妹「起きたら性別が逆になってたって漫画ではよくあるけど……」

女「女の身体ってなんか変な感じだなぁ」

男「……」

女「お前エロいこと考えてんだろ」

男「か、考えるか！馬鹿！」

妹「分裂するってどういうことなのよ」

女「にしても、不思議だよなぁ」

男「俺はいまだに信じられない」

妹「私だってそうだけど、お兄ちゃんに彼女なんて出来るわけないし」

女「おい、断言されてるぞ、俺」

男「お前が分裂した俺なら、お前も含まれてんだよ」

女「私、女だけど」

男（こいつうぜぇ）

妹「えーと、お姉ちゃん」

女「ん？俺か？」

妹「両方ともお兄ちゃんじゃこんがらがっちゃうでしょ」

男「そーだな」

女「お姉様でもよろしくてよ？」

妹「……」ｷﾞﾛｯ

女「あ、お姉ちゃんでいいです」

男（うわぁ、俺っぽい。ヘタレなとこすごく俺）

妹「取りあえず着替えたほうがいいんじゃない？」

女「服貸してくれんの？」

妹「サイズ近そうだし、着れると思うよ」

男「一部合わないところがあるけど」

妹「……」ｷﾞﾛｯ

男「なんでもないです、すみません」

女（俺ってヘタレだなぁ）

妹「服探してくるから、ちょっと待ってて」

女「ういー」

男「……」

女「……」

男（なんか……」

女（……気まずいな）

男（俺が女かー。どうせならシンプルに性別逆転がよかったぜ）

女（俺のことだからどーせエロいこと考えてんだろーなー）

男（こいつ一人きりになったら絶対胸とかアソコとか触りだすだろーなー。なんせ俺だもんな）

女（下手したら自分自身に犯される、なんてこともありえるんじゃ？俺ならやりかねん）

男「……」

女「……」

男＆女（（変態だな、こいつ））

女「妹のやつ遅いな」

男「そーだなー。にしても、今が冬休みでよかったよ」

女「学校とかな。あ、でも俺は行かなくていいのかな」

男「ばっか、友と幼馴染だよ」

女「……あー」

男「あいつら絶対黙ってないぜ」

女「普段が普段だからな」

男「女んなって力もなくなったんじゃないか？」

女「そうかも」

男「力ずくで来たらなす術ないぞ」

女「……」

男「お、俺はしねーよ！」

女「友と幼馴染にバレたら、簀巻きにされて色々されちゃうかもしれない」

男「ほぼ確実だな」

女「どうしよう」

男「どうすっか」

女「お前守れよ。俺だろ」

男「まぁ、うん、頑張るよ」

女「頼りないなぁ」

妹「お姉ちゃーん！服出したからこっちきてー！」

女「んじゃ行ってくるわ」

男「……」

女「？」

男「ん、行ってらっしゃい」

女「あいよ」

男「……」

男「……あれが俺か」

男「……」

男（言葉使いも仕草もまんま俺なのに）

男（なんで無駄にかわいいんだよ。しかも無駄に胸でかいし）

男「でも俺なんだよなぁ」

男「……」

男「もう一眠りしよ」ｺﾞﾛﾝ

？「おい、起きろ」

男「んん……」

？「飯出来たってよ」

男「あと5分」

？「お前の5分は5分じゃないだろ」

男「……んー」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

？「いい加減に……しろ！」ﾊﾞｯ

男「うわっ！？」

男「さ、寒ひ。毛布引っぺがさなくてもよかっただろぉ」

女「いつまでも起きないからだ」

男「……」

女「？」

男「ど、どちら様でしょう？妹のお友達ですか？」

女「俺だよ、俺！」

男「……あ、あー、俺か」

女「早く行こうぜ。妹に怒られるぞ」

男「うい」

男＆女「「ご馳走様でした」」

妹「はい、お粗末様。お兄ちゃん、今日は予定ある？どうせないでしょ」

男「なんだか引っ掛かる言い方だなぁ」

女「ﾌﾟｰｸｽｸｽ」

男「笑える立場じゃないからね、君」

妹「私友達と出かける約束あるんだけど、大丈夫？」

男「大丈夫って？」

妹「私が出かけるとお姉ちゃんと二人だけになっちゃうよ」

女「晩飯までには帰ってくるんだろ？」

妹「まぁ、そうだけどさ」

女「なら問題ないだろ。いざとなったら俺も料理出来るわけだし、な？」

男「……ああ」

女「……あっ」

妹「お姉ちゃん？」

女「いや、なんでもないんだ妹よ。そうか妹がいないといつも俺は家に一人きりなんだよな」

男「……おい」

女「普段は色々あって出来ないからな。うん、分かる分かるよ？だって俺だし」

男「お前もうしゃべるな！」

妹「なんのこと？」

男「この話しゅーりょー！妹はこの後出かけるのね！？」

妹「う、うん……」

男「で、俺たちはお留守番！任せろ、お留守番超得意だから！」

女「お留守番のたびにしてるものねっ！」

妹「お留守番のたび？」

男「だー！なんでもない！気にせず遊びに行ってらっしゃい！」

妹「え？まだ時間じゃないよ？」

男「なら出かける準備しよう！ね？はい！」

妹「変なお兄ちゃん」

男「あ、あはは！」

妹「それじゃ行って来るからね。6時までには帰ってくるから」

女「ん」

妹「もし出かけるなら、戸締り忘れずにってお兄ちゃんに言って」

女「俺も出かけようかなぁ」

妹「お姉ちゃんは駄目！今日は家にいること！」

女「コンビニくらいならいいだろ？」

妹「駄目！」

女「ちぇっ」

妹「なるべく早く帰ってくるようするから、ちゃんと家にいてよね！」

女「分かったよ」

男「妹は？」

女「今しがた出ていったよ」

男「そっか」

女「出かけるなら戸締り忘れずにしろとさ」

男「いつもちゃんとしてるのに、毎回言われるんだよな」

女「しつこいくらいにな」

男「……」

女「……」

女「さてと、出かけるかな」

男「出かける？」

女「俺がいちゃ気兼ねなくできないだろ？」

男「お、お前なぁ」

女「それとも私がしたげよっか？」

男「っ！」

女「……あれ？」

男「馬鹿言うな！この馬鹿！」

女「……ご、ごめん」

男「……」

女「……」

男「ゲームでもすっか」

女「そいやこないだ格ゲー買ったんだっけ」

男「格ゲーの醍醐味は対戦だろ？」

女「だな」

男「でも勝負になるのか、この場合」

女「五分五分になるんじゃないかな」

男「一人でトレーニングモードしてるよりはいいか」

女「周りにこの格ゲーやる奴いないからなぁ。案外悪くないかな、分裂も」

男「……だな」

妹「すっかり遅くなっちゃった」

妹（6時には帰るって言ったのにもう7時回っちゃってるよ～）

妹（お兄ちゃんたち怒ってるかなぁ）

妹「ただいま！遅くなってごめんね！」

妹「……あれ？」

妹（電気がついてない。まさか、二人とも出かけてる！？）

妹「……」

妹（二階から物音が。部屋にいるのかな？）

妹「お兄ちゃん！？」ｶﾞﾁｬｯ

男「お帰りー」

女「……」

妹「お姉ちゃんも！電気つけないでゲームして！」

女「うん？妹か、早かったな」

妹「早かった？もう7時過ぎてるよ」

男「げ、もうそんな時間か」

女「気付かなかったな」

妹「いつからゲームしてるのよ……」

男「えーと……」

女「いつからだったかなぁ」

男「お、お前言えよ」

女「ここは男のお前が言うとこだろ？」

男「あ、きったねぇ」

妹「どーせ私が出かけてからずっとなんでしょ？あっきれた」

男「すみませんです」

女「ごめんなさいです」

妹「当然晩ご飯の支度もしてないわけね」

男「はい」

妹「……ハァ」

女「せ、せっかくだから出前なんてどうかな」

妹「いいよ、私が何か簡単なもの作るから」

男「ごめん」

妹「今お風呂入れてるから、先に入っちゃって」

女「すまん」

妹「……」

男「よっ」

妹「あ、お兄ちゃん。どうかしたの？」

男「晩飯なんだけどさ、俺が作るよ」

妹「別に気を使わなくてもいいのに」

男「毎回作ってもらってるしな。それに……」

妹「？」

男「あいつ今風呂入ってるんだ」

妹「お姉ちゃん？」

男「妹が良ければでいいんだけど、一緒に入ってやってくれないか？」

妹「……へ？」

男「女になって初めての風呂だろ？色々困ることもあるだろうと思って」

妹「ふーん」

男（たぶん自分の身体に悶々として風呂どころじゃねーだろーし）

妹「お兄ちゃん自分にも優しいんだ」

男「なんだそりゃ？」

妹「べっつにー。こっちのことですよー」

男（ま、妹がいりゃ変な気を起こすこともないだろ）

妹「それじゃ、遠慮なくお風呂頂きます」

男「俺のことよろしくな」

妹「お姉ちゃん、ね」

男「ああ、お姉ちゃんな」

　　ｶﾎﾟｰﾝ

女「……」

女（タオルの上からでも分かるこのボリューム）

女「……っ」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

女（これじゃ身体すらロクに洗えないじゃないか）

女（別のことを考えろ。これは乳ではなくボールだ！ボールボール……）

妹「何してんの？」

女「！？」

女「お、おま、なんで！？」

妹「お姉ちゃんのことだから、お風呂で困ってるんじゃないかなぁ～って」

女「こ、ここ、困ってなんかねーよ！」

妹「はいはい、そうですね」

女「え？ちょ……」

妹「私が洗ってあげるから、お姉ちゃんは大人しく洗われちゃいなさい」

女「拒否権はないのね」

女（妹乱入のドタバタで逆に落ち着けた気がするな）

妹「お姉ちゃんの背中スベスベだね。かゆいとこある？」

女「へーき」

妹「あったら遠慮なく言ってくださいねー」ｺﾞｼｺﾞｼ

女（こういうのも悪くないかも。けっこう気持ちいい……）

妹「……お姉ちゃんてさ」

女「んー？」

妹「大きいよね」

女「……はい？」

妹「着替えのときも見たけどさ、同じ姉妹とは思えないよ」

女「そ、そうかな」

妹「そうです！こんな生意気バストはこうしてやる！」ﾑﾆｭﾑﾆｭ

女「！」ﾋﾞｸｯ

妹「なんだこのやわらかさはー！」ﾓﾆｭﾓﾆｭ

女「っ！！」

妹「いい仕事してますねー」ﾓﾐｭﾓﾐｭ

女「んぁ！！」ﾋﾞｸﾝ

妹「……え？」

女「はぁ…はぁ…」

妹「痛かった？」

女「……痛くは、なかった」

妹「もしかして、気持ちよかったとか？」

女「…………」

妹「そ、そっか。私のテクニックで感じちゃったかー。あ、あはは……」

女「……」

妹「その、ごめん」

女「……うん」

妹「ふぃ～、極楽極楽」ｻﾞﾌﾟｰﾝ

女「二人で入るやっぱり狭いな」

妹「たしかにそうだけど、こういうのも悪くないよ」

女「ああ」

妹「……」

女「……」

　　ｶﾎﾟｰﾝ

妹「……」ｼﾞｰ

女「どうかした？」

妹「ん？べっつにー」

女「？」

妹「……えいっ！」ｺﾁｮｺﾁｮ

女「ひゃぁ！」ﾋﾞｸｯ

妹「ふふ、かわいい反応だねぇ」

女「急になんだよ」

妹「さっきのはもっと……」

女「え？」

妹「ううん！なんでもない！先出るから！」

女「あ、おい！」

女「何がしたかったんだ？あいつ」

女「……」

女（にしても、いきなり乳揉まれたときはビックリしたなぁ）

女（まさかあんなに気持ちいいなんて思わなかった）

女「……」

女（いかん、思い出したらなんだかムズムズして……）

女「……ぁ」

女（これはたぶん、いや、おそらくきっと濡れてる、な）

女「……ハァ」