sweet「ん？柊と小日向からメールか、なになに？『放課後に家庭科室に来てください』『放課後に家庭科室に来てほしいです』なんだこりゃ、なんで内容被ってるんだ？」

pop「どうしたsweet、炭酸切れたか？」

sweet「なんだそのツッコミ。別に、野暮なことだよ」

pop「そっかそっか。あぁ、俺戸村に呼ばれてっから、また後でな」

sweet「おう。お前もあいつに振り回されて大変だな」

pop「最近じゃ櫻井にも絡まれてるんだぜ、勘弁して欲しいよ。んじゃ」

cool「ふん、呑気なものだな」

sweet「cool、いたのかよ」

cool「学生の身であるにも関わらず、複数の異性と交遊を取るなど、万死に値する愚行だ」

sweet「村上先輩と神楽坂先輩にいいように使われてる奴が言うか」

cool「ち、違う！村上先輩は単に同じ委員であって、神楽坂先輩はその…あの腕組に逆らえないんだ…」

sweet「で、そうやって流され流されで、放課後に重籐先輩と買い物に行くんだろ？」

cool「な、なんでそのことを…！君は僕のストーカーか！？」

sweet「ちげーよ、たまたま見かけたときすげえ機嫌良さそうだったのと、森園が教えてくれただけ」

cool「くっ…！まぁいい、僕がどうしようと、君らには一切関係ないのだからな、ではな」

sweet（開き直った上に無理やり逃げた）

いちご「フルーツよ！」

真琴「あんみつ！」

ユーリヤ「あの、お二人共落ち着いて…」

萌果「無駄よ、ユーリヤちゃん」

ユーリヤ「新田さん？」

萌果「あ～んなことで小競り合いをするってことは、まだまだ二人共お子様ってこと。うふふ、身体だけはいっちょまえな癖にね」

ユーリヤ（貴女が言っても説得力が…）

響子「もう、何を揉めているの？」

いちご「先生！柊さんがグチグチグチ」

真琴「聞いて下さい橘先生！小日向さんがあれやこれや」

響子「もう、二人の言い分はわかったわ。特別として、それぞれ別の物を作っていいから」

いちご「本当ですか！」

真琴「やったぁ！絶対私のほうが先輩に美味しいって言わせるんだから！」

いちご「ぐぬぬぬ……」

真琴「むむむむむ……」

響子（もしかして、火に油を注いじゃったかしら…）

泉「これで、いいのかなあ」

桃子「ペロ…あやや、もうちょっと砂糖がいるかもですねえ」

愛「うーん、テニスみたいに思うようにいかないよお」

彩音「大丈夫、レシピ通りにやれば大丈夫だよ」


いちご「シロップはどうしようかしら…ジンジャー、それとも梅風味にしようかしら…シロップが味の決め手だから慎重に作らないと…ブツブツ」

真琴「あ～ん、このエプロン胸がきついな～」ﾁﾗｯﾁﾗｯ

いちご（こンのデカチチ…！）ﾋﾞｷｯ

真琴（ふっふっふ、挑発はこのくらいにして、小豆を煮ないとね…）

いちご（ふん…！先輩は手のひらサイズが好き…なはず…やだ、私ったら何考えてるのよ…）

まなみ「な、なんかあそこだけ空気が違うような…」

詩織「わ、私達は気にしないでがんばろっか…ラララ、楽しい調理実習のはずなのに…」


いちご（さてと…盛り付けはこのくらいでいいかな…でも、これじゃあただのフルーツポンチよね…うーん、もう一工夫したいな）

真琴「ふんふん～♪」

いちご（向こうはなんだか調子が良いようね。負けてられない！そうだ…これを使えば）

真琴「よ～し、もう少しで完成～♪」

響子「出来上がったらペア同士で味見をしてくださいね～」


いちご・真琴（…閃いた！！）

苗「美味しく出来てよかったぁ～」

萌果「当然の結果ね。ふふ、自分の才能が怖いわぁ」

ユーリヤ「…Вкусный！美味しいです」

こだま「みたらし団子は気に入ったようですね～。お菓子じゃなければ、クリームシチューを振る舞えたんですけどぉ」

いちご（ふふ…散々私のことをコケにした報いを受けてもらうわ）

真琴（得意分野だけど、こういうときは勝負味で行かないと！）


美卯「ぴょ、ぴょんた～！なんでそんな苦しそうな表情なの～？」

ぴょんた「うさ…うさぁぁぁぁ（ﾓｶﾞﾓｶﾞ）」

いちご「さぁ、柊さん。私の　特　製　フルーツポンチをどうぞ」

真琴「い、いただきま…く…くぉぉぉぉ！（臭ぁぁ！何この臭い！！？）」

いちご「ま・さ・か、食べれないなんてことないですよね？ルールでは絶対一口は食べないといけないはずです」

真琴「くっ…くうううう！」

響子（そんなルール設けてないけど、楽しそうだからいっか）

真琴「い、いただきます…ぱくっ…ぬがあああああ！！！」

詩織「な、何！今の地獄のコーラス！？」

真琴「ぐっ…（この生ごみのような臭いと強烈な味…これ…これって…！）」

いちご（くっくっく…ドリアンのお味はいかがかしら？）ﾄﾞﾔｧ

真琴「じゃ、じゃあ今度は私の番ね。どうぞ」ｽｯ

いちご「いただきます。はむっ…（うん、普通に美味しいし、つぶあんも特別変なところはないけど…）」

真琴（そろそろ気づく頃かしらね）

いちご（この…大きく二つのアンコ…中央にヘタを取ったさくらんぼ）

いちご（何よこれぇ！自分の胸だって主張してるの！！？）

真琴（気づいたかな。ま、エプロンのところで煽ってなかったら危なかったかも）

いちご（料理は一種の芸術なのよ…それを、こんな下品な大きいだけのモノに見立てるなんて…）ﾜﾅﾜﾅ

響子「あなた達」

真琴「は、はい」

いちご「はい？」

響子「料理って、どういうものかわかる？」

真琴「それは…美味しいもので…」

いちご「楽しくみんなで食べるもので…」

響子「じゃあ、あなた達は今どういう気持で食べているの？」

いちご・真琴「…！！」

響子「勝負事で熱くなるのは構わないわ。私だって女だもの。でもね、それでみんなの気持ちが沈んで、つまらないものになったら本末転倒なのよ？」

いちご「……」

真琴「は、はい…」

響子「もう一度、ちゃんと食べてみなさい。あ、ドリアンは処分しておくから…く、ｸｻｯ」

いちご「……うん、美味しい。寒天もほどよい硬さだし、黒蜜も甘すぎなくて少し苦味があって…」

真琴「このシロップ…ただ甘ったるいだけじゃない。ハチミツと少量の梅が上手く噛み合ってて、後を引く味
…。フルーツも下ごしらえがちゃんとしてあるし…」

いちご「柊さ…ううん、真琴ちゃん」

真琴「…い、いちご…ちゃん」

いちご・真琴「美味しいよ、とても」

他「はぁ～～～～、良かった……」

真琴「でもぉー、先輩への想いは誰にも負けないんだから！」

いちご「私だって。いつでも先輩を受け入れてあげるし！」

真琴「なにおー！」

いちご「なにかしら～？」

他「はぁぁぁぁ～～～～」