妹「兄貴、兄貴起きろ」
兄「…んぅ…あと…10分寝かせて…」
妹「………起きろ兄貴」ユサユサ
兄「ムニャ…妹の早起きに付き合うほど器は大きくないのだ…スゥ…」
妹「ほとんど起きてるじゃねぇか」
兄「布団の中でぽかぽかする権利を何人たりとも邪魔はさせん!ムニャムニャ…」
妹「……そうも言ってられねぇ状況のようだがな」ハァ
兄「……」
妹「…」
兄「………」
妹「…」
兄「…え、今何時?」
妹「0800と3分程だな」
兄「………えっと…短針の見間違えとか…」
妹「腕時計はデジタルだ。しかも電波機能付きのな」
兄「じゃぁ寝坊じゃぁぁぁぁぁん!!」バサァ
妹「ようやく事態が飲み込めたらしいな」
兄「え!?待って待って!ケータイのアラームは!?何で鳴らないの!?」ヌギヌギ
妹「落ち着け。ケータイは昨日兄貴が定食屋で…」
兄「……! そうか。うどんに水没したんだっけか…」ポイポイポイ
妹「ほらよ。制服だ。アイロンはきっちりかけてあるぜ」スッ
兄「お!ありがと!…あれ?でも代わりにちっこい目覚ましをセットしたような…」シュルッ
妹「あぁ、確かにあったな。そこのバラバラのがそうだろ」
兄「えぇぇぇぇぇ!?粉々になっとる!?な、何故に、何故にバラバラ!?」
妹「最近の時計は爆発するらしいな…どうかしてるぜまったく」
兄「どうかしてるって…あ!これ妹がやったんだろ!うるさいからエイヤーって!」
妹「さぁな。無駄口叩いてる暇あったらさっさと着替えた方がいいぜ」
兄「お前ほどの腕力なら…ってうわもう本当に時間ない!」
兄「クソッ!男は何で髭が毎日伸びるんだよぉ!」ソリソリ
妹「泡を撒き散らしながら剃るな。誰が掃除すると思ってるんだ」
兄「でも毎朝だぞ!?毎日毎日すっごい時間のロスが」
妹「こっちに泡を飛ばすな!喋ってる暇があったら剃りまくれ!」
妹「それに大体朝の時間のロスって話なら女のほうが…」
兄「あ……カミソリ負けしたっぽい…すごいヒリヒリする…」
妹「…」ビキッ
妹「ケツを蹴飛ばされてぇのか!さっさと泡を落とせ!」ベシッ
兄「蹴ってる!蹴ってるって!せめて蹴るなら肉のあるとこを…アダァ!」
兄「おー…痛ぇ…我が妹ながら何て脚力だ…」サスサス
妹「兄貴、戸締りは?」
兄「ばっちり。でも兄ちゃんまだ朝ごはん食べてないから腹ペコ。ノットばっちり」
妹「朝飯なら…ほらよ」ヒョイッ
兄「お!ありが……ってレーション!?何でレーション!?」
妹「これなら走りながら食えるだろ」
兄「レーションをくわえながら疾走する少女…アリか…いや絶対にないな…」
妹「ぶつくさ言ってると置いてくぜ」
兄「あ!先に外出るなよ!最後に出たら俺が鍵を…!じゃなくてこのレーション一体どこで…」
妹「うるさいんです」ギロッ
兄「戸締りはお兄ちゃんに任せろ!」キラッ
>>2
0800と3分だったら0803だよな
>>8
その通りだ。すまん。
-通学路
兄「ふっ…昨日っ…はぁ!ケータイが、水没しなければ!」タッタッタッ
妹「終わった事をとやかく考えるな。今は走ることだけ考えろ」ガッチャガッチャガッチャ
兄「くっ…何故お前は…走ってるのにっ…息一つ、上がらないん…だっ!」タッタッタッ
妹「さぁな。兄貴が貧弱なだけだろう」ガッチャガッチャガッチャ
兄「そうじゃなくて!…ハァ!そんなクソ重いもん背負ってって…いう意味でだっ!」タッタッタッ
妹「乙女には色々と装備が必要なんだよ」ガッチャガッチャガッチャ
タッタッタッ
ガッチャガッチャガッチャ
兄「……乙女って柄かよ…」ボソッ
妹「…」ボッ
兄「痛ってぇぇぇぇ!!」
妹「悪いな。余りにもチンタラしてたから足が当たっちまったぜ」ガッチャガッチャガッチャ
兄「く…おおぉぉぉ…ピンポイントでぇ…朝蹴ったところをぉ……」
兄「…セェェェェフ!超ギリギリだがセーフはセーフ!」ゼェハァ
妹「…そのようだな」
女「あ、兄くんに妹さんおはよー!」
兄「…お、おは、うっぷ、よう…」ゼェハァ
妹「おはようございます」シャキッ
女「兄くん今日随分早いんだね。いつもだったら遅刻ギリギリなのに」ニコニコ
兄「…?…言ってる、意味が…わからんの…だが…」ゼェハァ
女「ん?だってまだ始業30分前だよ。いや~兄くんってば超優良学生だね!」ニッコリ
兄「…つまり…それってつまりはその…」
女「うん?…あぁ兄くんは遅刻ギリギリじゃないよ。むしろ余裕綽々!」ニコニコ
兄「…そうじゃなくて…妹が…」
妹「そう。俺が兄貴を担いだってことだ。嘘で何度も胸が張り裂けそうになったがな」ニィ
兄「…じゃぁ焦ってカミソリ負けしたのもクソ不味いレーション食いながら登校したのも…」
兄「最後の直線で口から白い泡が出ながらもほぼ無意識で校門にゴールインしたのも…」
兄「全部…全部…」
妹「兄貴的には無意味だ。…同情はするがな」
兄「…ゴフッ」ガクリ
女「妹さんありがとー!おかげで兄くんに遅刻させずに済んだよー!」ニコニコ
妹「いえ、大した事はしていません。身内の不始末を片付けただけです」
女(例のモノ、用意しておくね!)ボソボソ
妹(はい。また何かあれば私までどうぞ)ニヤァ
兄「ひでぇ…ひでぇよ…あんまりだ…」ズーン
妹「ハァ…いつまで腐ってるつもりだ」
女「そうだよ。元々兄くんがいつも遅刻ギリギリなのが悪いんだよ?」
兄「いや間に合ってるからノーカン…とか?」
妹「…間に合わせてるのはどこのどいつだろうな」ジロッ
兄「ぐっ」
女「級友と妹にダマされないと間に合わないのは誰なんだろうね?」ニコッ
兄「ゲハァッ!」
兄「くっ…徹底的にアウェーだ!誰か…誰か俺の味方はいないのかっ!」
妹友「あ、女先輩おはようございます。兄先輩おはようござ…何で地面に倒れ伏してるんですか?」
兄「言ってる側から援軍キター!」ガバッ
妹「よう妹友。女先輩は別だが…兄貴に敬語を使う必要はねぇ」
妹友「おはよう妹。そうは言っても先輩は先輩だからな」
妹「じゃぁお前は犬コロにも敬語を使うってのか」
妹友「まぁ落ち着けって」
タタッ
兄「妹友さ~ん助けてくれ~。こいつら寄ってたかってかくかくしかじか」
妹友「これこれうまうま。ほぅ、なるほど。そういう事か」
妹友「…だとするなら、兄先輩が悪いですね」
兄「ギャー!援軍かと思ったら敵だったー!」
妹友「…ただ騙す以外にも方法はあったのでは?」
兄「…お?」
女「う……確かに嘘までついてすることかと問われるとちょっと…ね?」アセッ
妹「…」
妹友「まぁ今後についてもう一度話し合ってみるってのもいいんじゃないのか?…なぁ妹」
妹「…そろそろ始業時間だ。教室に行くぜ妹友」ガッチャガッチャ
妹友「あ、おい妹!…先輩達すいません俺たちはここで。失礼しました」スッ
ガッチャガッチャガッチャ
妹友『置いてくな妹!おい待てって!』
妹友「待てって…おい妹」ガッチャガッチャガッチャ
妹「…」ガッチャガッチャガッチャ
妹友「…やれやれ」ガッチャガッチャガッチャ
妹「…」ガッチャガッチャガッチャ
妹友「…お前は昔からお兄さんのことになるとムキになるよなぁ」ガッチャガッチャガッチャ
妹「…」ガッチャガッチャガッチャ
妹友「…その、少しは優しくしてあげるってのはどうだ?」ガッチャガッチャガッチャ
妹「……うーん、無理だ」ガッチャガッチャガッチャ
妹友「…そうかよ。あ~あ、訳分かんねぇ…」ガッチャガッチャガッチャ
妹「…ふん」ガッチャガッチャガッチャ
-教室
女「おっはよー」
兄「…はよーっす…」
金髪「わぁお…何てこった。こいつぁやべぇぞ…」
兄「…何がやばいんだ?」
金髪「お前がこんな早い時間にここにいることがだよ。こりゃ天変地異の前触れだぜ…」
兄「…散々な言われようだな」
女「それだけ兄くんが普段まともな登校時間に来てないってことよ」
金髪「で、こんな時間に何が目的だ?好きな娘の下駄箱にラブレターでも入れに来たのか?」ガシッ
兄「このご時世に下駄箱に手紙とか…お前も意外と乙女だな」
金髪「!? バッ…てめぇ何が乙女だ!」///
女「金髪ちゃんは正真正銘乙女だよー。この雑誌コーナーでマーガレットを…」
金髪「うるっせんっだよ!そのネタは二度と言うな!」
女(ふっふっふ…バラされたくなかったら私に力を貸しなさい)ボソボソ
金髪(クソッタレが…で、何をすればいいんだ女王様?)ボソボソ
女(3dsのrボタンがまるで反応しないの…このままじゃ全ソウル取得できない)ボソボソ
金髪(またかよ!何回ボタンが死ねば気が済むんだ!あーあー直しゃいいんだろ直しゃよ…)ボソボソ
女(さっすが金髪ちゃん!助かるよ!)
兄「…教室の隅っこに移動してお前ら何やってんだ?」
金髪「なっ、何でもねぇよ!」
女「そうそう何でもないよー」
兄「ふむ?で、雑誌コーナーで何だって?」
女「うん。金髪ちゃんは雑誌コーナーでマーガリンを食べてたんだよ!」
金髪「ハァ!?」
兄「マーガリンを!?」
兄「何でわざわざ本屋でそんな蛮行を…」
金髪「だっ…わ、悪いかよ!腹減ってたんだよ!」
兄「いや食うならせめて外で食えよ!」
金髪「あ、あまりにも腹が空いてて耐えられなかったんだよ!」ヒクヒク
兄「…そうか。…今日学食で何か奢ってやるよ」ポンポン
金髪「そ、そいつはありがてぇ。ありがたくて涙が出るぜ…」ギロリ
女(金髪ちゃんごめん!てへぺろ!)
金髪(こ、こいつ…!ぶん殴りてぇ…!)ビキキ
金髪「そうだ!結局お前が何で早く来たのか聞いてねぇぞ!」
兄「あー。それはさー…」
―――
――
―
兄「…って訳なんだよ」
金髪「ハッハー!ざまぁみやがれ!妹に一杯食わされたって訳だ!」
兄「…マーガリン頭に言われてもねぇ」
金髪「あぁ!?やんのかてめぇ!そもそも俺の毛はマーガリンで染める云々の前に地毛だ!」
女「まぁまぁお二方落ち着きなさいなー」
兄・金髪「「元凶の1人がどの口でほざくんだよ!」」グァッ
女「ひー!こんな時だけシンクロしてきたー!」
兄「大体お前は声がデカすぎなんだよ」
金髪「お前みてぇに耳が遠い奴に喋るにゃぁうってつけなんだよ」アァン?
女「マズいわ…このままじゃ兄くんと金髪ちゃんの激突は必至!」ワクワク
女「…何か何かこの居心地の悪い空間を破壊する方法は!?」ワクワク
?「イエーイベイビー!hahaー!」バーン
女「破壊の方がやってきたわ!」ワクワク
?「yeah!! 学園一のヒーロー!褐色肌様の入場だぜーぃ!」
兄「大体言葉遣いもお前は雑なんだよ。女にしちゃぁガサツが過ぎるぞ」イライラ
金髪「言葉遣いがなってねぇのはてめぇの前だけだ。ロクデナシにはぴったりだからな!」ビキビキ
褐色「おいおい二人共朝から何て面ぁしてやがる。朝なんだからもっとハッピーに行こうぜぃ!」
兄「…俺の前だけってのはどういう意味だ」イライラッ
金髪「あぁ?馬鹿だから説明しねぇとわかんねぇのか?てめぇの前だけってのh
褐色「ハッハー。お前らカルシウム足りてないだろ。朝の搾りたてのママのミルク飲み忘れたんだろ。だったら俺にm
兄・金髪「「うるせぇっ!!」」
褐色「まぁそうイラつくなって!今からでも遅くはないだろう?家に帰って二人共ママのミルクを…」
兄・金髪「「飲んでねぇよっ!」」
褐色「ワオ!お前らスゲぇな!そんなにハモってよ!文化祭は二人で合唱の出し物でもするのかよ!まぁ俺は遠慮しとくがな♪」
兄・金髪「「………」」ゴゴゴゴゴゴゴ
女(ひ、ひぃぃ…お腹痛いわー苦しいわー)プッ ククク
褐色「そんなとびきり仲の良いコンビに丁度いいプレゼントだ」ピラッ
金髪「……何だ?ただのプリントじゃねぇか」
兄「2枚ある…って委員召集状だコレ。俺と…金髪の分?」
褐色「何でも転校生が俺たちの委員会に入りたいんだと。そのルーキーの為の召集らしいな」
兄「…その転校生はうちの実情知ってて入りたいのか?」
金髪「この委員会に入ろうなんて奴はとんでもないバカか、とんでもないアホのどっちかだな」
褐色「ああ、確かに。俺の目の前に丁度バカとアホが仲良く並んで立ってる」
金髪「バカでアホなのはお前1人だけだ」ケッ
女「キミら万年人手不足なんだからむしろ朗報なんじゃないの?」
金髪「足手まといが増えたら朗報どころか凶報だ。後者ならうちは間に合ってる」ジロッ
褐色「珍しく意見が合ったな。俺もそう思ってた」ハハッ
兄「で、これのどこが丁度いいプレゼントなんだ?」
褐色「ああ。まずルーキーへの説明をさっさと終わらせるだろ?」
金髪「…で?」
褐色「そしたらお前らを残して他のメンバーは帰る」
兄「ほうほう。それから?」
褐色「後はお前らが人気の無い教室で人目も気にせず延々とイチャイチャできるって訳だ!」
女「……ぷっ」
兄「…………なぁ金髪」パキポキッ
金髪「ああ。皆まで言うな。俺も同じ事を考えてる」パキポキ
ガラガラッ
担任「ほーい皆席に着けー」
兄「…ッ!」
金髪「…ッ!」
女「……ぷふっ」
褐色「ハッハー!残念だったなお前ら!その拳は壁殴りにでも使うんだな!」
兄「お、おのれぇ~…ッ!」グヌヌ
金髪「間の悪い時に…ッ!」グヌヌ
担任「おーい褐色はいるかー?」
褐色「お、先生。ここにいるぜー」
担任「うん。あんたさー、先生に何か言う事ない?」
褐色「今日も最高に美人だぜ!まぁ俺様の美少女っぷりには遠く及ばないが」
担任「うん。鼻につくお世辞ありがとな。で、さっきあんた廊下で何してた?」
褐色「シャトルランしてました!サー!」
担任「うん。サーじゃなくてマムな」
担任「先生もな。廊下走るごときで文句言わないよ、そりゃ」
褐色「シャトルランです!サー!」
担任「うん。もうサーでもいいけどさ。で、シャトルラン中何かなかった?」
褐色「2,3人吹っ飛ばしましたがそれ以外異常はありませんでした!サー!」
担任「うん。だよね。吹っ飛ばしたよね。ところで私のスーツが何で埃だらけか分かる?」
褐色「わかりません!サー!」
担任「うん。君に吹っ飛ばされたんだよ」
褐色「そうですか!サー………え!?」
担任「うん。プリントとか出席取る黒い奴とか色々ぶっ飛んじゃってさー、大変だったんだー」
褐色「……」ダラダラ
担任「うん。で、プリントが2枚どうしても足りないんだー」
褐色「…そ、その2枚なら無事本人に届けました…マム…」
担任「うん。そうかー。ありがとなー」
担任「うん。無くなってないなら別にいいんだよ、うん。良かった」
褐色「…ハ、ハハハ」ダラダラ
担任「君の凄まじいアスリート力にはね、先生も一目置いてるのよ」
褐色「こ、光栄です。マム」
担任「だから廊下でのシャトルランもね、鍛錬の一貫として見てもいいのよ」
褐色「! じゃ、じゃぁ…!」
担任「うん。でも君は遅刻にするから。間に合ってるけど遅刻にするから」ビキビキ
褐色「noooooooooo!」ガクリ
兄「b」ビッ
金髪「b」ビッ
女「…ッ!」プッ
―放課後 視聴覚室
妹「急に召集がかかったが何があった?」
褐色「なんだぁ?妹は何も聞かされてないのか?」
妹友「俺も聞かされてない。大体一昨日ミーティングやったばかりだろ」
金髪「えーと、なんだ。アレだ。転校…あー、話す手間が省けたみたいだ」
ガララッ
顧問「オッス。皆揃ってるな」
金髪「んー…まだ兄が来てねぇみてぇだが」
顧問「あぁアイツは別件で周ってるからいいんだ。ひぃ、ふぅ…ほい、全員揃ってるな」
顧問「おほん。万年ウルトラ人材不足のウチに新戦力が加わることとなった」
妹「そいつはありがてぇな」
妹友「あぁ、それで集まったのか。…でも何だって今の時期に?」
顧問「親の転勤の都合で転校してきたみたいでな。で、丁度私が担任してるクラスに入ってきた」
褐色「それで無理矢理勧誘したのか?ハッハー!先生も随分と手荒な真似するな」
金髪「正直そんなんじゃウチは長持ちしねぇぞ…」
顧問「いや本人たっての強い希望だ。じゃぁ赤髪さん、入ってきて」
ガララッ
赤髪「オッス!はじめまして!俺赤髪って言います!皆さんこれからよろしくお願いしまッス!」
褐色「また随分とやる気のある奴が入ってきたな!」
妹「やる気だけじゃ話にならねぇけどな」
金髪「これ以上五月蝿いのが増えるのは御免だぜ…」
妹友「まぁそう言うなって」
顧問「それじゃー…そうだな。妹さん」
妹「はい」
顧問「君にこの娘を任せるね。一から、優しく、教えてあげてね。優しく、ね」
妹「…はい。前向きに善処します」
妹友「それじゃやらねぇのと同じじゃねぇか」
褐色「おぅ…言葉だけ聞くと何だかいやらしいな。うへへへ」ニヤニヤ
金髪「てめぇは黙ってろ!」
顧問「ほんじゃ私も色々忙しいんであとよろしくねー。じゃっ!」
ガララッ
金髪「相変わらず適当な先公だな…」
妹「おい金髪。先公じゃなくて先生だ」
金髪「はいはい先生マホメッドジーザスクライストブッダ様。これでいいか?」
妹「口の減らねぇ奴だ」
妹友「おい二人共そこまでだ。すまないな赤髪。ここの連中はどうもガサツな奴が多くてな」
褐色「あぁ全身ガサツで出来てておまけに頭をマーガリンで染めてる奴がいるしな」ニヤニヤ
金髪「あぁ!?てめぇ何でそれを…あの女ァ……ッ!」ワナワナ
妹友「おいっ!!………俺の名前は妹友だ。よろしくな」
赤髪「あぁ!ご丁寧にどうもッス!よろしくッス!」
妹友「そこの頭が金色なのが金髪」
金髪「あァーよろしく。そこの肌がこんがり焼けてる奴に近づくな。あっと言う間に真っ黒になるぞ」
妹友「そこの陽気な褐色肌のが褐色」
褐色「イエーイベイビー! haha-!よろしくなルーキー!そこの口がへの字の金髪に近づくと油臭くなるぜ」
妹友「でそこの無愛想な奴が…」
妹「妹だ。先生からお前を指導するように言われた。やるからにはきっちりだ。覚悟しとけ」
妹友「…まぁやりすぎないように俺が見張ってるから安心しな」
赤髪「皆さん!今日からお世話になる赤髪ッス!ご指導ご鞭撻のほどよろしくッス!オッス!」
褐色「こりゃ今までで一番優良株じゃねぇか?」
妹「…ふん。どうだかな」スッ
妹「じゃぁ早速授業を始めるぞ。来い新入り」
デ ル タ
妹「…あぁそれと、風紀委員会へようこそ」
―渡り廊下
ザッザッザッザッ
赤髪「妹先輩、いくつか質問していいッスか?」
妹「…なんだその先輩ってのは」
妹友「お前、俺たちと同学年だろ?」
赤髪「いえ!自分は後から入った身なんでここにいる皆さん全員が先輩ッス!」
妹「『先輩』はいらねぇ、俺たちの委員会ではな」
赤髪「そうッスか。…あれ?でもそっちのお二人のタイカラーは…」
妹友「あぁ。褐色も金髪も学年は一個上だ。ただ…」
褐色「ハハッ!ここじゃぁ学年なんてモンは役に立たねぇんだ」
金髪「俺たちも『先輩』なんて気持ち悪い呼び方はお断りするぜ。背中が痒くなっちまうからな」
妹「俺もただの『妹』で結構」
妹友「右に同じだな」
赤髪「…じゃぁ妹せn…さん。風紀委員は全員で5名だと聞いたんスけど…」
妹「…その通りだがどうした?」
妹「もう1人は別件で別行動中だ。時間が合えば後で顔合わせぐらいいくらでもできる」
赤髪「はい、それは聞いてたンすよ。…でもその人がどんな人なのかなって気になっちゃいまして…」
妹「…やたらといつもギリギリの…つまらない男だ」フンッ
妹友「妹、それじゃまるで伝わらないだろ」
ピコン!
赤髪「ん? あー!そうスかそうスか!分かりました!いやー何か鈍感ですみませんス!」
妹友「…分かった?今のでか?」
赤髪「だからアレですよ。例の5番目の男の人は………妹さんの彼氏って事ですよね?」ヒソッ
金髪「ブフッ!!」
褐色「ハッハー!こいつぁ傑作だぜ!あいつを『彼氏』だと!」
赤髪「だって朝学校案内してもらってる時俺見ましたよ!仲睦まじく登校してきたところを!」
金髪「な、なるほどな…ククッ…」
褐色「それで『彼女』さんよ。仲睦まじくってのはアレか?お姫様抱っこでもされてたのか?ん?」ウヘヘヘ
妹「…馬鹿野郎」フンッ
妹友「それくらいにしてやれ褐色。…金髪もいつまで笑ってるつもりだ」ハァ
金髪「フゥ…いやぁ悪い悪い。朝から最悪な気分だったがこれでプラマイ0だな。間違いなく今年のmvpだ」
妹友「…まぁともかくだ。赤髪、そいつは妹のお兄さんだ」
赤髪「え…ええーーっ!?妹さんのお兄さんだったンすか!?」
妹「…ああ。期待に添えなくて悪かったな」
赤髪「ほえー…お兄さんですか…。朝見た時は見るからにパートナーって感じで仲が良s」
妹友「…赤髪、ちょっと」クイクイ
赤髪「へっ…何すか?」
妹友(妹はお兄さんに関する話はあまり好まない。余計なとばっちり食いたくなかったら…分かるな?)ボソボソ
赤髪(あ…りょ、了解ッス)ボソボソ
妹共の画像貼ったるわ
http://i.imgur.com/htz9a.jpg
>>48
おまw
せっかく救済措置書いたのにww
妹「…そういや、理由を聞いてなかったな」
赤髪「……………あ、ひょっとして俺ですか?」
デ ル タ
妹「何故風紀委員会に入った。この学校の治安の悪さは先生から聞かされたはずだ」
赤髪「あ!もちろんそれは了解してます。でもだからこそ入りたかったっていうか…」
金髪「…お前まさか変な趣味でも持ってんのか?」
赤髪「…?どういう意味ッスか?」
金髪「あァー…いや、別に…」ポリポリ
赤髪「俺、前の学校も風紀委員だったンすよ」
妹友「へぇ。それでうちに来たのか」
赤髪「まぁ、お姉ちゃん達が皆そうだったからってのもあるんですけど」ヘヘ
妹「…姉妹がいるのか」
赤髪「ええ。俺末っ子で…小さい頃お姉ちゃんに助けられてばっかりで」
妹「………」
赤髪「だからみんなを守ってる強いお姉ちゃんみたいになりたいって…風紀委員に」
妹「………」
赤髪「姉ちゃん達は俺の憧れなんです。だから、入りました」
妹「…そうか」
ザッザッザッ
妹「…着いたぞ」
―化学準備室
赤髪「ここは何をするところなンすか?」
妹「会議、報告、ミーティングはさっきの視聴覚室を使う」
妹友「ただまぁ…視聴覚室は他の部活やら説明会やらで使われる機会が多くてな」
妹「だから俺達の実質的な風紀活動の拠点はここだ。覚えておけ」
赤髪「了解ッス!…しっかしやけに物々しいドアですね。滅茶苦茶頑丈そうッスよ」
金髪「頑丈なのはドアだけじゃないぜ。セキュリティもだ」フフン
赤髪「へ?………ッ!?こ、これって掌紋認証のロックですか!?」
金髪「惜しいな新入り。そいつは静脈認証だ。idとそいつをクリアしない限りどうやっても入れないぜ」ヘヘン
赤髪「え!?何でこんなモンが校内にあるんすか!?っていうかこれが基本なんですか!?」
デ ル タ
妹友「そんな訳ないだろ。うちの風紀委員会だけだ。こんな事をやってるのはな」ハァ
赤髪「…というと学校からすごい予算が…」
褐色「ないぜ。むしろ今期の予算を使い尽くして参ってるところだ」ハッハー!
妹友「なにふんぞり返ってるんだ。自慢できるようなことじゃないだろうが」
赤髪「…え?…え?じゃぁ…一体…」
妹友「…あー、なんだその、さっきからそこで満面の笑みを浮かべてる奴に聞いてくれ。…でいいんだろ?」
金髪「…」コクリ
赤髪「! …じゃ、じゃ、じゃぁこれはひょっとして…ひょっとして…!」
金髪「そう!自慢じゃないがそいつの産みの親は俺だ」ドヤァ
赤髪「す、す、すごいッスよ!金髪さん!近代化ッスよ!ハリウッドッスよ!パないッスよ!」
金髪「まぁ皆が俺に付けてくれと何度もお願いされちまってな。無下にするのもアレだし、パパッとな」ドヤァ
妹(…何度もお願いしたのはてめぇだろうが)ボソッ
デ ル タ
褐色(これで風紀委員会は箔がつくとかなんとか一番必死だった癖によ)ボソッ
妹友(…まぁそっとしておけ。あって助かってるのも事実だ)ボソッ
―化学準備室
ウィーン プシュー
妹友「新入り気をつけろ。一度閉まったら自動でロックがかかっちまう」
赤髪「あわわわ…意外と中は暗いッスね…」タタッ
金髪「お前のidは早くても明後日になるからこのゲスト用のidを持っておけ」
赤髪「あ、はい!ありがとうございます!」
金髪「静脈のデータは今日中にっと…。それとゲストidは1日しか持たねぇ。だから明日また俺の所に来い」
赤髪「はい了解ッス!朝一番にお伺いしますね!」
プシュー ギキキキ ガキョン
妹「さて…それじゃぁ新入り。問題だ」
赤髪「…はい」
妹「この学校の生徒が不当な暴力や行為を受けている」
赤髪「…」
デ ル タ
妹「そこに居合わせた風紀委員会のお前はこの問題にどう対処する?」
赤髪「勿論すぐに注意してやめさせます!すぐ先生に報告してたっぷりお灸を…」
妹「違うな」
赤髪「え?…と言うとすぐに反省文とかを…」
妹「それもハズレだ」
赤髪「…廊下に立たせる、とかッスか?」
妹「…いいか新入り、ここでの風紀活動のルールはシンプルだ」
赤髪「…シンプル」
妹「風紀を乱す行為を確認したら即、殲滅。サーチ・アンド・デストロイだ」
赤髪「…」
妹「…」
赤髪「……」
妹「……」
赤髪「…………じょ、冗談ッスよね?」
妹「いや、マジだ」
赤髪「え、えーと…殲滅って言うのは注意するっていう意味の隠語とか…」
妹「いや、文字通り殲滅する。二度と風紀を乱す気を起こさないように徹底的にすり潰す」
赤髪「ちょ、え、えぇぇぇ………い、妹友さぁん!」ダダッ
妹友「…気持ちは分かるがマジなんだ」
赤髪「マ、マジなんですか…」ガクリ
金髪「…案の定、ここの実情知らないで志願してたな」ハァ
褐色「まさに本当の意味でルーキーだった訳だ」
妹「…どうする新入り」
赤髪「え…」
デ ル タ
妹「うちの風紀委員会は他の風紀委員会と一線を画している」
赤髪「…はい。俺が前に入ってたところと、ちょっと…いやかなり…」
妹「…だからやり方が気に食わないってんなら今辞めてもいい」
赤髪「…え?」
デ ル タ
妹「風紀委員会は常に人手不足だ。先生もそれを承知している」
妹「だから多少なりとも強引にお前を引っ張ったはずだ」
妹「…ただ、訳も分からない内にここでやれ、と言うのもフェアじゃない」
妹「…第一その気がないのにここにいるってのは…」
妹「俺達にとっても、お前にとっても、お互い不幸な話だ」
ザッ
妹「いいか新入り」
妹「この学園のバランスは片っ端から悪党を掃除する事で成り立ってる」
妹「暴力を暴力でやっつけるんだ…正義もクソもヘッタクレもない」
妹「だからついていけねぇ、できないってんなら今辞めても構わん」
赤髪「…………俺は…」
デ ル タ
妹「ただし、残るなら風紀委員会のやり方にはちゃんと従ってもらう」
赤髪「…………」
妹「…最後にもう一度聞く。どうする新入り」
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