西住みほ「西住流裏奥義、ローション装填の術!」トロォ (77)

大洗女子学園 格納庫

優花里「ふぅーん!!」ガコンッ

優花里「はぁ……はぁ……」

カエサル「うーん……。グデーリアンでもここが限界か」

優花里「これ以上装填速度を上げようと思っても中々できないですよ」

典子「やっぱり根性が鍵を握るわけですね!! わかります!!」

カエサル「いや、私には分からない」

みほ「あれ? みんな、まだ練習してたんだ」

優花里「西住殿!」

カエサル「ああ、装填速度を上げるためにどうしたらいいのか装填手同士で意見交換をしていた」

典子「結論、根性です!!」

優花里「そんな結論だしてないですよぉ」

カエサル「丁度いい。西住隊長、装填速度を上げる方法はないかな? 筋トレだけでは限界もあってさ」

みほ「そっか……。西住流に装填速度をほんの少しだけ上げる技はあるんだけど……」

優花里「そうなのですか!! ぜ、是非ご教授を!!」

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みほ「でも、これは危険なんだ」

カエサル「危険とは?」

みほ「場合によっては怪我をすることもあるから、私はあまり好きじゃなくて」

優花里「流石は西住流ですね……」

典子「でも、今のままでは黒森峰には勝てません!!」

カエサル「同感だ。それをすることで勝利への道が開けるのなら、試してみたいな」

みほ「優花里さんも同じ?」

優花里「西住殿にお任せします。勝つだけが全てではありませんから」

みほ「優花里さん……」

桃「――だが、我々は勝たなくてはならない。どんなことをしてでもな」

みほ「あ……」

桃「西住。装填速度をコンマ1秒でも上げることが出来るなら、教えてくれ」

優花里「ですが、それで怪我をしてしまったら元も子もありませんよ」

桃「学園を守れるのなら、怪我ぐらい構わん。西住、教えてくれ。頼む」

みほ「そこまで……。わ、わかりました。教えます。でも、準備するものがあるので、明日にしましょう」

翌日

カエサル「一体どんな方法なんだろう」

優花里「なんだかドキドキしますね」

典子「怪我はしたくない。でも、優勝しないと近藤たちとバレーをすることができなくなる。それだけは嫌だ。西住流の装填術を学ぶしかないんだ」

桃「遅い!! 西住は何をしている!!」

みほ「すみません。お待たせしました」

桃「試合までは時間もない。早急に頼む」

みほ「はい。では、みなさん、今からこれを配ります」

カエサル「その容器は?」

みほ「この中に装填速度上げるものが入っています」

典子「飲み物ですか?」

桃「だったら栄養ドリンクか」

優花里「い、いや、砲弾の滑りを良くするものとかではないですかね」

カエサル「しかし、物に頼るだけなら一つの流派の技と言えるかな?」

みほ「優花里さんの言うとおり、この中には滑りをよくする液体がはいっています。ただ、取り扱いには注意が必要になります」

カサエル「ニトロみたいなものか」

典子「ぬるぬるした液体だぁ」トロォ

みほ「あぁ! 磯辺さん、勝手に出しちゃダメ!!」

典子「え!? そうなんですか!? すみません!!」

みほ「えっと、とりあえずこのタオルで拭いてください」

典子「すみません」

桃「ただの潤滑油だな。どうしてこれが怪我に繋がるんだ?」

みほ「はい。その説明も今からさせてください」

典子「わぁ……。ぬるぬるがとれない」

優花里「そうなんですか?」

典子「ほら」ヌルゥッ

優花里「本当ですね。こんなにぬるぬるとしているのですか」

みほ「この液体、潤滑液としてかなりいいんですけど、乾きやすいという欠点があるの」

カエサル「乾きやすい。つまり、戦闘前に一度使うだけはダメということか」

みほ「うん。使うタイミングを誤るとかえって装填速度は落ちる。でも、タイミングさえ間違えなければ装填速度は確実に上がる」

桃「使いどころが難しいのか」

みほ「はい。また使うためにはこの潤滑油が入った容器を戦車内に常備しておかなくてはいけません」

カエサル「となると、この容器が倒れて、中身が出てしまうことがあるな」

みほ「そう。そこが一番危険なところなの」

優花里「滑りやすい液体が広がってしまうだけでも大惨事ですからね。砲弾を持ち上げることもできなくなりますし」

桃「なるほど、そういうことか」

典子「そうですか? なんとかなりそうな気もします!」

優花里「無理ですよぉ。こんなにぬるぬるしていては、持ち上げることも困難になるはずです」

典子「そこは根性でなんとか」

みほ「では、試してみましょうか。このマットを使いましょう」

桃「何をするつもりだ?」

みほ「戦車内にローションがこぼれてしまった場合、どんなことになるのか体験してもらったほうが早いですから」

優花里「西住殿のいう通りですね。百聞は一見にしかずです」

みほ「じゃあ、見ていてください。――まず、液体をこぼします」トロトロ

カエサル「ふむ。それから?」

みほ「こんな感じかな。こうなってしまうと、足をおくだけで」ヌルッ

みほ「きゃ!?」ベチャァ

優花里「西住殿!?」

典子「大丈夫ですか!?」

みほ「は、はい。大丈夫。だけど、もうこんなに体中がとろとろに……」

カエサル「に、西住隊長……ぬるぬるに……」

みほ「これだともう立ち上がることも難しくなります」

桃「誰かが手を引っ張ってやればいいだろう?」

みほ「それだと被害は広がってしまうんです。磯辺さん、ためしに私を起こしてみてください」

典子「はい!! 任せてください!!」

みほ「お願いします」

典子「行きます!! うわぁ!?」ヌルゥッ

桃「磯辺!?」

みほ「こうなるの。大丈夫?」

典子「西住隊長ぉ……」ヌルゥ

みほ「あ……磯辺さん……」

典子「これからどうしたらいいんしょうか?」ヌルゥ

みほ「磯辺さん、できるだけ離れて……んっ……」

典子「無理ですぅ」

桃「これは……」

カエサル「なんだろう……二人が卑猥なことをしているような気がしてきた……」

優花里「そうですか? これも訓練のうちです」

みほ「と、とにかく、これでこの装填方法の危険性については理解してもらえ……あっ……」

典子「たてませぇん」ヌルゥ

みほ「磯辺さん、ちょっと……そこに手を……くっ……」

典子「わぁぁ」ヌルゥ

みほ「ひゃあぁ……!?」

カエサル「わ、わかった!! わかったから!! 次に行こう!! 次に!!」

みほ「だ、だれか、タオル……」

優花里「はい!! これを使ってください!!」

みほ「こういった危険もあるということは肝に銘じておいてくださいね」トロォ

典子「わかりました!!」トロォ

カエサル「ちょっと!! 二人とも!! ズボンから液体がたれてるたれてる!!」

みほ「え? あぁ、いけない」

桃「股間から滴り落ちるのは見栄えが悪いな。早く拭け」

典子「でも、拭いても拭いても溢れてくるんです」トロトロォ

カエサル「うぅ……」

優花里「カエサル殿? 顔が赤いですよ?」

カエサル「な、なんでもない」

みほ「あの、体調が悪いなら無理をすることはないですよ?」

カエサル「い、いいから、続けてくれ」

みほ「いいの?」

カエサル「続けてくれ!!」

みほ「は、はい!」

典子「こんなものかな。もう溢れてきません!! 大丈夫です!! 西住隊長!!」

みほ「えーと、とにかく少しでも手に液体がついてしまえば、砲弾を持とうにも滑ってしまい装填は困難になります」

典子「さっきのでよく分かりました」

優花里「より精確な装填が重要になってくるのですね」

みほ「ポイントとしてはなるべく腕を曲げずに、真っ直ぐ砲弾を薬室に込める。これができるようになればこの潤滑液の効果は倍増されます」

桃「真っ直ぐ入れるのは難しいことなのか?」

みほ「そうですね。手に液体がつかないように真っ直ぐいれるのは割りと難しいです」

カエサル「確かに、意識しないと揺れる車内では液体が付着するだろうな」

みほ「ですので、なるべく腕を曲げずに真っ直ぐ、砲弾を押さないといけません」

桃「やはり装填速度を上げるのは楽ではないか」

典子「効率のいい練習方法はないんですか?」

みほ「一応、お姉ちゃんから教えてもらった方法はあるけど……」

桃「教えてくれ、西住!!」

みほ「でも……」

優花里「乗りかかった船です! 最後まで乗せてください!! 西住殿!!」

みほ「……分かりました。それでは今から、上手く装填ができるようになる練習をします」

みほ「重要なのは何度も言っている通り、腕の動きです。液体が手につかないよう常に同じ動作をしなければいけません」

みほ「でも、それを意識してしまうと装填速度は落ちてしまいます。なので、その動作を体に覚えさせるしかないんです」

カエサル「決勝戦まで時間はないぞ。できるのか」

みほ「多少荒療治になりますが、やれないことはないはずです」

桃「何でもいい。1%でも勝利の可能性が上がるのならやる!!」

みほ「辛い特訓になりますが……」

典子「全然へっちゃらです!! 特訓なんて根性でどうにでもなりますから!!」

優花里「我々のことは気にしないでください、西住殿!!」

カエサル「……私も同じ気持ちだ」

みほ「はい。じゃあ、優花里さん、このマットの上に仰向けに寝て」

優花里「はい!!」

みほ「寝た状態で膝を抱えて」

優花里「こうですか?」

みほ「ありがとう。少し大変だけど、その姿勢を維持して」

優花里「了解です!!」

カエサル「グデーリアンに一体なにを……」

みほ「これを……」トロォ

カエサル「その液体を使うのか?」

みほ「うん。滑りを良くしないといけないから」

カエサル「滑りを……?」

みほ「私の腕と優花里さんの内腿に塗ります」ヌルヌル

優花里「んん……くすぐったいですぅ……」

桃「それでどうする?」

みほ「優花里さんの脚の間に腕を通します」ヌルゥ

優花里「おぉ……」

典子「それから!?」

みほ「あとは腕を出し入れします。これで正しい腕の動きを体に覚えさせます」ズポズポ

優花里「ふあぁああぁぁ!!!」

カエサル「西住隊長!! ストップ!!!」

みほ「え? なに? 私、おかしなことしちゃった?」

カエサル「い、いや、その練習法は正しいのかと思って……」

みほ「これが西住流の練習法だから……正しいとかはよくわからないけど……」

カエサル「そうなんだ……」

優花里「あ……ぅ……」

典子「大丈夫ですかー

>>20
投下ミス

カエサル「い、いや、その練習法は正しいのかと思って……」

みほ「これが西住流の練習法だから……正しいとかはよくわからないけど……」

カエサル「そうなんだ……」

優花里「あ……ぅ……」

典子「大丈夫ですかー!?」

桃「秋山、情けない声を出すな」

優花里「す、すみません。西住殿の腕がこすれて、つい声が……」

みほ「ここでやめる?」

優花里「い、いえ! もう一度、お願いします!! 今のは少し驚いてしまっただけですから!!」

みほ「うん。それじゃあ、もう一度」ヌルゥ

優花里「ふっ……」ビクッ

みほ「行くよ」

優花里「は、はい……」

みほ「えい!!」ズポズポズポ!!!

優花里「ふあぁぁぁあああ……!!!」ビクビクッ

みほ「ふっ……ふんっ……んっ……!!」ズポズポズポ

優花里「わぁあああ……ん……あぁああ……!!」

カエサル「西住隊長!! もういい!! 十分やり方は理解したから!!」

みほ「あ、うん」

優花里「あ……ぐっ……んぅ……」ピクッピクッ

典子「どうしたんですか?」

桃「秋山、しっかりしろ。何を恍惚した表情をしている?」

優花里「あ……ひぃ……ちょっと……色々……ありまして……」

みほ「大丈夫、優花里さん? 私もお姉ちゃんにされたときは同じような感じになったからよくわかるんだけど、なんだか変にくすぐったいよね?」

優花里「は、はいぃ……とってもこすれて……ちょっと大変なことに……」モジモジ

みほ「とりあえず濡れてるところはタオルで拭かなきゃ」フキフキ

優花里「うぅ……ありがとうございますぅ……」

典子「凄い粘り気だ。糸を引いてる」

桃「その糸が光を反射して輝いているな」

カエサル「そ、そんなこと言わなくても……いいとおもいます……」

みほ「では、練習を始めましょう」

優花里「あのぉ。また私がやるんでしょうか?」

みほ「ううん。それだと練習できないから、私が交代する」

優花里「西住殿が!?」

みほ「優花里さんからどうぞ。今、液体を脚に塗るね」

カエサル「ま、まって!!」

みほ「なに?」

カエサル「に、西住隊長の脚の間に腕を出し入れするのは、少し、気後れする……んだが……」

みほ「そんな、気にしないで。この潤滑液をつけていれば擦れて怪我をするようなこともないし」

カエサル「そ、そうじゃなくて……もっと、別の方法があると思うだ……」

みほ「別の方法……」

優花里「そうですね。流石に西住殿の股間に腕を擦り付けるのは私も恐れ多いです」

みほ「別の方法だと、私じゃ練習台になってあげられなくて」

カエサル「むしろそれでいい。別の方法には何が必要なんだ?」

みほ「河嶋さんの協力が不可欠になってきます」

桃「私!?」

みほ「はい。いいですか?」

桃「構わん。やってくれ」

みほ「はい。では、マットの上に寝てください」

桃「分かった。次は?」

みほ「上着を脱いでください」

桃「上着か……」スルッ

みほ「ありがとうございます。磯辺さん、こっちへ」

典子「はい!」

みほ「河嶋さんの胸に液体を垂らして。量は多めで」

典子「わかりました!!」トロォ

桃「んぅ……」

典子「これぐらいですか?」

みほ「うん。じゃあ、腕を河嶋さんの胸の間に入れて」

典子「こうですか?」ムニュ

柚子「桃ちゃんはまだ練習してるんですか?」

杏「装填手が集まってなんかしてるらしいからなぁ」

柚子「今が大事な時期なのは分かってますが、生徒会の仕事もあるから……」

杏「まぁまぁ。様子だけ見て、忙しそうなら引き返せばいいじゃん。河嶋だって、この学校を守りたい気持ちでいっぱいなんだしさ」

柚子「それは私も会長も同じですよ」

杏「ま、そうなんだけど――」

桃「うあぁぁああん!!!」

柚子「桃ちゃんの声!?」

杏「あっちだね」

柚子「桃ちゃん、どうしたの!?」

典子「うおぉぉぉぉ!!! こんじょー!!!!」ジュポグチュムチュ

桃「あああぁぁぁん!!」

柚子「桃ちゃん!? なにしてるの!?」

桃「ゆずちゃぁぁん!! たすけてぇぇ!!」

杏「かわしまぁ、なんで磯辺ちゃんに襲われてるの?」

桃「ひっく……ぐす……けがされたよぉ……ゆずちゃぁん……」

柚子「大丈夫、大丈夫。胸の間に腕を突っ込まれただけだから」

桃「でも、あんなにはげしく……うごかされて……」

柚子「よしよし。ちょっと怖かったよね」

杏「装填時の正しい腕の動きを覚えるための練習だったんだ」

みほ「そうなんですけど、まさか河嶋さんがあんなことになるなんて……すみません……」

杏「河嶋はああ見えて、ガラスのハートだからねぇ」

カエサル「これが西住流というなら私たちは納得するしかないけど、この特訓にどれほどの意味があるのか……」

優花里「ですが、あの西住流の装填術ですから、一般的な練習法とは多少違っていても当然だと思いますよ」

カエサル「達人が弟子に課す修行は一見意味がなさそうでも、その実、とても効率の良いものだったというのはよく聞く話だけど」

杏「西住流の装填術って結構すごいんだ」

みほ「私はこれをお姉ちゃんに直接教わったので、普通のことなんだって思ってましたけど」

杏「まぁ、西住ちゃんの練習だから確かな効果はあるんだろうし、そこを疑うつもりもないから、自由にしちゃっていいよ。ただ、河嶋を練習台にするのはやめてくれると嬉しいね」

みほ「はい。それは勿論です。嫌がる人にさせることはできません。私は嫌だって言っても練習台されていましたから、河嶋さんの気持ちは痛いほど分かります」

杏「家元の娘ってだけで辛い練習は避けては通れなかったわけだ」

柚子「桃ちゃん、ぬるぬるぅ」ネチョォ

桃「だって、西住が無理やり……」

杏「これタオルで拭くだけじゃダメだな。西住ちゃん、河嶋をお風呂につれてってもいい?」

みほ「あ、そうですね。装填の練習はお風呂でもできるから、移動しましょう」

カエサル「お風呂でも!?」

みほ「うん。これ以上、ぬるぬるになるとみんなも気持ち悪くなるだろうし、そのまま洗えるほうがいいかなって」

カエサル「それは合理的だけど……」

みほ「私も何度かお姉ちゃんにお風呂まで連れていかれて、練習したこともあるから大丈夫だよ」

カエサル「そ、そうなんだ……わ、わかった……」

優花里「では、入浴の準備です!!」ダダダッ

典子「はい!!」ダダダッ

カエサル「西住隊長。お風呂で練習とは、どのように?」

みほ「さっきと一緒のことをするだけなんだけど」

カエサル「今のをお風呂で?」

みほ「うんっ。あ、確かに恥ずかしいけど、段々と気にならなくなるから安心して」

大浴場

典子「おふろー!!」

優花里「お風呂でぇーす!!」

桃「会長は参加しなくても」

杏「実際の試合ではなにがあるかわかんないからな。私が装填の技術を持っていれば役に立つことがあるかもしれないじゃん。まぁ、私の装填速度なんて河嶋の足下にも及ばないけどさ」

桃「そ、そのようなことは……」

柚子「私が一緒なら怖くないよね、桃ちゃん」

桃「うん……。いや!! 桃ちゃんじゃない!! それに子ども扱いするなぁ!!」

杏「さぁー、始めようか、西住ちゃん」

みほ「はい!」

カエサル「本当にするのか?」

みほ「えっと、いやなら……」

カエサル「嫌とかじゃなくて……その……」

優花里「あの、練習台役は?」

みほ「私だと優花里さんやカエサルさんがやりにくいみたいだから……。小山さん、お願いできますか?」

柚子「わ、私? 胸の間に腕を突っ込まれるの……?」

杏「私は別に西住ちゃんでもいいけど?」

典子「私も西住隊長に直接指導されたいです!!」

みほ「分かりました。じゃあ、2グループに分かれましょう」

優花里「私とカエサル殿は必然的に小山殿で練習となりますね」

カエサル「う、うん……」

柚子「私でいいの?」

みほ「むしろ、小山さんしかできないことです」

杏「大洗女子学園のためだから」

柚子「わ、わかりました。私、やります!」

みほ「ありがとうございます!」

杏「河嶋はどっちにする?」

桃「私は……」

柚子「桃ちゃんはこっちぃ」グイッ

桃「わ、わかった!! ひっぱるな!!」

杏「で、どうするの?」

みほ「口で説明するより見てもらったほうが早いと思います。磯辺さん」

典子「はい!!」

みほ「よいしょっと」ゴロンッ

みほ「磯辺さん、脚の間に腕を入れて」

典子「わかりました!!」

みほ「あ。ちゃんと、濡らしてから入れてね」

典子「すみません。こうですね」ヌルヌル

みほ「んっ……そうそう……」

杏「……」

典子「これぐらい濡れていれば、いいですか?」トロォ

みほ「うん。もう大丈夫。いつでも、きて」

典子「行きます!!」ヌルゥ

みほ「くっ……うっ……」

典子「うおぉぉぉ!! こんじょー!!!!」ズポズポズポ!!!!

みほ「ふっ……んっ……ぅん……!!」

典子「どうですか!? 西住隊長!!」ズッポズポズポズッポ!!!

みほ「い、いぃ……よ……その、ま、まつづ、け……っ……て……」

典子「はい!!」

杏「待って」ガシッ

典子「え? なんですか?」

杏「西住ちゃん。これ、どれぐらいの効果があるの?」

みほ「はぁ……ぁ……ふぅ……。効果ですか? お姉ちゃんがいうには正しい姿勢と動作が身につくから良いって話でしたけど」

杏「ふぅーん」

桃「こうか!! これでいいのか!!」グチュチュプブチュ

柚子「も、ももちゃぁん、はげしいぃ……」

桃「これも練習だ!!」

柚子「うぅ……もっとやさしくしてよぉ……」

優花里「凄い光景です!」

カエサル「……」モジモジ

杏「一応、確認なんだけどさ、この方法以外にもなんか習わなかった?」

みほ「脚の間、胸の間に腕を出し入れする以外ということですか?」

杏「そうそう」

みほ「潤滑液を使った装填術はこの二種類だけですね」

典子「装填術はってことは他にもあるんですか?」

みほ「うん、勿論。西住流にはそれぞれ操縦術、砲撃術、通信術、装填術、戦車戦術があるんだ」

杏「各々潤滑液を使うことで、技能が向上するの?」

みほ「流石に戦車戦術にはありませんけど、他の4つに関してはお姉ちゃんに教えてもらいました」

杏「お母さんには?」

みほ「お母さんは裏奥義のことは全部お姉ちゃんから聞きなさいって言われて」

杏「西住流の中にちゃんと存在してる技ってことかぁ」

みほ「それは間違いないです。ただ、これは西住家だけに伝わるものなんです」

典子「そんなに大事なものを私たちが知ってもいいんですか!?」

みほ「え? あ、うん。別に口止めもされてないから、いいと思う。教えるのは恥ずかしいから、普通はこんなことしないけど」

杏「どうして教えてくれたの? 西住ちゃんはこういうこと恥ずかしがりそうなのに」

カエサル「それは私も気になっていた。こんなやり方、西住隊長らしくない」

みほ「本当なら、こんなこと私は教えたくなかった。西住流は私の戦車道じゃないから」

優花里「西住殿……」

みほ「だけど、みんなの勝ちたいって気持ちも、会長の学園を守りたいって想いも、すごく伝わってくる」

みほ「私はそれになんとか応えてあげたくて……だから……」

みほ「恥ずかしいなんて思ってられないから! みんなの力になれるなら! これぐらいは平気です!! あんこう踊りをしろと言われればします!!」

カエサル「だからプラウダ戦では率先して、あんこう踊りを……?」

桃「西住……」ズポズポ

柚子「ふぅぅ……ん……」

みほ「それが、私、隊長としての役目だと……思って……」

杏「西住ちゃん。ありがとね。私が強引に戦車道を受講させたのに、そこまで考えてくれて」

みほ「いえ! 新しい、私だけの戦車道を見つけられたのは会長のおかげです。その恩返しができるなら、これぐらいのことはさせてください」

優花里「にしずみどのぉ……わたし……わたし……かんどうですぅ……」

桃「お前たち!! 西住の覚悟を無駄にするなぁ!!! 練習だ!!!」ズポズポズポ!!!!

柚子「も、ももちゃん、やりすぎぃ」

優花里「私もやります!! カエサル殿!! さぁ!! 私の脚の間を使ってください!!」トロォ

カエサル「ちょ!! 待ってくれ!!」

優花里「いつでもいれてください!!! 準備できてます!!」ゴロンッ

カエサル「西住隊長の気持ちは嬉しいし、私も感動した!! だがこれは……」

優花里「カエサル殿!! 早くいれてください!!」

カエサル「いれていれて言わないでー!!!」

優花里「何故ですか!?」

カエサル「少なくともそんな格好で良いっていいことじゃない!!」

優花里「しかし仰向けに寝て、膝を抱えるポーズは西住殿に言われたことですからぁ」

カエサル「うぅ……そうだけど……」

桃「恥ずかしいと思うから恥ずかしいんだ!! 恥は捨てろ!!」

カエサル「で、でも……こんなこと……」

みほ「カエサルさん。無理はしなくていいよ。出来ない気持ちは分かるから。私もお姉ちゃんの体を使っての練習は中々できなかったから」

典子「そうなんですか?」

みほ「うん。とってもいけないことをしているような気がして。でも、お姉ちゃんで練習しているうちに慣れてきたの。やっぱり最初はなんでも難しいよね」

>>46
カエサル「少なくともそんな格好で良いっていいことじゃない!!」

カエサル「少なくともそんな格好で言っていいことじゃない!!」

カエサル「最初は難しいとか……そういう問題でもないような……」

杏「西住ちゃんさぁ、この練習はいつ頃習ったの?」

みほ「えーと、小学6年生ぐらいのときに初めてお姉ちゃんが装填の練習をしたいって言ってきて……」

杏「それからずっと?」

みほ「そんなことはないですよ。装填だけの練習をしていたわけじゃないですし」

優花里「他にはどんな裏メニューを?」

杏「それ聞きたいねぇ。裏奥義の操縦術とか砲撃術とかさ」

みほ「他のは今から初めても試合には間に合いませんけど」

杏「いいから、いいから。とりあえずやってみて」

みほ「分かりました。じゃあ、操縦術から」

柚子「これは一応見ておかないと!」

みほ「えーと……」

杏「あぁ、相手がいるんだね。私でいい?」

みほ「はい。でも、いいんですか? その、練習台も大変なんですけど」

杏「いいよ。さ、やって」

カエサル「戦車の操縦術というが、戦車によって操縦方法は違うはずだ。どの戦車を操縦することを前提にしているんだ?」

優花里「西住流ですから、きっと全ての戦車に通ずる秘技なのですは?」

カエサル「そんな万能な技術があるのか」

みほ「まず液体を会長の胸に塗ります」ヌルヌル

杏「うんうん」

みほ「で、胸を上下左右に撫で回します」ヌルヌル

杏「……それから?」

みほ「これだけです」

典子「それで操縦が上手くなるんですか!?」

みほ「私はお姉ちゃんにそう教わったけど……」

桃「柚子、私で試すか?」

柚子「ううん。遠慮しとく」

桃「何故だ!?」

柚子「だって、あれ、操縦が上手くなる要素が見当たらないんだもん」

桃「それが西住流なんだろう。やぁ、やれ!」

>>49
優花里「西住流ですから、きっと全ての戦車に通ずる秘技なのですは?」

優花里「西住流ですから、きっと全ての戦車に通ずる秘技なのでは?」

杏「もういいや。なら、砲撃術は?」

みほ「砲撃術はですか。ええと、会長、その場で気をつけ!」

杏「んっ」

みほ「失礼します」ムニッ

杏「西住ちゃん、私の股間に顔を近づけてなにやってるの?」

みほ「こうして閉じた脚を手で広げて、わずかな隙間から向こう側を見るんです」

カエサル「それで何が上達するというんだ!!」

みほ「小さな隙間から景色を見ることで、視界の悪さになれるっていう練習。液体も付いていて滑りやすいから、ずっと続けるのは難しいの」

優花里「なるほど! 視力を向上させるんですね!!」

典子「おぉ!! 流石西住流!!」

カエサル「待って!! そんな股の間を覗くだけで視力がよくなるわけがない!!」

典子「でも、これが西住流なら」

優花里「説得力ありますよね」

カエサル「ない!!」

優花里「カエサル殿、顔が真っ赤ですよ? のぼせたのですか?」

杏「通信術ってのはどんなの?」

みほ「……寝て貰えますか?」

杏「こう?」

みほ「失礼します」

杏「添い寝するの?」

みほ「はい。それから……」ヌルゥ

杏「おぉ……」

みほ「私が耳元で小さな声で呟くので、上手く聞き取って復唱してください」

杏「う、うん」

みほ「……て……る……」

杏「みほ、あいしてる」

みほ「正解です。では、第二問」

杏「西住ちゃん、真面目にやってる?」

みほ「え? あ、でも、これが大体第一問目なんですけど」

杏「もう潤滑液関係ないよね?」

みほ「いえ。この粘液の音でわざと聞き取れなくしてるんですよ」クチュクチュ

杏「あぁ……そうなんだ……」

みほ「これで聴力が上がるんですけど、長期的な訓練が必要になってきますから」

杏「西住ちゃんはこれを小学6年生からやらされてたんだ」

みほ「はい。そうです」

カエサル「西住隊長!! これはやはり練習とは呼べない気がする!!」

みほ「だ、だけど、これが西住流で……あの……」

優花里「どれも理にかなった訓練だと思うのですが」

典子「私も思います!」

桃「練習だ!! 練習!!」

杏「まぁまぁ。西住ちゃん、とりあえずシャワー浴びて生徒会室にきてよ」

みほ「でも、まだ練習が」

杏「いいから」

みほ「は、はい」

杏「うん。みんなも集合だぞー」

生徒会室

杏「やぁやぁ。みんな揃ったね」

典子「あの、何をするんですか?」

杏「ちょっとね、西住ちゃんに見て欲しいものがあるんだ」

みほ「私にですか?」

杏「河嶋」

桃「はっ」カチカチッ

優花里「パソコンに何かデータでもあるんですかね」

カエサル「どうなんだろう」

桃「できました」

杏「うん。西住ちゃん、こっちきて」

みほ「はい……」

杏「ある動画を見てほしいんだよねぇ」

みほ「動画? これ、ですか?」

杏「そうそう。このローションプレイって書いてあるやつ。クリックしてみぃ」

みほ「あわわ……わぁ……」

典子「わー!!! エッチな動画だー!!!」

カエサル「ちょっと!! そんなものを流すなー!!」

優花里「おぉぉ……は、はじめて……みましたぁ……」

桃「……」

柚子「すごぉい……」

みほ「あ、あの、あのぉ……」

杏「どう? 似てない?」

みほ「え……え……?」

杏「西住流裏奥義と」

みほ「……」

カエサル「いいから動画をとめてくれー!!」

典子「こ、これ、なにしてるんですか!?」

桃「……」ゴニョゴニョ

典子「お……おぉぉ……!! おぉぉー!!! わぁぁー!!! こんじょー!!!」

みほ「言われてみれば……」

カエサル「西住隊長!! 止めて!! その変な動画止めて!!」

みほ「会長、これは……どういう……」

杏「……」

優花里「あ、あのぉ、これは飽くまでも私の個人的な見解なのですが……」

みほ「なにかな?」

優花里「裏奥義なるものは戦車道とは何も関係がないものだったのではないでしょうか?」

みほ「……」

桃「会長も秋山と同じ考えだ。無論、私もな」

柚子「桃ちゃん……」

典子「え!? あの練習、意味がなかったんですか!?」

みほ「でも、これが西住流だからって私はお姉ちゃんに教わって……何度も……練習に付き合って……」

杏「ちゃんとお姉さんに聞いたことある?」

みほ「え……」

杏「これは変なことじゃないのかってさ」

みほ「聞いたことはあります。練習が始まったときに、これは本当に練習なのって」

杏「お姉さんはなんて言ってた?」

みほ「私を疑うのかって言われて……」

杏「そのままお姉さんのことを信じちゃったわけだ」

みほ「あの! だけど、これは似ているだけの可能性だって……!!」

杏「西住ちゃん、信じたい気持ちは分かるけどさ、素人の私が見たってあれは戦車の練習じゃないよ」

みほ「そんなこと……そんな……」

典子「おぉ……大人は、こんなことをするんだ……」

優花里「これは特殊なのではないですか?」

カエサル「停止停止!!」カチッ

典子「あぁー、もうちょっとだったのに」

優花里「カエサル殿ぉ」

カエサル「女の子が人前で見ていいものじゃないだろ!?」

柚子「確かに人前ではダメだよね」

桃「1人のときじゃないとな」

みほ「今まで私がお姉ちゃんにされてきたことや、お姉ちゃんにしてきたことって……」

杏「次の黒森峰戦で確かめるしかないんじゃないかな」

みほ「……」

杏「本当にあのローションプレイ、じゃなかった、西住流裏奥義が実戦でも有効な技なら、お姉さんも使ってくるはずだしさ」

みほ「それはないと思います。お姉ちゃんは元々才能があるから、そんなものに頼る必要がありません」

杏「なるほど……。でも、確かめないことには私の気がすまないんだよねぇ」

カエサル「私もだ!!!」

みほ「ど、どうして?」

カエサル「純粋無垢な西住隊長にこんな下劣な悪戯をする者を許しておけるか!!! 世が世ならフストゥアリウムの刑だ!!!」

みほ「カエサルさん……」

カエサル「西住隊長!! 絶対に裏奥義を使うように説得しよう!!」

優花里「もし本当に存在していたらどうするんですか? ただでさえ西住殿のお姉さんは手ごわい相手なのに、手が付けられなくなってしまいますぅ」

カエサル「あのような方法で装填速度が上がるものか!!!」

典子「も、もえてる!! カエサルさんが燃えてる!! なんだか、私もそんな気がしてきたぁ!!!」

みほ「磯辺さんまで……」

杏「うし、けってーい。決勝戦では西住ちゃんのお姉さんに実演してもらおっかぁ」

カエサル「当然だ!」

典子「おぉー!!」

柚子「はい! 是非とも見せてもらいましょう!」

桃「西住流がどの程度のものか、この目で見極めてやる」

みほ「……」

優花里「いいのですか、西住殿?」

みほ「私は最後までお姉ちゃんを信じたい。でも、疑っている自分もいる」

優花里「で、では……?」

みほ「見せてもらおう。西住流裏奥義を」

優花里「しかし、本物であった場合のことを考えると……」

みほ「そのときは私たちも同じように裏奥義を使えばいい」

優花里「できるでしょうか」

みほ「優花里さん、これから私と一緒に練習しよう。私の体、使っていいから」

優花里「えぇぇぇ!? はい!! よろこんで!!」

カエサル「待て!! そんなことはするな!!!」

優花里「はっ!? そうです……私が西住殿の体を使うなんて……できません……」

みほ「でも! 装填速度が上がるなら……!!」

典子「はーい。提案があるんですけど」

杏「はい、磯辺ちゃん」

典子「今から、西住隊長に装填速度がどれぐらい上がるのか試してもらったらいいんじゃないですか?」

優花里「おぉ!! そうですね!! 西住殿は小学生のときから練習を重ねているんですから出来るはずですよぉ!」

カエサル「名案だ!!」

みほ「え? あ、でも……なんだか……真実を知るのが怖い……」

桃「逃げるな、西住。会長もお前のことを心配して言っているんだぞ?」

みほ「……」

柚子「西住さん、私からもお願い。このまま悪をのさばらせていいの?」

カエサル「隊長!! ご決断を!!」

みほ「……Ⅳ号の操縦を優花里さん、お願いできますか?」

優花里「任せてください!!!」

数日後 決勝戦会場

エリカ「隊長、全車輌のチェック、終了しました」

まほ「そうか。試合まで楽にしているように伝えてくれ」

エリカ「はい」

まほ「……」

杏「いたいたぁ。おーい、まほちゃーん」

まほ「貴方は、大洗の……」

杏「角谷杏。今日はよろしくね。握手」

まほ「よろしく」ギュッ

杏「よし。こっちきて」グイッ

まほ「な、なにをする?」

杏「色々聞きたいことがあるんだよねぇ」

まほ「なんのこと?」

杏「西住流裏奥義」

まほ「な……!? ど、どこでそれを……!?」

杏「連れてきたぞー」

桃「ありがとうございます、会長」

まほ「ちょっと、待って……!!」

杏「なにさ?」

まほ「みほが喋ったのか?」

杏「うん。私たちがもっと上手くなりたいって言ったら、あの引っ込み思案な西住ちゃんが顔を真っ赤にさせながら教えてくれたよ」

まほ「……」

杏「私たちが、それは戦車道と関係ない、って言っても西住ちゃんは頑なに「お姉ちゃんから教えてもらったら大丈夫」、「私のお姉ちゃんは嘘をつかないから」って言ってねぇ」

まほ「な……に……」

桃「そこでだ。西住まほ、お前には今日の試合でこれを使って欲しい」

まほ「これは……」

杏「分かるくせにぃ。……ローションだよ」

まほ「くっ……。だ、だが、これを使えば我々が有利になる。そ、それでもいいのか?」

桃「ああ。構わない」

杏「見せてよ。裏奥義の真髄ってやつをさぁ」

まほ「だ、だが……」

カエサル「出来ないというのか?」

まほ「……!!」

典子「見せてください! 黒森峰の全力を!! 私たちはそれを全力でレシーブしてみせます!!」

まほ「わ、私が、西住流が使っているローションでなくては……その、本当の力は発揮できない……」

杏「あれぇ。おかしいなぁ、小山ぁ?」

柚子「はい。このローション、西住さん本人からもらったものなんですけどぉ」

まほ「みほが……!?」

杏「西住家御用達のローション、たくさんあるから。是非使ってよ」

まほ「しかし……」

カエサル「西住流の裏奥義は幼少から練習に励んでいたと聞いた。私たちの隊長ができて、黒森峰の隊長である貴方ができないはずはない」

典子「お願いします!! 奥義をみせてください!!」

まほ「ぐぅ……」

杏「それとも西住ちゃんにしてたことって、ただの悪戯だったとか?」

まほ「違う!! あれは特訓だ!! 西住流の装填術を極めるための特訓だ!!!」

杏「なら、見せてねぇ」

まほ「……」

みほ「――お姉ちゃん」

まほ「みほ……!?」

みほ「優花里さん」

優花里「はい」トロォ

まほ「え……」

みほ「私たちの装填手はみんな西住流裏奥義をマスターしたよ」

まほ「そんなバカな……」

優花里「これで装填速度が10%は上がります!!」

カエサル「ふっ。この粘液も今では心地いい」ヌルヌル

典子「全身に浴びて戦いたいぐらいです!!」

みほ「お姉ちゃんも使ってほしい。私は全力で戦う。だから、お姉ちゃんにも全力で戦ってほしいの。この裏奥義が実戦で使えるなら、使ってくれるよね、お姉ちゃん?」

まほ「……わ、わかった。使おう」

みほ「ありがとう!! お姉ちゃん!!」

まほ「……」

エリカ「隊長! どこに行っていたのですか?」

まほ「エリカ……これを……装填手全員に配ってくれ……」

エリカ「え? あの、これは……?」

まほ「それを使って装填するように言ってくれ」

エリカ「それはいいのですが」

まほ「このローション、ではなく、潤滑液を使えば装填速度が上がる」

エリカ「ほ、本当ですか!?」

まほ「ああ。西住流裏奥義だ」

エリカ「そ、そんなものをこんな試合の直前で……。あの、そこまで警戒しなければいけない相手ですか?」

まほ「……これは命令だ」

エリカ「は、はい!! 今すぐ、配ってきます!!」

まほ「ふぅー……」

まほ「……」

まほ「強くなったな……みほ……」

Ⅳ号車内

『それでは試合開始!!』

みほ「みなさん、とにかく進みます。敵陣中央まで」

優花里「はい!!」

麻子「本当にいいのか? ただでさえ戦力差が大きいというのに」

華「少々無茶では?」

沙織「そうだよぉ。みぽりんらしくないよ」

みほ「いえ。これでいいんです。相手はこちらを攻撃することはできませんから」

優花里「私もそう思います」

沙織「どうしてそんな自信満々なの?」

麻子「お姉さんが手加減してくれるのか」

華「そのような人には見えませんでしたが」

みほ「お姉ちゃんは期待を裏切らないはずだから、大丈夫」

優花里「西住殿……うぅ……」

沙織「なんかあったの?」

ティーガーⅠ車内

まほ「……」

『隊長!! 砲弾が装填できません!!!』

『うぇぇぇ……ぬるぬるするぅ……』

まほ「……」

エリカ『隊長!! 敵を肉眼で確認しました!!』

まほ「……」

『いやぁー!! ローションがこぼれちゃったぁ!!』

ドォォォォン!!!!

『すみません!! やられました!!!』

エリカ『反撃しなさいよ!!』

『だから砲弾がもてないんです!! これ本当に装填速度が上がるんですか!?』

エリカ『隊長がそういったんだから、上がるにきまってるでしょう!? はやく反撃よ!! 反げ――』

ドォォォォン!!!

まほ「お母様に怒られるかな……」

試合会場

まほ「……完敗だな」

みほ「……」

まほ「み、みほらしい、戦いだったな……」

みほ「……」

まほ「西住流とはまるで違う……」

みほ「当たり前だよ」

まほ「……っ」ビクッ

みほ「……」

まほ「あの、私も薄々おかしいとは思っていたんだ……ただ……その……お母様とお父様が……裏奥義とかいいながら……お風呂場でしているのを見て……これも西住流なのかと……」

みほ「じゃあ、もう行くね」

まほ「あ、ああ……」

みほ「……お姉ちゃんっ」

まほ「な、なんだ?」

みほ「私、実家には絶対に帰らないから。お母さんにもそう伝えてね。バイバイっ」

まほ「みほ!! ちょっと待って!!」

カエサル「西住隊長のところへは行かせない!!!」

おりょう「話は全部、きいたぜよ」

エルヴィン「我らの隊長殿に何をしてくれたんだ」

左衛門佐「切腹でもしてもらおうか」

まほ「あぁ……ごめん……なさい……ごめ……」

カエサル「絶対に許さない!!」

杏「――はぁい、西住ちゃん。挨拶はすんだのぉ?」

みほ「はい! もう大丈夫です!」

優花里「しかし、本当に何もしてきませんでしたね」

みほ「お姉ちゃんはそういう人だから」

優花里「そ、そうですか」

沙織「何があったんだろう?」

華「なんでしょう?」

麻子「私たちは知らなくてもいいことなのかもな」

翌日 大洗

みほ「帰ってきた……」

杏「まさか優勝できるなんてねぇ。今でも夢見てるみたいだよ」

桃「うえぇぇぇん!! ゆずちゃぁぁぁん!!!」

柚子「よしよし。昨日からずっと泣いてるね、桃ちゃん」

沙織「ねえ、帰ったらなにする?」

華「お風呂はいって」

麻子「アイス食べて」

優花里「それから……西住殿の装填術をもういちど……なんて……」モジモジ

みほ「優花里さん、冗談でもやめてね」

優花里「す、すみません!!」

沙織「で、でも、戦車乗ろうよぉ」

みほ「うんっ」

杏「隊長ー、なんか言え」

みほ「え、ええと……。パンツァー・フォー!!!」

西住邸

まほ「お母様……すみません……」

しほ「何故、抗うこともせずに死してしまったのかと思えば……そんなことが……」

まほ「すみません……私が……全て……」

しほ「仰向けになって、膝を抱きなさい」トロォ

まほ「あぁ……」

しほ「そんなに好きなら私がしてあげたのに……ふふふ……」

まほ「おかあさま……やめて……」

しほ「西住の名を背負っているのに勝手なことばかりして……。これ以上、生き恥を晒すことは許さないわ」ヌルゥ

まほ「おか……さま……」

しほ「撃てば必中、守りは堅く、進む姿は乱れなし。鉄の掟。鋼の心。それが西住流。……まほ?」

まほ「私は……お母様と一緒で西住流そのもので――」

しほ「さぁ、味わいなさい。これが本当の西住流裏奥義、ローション装填の術よ!!!」ズポズポズポズポ!!!!!!!

まほ「ひゃああぁああああ!!!!!」


おしまい。

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