男「あ、幼馴染」

幼馴染「男っおは「おはよ「ようー「はようございます」

男「相変わらずだなあ。今日は？」

幼馴染「…」

男「ほう」

男「植木鉢の役か」

幼馴染「そうなん「なの！「わけじゃないけど「のよ…」

男「がんばれよ、また学校でな」

植木鉢「うん！」

男「冷え込むなあ」

友「おう！男！あれ？植木鉢ちゃんは一緒じゃねぇの？」

男「まあ、植木鉢だしな…おお？…おまえ、それ…」

友「よく気づいたな！ かっこいいだろ！」

男「かっこいい」

男「かっこいいな、真っ赤なランドセル」

男「ぼくもほしいな ぼくはあおいの」

ペンギン「ぼくはくろいの」

くちばし「ぼくはきいろいの」

友「ぼくのぴかぴかランドセル」

ぼく「いいな」
ぼく「いいな」
ぼく「いいな」

友「あ！ 古文の宿題やってねぇ！」

男「ほう」

ペンギン「マグロうめぇ」

くちばし「もぐもぐ」

友「やべーまじやべー、やべーまじやべー」

男「休み時間にやればいい」

友「や…べーまじやべー、やべーまじや？」

男「！…植木鉢はそんなんじゃ…大体お前が勝手に…」

友「まじwwやべーやべwww」

男「なっ…友お前、この、あーもう！ ニヤニヤするな！」

友「やべーwwwまwwじやべーwwww」

友「やべー ま…やべーまじ？」

男「確かに…思い当たる節がないでもない」

友「や？ べーまじ？ やべー、や」

男「…でも、本当に植木鉢が俺のこと…」

友「べーま…じやべーやべ。やべー」

男「……そうだよな」

友「やべー、やべや、べーや……やべー？」

男「あっ」

男（植木鉢…そんな慌てて走ったら……あー、盛大に転けて…欠けたな、あれは）

植木鉢「…っ！……！！………？…！！！」

男（あーまた慌てて…あ、植木鉢の破片が…これはもう一回こけるな）

友「やべー、ま、べーやべ！」

男「友…お前…」

友「や！ やべまじや？ やべややべ！！」

男「宿題は自分でやれよ」

友「やべ、や…」

植木鉢「！？っ…っ…っ！？」

男「あ、やっぱり」

友「…やべ～…」

植木鉢「…っ、…！…」

男「おう、植木鉢」

植木鉢「…！！…っっ！！」

男「まあさっき会ったばっかりだけどな」

友「やべ、やや！」

植木鉢「！…？…っ？…」

友「やべ～、やべやや、やべべ」

男「それはお前が悪いだろ」

友「やっべべ？ やべべやb」

男「おい」

友「やべべや」

男「おう」

植木鉢「？」

男「…ん？」

男（なんだ、この異様な違和感は…）

友「…やべ？」
植木鉢「…っっ？…？？」

男（違和感？…いわかん？…いよかん？）


男（なんだ、この異様な伊予柑は…）

やべ「やべっ？！…なんだこれ、ミカンか？」

男「…あれ、お前だれ？」

やべ「は？ 何俺に言ってんの？」

植木鉢「っ？」

男「いや、誰？ やべとか知らな…」

植木鉢「っ？？」

男（いや、なんでやべって俺知ってるんだろ）

男「え？ あれ？」

やべ「…どうした？お前、なんか変だぞ？」

男（やべ、だよな…うん。俺どうしたんだろ。）

男「…悪い、寝ぼけてんのかな」

やべ「んだよ気持ちわりー」

植木鉢「……？っ！」

男「おう、そうだな」

伊予柑

男「あ、また落ちてる」

伊予柑 伊予柑 伊予柑

やべ「あー、最近多いよなー…ゲッ、じゃあさっきの不気味なのも…」

男「…だろうな」

やべ「まじかよ、あー伊予柑だったのかー…」

伊予柑 伊予柑 伊予柑 伊予柑

男「お前、伊予柑はやめとけよ？」

やべ「わーってるって！ 伊予柑はなあーちょっとなあー」

伊予柑 伊予柑 伊予柑

男「ペンギンの天敵だしな」

伊予柑

やべ「そう！ それなんだよ！…それさえなけりゃまあなー」

植木鉢「っ…！…………ぃょヵ…」

男「ん？ なんかいったか？ 植木鉢」

植木鉢「……っ」

男「変なやつ」

伊予柑 伊予柑 伊予柑 伊予柑 伊予柑

ペンギン「伊予柑いやや！！」

植木鉢「……ぃょヵω…ぃゃゃ…」


男「えっ？」

やべ「どした？ 伊予柑でも踏んだか？」

男「あ、これ、う、植木鉢…？」

やべ「あ、お前いつの間にデコポンの苗木なんか！」

植木鉢「」

男（植木鉢って植木鉢だよな、ん？…うん…あれ？）

男（…俺さっきまで植木鉢と…ん？ 植木鉢と？…）

やべ「男？」

男（植木鉢ってこれだよな、それが…あれ？ ）

男「うーん」

くちばし「もぐもぐ」

男「…ただの植木鉢を、幼馴染だと思っていたのか」

デコポン

男「ん？ なんだかやたらと伊予柑にまみれた道だな」

伊予柑「やんややんや」

男（とりあえず植木鉢を持って帰るか…）

伊予柑 伊予柑 伊予柑 伊予柑

男（…それにしても）

デコポン

男（歩けど歩けど伊予柑だな…）

伊予柑 伊予柑 伊予柑 伊予柑

男「…一個くらい…いいかな…」

男「…これかな」

伊予柑「なんしよん？」

男「は？」

伊予柑「いや、『は？』やなかろーもん。なん勝手に拾いよると？」

男「いっぱいあったから…いいかと…」

伊予柑「自分ペンギンば飼っとろーもん、伊予柑ち言ったらペンギンの天敵やけんね？」

男「え…うん…」

伊予柑「私はいいんよ、やけどペンギンのことば考えちゃり」

男「…わかった…」


男（なんで見ず知らずの伊予柑に説教されてるんだろ）

男「戻そう」







伊予柑「大概やんね自分も」

男「ちっ」

伊予柑「なして一回言ったことが分からんと？」

男（あーこの伊予柑がかわいい女の子だったら…）

伊予柑「信じられんっちゃけど…ねぇ、聞いとると？」

男（方言女子だしなあ…伊予柑の擬人化なあ…）

伊予柑「なんなん？ くらすよ？」

男（まあミカンでも愛嬌はあるな）

伊予柑「ミカンやなくて伊予柑やけど」

男（！？）

伊予柑なのに博多弁とはこれいかに？

>>21
それは秘密です

男「…あっ」

男（そういえばこの植木鉢を持って帰らなければ）

男「そうだ、育てなければ」

伊予柑



男「これはここで食べていこう」

伊予柑「なんと」

男「おいしかった」

男「皮はこの生垣に吊るして…よし、帰ろう」

知り合い「柑橘類の皮は生垣に吊るすと健康になるからね」

健康おじさん「健康、健康。」

男「健康おじさんだ」

知り合い「健康おじさんは『健康』って言うと大体近くにいるからね」

健康おじさん「健康、健康。」

なにこれこわい





こわい

男「やばい！」

男（なんだかわからないが…なんかやばい！）

知り合い「あれ？ …男くん行っちゃったね」

健康？おじさん「…ふっ」

知り合い「うわっ、健康おじさん？ 急にどうしたんだろうね？」

健康？おじさん「ふふ…」

知り合い「うっ…急に肌荒れが……お前、まさか」

健康？おじさん「…ふふふ…」


知り合い（これは男くんが危ないだろうね…）

>>25
こわいよりやわらかいが良いですよね
わかります