一夏「頭を優しく撫でてあげたい」(261)
自室
一夏「あ……話変わるけどさ」
弾『なんだよ急に』
一夏「例えばさ、例えばの話な?女の子の頭ってあるじゃんか」
弾『まぁ、あるわな。人類皆平等にあるわ』
一夏「でさ、贅沢言えば俺を好いてくれるような女の子が居たとしてさ」
弾『あぁはいはいいますね~』(鼻ほじりながら)
一夏「そんな女の子の頭を愛を表現するように愛おしく撫でてあげたいワケですよ俺は」
弾『…………』
一夏「…………弾?」
弾『あ、話終わった?』
一夏「ん。どう思うよ?」
弾『まぁ頼めば何とかなるんちゃいますか~多分知らんけどイケる~』
一夏「なんだそりゃ」
弾『is学園に居るんだろお前さんは~イケるって~』
一夏「急に雑把な態度になって……」
弾『俺もそーいうことをしても許してくれる女の子の心当たりが一人二人は居るんだ~が~……』
一夏「マジか…………マジか!?」
弾『だがしかし忘れた!』
一夏「はぁ?」
弾『そんなものは自分で探せよ。普通そーいうもんだろ』
一夏「仰る通りで」
ガタッ コンコン!
一夏「んあ?誰か来たみたいだから電話切るわ」
弾『うぅ~い。またなんかあったら電話くれや』
一夏「おう」ピッ
弾「…………頭撫でたい……か……」
蘭「おにぃ~飯あがったよ~」
弾「……なぁ蘭」
蘭「ん?」
弾「お前って……頭撫でられるとやっぱ女の子だから嬉しい?」
蘭「女の子が全体そんなもんだと思ってんの?夢見すぎだよ」
弾「だよな。今一夏と電話してたんだが頭撫でたいって頼んできたら」
蘭「一夏さんが!?私の!?なに兄貴それちょっと詳しく!!」
弾「……単純だよなぁ」
コンコン、コンコンコンコン!
一夏「はいは~いノックの数は四回ですよ~」ガチャ
鈴「や、やっほ」
一夏「おう鈴、らっしぇい」
おわぉ誰にするか迷ってたら鈴にしちゃってたよ
一夏「どした?何か用か?」
鈴「いやあの別に大した用って訳でも…………今一人?」
一夏「ん?まぁ一人だけど……」
鈴「ちょ、ちょっと入っても……あの~こんなところで立ち話もアレだから」
一夏「そりゃそうだな。気が利かなくて悪かった。ま、入れよ」
鈴「う、ん」トコトコ
一夏「ベッドにでも適当に座っといてくれ。今お茶でも入れるから」
鈴「あ、う、ん。ありがと」
一夏「?」カチャカチャ
一夏「ほいよ。カフェオレでいいよな」
鈴「そーいうのって最初に訊かない?でもアリガト」
一夏「はは、だな。しっかしなんか今日のお前、元気ないというか……大人しいな」
鈴「…………あのさ」
一夏「ん?」ズズ
鈴「あ……ン、アンタ……さ、訊きたいんだけど……アレ……っと……頭…………撫でたいの?女の子の……」
一夏「っぐ、げほっ!!こほっ!!なっ!!っぐふ!!いきなり、な、わけない……!!」
鈴「な、わけあるでしょ。そのあからさまな動揺からしても」
一夏「なんで……知ってる?」
鈴「ちょっと聞こえてきたのよ。アンタと……多分弾のヤツだろうけど、電話してたのがかろうじて」
一夏「うぅ…………マジかよ……恥ずかしい」
鈴「で、実際どうなの?やっぱり撫でてみたいもんなの?」
一夏「…………撫でたい……かなぁ」
鈴「ふぅん…………撫でたいんだ……へぇ~」
一夏「な、なんだよ!?別にいいだろうが俺がどんな願望持ってようが!!」
鈴「べ、別に悪いって言ってる訳じゃないわよ!!ただ……そうなんだなぁって思っただけよ!!」
一夏「最悪だ……くだらん願望をよりにもよって鈴に聞かれるとは…………」
鈴「よりにもよってってどういう意味?」
一夏「いやそんな意味はないけど…………出来ればその……誰にも言わないでほしい……」
鈴「言うか。言ったところで何かなるわけでもないし」
一夏「もっと言えば忘れてほしい……」
鈴「…………ねぇ、頭……撫でたい?」
一夏「だから撫でてみたいって言ってんだろ?イジメるなよ俺を」
鈴「違う違う、だから、アタシの頭……」
一夏「え?」
鈴「アタシの頭……撫でてみたい?」
一夏「そりゃあ撫でたい……けど……いい、のか?」
鈴「あ、あんたがかわいそうだから仕方なくよ!撫でるなら早くしなさいよ!気が変わる前に!!」
一夏「お、おう!?じゃあ失礼して」ソー……
鈴「ん……」ピクッ
一夏「!?」バッ
一夏「……」ツンツン
鈴「ねぇ……」
一夏「な、なんだ?」
鈴「別に噛み付く気なんて無いから、そんな恐る恐るしないでよ……」
一夏「あ、あぁ……悪い」
一夏「じゃあ……改めて……」サワ
鈴「…………」ピク
一夏「……うわ~……うわ……」ナデナデ
鈴「な、なに、よ」
一夏「いや……なんてぇか、髪サラサラしてて気持ちいい」サワサワ
鈴「ふ……ぅん……」
一夏「へぇ~……うん」ナデナデ
鈴「……」
鈴「ねぇ、あんたさ……電話だともっと……なんて言うの?まんべんなくしたいって感じに言ってたじゃない。これで……いいの?」
一夏「いやあれは……そこまで聴かれてたか……」
鈴「…………」シュルル
鈴「リボン、とったから。これで思うように出来るでしょ?好きなように撫でなさいよ。大サービス」
一夏「いや……う~ん……なんか思ってたのと違う」
鈴「……何が?」
一夏「鈴が悪いワケじゃないんだ。俺は撫でてあげたいってのをしたいからなぁ。今は撫でさせて貰ってるって感じが……わかるか?」
鈴「何となくね。じゃあアンタ…………な、撫でてあげたいって、私の事思ってる……の?」
一夏「そうなるかなぁ」
鈴「どんだけ上から目線なのよ…………ちょっとベッドに座りなさい」
一夏「ベッドに?」
鈴「いいから!!」
一夏「わかったよ」ストン
鈴「よいしょ、と」ストン
一夏「な!?」
鈴「な、なによ!?」
一夏「いや……ただびっくりして……でも膝の上座るなんて……ラウラみたいだな」
鈴「今そーいうのは禁止」
一夏「?何でだ?」
鈴「……はぁ……アンタって本当に鈍感よね。ま、いいわ。これで私をす、好きなだけ撫でくり回すがいいわ」
一夏「お、おおぅ……」
一夏「は~……お前の髪の毛サラッサラだな」スッスッ
鈴「で、でしょ?手入れは怠らないからね!」
鈴(ひゃ~!い、一夏が髪の毛撫でてくれてる!ヤバいヤバいヤバいヤバい落ち着かない!?)
一夏「付き合い長いし友達みたいに接してきたけどやっぱり鈴も女の子なんだよなぁ。普段のアレからは考えもつかないや」ナデナデ
鈴「そりゃ、ね……ン、ふふ、一夏ちょっとくすぐったいわよ」
一夏「おぉ悪い悪い。初めてだからな、とにかく優しくって思って」
鈴(は、初めて……!)
鈴「もぉ~初めてなら仕方無いな~!」ニヨニヨ
鈴「ま、精々一夏は頑張って私を撫でて気持ち良くさせることね。撫でるってのはそういう奉仕な気持ちが大事よ」
一夏「おいおい、どんだけ何様様だよコイツ」ワシャワシャ
鈴「ちょ!?きゃーもうそれは反則!髪の毛わしゃわしゃするなー!」
一夏「おうおう悪い悪い」ポムポム
鈴「ったく……髪の毛は女の命!乱暴に扱わないでよね!?」
一夏「はいはいわかりましたよっと」ナデナデ
鈴「…………」
鈴「やっぱ……いい」
一夏「何が?」ナデナデ
鈴「優しくされるのはなんか性に合わないのよね。ほら、アンタとはバカやってきたわけだからさ、その…………さっきみたいな感じがちょうどいいかもしんない……」
一夏「さっきみたいなって……あの~……わしゃわしゃ?」
鈴「そ、わしゃわしゃ」
一夏「鈴は乱暴にされる方が好きなのか~」ナデナデ
鈴「べ、別にそー言うわけじゃないわよ!ただ性に合わないだけなの!」
一夏「こんな感じか?」ワシャワシャ
鈴「も、ちょっと強くてもいいんじゃない?アンタまだ遠慮してるでしょ」
一夏「加減がな~……あまりやりすぎて鈴が不快になってもイヤだし……」
鈴「アンタは、アンタの撫でたいように撫でれば良いのよ。もともとアンタがやりたいからやってる事なんだから」
一夏「鈴……アリガトな?」
鈴「口を動かすなら手を動かす。早く!」
一夏「おう!」ワシャワシャ
鈴「ん、ふ……そうそう……気持ち…ぁ、いい、よ……」ピクン
鈴(んはぁぁ!何コレ、え?幸せなの私?気持ちよすぎて死ぬの私!?)
一夏「どうだ鈴?気持ちいいか?」ワシャワシャ
鈴「……ん、ん。まぁ、まぁ……じゃない?なんで……そんなこと訊くのよ」
一夏「奉仕の気持ちになれって言ったのは鈴だろ?頭撫でてるんだから、せめてやっぱり気持ち良くしてあげたいしな」
鈴「んぅ……!」キュン
鈴(あぁ……もう幸せ……)
鈴「…………」フラフラ
ティナ「あ~おかえり~。……どしたの?呆けた顔して」モグモグ
鈴「…………私、超幸せかもしんない。世界一……結婚したてのラブラブ夫婦よりも遥かに」
ティナ「…………」ポキッ
ティナ「ポッキー食べる?」
鈴「いや……いい」
ティナ「髪の毛凄いことになってるよ?ボンバヘッ」
鈴「うん……うん…………にへへへ……」ポフン
ティナ「確かに幸せそうだね。そのまま寝るの?既に寝癖だよその頭」
鈴「私…………もう頭洗わないわ…」
~少し前~
一夏「おっと…………もうこんな時間か」
鈴「んふ~……って……え?もうこんな時間……?」
一夏「時間が過ぎるのは早いな。千冬姉に見つかったらヤバいぞ」
鈴「そ、そうね……私も早く部屋に戻るわ!」
一夏「あ!鈴待て!待て!」
鈴「なによ一夏!急いでるんだか、ら!?」
一夏「髪の毛くしゃくしゃだぞ。っても俺がやったんだけどな。手櫛で悪いけど……」スッスッ
鈴「あ……ぅ…あぅ…………!」キュンキュン
一夏「はいオッケ。多少は目立つけど特に跳ねてたところは直したから」
鈴「あ、り、……あり、ありがと…………」
一夏「…………鈴の頭……撫で心地よかったな……」
ラウラ「ほぅ、興味深いな。それはどんな風にだ」
一夏「そりゃあ、髪の毛サラサラで頭も小さいからジャストフィットに撫でられて……どわっ!?ラウラ!?いつから!?」
ラウラ「ついさっきだ。ノックもしたのに返事がないから勝手にあがらせてもらったぞ」
一夏「そ、そうか……そりゃ悪かったな……」
ラウラ「それよりも嫁よ。鈴の頭の撫でた、と言っていたな?」
一夏「あ、あぁ。なんか頭を撫でてみたくなってな」
ラウラ「何故だ……何故鈴なのだ?」プルプル
一夏「ら、らうらさん……?」
じゃもう鈴ってことで
ラウラ「私は……お前の夫で、お前は……私の嫁なのだぞ……?何故私の頭を撫でない……?」
一夏「いや、たまたま鈴が居たからってだけなんだ!!本当に、いやマジで!」
ラウラ「……納得がいかん!!嫁よ、今から愛を確かめ合う故に私の頭を撫でろ!」
一夏「ぇ、今から?」
ラウラ「今からだ!お前の満足のいくまで、納得のいくまで私の良さをわからせてやる!異論は認めん!」
千冬「ほぅ……それは私からの異論でもか?」
ラウラ「はぅあ……!?」
一夏「千冬姉!?」
ラウラ「きょ、き、ょう……教官ッ……!?」
千冬「織斑先生と呼べと…………まぁいい。ボーデヴィッヒ、廊下まで聞こえる声でぎゃあぎゃあと何を喚いている?消灯時間は過ぎたぞ!!」
ラウラ「はっ!!し、しかし…………一夏が頭を……撫でてくれる…………機会でありまして……」
千冬「何……?一夏が……撫でる?頭を……」ピク
千冬「……」チラッ
一夏「ひっ!?」
千冬「もういい。ボーデヴィッヒ、部屋へ戻れ。今日の所は不問にしてやる」
ラウラ「はっ!申し訳ありませんでした!!」スタコラ
千冬「今の話……本当……いや、どう言うことだ?」
一夏「いや~……その、ただ、無性に女の子の頭を撫でたくなって……」
千冬「…………」ピク
千冬「それで?」
一夏「いや……それだけ……」
千冬「はぁ…………我が弟ながら……お前ももういい。明日も授業があるんだ、早く寝ろ」バタン
一夏「へ~い。…………ビックリした……」
~翌日~
シャル「あ、鈴おはよー……って寝癖ヒドいね」
鈴「あ~シャルロット……ちょっと、ね……」
セシリア「あら鈴さん、髪の毛を、引いては身嗜みを整えるのは淑女としての礼儀でしてよ?」
鈴「セシリア、おはよー。色々あるのよ、この髪の毛には……」
箒「しかし本当にヒドい寝癖だな。相俟ってまるで誰かにくしゃくしゃにされたみたいだ」
鈴「えっ!?なにそれこわい」
ラウラ「鈴、ちょっといいか?」
鈴「ん?ラウラどうしたのよ?」
ラウラ「昨日、一夏に頭を撫でられたそうだな?」
四人「!?」
鈴「え、ちょ、な……待て、待って、何?」
ラウラ「とぼけるなネタは上がっている!」
セシリア「ちょっと鈴さん!!それはどういうことですの!?」
箒「だから髪の毛がそんなに……納得」
鈴「なんでラウラが知ってるの……?」
ラウラ「一夏の部屋に行ったら一夏が独り言を言っててな。物凄く鈴の頭は撫で心地がよかったと」
鈴「え……一夏が……そんなこと……エヘヘ……」
シャル「いーなぁ鈴…………」
ラウラ「どうだったのだ!?一夏のナデナデは気持ち良かったのか!?」
鈴「そ、そりゃあ……ねぇ?物凄く癒されるというか……違うわね、破壊力……?物凄い……テンションあがるのよね~……」
箒「なんかわかるような気がしないでもないな……」
ラウラ「それで、それで!?」フンフン
鈴「ん~……幸せになる」
ラウラ「し、幸せになるか~……」
シャル「だろうね。うらやましい……」
一夏「うぃ~すおはよう」ガラ
ラウラ「嫁ぇ!!話がある、私の頭を撫でるんだァ!!」
一夏「え、あ、はい」
箒「おい一夏!?何故あっさり承諾している!?」
一夏「なんか……勢いに飲まれて……つい」
ラウラ「さぁ来い!!撫でろ!!」
一夏「え、今から?」
ラウラ「うむ」
一夏「凄い人目に付くからまた今日授業終わった後でいいか?」
ラウラ「むぅ……仕方がない。絶対だぞ。しかし待たされた分、たくさん撫でてもらうからな?」
シャル「じゃあその次は僕だね?」
一夏「え?」
箒「な、ならシャルロットの次は私だ!!」
一夏「エ?」
セシリア「皆さんズルいですわよ!!一夏さん、箒さんの次は私も撫でてくださいまし!」
一夏「ヱ?」
一夏「ちょっと……事態がよく飲み込めない……」
ラウラ「鈴から訊いたぞ?何でも嫁に頭を撫でられると破壊力が凄いとな。幸せな気分になれると」
一夏「鈴……」
鈴「ちがっ!!違う!違くもないけど、違う!」
シャル「だから、僕は明日でいいから、たっぷり頭撫でてね?」
箒「り、鈴がそこまで言うんだ。私もやはりそういうものが気になってな!」
セシリア「幸せな気分になれると聞いたらやはりモノは試しですわ。一夏さん、よろしくお願いしますわ」
鈴(くぅぅぅ~!……今日も一夏に頭撫でて貰おうと思ったのに……!)
一夏「は……はぁ……わかり……ました……」
んで自室にて
コン、コン、コン、コン
一夏「は~い」ガチャ
ラウラ「来たぞ」
一夏「来ましたねぇ。ま、上がれよ」
ラウラ「う、うむ」イソイソ
一夏「なんか飲むか?」
ラウラ「そ、そうだな!!喉が渇いたから……何か何でも適当に……」
一夏「おいおい。若干テンパってないか?いつものラウラじゃないぞ?ほい麦茶」
ラウラ「い、いただこう」コクコク
一夏「…………」ジー
ラウラ「な……なんだ?私のことをジッと見て……可笑しな所があるのか?」
一夏「いや、ラウラのパジャマ姿が可愛いなと思ってな」
ラウラ「…………!!」
一夏「どした?」
ラウラ「いや……何でもない…………一夏、そっちへ行くぞ」
一夏「おう」
ラウラ「失礼するぞ」ポフ
一夏「で……どんな風に?頭を撫でればいいんだ?」
ラウラ「疲れた夫に嫁が為すべき様に、だ」
一夏「まぁた曖昧な……こうか?」ナデ
ラウラ「っ……!」ビクッ
ラウラ(こ……れは、確かに凄まじい破壊力……!!)ギュ
一夏「ら、ラウラ!?」
ラウラ「手を止めないでくれ…………ただ、ひたすらに撫でろ……」ギュ~
一夏「あ、あぁ」ナデナデ
一夏「鈴もそうだったけど……ラウラも女の子特有の良い香りがするな」ナデナデ
ラウラ「そ、そうか……特に気にしたことはないが……」フルフル
ラウラ(手が…………手が……頭から後頭部へ行く度に……柔らかい刺激が……!)
一夏「撫で心地も最高だし……でも、やっぱり気になるな……眼帯、外してもいいか?」ナデナデ
ラウラ「それは……!!嫁に……一夏には、私のこんな……烙印の眼を見せたくは……」ギュ…
一夏「なら、外さないか俺は目を瞑ってる。ラウラが見られたくないものを無理矢理必要以上に見るのも……なんだしな。でも、出来ればやっぱり、俺はラウラと向き合いたいかな……良いも悪いも全部含めて」
ラウラ「い、いちかぁ…………」ウルウル
ラウラ「嫁がそこまで言うのなら……取ろう…………」
一夏「ごめんな……ラウラには嫌な事かもしれないけど……」
ラウラ「……」フルフル
ラウラ「いいんだ……いずれ、そうしなければならないのだからな」シュル
ラウラ「わ、笑ったりするなよ?」
一夏「するかよ。ラウラの事で、バカになんかしたりしない」
ラウラ「あぁ……私も、一夏ならそうだろうと思う」スゥ
一夏「…………」
ラウラ「ど、どうだろうか…………やはり変だろう……?」
一夏「いや…………ごめん」
ラウラ「!?」ビクッ……
一夏「ラウラには嫌な証だったかもしれない……のに、けど、俺見た瞬間……あぁ……綺麗だなって、思っちゃって……」
ラウラ「そ、そうか……よかった。いきなり謝られると心臓に悪い」ホッ
一夏「でも、本当に、綺麗だよ」ナデ
ラウラ「ぅ……一夏にそうやって思われたなら……存外、この眼も棄てたものでもないな」フフ
一夏「ただちょっと……泣いてるのが、な」クシクシ
ラウラ「い、一夏!?」
一夏「やっぱりラウラはさ、涙なんて流さない方がいいな。笑おうぜ。過去はもうなくなりはしないけど、存在はしないものなんだからな。俺今ちょっといいこと言ったな」ナデナデ
ラウラ「……あぁ、ちょっと、な」ポフ
ラウラ「一夏……その……」
一夏「ん……?」ナデリナデリ
ラウラ「ありがとう……」
一夏「いいってことよ」
ラウラ「もっと……撫でてほしい……」
一夏「はいはい」ナデナデ
ラウラ(落ち着く……こんなにも心地良いものなのか……一夏の手は…………胸の中は……)
ラウラ「私は……軍属だが……もしも、この腕の中を帰る場所に出来たなら…………多分、何者にも負けないだろうな……」
一夏「無敵だな」
ラウラ「無敵だとも」
一夏「…………長生きしろよ」ナデナデ
ラウラ「一夏よりかは長生きするぞ……必ず……な……」ウトウト
ラウラ「スー……スー……」
一夏「寝ちゃったか……なんて言うか、猫みたいだ」
ラウラ「んぅ…………スー……」モソモソ
一夏「部屋に返すのもかわいそうだし……仕方がない。ベッドを貸してやるか……」ヨイショ
ラウラ「んく…………」ポフ
一夏「おやすみラウラ」ナデナデ
ラウラ「ん~……ふふ……」スピスピ
コンコン、コンコン
一夏「ん?はいはい」ガチャ
シャル「や。こんばんは。入ってもいいかな?」
一夏「あぁいいけど……静かにな?」
シャル「静かにって……なるほどね。通りで帰りが遅いわけだよ」
ラウラ「……く~……むに…………」スピルスピル
一夏「撫でてたら眠たくなったんだろうな。コテッと寝ちまったよ」ナデ
シャル「ふふ、それだけ一夏の撫で撫でが気持ち良かったんだよ」
一夏「…………なぁシャル」
シャル「あ、だったらラウラは今日はここで寝かせておいてあげて」
一夏「……驚いた。先に言われるとは……」
シャル「何となくね、察しはつくし起こしてあげたくないもん。それにラウラだって楽しみにしてたし、だから今日ぐらいはね」
一夏「サンキュな、シャル」
シャル「んーん。別にいいよ。じゃあ一夏、また明日ね」
一夏「おう。……あ~、シャル?やっぱり明日はシャルもくるのか?その、頭を……」
シャル「……うん。嫌だった……かな?」
一夏「いや!?違うそーじゃなくてさ!!でもただ、シャルの期待通りに出来るかなって……期待外れかもしんないぞ」
シャル「そのセリフを、今のこのラウラを見て信じられると思う?僕は目一杯期待してるからね?それにたとえ下手でも一生懸命やってくれたら嬉しいなぁ?」
一夏「そっそか……わかった。頑張る」
シャル「んふふ、じゃね一夏、おやすみ」
~翌日~
ラウラ「…………ふ」ニヨニヨ
ラウラ「くふふ」ニヨニヨ
セシリア「今朝からずっと、ですわね」
鈴「ラウラがあんなににやけてるなんて初めてよ」
シャル「昨日ね、一夏の部屋に覗きに行ったんだけど相当気持ち良かったっぽいよ?寝ちゃったくらいに」
箒「早く明日になれ……早く……!」
ラウラ「鈴…………なでなでは……いいなぁ」
鈴「でしょ。て言うか一夏のアレが反則級なのよ」
ラウラ「うむ。あんな事をされては……凄まじいまでの破壊力だ…………思い出すだけで幸せになる」
セシリア「やはり……そんなにもいいものなのですね……!」ゴクリ
ラウラ「ふ……セシリアよ。お前にもいずれわかることだ……が……」
ラウラ「この至福を一日でも早く感じることが出来ぬとは…………それまでの人生はもったいないな」ドヤァ
セシリア「く、うぅぅ」
シャル「と、言うことは今日は僕の番だから……」
鈴「おめでとう。新たな一日の始まりよ!」
シャル「いぇーい!」パシーン
鈴「いやっほぅ!」パシーン
一夏「おはうぃーす」ガラ
シャル「一夏いぇーい!」パシーン
一夏「?いぇーい?」パシーン
一夏「何だシャル、凄いノリノリだな」
シャル「そりゃあね!!」
ラウラ「嫁!」
一夏「おうラウラ、おはよ。一人で起きたんだな」
ラウラ「うむ。これまでにない快眠で目覚めもよかったぞ!一夏のお陰だな!」フンフン
鈴「ちょ、ちょい待ち一夏!?ラウラ、何、泊まってったの?」
一夏「あぁ、ラウラが途中で寝ちまってな。でもすげー気持ちよさそうだったし起こすのも悪かったんだよ」ハハハ
箒「そ、そう言うのもアリなのか!?有りか無しかで言えば有りなんだな!?」
一夏「ん?有りー……なんじゃないか?よくわからんが」
セシリア「ありなのですね……ありなのですね!!」
シャル「あると思います!」キリッ
鈴「くぅぅ~……私もそうすれば…………って千冬さんは来なかったの?」
一夏「ん?来たぜ」
ラウラ「何!?」ビクッ
ラウラ「ば、ばれてしまったのか……?」ガクガク
一夏「バレて、て……ラウラが寝てたのは見られたなぁ」
ラウラ「きょうかんは……おこっていたか」ガタガタ
一夏「いやどーだろ……でも最初はラウラを起こそうとしてたんだけどな?」
ラウラ「う……む……」
一夏「でもラウラがあまりにも気持ちよさそうだったし……それを起こすのも悪いだろ?って千冬姉に言ったら許してくれてさ。アレでもやっぱり人の子だよ」
ラウラ「嫁ェ!!」ダキッ
一夏「のわっ」
ラウラ「嫁!一夏ァ!私は何と言ったらいいのか!!」ギュー
箒「一夏にしてはナイスな判断だな」
一夏「してはって何だよ、俺だって気が利く時もあるっての」
鈴「でもラウラが気持ちよさそうに寝ちゃったって言ってたけど……実際どんな撫で方したのよ?私みたいにはしてないでしょうね?」
一夏「アレは鈴にしか出来ないって。て言うか鈴にしかやらないし。鈴専用だな」
鈴「私……私専用かぁ……ふふふ!」
セシリア「そんな、そんな特典も付いてるのですか……!!一夏さん!?」
一夏「いやアレは鈴にしか出来ないのであってな?」
シャル「じゃあ僕にしか出来ないことも……」
セシリア「あると思います!」キリッ
キーンコーンカーンコーン
千冬「席に着け小娘ども~shrの時間が始まるぞ」
ラウラ「教官!?」
千冬「ボーデヴィッヒ、貴様大概……昨日のことは大目に見てやるから以後規則を守って生活しろ!」
ラウラ「は!!了解であります!申し訳ありませんでした!」
一夏(何だろ……気のせいか……最近千冬姉って寛容だな……)
千冬「織斑、何をボケッとしている。ちゃんと話を聞け」
一夏「は、はい!!」
~昼休み~
一夏「よっし、半分終わり。飯行くか」ガタッ
のほほん「あ、おりむ~はっけ~ん」ピョコピョコ
一夏「のほほんさんは今日もご機嫌だな~」ナデナデ
のほほん「お、おりむ~!?な、なにごとかい!?」
一夏「あ、いや!?ごめ!!ちが、ごめん!!つい……!」パッ
のほほん「いや待ってこっちこそ違うよ!延長オナシャス!」
一夏「ぇ、でもこんな人混みの中で……?」
のほほん「最初になでなでしたのはおりむ~だよ~?織斑先生に言っちゃうよ~?」
一夏「ですよね~……それだけは……」ナデナデ
のほほん「んふ~……んふふ~!」ペカー
一夏(顔が輝いておる……)ナデコナデコ
のほほん「あ、実はね~おりむ~には用があって来たんだよ~」
一夏「用?って?」ナデナデ
のほほん「織斑先生で思い出してね~、おりむ~ね~織斑先生に呼ばれてたんだ~」
一夏「それを早く言ってほしかったな」ナデナデ
のほほん「おりむ~は何かやらかしたのかな?」
一夏「心当たりは……あるっちゃあるけど……」ナデナデ
のほほん「頭撫でてる場合じゃないよね~」ニコニコ
一夏「じゃ俺は行くよのほほんさん。待たせるとまた何言われるか……」
のほほん「いってらっしゃいおりむ~。また撫で撫でしてね~」
一夏「ぅ……衆人観衆の中じゃないならな?」
のほほん「うん!約束だよ~!」パタパタ
一夏「無意識にって……怖いなぁ」
千冬「で、貴様は一体全体私を無視してお楽しみか?」
一夏「ちっ……!?」
千冬「織斑、私の部屋に来い。話がある」
一夏「は……はぁ」
千冬「すぐに終わる話だ。が、まずは座れ」
一夏「はい」
千冬「正座とはまた殊勝な態度だな。さて……多分察しは付いているだろうが先程布仏にしてたような事だ」
一夏「だろうね……」
千冬「度を超さない限りならば私はまぁ、干渉はしない。恐らくボーデヴィッヒもされたんだろうが……あれはお前の意志か?」
一夏「意志……って言うよりは最初は半ば願望で、たまたまそれを鈴に聴かれちゃったんだよ。で、ラウラはそれを聞いて頼み込んできて……」
千冬「お前はどうなのだ?いやいやか?」
一夏「まさか!?言ったろ願望みたいなもんだって。俺も…………言っちゃなんだけど頭を撫でてて気持ちいいし……」
千冬「そう、か」
千冬「じゃあお前は頼まれれば誰の頭でも撫でると言うことだな?」
一夏「言い方に語弊があるけども……まぁそうなるかな?」
千冬「…………」
一夏「な、なんでしょう……?」
千冬「では仮に、もし、まさかの、私がそれを頼んだ場合は?」
一夏「え!?千冬姉の!?」
千冬「ふん、冗談に決まっているだろうが」
一夏「だ、だよな……はは、さすがに千冬姉に限ってそんななぁ……」
千冬「話を戻すが節度を守ってやる分には構わん。問題にならなければな。だが布仏のように生徒の面前でやるのはどうかと私は思っているが」
一夏「仰る通りでございます。ハイ」
千冬「わかったならもういい。行け。再三言うが程々にしておけよ」
一夏「了解。じゃ失礼します」
バタン
千冬「頼まれればする……か」
千冬「あいつめ、全く、自分がどういう状況かわかっているのか?」
千冬「……いや、わかってないからこそやっているんだろうが始末に悪い」
千冬「さて、どうするか……」
一夏「程々にか……確かに問題あるよなぁ……一歩間違えたら俺、どんだけタラシなんだよって」
セシリア「一夏さーん」
一夏「おうセシリア、席取っといてくれたんだ」
セシリア「はい。皆さんももう集まってますわ。どうかなさったのですか?」
一夏「いや千冬姉にさ、呼び出されたんだよ。あの~頭撫でたのが知られちゃって」
セシリア「……それで、織斑先生は何と?」
一夏「ん……程々にしとけってさ。確かに問題になるような事はしてないけどそれでもやっぱり……な。あ、bランチください」
セシリア「まぁ……よかった…………そうでしょうね」
箒「一夏ー」
一夏「みんなもう食べ終わったのか?」
鈴「まぁね。ところでアンタさっき……布仏さんの頭も撫でてたでしょ?」
箒「何!?」
ラウラ「それは本当か!?嫁!?」
一夏「いや、止むに止まれぬ事情があってだな……それをさっき千冬姉に怒られたところだ」
シャル「織斑先生はなんて言ってたの?」
一夏「やるなら節度を持ってってさ。そんなに怒ってはいなかったのが救いだな」
箒「よかった…………」
セシリア「ここに来て撫で撫でを廃止されたら目も当てられませんものね」
シャル「でもある意味お墨付きって事だよね?」
箒「だな」
放課後・一夏の部屋
一夏「今日は特訓無かったし、ゆっくり……は、出来ないな。シャルが来るんだっけか」
コンコンコンコン
シャル「一夏~来たよ~」
一夏「へいへ~い」ガチャ
シャル「えへへ、今日は特訓無いからね、すぐ来ちゃった。はいコレお土産のお菓子です」
一夏「これはこれはどうも。さ、お上がんなさい」
シャル「では失礼しまーす。相変わらず一夏の部屋は綺麗だね」
一夏「やっぱり一人部屋っつっても誰が来てもいいようにしとかないとな」
シャル「ね、一夏。ゲームしよ?格ゲー!!」
一夏「いいぜ。しかし珍しいな、シャルがゲームしようなんて、しかも格ゲーを」
シャル「実はちょこちょこやってたりするんだよ?」
一夏「そいつは楽しみだな。で、何やるんだ?」
シャル「これ。マヴカプ3!マーヴルの有名なキャラクターがたくさん出てるんだよ!!」
一夏「ほぅ…………ほぅ……!?」
一夏「シャル、それを俺とやりたいってか?」
一夏「自分で言うのもなんだが格ゲーの手練れである俺に……覚悟はいいか?」
シャル「お、お手柔らかに……ね?」
ハイパーコンボko!
一夏「……なぁシャル」
シャル「強すぎるよ一夏ぁ……」
一夏「いやいや、シャルも強いぜ。センチネルの使い方がうまいもん」
シャル「でも一夏のデッドプールに三タテだよ~……」
一夏「俺様ちゃん強いからな~……」
シャル「むぅ……こうなったら一夏にはハンデを……」ポスン
一夏「え?」
シャル「一夏の前に座るから、これで一夏のやりやすさを奪います!」
一夏「いやいやいや!?えぇ!?」
一夏(こんな、ラウラみたいな事を!?しかもラウラと違って悩ましボディだから色々と!?)
シャル「こういうのをね、インターネットの画像で見たんだぁ。男女が仲良くこうやってゲームしてるのを」
一夏(これは仲良過ぎィ!)
シャル「一夏は僕の腰に手を回してコントローラー持てばいいからね」
一夏「勝てる気がしないんだけど……」
シャル「ん?丁度良いハンデじゃないかな?じゃあ僕の腰に腕を回して……いくよ!いざ尋常に勝負!」
一夏(この体勢は尋常じゃないよな?)
一夏「しかしこの体勢……凄いやりづらいな……」
シャル「ハ、ハンデ!ハンデだから仕方無いよ!」
一夏(ハンデでもこの体勢は役得過ぎるよ……)
シャル(うふゃあぁ近い近い近い一夏の吐息が耳にかかる!!)
一夏「俺はメンバー決まったけど……あれ?シャル、さっきとメンバーが違うくないか?」
シャル「だってやっぱり勝ちたいからね!一夏のハンデ有りと言っても勝てる試合は落としたくないよ」
一夏「つまりそれはシャルの本気のベストメンバー……?」
シャル「だよ!」
一夏「さっきまでのはお遊びって事かよ!?」
シャル「一夏のね、実力を見ておきたいなぁって、ね?」
一夏「く……!この…………!強っ……」カチャカチャ
シャル「…………くぬ!ぬ……!」
シャル(一夏の身体が動くから……)
一夏「やっぱこれすげーやりにくいってシャル!」
シャル(吐息が……ぁ、一夏の肌がぁ……体温が……!?)
シャル「っ……!勝ったぁ!」
一夏「だぁぁぁ……負けた……!」
シャル「かなり危なかったよ~……!」
シャル(主に僕の内面的に)
一夏「シャルは強いな~……俺もキャラクター変えていいか?かなりマジって事で」
シャル「んぇ……?本気って……」
一夏「まぁなぁ、言いたい事は色々あるんだよ」
一夏「ただ……」
一夏「本気にさせたな」
一夏「ってこと」
シャル「今までのは……?本気じゃなかったの?」
一夏「封印したあのキャラを使わせてもらうぜ?ハンデは有りで良いからな?」
モリガン!
シャル「も……モリガン?」
一夏「よしやるか」ニコ
ハイパーコンボko!
ハイパーコンボko!
ハイパーコンボko!
ハイパーコンボko!
:
:
ハイコン!
シャル「…………」ポカーン
一夏「……なんか、ゴメン」
シャル「一夏……強すぎるよ……コレは強すぎるよ…………」
一夏「ちょっとやりすぎたなぁ」ハハハ
シャル「う~……一回も勝てない……」
一夏「ゴメンな。いや謝るのもおかしいけど。けど、シャルも充分強いぜ?」ナデナデ
シャル「この戦いをした後じゃフォローにもならないよ……」ムスゥ
一夏「ゴメンゴメン」ナデナデ
シャル「…………もっと頭撫でてくれないと許さないよ?」プクー
一夏「わかった。たくさん撫でるから」ナデナデナデナデ
シャル(これって……仲良くゲームして負けて頭撫でられるって……)
一夏(なんか……よくある彼氏彼女の関係……?)ナデナデ
シャル(ひゃ~…………い、意識したら急に……)
一夏(すげー緊張してきた……!?)ナデ…
シャル「い、一夏……?なんか僕緊張してきちゃった……」ハハハ
一夏「奇、遇だな……俺も何故か……」ナデナデ
シャル「鈴とラウラの時も……そ、そう、こうだったの?」
一夏「いや…………違うかな」ナデナデ
一夏「鈴を撫でてると……アレだな、行き過ぎた友達感があるし、ラウラはすげー可愛い妹……みたいなのがあったなぁ…………」ナデナデ
シャル「へ、へぇ~?僕は、どう……かな?」
一夏「それ言わなきゃダメ?」
シャル「ダメだねぇ?」
一夏「ぅ……正直シャルの頭撫でてると……こういう形だからか、気分的には……彼女と居るような…………」
シャル「かっ……!?」
一夏「いや気分だから!状況だから!誤解なく!そう言う感じなだけだから!」
シャル「そっ……かぁ…………そっか……ふふ!」
シャル「ねぇ一夏、撫で撫ではどんな事でもしてくれるのかな?」
一夏「そ、そりゃあ撫でさせてもらってるからな。要求にはある程度応えるぜ」
シャル「そっか……じゃあ今から一夏と僕は恋人みたいな雰囲気で、一夏が優しく撫でてくれる……かな?」
一夏「こいびと!?」
シャル「うん……こいびと…………同士がするみたいに……やってみせて……?」
一夏「いや……おう……うん、わかっ……た。頑張る……」ナデ
シャル「ん…………」ピクン
一夏(つっても恋人同士がって…………何すればいいんだよ……頭撫でるだけじゃダメなんか!?ダメなんか!?)ナデナデ
シャル「ねぇ一夏…………身体預けてもいいかな?」
一夏「う……ぉおう!バッチこい!」
シャル「ふふふ……!一夏ってば、なんかおかしいよ?」ポフ
一夏「そん゛……んなことないよぉ?」
シャル(あぁ……一夏の胸板……!呼吸!心音……!!楽園だよここは!!)
一夏(もうコレいよいよ以て、最早恋人同士の真似事じゃないよな……!?)
一夏(あ……恋人っぽく、か……この前見た映画みたいな感じで……)
一夏「な、なぁシャル?恋人っぽく~……って言ったから……ならじゃあ、ちょっと抱き……締めても~……あの~……いいかな?」
シャル「!?抱き……!?しめてもイイヨ?」
シャル(そう!!そういうことだよ一夏!!僕が求めたことは!!ル パラディは!)
一夏「それじゃ……」キュ
シャル(しかも思いっきり抱き締めることなく片腕で優しく!?)
一夏「っても所詮は俺だから、真似事なんだけど」ナデ
シャル(そんな、こんなで頭撫でられたらぁ……!)
一夏「シャル……」コテン
シャル「ひゃい!?なにかな一夏!?」
一夏「ん……?ただ、呼んでみただけ」
シャル「はぅっ……!!一夏……そうだよ!それだよ!!」
一夏「何が?」ナデナデ
シャル「そんな事されたら……女の子はみんなトキめいちゃうよぉ……」
一夏「マジか。じゃあ今の俺は結構頑張れてるのか?」ナデコナデコ
シャル「むしろ合格点だねぇ……」
一夏「合格いただきました~」ナデナデ
シャル「やっぱりラウラや鈴の言った通りだよ。凄い……一夏に撫で撫でされると幸せになるや」ハフゥ
一夏「女の子ってやっぱり頭撫でられると嬉しいもんなのか?」
シャル「女の子全部がそうなわけじゃないよ?」
シャル(ただ好きな人にされるとまた話は別なんだけど……)
シャル(そんな事を今言うのは反則だもんね)
シャル「でも一夏の撫で撫では癒されるよー……商売にできるんじゃないかな?この学園で」
一夏「冗談。誰しもが撫で撫でされても嬉しいワケじゃないって言ったのはシャルだろ」ナデナデ
一夏「それにそんな事したら千冬姉に埋められちまうよ」
シャル「アハハハ!だね!」
一夏「でもありがとな。気持ちいいって言われたらやっぱり嬉しいよ。こんなのに付き合ってくれてんだからな」ナデナデ
シャル「実際気持ちいいからね~。そう言えばもうそろそろ晩ご飯の時間じゃないかな?」
一夏「あぁ、もうそんな時間……時間が経つのは早いなぁ」ナデナデ
シャル「そうだよねぇ……名残惜しいけど、とりあえずご飯食べにいこ?」ヨイショ
一夏「だな」
そんなに気易くナデナデしちゃう子はしまっちゃおうねぇ・・・
>>112
しまっちゃうおじさんだったら懐かしい
一夏「うぃ~す」
シャル「もうみんな居たんだ」
ラウラ「遅いぞシャルロット。そしてようこそ」モキュモキュ
鈴「どうだった?やっぱりたまらないでしょ?」
シャル「…………ふ」
シャル「ふふふ」
シャル「さようなら昨日までの自分……こんにちは新しい自分!」
鈴「そうでしょそうでしょ?」
ラウラ「アレを知ってしまったからには見る目が変わってしまうからな」
鈴「シャルロットは一夏にどんな風に頭撫でて貰ったのよ?」
シャル「ん……それはねぇ……」
セシリア「くぅ……あの輪にまだ入れない自分が恨めしいですわ……!」
箒「あの三人と私達の間には見えない、しかしあからさまな線があるな……私たちはそのこっち側……か」
一夏「よ、どうしたんだよ二人とも浮かない顔して」
箒「……ふむ。誰のせいだと思っている?」
一夏「はは、怒るなって」ナデナデ
箒「いや怒っているわけではないのだが……何をしている?」
一夏「何かな~……頭撫でるのにも少しずつ慣れてきちゃってな」
セシリア「そ、それはつまりもう私たちには用済みと言う事ですの!?」
一夏「んにゃ?慣れただけであって……やっぱり頭は撫でてみたいよ?」ナデナデ
セシリア「そ……そうですか……」ホッ
箒「…………」ポー
一夏「…………」ナデナデ…
箒「…………」ポー
一夏「箒ー?」ナデナデ
箒「……ん?なんだ?」ポー
セシリア「ちょっと様子がおかしいですわね?」
ラウラ「む、嫁よ。人前で撫で撫ではしないのではなかったのか?」
一夏「いやちょっと慣れてきたんだけどさ、箒が……」
箒「…………」ンー
鈴「……猫みたいね」
シャル「なんと穏やかな笑みを浮かべて……見てると、こう……」
セシリア「癒されますわね」
箒「……~」ンフー
ラウラ「いつもの険しさが顔から消え失せているな」
鈴「これ完全にスイッチ入っちゃってるわよ」
一夏「箒~?」パッ
箒「……ん?止めてしまったのか?」
一夏「だって……心ここに非ずって感じだったからな……」
箒「私がか?まさか。そんな訳ないだろう」
シャル「自覚症状はないみたいだね」
ラウラ「気持ちはわからんでもないが箒があんな顔をするのも珍しいな」
一夏「……ラウラは」ナデナデ
ラウラ「ん~」
一夏「ラウラも猫だな。鈴は……」ナデナデ
鈴「……」
一夏「……」ナデナデ
一夏「……ああ」ワシャワシャ
鈴「……!」ニッコニコ
箒「アレが……鈴専用撫で撫で……」
セシリア「髪が乱れてしまいますが……アレはアレで……」
シャル「気持ちよさそう……」
一夏「シャルは……」ナデナデ
シャル「うん!」
一夏「シャルは完全犬よりだなぁ。で、多分セシリアは猫だろうな」
セシリア「そうでしょうか……?」ソワソワ
セシリア「自分ではわからないので……そうではないかもしれませんよ?」ソワソワソワソワ
一夏「そりゃそうだよな」
布仏「お~り~む~!」ナデコナデコ
一夏「うぉっ!?びっくりした……のほほんさんか……」
布仏「にひひ~びっくりしたでしょ?どうかなぁ、私の撫で撫では」
一夏「ん……気持ちいいよのほほんさん」
布仏「でしょーそーでしょー?」ナデリ
セシリア(うぅ……私の撫で撫でがうやむやに……)シュン
セシリア(お待ちなすって!?)ピコン
セシリア(むしろこれは……閃きましたわー!)
一夏「ふぅ……腹一杯だぁ……」
コンコンコンコン
一夏「なんじゃらほい」ガチャ
千冬「話をしよう」
一夏(え、エルシャダイ!?)
千冬「お前は私の話を聞いていたか?自重するようにと言ったはずだ」
一夏「え……と」
千冬「頭を撫でる分にはいいと許可をしたがな、所構わず撫でくり回せとは言っていないはずだぞ」
一夏「いや……うん」
千冬「今はいい。かもしれん。だがエスカレートした末何が起きるかはわからんのだ。お前は自分の立場を考えろ」
一夏「立場……って、俺が一体」
コンコンコンコン
一夏(誰だこんなお互いバッドタイミングに……!)
シャル「一夏ー!来たよー!ラウラも連れてきたんだ!」
ラウラ「多少ルール違反かもしれんが……シャルロットが着いてきてもいいと言ったのでな!」
一夏「そ、そうか……いや今はタイミングが悪いというか……」
ラウラ「何故だ?」
千冬「何故だと思う?」
シャル「お……!?織斑先生……!?」
ラウラ「きょっ!?」
一夏「あぁー……」
千冬「最近弟のふしだらな行為が目に余ってな。コイツにも言ったが悪いとは言わんが少々度の越えた所がある。なる程、お前らは……それに関わっているわけではないよなぁ?」
シャル「いぃぃいえ!そんなまさかアハハハハ!ね?ラウラ!?」
ラウラ「そうだとも!!教官!!夜分に失礼いたしましたッ!」スタコラ
シャル「あ、待ってよラウラー!」タタタタ
千冬「全く……盛りの付いた小娘共が…………一度撫でられただけで味を占めおって……」ブツブツ
一夏「あの~……千冬姉?」
千冬「ん?あぁ、とにかくそう言うことだ。もう何度も言わせるなよ」
一夏「へ~い」
千冬「返事はしっかりハイ、だ」
一夏「はい」
千冬「よくできました、と」ナデナデ
一夏「うわ!?ちょ、千冬姉!?」
千冬「何だ?やるのは好きでやられるのはイヤなのか?それとも私に頭を撫でられるのはイヤなのか?」
一夏「違うって!ただ千冬姉がそんないきなりこんな事するとは思わず……ビックリした……」
千冬「ふふ、さっさと寝るんだぞ一夏」パタン
一夏「……」
一夏「千冬姉に撫でられたのは……久しぶりだな」
翌日(モップのターン)
シャル「……てな事があってね~」
箒「むぅ……ここに来て千冬さんの監視の眼が厳しくなったか……」
ラウラ「あのホークアイで睨まれたら並大抵のものは心が折れてしまうからな」
セシリア「ここにきてお預けだったら……目も当てられませんわ」
箒「まったくだ。せめて今日一日くらいは……」
セシリア「ちょっとちょっと?」
鈴「それがね~……実は今タイムリーでヤバいことになってるわよ」
シャル「え?て言うと?」
鈴「広まってるのよ。一年生の間で、話題の撫で撫でが」
ラウラ「なんと!?」
鈴「そりゃあねぇ……あんな大っぴらに頭撫でてたら千冬さんだけの目には留まらないでしょ。もはや大々的に宣伝してるようなもんだし」
箒「その事について一夏は知ってるのか?」
鈴「ん~ん。多分知らないでしょうね。あの鈍感が気付くとは思えないわよ。あいつにとっては頭を撫でてみたいただの行為にしか思ってないだろうし」
ラウラ「しかし本人以外にそうは捉えていない、と」
シャル「確かに憧れの男子に頭を撫でられるなんて大抵の女の子の夢だもんね……しかもそれが手に届く距離にあるなんて、ね」
セシリア「さらにこれが二年生、三年生と加われば……確実なる廃止が……」
箒「それはさすがにまずいだろう」
一夏「おはよぉ……なんか物凄く……気のせいか?見られてる気がするんだが」
シャル「それはね、気のせいじゃないなぁ」
ラウラ「どうするんだ嫁よ!周りの女子の目つきが…まるで鷹だ!教官のようだ!」
ガラ
千冬「…………」
一同「!?」
ラウラは……見誤った……
織斑千冬の底知れない底抜けの、奈落のように深い織斑千冬の何か中身を。
たかだか一般的小娘が鷹の目になろうがそれが?だから?
彼女は違う。織斑千冬のクラスを見回すその眼光に、見たことはないにしろ軍人であるラウラには感覚的に戦慄を覚えた。
己等はただ狩られるケワタガモなのだ。
多分、賭けても良いが、スロ・コルッカやシムナはあんな眼をしていたのだろう。
狩るときは……
千冬「…………」カツカツ
千冬「ホームルームの時間だ……凰鈴音、二組へ戻れ」
鈴「はい!すぐに!今すぐにでも!」ダダッ
一夏「こ……こえぇ……」
千冬「あ~……皆も知っているが……敢えてもう大っぴらに言うが今生徒間にて下らんことが流行っている。元凶織斑によってな。別に禁止するワケではないが時と場所を考えろ。それくらいのことは出来るだろう。脳髄に刻み込んでおけ。以上……なんだ篠ノ之」
箒「あ、あの!!別に怒られるわけではないのですね!?」
千冬「…………良い度胸だな。まぁ言った手前、怒ることはない。あとは貴様の愚かさの匙加減次第だ」
シャル(つまり見つかったら殺されるわけじゃないですかー!?)
一同(やだー!)
日本代表逝きました~
ファッキューチック戦犯入り待ったなし
~昼休み~
箒「極めて緊急事態だ」
セシリア「えぇ……これは由々しき事態ですわ」
鈴「まぁ私らはまだやってもらえた分いいかもしんないけど」
シャル「でも一日だけじゃ足りないよね」
ラウラ「……出来れば一日一回は欲しいところだな」
一夏「……そんな真剣なマジになるほどか?」
ラウラ「なる!だから今こうして頭を抱えているのではないか!!」
鈴「あんたはもーちょい自分がゴッドハンドを持っている自覚をしなさいよ!」
ラウラ「殆ど麻薬だぞ!」
一夏「は……はい……」
箒「せめてあと一日……」
一夏「でも一応約束はしたからな。セシリアと箒の頭も撫でたい俺がいるし」
セシリア「そんな……大丈夫ですの?」
一夏「見つからずにやれば大丈夫だって。今夜は箒だったな?」
箒「あ……あぁそうだが」
一夏「じゃあ今夜部屋に来てくれよ。千冬姉に見つからないようにな?」
箒「了解した」
布仏「やっほーおりむー」
一夏「ようのほほんさん」
布仏「なんだか大変な事になっちゃったねー?」
一夏「まぁ俺が悪いんだけどな」
布仏「気を付けなよ~生徒会長が知ったら」
一夏「それ、一番困るよな」
布仏「そーそーおりむーまた織斑先生に呼び出されてたよー。人気者はツラいねぇ~」
一夏「男はツラいよ。まだ昼休み時間あるし俺行くよ。千冬姉は自室に居るんだよな?」
布仏「だと思うよー」
一夏「じゃ行くか」
箒「悪くない方向にいくことを祈っているぞ」
セシリア「で、出来れば今週くらいは許容されるように……」
ラウラ「それこそ祈るしかないだろうな。あの眼からして……」
千冬「言ってすぐのこの事態だ」
一夏「……まさかねぇ、こんな事になるとはビックリだ」ハハハ
千冬「……」ギロ
一夏「ははは……は、は……すいません」
千冬「まぁ今日はそんな事を言うのに呼んだわけではないが。一夏、今週末の土曜日は開けておけ」
一夏「へ?そりゃなんで……」
千冬「実家の掃除だ。私も後から行くが」
一夏「はぁ。それだけ?」
千冬「それだけだ。何だ?私のありがたい説教でも聞きたかったのか?」
一夏「冗談。じゃあ俺はもう帰っても?」
千冬「あぁ。時間を取らせて悪かったな」
~夜・一夏の部屋~
一夏「特に呼び出されても何か言われた訳じゃないし……多分大丈夫だとは思うんだよ。バレなきゃ」
箒「う、む……しかし後ろめたさはあるな」
一夏「……今を見よう。バレたらバレた時で……その時考えよう」
箒「そうだな……ヨシ!さぁ一夏!私の頭を撫でろ!」
一夏「……」
箒「さぁ!さぁさぁ!」
一夏「……」ヨシヨシ
箒「!!」ビク
箒「…………」ポー
一夏(何故頭を撫でたらいきなり大人しくなるんだろ……)
一夏(まるで……なんか、ペットみたいな)ナデリナデリ
箒「…………」フスー
一夏「なぁ箒?」
箒「ん…………?ん…………ん……?」トロトロ
一夏(ラグが……)ナデナデ
箒「…………」ポワポワ
一夏「なぁ……顎とか撫でてもいいか?」
箒「…………」
箒「…………」コクリ
一夏「本当に……喋らんなぁ」コチョコチョ
箒「…………!」フナーゴ
一夏「コレ……気持ちいいのか?」コショコショ
箒「…………」コクコク
箒「…………ゾクゾク、する……」
一夏「犬なのか?これはそれとも猫なのか?」ナデコナデコ
箒「……!」ピク
一夏「箒お前スゴいぞ。スゴい顔が、安眠中に良い夢みてるような顔だぞ」ナデナデ
箒「幸せ……だからな…………」ンー
一夏「そか。反応見てるだけでこっちも幸せだよ」ナデナデ
束「だよね~。幸せだよね~束さんこれで丼もの三杯いけちゃう!」
箒「…………」
一夏「あ。箒の顔があからさまな無表情に」
束「はろはろ~ん!ご存知束さんのご登場だよ~!」
一夏「あの、何で束さんが部屋に?部屋にどうやって入ったんです?鍵全部閉まってるのに」
束「扉が有ります。窓が有ります。それら集合体である部屋と言う存在に、入ることなど容易いのだよ」フフン
箒「…………」
束「それにしても、何か楽しそうなことをしているにゃあと感づいてみたら案の定楽しそうなことをしてるね~!?束さんも呼んでよ~!」
箒「姉さん。出て行きなさい」
束「えぇ~!?イヤだよ~イヤだイヤイヤ!束さんもいっくんに頭撫でてもらうんだい!」ピコピコ
箒「帰りなさい。これは、この時間は私が待ち焦がれた限りある時間なんです。邪魔をしないでください。一夏、撫で撫でが弱まっているぞ!」
一夏「はいはい」ナデリコ
束「箒ちゃんは甘えん坊さんだね~。ほらお姉ちゃんが」スッ
箒「……」ペシン
束「撫で撫で…………」スッ
箒「…………」ペチン
束「いっくぅ~ん……箒ちゃんが冷たいよ~……束ちゃん悲しいよ~……」シクシク
一夏「はい」
束「これはもういっくんが撫で撫でして束さんを慰めてもらうしか……」
箒「待ちなさい姉さん。そんな横入り的に一夏に撫でてもらうのは無しです。我慢してください。しなさい」
一夏「と、言ってますが」
束「じゃあ……ちーちゃんに撫でてもらおう!箒ちゃんといっくんに仲間外れにされた~って」
箒「更にそれは待ちなさい!わかりました、いいでしょう。撫でられなさい。許します」
束「わ~い!いっくん撫でて撫でて~!」
一夏「手のひら返したように……」
箒「私だって不本意だ……だが……」
一夏「確かに千冬姉に知られたら……」
束「いっくん、はよ!はよ!」
箒「すまんがあの愚姉も撫でてやってくれ。だが、私を蔑ろにしたら許さんからな?」
一夏「わかってる。箒は一番だって」ナデナデ
箒「…………ん」
束「箒ちゃんばっかりずーるーいーよー!」
一夏「はいはい束さんも」ナデナデ
束「おぉ!おぉう!もっともっと!」ピコピコ
一夏「束さんは犬っぽいですね。箒は猫だけど」ナデナデ
束「ん?そうなのかな?いっくんがそう言うならそうなのかもね!むしろいっくんの犬でも束さん構わないよ!」ピコピコピコピコ
一夏(撫でる度に耳が)
箒「一夏~!」
一夏「はいはい箒もだよな」ナデナデ
箒「んぅ…………」
箒「一夏…………顎も…………」
一夏「本当に箒は猫だなぁ。顎を撫でられるのが好きなんてさ」コショコショ
箒「ん……ふぅ…………!ん……」ブルブル
束「む!羨ましい!そんな素敵な……!いっくん!束さんにもだよ!」
箒「ふかー!」フシャー
束「わんわん……」クゥーン
一夏「こら箒。仲良くしなさい」ナデナデ
箒「むぅ……」ゴロゴロ
束「じゃあね!じゃあね!束さんは犬だから、首の所ワシャワシャすれば良いと思うよ!?」
箒「な!?そ、ん羨ま……」
一夏「こうですか?」サワサワ
束「っくは~!?もそっと強くても!」
一夏(イケないことをしてるような感じなのに、感覚マヒしてんのかな~。自然に出来てしまう)
一夏「こう……?」ワシャワシャ
束「あは~……!もう我慢できないよいっくん!」ガバッ
一夏「ちょ!?っと、束さん!?」
束「束さんは犬だからペロペロしちゃってもいいよね!?」ペロペロ
箒「なぁッ!?」イクナイ!!
一夏「ダメだって!汚いから!シャワー浴びてないから!」
箒「!?」ナント!?
束「!?」ペロペロペロペロペロペロペロペロ
これで息子が立たなかったら、ちょっと異常だよな?な?
>>161
相手次第で勃つで……アッー……(察し)
一夏「ちょっと束さん!ストーップ!ストップ!……待て!言うこと聞きなさい!」
束「う……」ピタ
一夏「はぁはぁ……身体舐めても何にも意味ないでしょ!?」
束「だって……束さんはいっくんの犬だもん……」
一夏「う……危ない発言を……」
箒「犬が……舐めるなら…………犬が舐めるなら……」ブツブツ…
一夏「そんな悪い子には撫で撫でしてあげませんよ!?」
束「そ、そ、そんなのダメだよ~!?束さんはね、寂しくて死んじゃうんだよ!?スキンシップ取らないと泣いちゃうよ?」
一夏「人の身体を断りもなくペロペロ……って箒……?」
箒「犬が舐めるなら……猫は噛む……!」ハム
一夏「ぬぁ!?」ゾク
束「あ、甘噛み!?」
箒「…………」カプカプ
一夏「……箒?」
箒「……」ギュッ
箒「ぷあ……一夏の味がする……」ハムハム
一夏「箒……まで……!!」
束「そ、その手もあった……!!」
箒「私を…………放った罰だ……!」カプリ
一夏「あだッ!?何すんだよ!?」
箒「ふぅ……これで一夏の身体には私の歯形が付いた…………」
一夏「なっ……!!」
束「じゃあ束さんも!」ペロ
一夏「何事!?」
束「んへへへ~、いっくんにツバ付~けた~!束さんのものでもあるんだよ~?」
箒「いいえ姉さん私が歯形を付けたんです。一夏は私のものです」
束「姉妹共有にしよ~よ~?束さんと箒ちゃんのいっくんだよ?」
千冬「何だ、貴様ら、どうした?死ぬのか?死にたいのか?介錯か?それとも、やっぱり死ぬか?」
箒「ひっ…………!?」
束「…………さて、お暇を……」ソソクサ
一夏「た、たす……千冬姉!!助かった……!」
千冬「お前への処罰はまた後だ」
一夏「異議あり!」
千冬「百歩譲って撫でていたことを泣いてやっても、束が来たことを黙っていたのはお前の罪だ」
一夏「ぐう正」
千冬「さて……束、どこに行く気だ?この地球にお前の逃げる場所などないぞ?」
束「じゃあちょっと火星まで……」
千冬「そう言うな。撫でてほしいんだろう?」ガッ
束「それはそれで嬉しいよ!嬉しいけども今じゃなくても……!その手は優しそうじゃないよ~!……優しくして…………!?」
千冬「任せろ全力だな」
束「」ダラーン
箒(片手で頭を思いっ切り揺さぶった……!?)
千冬「まだまだ、こんなもので済むと思うなよ束…………さて、篠ノ之……」
箒「はっ…………はぃぃ…………」
一夏「怖ェ……千冬姉マジ怖ェ……」ガタガタ
千冬「そうだな……クタクタに疲れた境地の自分を思い浮かべろ。寒い冬、しかも明日から二連休のお休みのな」
箒「…………」
箒「……ん?…………はい?」
千冬「ぬくい布団にくるまれて、さぞ極楽極楽だ。最高だろう?」
箒「えぇ……まぁ…………」
千冬「……もし、あるとするならば、天国がそんな素敵なところか、確かめてくればいい。祈れよ」ニヤァ
箒「」ニャーン…
山田「え~今日は篠ノ之さんは事情が諸々の……複雑なアレでお休みです~……」
一夏(複雑骨折……!?)
セシリア「一夏さ~ん!とうとう今日は私の番ですわ!」
シャル「一応訊いておくけどセシリア……本当にやめないの?」
セシリア「もちろんですわ!待たされた分溜まりに溜まってますから!」
ラウラ「私でも自重しようと思うが……箒は教官に見付かったのだろう?」
一夏「……凄いぞ。昨日の千冬姉は……死の権化だった」
ラウラ「ここ最近日増しに恐ろしくなっているからな」
一夏「いや昨日のは特に…………あの~……束さんが乱入してきてさ」
シャル「あ~なんかあの人が来ても不思議ではないよね」
一夏「で、あの人も撫でることになったわけだ」
鈴「まぁあの人なら当然の流れよね」
一夏「束さん、ヒートアップしてさ、タガが外れて舐め回してきて……箒も感化されたのか噛んできて……」
セシリア「ありなんですのそれは?」
シャル「ある!」
一夏「で、千冬姉に見つかった。怖かった……」
ラウラ「あぁ、教官なら怖いだろうな」
一夏「何が怖いかって俺も処罰される流れで未だにその処罰が下ってないところがまた……」
第三アリーナ
千冬「今日は一組二組との合同訓練を行う。二時間ぶっ続けだからな、心してかかるように。まずは織斑」
一夏「有無をいわさず俺かよ……」
千冬「織斑!居ないのか!?前に出ろ!」
一夏「はぁい……」ノロノロ
千冬「さて、今から諸君等には実践的な訓練をしてもらう。の前に話は変わるがコイツがらみで最近目に付く行為が横行している」
一同「ザワザワ」
千冬「そこで今回の授業、ただ戦うだけでは面白味がない。よって一つゲームをしようと思ってな」
鈴「げ、ゲーム?」
ラウラ「商品が嫁だと言うことなのだろうか?」
千冬「先に述べたコイツの行為。ぶっちゃければ撫で撫で、か。コイツに勝てたら好きにしてもいいとする!」
一同「ざわ……ざわ…………ざわ……」
第三アリーナ
千冬「今日は一組二組との合同訓練を行う。二時間ぶっ続けだからな、心してかかるように。まずは織斑」
一夏「有無をいわさず俺かよ……」
千冬「織斑!居ないのか!?前に出ろ!」
一夏「はぁい……」ノロノロ
千冬「さて、今から諸君等には実践的な訓練をしてもらう。の前に話は変わるがコイツがらみで最近目に付く行為が横行している」
一同「ザワザワ」
千冬「そこで今回の授業、ただ戦うだけでは面白味がない。よって一つゲームをしようと思ってな」
鈴「げ、ゲーム?」
ラウラ「商品が嫁だと言うことなのだろうか?」
千冬「先に述べたコイツの行為。ぶっちゃければ撫で撫で、か。コイツに勝てたら好きにしてもいいとする!」
一同「ざわ……ざわ…………ざわ……」
ミスた
一夏「千冬姉!?どーいうことだよ!?」
千冬「こういう事だ。諸君等が勝てば勝てた奴らはコイツを好きにしろ!撫でられるもヨシ!撫でるもヨシ!ハグでもなんでもな!」
シャル「俄然…………やる気が出て来たよ」
ラウラ「ふむ…………嫁よ、すまんな。これも教官の仰ることだからな」
セシリア「こ……こんな所で計画を崩すわけには……」
鈴「っしゃ……!」
一夏「これ……一体……」
千冬「一夏……負ければ、負けた人数に応じてお小遣いが1ヶ月なくなると思え」
一夏「そ……えぇ!?」
千冬「十二人に負けたら一年はお小遣いなしだな。そうすればお前はどうする?常に金が無く、女に金を借りる情けないヒモにでも成り下がるか?何、勝てばいいのだ。勝てば、な……」ニヤリ
一夏(これが…………俺の罪……!?)
一夏「勝てば……いいのか……」
千冬「まぁ私もそこまで一方的に鬼ではない。そうだな、全員……八十近いか、倒せたなら恩赦で半年間お前のお小遣いを三倍にしてやろう」
一夏「三倍!?」
千冬「あぁ。本来なら処罰を加えるべきお前に私からの特別な計らいだ。ただし負けたらその時点で……」
一夏「恩赦なし……」
千冬「さて、そろそろ始めるとしよう。精々足掻けよ?一番手は誰だ!?」
鈴「私がやります!」
鈴「一夏……あんたに恨みはないのよ。でもね、あんたの行いが今のこの戦いを招いたのよ……」
一夏「あぁ……そのようだが、俺には負けられない戦いがある。今がそれだ」
鈴「……世の中はね、理不尽なの。あんたが望まなくてもこの戦いは理不尽にも始まるのよ。そして理不尽にもいきなり龍砲を食らうこともあるのよ!」バッ
一夏「な!?」
鈴「喰らいなさい!!」
ドッ!!!
鈴「どーよ至近距離からの龍砲は!?」
一夏「焦ったよ。いやマジで焦った。ちょっとな」
鈴「な!?背後!?いつの間……!早すぎ!?」
一夏「零落白夜!」
鈴「きゃあ!?」
一夏「まずは……一つ!!」
ラウラ「やるな嫁よ。流石我が嫁よ。嫁ながらにして天晴れ。次は私だ!!」
一夏「矢継ぎ早にボス戦の気分だな。でも、最初の方でお前達に勝っとけば気が楽だぜ」
ラウラ「一夏よ。お前もまだまだ甘いな」
一夏「は?がっ!?」ドゴッ
鈴「私のシールドエネルギーはまだゼロじゃないわよ。投擲の双天月牙はなかなかどうしてキくでしょ……!?」
一夏「お前……!次はラウラじゃ……!?」
ラウラ「だから、甘いのだ……ここは戦場、私は次に戦うと言ったがまだ試合終了の合図は出てはいないぞ?」
鈴「戦場だとして、お行儀よく一対一で戦ってるのに、背後を向けられたらそりゃあ攻撃されるわよ一夏?」
一夏(くそ……!!俺の大甘だ!)
一夏(シールドエネルギーをモロに持ってかれたか……!?)
一夏「……俺のこの詰めの甘さは全勝した後、ベッドでゆっくりと反省するとして……」
鈴「……!?」
一夏「ただやはり勝たなきゃ意味がないんでな。俺も形振り構わず……行くぞ?」ブン
鈴「双天月牙を……!?私に!?」ガキィン!
一夏「まずは確実に鈴!お前を倒す!」ズバシュ
鈴「くっ!」
シールドエネルギー0
リタイア
鈴・再起不能
一夏「ラウラ、俺も俺で勝たなきゃならん理由があるからな。悪いが……向こう百年は俺に勝てないと思うくらいに潰す気で行くぞ」
ラウラ「ふ…………ふふ……!!来い!!」
戦った。二時間もの間、一夏は戦いに明け暮れた。
ひたすらにシールドエネルギーを奪い、削られ、自身が戦い続けるためにエネルギーを充填(濃縮還元)し、不毛な戦いを。
ただ己の明日(からのお小遣い)の為に
キーンコーンカーンコーン
千冬「よし、そこまで!」
一夏「ずはぁ……!!はっ、はっ! は かはっ! ふぅ……ふぅ……」
シャル「はち……未曽有の八十タテ……」
セシリア「正直怪物ですわ……」
ラウラ「さすが我が嫁!ふ、嫁ながら恐ろしい……!」
鈴「一夏死にかけてるわよ……」
千冬「まさか本当に八十人抜きをするとはな」
一夏「ごほっ!っは はっ はっ、かは、ど……こほっ!どう、だ……!」
千冬「ふむ。ここまでやれるとは思わなかったな。どうだ?ボーナスステージで私と戦うか?」
一夏「…………ごほっ、ふぅ~……絶対無理……」
~放課後~
千冬(あれだけ疲労困憊なら流石に誰かの頭を撫でようかなんて考えはしないだろう)ズズズ…
千冬(茶が美味い。しかし……まさか、相手は一年共とはいえ専用機持ちを含めた八十人を倒すとはな)フーフー
千冬(私の弟ながら末恐ろしい……いや、私の弟だから、か)ズズズ
千冬(あの見事な戦い振り。若い頃の私を思い出すようだ)フゥ
千冬(………………)
千冬「ふ…………」
千冬「若い頃って、私もまだ充分に若いだろうが……ッ!!」
真耶「!?」ビクッ
~一夏の部屋~
一夏「つっっかれた~……あ゛~……ダメ、も、ダメ疲れた……」
一夏「あ~……う~……でもこれで俺のお小遣い三倍か~……夢膨らむな~……箒には悪いけど……」
一夏「箒のヤツ…………無事……か?いや無事なんだろうけどあの千冬姉の怒りようじゃあ……」
一夏「…………シャワー浴びよう……心配してもどうにもならんし」
一夏「シャワーも浴びた、処罰もないどころか逆に僥倖、明日は休み……こりゃあもうテンション上がるな!でも寝る!」ホクホク
コンコンコンコン
一夏「…………え~……」
コンコンコンコン
一夏「はぁいぃ……」ガチャ
セシリア「あ、よかった……起きていらしたんですね。私もうてっきり寝てしまったのかと……」
一夏「…………あ」
セシリア「まさか……私との約束を忘れていたのですか……?」
一夏「いや!いやいやまさかそんなこたぁない!」
一夏(すげー忘れてた!まさかしかもこれはまた千冬姉に見つかったら……)
セシリア「ならいいのですけれど……一夏さんは今日はお疲れでしょう?とても他人に構っていられる余裕など……」
一夏「いや、大丈夫!約束は守る!!そこら辺は男として違えることはしない!」
一夏(て言うかそんな悲しそうな顔されたら断れねーよ!)
セシリア「でも……あの、それじゃあ……お言葉に甘えてもよろしいでしょうか……?」
一夏「おうともよ!」
セシリア「大丈夫……ですか?お体は……」
一夏「多少は……な、やっぱり、あの戦いは……疲れるよ……」
セシリア「戦った私が言うのもアレなんですけど……でも、一夏さん、凄く勇ましかったですわ」
一夏「後半は死に物狂いだったからなぁ。負けたくない一心で」
セシリア「そうですわ!一夏さんはお疲れなら逆に私が癒やしてさしあげましょう!」
一夏「えっと……つまり?」
セシリア「私が、一夏さんを撫でてあげましょう」
一夏「なんと!?」
セシリア「でもその前に……御髪が濡れてますわ。まずは髪を乾かさないと……」
一夏「あぁ、シャワー浴びたばっかりだったからな」
セシリア「なら早く乾かさないと、髪が傷んでしまいますわ。さ、私がやりますから一夏さんは座ってください」
一夏「え?い、いや別にいいよ大丈夫!自分でやるから!」
セシリア「もうここまで来たら事のついでです!ほら、私が乾かしますので!」
一夏「おおぅ……じゃあお願い……します?」
セシリア「はい!お任せくださいですわ!」
セシリア(ふふ、模擬戦では計画に狂いが出ると焦りましたが、終わってみれば一夏さんはお疲れ、寧ろ頭を撫でる流れに来てますわ!キてますわ、勢いが私にキていますわ!天は私に味方してくれていると言っても過言ではありません!)
コォォォォ
セシリア「熱くはないですか?」サッサッ
一夏「寧ろちょうど良いくらいだよ。セシリアが上手だからさ」
セシリア「伊達に髪の毛の手入れはしてませんもの。それにしても一夏さんの髪の毛……サラサラですわね」
一夏「ん?そうなのかな?鈴やラウラ達の方がもっと触り心地良いと思うぞ」
セシリア「でも、男の人は大体はあまり手入れをしないでしょう?こういうところまで一夏さんは織斑先生に似ているのかもしれないですね」コォォォォ
一夏「姉弟だから髪質は似るかもな」
セシリア「伸ばしてみても面白いのでは?」
一夏「さすがにちょっとめんどくさいよ」
セシリア「なんでしたら私が毎日手入れして差し上げますのに……」コォォォォ
一夏「気持ちだけ受け取っとくよ……ふぁぁ……」ウトウト
セシリア「大分乾いてきましたけど……やっぱり一夏さんお疲れですわね」
一夏「ん……ごめんな…………約束守ってあげられなくて…………」
セシリア「お気になさらないでくださいまし。こうやって私が無理を言って一夏さんは付き合ってくださってるんですから。さぁ、髪の毛はもういいですわ」サワサワ
一夏「ありがとなセシリア」
セシリア「さぁ、こちらへどうぞ」ポムポム
一夏「……へ?」
セシリア「頭を撫でますのでやはりこの形が一番かと」ポムポム
一夏「膝……枕?」
セシリア「えぇ!膝枕です!」ニッコリ
一夏「そ……それって……」
セシリア「あ……いやでしたら…………その……」
一夏「そんなわけないだろ!?あの、違うくて、セシリアは、大丈夫なのか?」
セシリア「私は、一夏さんを癒やしてあげたいのです!膝なんて、一夏さんのためにいくらでも貸しますわ!さぁ!さぁ!?」
一夏「押し強……!じゃ……じゃあ…………失礼します……」ゴロン
セシリア「失礼だなんて……一夏さんに限ってそんな事ありませんわ」
一夏(うぉぉぉぉ待て、夢にまで見た女の子の膝枕!!しかもセシリアの!!いかんよ、眠気が一気に覚めてきた……!)
セシリア(あぁぁぁ夢にまで見た一夏さんへの膝枕!!幸せですわ!奉仕の気持ちです!優しく優しく……!)サワ…
一夏「んっ!?」
セシリア「あ……大丈夫ですか……?」
一夏「あ、うん……ちょっと慣れてないだけだから……びっくりしただけ……ごめん……」
セシリア(可愛い!)
セシリア「…………」ナデ……ナデ……
セシリア(一夏さんの髪の毛……サラサラですわね……それに綺麗な黒髪……このまま髪の毛を伸ばしたら織斑先生にそっくりになってしまうのでは?)
一夏「…………セシリアのさ」
セシリア「は!!はい!?なんでしょう?」
一夏「そんな驚かなくても……いやな、セシリアに頭撫でてもらうと……凄い気持ちいいなって……」
セシリア「」キュンキュン
セシリア「ほ、本当ですか!?」
一夏「あぁ、いいよ~……ものすごい安らぎがあると言うか……」
一夏(ただ眠気はないと言うね……目さめてしまうわ)
一夏「あぁ…………でも、懐かしいかな……俺昔小さい頃こうやって千冬姉に頭……撫でられてた……」
セシリア「織斑先生は一夏さんにとってお姉さんであり、同時に母親だったんですね……織斑先生程とは言えませんが、私も精一杯頭を撫でさせていただきますわ……」ナデナデ
一夏「……確かに……千冬姉とはいかないけど……セシリアのはまた……違った…………良さがあるよ」
セシリア「!?と、と言いますと?」ナデ
一夏「何だろ…………千冬姉が……母親なら、セシリアは…………上手く言えないけど……天使……って言うか…………」
セシリア「て、ん……て 天使だなんて……大袈裟ですわ……!!」ニッコニッコ
一夏「いや…………慈愛とかさ、優しさとかさ……千冬姉のそれとはまた違う……温かさが……な……」
セシリア「…………一夏さん……」
一夏「……ん?」
セシリア「耳の形……綺麗です……」ナデナデ
一夏「気にしたことないから……わかんねぇや…………そーいうセシリアこそ、笑顔が……綺麗だぞ……?」ナデ
セシリア「!?」
セシリア(膝枕をしている相手からの頬撫で!?とんでもないご褒美ですわ!!)
一夏「…………セシリア……ちょっと……やっぱり、眠たい……かも……寝ちゃうかも……」ウトウト
セシリア「はい……私はもとより一夏さんの為に今こうしているのです……私の事はお気になさらず、どうかお休みになってくださいまし」サラサラ
一夏「……ん…………セシリアも……」
一夏「…………zzzz」スピー
セシリア「寝てしまいましたか……」
一夏「zzzz」クー
セシリア「普段は明るくて気持ちがよくて、戦う時は勇ましく格好良くて、ふふ、眠る時は何て素直に無邪気なのでしょう……」サラ
セシリア「……あら?……首筋に…………何でしょう……?歯、形……?」
セシリア「は……!?」
一夏『箒も感化されたのか噛んできて……』
セシリア「つまり……箒さん……あなたは自分の歯形を一夏さんに……!?」
一夏「んん…………」スピョスピョ
セシリア「む~…………」プクー
セシリア「私だって…………一夏さんに……残したいですわ……」
一夏「ふ……む…………」グッスリ
セシリア「…………一夏さんは深い眠りに……今ならバレない……はず……でも歯形なんて……!?」
セシリア(閃きましたわ!?)
セシリア「歯形がダメなら……私のキ……キスマークを……!!」ゴクリ
一夏「……」スースー
セシリア「仰向けに寝ていますし…………少しシャツの襟をズラして……」
セシリア「……さ、鎖骨の下辺りに…………あぁ……一夏さんの鎖骨……」ハァハァ
一夏「zzzz…………zzzz……」クカー
セシリア「……一夏さん、私の証を、受け取ってくださいまし……」チュ
セシリア「ん…………ぢぅ ちぅぅぅ……ちゅ、ん く…………チュルルル……ぢゅ …………っは…………!!」
一夏「ん~…………」スカピー
セシリア「や…………やりましたわ…………!」ペカー
セシリア「ふふふ…………一夏さんに私の…………愛を……」フルフル
セシリア「…………」
セシリア「もうちょっと下には……乳頭……一夏さんの……」
一夏「……~」スピョスピョ
セシリア「よ、よろしいですか?い、ちかさんに……もっと…………さ、捧げて……!!」クワッ
コンコンコンコン
セシリア「ンにゃ!?」
鈴「一夏~、アンタご飯~……セシリア?何で…………居る以前にその形は……?」
セシリア「り、その、あのその、鈴さんこのそれは、今の、あのこれは……ぁぅ……!!」
一夏「ん~…………」クピークピー
鈴「……」カシャーカシャーカシャカシャカシャーカッシャー
セシリア「なんで写メを……?」
鈴「ん~いちお、状況証拠?的な?アンタ、セシリアさ、千冬さんに見付かったら……どうなることやら……」
セシリア「うぐ…………り、鈴さん……お願いします……!!この事はどうか内密に…………!!」
鈴「ん~……条件……あるくらいは予想出来るわよね?」
セシリア「…………何でしょう……か……」
鈴「……私にも…………その~……さ……一夏に膝枕…………させてくれたらな~……ってね……?」
セシリア「へ……?」
一夏「んん…………」ムニャムニャ
セシリア「それでは……そんな事をしたらもし見つかってしまったら鈴さんも……」
鈴「百も承知よ。でもね、そのリスク以上に魅力的なのよ……!!それが、その、膝枕が……ッ!!」
セシリア「気持ちは……わかります……」
鈴「だから、お願い……!!私も一夏の頭を撫でてみたいの……!!あ、何だったら今この状態の一夏とセシリアのツーショット撮影して後で送ってあげるわ」
セシリア「交渉成立ですわね」スッ
鈴「英中交易条約ね……!!」ガシ
セシリア「では撮影をお願いします……!!」
鈴「良いわね~その撫でてる感じ凄いいいよ~」カシャカシャカッシャーカッシャー
鈴「……はぁ~…………一夏かわいい…………」プルプル
セシリア「アングルは私と同じく上からのアングルでよろしいですか?」
鈴「ん……!お願いね」
セシリア「相互利益ですわ」カシャカシャカシャ
鈴「ふぅ……さて、一夏……何よアンタ…………アンタも髪の毛さらっさらじゃない……」ナデナデ
セシリア「伸ばしたら織斑先生にきっと似ますわ」
鈴「一夏顔立ちいいもんね~…………」ナデナデ
一夏「ふ…………ん……」スピスピ
鈴「しっかしよく眠ってるわ…………セシリアは一夏に撫でてもらった?」
セシリア「……ふふ……実は一回だけ……」
鈴「たった一回なの?」
セシリア「しかし千の撫でよりも濃密な一撫ででしたわ……!!」
セシリア「……という感じで…………」ポッ…
鈴「う、羨ましい…………!」
セシリア「天然の切れ味恐ろしい技でしたわ……」
鈴「こいつ……こいつは本当にも~……たまにそういう事するから……」
一夏「…………ん……ぁ…………りん……?」
セシリア・鈴「い……!?」
一夏「せしりあ……じゃない…………ゆめか…………ふぁ……みゅ…………」ガシ
鈴「きゃ……!?」
セシリア「あぁ……そんな……!?」
一夏「zzzz…………」クゥー
鈴「い、一夏が私の腰に……抱きつくように……」
セシリア「なんて…………羨ましい……」
鈴「こ、こーいうことあるからね、い……一夏は……」プシュ~……
鈴「まったく……一夏ってばも~……」ニコニコナデナデ
セシリア「り、鈴さん……そろそろ一夏さん起こして……食堂に向かいませんと……」
鈴「あ、あ、あー……そうね……一夏~起きなさ~い」ユサユサ
一夏「ん~……」ギュ
鈴「ひゃっ!?更に強く!?も~甘えん坊ね一夏は!!」デレデレ
セシリア「むぅ!!鈴さんそんな場合ではございませんわ!!今もしこの状態が見付かったら鈴さんのみならず一夏さんまでもが罰せられてしまいますわ!!」
鈴「確かに……うぅ……名残惜しいけど……一夏、起きて!!」
セシリア「一夏さん起きてくださいまし!!」ユサユサ
一夏「んぐ…………ん……はれ……鈴……?」ボー
鈴「そうよ!!てゆか一夏早く離してくれると助かるんだけど?」
一夏「……のわぁぁ!?え!?何で、俺、鈴に?」
鈴「あんたが寝ぼけて私に抱き付いてきたんでしょーが!!」
セシリア「鈴さんは夕食の時間だと報せに来てくださったんですわ」
一夏「あ~……そっか……ふぁ……鈴、悪かったな……」ポリポリ
鈴「べ、別に気にしちゃいないわよ。眠いなら顔でも洗ってきたら!?」
一夏「ふぁ……~あぁ……ん、そうするよ」ノロノロ
セシリア「とりあえずお開き……ですわね」
鈴「そうね…………いつ千冬さんが来てもおかしくないし……」
ジャー
一夏「ねむ………………んぁ?……なんだ……コレ……?」
食堂
ラウラ「遅いぞ鈴。先に食べてたからな」モッモッ
鈴「ごめんごめん。コイツが寝ぼけててさ~」
一夏「悪い悪い!今日の授業のアレで疲れてて……」ハハハ
ラウラ「む……そうか。なら仕方がないな」
シャル「あれ?じゃあセシリアは何で……?」
セシリア「そ~……れ~は~……あの~今日は私の日でございましょう?だから……」
シャル「で今日行ったの!?」
ラウラ「勇気があるな……」
セシリア「でもバレなかったので結果オーライですわ!!」
一夏「ごちそーさん」
千冬「ちょうど良いところに居たな。随分と遅かったではないか」
セシリア・鈴「!?」ドッキンコ
一夏「千冬姉!いや、あの、疲れて寝ちゃっててさ~」
千冬「ふん。まぁあれだけの荒行をしたのだ。当然だな。さて、明日のことなのだが」
セシリア・鈴「ほ……」
千冬「明日は一日掃除だからな。しばらく足を踏み入れていなかったから埃も溜まっているだろうしな」
一夏「あぁ了解。ところでさ、千冬姉は虫さされに効く塗り薬持ってないかな?」
千冬「織斑先生と呼べ。まったく……どこか刺されたのか?」
一夏「鎖骨辺りを刺されてさ……」チラ
シャル(見せ方が色っぽい……!)
セシリア「!?」
鈴「?」
ラウラ「うむ。煮物がまた美味い」モキュモキュ
千冬「どれ…………これは………………」
千冬「……オルコット」
セシリア「は、はい!?」
セシリア(まさかバレて……!?)
千冬「私はボーデヴィッヒとデュノアと凰がここに居るのを見た。凰は一夏を呼ぶために一度席を離れた。さてはてオルコット、お前は何をしていた?寝ていた一夏に…………あぁ」
千冬「言いにくいのなら……いいぞ。私の部屋でゆっくりとな、訊かせてもらおうか?」
セシリア「…………はい」シュン
鈴「セシリアの巻き髪が……」
シャル「一瞬にしてストレートに……」
この時、世界各地の高僧達は崇める神や仏は違えど、同時に直感をしたと言う。
東の果てのどこかにて、計り知れない邪悪を感じたと……
千冬「悪い虫は……潰さなきゃな……?」
セシリア「ひぃっ!?」
おしまい
千冬姉ルートでも書くか
~土曜日~
箒「一夏~一夏~……何だ居ないのか」
シャル「あれ?箒、一夏なら今日は家に行ってるからいないよ?」
箒「む……そうなのか。じゃあ私も……」
ラウラ「やめた方が良いと思うがな」
箒「うん?何故だ?」
鈴「千冬さんも一緒に居るからよ」
箒「うっ…………」ドクン
シャル「箒!?顔色悪いよ!?」
箒「だ、大丈夫だ…………何故かちょっと気分が悪くなってな……」
鈴「あんた昨日一日居なかったけど……何があったのよ?」
箒「わからない…………昨日の記憶は無いんだ……気付いたら今日になっていた……」
ラウラ「教官に折檻でもされたのか?」
箒「うぐぅっ…………!!す、すまない、ちょっとトイレに行ってくる…………!!」ダダッ
鈴「……どんだけトラウマよ」
ラウラ「教官が本気で怒ったとき、日本のマフィアの拷問が可愛く思える程に恐怖するからな……」
シャル「今頃は……セシリアも……」
鈴(っっぶなぁぁぁ~!!一歩間違えれば私もそうなってたじゃない!!)
おしまい、と言ったが……スマンありゃウソだった。ただまぁ……千冬姉ルートも書くんだからもう少し堪えてくれ
ジョルノaa略
~織斑宅~
千冬「一夏~この皿どこにしまうんだ~?」
一夏「んえ~?あ~そこの棚にしまっといてよ」
千冬「了解。さて、まぁこんなところか?」
一夏「千冬姉がいいなら掃除はオッケーでしょ。一日かかんなかったな」
千冬「そう……だな。まぁお前の手際が良かったんだな」ワシワシ
一夏「……だから、子供みたいに頭撫でるなってば」
千冬「ふふん、お前はまだまだガキだよ。ガキらしく甘えて頭を撫でられていろ」ワシワシ
一夏「えぇぇ~……千冬姉は俺なんかの頭を撫でてて楽しい?」
千冬「…………」ワシワシ
千冬「ふむ……まぁまぁだな」ワシャワシャワシャワシャ
一夏「ちょいちょい千冬姉!?」
千冬「じゃあ今度は私の頭でも撫でてみるか?わしゃわしゃでも撫で撫でも構わんぞ?」
一夏「いや……なんか怖いし……やめとく…………」
千冬「賢明な判断だな。やったらやったでそれはもう後が怖いぞ?」
一夏「だよなぁ。あ、お昼どうする?出前でも……」
千冬「あ~疲れたな~掃除疲れたな~こういう時は真心のこもった手料理が食べたいな~いつも働いている人を労うための様な手料理が食べたいな~」
一夏「はいはい。じゃあ作りますよ。リクエストある?」
千冬「肉じゃが」
一夏「ガッツリだなぁ」
千冬「それと刺身に枝豆ときんぴらゴボウがあれば最強なんだが?」
一夏「呑む気満々じゃんか」
たららったたたた。
たららったたたた。
一夏「千冬姉お待たっせ。ついでにベーコンとほうれん草の炒めものも作った」
千冬「ほう。気が利くな。何だ?小遣い値上げの魂胆か?その手には乗らんぞ?」
一夏「いやそれはもう俺の努力でアップするって決まりましたよね?」
千冬「あぁ…………そんなこともあったな……」カシュ
一夏「頼むよ千冬姉……」
千冬「ンッ……ンッ……ンク……!!ッぷぁ!!美味い!!」
一夏「く……聞き耳すらなく始めやがった……」
千冬「何だ一夏、小遣いアップしてほしいんだろ~?なら酌をしろ。酌を」
一夏「もはや酌って言うか癪に障る……ッ!」トクトク
千冬「たまのゆっくりとした休日だ。昼間から酒を飲んでもバチはあたらんだろっ……と」クピクピ
一夏「千冬姉、程々にな?」
千冬「あぁあぁ。わかってるわかってる。自分の事だ、よぉくわかってる」
千冬「うまいな、この肉じゃが」ハフハフ
一夏「まぁ、急いで作った割には良くできてると思うぜ?」
千冬「一夏の結婚相手は幸せだろうなぁ~……こんな美味い手料理が食えて…………そうだ、お前もう結婚するな」
一夏「はぁ……?」
千冬「で、アレだ、つまり私の為に料理を作れ!!」モクモク
一夏「そんな俺の将来よか千冬姉は自分の身を案じろよ」トクトク
千冬「大丈夫だ。いざとなったら一夏に養ってもらうとするからな。っとと、注ぎすぎだ一夏……勿体無い……」グビ
一夏「……質の悪い冗談だ……」
~二時間後~
千冬「……ぅぅむ……ちょっと酔ったな。一夏、次だ」
一夏「もう無いって!!大体何で500mlの缶ビール二ダースがこんな早く無くなるんだよ……」
千冬「何だキリンはもう無いのか……仕方がない」モソモソ
一夏(押し入れに頭突っ込んで尻隠さず……何探してんだ?)
千冬「あったあった。次はコレだなコレ」ゴト
一夏「山崎十八年……!ってまだ呑むのかよ千冬姉!?」
千冬「呑むに決まってるだろ。ヒック……一夏もヤるか?」
一夏「いや……俺は……まだ美味さがわからないし……」
千冬「ハッ!!や~っぱりガキだな。さ、酌だ」
一夏「うぅ……もう早く終わってくれ……」トクトク
千冬「…………」クピ
千冬「しかし……私も少し酔いが回ってきたな……」ボー
一夏「だろうね……あんだけ呑みゃあ、いくら千冬姉がうわばみ以上のやまたのオロチだろうが、眠いだろ。ほら、部屋行こう」
千冬「断る」
一夏「どないせぇっちゅうねん……」
千冬「移動が面倒だ。一夏、その枕借りるぞ」
一夏「枕……?まくら……まくら?無いぞ?」
千冬「とぼけるな。お前の膝枕の事を言っている」
一夏「ファッ!?」
千冬「まだまだ私に付き合え。たまには姉弟水入らず、でな」ヨッコイショ
千冬「おっとぉ……」ヨタヨタ
一夏「アブね!」ガシッ
千冬「…………ふむ」
一夏「ったく、何が少し酔っただよ。完璧出来上がってんじゃんか」
千冬「私はだいぶ酔ってるか?」フラ
一夏「顔真っ赤。足元フラフラ。もう確定」
千冬「まぁいい。一夏、そこに座れ。ソファーに。私は寝る」
一夏「もう……マジで膝枕?」
千冬「さんざっぱら冗談言った私だがこれはマジだ。さぁ、早く座れ」
一夏「はいはい……」ストン
千冬「じゃあ……寝るかな」コロン
千冬「ほぉ~……なかなか寝心地はいいな……」
一夏「俺ずっとこのまま?」
千冬「あぁ、私が寝て起きる迄な。手持ち無沙汰なら私の頭を撫でても構わんぞ?」ゴロゴロ
一夏「また冗談なんだろ?」
千冬「さぁなぁ。ただ今の私は酔っているからな。いやまどろっこしい……一夏、私の頭を撫でろ」
一夏「え、えぇ!?」
千冬「小娘共がやっきになって撫でられたがるお前の撫で撫で……どんなものか私も興味がわいてきてな」
一夏「っても、そんないいもんじゃないと思うけど……」
千冬「良いか悪いかは私が決める。お前は全霊を尽くして撫でてみればいいんだ」
一夏「う~……期待外れでも怒らないでくれよ?」ナデ…
千冬「!?」ピククッ
一夏「どう……かな?」ナデナデ
千冬「まだ……よくわからんからとりあえずもっと撫でてみろ!!」
一夏「お、おう……」ナデナデ
千冬「一夏……手、大きくなったな……」
一夏「まぁもう十六だしな」ナデナデ
千冬「ちょっと前まで私に撫でられていたのにもう大人になっているんだな……」シミジミ
一夏「まだまだだよ。千冬姉の言うとおり俺はまだガキだからさ」ナデコナデコ
千冬「それでも……まぁ見れるくらいには成長したか。これからもっといい男になるんだぞ?」
一夏「任せとけって。俺は千冬姉の弟なんだぜ?」
千冬「とりあえず誰彼構わず頭を撫でるようなタラシにはなるなよ」
一夏「う…………了解……千冬姉にはいいの?」
千冬「……どういう意味合いで、だ?」
一夏「いやほら、千冬姉には頭撫でるの意味で……今この状態も含めてだけど」
千冬「そんなに撫でたいのか?しょうがない奴だ。私は姉だぞ?だがそうだな……私にやるくらいなら私はいつでも撫でさせてやろう」
一夏「学校でも?」ナデリ
千冬「学校はいかんだろ」
一夏「はは、だよなぁ。で、どう?俺の撫でスキルは」
千冬「まぁまぁだな。及第点だ」
一夏「それでもよかったよ」
千冬「男なら上を目指せ。私を満足させてみろ」ゴロゴロ
千冬「と言うかお前はあの専用機持ちにはどんな撫で方をした?」
一夏「いや……色々……」
千冬「ちょっとやってみろ」
一夏「えぇっ!?」
一夏「いや~……それはちょっと~……ねぇ?」
千冬「ちょっと、何だ?」
一夏「いや……失礼にあたるかもしれないし……千冬姉イヤがるかもだし」
千冬「お前は仮にも女に失礼な事やイヤがるような事をしたのか?」
一夏「いや!!それはない!!と、思う……よ?自信ないけど……」
千冬「ふむやってみろ。私がそれを判断する。手抜きはするな?事細かに再現しろ」
一夏「それがマズい……」
千冬「や れ」
一夏「了解であります」
一夏「じゃあまず……膝枕じゃ出来ないから……座ってよ」
千冬「めんどくさいな。私は酔っていると言うのに……」ヨイショ
一夏「ああ違う違う。俺の膝に座って」
千冬「な…………!?」
一夏「で……次は……」キュッ
千冬「おぉお おい何故抱き締める!?」
一夏「シャルの時は……シャルが恋人みたいにってリクエストしたから……」ナデナデ
千冬(さらに優しく撫で撫でだと……!?)
千冬(いかん!!ドキドキしてしまう!!)
一夏「千冬姉やっぱり酒飲みすぎだよ……」
千冬(耳元で……あ……)
千冬「……スマン、酒臭かったか……?」
一夏「いやそれもあるけどさ、心臓。バクバクしてる」
千冬「あ、あ~、あ~、だな、少し飲み過ぎた、な」
一夏「でも……千冬姉の髪の毛良い匂いするよ」
千冬「か、嗅ぐな!?」
一夏「近いんだもん。酒臭いのよりか千冬姉の匂いの方が万倍良いよ」ナデナデ
千冬(うぅ……恥ずかしい……!!)
千冬(とりあえずデュノアは埋めるか……)
シャル「なんか悪寒が!?」ゾクッ
一夏「じゃあ次は……」
千冬「つ、次!?」
一夏「うん次。事細かにやると四人分あるから……いや束さん込みで五人?ま、いいや」
千冬(よくない!?)
一夏「で、次は鈴の……」ワシャワシャ
千冬「な、おい何をする!?」
一夏「何って……鈴はこうやって撫でると喜ぶんだ」ワシャワシャ
千冬「犬猫じゃないんだ、やめろ!」
一夏「だよなぁ、でも鈴はこれがいいって言うんだからわからんなぁ」
千冬「ったく……で、次は?」
千冬(凰はまぁ……許してやるか)
鈴「なんか私凄いなんでか今、命拾いしたよう気がする」
一夏「じゃあ千冬姉こっち向いて」
千冬「こ、体勢…の、このままでか!?」
一夏「……うん」
千冬「……ちなみにこれは……」
一夏「ラウラにかな」
千冬「……」クル
一夏「あの……ジッと見られると」
千冬「あぁ、凄い、姉弟なのに緊張するな……」
一夏「あ~……と、撫でていいかな……?」
千冬「早くしろ。私だって結構色々ツラいんだからな」
一夏「それで……こうやって……」スッ
千冬「んッ!?」ピク
一夏「頭の後ろを優しく撫でてあげた……」
千冬「……一夏、この撫で方はどうかと思うぞ……」
一夏「あ~……ダメだったんだ。よかれと思ってやってたんだけど……あ~そっか……」ナデ…
千冬(この鈍感が……こんな愛おしく撫でられては私とてタダでは済まんぞ……)
千冬「お前がこの撫で方をやるにはまだ十年早い。私にやる分ならまぁ目を瞑ってやるがな」
一夏「ふぅん……撫で撫での道は厳しいな」ナデナデ
千冬「…………」
千冬(あぁ……一夏の指が流れる度に……力が抜ける……)
一夏「千冬姉眠いの?」
千冬「いや……別にだが?」
一夏「なんか気持ちよさそうに、今にも眠りそうだったから……」
千冬「まだまだ大丈夫だ。さぁ次だ」
一夏「えっと……次は……千冬姉一回降りて。で、箒に……こうやって……」ナデナデ
千冬「…………待て」
一夏「ん?」
千冬「……こんな、頬を撫でたのか?」
一夏「こうやって撫でてると箒の奴、凄い猫みたいでさ~」コショコショ
千冬「ん……んむ……お前これは…………頬を……ん……」
一夏「あ~……千冬姉も猫みたいな……」
千冬「声に出ているぞ……」ンー
一夏「え?」
千冬「うむ……認めたくはないが…………まぁ悪くはないな」フルフル
千冬(これは凄いぞ!!病み付きになりそうだ!)
一夏「あ……あぁ……正直これが一番千冬姉にやったらマズいなぁって思ってたから……よかった…………箒の事もこれに免じて忘れてやってくれないか?」
千冬「……あぁ」フナーゴ
千冬(篠ノ之……ダブルオーセブンと一緒に二度殺すとするか……)
一夏「最後はセシリアなんだけど……セシリアには頭撫でてもらったからなぁ……もう特にはないかなぁ」
千冬「そうか……一夏」
一夏「うん?」
千冬「お前はもう他人の頭を撫でるな。また波乱が起きるからな」
一夏「……その方がいいよなやっぱり。学園の規律的に……」
千冬「まぁどうしてもとも言うのなら……」
一夏「そろそろ満足したしな。わかった!もう誰の頭も撫でないよ!」
千冬「私が~……って……、ん!?もう……いい……のか……?」
一夏「あぁ。さすがにもう潮時じゃないかなぁと。元々は俺のバカバカしい思い付きが発端だったしな」
千冬「お前は……もう少し自分をわかった方がいいな……」
一夏「?」
千冬「いや、もういい。さて次はオルコットか。一夏、膝枕をしてやる」ポンポン
一夏「えぇ!?」
こうして事態は収束に向かった。
心なしか千冬姉の授業は過激になり、まるでそれは鬱憤を晴らすかのようなものに近かったと言う。
余談、しばらくの間シャルと箒とセシリアの生気が全くなかったのは気のせいではないだろう。
千冬「おい一夏」
一夏「ん?」
千冬「今週末は空けておけよ?」
おしまい
千冬姉のはマジにネタが無かった
でもラスボス的な立ち位置だと考えればじゃあ今までのをやればいいじゃん(いいじゃん)って思ったんだ
てなわけでマジで終わりのほほんさん編とかもう無理。
ちなワイ、セカン党
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません