男「魔王を飼うことにした」(10)
~ペットショップ~
男「何かいいのいないかな…」キョロキョロ
魔王「zzz……」スースー
男「お、この動物可愛いなぁ~」ジーッ
男「あの、店員さん!」
店員「あ、はい…」(うわ…何あのグロメン…)
男「この子を飼いたいんですが…」
店員「あ、こいつなら無料ですよ!」(わぁー近寄るなー)
男「そうですか!ありがとうございます」ニコッ
魔王「……」
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~自室~
男「可愛い奴だなぁ…」ナデナデ
魔王「……」
男「名前は?」ナデナデ
魔王「……まおう…」
男「そうかぁ、なら、まおちゃんて呼ぼうか~」ナデナデ
魔王「……」
男「まおちゃんは、特技とかあるの?」
魔王「……ハドウ…」
男「?」
魔王「“凍てつく波動”……とか…」
男「凍てつく波動かぁ!それはスゴいね!やってみてよ!」
魔王「え…」
男「見たいな~」
魔王「……わかった…」スッ
魔王の指先からいてつくはどうがほとばしる▼
すべての効果を消し去った!!
男「うわぁ!何かすごいね!」パチパチ
魔王「……」
男「他にはない?」
魔王「呪文とか…」
男「呪文!?すごいね!!見たいなぁ!!」
魔王「え…」
魔王「ねぇ…それより…」
男「ん?」
魔王「他の…人は…?」ジロジロ
男「ここにいるのは僕とまおちゃんだけだよ?」
魔王「どう…して?」
男「僕の家族はみんな君の配下に殺されたからね」ニコッ
魔王「!?」ビクッ
男「あぁ、ゴメン…別に恨んではいないんだよ…」ヨシヨシ
魔王「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」グスグスッ
男「それに…君だって、今は辛いんだろ?あんな
ペットショップで見世物にされて…まだ小さいのに…」
魔王「……ぁあ…」ボロッボロッ
男「僕も辛いよ…毎日ね…まだ学生なんだけどね。
学校では虐められて、成績も悪くて…それで色々言われて…」
魔王「……」
男「……家に帰ってもたった一人…」
魔王「たったの一人…」
男「それで、とにかく僕には理解者が欲しかったんだ…
こんなダメな自分でも認めてくれる理解者が…」
魔王「私がその…理解者になるの?」
男「普通に考えたらありえないよね。本来は最も
恨むべき存在だし…だけど君がまだ幼い女の子だって
知ったとき、本当に魔王は自分の意思で世界を
破滅へと導いたのかなって…もしかして……」
魔王「破滅へと導いたのは私…それに代わりはない…」
男「……」
魔王「その罪が許されるとは思えないが、仮に
あなたの心の支えになることで、あなたを絶望から
救い出せるのならば、私はあなたの力になりたい…」
男「まおちゃん…」
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~三年前:魔界~
側近「魔王様!大変です!!勇者が闇の塔を突破
したようです!本城へ来るのも、もはや時間の問題かと!」
魔王「何故?…そんな…急に勇者が…強く…」
魔王父「娘よ…動じるでない、仮に闇の塔を突破しようと
我々の元へ辿り着くには、まだ複数の障壁がある…」
側近「しかし、それすら突破されると…」
魔王父「……はぁ、その時はわしと娘で何とかする!」ドンッ
側近「……わかりました」
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