生徒会室
津田 「今回はオレ抜きでやったんですね」
シノ 「うむ。私とアリアと萩村、あとウオミーとな」
津田 「前回はオレがいる時点で多少の疑問はありましたが……」
津田 「でも、わざわざオレにそのこと言わなくても、気にしませんよ?」
シノ 「それもそうなのだが……」
アリア「ちょっと気になる議題になってねー」
津田 「気になる?」
スズ 「とりあえず、最初から話していくのがわかりやすいですかね」
シノ 「そうだな。津田、まぁ長くなるが座って聞いてくれ」
津田 「はぁ」
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生徒会役員共のSSです
スズちゃんかわいいよね
いろいろなイチャイチャを目指して
不手際あったら御免
スズかわ
先日 七条邸
シノ 「第2回、生徒会役員共の女子会ー!」
ウオミ「わー?」
スズ 「始まり方は前回と同じですね」
ウオミ「あれ、タカくんは」
シノ 「今日は津田抜きだ」
ウオミ「タカくんを抜いてきたなんて、シノっちいつの間に」
スズ 「ハナから飛ばすなぁ……」
アリア「スズちゃんもなかなか」
スズ 「え?」
アリア「鼻から飛ばすだなんて……ゴックンしきれなかった精液が鼻に逆流したんだね!」
スズ 「七条先輩のボケは一発が重いんですよ……」
シノ 「我々もまだ、花も恥じらう乙女の10代。前回の女子会では、やはり津田がいるせいでできなかった話題もあるだろう」
ウオミ「猥談とか」
スズ 「いやそれはもういいです」
シノ 「身体的な話とか」チラ
スズ 「こっち見ながら言うな」
アリア「恋の話とか」
シノ 「おお、それは確かに女子会らしいな!」
スズ 「ここなら、周りを気にしなくていいですしね」
シノ 「それと、津田の話もできる」
ウオミ「本人がいる前では言いにくいこととかもあるでしょうし」
スズ 「まぁ、確かに……愚痴や陰口ならちょっといやですが」
シノ 「津田でそんなことを言う必要はないだろう。文句があれば直接言うしな」
スズ 「ですよね」
アリア「その方が津田くんも悦ぶしね」
ウオミ「ですね」
スズ 「…………」
シノ 「さて最初の話題は」
スズ 「うーん、いざそう言われると」
アリア「言いたいことは普段から話してるものねぇ」
ウオミ「そうですね。ではちょっと気になっていることなど」
シノ 「お、ウオミーからか」
ウオミ「こういう機会でもないとなかなか話さないですし」
シノ 「ではどうぞ」
ウオミ「こほん。皆さん、普段からいろいろと思春期だと思いますが」
スズ 「え、私はいってるの……」
ウオミ「そんな中、実際はどれくらい進んでいるのかなと」
シノ 「それはその、猥談のような恋バナのような」
ウオミ「女子会らしいチョイスをしてみました」
シノ 「うん、まあ、そうだな……」
スズ 「とはいえ……」
アリア「キスもまだしたことないよー」
シノ 「ウオミーは?」
ウオミ「私もまったく」
シノ 「うーむ、話が進まないじゃないか」
スズ 「いやでもここで経験あるって言ったら……」
アリア「必然的に相手は」
シノ 「そ、それはいかんだろう」
ウオミ「いかんですか」
シノ 「まあ経験がないわけだから問題はないが」
ウオミ「それでは私たちは、耳年増ということに」
シノ 「ちょっと思春期なだけだ」
アリア「じゃあ、どんな経験してみたい?」
シノ 「ど、どんな、か……」
ウオミ「告白、ですか」
スズ 「えーと……体験となると、デートからとかですか」
アリア「もうちょっと踏み込んで、キスはどう?」
シノ 「ファーストキスか……」
アリア「Hから始まる恋愛もあるかもしれないけど」
スズ 「それは漫画の中ぐらいかと……」
シノ 「やはり、キスくらいが妥当だろうかな」
ウオミ「シノっちの理想のファーストキスは、どんなですか?」
シノ 「え、ええっ、わ、私からなのか?」
ウオミ「最初の勢いをつけるためにも」
シノ 「まぁ確かに、今回招集をかけたのは私だし……」
スズ 「やはりこういう時、斬り込み隊長がいると」
シノ 「う、うむ、萩村にまで言われては仕方ないな」
アリア「よっ、シノちゃんくい込み隊長~」
シノ 「ハミ出てしまうだろう!」
ウオミ「切れ込み隊長ですよ」
アリア「大事なところだけ切り取るプレイ?」
シノ 「あれ、間違って肌切れそうで怖いよな」
スズ 「なんでそんなの知ってる……」
ウオミ「ではシノっち」
シノ 「そ、そうだな…… 私は……」
シノ 「うーん…… こ、この際、男女間の交際禁止という規則は置いといてだな」
シノ 「となったら、学校の…… せ、生徒会室とかで……」
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生徒会室には二人しかいなかった。
他のメンバーの用事が重なって、こうなってしまう時もあるものだ。
仕事が忙しくない時期だったのが幸いではあるが。
いつもの他愛ない話をつづけながら、私は過去資料を彼に渡し、一つ頼みごとをした。
「すまないが、これを棚に戻してくれないか」
それ自体は何事もないことである。
ただ保管場所が、私には椅子を使わないと届かない程度に高いことと、彼の背ならば届くことが理由だった。
「ああ、はい」
彼もそれに応じて資料を受け取った。
棚の横で立ちながら、彼が資料を戻すためのスペースを譲る。
彼はこともなげに資料を棚に戻していく。
私との背の差は頭半分ほどだろうか。大きな差ではないと思うが、届く届かないという差は確かにあるのだ。
「背が高いとやはり便利だな」
「あはは、多少は」
そういってにこやかに笑う。
その表情を見ると、ついこんなことを口走ってしまう。
「大きいといろいろな所まで届くものな。子宮とか」
「ん!? いまどこから背の話じゃなくなった」
いつも通りにツッコミながら、残りの資料を戻していく。
彼が作業をするのを見つつ、私は彼との身長差を計るように、手のひらを、相手の頭の高さと私の頭の上で往復させた。
「もっと伸びたいとか思うか?」
「んー、そうですね……180の大台って、結構ロマンありますけど」
その話は続かなかった。
彼の手から滑り落ちた資料は、棚で一度跳ね返り、私の方へと落ちてくる。
「わっとっ」
資料を追う彼の手が、私の横を通り過ぎて落し物を追う。
その手は資料に届くことはなく、壁を突いて大きめの音を立てた。
私は突然のことに息をのんだ。
彼が資料を落としただけならば、拾い損ねて壁を叩いたぐらいならば、驚くことなどなかっただろうに。
「あ……」
彼の顔を目に前にして、私は小さく声を漏らすだけだった。
「…………」
目が合う。
だが離せない。
驚きとは長続きしないものだが、私はこの瞬間を、もう少し長く続けていたいと、心のどこかで思っていた。
「か、会長……」
私が目を離さないのを見て。
いや、おそらく顔が赤いのまで分かっていて、彼も動けずにいるのだろう。
普段の彼ならば、さっと離れて、苦笑いの一つでもよこしただろうに。
何故、動かないのだろう。
「…………」
そういえば、ガラス越しに今と近い状況になったことはあっただろうか。
あの時も一瞬動けなかった自分がいた。
その一瞬はとても長く感じられ、友人たちに茶化されるまで何も言えなかった。
なら、その友人たちがいないいまでは?
ガラス越しならノーカウントだったら、ガラスのない今では?
いつの間にか、彼の眼は見られなくなっている。
その代わり、ほんの少しだけ目線の下にある、その唇が気になって仕方がない。
自覚して、逆に恥ずかしくなって顔を上げた。
彼は、代わらず私の眼を見ていた。
その眼は、戸惑いと驚きと―――何かもう一つの、彼の頬を紅くするだけの何かを湛えている。
「つ……」
彼の名前を呼びかけただろうか。だが声にはならない。
私はほんの少し、背筋を伸ばすだけだった。
目は、どちらからともなく閉じて。
私は彼の袖を掴み、唇に当たる感触を紛らわせていた。
誰もいない生徒会室で、私たちは相手の存在を、薄い唇の肌を通して感じていた。
「やはり背は……それ以上高くならないでくれ……」
唇を離して、私は言った。やはり、目は合わせられない。
ただ、今までに経験したことないほど、心臓は高鳴っていて、それでいてとても満たされていた。
「……しづらいから」
とても小さく、相手にだけ届く声で言う。
誰にも聞こえるはずはないのだけど、そうしたかった。
「……ですね」
彼の答えも、同じくらいの大きさだった。
その声は外から聞こえる部活の音や、遠く廊下を走る音などにかき消される。
だがしっかりと。
私の耳に。
私に、届いた。
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シノ 「…………」
スズ 「…………」
アリア「…………」
ウオミ「…………」
シノ 「……は、恥ずかしいじゃないか! なんとか言え!」
スズ 「い、いやっ、いいんじゃないですかね!」
アリア「そうだよー、すごくロマンチック」
ウオミ「聞いててドキドキでした」
シノ 「い、いいじゃないかっ、よくあるシチュエーションだろう!?」
スズ 「まぁ、ベタといえばベタですが」
ウオミ「普段からエロネタをやっている割には、上の口はこんなことになってるんですね」
スズ 「それ使い方が……」
シノ 「と、ところでなアリア」
アリア「うん」
シノ 「欲情したのでお手洗いをお借りしたいのだが……」
アリア「あらあら」
スズ 「無言で行ってきてほしかったなぁ」
シノ 「ふぅ」
ウオミ「さて、シノっちが賢者になったところで」
シノ 「ま、まぁなんだ、必ずしもこうあって欲しいというわけじゃないぞ!」
ウオミ「意外と雰囲気に流されるタイプなんですね」
シノ 「そ、そう言われると確かに……」
スズ 「互いに想い合っているなら、そんな雰囲気になってもおかしくはない気もします、よ?」
アリア「それにしても、場所が生徒会室だったのはなんでかなー?」
シノ 「えっ、そ、それ、は……」
ウオミ「相手を限定しているような……」
スズ 「そ、そういうのは無しにしません?」
シノ 「そ、そうそう!」
ウオミ「萩村さんも援護にまわるとは……」
アリアウオミ((まぁ、バレバレだけどね))
シノスズ((バレてるんだろうなぁ……))
ウオミ「壁に押さえつけられるのって、結構夢ですよね」
アリア「あ、それわかるー」
シノ 「だ、だろう? 壁ドンというやつだな」
アリア「ん? このリア充めーって壁を殴るやつ?」
スズ 「確かにそれも壁ドンですが、会長のも少女漫画などで古くから壁ドンとして使われていますよ」
アリア「シノちゃん押さえつけられたい願望あるのかー。意外とM?」
シノ 「そ、そうなのか……?」
スズ 「意外と奥手なところありますよね」
シノ 「うむ、まぁ……恋愛ごとには疎いからな……」
スズアリアウオミ(((それ以上に相手が奥手だからなぁ……)))
今日はここまで 今回はこんな感じで進めていきます
またよろしく~
世の中には生えてる女性が普通にいる界隈だって……
こほん
続きいきます
シノ 「気を取り直して、次を指名していくぞ」
スズ 「えっ、指名制ですか」
シノ 「話した人が次の人を指名していこう」
ウオミ「こういうのは、なかなか恥ずかしがって喋らないものですし」
スズ 「まぁ、確かに……」
シノ 「というわけで次はアリア、君だ!」
アリア「あら、私?」
シノ 「理想でいいんだぞ、あくまで理想のファーストキスだ」
アリア「んー…… 恋愛経験ないんだけどなぁ」
ウオミ「それだけ美人でナイスバディですのに」
アリア「去年まで女子高だったしね」
スズ 「まぁ、さすがにその環境じゃないですよね」
アリア「ありえなくはないけどね」
スズ 「それは知らない世界だなぁ」
シノ 「して、アリアはどんなキスがしたい?」
アリア「そうだなぁ…… やっぱり、男の人と会う機会って学校くらいなのよね」
アリア「それを考えると、学校でっていうのが自然かも」
アリア「場所は……生徒会室はシノちゃんが言ったから、私は……そうだ、中庭にある伝説の木の下とかどうかな」
スズ 「告白したら恋が成就するという、あれですか」
シノ 「あそこなら、ロケーションもいいし雰囲気あるな」
アリア「となると、キスの前に告白も入れていいよね」モジモジ
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桜才学園は創立50年になる。
その50年の歴史の中で作られた伝説、といっても眉唾のようなもので。
それも伝説の木の下で告白すると恋が成就する、なんていうロマンチックなような怪しいようなものでした。
それでもその伝説に縋ったのはなぜなのでしょう。
言い訳がましいけど、自分では伝説を信じているわけではなかったと思っています。
「来てくれてありがとう」
それでも彼を呼び出すのをここに選んだ理由。
それは確かにありました。
「七条先輩、ここって……確か」
生徒会活動が終わって、抜け出すように出てきた私に続いて、少しだけ遅れてきた彼。
彼は少しだけ戸惑ったような表情を見せ、それから何か確信を持った声で話しました。
「覚えていてくれた? ここのことを話したのは、もう1年も前だったよね」
渡り廊下からこの木を指さして彼に教えたのは、だいぶ前のことに感じました。
そんな木があるなんてすっかり話題にも上らなくなったけど。
私には、大切な思い出の一コマとして、記憶に残っていたのです。
「そう、でしたね……」
何かに気が付きながら、ここに呼び出された理由に気が付きながら、彼は頷いたのでしょう。
語尾が少し震えていました。
「うふふ、緊張してる?」
「ええ、まぁ……」
苦笑いを浮かべる彼。
私も、いつもと変わらない笑みを浮かべ―――
いえ、いつもと変わらない笑い方は無理だったと思っています。
「私も」
胸の動悸が、高まりが。
今まで感じたことがないくらいに昂っていたのですから。
「いま、とっても緊張してるんだ」
そう口に出すことで、少しでも自分の緊張をほぐそうとしているのを自覚しました。
時は夕暮れ。
木を背にして、私はまっすぐ立ちます。
少しだけ風が吹いて、私は髪を手で直し。
それから、彼を見据えました。
一度だけ彼の名前を呼んで。
「私ね」
放課後、私たちより残る生徒はおらず、いま、まさに二人だけの空間。
私はできる限り、はっきりといいました。
何度となく覚悟してきたはずなのに、なのに、好きという言葉が出る前に、口だけ開いて、声が出なかった。
それでも、声に出しました。
ただ一声で、ただ一息で。
少し大きな声になったけど。
それでも、後悔なく、言えたのです。
「お、オレ…… オレは……」
顔を赤くして、私以上に赤くして、彼も声を出そうとしていました。
それだけで、なぜか嬉しく感じてしまう。
「オレも、七条先輩のこと……!」
そして彼も、言ってくれました。
彼の偽りない想いを。
懸命に。
「ありがとう……うれしい」
「先輩……」
彼が近づき、私を木との間に挟みました。
「あっ、えっ……?」
ドキリと、心臓が鳴っている間に、彼は私を木に押し付けるように抱きしめます。
私の脚の間に、彼の脚が入り込み、私は全身を抱きしめられた感覚に陥りました。
「ん、んんっ……やっ、ダメだよ……」
「す、すいません……でも、こんな……」
彼は、気が付いていたのでしょうか。
私の脚の間から、彼のズボンに黒く染みを作るほどに滴っていたものに。
「ここ、こんなことになってるのに……」
ああ、やはり気が付いていた。
先から濡れそぼって仕方がなかった、私の下半身。
彼は確信をもって、膝を私のそこに押し付けます。
「う、あ……んっ……」
小さく水音が聞こえ、私は身を捩りましたが、この状況では逃れる術はありません。
「だ、め……」
それは抵抗ではなかったと、私はどこかで気が付いていました。
彼の顔を見上げると、それでもいつも通りの優しい顔で、私の眼を見つめていました。
何を求められているのか分からないほど、私も鈍くはなく。
素直に目を閉じて、彼に身を任せます。
「ん……」
初めての口付けは、とても、とても優しく、慈しむようなキスでした。
ですが、もう私にそれを感じる余裕はなく、その優しさを、逞しさを、彼そのものを欲しいと、私のどこかが言っています。
いつから当たっていたのか、私の膝に当たる感触に気が付くと、もう何も考えられなくなっていました。
「もう、だめ……我慢できないから……お願い、早く……」
いえ、考える必要などないのでしょう。
ただ、本能として求めるために。
私は口を開けて少し舌を出し、彼の次の口付けを待ち―――
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アリア「あれ、理想の初体験の話だったっけ?」
シノ 「いや、キスの話だったが…… そ、そのまま続けてもいいぞ?」ドキドキ
アリア「ファーストキスだったよね。なら、ここまでー」
シノ 「そんな殺生な!」
スズ 「告白からそのままとか……そんなことあいつには……」ブツブツ
ウオミ「ずいぶんと……積極的な後輩さんですね」
シノ 「そ、そうだアリアっ、何故後輩なのかなっ」
アリア「えー、でも後輩にしか男の子いないよ?」
シノ 「あ、う」
スズ 「会長、慌てすぎです」
シノ 「う、うう……しかしっ、告白してそのままなだれ込もうなど、不届きな奴だなっ」
アリア「行動に出てくれなかったら誘っちゃおうかなぁ」
シノ 「なっ」
スズ 「なっ」
シノ (よ、要注意だ。アリアは要注意だっ!)
ウオミ「伝説の木ですか……なかなか素敵な伝説がありますね」
スズ 「元女子校ってことに目を瞑れば……」
ウオミ「それにしても、具体的な思い出がありますね」
アリア「えっ」
ウオミ「1年前に、実際にその話をしたことがあるようで……」
アリア「あっ……」カァァッ
シノスズ「「!?」」ガタッ
ウオミ「なるほど……」
アリア「……うん、思い出……あるからね」ニコッ
シノスズ「「!?」」ガタガタッ
スズ 「……会長」
シノ 「……なんだ、萩村」
スズ 「なんだかよくわかりませんが、津田を一度締めあげた方がいいのでは」
シノ 「そうだな、詳しく話を聞くとしよう。なんだかよくわからないが」
ウオミ「タカくん災難」
---
ブルブルブルッ
津田 「!?」
ウオミ「股の間に脚を入れられるというのは、なかなかセクシャルですね」
シノ 「一部では股ドンと呼ばれているらしいぞ」
ウオミ「言葉だけ聞くと、なかなかハードなプレイのような」
アリア「でもあれ、見ていてズボン濡れないか心配するよー」
スズ 「それは七条先輩だけでしょう……」
シノ 「壁ドンは浪漫だが、股ドンはこれで、セクシャルストレートでいいな」
ウオミ「壁より逃げにくいですしね」
アリア「無理矢理感があるし」
スズ (……壁も股もされそうにないなぁ、私……)
ウオミ「萩村さん」
スズ 「はい?」
ウオミ「壁でも股でもないドンがありますよ」
スズ 「考えを読まないでくれませんか」
ウオミ「床ドンです」
アリア「飯もってこい?」
ウオミ「いえ、簡単に言うと、押し倒されるだけなんですが」
スズ 「お、押したお……」
---
津田 「代わりに取るなんて野暮なコトしないって」
津田 「でも少し手伝うくらいならいいだろ?」
スズ 「う、うん…… あ……ありが……」
グラッ
スズ 「と」
ドサッ
---
スズ 「…………」
シノ 「おおっ? 萩村の顔が真っ赤に」
ウオミ「押し倒されるのになにか心当たりが……?」
シノ 「な、なにぃ!?」
スズ 「い、いやそのっ、逆に私が上で……」
シノ 「うえぇっ!?」
スズ 「あっ、や、そうじゃなくて!」
アリア「じゃあ、次の指名はスズちゃんでーす」
スズ 「え、あ、この流れでですかぁ!?」
ウオミ「この流れだからこそ」
シノ 「詳しく聞きたいな、その話は」
スズ 「いやそんなっ、大した話ではなくてですねっ……!」
ウオミ「なら話せますね」
スズ 「ええええ……!」
シノ 「なんにせよ一人一回は話してもらうしな」
スズ 「いやその……」
アリア「誰に話すわけじゃないし……(コソッ)津田くんもいないしね?」
スズ 「しっ、七条先輩! ……うう……わかりました……」
---
スズ 「というわけで、単に転んで覆いかぶさっちゃっただけなんですよ……」
シノ 「そ、それだけか?」
スズ 「それだけです、ほんとそれだけ!」
ウオミ「なるほど」
スズ 「事故ですよ、事故」
アリア「ではそれを踏まえて、理想のファーストキッス、いってみようー」
スズ 「そ、そっちもっ!?」
ウオミ「むしろそっちがメインですので」
スズ 「でででも、踏まえてって……」
シノ 「ん、相手が津田だとは限らないのだろう?」
スズ 「この流れで津田以外を想像して聞いてる人いるんですか」
シノアリアウオミ「「「んーん」」」
スズ 「むーっ」
今日はここまでで
スズ 「はぁ、喋るまで解放してもらえそうにないですね……」
スズ 「理想、ですか…… んー……」
スズ (あーダメだわ。さっきの話で押し倒す想像しか出てこない……)
スズ 「場所は自宅で……」
スズ 「勉強を教えているときに、その、そんな雰囲気になれば……」
シノ 「…………」
スズ 「…………」
シノ 「……え、終わり?」
スズ 「えっ……」
シノ 「いや、私もアリアも細かい情景描写があってだな」
スズ 「ううう……」
ウオミ「まぁまぁ。今日は無礼講ですので」
スズ 「わ、わかりました。今日は付き合いますっ」
シノ 「さすが萩村」
スズ (津田がいなきゃ大丈夫でしょ、たぶん……)
スズ 「た、例えばですね、告白して付き合って……」
スズ 「少しして……自宅で…… い、いや、彼の自宅にしましょう」
シノ 「ほうほう」
スズ 「彼の部屋に呼ばれて、勉強を見てあげたあとに……」
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日課、という程でもないのだけれど。
彼はよく私に勉強を見てほしいと頼むようになった。
前々からよく見てはいたけど、以前は他の先輩とかにも教えを請うていたものだ。
「んーっ…… ふぅ」
彼が一息ついて、大きく伸びをした。
私は彼の隣で、椅子に腰かけながら彼の勉強を見てあげていた。
小さめの来客用の椅子に大きめのクッションを敷いて、ようよう目線は勉強に差支えないほどにはなったのだが、その代わり足は少し浮いてしまっている。
「ありがとう萩村、これで次のテストはどうにかなりそう」
「本当、どうにかしてよね。生徒会に赤点者なんて、目も当てられないんだから」
机に頬杖をつきながら、少し意地悪に笑ってみせて彼を見た。
一息笑って、彼も笑みを返す。
とても心地よい、ふたりだけの時間。
「ああそうだ、おやつ用意してあるんだった。ちょっととってくるから待ってて」
「甘いもの?」
「甘いもの」
その答えに私は満足して、大きく頷いた。
この心地よい時間に、さらに彩が増えるというのだから、文句の出ようはずもない。
「うん、糖分摂取は必要だものね」
そんなことを口にするが、私の本心は見え見えのようで、彼は変わらず優しい笑みを返して部屋の扉をあけっぱなしにしたまま出ていった。
少し前ならば、付き合う前だったなら、そんな笑顔を返されても皮肉ととることすらあっただろうに。
ただ二人の関係が変わるだけで、こうも感じ方が変わるものなのだろうか。
自らそのような変化に驚いているうちに、彼が戻ってきた。
ティーカップが2客に、皿が2枚。皿の上にはケーキが乗っている。
「わっ、ケーキ」
彼が机の上に運んでくるのを待って、私は声を上げる。
さらに紅茶までついて至れり尽くせり。
私は満足して頷いて、彼が皿を並べるのを待つ。
そして紅茶を一口。
悪くない味だった。
後になって聞いたら、一度練習しておいたそうで。
「ふふ」
息の漏れるような笑いは、私のものではなかった。
ケーキをほおばりながら、いま確かに、私も笑いそうになっていたのだけど。
不思議そうな顔を彼に向けると、彼は少しだけ狼狽して答える。
「いや…… 可愛いなと思って」
「それってどういう意味」
半目になった私の視線を軽く受け流す。
前はもう少し慌てていたものだが。
「変な意味じゃないよ。そのままの意味で」
変な意味とは、私が嫌がる類の意味を差すのだろう。
例えば子供っぽくてとか、見た目らしくてとか。
そういう意味じゃないということは。
「あ、ほら、クリームついてる」
私に答えを、その何ともくすぐったい、嬉しいような答えを言わせないようなタイミングで彼は私の頬に手を伸ばす。
正しくは頬と唇の中間あたりだろうか。
視界の端に、白いクリームが付いているのが見えた。
ティッシュを取ろうとする彼の手を、私は掴んだ。掴んだだけで力は入れていない。
彼は私に視線を移す。
私は逆にそらした。
しかし、ずっとこうしているわけにはいかない。
そして、私が行動した以上は、私から言う義務がある。
「……ね」
言葉は一言だった。
あとはすべて、行動に任す。
目を閉じ、息を整えて、私は覚悟を決める。
少しだけ顎を上げた。
掴んだ彼の手から、動揺が伝わった。
ともすれば心臓の脈動すら感じられそうな程に。
彼の心音が。
私に。私の音と。私の気持ちと。
少しずつ同調していくのが、分かった気がした。
「ん……」
頬と唇の間。
クリームを舐めとるように彼は、私に唇を落とした。
一度それを嚥下する。
私が掴んでいた手は、いつの間にか彼と繋いでいた。
気づかないほどに、私も余裕はなかったのだろう。
「……ん……」
2度目は唇にされた。
鼻がくすぐられるように触れあい、指はからめるように繋ぎあう
吐息が漏れるまで、私たちはキスを交わした。
彼が顔を話したのを感じて、私は目を開けた。
まだ少し緊張した面持ちで、彼も私を見ている。
そして少し予想外だったのは。
「萩村」
彼が、空いている手を私の頬に添えてきたことだった。
頬を撫でる優しい感覚。
もう一度を彼は求め、私はそれに応え。
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ウオミ(ま、相手が生徒会役員だということには、目を瞑っておきましょう)
スズ 「…………そしてしばらくそのまま……」
アリア(バカップルだー)
ウオミ(バカップルですね)
シノ (潔くバカップルだ)
スズ 「な、何か言いたいことでも!」
シノアリアウオミ「「「いえそんな」」」
シノ 「しかし萩村がそんな風になるとはな」
アリア「ツンデレはデレ期に入ると一気に接近するっていうしね」
ウオミ「接近する時は一気に相手の懐まで潜り込むと」
シノ 「間合いを計っているというのかッ」
アリア「ツンデレって、ツンが多いほど良いものになるって聞くけど」
シノ 「巷では、ツン9デレ1が至高らしいぞ」
アリア「それは結構コアな志向だねー」
ウオミ「萩村さんの場合むしろ…… 接近したのに相手が気付かなくて頭にくる……デレツン?」
シノアリア「「あー」」
スズ 「うっ……別にツンデレやっているつもりは……」
スズ (思い当たる節はあるけど……)
アリア「効かない人もいるしねー」
シノ 「そうだな、鈍い奴には全く効かない」
ウオミ「デレで押していった方がいい人っていますよね」
スズ 「誰とは言いませんが、まぁ、確かに……」
ウオミ「萩村さんのシチュエーションだと、ファーストキスはケーキの味になるわけですね」
アリア「レモンの味なんて、実際はないよね」
スズ 「レモンが出てくる日常……」
ウオミ「飲み会のから揚げ……?」
スズ 「それはもう、合コンのノリでやっちゃっただけのような」
アリア「そんなファーストキスは嫌だなぁ」
スズ 「脂っぽいなぁ……」
シノ 「ロマンチックのかけらもない」
ウオミ「ケーキのほうがだいぶマシですね」
スズ 「レモンの味ぼこぼこじゃないですか……例えでから揚げもどうかと」
アリア「あ、レモン味のアメなら?」
スズ 「ああ、それならありえなくもないですね」
アリア「口移しでのど飴もらっちゃったり」
シノ 「あっ、それいいな」
スズ 「それはかなりアリです」
ウオミ「龍角散だったりしたら」
スズ 「うーん……」
アリア「私は嫌いじゃないけど……」
シノ 「……まぁ、忘れられないキスにはなりそうだな……」
今日はここまで
妄想パートを膨らますべきか、雑談パートを膨らますか、股間を(ry
とりあえず股間を膨らます展開にしよう
続き
スズ 「は、はいっ、私の理想は終わりですっ!」
アリア「なかなか良かったよー」
スズ 「そ、そうですか?」
ウオミ「ええ、初キスからクリームプレイとは驚きです」
シノ 「自分の身体をパフェに見立ててな」
スズ 「どこをどう聞いたらそうなる!」
アリア「スズちゃんが終わったとなると」
スズ 「では次は……」
ウオミ「真打登場ですかね」
シノ 「自分で言うかぁ」
スズ 「魚見さんです」
ウオミ「ふふ、それでは」
シノ 「ウオミーはやはり、自分から行く派か?」
ウオミ「そんなことないですよ」
スズ 「え、意外ですね」
ウオミ「基本的には内気な性格ですので……相手から来てもらった方が」
シノ 「ほーう、なるほど」
シノ (津田には難しいと思うがなっ)
スズ (なーんか考えていること解る気がする……)
ウオミ「だからといって、ただ待つだけの受け身の女になるわけには行きません」
シノ 「そうだな、マグロは良くない」
ウオミ「トロ顔は得意なのですが」
スズ 「うまいこと言ったつもりですか」
アリア「でもスズちゃん。アソコもトロォってしていた方がスムーズに挿るよ?」
スズ 「そんな話はしてません」
ウオミ「場所は、萩村さんと同じですが、彼の自室が一番いいですね」
シノ 「やはり定番といえば定番か」
ウオミ「ただ、付き合ってからしばらくして、ではなく、告白した時にしてほしいです」
アリア「じゃあ、告白する場所も彼の部屋になるんだ」
ウオミ「そうなりますね。そこら辺から考えると……」
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夜の帳は降りていた。
既に夕食も済ませ、お風呂も入っていて、あとは寝るだけの状況。
週に一度、私はこの家に家事を手伝いに来ている。
今日もいつも通りの家事を終え、明日の朝食やお弁当の準備を終え、私は彼と寝るまでの談笑を楽しんでいた。
「魚市場での魚は動かないでしょ。そこからマグロって来てるんですよ」
「由来は分かりましたが、いま必要な知識ですか」
いつもの心地よくすらあるやり取り。
私は時計を見て、頃合いを図った。
「もうこんな時間だね」
「ああ、ほんとだ」
「ちょっと早いけど、寝ますか」
「そうしますか」
彼がベッドに入り、私は電気を消して、おやすみと一声かけて私も寝室へ。
それがいつもの流れ。
だけど今日は。
今日の私は、いつもと違う覚悟をしているのです。
「それじゃあ、電気消すね」
彼はそんな私に気づかず、普段通りの顔でベッドの上に座っていた。
電気を消すと部屋の中は闇に包まれる。
「おやすみなさい」
廊下から漏れる光がかすかに部屋を照らしていたけど、それも私が扉を閉じることで、すぐに消えた。
彼は、気づいている。
私が部屋を出ずに扉を閉じたことに。
そして私の出方をうかがっている。
彼が何か言うより早く、私はベッドに、彼の横に腰かけた。暗闇の中で。
ベッドが大きくたわみ、その感触は彼にもはっきり伝わった。
「…………あの?」
「なんでしょう」
衣擦れの音は。
掛布団の音か、それとも?
私は彼の手を取った。
不意の感触に、彼はすこしだけ身を引いた。
「え、な、なんですか……」
なんでしょう。
口には出さなかった。
口ではなく体を押し出して、彼は私に倒される。
「わわっ!? あ、あの……」
表情は見えない。
暗闇になれてきた眼には、ぼやけた輪郭しか見えない。
だけど、それで十分。
それで充分、彼のことを感じられる気がした。
狼狽と緊張の色を声ににじませて、彼が口を開いた。
「な、なんでしょう」
「なんでしょうか」
今度は口にした。
少し意地悪な返しだったろうか。
彼は体を起こさなかった。
私は彼に乗りかかり、胸に顔を寄せる。
「寝る前に襲っても夜這いになるんですかね」
「し、知りません」
私の目的ははっきりと口にした。
だけどこの期に及んでも、彼は知らないと答える。
ならもっと押そう。
今日はもう、これからはもう、止まらない。
手始めに、頬から耳にかけてくすぐってみた。
「お姉ちゃんっ!?」
大きな声を上げたので、私は彼の唇に人差し指を当てる。
「しー」
隣室の彼女には聞かれては、さすがにまずいと悟り、彼は一度頷いた。
私が指を離すと、彼は小さな声で、何かを探すように手を動かしながら答える。
「ちょ、ちょっとまって……」
「あ、電気付けたいの? だめ」
「は、はぁ……え?」
私の有無を言わせない態度に、疑問の声を上げた。
私は改めて彼に馬乗りになった。
それからちょっとだけ。ちょっと彼の耳元に顔を寄せて、ささやいた。
「いま、パンツ一枚だから恥ずかしいな」
「なっ! ……にしてるんですかっ」
身体を思い切り緊張させて、あげかけた声を慌てて小さくする。
「最後の一枚はタカくんに脱がせてほしいから」
「脱がしませんよ!?」
「あ、穿いたままが好きなんだね」
「そ、そうじゃなくて…… あ、う……」
声は途中で遮られた。
私が彼に手を這わせたからだ。
「もうこんなになってる」
「それは……は、裸で乗られるなんて……」
「見えてないはずなのにね」
彼は不満と諦めを息にのせて吐いた。
その愛おしい頬に、私は手を添えた。
私の気持ちが、私のしたいことが、彼に伝わっていくのを感じる。
徐々に体を近づけていったが、彼は抵抗しなかった。
「タカくん……」
「……お姉ちゃん……」
相手の顔もよく見えない暗闇の中。
私たちは初めての口付けを交わした。
彼の抵抗はなく、私をただ受け入れてくれた。
「ん……」
一度唇を離し、私は彼のパジャマのボタンをはずしていく。
彼の手が所在なさげにしていたので、私は少しだけリードしてあげて、私のそこへと導いた。
「ほら、私のここ……どうですか」
「あ、濡れて……ちょっと、熱い、です……」
やがて二人とも一糸纏わぬ姿になり。
私は彼の口もとで、吐息が当たるようなところで、一言だけ短く言葉にした。
「キスしながら……挿れて?」
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ウオミ「とまぁ、立ち合いは強くあたって、あとは流れで」
シノ 「八百長かっ」
アリア「勃ち合いだと、男同士になっちゃわない?」
スズ 「怖いこと言わないで下さい」
シノ 「ウオミー、これもうインサート直前の申し訳程度のキスじゃないか」
ウオミ「でもファーストキスですよ」
スズ 「この展開がファーストでいいのか……」
シノ 「彼の方から来てほしいって言ってたよな」
ウオミ「ええまあ」
シノ 「どこをどう聞いてもウオミーから押し倒しているんだが……」
スズ 「そういえば確かに……」
ウオミ「あ、シーン的にキスシーンまでしか描写できなかったので」
シノ 「は」
ウオミ「あのあと欲情を押さえられなくなった彼が、私を押し倒し返すというシナリオです」
シノ 「な、なるほどっ」
スズ 「感心しないでください」
アリア「リバ展開まで考えてるなんて、さすがだね」
ウオミ「いえいえ。七条さんこそ、付き合ったその時に青カンを考えていらっしゃるなんて」
シノ 「ぐぬぬっ、私もそっち展開にしておけば……!」
スズ 「張り合わんでください」
シノ 「萩村っ、私たちも初体験まで話そう!」
スズ 「誘うな!」
シノ 「あ、ていうか」
ウオミ「はい?」
シノ 「津田の名前出しちゃってるじゃないか! ここまでなんとなくぼやかしていたのに!」
ウオミ「ばれちった」
スズ 「いまさら感満載の巻……」
ウオミ「むしろタカくん以外で妄想することができなかったのですが」
シノ 「それはっ、そうだが……」
アリア「ここまできたら」
シノ 「ん?」
アリア「もう聞くしかないんじゃない?」
シノ 「聞くって」
スズ 「まさか……」
アリア「津田くんに」
シノ 「な、なんというパンドラの箱を……」
ウオミ「最後に希望って残るんでしょうか」
シノ 「うう~、いやしかし……」
ウオミ「それならば、こうしましょう」
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生徒会室
シノ 「というわけで」
津田 「前振り長っ」
シノ 「最初に長いと断ったろう」
津田 「まぁ、そうですが」
シノ 「気になるというのは、その、君の……」
アリア「理想のファーストキスのシチュエーションね」
津田 「お、オレの、ですか?」
スズ 「他に誰がいんのよ」
津田 「萩村まで……」
シノ 「まぁ、今すぐではないぞ」
津田 「はぁ」
スズ 「少ししたら魚見さんが来るから」
津田 「はぁ?」
アリア「全員そろったら、発表してね」
津田 「はぁ!?」
津田 「きょ、拒否権は」
シノスズアリア「「「はい?」」」
津田 「ないですね……」
シノ 「理想の話だ。実際のことを考えなくてもいいんだぞ」
津田 「いや、でも……これはかなり恥ずかしいんですが」
シノ 「私たちの話を聞いておいて」
津田 「その部分はかいつまんで詳細は伏せたじゃないですか……」
シノ 「そっ、そんな恥ずかしいこと詳しく話せるか!」
津田 「なんという理不尽」
シノ (この話をするにあたって……)
スズ (津田もおそらく相手の名前を伏せるけど)
シノ (そのシチュをもって、誰が本命なのかを推察できるはず!)
アリア(ふたりとも魂胆見え見えー)
コンコンコン
シノ 「来たか」
津田 「えっ、もうっ!?」
スズ 「はーい」
ガチャ
ムツミ「失礼しまーす」
シノ 「そっちだったかー」
ムツミ「そっち?」
津田 「いやこっちの話……どうしたの三葉」
ムツミ「来週の対外試合の申請をー」
津田 「ああ、じゃあ受け取っておくよ」
ムツミ「ありがと、よろしくね」ニコッ
シノ 「…………」
スズ 「…………」
アリア「…………」
シノ 「正直、あやしいよな」
スズ 「割とバレバレですが」
アリア「いっそのこと……」
津田 (何か企んでるなー……)
シノ 「三葉よ。唐突だが」
ムツミ「なんですかー?」
シノ 「この前内輪でな、ゴニョゴニョ」
ムツミ「はぁ」
シノ 「カクカクシコシコであって、ヘコヘコパンパンをだ……」
ムツミ「えっ、それは……」
シノ 「というわけで、三葉の話も聞きたいと思ってな」
ムツミ「ええーっ!? え、ええっと……」チラ
津田 「?」
ムツミ「む、無理ですよぉ、恥ずかしい……」
シノ 「そうか、しかしこのあと津田にも話させるんだが」
ムツミ「えっ……」
津田 「まだ了承してないんですが……」
ムツミ「ん、んー……そ、そういうことなら……」
津田 「話しちゃうの!? え、オレ逃げ場なくなるんじゃ」
ムツミ「で、でもやっぱり恥ずかしいなぁ……」
シノ 「まぁまぁ、先っぽ、先っぽだけ話してくれれば」
ムツミ「さきっぽ?」
カエデ「何の話をしているんですか!」
バタンッ
シノ 「おおっ? 五十嵐じゃないか。どうかしたか」
カエデ「どうもこうも、何の話をしているんですか」
シノ 「単なる女子トークだぞ」
カエデ「何で女子トークで、さ、先とかいう言葉が出てくるんですか」
シノ 「先がどうかしたのかー?」
カエデ「いや、それは……」
アリア「先っぽって変な言葉ー?」
シノ 「変とは思えないがなぁ?」
カエデ「ううう……」
津田 「あまりからかうのもどうかと」
ウオミ「はお」
シノ 「お、ウオミーきたか」
津田 (あっ、話考えてねぇ)
ウオミ「送って頂かなくても、生徒会室は分かりましたけど」
カエデ「とはいえ他校の生徒会長を一人で歩かせるわけには行きません」
ウオミ「とても真面目なのですね」
カエデ「いえ、それほどでも……」
ウオミ「先っぽだけって土下座でお願いしたらさせてくれそうなくらい」
カエデ「うぇ……」フラッ
津田 「どんな例えだ」
カエデ「……あ、あと、もう一人ついてきましたが……」フラフラ
スズ 「もう一人?」
コトミ「やっほー、お姉ちゃん見かけたから着いてきちゃいましたー」
シノ 「コトミと五十嵐がきた、となると」
ウオミ「これは」
シノ 「そうだな」
津田 「えっ、聞くんですか」
シノ 「特に問題ないだろう」
コトミ「何の話?」
今日はこんなところで 3名様追加はいりましたー
連休に更新できんかった
畑さんとか時さんは……すまん、私の妄想力が未熟で……
続き
シノ 「五十嵐に三葉にコトミか……」
コトミ「はい?」
カエデ「なんですかー」
シノ 「時に、五十嵐、コトミ。君たちはキスの経験はあるか?」
カエデ「キっ!?」
コトミ「キスですかー。さすがにまだないですね」
カエデ「と、当然です! 校内でそのような行為は禁止されていて」
アリア「なにも校内に限った話じゃないよー」
カエデ「ふ、不純異性交遊ですよっ」
シノ 「とはいえだな五十嵐。いずれは男性とのお付き合いや、結婚から子作りまですることにもなるんだぞ」
カエデ「だ、だからっていま……学生の本分は学業です。そういう事は、社会に出てからでも遅くはありません」
シノ 「結婚するまで処女はとっておく派か」
アリア「きっと初夜で初々しいところを見せたいのね」
カエデ「……つ、津田副会長」
津田 「え、あー…… そゆこと言ってんじゃねえよ、と」
スズ 「津田へのツッコミ振りを使いこなした!?」
シノ 「学業を疎かにしているわけじゃないぞ」←学年1位
アリア「そうそう」←学年2位
カエデ「ぐっ」←学年3位
シノ 「いずれ来る時のために、シミュレーションしておくのは悪いことではないと思うが」
コトミ「分かりますよー、その気持ち。私も来るときのために毎晩練習を……」
カエデ「ま、まいっ!? あ、あああなた、いったい何を!」
シノ 「おや、五十嵐は毎晩ではないのか。確かに、毎晩は多いと思うけどな」
ウオミ「一切しない女性もいることはいるかもしれません」
カエデ「し、しません! したことありません!」
シノ 「え、一度もか」
カエデ「一度もです!」
シノ 「一度くらいあるだろう? 初めてのキスの想像」
カエデ「だから一度も……! え?」
シノ 「さっきからずっと、ファーストキスの話題だったんだが」
カエデ「あ、そっち……」
シノ 「そっち?」
カエデ「いえっ、なんでも」
シノ 「どっちの話なのかなー」
アリア「たまには正直に話してみましょうよー」
カエデ「ひぃっ」
津田 「セクハラか」
カエデ「……で、つまり理想の、その、キスのシチュエーションを話していたんですね」
シノ 「そういうわけだ。女の子なら、一度は夢見るもんじゃないか?」
カエデ「まぁ、気持ちは分かりますけど……」
シノ 「そこでだ。先日はいなかった三葉、五十嵐、コトミにも話を聞いてみようかと」
カエデ「はぁ…… は、えっ!? それを話せと!?」
シノ 「ちなみに三葉は承諾している」
カエデ「ええっ、どうして……」
ムツミ「いやその……(コソッ)た、タカトシ君も話してくれるって話でしたので……」
カエデ「つ……」チラ
シノ 「コトミはどうか?」
コトミ「いいですよー。他の人の話も聞きたいし♪」
津田 「軽い……」
シノ 「ちなみに津田も披露予定だ」
津田 「会長っ、それ言っちゃうんですか!」
シノ 「なんだ、どうせ言うんだからいいだろう」
津田 「どうせって言いますが……」
ウオミ「シノっちはタカくんの退路を断っているだけですので」
シノ 「ウオミー、しーっ」
津田 「おい」
シノ 「とまぁ、ここまで話も来ているからな」
カエデ「いや、でもですね……男の人がいる中でそんな……」
ウオミ「あ、だったら」
カエデ「?」
ウオミ「タカくんに女装をさせて男の娘になってもらいましょうか」
カエデ「…………」スッ…
津田 「地味に一歩だけってリアルな引き方しないで…… そんな趣味ないですよ」
アリア「これから開発していけばいいもんね」
津田 「ちょっと黙って」
スズ 「あの、そこまで無理強いしなくても……」
シノ 「萩村は気にならないか?」
スズ 「気にはなりますが……本人が話されたくないのでしたら」
シノ 「男性恐怖症を克服につながればとも思ったのだが……」
アリア「妄想は胸に秘めてこそだね。わかるよ」
カエデ「え、ちが……」
ウオミ「風紀委員長さんはキスの妄想だけで夜な夜な」
カエデ「よなっ……!?」
シノ 「津田の前で羞恥プレイのように話すことはできないか。仕方ない」
カエデ「す、好き勝手言って…… もーっ、分かりました! 空気読みますよ!」
スズ 「あーあ……」
シノ 「というわけで全員参加だな。順番はどうする?」
ウオミ「前回の流れで行くと、私に指名権がありますが」
シノ 「では指名された人が次の人を決めていく方式でいいか?」
ムツミ「いいですよ」
コトミ「はーい」
カエデ「あの、だ、誰から……」
スズ 「そう怯えると餌食にされますよ……」
カエデ「ひっ」
ウオミ「確かに五十嵐さんを指名したいという嗜虐心はそそられます。けどそれはあまりに酷というもの」
アリア「こく?」スコスコ
津田 「七条先輩、脱線するから静かに」
ウオミ「なので乗り気なコトちゃんにまずはバトンタッチです」
パチン
コトミ「いえーい」
スズ 「ある意味安心できるような」
津田 「不安要素しかないような……」
シノ 「ではコトミ、頼んだぞ」
コトミ「そうですねー、理想のファーストキスかー」
スズ 「そういや、男の人と付き合いたいとかってあるの」
コトミ「お付き合いですか? んー、お突き合いならよく考えますけど」
津田 「妹の将来心配だ……」
コトミ「相手を考えずにいくなら……」チラッ
津田 「?」
コトミ「お風呂場で、なんていいかも」
シノ 「一緒にお風呂か。洗いっこなのかっ」
アリア「初めての前に一緒に入るお風呂の中で、だね」
カエデ「ちょ、ちょっとそんな! 淫猥よ!」
シノ 「まあまあ。私たちの時も、行為までは話してないから」
カエデ「そういう問題じゃありません!」
コトミ「んーと、自宅のお風呂で入った時に……」
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「入るよー」
そう言って私は扉を開けた。
湯気が浴室内から逃げ出し、涼しい空気が入り込んでくる。
その空気に身を任せるように、私はさっと室内に入り込んだ。
「えっ、おわ、ちょっ、コトミ!」
中にいた人はちょっと驚いたようだけど、私は気にすることもないと思うのになぁ。
ちょっと前まで一緒にお風呂に入るなんて当たり前のことだったのに。
彼が私と一緒に入ることを拒否し始めたのは、最近になってからだ。
来週から中学に通う、春休み。
家に両親のいない夜、私は行動を起こした。
「なんで入ってくるんだよ」
「えー、いいじゃん。この前まで一緒だったのに、最近ごぶさただし」
「それが本来の意味じゃないってことはなんとなくわかる」
「というわけだから、ちょっと詰めて」
「なにがというわけだよ。あ、こらっ」
彼の制止も聞かず、私は湯船に身体を滑り込ませた。
肌が触れようとする先から、彼は体を離していこうとした。
だが広くもない湯船の中、彼は湯船から上がってしまう。
「なんでー」
「だからさぁ、お互い成長してきたわけだし……そろそろ狭いだろ」
「成長……」
私は視線を下に移した。
タオルで隠してはいるものの、私にははっきりとそれが見えた。
「あ、生えてる」
「な…… お、おいっ、見るなバカ!」
「私まだなんだよねー」
「しらんしらん」
私は視線を自分の身体に向ける。
胸は周りの子よりも発達し始めて、既にブラもしていたけど。
まだそちらの方は年齢相応なのか、産毛の気配もない。
「私は別に一緒に入るの構わないんだけど」
「オレが気にするの」
「あっ、ついに欲情するようになった!?」
「笑顔やめてくれ…… コトミももう中学生になるんだから、一緒に入るとかさ」
「じゃあ、この春休みの間ー」
「中学から一人で入るか?」
「仕方ないけど、うん」
彼はため息を一つついて、諦めたようにお風呂の椅子に座り、髪を洗い始めた。
「そういえば、うちのお風呂の椅子って変な形」
「そうなの?」
「銭湯とか温泉じゃ見ないけど……ブランド物とかなのかな」
「んー……いつかお風呂で見ると思うよ」
「?」
それから私たちは、代わりばんこに頭を洗い、体を洗った。
最後まで前は洗わせてくれなかった。
その分かりと言ってはだけど、なんとか湯船に一緒につかるのは承諾させた。
「ふー……」
「大丈夫? おしり当たる?」
「当たりません」
「そっか、じゃあもうちょっと」
「当たらないから近づくな!」
「……このままさー」
「ん?」
「このまま、中学高校と行ったら、彼女できちゃうのかな」
「オレに? いやー、そうそうできないだろ」
「彼女出来たら、こういうことできないよね」
「ん、そう、なのかな? 何の心配?」
「べっつにー……」
私の胸中には気が付かないのだろうか。
それならば、確かにしばらく彼女ができる心配もなさそうではあるが。
彼に胸に頭を預け、私は深く湯につかった。
水位が上がり、お湯がこぼれそうになる。
まるで、私の気持ちのようだった。
「コトミ」
ふと、背中から声をかけられた。
私は振り向かずに応える。
いや、次の瞬間には振り向けなくなっていた。
彼が私の肩に手を置いたから。
また貴方だったか毎度素晴らしいな!!
「心配なんかしなくても、オレは……」
私は少し、少し勇気をもって振り向いた。
顔を向けようとしたところで、頬に手を添えらえる。
彼の真剣なまなざしが、私を見つめていた。
熱いのは、湯船にはったお湯の温度それとも。
彼が動く。
何をしようとするのか、私にはわかった。
私はそれを拒むことなどできず、ただ。
「……あ、タカに……」
ただ受け入れた。
優しい口付けに、心臓の高鳴りは止むことを知らない。
そしてその心臓の近くに、彼の手は伸びていく――
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
シノ 「おい」
コトミ「それで深く繋がった私たちは……」
シノ 「おいコトミおい!」
コトミ「なんですかー、会長。これからいいところなのに」
シノ 「いや、確認なんだが…… り、理想だよな? 実際あった話じゃないんだよな?」
コトミ「えーっとそれはー……んふ、どうでしょう?」
シノ 「あああわ、あわわわわ」ガタガタ
津田 「実際の話なんかじゃないですから!!」
カエデ「あ、あなたね、いくら想像だからってそんな……」
ムツミ「キスの後何しようとしたの?」
スズ 「えーっと…… 髪でも洗ってあげたんじゃない」
ムツミ「うわー、仲良しだねー! でも一緒に入るのは、やっぱり恥ずかしいかなぁ……」
シノ 「五十嵐」
カエデ「……なんでしょう」
シノ 「ピュアってこんななんだな」
カエデ「なんで私に振りますか!」
ウオミ「そう、コトちゃんは小学生の時から」
コトミ「えへへへー」
シノ 「最近の若者はませているというが」
津田 「ふたつしか違わないじゃん……」
カエデ「微笑ましいはずなのに、はずなのに……」
ムツミ「微笑ましいねー」
スズ 「ムツミすごいわー……」
ムツミ「え?」
スズ 「そのままでいてってことよ」
アリア「でもねコトミちゃん、お風呂プレイって結構危険なのよ」
コトミ「え、そうなんですか?」
アリア「雑菌が入りやすいし……お湯で精液が固まると肌触り悪いらしいよ」
津田 「なんでそんなこと知ってる……」
コトミ「タカ兄、それやっぱり本当なの!?」
津田 「は? ……いや、知らないよ!?」
シノウオミカエデ「「「じとー」」」
津田 「本当に知りませんってば!」
ムツミ「あのー、何の話を」
スズ 「知らなくていいのよ」
今日はここまで
>>78
まいど 垂れ流させていただきます
1週開けたのは久しぶりだすまん
別のところでスズSS書いてたから許して
続き~
シノ 「ではコトミ、次の人の指名を頼むぞ」
コトミ「五十嵐先輩か三葉先輩ですね。んー……」
コトミ(どちらもタカ兄フラグはそこそこ立ってるから、うーん)
コトミ「では学年順で、私から1,2,3と」
津田 「お、まとも」
コトミ「そして現れる四天王……」
津田 「いないから」
コトミ「あっ」
津田 「?」
コトミ「私、四天王の中でも最弱になっちゃう?」
津田 「いないから」
シノ 「この中で強さ的には、三葉は最強だけどな」
津田 「まぁ、オレより強いと思います、はい……」
ウオミ「柔道部主将の座はさすがですね」
ムツミ「えへへー」
ムツミ「えと、私の話、だよね」
シノ 「うむ。三葉も一度くらい考えたことあるだろう?」
ムツミ「う、うー……その、なくはない……ですが」
カエデ「あなたなら、ヘンな想像をしているわけじゃないでしょうし」
ムツミ「えーと…… その、言ってもキ、キ……って、神聖なことだと思うし、憧れかもしれないけど……」
ムツミ「こ、告白してOKだったら、付き合ったりするじゃないですか……だから」
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「オレさ……三葉が好きだ!」
彼の真剣な瞳が私を射抜いていた。
後にも先にも、こんなに緊張したことはないだろう。
緊張で、背中の筋が痛いほどだったのだから。
でも、だからこそ。
彼の気持ちが本気だということが伝わるからこそ、私も本気で返さなければならない。
だから、普段から鍛えているこの身体の奥底から、腹筋を使って私も言った。
「わ、私も……! 私も好きだったんだよ!」
その日、私たちは付き合い始めることになった。
---
「デートに行こうぜ、ムツミ」
私より背の高い彼が、リードしてくれる。
そんなことを小さい時に考えたことはあったけど、いざ本当になると、その彼の言葉がうれしくて。
私の笑みは自然とこぼれた。
溢れた気持ちから出る言葉は、ただ一言。
「うん!」
その日、私たちは初めてのデートの約束を交わした。
---
「ムツミ、結婚しよう!」
いつものデートよりも、かなり高いレストランで、彼は食事の最後に言った。
もちろん私もその覚悟はしていたけど。
でも、溢れる嬉し涙は止めようもなく。
渡された小箱にも、少し涙をこぼしてしまった。
「うん!」
その日、私たちは結婚を決めた。
---
「結納だ!」
「うん!」
その日、私たちは――
---
私は白いドレスに包まれ、お父さんに連れられてその空気の中、赤い道を歩いた。
神への誓い、指輪の交換と、リハーサルの時と同じように式は進んでいく。
教会の中はすこし薄暗く、普段では落ち着いた空気に包まれているのだろう。
だが今は静かながら、何かを奥底に秘めた熱いものが、空気に交じっていた。
席には、学生の時の友人たちがいる。
柔道部のみんなも。
仲の良かったクラスメイトも。
その中で。
彼だけがいない。
「では、誓いのキスを」
だって彼は。
私の目の前に。
「…………」
「…………」ニコッ
いつものような優しい笑みを湛えて、私の目の前に立っている。
白いタキシードに身を包んだ彼の腕が、私の顔にかかるヴェールをそっとまくり上げ、肩を優しく抱き寄せた。
私はただ黙って目を閉じる。
あの日。
初めて声をかけたあの日の、あの時の緊張を、私は思い出していた。
そっと口付けられた彼の唇から伝わったのは、私にも負けないくらいの緊張の震えで。
私は少しおかしくて、嬉しくて。
息を漏らして笑ってしまった。
その日、私たちは初めて。
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ムツミ「やっぱり結婚式ですよね!」
スズ 「遠いなー……」
シノ 「貞淑っていうレベルじゃないな……」
ウオミ「そこまで男性が我慢できればいいのですが」チラ
津田 「?」
シノ 「ふむ…… 津田は待てと言えば待ってくれそうだが」
アリア(「待て」「わん!」)
津田 「何を考えてる何を」
ウオミ「とはいっても男の子ですしね。やっぱり長くは待てないのでは」
カエデ「が、学生中は何かとまずいでしょうけど、うーん……」
津田 「五十嵐先輩もためらうレベルかー」
ムツミ「ね、ねぇタカトシ君……やっぱり、その……早くキスしたいものなの?」
津田 「あー、いやー…… その人それぞれに寄るんじゃない、かな……?」
ムツミ「それぞれって、た、例えばタカトシ君なら?」
津田 「えっ!? えっとぉー……」チラ
シノアリアスズムツミウオミ「「「「「…………」」」」」ジー
津田 (うわあ)
津田 「つ、付き合ったら……気分次第でしちゃう、かもね……」
シノアリアコトミウオミ「「「「ほほう」」」」
スズ (ま、そんなもんでしょーね)
カエデ「不埒な……」
津田 「い、いや、もちろん合意のうえで……」
シノ 「でもキスに合意ってなぁ」
ウオミ「ちょっと雰囲気、台無しですよね」
ムツミ「私のシチュエーション、とっても合意だよね?」
津田 「う、うん、それ以上ないくらいには合意だと思う……」
シノ 「だがな津田よ。それ以上は合意じゃないとダメだぞ!」
ムツミ「以上?」
津田 「詳しく聞くな」
シノ 「唇を取っておくかはともあれ、結婚式はやはりいいな」
スズ 「なんだかんだ、憧れですね」
アリア「だよね」
ウオミ「私とタカくんも、結婚式で親戚になったことですし」
津田 「ああ、そういえば」
ウオミ「人との絆が広がっていく。すばらしいことですね」
津田 「それは確かに、いいことですね」
ウオミ「する?」
津田 「え!?」
シノスズムツミ「「「なっ!?」」」
コトミ(反応したのは3人かー、なるほど)
ムツミ「あの、魚見会長はタカトシ君とどういった……」
ウオミ「気になります?」
ムツミ「い、いえその……」
ウオミ「いまでは姉のような存在ですよ」
ムツミ「…………」
ウオミ「…………」
ムツミ「なんだー、そうなんですか」ニッコリ
スズ 「すっごい安心してる……」
シノ 「姉弟で、って考えないだろうからな」
今日はここまでで
さーて、カエデちゃんの妄想を膨らませよう
スズSSはPixivで、萩村スズで検索してもらって、最近書かれた4本が自分のです
今日で最後まで行きます
ムツミ「では、女性陣最後の砦、五十嵐先輩にバトンタッチです」
カエデ「つ、ついに来ちゃった……」
シノ 「いずれは来るものだしな」
アリア「そうだよカエデちゃん、誰だって女の子ならいつかは来ちゃうのと同じように」
津田 「なんの話だよ!」
コトミ「だからスズ先輩も悲観しないで」
スズ 「来てるっつーの!」
カエデ(あ、そこはちゃんと…… ハッ、いけない、私ったら失礼なことを……)
ウオミ「お赤飯を炊く習慣は、乙女心にどうかと思うこともあるのですが」
シノ 「ちょっと直接的だよな」
ウオミ「なので、男の子の精通にはとろろご飯を出そうというのが、私の小さなころからの考えでして」
カエデ「や、やめて下さい、とろろ食べられなくなりそう……」
シノ 「おやー、いったい何を連想したのかなー」
カエデ「えっ……」
ウオミ「精通ととろろが直接的に繋がるのを理解できるわけですね」
カエデ「うう……」
津田 「あんまりいじめないの」
津田 「五十嵐先輩の理想のキスの話が、なんでそんなことになるんです」
カエデ「り、理想の……」チラ
津田 「ん?」
カエデ「な、なんでもっ……!」バッ
ウオミ「ふむ……男性恐怖症と伺ってはいましたが、興味が無いわけではないのですね?」
カエデ「そ、それは…… これでも治したいと思ってはいるんですが」
アリア「津田くんなら大丈夫なんだけどね」
ウオミ「えっ、それって」
カエデ「へ、変な意味じゃなくてね! 津田くんには、ちょっと慣れてるのがあるし……その、安全そうですし……」
コトミ「タカ兄は安全かー」
シノ 「まあ、それは間違いないが」
ウオミ「ちょっと危険な方が、女としてはいいですよね」
シノアリアコトミ「「「あー」」」
津田 「お前がそんなんだからオレはこうなったんだと思うよー……」
コトミ「あっ、でも」
カエデ「?」
コトミ「タカ兄のアレは危険物ですよ!」
カエデ「はぅ……」フラッ
津田 「お前しばらく黙ってろ」
シノ 「ま、話を続けていても仕方あるまい。ささ五十嵐、心置きなく熱いキッスを語ってくれ」
カエデ「そういわれて快く話せると……?」
ウオミ「なんなら、理想の初体験まで語っちゃってもいいですよ」
カエデ「はなしません!」
シノ 「ほう、なるほど」
カエデ「な、なにがですか」
シノ 「え、理想の初体験だろう?」
カエデ「はい?」
シノ 「あなたのを咥えこんではなさない、と」
カエデ「語らないという意味です!」
シノ 「そうなのか? てっきり下の口で」
津田 「会長、静かに」
アリア「あー、ちがうんだー。私も後ろの口かと」
津田 「七条先輩、静かに」
ウオミ「咥えるのは上の口でもできますよ」
コトミ「だいしゅきホールドも、離さないに入るよね!」
カエデ「きゅぅ……」グッタリ
津田 「……萩村ー、オレそろそろ放棄したい」グッタリ
スズ 「がんばれ」
スズ 「あの、差し出がましいですが……話しちゃった方が、解放されるのも早くなるかと……」
カエデ「うう、理屈はわかるけど……」
スズ 「このままですと、津田が疲労してツッコミ放棄、そうなると止める人が」
カエデ「あ、あなたはこっち側よね?」
スズ 「そうですが、私一人であの4人を?」
カエデ「…………」
スズ 「…………」
カエデ「はい、話しますよー」
シノ 「おおっ、その気になってくれたか!」
カエデ「ものすごく不本意ですが…… こほん」
カエデ「えっと…… ……とはいっても、やっぱり殿方とのお付き合いは前提なわけで……」
アリア「告白する時にそのまま、とかは?」
カエデ「は、早すぎますっ!」
ムツミ「そうですよ。やっぱり結婚式まで」
カエデ「そ、そこまでは……」
ムツミ「あれー」
やっぱり貴方の作品でしたか
シノ 「好きな人なら唇を捧げるのもやぶさかではない。かと言ってやすやすと許せるものではない」
カエデ「まあ、端的にいうと」
ウオミ「ふむ、こういう場合、五十嵐さんにお似合いのシチュエーションがありますよ」
カエデ「そ、そんなのあるんですか……?」
ウオミ「ずばり、誘い受けです」
カエデ「さそい……」
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校内恋愛厳禁。
私はその規則はしっかりと守り、学園を卒業した。
だから今はこうして、彼とは学園外で会うようになった。
卒業式に告白されてからしばらく。
私たちは一応、世間でいうところのカップルと言える程度の付き合いはしていおり、今日もデートに誘われていた。
告白されたからと言って、それに甘んじることはしないようにしているつもりではある。
私としても、彼以上に考えられる人などいなかったのだから。
男性恐怖症の気がある私にとって、唯一触れることのできる男性。
それが彼だった。
彼もそんな私を気遣ってか、付き合っているからと言って過度に接触してきはしない。
その優しさが嬉しくもあったが、逆に辛くもあった。
デートの時でも、手をつなごうとするのは彼からで、ちゃんと許可を取ってくる。
こんなことでは、世間的に付き合っている間柄とは、言えないんじゃないだろうか。
彼が私を大切に思っているのは分かる。じゃあ、私は?
私は彼に、どこまでしてあげられるのだろう。
デートの帰り道、私は少しずつ近づいていこうと思った。
「カエデさん?」
彼から驚きの声が漏れる。
私が彼の腕を取ったから。
卒業してから、彼は下の名前で呼ぶようになった。
「きょ、今日は…… 私も、頑張ってみたくて……」
それだけ言って、帰路を一緒に歩く。
手を繋ぐだけではわからない、彼の動き。
例えば、歩くときに上下する幅だとか。私に気遣って合わせようとする歩調だとか。
それまで気付かなかったものに、彼との距離に気づかせてくれる。
腕を組んだだけで。
それだけで世界が変わってしまうというのなら。
自宅の前。
夜が遅いわけではないのだけど、彼はいつも私を送り届けてくれる。
デートのたび、家が近づいてくるたび、次のことを考えて私たちは会話をする。
「……今日は、楽しかったわ」
「オレもです」
彼は、私に笑顔を向けてほほ笑んだ。
「カエデさんもこうしてくれてるし」
安心できる笑顔。
この私が、男性の顔を間近に見て安心できるなどと。
1年前には想像もできなかったのに。
「あの……」
家の前について、私は彼から離れた。
まっすぐ彼の前に立って、でも彼をまっすぐ見るには恥ずかしくて、少しだけ目を伏せた。
「私、あなたになら」
世間一般で言うカップルなら。
互いに好き合っているなら。
「もっと慣れていけると思うの」
私にも、できるはず。
「だ、だから……」
私はとっていた腕を離し、彼から一歩引いた。
彼はその場に立ったまま。
背筋を伸ばして、私は一度だけ息を整える。
大丈夫。
うん、大丈夫。
覚悟を決めて私は、彼の胸に頭を寄せた。
彼も少しだけ驚いたようだけど、すぐに私をしっかりと受け止め、優しく包んでくれた。
彼の心音が聞こえてくる。いや、これは自分の?
腕を組んだだけで。
抱きしめられただけで。
それだけで世界が変わってしまうというのなら。
「……カエデさん」
それなら、どうなってしまうのだろう。
彼の顔がとても近くにあった。
瞳は真剣で、それでいていつも私を気遣っていた。
その顔が。
唇が、近づいてきている。
もしこのまま、彼に口付けされてしまったら。
私は――
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カエデ「…………こ、ここまでくれば、大丈夫ですよね?」
シノ 「えー、そこで終わるのか?」
ウオミ「初めての描写も欲しいですのに」
カエデ「で、できるわけないでしょう!」
アリア「じゃあ、舌は入れる?」
カエデ「入れられるわけないですよ!」
ウオミ「まあ、このあと自宅はご両親が留守で」
コトミ「彼氏を家に上げちゃって、ってなもんですよね!」
カエデ「えーん、津田副会長~!」
津田 「泣きつかせるまでやんないの!」
ムツミ「し、舌だなんて……先輩方、大人だね」
スズ 「えっ!? あ、ああ、そう、ね……?」
スズ (やっぱりそういう発想無いのか)
ムツミ「そ、その人の味とか分かっちゃうのかな……」モジモジ
スズ 「まぁ、分かるだろうけど……」
ムツミ「あれ? じゃあどうやってレモンの味がするの?」
スズ 「…………のど飴でも携帯しておきなさい」
ムツミ「おお、さすがスズちゃん!」
シノ 「ほほう、三葉がディープキスを知ってしまったか」
アリア「これはもう、その先を教えていってもいい、よね?」ドキドキ
津田 「全力で阻止してやる。っていうかなんで興奮するんです!」
ウオミ「『キャベツ畑』や『コウノトリ』を信じている可愛い女の子に」ビシッ
コトミ「無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さ」キリッ
津田 「ような、じゃなくてまんまそうじゃねえか! 息ピッタリに言わんでいい!」
カエデ「ああもうっ、キスの話は終わりですっ!」
シノ 「いいや、まだだぞ!」
カエデ「えっ、でも全員」
シノ 「おいおい、メーンイベントを忘れたのか?」
アリア「だよねー」
スズ 「……まぁ、はい」
ウオミ「そのために来たようなものですし」
コトミ「よっ、色男ー」
ムツミ「あー、んー…… む、無理はしなくていいよ?」
カエデ「そういえば、私ってただ巻き込まれただけのような……」
津田 「…………」
シノ 「津田、君の番だ」
津田 「は、はい…… あの、やっぱりオレは」
シノ 「アリア」
アリア「えい」ギュッ
津田 「うわっ!?」
シノ 「萩村」
スズ 「は、はいっ」グイッ
津田 「え、ちょっと!?」
シノ 「よし、話を聞くまで解放しないぞ」
津田 「うえええええ」
カエデ「ちょ、ちょっと! 過度な接触に当たりますよ!」
シノ 「だがこのままじゃ逃げそうだしなぁ」
ウオミ「いいんですか、タカくんのお話聞かないと、語り損ですよ」
カエデ「うぐ…… そ、損得勘定は抜きで」
シノ 「五十嵐、目泳いでる」
津田 「……あの、正直いいでしょうか」
シノ 「なんだ」
津田 「あまり具体的にそういうことを考えたことないので……何を話せばいいのか」
シノ 「ここまで来たら妄想の一つでも語ってみせんか」
津田 「えええ……」
シノ 「だいたい、毎日妄想ぐらいしているだろう?」
津田 「いや、そんなしませんよ」
シノ 「ハッ! そ、そうか、妄想だけがオカズとは限らないものな」
津田 「あんたはオレに何を語らせようとしてるんです」
アリア「でも、そんなってことは、片やちょっとはしてるってことだよね」
津田 「いやまあ、それは……ちょっとは」
シノ 「その思春期男子の」
アリア「妄想のほんの片鱗でも」
コトミ「見せてくれれば」
ウオミ「それだけで十分」
津田 「ねえ、どこでどうやって息合わせてんの?」
津田 「あの、逃げないから離していただけませんか」
スズ 「会長、私からも…… 思わず捕まえましたが、このままはちょっと……」
シノ 「おっとそうだったな。このままだと津田、立ち上がれなくなっちゃうからな」
ウオミ「いえ、多分もう立ち上がって立ち上がれない状況かと」
津田 「…………」
スズ (あっ、否定しない)
カエデ「淫猥よぉ!」
シノ 「アリア、わざと当ててたろ」
アリア「なんのことー?」
シノ 「むぅ」
ウオミ「それなら私にもできますよ」
津田 「張り合うな」
ウオミ「あと五十嵐さんもできるほどかと」
カエデ「わっ、私っ!?」
津田 「引き合いに出すな」
シノスズ「「ぐぬぬ……」」
ムツミ「なんで二人とも悔しそうな?」
シノ 「み、三葉もあっちがわだぁ、わーん!」
ムツミ「あっち?」
津田 「どちらかというと、多分ね……」
津田 「じゃ、じゃあ話しますよ……」
シノ 「うむ」
津田 (立ち直り早いなぁ)
津田 「……んー…… 理想、理想ですか……」
津田 「シチュエーションだけでいいんですよね」
シノ 「ん? まあ、そうだな」
津田 「そうだなー…… じゃあ舞台は60年代のアメリカで……」
シノ 「えっ」
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「君はあの時の……?」
「ふふ……約束、だよ」
「あ、ああ……」
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「もう、分かっているよね……私の、本当の目的」
「……そんな馬鹿な…… なんで……なんでこんなことになるんだ!」
「……ごめんなさい」
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「オレ、守りたいものができたよ」
「ははっ、お前がか!?」
「やっぱり、変かな……はは」
「いや……祝福するぜ」
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「やめろ! 君の身体は、もう!」
「大丈夫…… あなたは分かってくれたんだもの! 信じてくれたんだもの!」
「ダメだ! 行っては駄目だ!」
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「あとは頼んだぜ!」
「ダメだっ、ジョージ! 脱出するんだ、ジョージ!」
「あの子と幸せになんな。……あばよ、相棒」
「ジョージ! ジョージィーーー!!!」
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「帰って来い! オレには君が、必要なんだ!」
「!!」
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「ねぇ、約束覚えている……?」
「ああ…… 覚えているさ……」
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津田 「そして二人は、初めて本心から触れあい、口付けを交わすのだった」
アリア「ううーっ……」
カエデ「ぐすっ」
ムツミ「感動的なストーリーだぁ……」
シノ 「ジョージ、なんという漢なんだ……」
ウオミ「主人公が身を投げ出すシーンは、スリルもテンポも圧巻でしたね」
スズ 「そこで伏線が効いてくるんですよね……構成の妙といいますか」
コトミ「あー……」
津田 「…………」
コトミ「やりきったねー、タカ兄」
津田 「ここまでうまくいくとは思ってなかったけどね……」
シノ 「つまりあれだな、津田はドラマティックな恋をしたいと」
津田 「え? えーと……そうなるん、ですかね」
スズ 「やっぱりコトミちゃんの兄ね。ここまで昇華させたら大したものだけど」
津田 「はは、いやーそんな」
コトミ「いやー、そんな」
津田 「お前別に褒められてないぞ」
コトミ「あれっ」
ムツミ「ドラマティックな恋かぁ」
シノ 「私なら……できるだろうか」
アリア「エロティックな恋ならいけるのになぁ」
スズ 「ドメスティックにならないようにしないと……」
ウオミ「そろそろドラスティックにいきましょうか」
カエデ「まぁその……そこそこロマンティックにできれば……」
コトミ「えっ、えーと、えーと……」
津田 「無理して揃えようとしなくていいぞ」
コトミ「あ、アロマチックな感じで!」
津田 「どんなだ」
シノ 「むむっ、匂いフェチということか」
津田 「ちげえよ!」
シノ 「いやぁ、白熱の女子会だったな」
津田 「白熱っていうか熱暴走っていうか……」
ウオミ「若さ故の過ちというやつですよ」
コトミ「ふっ、認めたくないものだな……」
津田 「お前、アクシズに押し付けるぞ」
ムツミ「あくしず?」
カエデ「女子会の話題から発展した割には、なんで津田君がいるんですか……」
シノ 「でも第1回目の女子会も津田がいたからなぁ」
津田 「その時点でオレは疑問がありましたが」
シノ 「そうそう、あの時も女子力の高さを最後に判定してもらおうとしたな」
津田 「ええ、まぁ……」
シノ 「今回も頼むぞ」
津田 「はい?」
アリア「具体的には、どのシチュエーションが津田くん的にぐっと来たかを」
津田 「ええー…… っていうか、オレが聞いたの今日の3人だけで、会長や七条先輩、萩村、お姉ちゃんのは詳細を聞いてないんですが……」
シノ 「そうだった!」
津田 「今日の最初に言いましたよね」
シノ (津田の本音を聞き出すには、我々の詳細を話さねばならない)
シノ (だがそれは結構恥ずかしい……! いったいどうしたら……)
ウオミ(おまかせを……)
シノ (お?)
ウオミ「つまりこういうことですよ、タカくん。この中で誰とキスしたい?」
全員 「「「「「「!!!???」」」」」」
シノ 「う、ウオミー、それはあまりにもストレートな……」モジモジ
アリア「あ、でも私も聞きたーい」
シノ 「アリア!?」
ムツミ「ひゃーっ、タカトシ君の、タカトシ君の……!?」
バシバシッ
スズ 「ムツミ、ちょっと落ち着いて。私の頭叩かないで」
コトミ「またまたー、スズ先輩も気になってるくせにー」
ポンポン
スズ 「あんたはここぞとばかりに、ブラはずそうとするなー!」
カエデ「つっ、津田副会長! 看過できませんよこれは! なんなんですか!」
津田 「えー、矛先オレなんですか……」
カエデ「あなたがいるからこういう話題が生まれたのでは」
津田 「そんな無茶な」
カエデ「実際どうなんですか。会長との噂なども立った時期もありましたし」
津田 「あ、あれは畑さんが流したものですよ」
カエデ「とはいえ、これまでの経過を聞く限りは、事実無根というわけでもなさそうですが」
津田 「う、うーん……」
ウオミ「まあ、それもこれも、タカくんが誰を好きかここで言ってしまえば解決することですし」
カエデ「す!?」
津田 「キスの話から飛躍しすぎじゃないですかね!?」
アリア「でも無関係じゃないよね。キスしたい=好きってことだし」
シノ 「気になるな」
アリア「気になるねー」
畑 「気になりますなぁ」
シノ 「ん?」
畑 「ほ?」
シノ 「…………のあぁ!? 畑!?」
畑 「や」
スズ 「いつからいたんですか……」
畑 「私という存在は認識された瞬間から存在するのです」
スズ 「質問を変えます。話題はどれくらい把握しているのでしょう……?」
畑 「そうですねぇ。見出しは『生徒会室で修羅場騒ぎ、津田副会長の明日はどっちだ!?』あたりでしょうか」
津田 「すっげぇ中途半端に合ってて間違ってるのが問題だ!」
畑 「ええー、そこまで間違ってないと思ったのにー」
シノ 「そんな新聞認められるか!」
畑 「じゃあ、『生徒会室の乱痴気騒ぎ、あの風紀委員I(仮名)も参加』」
カエデ「却下です!」
畑 「『生徒会副会長ハーレム、ここに完成』」
シノスズカエデ津田「「「「そんな新聞ださせるかぁー!!!」」」」
ちゃんちゃん
>>102
私のでした 見当つくかー
さて、次は単体書こうかな
スズかアリアか…ともあれまた次の役員共で
こんどはちゅっちゅっまでみたいなー 乙です
濱中ではミサキちゃんが好きだなー マサの正妻感がいい
>>120
じゃあ、なにかちゅっちゅするもので次やります
ネタは出たけど、スズちゃんな!
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