殺し屋「じゃあ……」
王「…」ゴクン
殺し屋「1億Gだ。いいな?」
王「1億だと!?ふざけているのか!」
殺し屋「こっちは命かけて特A級の犯罪者である魔王を倒しに行くんだ!それに…1億なんぞお前には大した金じゃない」
殺し屋「それにお前……資産は一兆円越してるって聞くじゃねぇか」
王「…」
王「わかった。一億だそう」
殺し屋「明日、王宮に行く。それまでに現金で用意しとけ」
王「分かった…」
殺し屋「アンタ、話がわかるじゃねぇか」
王「わしも…国が惜しいからな」
殺し屋「大した野郎だぜ」
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ー次の日 王宮
大臣「陛下!黒服の男が門の前に現れました。何でも…金を受け取りに来たとか」
王「通してやれ」
大臣「承知致しました……通せ!」
門番A「ハッ!」
ギイィ
殺し屋「よぉ…金は用意出来たか?」
大臣「貴様……陛下に向かって何て」スッ
王「大臣…よいのじゃ。これで1億じゃ!受け取れぇい」スッ
殺し屋「……」ガチャッ
殺し屋「………」
殺し屋「確かに1億あるようだな」
王「あともう1つお前に言いたいことがある」
殺し屋「?」
王「我が王国きっての精鋭、勇者パーティじゃ」
勇者「こんにちは」
魔法使い・戦士「…」
王「お前を入れてちょうど4人になる……これでも勇者パーティじゃ。お供させてもよろしいかの?」
殺し屋「…いいだろう」
王「ではこの国を……頼むぞ」
殺し屋「金は受け取った。俺は純粋に任務を遂行するまでだ……」タッタッ
勇者「では、陛下。これで失礼します」
王「頼むぞ…」
ギィィィィ ガチャァン
大臣「本当にこれで…大丈夫なのでしょうか」
王「我々に残された道はもう無い……彼に…彼等に全てを託そう」
ー城下町
勇者♂「殺し屋さん…これからどうするのですか?」
殺し屋「まずは俺の隠れ家に行く。ついてこい…あとさん付けしなくていい」
勇者「はい…」
魔法使い♀(勇者様に何て…)
戦士♂「…」
ーーーーーーーーー
殺し屋「ここが俺の隠れ家だ」ギィィ
殺し屋「入れ」
勇者(うわぁ…何か黒い物?がいっぱいある……)
殺し屋「そこの椅子にでもかけてろ」
勇・戦・魔「…」コク
ー5分後
殺し屋「荷造りは終わった。お前らも既に終わっているんだよな?」
魔法使い「はい。アナタと違って我々は優秀ですから」
戦士「おい…」
殺し屋「そうか…優秀なのか……ではこれからも頼むぞ」
魔法使い「…」ゾクッ
魔法使い(何?この気迫……心臓が…押し潰れそう……)
勇者「顔色が悪いけど大丈夫?魔法使い」
魔法使い「し、心配いりませんわ//」
ポッ
殺し屋(…若いっていいな)「おら、行くぞ」
勇者「はい!」
ー草原
殺し屋「今回は城下町から20km離れた西の港町、『ウエストポート』へ行く…なるべく無駄な戦闘は避ける、いいな?」
勇者「わかりました」
戦士(勇者の奴…こんな奴に頭下げやがって)
殺し屋「む…?前にオークがいる。気付かれないように行けよ」
魔法使い「きゃ、きゃあぁぁぁ」ズテーン
オーク「ん?女!?うまそうだな…」
殺し屋「アイツ……」
魔法使い「黙れ!この汚らわしい魔物めっ」
オーク「あぁ?何ていったぁ?女…死ねや」
オークが襲いかかって来た!
殺し屋「アイツ…」
オークの攻撃!
魔法使いはひらりと身をかわした!
魔法使い「死ね!」
魔法使いの攻撃!魔法使いはメラミを唱えた!
猛火がオークを襲う!
ドォォォン
オークを倒した!
経験値と100Gを獲得した!
魔法使い「見た?これが私の実力よ」
殺し屋「ふ~ん」
魔法使い「何よ!」
殺し屋「俺は殺し屋をしてきて十数年……沢山の人を殺してきた。お前程の魔法使いなんぞ目が腐るほど見てきた」
魔法使い「……」
殺し屋「だがお前は才能がある……」
殺し屋「せいぜいその才能を宝の持ち腐れにしないんだな」
勇者「殺し屋さん……」
魔法使い「何よ…」ボソッ
殺し屋達が歩くこと半日……
ー夕方
殺し屋「着いたぞ。ここが西の港町『ウエストポート』だ」
勇者「活気溢れるいい町ですね」
魔法使い「ここに何か用があるのですか?」
殺し屋「ここに昔の相棒がいて…な」
殺し屋「それにここには闘技場がある」
戦士「闘技場?」ビクッ
殺し屋「ハッハッ。やっぱり闘技場に興味があるか」
戦士「はい」
殺し屋「ここでお前らの実力を確める」
勇者パーティ「…」ゴクン
殺し屋「ここは世界有数の闘技場。世界中から強者達が集まってくる……お前らの実力が城下町1止まりなのか、世界の“頂点まで届く実力なのか」
殺し屋「それを知るいい機会だろう」
殺し屋「闘技大会は明後日始まる」
殺し屋「それまでにエントリーしとくんだな。宿は展望台近くの一等室だ。俺はじゃあ行くぞ」スタスタ
勇者パーティ「…」
勇者「行っちゃったね」
戦士「なぁ…勇者」
勇者「なんだい?戦士」
戦士「なんでお前は見ず知らずのあの男にそんなへこへこ出来るんだ?」
勇者「それは…」
勇者「戦士は闘技場って言葉に反応してたけど、闘技場には詳しいのかな?」
戦士「俺は戦士だぜ?闘技場一……言い方を変えれば世界一を目指してた」
勇者「結果は?」
戦士「………」
勇者「殺し屋さんはね……元闘技場チャンピオンなんだ」
魔法使い・戦士「チャンピオン!?」
勇者「うん、闘技場には魔法部門・格闘部門があるけど殺し屋さんは両方の部門で前人未到の5連覇を成し遂げたんだ」
戦士「もしかしてあの男の正体って……」
勇者「うん…『白い稲妻』の異名を持つ十数年前に活躍したチャンピオンさ」
魔法使い「あの人がそんなに凄い人だったなんて…」
勇者「だから、何で殺し屋になったのかは知らないけど、僕はあの人について行く」
戦士「わかった……」
魔法使い「……」
勇者「さ、もう日が落ちてしまうよ!エントリーしに行こう!」
戦士「そうだな…」
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