妹「ねぇ、いつまでニートやってるの?」(109)


兄「…そんなのお前に関係ないだろ」

妹「関係あるよ」

兄「は?」

妹「うちの家計そんなに余裕あるわけじゃないって知ってるでしょ」

妹「私もバイト代ほとんど家に入れてるし」

兄(うるせぇな…不幸自慢かよ)


妹「兄貴が働いてくれたらもっと楽に生活できると思うの」

妹「だからお願い」

兄「…知るか」ボソッ

妹「え、なに?」

兄「知るかって言ってんだよ! 俺は好きなように生きるんだ! 家族の力を使って何が悪い!」


妹「……」

兄(大体ドアごしに話ってなんだよ。俺の部屋は臭いってか)

妹「わかった」

兄「…えっ」

妹「兄貴がそこまで言うなら私ももう何も言わない」

兄「あ、あの」

妹「それじゃ」スタスタスタ


兄(行っちまった…)

兄(怒ったのかな)

兄「……」

兄「アニメでも見るか」

――――
―――
――

兄「うおぉぉww澪たんかわいいおwwwちゅっちゅしたいおぉぉww」

兄「ふぅ…」

兄「こんな子がいたらなぁ…頑張れるのに」


プルルルルルルル ガチャ

妹「あ、もしもし」

妹「はい…例の件で」

妹「…えぇ」

妹「では、お願いします」

ピッ

妹「…よし」


兄「あ…終わった…」

兄「くそっ」

兄「暇だな…えっと、所持金は…」ジャラ

兄「130円か」

兄「…母ちゃんにもらおう」


兄「あれ、いないじゃん」

兄「まだパートか」チラッ

兄(食器溜まってる…)

兄(家事でもやっとけば印象いいか)

兄「よし」

ジャバジャバ


ガチャ

兄「おかえりー」

母「あら、兄。起きてたの」

兄「うん」

母「食器、洗ってくれたの?」

兄「あと洗濯物もたたんでおいたよ」

母「そう。ありがとうね、助かるわ」


兄「それでさ、悪いんだけど少しお金お願いできるかな」

母「…いくら?」

兄「少しでいいよ」

母「それじゃ、はい」

兄(1000円かよ…)

兄「ありがとう。ちょっと出てくるわ、夕飯には戻る」

ガチャ


母「……はぁ」

母「お父さんすいません」

母「あなたが亡くなってから、私の教育が行き届かず…」

母「あの子に罪はないんです」

母「どうか、あの子を見守ってあげて下さい」

ズキッ

母「っ…また頭痛…」


兄「さてどこに行くかな」

兄「久しぶりにゲーセンでも行くか」

兄「もっとも」

兄「これっぽっちじゃそんなに遊べないけど…」


―ゲームセンター―

兄(けっこう人いるな…)

兄「メダルに替えるか」

ジャラジャラ

兄「っと」

兄「おらっ」

兄「チッ…このクソゲーが」


アハハハウフフフフ

兄(なんなんだようっせーな…リア充どもが)

兄(こんな田舎のゲーセンなんて来んなよ…)

兄(ん…あれは)

兄(あの子澪たんに似てる…)

兄(1人でufoキャッチャーやってるけど下手だなw)


兄(隣で見せつけてやんよww)

兄(おらっwおっおっww)

兄「あ、まじで取れた」

兄(さすがやるときにはやる男wその名は男ww)

女「……」ジィー

兄「え、あの…なにか…」

女「! ご、ごめんなさい」

女「お上手なんです、ね…」

兄「!?」


兄「よ、よかったら教えよう…か?」

女「!」

兄「あ、ごめ…馴れ馴れしく…」

女「いえ! ありがとうございます! 是非!」ニコッ

兄「」

女「それで…」

兄「あ、うん。これはね…」


――――
―――
――

女「ここにはよく来られるんですか?」

兄「え、と…たまに」

女「そうですか…私こういう所あまり来なくて。助かりました」

兄「っ…これぐらいならいくらでも!」

女「ふふ」

兄(なんだこのギャルゲー展開)


女「またこれからちょくちょく来ると思うので良ければ…」

兄「う、うん! 俺で良ければいつでも!」

女「ありがとうございます。それでは今日は失礼しますね」

兄「あ…また、ね」

女「さよならー」フリフリ

兄(かわぇぇww)


兄「俺も帰るか」

兄「また会えるかな…」

スタスタスタスタスタ ピタッ

兄「?」

兄「今…」

兄「誰かに見られてたような…」

兄「気のせいか」

19
―家―

兄「ただいまー」

母「おかえりなさい。ご飯できてるわよ」

妹「……」

兄(まだ怒ってんのかよ…)

母「さ、食べましょうか」


妹「この豆腐ハンバーグおいしいね」

母「そう? ありがとう。少し頑張っちゃった」

兄「……」パクパク

妹「あ、私明日バイトで遅くなるから」

母「…いいのよ。少しぐらい友達と遊びに行っても」

妹「大丈夫だよ。バイト先もいい人いっぱいいるし」

兄「……」モグモグ


―部屋―

兄「ふぅ…食った食った」

兄「ゲームでもしようかな…」

ピコピコピコ

兄(あの子、可愛かったな…)

兄(制服来てたしあんまり年は変わらないのか)

兄(…よし、明日も同じ時間いってみよう)

ドォーン

兄「…チッ」


―次の日―

兄「よし、そろそろ出掛けるか」

兄「ん…? テーブルに何か…」

『今月のお小遣いです』

兄「!」

兄「3000円か…ラッキー」


―ゲームセンター―

ウィーン

兄(あの子は…いないな…)

ウィーン ドン

女「きゃっ!」

兄「!」

女「ご、ごめんなさい! 前も向かずに歩いてて…それで…」

兄「き、昨日の…」


女「あっ」

兄「こっちもごめん。入口で立ち止まったりして…」

女「い、いえ…。今日も、いらしてたんですね」

兄「あ、うん。たまたまね」

女「……」

兄「どうかした?」

女「いえ! なんでも…あの、今日も…いいですか?」


兄「! もちろん」

兄(そのために来たし…)

女「お優しいんですね」

兄「えっ」

女「いえ、見ず知らずの私にこのように接して頂けるので」ニコッ

兄「あ…えっ、その」

女「申し遅れました。私、女と申します」

兄「あ、兄です! よろしく!」


女「これはどのように?」

兄「これはね、こうすると…あれ?」

女「ふふ、兄さんでも失敗されるんですね」

兄「そりゃあ、ね」

女「私もやってみます!」

兄「うん」

女「やっ、とう…いやっ! そこはだめぇぇ!」

兄「……」


女「今日もありがとうございました。とっても楽しかったです」

兄「あはは…俺も貴重な経験ができたよ…」

女「?」

兄(いろんな意味で)

女「あの…これを」

兄「これは?」ピラッ

女「よければ次はお礼させて下さい! 随分お世話になったので…それでは」フリフリ


―家―

兄「」ボーー

母「?」

兄「フヒッw」

母「」ビクッ

兄「」ニヤニヤ

母「あんた…どうかした?」

兄「なーんでも」ニカッ

母(大丈夫かしら…)


―部屋―

兄「……メールしてみよう」

兄「今日、は…ありがとう、と。送信」ピピッピピ








ピロリーン

兄「きたっ!」


兄「えーっと」

女『こちらこそ大変お世話になりました。先程のお話ですが、良ければ明後日の日曜日にお会いできればと―――

兄「!」

兄「これって…」

兄「デート!?」

兄「うそだろ…!」

兄「…お礼か」

兄「」ニヤニヤ


兄「それじゃあ、深夜駅に、12時で…待ち合わせ、と」ピピピピッピピ

兄「ふぅ…なんか今から緊張してきた」

ガチャ タダイマー

兄「ん? 誰だこんな時間に…あぁ妹か」

コンコン


妹「兄貴、ちょっといい?」

兄「…なんだよ」

妹「今週の日曜日なんだけどさ」

兄「えっ」

妹「…何?」

兄(待て、落ち着け…妹が知ってる訳ないじゃないか)

兄「なんでもない」

妹「そう…」


妹「……」

兄「なんだよ」

妹「兄貴さ、日曜日が何の日か覚えてる?」

兄「は? なんかの祝日だっけ」

妹「っ…!」

兄「なんだっけ」

妹「……」

妹「お父さんの命日だよ」


兄「あぁ…なんだ」

妹「なんだ、って何よ…」ポロッ

兄「えっ?」

妹「お父さんは…お父さんはね…っ!」ポロポロ

兄「…お前、泣いてんのか?」

妹「…ごめん」グスッ


妹「それでさ、お墓参りの事なんだけど」

兄「悪い。用事あるからさ…また次行くわ」

妹「え…」

兄「ごめんな」

妹「ぅ…もういい!」

バン!タッタッタ

兄「」ビクッ

兄「なんなんだよ…」

兄「父ちゃんか…」


―日曜日―

ピピピピピピピピ

兄「ん…ふぁぁぁ…」

兄「そろそろ時間か…」

兄「楽しみだ」ニヤ

兄「静かだな」

兄「もう出かけたのかな」


兄「お、朝ごはんか」

兄「目玉焼きにソーセージか」

兄「ベタだな」

兄「……」モグモグ

兄「一人って落ち着くな」モグモグ


兄「髪型こんなんで大丈夫かな…」

兄「匂いも」スンスン

兄「おっと…ヒゲ剃っとかなきゃな」

兄「……よし」

兄「そろそろ出掛けるか」


―深夜駅前―

兄「まだ来てないか…」

兄「ん、あれは…」

兄「女さんだ!」

兄(私服かわぇぇ…)

兄(え、まじで今からこの子とデートすんの?)

兄(待てよ…詐欺とかじゃないよな)

兄(まぁ今日で見極めてみるか)


兄「や、やぁ」

女「あ、兄さん。こんにちは」

兄「こんにちは。ごめん、待たせたかな」

女「いえ、今着いた所です」

兄「あー…えっと、どこ行こっか」

女「実は行ってみたいカフェがあって…良ければそこでどこに行くか決めませんか?」

兄「ならそうしよっか」


「いらっしゃいませ、二名様ですか?」

女「はい」

「ではこちらへどうぞ」

兄(お洒落すぎるだろ! 喫茶店なんてセルフサービスのとこしか行った事ねーよ!)

女「兄さん?」

兄「え、な…何!?」

女「何にしますか?」

書きための分おわり

少しスピードおちます


兄「それじゃこれを」

女「それでは私はこれを」

――――
―――
――

店員「お待たせいたしました」

女「ありがとうございます」

兄「あ、どうも」


女「実は雑誌持ってきたんですよ」ガサガサ

兄「じゅ、準備いいんだね」

女「ふふ」

兄「! なに?」

女「緊張、してますか?」

兄「ぐっ…まぁ、ね」

女「なら私と一緒ですね」ニコッ

兄(うぉぉおおお!! なんぞこれぇぇ!!!)


兄(いやいや…まだ詐欺かもだから。ニートの人間不信舐めんな)

女「それでこことか――」パラッ

兄(睫毛なっげー…あ、この角度おっぱい見えそう)

女「あ、ここも前から気になってて――」

兄(顔小さすぎだろ…人形館に紛れててもんかんねーよ)

女「でも――」

兄「それにお嬢様みたいだし」

女「えっ?」

兄(心の声もれたぁぁぁああ!!)


女「お嬢様、ですか?」

兄「あ、いや。今のは」アセッ

女「そうかも…しれませんね」ニコッ

兄(…セーフ?)

女「両親がすごく心配症で」

女「高校生になるまで色々制限かかってたんです」

兄「そうなんだ…」


女「だからこうして男性とお茶するなんて初めてなんですよ?」

兄「えっ」

女「初めてが兄さんで良かったです」ニコッ

兄「」

女「? どうかしましたか?」

兄「い、いややや、なななんでも」ガチャガチャガチャ


女「ではここにしましょうか…展望台」

兄「そうだね」

女「すいません。お会計お願いします」

店員「かしこまりました」

兄「ここは払わせてよ」

女「いやでもお礼を…」

兄「いいんだ。楽しかったから」キリッ

兄(決まったww俺かっけーw)

女「…ありがとうございます」ニコッ


―展望台・エレベーター内―

女「……」

兄(こんなとこ来るの初めてだな…しかも女の子と)

ガタン

女「!」ビクッ

兄「?」

女「…」

兄「もしかして…」

兄「高いところ怖いの?」


女「そ、そんな…まさか…」ガクガク

兄「すごい震えてるけど…」

女「む、武者震いです!」

兄「そ、そっか」

兄(展望台で?)

チーン

兄「着いたか」

女「…」


兄「…降りないの?」

女「あ、あの」

兄「え、うん」

女「やっぱり…」

女「手を繋いでても、いいですか?」カァァ

兄「」


女「駄目、ですか…」

兄「どうぞ! いくらでもどうぞ!」ササッ

兄(上目遣いに照れ顔…だと?)

女「すいません…」ギュッ

兄(柔らけぇぇぇ! もう手を洗えぬぅぅうう!!)

兄「」ニヤニヤ

客「」ビクッ


兄「言ってくれたら良かったのに」

女「長い事経験してなかったので…大丈夫かなって」

兄「再確認できた訳だ」

女「面目ないです」シュン

兄「! ほ、ほら! 双眼鏡覗けば高い所気にならないと思うけど…」

女「あ、なるほど」


女「……」ジーーー

兄「……」

女「あっ! み、見てください! あそこの公園の犬可愛いです!」

女「そこ危ない!」スカッスカッ

女「はぁ…」

兄(なんか和むわ)


女「ごめんなさい。なんか私だけはしゃいじゃって…」

兄「いや、萌…じゃなくて楽しかったよ」

女「んー…あんまりお礼できてないです」

兄「…(けっこう頑固なのか?)」

女「なにかないかなー…」

兄「それじゃ飲み物でも奢ってよ。喉渇いたし」

女「…はい!」


―外―

兄「あそこの公園で休憩しようか」

女「はい」





カシュ

兄「いただきます」ゴクゴク

女「こんなもので良かったんですか?」

兄「…うん。十分だよ」

女「そう、ですか…」


兄「そういえば門限とか大丈夫?」

女「あっ…はい。もう少しだけ大丈夫です」

兄「?」

女「兄さんは…」

兄「え?」

女「お付き合いしている方とか…」モジモジ

兄「ぶふっ!」ボタボタボタ


女「あ、大丈夫ですか!? 早く…早く拭かないと…」オロオロ

兄「だだだ大丈夫! 大丈夫だから!」ボタボタ

女「ハンカチありました!」フキフキ

兄「ぅあっ…そこは…じ、自分でやるから」

兄(合法的セクハラされたったww)

女「あっ…ごめんなさい…」カァァァ


兄「ごめん。ハンカチ洗って返すよ」

女「そんな…! 悪いですよ」

兄「いやいや」

兄「今日すごく楽しかったしさ。俺からもお礼…じゃないけどこれくらいは」

女「…わかりました。それじゃあ次、返して下さいね」ニコッ

兄「っ…(あばばばばば)」


女「それではこの辺りで…」

兄「あ、うん。…送ろうか?」

女「いえいえ! そんなに遠くないので。ありがとうございます」

兄「そっか…」

女「それじゃ」フリフリ

兄「バイバイ」フリフリ


兄「…なんか一気に寒くなったな」ブルブル

兄「変な気分だ」

兄「もう誰かとこうやって会うなんてな…w」

兄「俺も帰るか――――

ジィーーーーーーー

兄「…?」チラッ

ジィーーーーーーー

兄「誰かに見られてるような…」

ジィーーーーーーー

兄「まさかなw」


ガチャ

兄「ただいまー」

母「お帰り。そろそろご飯できるわよ」

兄「うん。…妹は?」

母「今日はバイトだって。さっき今から帰るってメールあったから、もうすぐ帰るんじゃないかしら」

兄「…っそ」


ガチャ

妹「ただいまー」

母「おかえりなさい。うがいしておいで」

妹「はーい」タッタッタ

兄「……」

母「兄も手を洗ってらっしゃい」

兄「あぁ、うん」


―洗面所―

妹「……」

兄「……」

妹「…何よ」

兄「いや、手を洗おうと…」

妹「ふぅん…」ジィィ

兄「…なんだよ」

妹「別に」


母・兄・妹「いただきます」

――――
―――
――


母・兄・妹「ごちそうさま」

妹「食器今日は私が洗うから」

母「あらあら、ありがとうね」

兄「……」


―兄部屋―

兄「……」ボーー

兄「あ、メール送っとくか…」

ブーブーブー

兄「と思ったら来た」パカッ

兄「…って妹かよ」

妹『ごめんなさい』

兄「…は? 意味わかんねw」

兄「まぁいいや。とりあえず女さんにメールメール」

今日はこんなもんで眠い

明日中に完結させるつもり


―妹部屋―

妹「……」カキカキ

妹「…よし、今日はこの辺にしとこうかな」カキ

妹「……」

妹(もう5年か…早いな…)

妹(今思えば…)

妹(あの日兄貴と喧嘩してなかったら)

妹(お父さんは生きてたのかな)

妹「……」

妹「…寝よう」


―5日後・兄部屋―

兄「女さんと連絡が取れない…」

兄「くそっ…なんでだよ」

兄「もう3日もメール帰ってこねぇじゃねぇか!」

兄(もう一回送るか…)ピピッピ

兄(はぁ…なんでこんなに必死になってんだよ俺)


兄「今までは別に女なんて…」

兄「…」

兄「!」

兄(好きなのか…? もしかして)

兄「ははっ…」

兄(まぁ確かに…理想のタイプだし? 俺に合わせてくれるし、手柔らかいし…可愛いし)

兄(でもまだ知り合って一週間だぞ?)

兄(そんな簡単に…)


兄(いやいや)

兄(つっても恋に時間なんて関係ないか)

兄(まともに恋愛とかした事ねぇけどw)

兄「……」

兄「女さんに、会いたいな…」ボソッ

兄「あれ、ジュースなくなってら」

兄「…コンビニでも行くか」


―コンビニ―

「あっーしたー」

兄「はぁ…」

兄「なんで俺コンドーム買ってんだ…w」

兄「最低だな、本当に…」

兄「……」

ジィーーーーーーー

兄「帰ろう。そろそろ晩飯だし」


―家―

兄「……」モグモグ

妹「…おいしい」パクモグ

母「いっぱい食べなさい」

妹「…兄貴さ」

兄「……」パクパク

妹「その…」

兄「静かに食えよな」チッ

妹「っ…ごめん、なさい…」

母「? …喧嘩でもしたの?」

妹「! うぅん、そんなんじゃない」


―兄部屋―

兄「もう…駄目かな…」

兄「結局……俺なんかが…」

兄「あんな可愛いくて良い子と釣り合うなんt

ピリリリリリリ

兄「!」パカッ

兄「女、さん!」ピッ

女『こんばんは、兄さん』


兄「やっと…」

女『たくさんご連絡頂けたのに、返せずにすいません。今お時間大丈夫ですか?』

兄「うん。大丈、夫…はぁ」

女『ごめんなさい…』

兄「いや…安心したよ」

女『…兄さん、お会いできませんか?』


兄「えっ、今から?」

女『手が空いていたらでいいんですけど…』

兄「…いや、行くよ。今どこに?」

女『この前の公園でお待ちしてます』

兄「わかった。今すぐ行く!」

ピッ


兄「母さん! ちょっと出てくる!」

母「…今から? 明日じゃ駄目な―――

兄「急用なんだ! それじゃ!」

バタン

母「……あんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見た」


―公園―

兄「はぁ……っ…はぁ…いた」

女「ぁ…こんばんは…」

兄「…っ……ふぅ…。隣、いいかな」

女「…どうぞ」

兄「……」

女「……」


兄「家は」

兄「家は大丈夫なの?」

女「…ふふっ」

兄「?」

女「私、勘当されちゃいました…」ポロ

兄「…えっ」

女「…ぅ…っく…」ポロポロ


兄「そんな…なんで急に」

女「お父様に、…知られてしまったんです。兄さんとお会いしていた事」グスッ

兄「え…」

女「それで…っ…余りにも兄さんの事を悪く言うので…つい頭に血が…っ」

兄「そう、なんだ」

女「ごめん、なさい…」ポロポロ


兄「女さんが謝る事じゃないよ」

女「兄…っ、さん…」グスッ

兄「大丈夫。俺がついてる」ギュッ

女「あぅ…」ギュッ

兄(いい匂いがする…)

兄「俺さ」

兄「女さんが好きだ」


女「えっ…」

兄「一緒に過ごした時間は短いけど……もう、女さんと連絡が取れないだけで不安で仕方がない」

兄「ずっと…。一生傍にいて欲しいぐらい、愛してる」

女「私を…っ…兄、さんが…?」ポロ

兄「答えを、聞かせてほしい」


女「っ…すごく、嬉しいです」

兄「ありがとう…」ギュウ

兄「…一緒に逃げよう。どこまでも」

兄「俺達ならどこででもやっていける」

兄「どんな生活になったって女さんを守り続けるよ」

女「兄さん…」


女「すごく、嬉しい…です。ありがとうございます」ニコッ

兄「……」

女「本当に…」












女「ありがとうございました」


――――
―――
――

―妹部屋―

コンコン

妹「はーい」

母「妹ちゃん?」ガチャ

妹「どうしたの?」


母「兄から連絡来てない?」

妹「……いないの?」

母「さっき急に出ていったっきり…」

妹「何時ぐらい?」

母「20時ぐらいかしら…。夜遊びとかするような子じゃないから心配で」


妹「もうすぐ日変わるもんね…警察に連絡しようか」

母「そうね…心配だし」

妹「とりあえずもう一回連絡してみるね」

~~♪~♪

妹「あ、兄貴…かな」

母「……」

妹「……」パカッ

妹「!」


母「兄から?」

妹「っ…うぅん! 違った…」

母「そう…」

妹「警察にかけよう?」

母「えぇ」

ピンポーン

妹「おに…兄貴かな」


母「兄かしら!」

タッタッタッ

妹「あっ…お母さん待ってよ!」

ガチャ

母「兄!?」

「……」

母「あなたは…」

「警察の者です」


妹「お母さん? 誰だった………お母さん?」

「兄さんのご家族の方ですか?」

母「は、い…?」

「大変残――すが―――が――の公園で遺―――見―――」

妹「えっ…な…に……を」

「署―――で――――けま――?」

妹「な、に…?」


――――
―――
――

―数時間後・家―

母「……」

妹「……」

母「…妹ちゃん、そろそろ寝たら…?」

妹「…明日休みだし。お母さんこそ疲れてるでしょ」

母「そう、ね…少し横になるわ



母「……」スースー

妹「お母、さん…」

母「…あ…に」

妹「!」

妹「ぅ゙っ…」ダッ

タッタッタッタッ

―トイレ―

妹「ぅ゙ぇぇ゙ぅぅ…」バシャバシャ


妹「わ、わ私が…ゔぇ、っ…」

妹「そ、んな……っ…つもり…なか、った…」

妹「た、だ…ぅ゙…っ」

妹「お゙に゙いぢゃぁぁ…ん…」ポロボロ





―妹部屋―

母「……」スースー…

母「……」


母「…ごめんなさい2人とも。いえ、お父さんも」

母「辛い目に合わせちゃったわね……」

母「本当に…ごめんなさい…」

end

おまけ

女「ただいま戻りました」

「お疲れさん」

「どうだった? 彼は」

女「少しやり過ぎたのかも、しれませんね」

「そうか…」

「まぁ、いい。戻ってきたなら荷物の整理、手伝ってくれよ」

「明るくなる頃には空っぽにしておきたいんだ」


女「はぁ…」

「どうした。情でもうつったか」

女「そんな」

「一緒に夜逃げでもしようと本気で?」

女「まさか」

「はっはっは、冗談だよ。さぁ早く片付けよう。俺達は依頼通りに事を運べばいいんだからな」

女「わかってますって」

女「そんなはず…ないじゃないですか…」ボソッ

おまけend


ほとんど投げやりエンドだけど
不明な所は適当に補完してくれ

んじゃまたどこかで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月17日 (木) 23:43:33   ID: Uxx2v3Zi

意味不明

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