女神「貴方にコーチン・ブレイドを授けます」 (37)

男「は??」

女神「コーチン・ブレイドを授けます」

男「は??ちんこ??」

女神「コーチン・ブレイドです」

男「……?」

女神「コーチン・ブレイドです」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1593304661

男「てか、ここどこ!?あんたは誰だ!?」

女神「私の名は女神。アナタは今、魂だけの存在です」

男「え??」

女神「あちらの世界のアナタは死を迎えており、こちらの世界へ転生する事となりました」

男「あ!今流行りの異世界転生ってやつか!」

女神「流行ってるかどうかはわかりませんが」

男「そっか……俺死んじゃったのか……」

女神「残念ながら」

男「でも転生ってたしかチート能力貰えるんだよな!?」ワクワク

女神「ちーと?が何かわかりませんが、強力な力を授けます」

男「おお!!」

女神「それこそがコーチン・ブレイドです」

男「……」

女神「コーチン・ブレイドです」

男「……」

男「ちんこ剣なんていらん」

女神「ちん……!?なんて下品な……」

男「え?違うのか?」

女神「違います」

男「そっか……ならいいかな……?」

女神「ではアナタに新たな肉体を与えましょう」

ポワワン

男「おお?おおお!!」

女神「見た目のベースは生前と変わらないですが、コーチン・ブレイドを扱えるよう全体的なスペックは強化しております」

男「力が……漲ってくる……!!」

女神「アナタはこれから新たな人生を歩むことになるでしょう」

男「異世界だもんな!オラ、ワクワクすっぞ!!」

女神「そこで、名を改めるのはどうでしょう?」

男「名前を?」

女神「はい」

男「いいよ!アンタは恩人だ、アンタが名付けてくれ!」

女神「私が?」

男「ああ、心機一転で景気の良いやつを頼む!」

女神「そうですね……」

女神「勇者なんていかがでしょう?」

勇者「勇者か…………いいね!最高の名前だ!」

女神「では勇者よ、旅立ちなさい。新たな人生へ、新たな世界へ!」

勇者「合点承知!!」

女神「さあこちらのワープホールへ飛び込むのです」

勇者「イエス、マム!」

ピョン

勇者「のわぁぁぁぁ!!!」

グルグルグル

ドシン
勇者「ぐはっ!!」

勇者「いてててて……。ん?なんだ?」

魔物「グガーー!!」ブンッ
勇者「!?」ヒュッ

勇者「あぶなっ!!なんだこいつは!?」

女神『聞こえますか?』

勇者「その声は女神!?」

女神『慣れない世界で大変でしょうから序盤だけサポートします』

勇者「おお!チュートリアルってやつか!」

女神『手始めにその魔物を退治しましょう』

勇者「退治って言われても……武器もないのにどうやって……」

女神『コーチン・ブレイドです』

勇者「あ!それそれ!じゃあ早速試したいんだが、どうしたらいい!?」

女神『まず服を脱いでください』

勇者「…………は?」

魔物「グガガーー!!」ブン

勇者「うおっ!!」ヒュッ

ドゴン

勇者「怖っ!なんつー破壊力だ……」

女神『脱ぐのは下半身のみで大丈夫です。さあ早く!』

勇者「待て待て待て!!なんで服を!?」

女神『コーチン・ブレイドの発動条件は下半身を露わにすることです』

勇者「なんだそれ!?絶対嫌だ!!」

女神『そんなことも言ってられませんよ?』

魔物B「グオーー!」

魔物C「ガァー!」

勇者「え!?増えてる……だと!?」

女神『転生した命を無駄にするつもりですか?さあコーチン・ブレイドを発動するのです』

勇者「く……わかった!やってやる!!やってやんよぉぉぉ!!」

勇者「おりゃっ!」ヌギ

ポロン

女神『ふふふ』

勇者「てめーー!笑ってんじゃねぇぇぇぇ!!!」

女神『失礼しました。下半身に意識を集中させればコーチン・ブレイドが発動するはずです』

勇者「集中?よくわからないけど集中すればいいんだな!?」

女神『はい』

勇者「どの道このままじゃ間違いなく死ぬ……やるしかない!」

勇者「集中……集中……」スー

ムクムク ムクムク

ピカー

勇者「!?」

勇者「お、おい、下半身がおっきおっきして光ってるんだが」

女神『それこそがコーチン・ブレイドです』

勇者「…………」

勇者「やっぱりチンコ剣じゃねぇかぁぁぁぁぁ!!!!」

女神『コーチン・ブレイドです』

勇者「うるせぇぇぇぇ!!!」

魔物A「グガーー!!」
魔物B「グゴーー!!」
魔物C「グギーー!!」

勇者「やばっ!!まとめて襲いかかってきやがった!!」

女神『防御呪文を唱えてください!』

勇者「防御呪文!?」

女神『“カチンコチンコ”です』

勇者「もろにチンコって言ってんじゃねぇか!!」

女神『早くっ!!』

勇者「くっ!!“カチンコチンコ”!!」カキン

ガッ
ガッ
ガッ

魔物ABC「グガ!?」

勇者「え……攻撃を弾いた……?」

女神『それが防御呪文、“カチンコチンコ”です』

勇者「すげー呪文だけど、最低なネーミングだな……」

女神『次の呪文を教えます』

勇者「……なんだ?」

女神『神速呪文、“カウパーロード”です』

勇者「おお!普通っぽ――」

勇者「カウ……え?……先走り汁?」

女神『“カウパーロード”です』

勇者「一瞬まともなネーミングだと思った俺が馬鹿だった!」

女神『そろそろ防御呪文が解けます。急いでください』

魔物C「グギーー!!」ブン

勇者「“カウパーロード”!!」

ビュン
パッ

勇者「??」

勇者「あれ、魔物達があんなに遠くに……」

女神『これが神速呪文です』

勇者「す、すごい……カチンコよりも言いやすいし」

女神『次は攻撃呪文を唱えて敵を撃破してください』

勇者「どうせまた下ネタなんだろ! 」

女神『“ワンミニッツ・ワンハンドレッド”です』

勇者「おお、普通っぽい……しかもちょっとカッコいい!!」

女神『さあ唱えるのです』

勇者「ああ!“ワンミニッツ・ワンハンドレッド”!!」ピカー

スコスコスコスコスコスコ
スコスコスコスコスコスコ

勇者「え!?な、なんだこれ!!腰が!!腰が勝手に前後するんだけど!?」

女神『1分間に100回の高速ピストンが可能になります』

勇者「ふざけんじゃねぇぇぇぇぇ!!!」

スコスコスコスコスコスコ
スコスコスコスコスコスコ

勇者「史上最低の攻撃呪文だわ!!」

スコスコスコスコスコスコ
スコスコスコスコスコスコ

女神『ぷっくふふ』

勇者「てめーー!!楽しんでんじゃねぇぇよぉぉぉぉ!!」

女神『さあ勇者よ!“カウパーロード”で敵に近付き高速ピストンで敵を撃破するのです!!』

勇者「嫌だ!!お断りするっ!!魔物に腰振るバカがどこにいる!!」

女神『そうですか……まあいいでしょう。ワンミニッツは攻撃以上に重要な役割を担っています』

スコスコスコスコスコスコ
スコスコスコスコスコスコ

ピタ

勇者「と、とまった……」

魔物ABC「グガーー!!」

勇者「魔物がこっちに近付いてきてるぞ!?」

女神『コーチンゲージがMAXになりました。極大呪文が撃てます』

勇者「極大呪文……?どうせまた変なのだろ!!」

女神『いいえ、今までの呪文は極大呪文を使用する為の布石にしか過ぎません。威力の桁が違います』

勇者「……」

女神『さあ唱えるのです勇者よ!!』

女神『極大放出呪文“シャ・セイ”と!!』

勇者「やっぱりそっち系じゃねぇぇかぁぁぁ!!」

勇者「しかも極大呪文の癖にダセェ名前だし!もうちょいカッコいいネーミングあるだろ!?」

女神『は?…………例えば?』

勇者「スペルマ・フルバーストとか!!」

女神『!!!』

女神『ぐ、ぐぬぬ……』

勇者「今から呪文名の変更を求む!!」

女神『嫌です!拒否します!!さあ!早く唱えなさい!!』

魔物「グゴーー!!」ブン

スッ

勇者「いたっ!!」ツー

勇者「く、くそ……どういう呪文か想像つくだけに絶対使いたくない……!!」

女神『悠長な事は言ってられませんよ?』

勇者「わかってる!!くそっ!!」

女神『さあ勇者よ!』

勇者「ああ!!極大放出呪文!シャ・セイ!!」

ギュイイイイイン
ズドーーーーン!!!!

勇者「…………」

女神『素晴らしい威力です』

勇者「ま、魔物が跡形もなく消え去った……」

勇者「魔物だけじゃなく呪文を放ったところ全てが……」

女神『それが極大放出呪文です』

勇者「あ、コーチン・ブレイドが元に!?」シュン

女神『あら、可愛らしい、ふふふ』

勇者「…………」

女神『今のアナタのレベルではシャ・セイを一度しか扱えないようですね』

女神『まずは経験を積み、レベルを上げてください』

勇者「なぜに?」

女神『そしてこの世界に蔓延る闇を……魔王を討ち滅ぼすのです』

勇者「魔王!?こんなふざけた呪文で倒せるのか!?」

女神『コーチン・ブレイドでなきゃ倒せません』

勇者「なんで!?」

女神『それはご自身の目で確かめてください』

勇者「は?」

女神『ではまた、いずれどこかでお会いしましょう』

勇者「はぁぁぁ!?」

――2年後


勇者(あれから俺は世界中を旅しながら鍛錬に鍛錬を重ねた)

勇者(長く険しい道のりだった)

勇者(人助けをしたら石を投げられ……)

勇者(国を守ったら公然猥褻罪で指名手配され……)

勇者(もちろん仲間なんてできるはずもなく……)

勇者(だがついに……)

勇者(ついに!!)

――魔王城

側近「魔王様!!」

魔王「なんだ?」

側近「フ、フルチンの人間が城門前に!!」

魔王「!!」

魔王「ふふ、ついにきたか……!!」

側近「どうなさいますか?」

魔王「我の客人だ、この魔王の間へ丁重に案内せよ」

側近「!!?」

側近「仰せのままに」スッ

魔王「コーチン・ブレイドの使い手……待っていたぞ」

魔王「この手で奴を倒せば……くくく」

魔王「あーはっはっはっは!!」

勇者「どういうことだ?」

側近「魔王様の命令だ、さっさと歩け」

勇者「む……」

勇者「こうもすんなり城内に入れるなんて……なんか拍子抜けだな」

側近「一つ聞きたい」

勇者「ん?」

側近「さっきはなぜ全裸だったのだ?」

勇者「ああ、あれはダンジョン攻略前の儀式みたいなもんだ。気にするな」

側近(こいつ変態だ……)

勇者「てか君って魔族?ぱっと見、人間の女の子と見分けがつかないけど」

側近「このツノとシッポが見えないのか?」

勇者「いや、ほら人型の魔族ってもっと禍々しい感じだからさ」

側近「黙って歩け、変態め」

勇者「ほーい」

側近「着いたぞ」

勇者「この扉の先に魔王が……」

側近「魔王様、連れて参りました」

ギィィィィ

勇者「おっ!?自動ドア!?」

側近「この先はお前だけが入れ」

勇者「う?うん」スタスタ

バタン

勇者「すげー、扉が勝手に閉じた」

魔王「ようこそ魔王城へ」

勇者「へ??」

魔王「コーチン・ブレイドの使い手よ、名をなんと申す?」

勇者「え?あ、勇者です」

魔王「勇者か。ふむ、お主に恨みはないが――」

勇者「ちょっと待て!魔王はどこに??」

魔王「我が魔王だ」

勇者「へ?この美少女が??」

魔王「美少女……?」

勇者「確かに魔王っぽいマントとか、厳ついツノとシッポが生えてるけど……え?この子が魔王なの??」

魔王「いかにも。我が魔王だ」

勇者「ほぇ……今からこんな可愛い子を倒さなきゃいけないんだ……気が引けるなぁ」

魔王「くくく……あっはははは!」

勇者「??」

魔王「戯言を……我に勝てるとでも?」ギロ

勇者(場の空気が変わった……!!なんてでたらめな魔力だ!!)ピリピリ

勇者「侮って悪かった!確かにお前は魔王らしいな!!」

魔王「勇者よ、因果を断ち切るためにお前には犠牲になってもらう!」

勇者「ふ、面白い……なら俺も手加減はしない!!」ヌギ

魔王「光と影、陰と陽、もしコーチン・ブレイドが陽の力なら……」ゴゴゴ

勇者「!?」

魔王「この能力は陰の力!!」ヌギ

勇者「ええ!?」

魔王「ヴァジャイナ・シルト!!」ピカー

勇者「なんだと!?魔王の股間が光り輝いて!!これはまるで……」

女神『そうです』

勇者「お前は!?」

女神『お久しぶりです。随分強くなられたようで……見違えました』

勇者「おかげさまでな」

女神『ヴァジャイナ・シルトはコーチン・ブレイドと対となる能力。そしてそれは呪いの力』

勇者「呪い、だと!?」

女神『彼女が能力を得たのはおよそ千年前』

勇者「千年!?」

魔王「一人でブツブツと何を言っておる!?」

勇者「悪い、ちょっと待っててくれ」

女神『彼女は圧倒的な能力を手にする代わりに、永久の時を彷徨うことになりました』

勇者「永久の……?どういうことだ??」

女神『老いることも、死ぬことも、ついでに子作りも不可能な身体』

勇者「こ、子作り……!?」

魔王「」ピク

女神『彼女の陰部を覆うヴァジャイナ・シルトによる弊害ですね』

勇者「魔王!」

魔王「もういいのか?」

勇者「因果を断ち切るとはどういうことだ!?」

魔王「ふふ、いいだろう聞かせてやろう」

魔王「遥か昔、突如として現れた“女神”によって強制的にこの呪い能力を授けられた」

勇者「女神……だと?」

魔王「ああ。いずれ現れるコーチン・ブレイドの使い手を倒す事で解呪できると、そう言い残し女神は消え去った」

勇者「どういうことだ?」

女神『必要悪という言葉はご存知ですか?彼女にはその役割を担ってもらいました』

勇者「……」

女神『まぁ……子作りができない事は予想外でしたが……』

勇者「全部アンタが仕組んだ事だったわけか」

女神『これも世界の均衡を保つためです』

魔王「もういいか?勇者よ、恨みはないがここで死んでもらう!!」ゴゴゴ

勇者「コーチン・ブレイドよ!!」ムクムク

魔王「ふふ、精々足掻くがよい……いくぞ!!」

勇者「残念ながらそうはさせない!!」ピカー

魔王「“崩壁のブラッドレイン”」ブワッ

ポツポツ

勇者「なんだ!?血の雨!?」

女神『女性特有の“月のモノ”ですね』

勇者「ふぁっ!?」

勇者「あれ?力が……」ガクッ

魔王「もらった!!」ブン

ドガッ

勇者「ぐふっ!ただの手刀でなんて威力だ……」

魔王「ほう……ブラッドレインの中、これを受けてなお立っていられるとは」

勇者「はぁはぁ……つ、強い……!!」

魔王「これで終わりだっ!!」ブンッ

勇者「“カチンコチンコ”」ブン

ガッ

魔王「!?」

勇者「俺がただチンコを晒してるだけの男に見えるか?」

魔王「は?」

勇者「“カウパーロード”」ヒュン

勇者「くらえ!!」スッ

魔王「!?」

魔王「“光潤のセクレーション”」ヌル

ツルン

勇者「な、なに!?受け流された!?」

女神『分泌液ですね』

勇者「なんかエロいな……!!」

魔王「ふふふ……戦闘がこんな楽しいと思ったことは初めてだ」

勇者「ああ、同感だね」

勇者「だが!これで終わらせてもらう!」ピカー

魔王「!!」

勇者「極大放出呪文、“シャ・セイ”」

ギュイイイイイン
ズドーーーーン!!!!

魔王「ぐっ!!」

勇者「はぁはぁ……どうだ?」

魔王「その程度か?」

勇者「な、に……?」

魔王「お返しだ、受け取れ」

勇者「!?」

魔王「“鋼鉄の処女、アイアン・メイデン”」

ブゥゥン

勇者(無数の刺がある空洞の人形が!!俺を閉じ込める気か!?)

勇者「くっ!!“カウパーロード”」ヒュン

ガシャン

勇者「あ、あぶねー!!」

魔王「はぁ……はぁ……」

勇者「!!」

勇者(魔王がダメージを負っている?そりゃそうだ、シャ・セイをモロに喰らったんだ!無傷なわけがない)

勇者「なぁ魔王」

魔王「な、なんだ?」

勇者「俺を倒す事で呪いを解除できると言ったな?」

魔王「ああ」

勇者「生憎だが、俺はまだ死にたくない」

魔王「ふっ、時間の問題だ。我が今すぐにでも息の根を――」

勇者「強がるなよ、立ってるだけでも辛いだろ?」

魔王「なっ!?……く……」フラッ

勇者「俺が壊してやるよ」

魔王「は??」

勇者「ヴァジャイナ・シルトだっけ?それを壊してお前を自由にしてやる」

魔王「そ、そんな事できるわけが……!!」

勇者「少し荒っぽくなるが、覚悟しろよ?」ピカー

魔王「!?」

勇者「“カチンコチンコ”」ブン

勇者「硬度MAXで貫かせてもらう!!」

勇者「“カチンコチンコ”」ブン

勇者「まだだ!!“カチンコチンコ”!!!」ブン

魔王「つ、つつ貫くって!?ええっ!?」

勇者「“カウパーロード”」ヒュン

シュタ シュタ シュタ

魔王「部屋中を高速移動してるだと!?」

勇者「もっとだ!もっと速く!!“カウパーロード”!」ヒュン

シュバババ

勇者「いくぞ魔王!!」

魔王「ま、待って!わ、わたし、初めてだから……!!」

勇者「大丈夫、壊すだけだ!!俺を信じろ!!」

魔王「!!」

勇者「“カウパーロード”!!」ビュン

キィィィィィィン

魔王「!?」

キラキラ キラキラ

女神『なんと幻想的な……』

キラキラ キラキラ

女神『コーチン・ブレイドとヴァジャイナ・シルトが共鳴し合い、光の粒子となり溶け合っていく』

勇者「うおおお!!」

キィィィィィィン

キラキラ キラキラ

魔王「ヴァジャイナ・シルトが……消え去っている……!?」

勇者「ああ、コーチン・ブレイドもな」

魔王「いいのか?」

勇者「ああ。俺の役割は……お前を救う事だったのかもしれない」

魔王「勇者……」ジワッ

勇者「もう自由だ、魔王」

魔王「う、うぅ……あ、ありが――」

ズブッ ヌプププ

勇者「あ」

魔王「!!!??」

女神『あら!勢いあまって!ふふふ』

女神『解呪に成功して性交しちゃったんですね』

勇者「お前はオヤジかっ!!」

魔王「ううう……痛い、よぉ……ぐすっ」

勇者「うおおぉ!これが夢にまでみた!……じゃなくて!!ごめん!すぐ抜く!!」

魔王「なにが俺を信じろよ!!バカバカ!!」ポカポカ

勇者「なんかキャラ変わってません?」

女神『魔王、今までご苦労様です』

魔王「あ、あんたは!?女神!?」

女神『これは私からのお祝いです』ポワン

魔王「あれ?痛みが??」

女神『そして勇者よ、コーチン・ブレイドがなくても身体が覚えているでしょ?』

勇者「は??」

女神『“ワンミニッツ・ワンハンドレッド”』ポワン

勇者「!?」

スコスコスコスコ
スコスコスコスコ

魔王「~~~!!!」

勇者「お、お、お」

女神『ふふふ、光の粒子の中、因果の二人が交わるなんて……とっても素敵です』ウットリ

勇者「てめぇぇ!!ウットリしてんじゃねぇぇぇ!!!」

スコスコスコスコ
スコスコスコスコ

魔王「待って待って待って!!だめだめだめ!!」

勇者「いや、止まらないんだ!」

スコスコスコスコ
スコスコスコスコ

女神『ふふふ』

女神『さあ勇者よ、極大呪文を唱えるのです』

勇者「はあ!?」

女神『魔王は長きに渡る能力の保有により、身体の内部から陰に染まりきっています』

女神『アナタにまだ残る陽の力で彼女を解放してあげてください』

勇者「で、でも!!」

魔王「ゆ、勇者……」ウル

勇者「…………わかった、いいんだな魔王」

魔王「う、うん……私を解放して、ください」

勇者「わかった!俺の全てを想いをこの呪文に込める……!!」

スコスコスコスコ
スコスコスコスコ

勇者「いくぞ!極大放出呪文“シャ・セイ”!!!」

ピカーーーー

女神『おお……おお!!』

勇者「~~~!!!」

魔王「んっ!!!」

勇者「………………」

魔王「??」

勇者「………………」

魔王「あ、あれ?勇者??」

女神『……』

魔王「な、なんで?勇者が……淡い光に包まれて……る?」

女神『これは……まさか……』

魔王「どういうこと!?ねぇ、勇者はどうなっちゃうの!?」

女神『大丈夫です。全てを放出した彼は一時的に最上位の存在になっているだけです』

魔王「え?最上位??え?」

女神『そう“賢者”に』

魔王「賢者!?」

女神『賢者モードです』

魔王「賢者モード!?」

勇者「魔王……」スゥ

魔王「ゆ、勇者!大丈夫!?」

勇者「ああ……僕の最後の呪文を受け取ってくれるかい?」

魔王「え!?」

女神『まさか!!いえ、賢者モードの彼なら……』

魔王「!?」

女神『魔王よ、彼に身を委ねてみてはいかがですか?』
魔王「ええ!?で、でも……!」

女神『安心してください。種族の違う二人の未来を照らす、素晴らしい呪文です』

魔王「……わかった……」

勇者「ありがとう魔王」ナデ

魔王「あっ……勇者……」

勇者「これが最後の呪文だ、受け取ってくれ」

魔王「うん!」

勇者「創生呪文」

キュイイイン

勇者「“ジュ・セイ”」

パァァァァァァ

――数週間後

魔王「なんとも不思議な気分だ」

勇者「ははは、もう聞き飽きたよそのセリフ」

魔王「妊娠も出産もしてないのに我らの子を授かったのだぞ?」

勇者「いいじゃないか!可愛いし!」

魔王「ふふ、そうだな」ナデ

勇者「人間と魔族、決して交わる事のない二つの種族の子供だ。きっと明るい未来を照らしてくれる」

魔王「そう、なるといいがな」

勇者「なるさ!それを導くのが俺らの役目だろ」

魔王「ふふふ……頼りにしてるぞ、旦那様」ポン

勇者「ああ、その為にも俺らにしか出来ないことをしよう」

魔王「問題は山積みだな。勇者に関しては人間世界で指名手配されてるし」

勇者「……ぐっ、まずはそこからか……」

女神『それでしたらお二人で私の役目を引き継ぎます?』

勇者「おわっ!!いきなり話しかけてくんな!」

魔王「ほう……どの口がそんな事を申すか?」

女神『どうです?神の座につきませんか?』

勇者「断る!!てかお前!神様だったのか!?」

女神『はい』

勇者「神様のくせに下ネタばっか考えてたのか……」

女神『うぐっ』

魔王「しかも千年前からな」

女神『はぅ!!』

勇者「ネーミングセンス最悪だし」

女神『むむっ!!』

魔王「まぁ、我らを引き合わせてくれたことには感謝をしているが……」

女神『ですよね!もっと感謝をしてください』

勇者「そもそも発端はお前じゃねーか!!」

女神『それは……世界の均衡を保つためで……ごにょごにょ』

勇者「まぁ……俺も新たな人生を与えてくれたことには感謝してる」

女神『勇者……』

女神『あ!そうだ!!神の座の話は冗談ですが、世界統一を目指すお二人の為に新たな能力を授けようと思ってやってきたんです』

魔王「は?」

勇者「能力?」

女神『はい、コーチン――』

勇者・魔王「いらん!!!」


――終わり――

終わりです
前作が長すぎたため、二作目となる今回は短く済ませてみました
お目汚し失礼しました

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