ、あの……女子さん、女子友さん、ちょっといい……ですか?」
女子「あ、女さんじゃん! どしたの? 女さんから話しかけてくるなんて珍しいね」
女子友「あら女さん。いつも女子がお世話になっております」
女子友「この娘の相手は大変でしょう? 迷惑をかけたりしていないかしら」
女「い、いえ! 迷惑なんて全然。むしろ、こ、こっちが迷惑をかけていないか不安で」
女子「ちょ、ちょっとやめてよそんな会話~!」
女子友「あら、ごめんなさい。それで、女さんは私たちに何かご用事があったのでは?」
女「あ! は、はい、そうでした。その……今から、ぉ、男くん達とゲームセンターへ」
女「遊びに行くことになったんですけれど……」
女「も、もしよかったら、女子さんと女子友さんも……どうです、か?」
女子友「女さんが……ゲーセン、ですか?」
女子「しかも男くん達と、か……。うん! 女さん、勇気出して頑張ったんだね」 ナデナデ
女「あ、ありがとう ///」
女子友「あらあら、じゃあ私も~」 ナデナデ
女「あうあう~」 クラクラ
友(いつの間にかあの子も成長したんだね。あんなに楽しそうに……)
友(むぅ……ちょっぴり妬けちゃうかも)
友「おかえり~。どうだった?」
女「女子さんたち、今日は掃除当番なんだって。でも、それが終わったら来てくれるって」
友「よかったじゃん。あ! もう男くんたち集まってるよ。私たちも行こ?」
女「うん」
――ゲームセンター
女「す、すごい音……それに光も……」
友「私も久しぶりだな~。もう知らないゲームばっかりになってる」
男「え~と、女さんは普段こういうところには来ないのかな?」
女「う、うん。……迷惑だった、かな……?」
男「全然そんなことないよ。う~ん、そうだな……」
男「ガンシューティングとか格ゲーは苦手そうだし……」
女「がん、シュ……? か、かくげー?」
男「なら、音ゲーをやってみようか。女さんって、なんだかそういうの得意そうだし」
男「……僕の勝手な想像だけど」
女「よ、よくわからないけれど、ご期待に応えられるように……ど、努力します!」
友「一口に音ゲーって言っても、だいぶ種類が多いからどれをやるか悩むね」
友「え~と、ギターに太鼓……ドラムまであんの!?」
女「すごいんだね、ゲームセンターって……」
男「これとかどうかな? 上から落ちてくるバーに合わせてボタンを押すだけのシンプルなやつだよ」
友「最初だし、それがわかりやすいかもね。やってみなよ女」
女「う、うん。ち、チャレンジチャレンジ……だよね」 ドキドキ
男「僕が誘ったんだし、この1プレイくらいは僕が奢るよ。はい」 チャリン
女「そ、そんな……ぃ、いいですよ。私が、ご一緒させてもらってる側……なんですから」 アタフタ
男「いいのいいの。ここは僕の顔を立てて奢らせてよ」
女「で、でも……」
男「遠慮しなくてもいいから、ほら」
女「うぅ……では、お言葉に甘えさせていただきます。このお返しは必ず致します、ね」
男「そんなに重く考えなくてもいいって。ほら、スタート押して」
女「は、はい!」
友「最初だし難易度はかんたんかな? で、曲を選んで」
女「じ、じゃあ、この曲を……」
男「へぇ、女さんってそのアーティスト好きなの? 実は僕もなんだ」
友「中学の時に私がcd貸してあげたらさ、この娘すっごくハマっちゃったんだ」
友「今ではアルバム全部持ってるんだっけ?」
女「と、友~! そんなこと、い、言わなくってもいいよ!」
友「あはは。別に恥ずかしがることじゃないじゃない」
男「二人って仲がいいんだね。あ! ほら、始まるよ」
ゲーム「レディ、ゴー!」
女「え!? ちょ……ま、まって……!」
女「ええと、こっち……あああ、つ、次はそっち……!」
友「女、リズムに乗ったほうがやりやすいよ」
女「そ、そんなこと言われても~……」
男「冷静になって! よく見れば思ってるほどバーの落下速度は速くないから」
女「じゅ、十分速いですよぉ~!?」
ゲーム「結果 → 達成率 35% 最高コンボ → 5 ゲームオーバー」
女「ぐすっ……かんたんって書いてあったのに」 シクシク
友「は、初めてで上手くできる人なんていないよ。次は頑張ろ?」
男「そ、そうだよ。最初の方は5コンボまで出来てたんだし、練習すればもっと……ね?」
女「……慰めてくれて、ありがとうございます」
男友「お~い男、格ゲーしようぜ。この前のリベンジだ!」
男「あ、ああ。今行く~。ご、ごめん女さん達。少しあいつらとも遊んでくるよ」
男「また戻ってくるから、そのときはなにか2人以上でやれるゲームをしよっか」
女「はい……。私のことは気にせず男友くん達と遊んできてください」
女「私も、私に向いてそうなゲームを探してみますね」
男「うん。なるべく早く戻ってくるから」 タッタッタ
友「まあ……どんまい」
女「うん。ゲームってこんなに難しくって疲れるものなんだね……」
友「ま、気を取り直して他のやつをやろっか」
女「うん。でも少し疲れちゃった。次は友がやって見せてよ」
友「私も人に見せるほどゲーム得意ってわけじゃないんだけどね」
友「でも見てばっかりじゃ不公平だし、いいよ。たしかこっちの方にあったはず」
女「友はどんなゲームが好きなのかな?」
――
友「ここでドリフトぉ! ……どうだ? 記録更新は……だぁぁっ! あと1.8秒!?」
女「友、車のゲームが好きだったんだね。すっごく運転上手だった、よ」
女「2週目で、向かいから来る車に接触してなかったらもっと早かったかもしれないね」
友「あ、わかった? 目の前の車よりも、その先にある急カーブに気がいっちゃったんだよね。悔し~」
女「もう一回やってみたら? 友なら次はできるよ」
友「そ、そうかな? じゃあ……あと一回チャレンジしてみるね」 チャリン
――数分後
友「三回目でようやく記録更新か~。久々のプレイにしては上出来かな」
女「かっこよかったよ、友」
友「あはは、ありがと」
友「あ、私ちょっとお手洗いに行ってくるね」
女「うん。じゃあ私は女子さんたちのところに行ってみるね。さっき着いたってメールが来てたの」
友「りょ~かい。んじゃ、行ってくる」 スタスタ
女「え、と……どこにいるの、かな?」 キョロキョロ
?「ぜえぇぇぇぇい! しぃぃねぇぇええ!!」
女「!?」 ビクッ
女「い、いったい……な、なに?」
女子友「おらおらどうしたぁ! テロリスト集団がたった一人の相手に手も足もっでないなんて……笑わせやがる!」 ガガガガ
観客「すげぇな……的確なヘッドショットと隙のないリロード。既に記録新だ」
女「じ、女子友……さん……!?」
女子友「あ? ……らあら~。お、女さん……いつからそこに?」
女「え、えっと……ついさっき、大きな声が聞こえたから……その……」
女子友「まったく誰かしらね。楽しいのはわかるけれど、周りの人のことも考えないとダメですよね」
女子友「私も気を付けないと。ふふふっ」
女「え? は、はい。そうです……よね……」
観客「知り合いと話してんのに、画面をチラ見しながらプレイしている……」
女子友「女子は向こうの方にいますよ。あの娘、きっと喜ぶだろうから行ってあげてください」
女子友「私もこのゲームが終わったら向かいますから」
女「は、はい。あの……お、お上手なんですね、このゲーム」
女子友「いえいえ、こんなのまぐれですよ。でもこれ、結構面白いんです。えい、えい」
観客「笑顔で 脚 → 頭 を撃ってる……」
女「じ、じゃあ私、女子さんのところにも行ってみます、ね」
女子友「はい。いってらっしゃい」
女「で、では……」 スタスタ
女子友「……」
女子友「……は、恥ずかしいぃぃ! 見られてしまいました ///」
観客「うおお!? ヘッドショットの嵐だ!」
女「じ、じゃあ私、女子さんのところにも行ってみます、ね」
女子友「はい。いってらっしゃい」
女「で、では……」 スタスタ
女子友「……」
女子友「……は、恥ずかしいぃぃ! 見られてしまいました ///」
観客「うおお!? ヘッドショットの嵐だ!」
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