○五三○



洗顔、歯磨きなどの最低限の身支度を整える

洗面所で目に隈を作った夕張と漣に出会った

どうやら第七駆逐隊と完徹でアニメを見ていたとか

曙と潮はまだ部屋で寝ているらしい

朧は全然元気でまだ部屋で見続けているようだ

折角だからと夕張に銀河英雄伝説などを勧められる

提督が主人公らしく、暇なら見るのも良いかもしれない

○六○○



大鳳、長良、鬼怒と共に日課のランニングをする

朝から体を動かすことの気持ち良さを語り合った

何より、複数人だと体のほぐしが楽に出来る

本人達は汗を気にしているが、爽やかで良いじゃないか

○六四五



汗を流すべくシャワーを浴びる

外から島風が

『朝だよー！皆起きるのおっそーい！！』

と鶏のように皆を起こしていた

朝から元気でよろしい

○七○○



朝食の時間

本日は間宮でとることに

阿賀野型姉妹が仲良く食事をしているのを見つけた

阿賀野は寝ぼけているようで能代に食べさせてもらっている

意外と矢矧は要領が悪いのか、出撃日程表相手に苦戦している

酒匂は一人幸せそうにラーメンを食べている

朝から重くないのか疑問だ

○七三○



本日の執務開始だ

デイリー開発はソナー爆雷が足りていないため、朝潮型に任せる

朝潮は真面目に取り組んでいるが、霰はボーッとして動かない

荒潮は好きよ…と擦り寄ってくる

後にしろ

満潮と霞は私を見て何かグチグチ話している

良い内容ではなさそうでしょげた

大潮はポカポカしていた

ちなみに三式セットが出来たため大成功と言えるだろう

○八三○



デイリー建造は高雄型に一任

鳥海が資料を見ながら資材配分を決め、高雄が最終確認をする

愛宕がぱんぱかぱーんと言いながら高速建造材を使用するとあきつ丸が出来た

摩耶は口は悪いが性格は良い

新任のあきつ丸に気さくに話しかけていた

将校殿という呼び方は慣れない

○九○○



朝の演習をする

旗艦は一航戦の経験もある歴戦の軽空母、龍驤

間違いなく我が鎮守府最強の空母であり、後輩からの信頼も厚い

他は対潜用の五十鈴

魔法のように爆雷を相手に当てる

先制魚雷と対空砲火に優れた木曾

私を信頼するのは嬉しいが、あまり相手の司令官を悪く言うのは止めて欲しい

火力を取る為に古鷹、加古

重巡洋艦の母なだけあり、動きを知り尽くしている

回避撹乱及び一撃離脱の綾波

高い火力と持ち前の運が生きる

長くなったが以上六隻で編成

演習相手の戦艦艦隊の旗艦を落とし、戦術的勝利を納めた

○九三○



第六駆逐隊姉妹に会う

電がいつも飲む牛乳を買いに行くようだ

雷はよく頼って良いと言うが、髪に寝癖がある上リボンが取れかけている

もっと自分のことを気にして、逆に頼って欲しいものだ

暁は響に昨日の晩、厠に連いて来て貰ったことの言い訳をしていた

分別はあるのだから、もっと余裕さえあれば彼女の言うレディに近づけるはずだと思う

一○○○



睦月、如月、皐月、文月、長月、三日月を遠征に送り出す

今回は東京急行弍だ

長月は近寄りがたい印象があるが意外と命令には忠実で素直だ

如月は海に出るといつも髪を気にしている

皐月はボクに任せてよと張り切る

戦意高揚のお陰だろう

文月の腰に下げているものが水筒ではなく爆雷であることを知った

睦月がドラム缶を忘れかけて焦っている

留守番の菊月が気がつかなかったら遠征失敗していたところだ

睦月が長女のはずが、三日月が全体の指揮を執っている

それでいいのかネームシップ

一○三○



装備改修のために明石の作業所を訪ねる

明石は艦隊の損傷修理などでも活躍するため手放せない存在だ

本日は四連装酸素魚雷を改修するため、大井と北上を共に連れて来た

北上は面倒くさそうにしているが、やるときはやってくれる

大井は練度を上げていくにつれ北上以外にも心を開いてき、軽い冗談なら言い合える仲だ

なお、酸素魚雷の改修は残念ながら失敗した

妖精の気分が大きいため、また明日挑戦するが吉であろう

一一○○



何時までも起きてこない初雪と望月を呼びに行く

二人とも渋るので、夕飯の甘味を物質にとったら漸く出てきた

二人には初春型と共に近海の対潜警戒を任せる

対潜任務ならあの二人でも活躍できるだろう

一一三○



望月、初雪を連れて初春達の部屋に行くと時代劇ごっこをしていた

だがまともにしているのは初春と初霜だけ

子日は『にゃっほい』やら『何の日』やら言うだけで役に徹する気がない

若葉は『24時間寝なくても大丈夫』と寝言を言いながら寝ている

望月と初雪が若葉に混ざろうとしていたので、再び甘味をちらつかせて全員出撃させた

一二○○



昼食をとろうと執務室から出ると金剛に茶に誘われた

姉妹全員に混ざり、短いティータイムを楽しむ

榛名を見ると、朝の添い寝を思い出したのか恥ずかしそうに顔を下に向けてしまった

霧島はなにやらパソコンとにらみ合っている

最適な装備の組み合わせについて研究しているようだ

途中比叡が新作カレーを披露すると言い出したので隙を見て逃げた

姉妹が監視して作っているならともかく、一人で作ったものは危険だ

彼女は料理に無駄な工夫をし過ぎる

一二三○



執務室へ帰る際最上型姉妹と会った

コンビニへ行っていたようだ

中途半端にしか昼を食べていないことを話すと、熊野からはサンドイッチ、鈴谷からはインスタントカレーをもらった

最上と三隈は何故かぶつかり合って転んでいる

まるで磁石だ

一三○○



貰い物だけでは腹が少し満たされなかったため食堂へ行く

食堂では足柄が姉妹に呆れられながらカツ丼をバカ食いしていた

一体、胃の何処に入っているのだろう

そういえば、今度羽黒とは昼食を、妙高とは夕食を共にする約束をしていたのだった

以前忘れて痛い目を見たので手帳にでも書いておこう

一四○○



天龍が戦わせろとやかましいので食後の運動も兼ねて相手をしてやる

竹刀ではたき合うが、天龍は力任せでいなしやすい

一通り動いて満足したのか、次こそ勝つと言い残して去っていった

その後見学していた龍田とも戦かったが、ボロボロにされた

真剣だったら十は死んでいただろう

ついでに東京急行組が帰ってきた

遠征は大成功であった

一四三○



編成を変え、再び遠征へ向かわせる

高速修復材が足りていないため、次は鼠輸送作戦だ

吹雪、白雪、叢雲、深雪、磯波、由良を選出

由良は普段静かだが案外感情的であり、駆逐艦たちとのコミュニケーションが上手い

吹雪は先日、自分の名前を他の艦に覚えられているのかどうかで一事件を起こしていた

深雪は自信が強く、心強い

白雪、磯波はしっかりものだ

特に白雪は私が着任してきてからすぐに出会ったため練度も高い

叢雲の頭のユニットがどういう構造なのかがずっと気になる

今度設計者に問い合わせてみようか

一五○○



磯風がおやつにと謎の物体を持ってきた

丁重にお断りする

浜風、浦風と一緒に作ったと言っていたはずなのに何故こうなるのか

彼女は粗忽や不器用なのかもしれない

今度私自ら教えてみよう

磯風には余っていた金平糖を渡して帰らせた

余計なバルジが付くと言う割にはキラキラしていた

一五三○



建造ドッグに受け取っていない艦がいると名取に言われたので迎えに行く

いつものことだが、逃げるように退室されると少し傷付く

出撃中も資源を拾っただけで『では、私はこれで…』とすぐに通信を切るのもいただけない

性格だから仕方ないのかもしれないが

一五四五



建造ドッグに行くと敷波がいた

彼女もそうだが、一部の艦娘は新しい艦を雇う度に何か言ってくるのが少し怖い

大井は直接舌打ちするし、熊野や天津風は言葉の端から圧力を感じる

一六○○



出撃から帰ってきた陽炎、黒潮、初風、舞風をドックに入れる

四人だけで装甲空母姫を撃退したらしい

長女の陽炎の指揮のもと、舞風のダンスのような回転運動が役に立ったとか

黒潮は主に随伴艦を倒したようだ

大手柄だが、あまり無茶はして欲しくない

初風曰く、『ハッキリ言って、私は妙高姉さんの方が怖いわ』

一六一五



ドックからの帰り、谷風とレーヴェ、マックスに会った

どうやら谷風が日本の文化について教えているようだ

谷風が急に半裸になり、怯えるように私の足下にへたりこんで来たがすぐに止めさせる

日本の文化が勘違いされるようなことはやめて欲しい

元から冷めた目で見てくるマックスはともかく、レーヴェまで私を見る目が辛辣なものになっているではないか

谷風はメディアに影響され過ぎだ

未だにヴァナディールに在住しているらしい

言葉遣いはそのせいか

一六五○



夕飯を求めて食堂へ向かう

途中、利根型姉妹に会った

この二人の服装は非常に目のやり所に困る

おまけに築摩曰く、『足がとっても涼しい』とのことで、おそらく下着を…

利根はその辺りが無自覚に近いためさらに注意が必要だ

カタパルトが完全に整備されたことや、以前に比べ言動が柔らかくなったのは喜ばしいのだが

一七○○



食堂に着くと、低速戦艦組と正規空母組で大食い勝負をしていた

間宮、大鯨、伊良湖が忙しそうに料理を作り、給使をしている

大和、武蔵はさすがの食いっぷりだ

長門、陸奥も負けていない

二人とも素早くも品のある食べ方である

伊勢、日向は少し苦しそうだ

山城、扶桑は一皿で満腹なのかやりきった顔をしている

加賀、赤城は丼ものを中心に食べている

普段静かだが、加賀の方がよく食べる

飛龍、蒼龍は麺類を食べていたがデザートに変更したようだ

瑞鶴、翔鶴は七面鳥を見て固まっている

瑞鶴が加賀に何か言われて怒り出したが翔鶴が諌めていた

大鳳は加賀に負けずよく食べるが、腹の調子を気にしている

ガス漏れか

雲龍は新入りだからか遠慮気味だ

元から少食なのかもしれないが

一七一○



私も食事をしようと席に付いたら早霜がカレーを差し入れてくれた

いい嫁になるだろうと言うと顔を赤くしてボソボソ独り言を言っていた

途中不知火が来たが、早霜が微妙に棘のある言い方で追い返していた

ちなみに大食い勝負は戦艦組の勝利だったので間宮券を進呈した

清霜が戦艦に対して更なる憧れを抱いたようだ

一八○○



執務室に戻る際すッ転んだ

何事かと見返すと見えにくい紐が張ってある

廊下の影から笑い声が聞こえたため見ると、腹を抱えた卯月と無表情ながら小刻みに震える弥生がいた

二人は逃げようとしたが、所詮は駆逐艦、すぐに捕まえた

人間舐めるなよ艦娘

丁度通りかかった阿武隈に二人をオシオキ部屋に連行させた

オシオキと言っても、食べ物の絵が貼ってある良い匂いのする部屋に暫く閉じ込めておくというだけだ

腹が減りすぎて暴れだすタイミングで解放してやると反省するだろう

一八三○



球磨と多摩、夕立や時雨、時津風、雪風が訪ねてきた

随分と大所帯だ

こいつらは皆動物のように擦り寄ってくる

球磨や多摩は退屈だからという理由だそうだ

とりわけ球磨は意外と優秀と自分で言うだけあり、よく戦果について自慢する

時津風や雪風は放っておくと寂しがり騒ぐが、きちんと相手をしてやるとすぐに疲れて寝るので対処しやすい

問題は夕立と時雨だ

二人とも改二の力を存分に生かしてスキンシップをするので非常に疲れる

また、極稀に発情したかのように股がって腰を振る

男として色々危うさを感じる

ついでに遠征部隊も帰ってきた

きちんと高速修復材を持ち帰ってきたため、大成功と言えるだろう

一九○○



執務が一段落し息を付いていたら、飛鷹と隼鷹に酒の席に誘われた

鳳翔の店で軽く飲む

鳳翔の顔をもながら飲むとなぜか落ち着く

那智や他の軽空母も来ていた

那智に達磨を勧められたため頂戴した

ビスマルクがビールを飲んでいたため、千歳と千代田から珍しがられ絡まれている

千歳はああ見えて酒豪である

瑞鳳が卵焼きを摘まみにくれた

鳳翔や間宮に劣らない味だ

祥鳳が着物をきちんと着ていたため誰か分からなくなったのは秘密である

二○○○



秋雲に呼び出されたため夕雲型の寮へ行く

あいつは陽炎型なのに何故当然のように夕雲型寮にいるのだろうか

着くと、イラストのモデルにされた

私なんかを描いてどうする

後ろでは夕雲が巻雲の身だしなみを整えている

あの袖は不便だろうに

長波が川内が騒ぎだしたと言う

やかましいので夜間警備にでも行かせよう

二一○○



漸く解放され執務室に戻る

タイミングよく訪ねてきた春雨が夜食にと麻婆春雨を差し入れてくれた

本人の言う胡麻油と五香粉とやらが効いているのかとても美味しい

恥ずかし気に自分の名前を言いながら『はい、どうぞ』と言われると、嫌でもイケナイ気分になる

村雨も『ちょっとイイトコロ、見せてあげる』等と言うため、白露型はどうにも危ない

逆に長女の白露は一番を求めるだけで安全だ

そういえば、白露型には五月雨や涼風も含まれているはずなのだがどうにも姉妹には見えない

そのような艦は他にもいるのではあるが

二一三○



大淀に本日の業務の報告をする

資材推移表を見るに、順調に備蓄が出来ているようだ

大淀と今度解放される特別海域について話し合った

艦隊司令部施設の中心である彼女の意見は貴重だ

どうやら戦艦、重巡洋艦、駆逐艦が鍵らしい

軽巡洋艦や空母も連合艦隊に使用する為、結局は総力戦になりそうだ

二二○○



風呂に入る

何故かイムヤ、ゴーヤ、ハチ、イク、しおいが男子風呂で潜水していた

追い出すも、水着を着ているからなどという理由で一緒に入ることに

誰かに背中を流してもらうのは久々だ

誰が前を洗うかで争っていたがその間に自分で洗った

まるゆはのぼせて湯船に浮かんでいた

二三○○



青葉と衣笠が取材と言って訪ねてきた

衣笠は無理矢理連れてこられたのか、眠そうだ

青葉には艦娘への印象調査をされた

何に使う気だ

代わりに出撃や遠征をした連中に独自のインタビューをしていたので、そこを聞いた

概ね皆自分の仕事に満足しているようだ

提督として、艦娘を束ねるものとして、それ以上に嬉しいことはない

二三三○



夜間警備の様子を確認しに行く

川内、神通、那珂がワイワイ騒ぎながら警備をしていた

那珂は歌いながらフラフラしている

神通が二人に注意するも聞かずオロオロするばかり

もう少し静かに出来ないものか…

元気なのはよいのだが

○○○○



部屋に戻ると布団の中に天津風が寝ていた

部屋に連れて帰ろうにも起こすのは気が乗らなかったのでそのまま一緒に寝る

天津風の体は暖かく布団も豊臣秀吉状態

本日も充実した一日であった

？？？？



去年の冬に、異世界の友軍から貰った箪笥がほの暗く光出す

乙女プラグイン、と誰かが言う

何処からか黒い外套がバサリと落ちる

白衣を着た女性が執務室のパソコンをさわると、一瞬だけこう写し出された

『ARPEGGIO OF BLUE STEEL』