幼馴染「おまたせ」 男「おう」(48)

男「委員会の仕事、お疲れ様」

幼「ごめんね、いつも待たせちゃって」

男「いやいやー、毎日御飯作って貰ってるんだから」

男「帰りに買い物のお供するのは当然だろ」

幼「それじゃ、買い物して帰ろうか」

男「おうよ」



男「結構買ったなー」

幼「3日分だからねー」

幼「おじさんとおばさん、今度は何処に旅行?」

男「3泊4日で北海道だって」

幼「この寒い中、何故北海道?」

男「この寒さだからこそ、だってさ」

男「俺にも理解出来んよ」

幼「でも夫婦仲良しだよねぇ」

男「まあなー、あの年でバカップル丸出しだぜ」

男「見せ付けられる方はたまらんがな」

幼「あはは、それは大変そうだねぇ」

男「早くあの家を出て一人暮らししたいぜ」

幼「大学に合格すれば、その夢は容易く叶うじゃん?」

男「合格すればな」

幼「男なら大丈夫だよ!頭良いじゃん!」

男「でもなぁ…俺が行きたい学科、厳しいんだよなぁ」

男「就職先も限られてるしなー」

幼「でも、やるんでしょ?」

男「精一杯努力はするさー」

幼「応援してるよ!」

男「ありがとな、幼」

幼「今日は星が良く見えるね」

男「そうだなー」

男「あの光を一個でも手に入れられねーかな」

幼「わっはっは!我は木星を支配するのだ!…とか?」

男「そんなんじゃなくて…」

幼「ね、寒いから早く帰ろっ」

男「…まぁ、いいか」

男「腹も減ったし、帰るか!」



男「ごちそうさまでした!」

幼「はい、お粗末様でした」

男「いつ食べても幼の料理は美味いなぁ」

幼「いやぁ…猛特訓しましたしー」

男「いつでも嫁に行けるなー」

幼「えっ?」

男「あー、でも料理以外は駄目だからまだまだかー」

幼「むっ」

ガスッ
男「いって!何でスネ蹴った?」

幼「デリカシーが無いからだよ!バーカ!」

男「料理以外出来ないのは本当だろ?」

男「図星突かれて、人に暴力振るうなんて最低だぞ?」

幼「うるさいバーカ!バーカ!」

男「馬鹿じゃねぇよ?」

幼「もう!せっかく美味しい御飯食べて」

幼「幸せな気分だったのにっ!」

男「あー、ごめんごめん」

幼「…気持ちがこもってない!」

男「変な事言って、本当にごめんなさい」

幼「ん。今のは気持ちがこもってたから、許す!」

男「コーヒーでも飲むか?」

幼「飲む!」

男「んじゃ、居間で待ってろよ」

男「コーヒー淹れながら、後片付けしちゃうから」

幼「すまないねぇ」

男「それは言わない約束でしょ」

幼「それじゃ、後はお願いね」

男「任されたー」



男「はいよ、コーヒー」

幼「ありがとーう」
コクッ
幼「ほぅっ…男の淹れてくれるコーヒ-大好きー」

男「喜んでもらえてなによりです」

幼「男は料理以外の家事は完璧だよね」

男「まぁ、小さい頃からやらされてるからな」

男「でも料理だけは上手く出来ないんだよなぁ」

幼「私と足して2で割ったら丁度良いよね!」

男「人は足せないし、割れないだろ」

幼「例え話だよ!」

男「でもまぁそうだよなぁ」

男「んじゃ、将来結婚すっか」

幼「!!!!」

幼「な、何でそんな悟空がチチと結婚した時みたいな感じで」

男「さらっと恥ずかしい事が言えるの?」

男「え?駄目だった?」

幼「…」

ガスッ
ガタッ
男「いって!痛いんですけど!」

男「て言うか、こたつの中で暴れるなよ」

男「コーヒーこぼれたら大変だぞ?」

幼「またしてもデリカシー無し!」

男「わ、悪かったよ、変な事言って」

幼「本当に、年頃の乙女に向かって、変な事言わないように!」

男「あ、今日も泊まって行くか?」

幼「そうだねー、お願いしても良いかな?」

男「んじゃあ、客間に布団出すよ」

幼「私、一度家に帰って、お風呂入って来るね」

男「あいよー」



男「それじゃ電気消すぞ?」

幼「うん、お休みなさい、男」

男「おう、お休み、幼」
パチッ



スンスン
幼(ふふっ。ふかふか布団、良い匂い)

幼(すっかり私専用になっちゃってるな、この布団)

幼(…)



コンコン
幼「男ー、朝だよ-?」

男「!」

幼「男ー、起きてるー?」

男「お、起きてる!起きてるから!」

幼「朝御飯出来てるよー」

幼「下で待ってるから、早く降りてきてね」

男「おう!」

男「やっべー、久々に二度寝したぜー」

幼「私が居て、良かったよね?」

男「本当にありがとうございます」
ペコッ

幼「素直にお礼言われると、照れるね、えへへ」

男「そ、そんな反応されると、こっちも照れるが?」

男・幼「…」

幼「と、取り敢えず朝御飯食べよう!」

男「おう!」

男「しかしアレだよな」

幼「ん?」

男「おじさんが単身赴任で島根に行って」

男「おばさんがちょいちょい島根に行く様になって」

男「幼がウチに泊まる事が多くなって」

男「朝も夜もウチで飯食う事が多くなって」

男「何かもう同棲してるみたいだよな」

幼「…」

男「ん?どうした?」

幼「何でも無い。断じて何でも無い!」

男「…俺、また何か変な事言ったか?」

幼「何でも無いっ!早く御飯食べて学校行こう!」

男「お、おうよ」



男「あぁ…今日も寒いなぁ」

幼「そう?今日は割と暖かいんじゃない?」

男「いやいや、寒いだろう」

幼「そんな寒がりで東京行って生活出来るの?」

男「そんな事は行ってみないと解らん!」

幼「向こうは氷点下になったりするんだよ?」

幼「雪が降ったりもするし」

男「まぁ、行ったら行ったで、慣れるだろ」

幼「…そうだね、慣れるんだろうね」

男「その前に合格しないとな」

幼「男なら絶対大丈夫だよ!」

男「精一杯頑張ってみるさ」

幼「男が合格したら、ウチの高校からは」

幼「初めての合格者になるんだってよ?」

男「別に学校の為に勉強してる訳じゃないけどな」

幼「そりゃそうだけどさー」

幼「やっぱ、島の誇りだと思うよー?」

男「合格すればな?」

幼「私も精一杯応援するからね!」

幼「私は受験勉強とは無縁だからね!」

男「幼は地元の専門学校だもんなー」

幼「あ、でも…応援って言っても何すれば良いかな?」

幼「お百度参りとか?」

男「別にそんな事しなくて良いよ」

男「普段通りで良いさ」

幼「普段通り?」

男「美味しい御飯作って、傍で笑っててくれればそれで」

幼「それなら出来る!任せて!」

男「おう、任せた」




幼「男、合格おめでとう」

男「あぁ、やっと肩の荷が下りたぜ」

幼「でも手応えあったんでしょ?」

男「死ぬ気で頑張ったからなー」

幼「幼馴染として、私も鼻が高いよ!」

男「あー、それでな」

幼「ん?何?」

男「東京に行く前に、幼に話したい事がある」

幼「え、何?何?もしかしてエッチな事?」

男「む、ごまかそうとしてるな?」

幼「えへへ、バレましたかー」

男「真面目な話しなんだよ」

幼「…」

男「幼稚園の頃の約束、覚えてるか?」

幼「…覚えてないよ」

男「なら、ちょっと昔話から始まるんだけどさ」

幼「その話し、10秒で終わる?」

男「10秒では終わらないな」

幼「なら今は聞きたくありません!」

男「でも、俺は今、聞いて欲しいんだよ」

幼「…」

男「幼稚園の頃さ」

男「天文台で一緒に星を見ただろ?」

幼「この島は星が良く見えるからね」

男「カノープスの事、覚えてるか?」

幼「…」

男「シリウスの事は?」

幼「…冬の大三角って綺麗だよねぇ」

男「その時、流れ星を見ながら」

男「約束した事は覚えてるか?」

幼「…男ちゃんは」

幼「星の事を研究する学者さんになるんだよね」

男「やっぱり、覚えてたんだな」

幼「忘れる訳ないでしょ、ずっと覚えてたよ」

男「だったら、やっぱり今、言わせてくれ」

幼「…」

男「俺、色々ちゃんとする!」

男「だから、帰って来たら…」

男「俺と付き合って下さい!」

幼「そ、そんなの…今は答えられません!」

男「…俺の事、嫌いか?」

幼「そ、そんな事を気にしてる場合じゃないでしょ!」

幼「男は、やりたい仕事があるんでしょ?」

幼「その為に東京の大学に行くんでしょ?」

男「そ、そうだけど…」

幼「なら、一生懸命勉強して!」

幼「夢を叶えて来てよ!」

男「…」

幼「に、日本でも一番の最高学府に通うんだからさ!」

幼「恋とかそんな事に、うつつを抜かす暇はないよね!」

男「そんなつもりは一切ねーよ」

幼「私、この島で待ってるから」

幼「男がなりたい自分になって、帰って来るのを!」

幼「あの星を見ながら、待ってるから!」

男「幼…」

幼「だから、頑張って来て!」

幼「さっきの返事は…帰って来た時にするから!」

幼「だから、今の私が言うべきなのは」

幼「付き合うとかそんな言葉じゃなくて」

幼「行ってらっしゃい…だよ、男」

男「解った…」




4年後

男「おまたせ」

幼「うん」

幼「おかえりなさい、男」

幼「本当に、随分待たされたよ」

幼「4年間、一度も里帰りしないってどう言う事よ」

男「それは…必死に勉強してたんだよ」

幼「わ、私もね!頑張ってたんだよ?」

幼「料理以外の家事もちゃんと出来る様になったよ!」

男「うん」

幼「だから…だからね…」

男「幼、ちょっと聞いてくれ」

男「俺は約束通り、この島に帰ってきた」

男「就職もちゃんと希望してた天文台に決まった」

男「俺、色々ちゃんとした」

幼「うん、頑張ったよね」

男「だから幼さん」

男「俺と…結婚して下さいっ」

幼「…うん…うん!」

男「幼…」
ぎゅっ

幼「男、ここ空港だよ?皆が見てるよ…」

男「…構わないから、少しだけ、こうさせてくれ」

幼「うん」
ぎゅうっ

幼「これからはずっと一緒だよ?」

男「あぁ、約束する、ずっと一緒だ」

男「幼…」
ぎゅっ

幼「男、ここ空港だよ?皆が見てるよ…」

男「…構わないから、少しだけ、こうさせてくれ」

幼「うん」
ぎゅうっ

幼「これからはずっと一緒だよ?」

男「あぁ、約束する、ずっと一緒だ」

男「星の光みたいに」

男「ずっと昔から、ずっと先の未来まで」

男「俺はずっとお前の傍に居る」

幼「うん」

男「大好きだ、幼」

幼「うんっ!私もだよ、男っ!」


ちゅっ



おわり

これで終わりです
誰か読んでくれたら嬉しいです
本当は300レスくらいの話しだったんだけど
無理やり短くしたら、こんなになっちゃった

次スレは
男「ss深夜vip?」 幼馴染「そう」
ってタイトルで立てます
では。

乙です
良かった
今度いちゃらぶアマアマなのが読みたいです

読んでくれた人ホントありがとうございます

>>42
アマアマなのは自分なんかより
甘面白く書いてる人が居ますけど…
でも今度書いてみます

深夜で甘い幼馴染物が見たいのです
最近ないので
待ってます

乙です

毎日のように酉さがして待ってたのはないしょ

>>46
私などは、あなたの書く幼馴染物こそが
甘甘良ssだと思う訳でございますよ
正直、大好物ですよ

>>47
そんなん言われたら惚れてまうやろ!
年末年始は入院とか育児とか色々あって投下出来なかったですが
これからもちょくちょく書いて行きますので読んでもらえると嬉しいです

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