希「とうとう」 穂乃果「手に入れたよっ」 (34)
穂乃果「パーツショップ?」
希「カードショップじゃなく?」
絵里「どう間違えたらそう聞こえるのよ」
希「冗談や」
穂乃果「それって、アクセサリーの?」
絵里「ええ、そうよ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416407804
絵里「その名前の通り、いろいろなパーツを扱ってるの」
穂乃果「へぇー。でも穂乃果、ビーズくらいしか思い付かないなぁ」
希「うちも数珠くらいしか」
絵里「希……今日なにかあったの?」
希「無駄に冗談を言ってみたいだけ」
絵里「……そう」
穂乃果「他にどんなもの売ってるの?」
絵里「天然石なんかとてもきれいよ」
穂乃果「石……?」
絵里「宝石ほどじゃないけど、アクセントとしていれてみたりするの」
希「勾玉みたいな感じやね」
絵里「……」
絵里「ことりの方がそういうお店は詳しいかもしれないわね」
穂乃果「たしかに……ことりちゃんいつもきれいなの作ってくれるし」
希「あ、無視せんといて。勾玉もきれいやん」
絵里「今度ことりと出かけてみようかしら」
穂乃果「浮気はだめだよ、絵里ちゃん」
絵里「それは大丈夫よ」
希「抜け駆けもだめなんやけどね」
絵里「」
絵里「……もしかして、まだ怒ってる?」
希「別に?」
絵里(怒ってる態度よね、これ)
穂乃果「そういえば、アクセサリー教室っていつやるの?」
絵里「ことりにも確認しないといけないわよ」
穂乃果「それは穂乃果に任せて!」
――後日
絵里「あら、ことりじゃない」
ことり「あ、絵里ちゃん」
絵里「ことりもここに用事?」
ことり「うん。パーツショップっていったらここかなぁ、って思って」
絵里「よく来るの?」
ことり「そうだねぇ。品揃えがいいから、衣装作りの時はだいたい来てるよ」
絵里「私も前は来てたんだけど、生徒会長になってからはあんまり来れてなかったのよね……」
ことり「ふふ、絵里ちゃん、いつも忙しそうだったもんね」
絵里「……やっぱり、そんな風に見えてたのね」
ことり「え? あ、別に深い意味があるわけじゃ……」
絵里「冗談よ。さ、中を案内してくれるかしら。久しぶりだからわからなくて」
ことり「うんっ」
絵里「イニシャルのチャームを入れるとかどう?」
ことり「あ、それいいかも。そういえば今までやったことないなぁ」
絵里「……イニシャルといえば」
ことり「ん?」
絵里「穂乃果が着てる『ほ』のTシャツってどこで売ってるのかしら」
ことり「あー……それ、ことりも気になってたんだ」
絵里「あら、ことりでも知らないことがあるのね」
ことり「それはそうだよ。ずっと一緒ってわけにはいかないもん」
絵里「私はずっと穂乃果のそばにいたいけど」
ことり「……希ちゃんは?」
絵里「も、もちろん希もよ!」
ことり「……ふふっ」
絵里「もう……ことり?」
ことり「ご、ごめんね。つい……」
絵里「まったく……ことりがそんないじわるしてくるなんて……」
ことり「あはは……あ、早くしないと遅くなっちゃうよ」
絵里「……そうだった。そろそろ希の家に行かないと」
ことり「明日も練習あるのに、お泊まり?」
絵里「ええ、今日は雪穂ちゃんがうちに来るから」
ことり「あー……そっかぁ」
絵里「少しくらい、空気を読んであげないとね」
ことり「あの二人もいつも一緒だよねぇ」
絵里「まぁ……希に機嫌を直してもらわないと、っていうのもあるけど……」
ことり「?」
絵里「じゃあ、そろそろ行くわ。今日はありがとう」
ことり「うんっ。また明日、だね」
――
亜里沙「いらっしゃい、雪穂っ」
雪穂「おじゃましまーす。はい、これおみやげ」
亜里沙「おみやげ?」
雪穂「うん。手ぶらで来るのもなんかなぁ、って」
亜里沙「ありがとう雪穂っ……白くて、丸い?」
雪穂「作りたてのおまんじゅう。私が作ったんだ」
亜里沙「ハラショーっ、雪穂すごい!」
雪穂「そうかな……へへっ」
亜里沙「あとでお姉ちゃんにひとつあげようかな」
雪穂「? あれ、そういえば絵里さんは?」
亜里沙「希さんの家に泊まるって言ってたよ?」
雪穂「……それって、気をつかわせちゃったんじゃ」
亜里沙「?」
亜里沙「久しぶりに二人っきりだね、雪穂っ」
雪穂「うん、そうだね!」
亜里沙「じゃあ、わたしの部屋、行こ?」
雪穂「えっ」
亜里沙「雪穂?」
雪穂「……あ、ううん、なんでもない」
亜里沙「……大丈夫だよ。まだ、何もしないから」
――土曜日
穂乃果「やってきました、アクセサリー教室!」
希「先生のご紹介やっ」
穂乃果「まずは、μ’sの衣装を手掛けてくれてる、南ことりちゃん!」
希「そしてもう一人、かしこいかわいいえりーちか、で一躍有名、絢瀬絵里!」
ことり「こんにちはー」
絵里「ちょっと待って、私の紹介変じゃない?」
希「気のせいや」
絵里「そう? ならいいけど」
絵里「……やっぱりおかしいわよ!」
希「あ、そこに気付くとはさすがKKEやね」
絵里「恥ずかしいからやめて!」
希(えりちをからかうの楽しい)
凛「いいから早く始めるにゃ」
海未「時間がもったいないです」
穂乃果「海未ちゃんの言う通りだね」
絵里「今日はネックレスを作ってみようと思うの。ね、ことり」
ことり「うんっ。じゃあ、まずはこれ、渡していくね」
にこ「? Z?」
真姫「私がMだから、にこちゃんは……」
にこ「ちょっ、急に何言い出すのよ!?」
真姫「?」
にこ「それに、真姫ちゃんはどっちかと言うとエs真姫「にこちゃん!」
希「ほらそこー、いちゃいちゃせんといてー」
にこ「だれがなんだって?」
希「おー、こわいこわい」
絵里「イニシャルのチャームだから、にこのはNよ」
花陽「イニシャルだと、わたしと穂乃果ちゃんでかぶるよ?」
にこ「にこと希もよ。希のはどうするの?」
ことり「穂乃果ちゃんには『ほ』だよっ」
穂乃果「! やったぁ!」
海未「穂乃果は昔から『ほ』が好きですね」
穂乃果「うんっ。なんかこう……」
真姫「?」
穂乃果「なんかいいじゃん!」
にこ「なによそれ……」
絵里「希にはこれ」
希「T?」
凛「東條のTかにゃ?」
絵里「それもあるけど、ほら、前にたぬきの衣装を着たときがあるじゃない?」
花陽「海未ちゃんがうさぎの衣装でぴょんぴょんしてたとき?」
海未「えっ」
絵里「ええ。それがとてもかわいかったから、その意味も込めてあるわ」
凛「海未ちゃん……みんな知ってるよ?」
海未「」
絵里「もちろん、他にもいろいろとパーツを用意しているわ」
ことり「ラインストーンとか、ウッドビーズとか、他にもいっぱい!」
花陽「こんなにたくさん……」
凛「すごいにゃー!」
穂乃果「どれを使っていいか悩んじゃうね」
海未「そうですね、どうしましょうか……」
にこ「にこはやっぱりかわいいのがいいなー」
真姫「私は、少し落ち着いた感じにしようかしら」
希「パーツ選んだら、さっそく作ってみよー」
――
穂乃果「で……できたー!」
海未「な、もうですか!?」
ことり「海未ちゃん、意外と不器用さんだよね」
凛「凛ももう少しにゃ……」
花陽「がんばって、凛ちゃん!」
にこ「こんな感じ? いや、もっとかわいくできるはず……」
真姫「にこちゃん……いくらなんでもやりすぎじゃない?」
希「そういう真姫ちゃんは、もう少しかわいいのにしてもええんやない?」
絵里「いろいろつけたくなるのはわかるけど、首に負担にならない重さにしてね」
――
海未「私も、できました!」
絵里「これで皆完成ね」
ことり「うんっ」
花陽「難しかったけど、慣れてくると楽しいね」
凛「かよちんはもともと器用だしね」
希「みんなええ感じやんっ」
にこ「当たり前でしょ? このにこにーが作ったのよ」
真姫「はいはい、わかったわよ」
穂乃果「よし、じゃあさっそくつけてみよう!」
にこ「……意外と重い」
絵里「だから言ったじゃない……」
海未「凛のネックレス、とてもかわいいですね」
凛「そうかな? 海未ちゃんのもきれいだよ!」
ことり「真姫ちゃんはどう?」
真姫「うーん……ちょっと失敗。首がチクチクするわ」
希「まぁ、また作ってみればええやん」
穂乃果「見て見て! やっぱりいいよねぇ、この真ん中の『ほ』!」
花陽「う、うん。いいと思うよ」
――
希「結構な時間やけど、今日はこれでお開きにする?」
絵里「そうね、あまり遅くなるのは危ないし」
海未「では、私たちは先に失礼します。行きますよ、凛」
穂乃果「あれ、このあと何かするの?」
凛「海未ちゃんといっしょに星を見に行くにゃ!」
ことり「そうなんだぁ……ねぇ、花陽ちゃん。ことりたちもどこか行こっか」
花陽「うん、そうだねっ」
にこ「にこも帰るわ。妹たちにご飯作らなきゃ」
真姫「だったら私も行くわ。こころちゃんたちにまた来てね、って言われてたから……」
絵里「……皆行っちゃった」
希「さみしいん?」
絵里「そんなことないわ。二人がいるもの」
穂乃果「穂乃果たちも、ご飯とか食べに行く?」
希「せっかくやし、それもええんやない?」
絵里「そうね。明日はお休みだし、ゆっくり過ごしましょう」
穂乃果「あ、そうだ」
絵里「どうしたの?」
穂乃果「はい、これ。絵里ちゃんにプレゼントっ」
絵里「ネックレス?」
希「うちからも、ブレスレットをプレゼント!」
絵里「希まで……」
穂乃果「これからも、穂乃果のことよろしくね」
希「うちのことも、忘れんといてな」
絵里「二人とも……ええ、もちろんよ!」
――終わり
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません