イメージプレイ 百合ver (382)

不快な表現があるかもしれません


私は電話線をハサミでちょん切った。案外と簡単に切断できるのだと知った。
なぜそんなことをしたのかと言うと、これ以上電話をするのはまずいと思ったからだ。

家の電話だった。
母の顔面が歪む。

「何をしてたの?」

私は聞いた。

「あ・・」

彼女は目を見開きつつ、受話器を床に落とした。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408833909

1です。
男とくっつくとか襲われるとかはないです

そう。
でも。
私だって、いつまでもお姉ちゃんやお母さんに甘えていくわけにはいかない。
一つずつ、準備をしていかないといけない。
人に臆病で、誰かに頼るばかりで。
生きていていいのかとさえ思うけれど。

「お姉ちゃん、私……さっきね、友達ができたの」

「え?」

「ほら、みどりさんだよ」

「……あ、ああ」

「ちゃんと、友達になれるように……頑張るね」

「邦美……こんなことは言いたくないけど、あの、みどりさんって子……私はあまり近寄って欲しくない」

姉が伏せ目がちに言った。

「どうして?」

なぜ、そんなことを言うのだろう。
純粋に疑問に思った。

「みどりさんのことを知っているわけじゃないけど……感情があんまりないというか、不気味だわ」

「もしかしたら、人付き合いが苦手なのかもしれないよ」

「それだけならいいけど……あなたのこと傷つけしまいそうで。それなら、まだ、舞の方が……」

「お姉ちゃん……」

「邦美……私がいるじゃない」

「私ね、友達が欲しいの……」

「でも、もしまた苛められでもしたら……」

「そんなことしないよ」

私は笑った。

「そう言って、前も……騙されたじゃない? 思い出すだけで……」


騙された。
それは、なんだか語弊がある。
騙されたなんて思ってない。信じていた。
一緒に遊んだり、ご飯を食べに行ったり。
それは、全てお金のいることで。
私はお母さんに内緒で自分の預金を引き出した。
私名義の口座にはお金がたくさんあった。
誰も、私がお金を使っていることに気づかないまま。
そんなことを繰り返していた。

その頃、私の心臓には後天性心疾患というくくりで、いくつかの異常が発見された。
症状が少し進行していて、先は長くないかもしれない。誰もそんなことを言わなかったけれど、直感的に分かった。
でも、手術を受けてなんとか持ち直した。
今は薬が手放せないし、激しい動きは難しい。

――君の心臓は、人より少し『動こう』という命令に鈍感なんだ――

小さい頃に、医者が言った。

いつの間にか。私たち姉妹は、あんなに親しかった幼馴染ともあまり話さなくなってしまって。
距離を置いて。3人の輪の中から、彼女を閉め出してしまった。
それは、彼女に心配をかけたくなかったからもあるけれど。
雛を外敵から守るように、高い木の上に巣を作って。
守られている。

「心配性だね……それ、中学の時の話しだよ」

「高一の時だって、体育で怪我させられたじゃない……私もお母さんも気が気じゃなかったんだから」

「舞さんが助けてくれたし」

「あの子は、何もわかってない……」

「そんなことないよ……」

カチャン――
スプーンがお皿を滑り落ちた音だ。

「あ、ご飯食べようか……」

我に帰ったように姉が言った。

「うん」

胸までの黒髪を耳にかけて、彼女はスプーンを掴んだ。



もし、この体があと数分しか動かないと宣告されたら、
私の部屋のベッドに身体を全部投げ出してしまって、
眠るように目を閉じて、
自分の運命に降参して、
お姉ちゃんの名前を呼ぼう。

それが、嬉しいと感じることなのか分からないけれど。
それで笑ってくれたら。
すごく素敵な最後だと思う。

次の日、個別の特別授業だけは受けることになった。
お母さんは教室には行かせてくれなかった。
その部屋だけは、クリーンルームで。
傷をつけられることもない。
もしかしたら、そう信じたいのかもしれない。

みどりさんと話したかったけれど、叶わないと分かって、私は少し気落ちして授業を受けた。
誰も近づかない。
来るのは、特別講師だけ。
優しい人。
私には『割れ物注意』という赤字シールがどこかに貼ってあると思っている人。
いいの別に。
本当のことだから。


「邦美さん、大丈夫?」

「あ、はい」

「そこの英文訳してくれる?」

「はい」

「しんどくなったら、すぐに教えてね」

「ありがとうございます」

休み時間。
窓の外を見ると、クラスメイトが体育をしていた。
普通の授業カリキュラムとは違うから、自分の学年の授業を見ることができる。

「……あ、みどりさん」

舞さんと一緒だ。二人でストレッチをしている。
みどりさんは少し嫌そうだ。
それでも、真面目に二人組でやってりものだから可笑しかった。

「……?」

少し違和感。
あの二人とクラスメイトとの距離があるような。
気のせいかな。
そういうのには敏感になってしまう。

ストレッチが終わると、全員で校庭を走り始めた。
寒そうにして、首を縮めている子が多い。

「寒そう……」

ここは暖房もついている。
送り迎えもしてもらって、寒さを感じることはほんの少しだけ。

窓に手をつけるとひんやりとした。

ちょっとここまで
読んでくれてありがと!

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とうとう宣伝用のスレになってしまったぁ!





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P「俺が…タイムスリップ?」
P「俺が…タイムスリップ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367720550/)

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窓を開けると、生徒たちの声が聞こえた。

「あ……」

カバンの中にあった携帯を取り出す。
カメラ機能を起動させて、ピントを合わせる。
窓ガラスが少し曇っていた。

休み時間はまだあるのを確認して、窓を開けた。
つんと冷えた空気が室内に飛び込んでくる。

「はい、ちーず」

カシャ――電子音。

笑い声。
中学の時に、三人で走ったのを思い出した。
夏の暑い時期。
最初は貧血だと思った。
眠気というか、意識が遠くなることが多くなって。
体育が嫌いになる程には、しんどかったのを覚えている。

今は、走りたくてしょうがない。

「カメラ機能なんて、久しぶりに使ったな……」

そもそも携帯すら、使う時がなくなってしまった。
もしもの時のために持たされている。
使う必要がないことはいいことなのかもしれない。

半周程回って、生徒の一群がこちらに近づいてきた。
手を振ろうか。
ドキドキする。
振り返してくれるだろうか。

「お、おーい……」

まさか。
小さすぎて届くはずがない。

「え?」

みどりさんがこちらを向いた。
隣の舞さんに何か呟いている。
舞さんもこちらを見た。
舞さんが手を振り返してきた。
みどりさんは、ワンテンポ遅れて振り返してくれた。

私は嬉しくて、手の平を開いて手を振ってしまった。
右手の重みがふっと消える。

「あ」

というまに、携帯は視界から消失した。

「大変……ッ」

下を見ると、ちょうど植木に引っかかっていた。
安堵して息を吐く。
窓を閉めて、急いで階下に向かった。

階段を駆け下りて、はっとなる。
歩調を緩める前に、すでに息は上がっていた。
胸の辺りで、ぬめぬめとした塊がローリングしたような気がした。

久々に走って、身体が驚いているだけ。
落ち着いて。
落ち着くの。

前に走ったけど大丈夫だった。
昨日の昼ごはんを抜いただけ。
お姉ちゃんに一つ嘘をついてしまったけど、大丈夫。

上履きのまま外に出た。
植木の前にみどりさんが立っていた。

「みど」

膝がかくんと崩れた。
身体が言うことを聞かず、私はそのまま意識を失った。

すぐに、痛みとともに私は目覚めた。
泥臭い匂い。
誰かに抱えられてる。
そうだ、みどりさん。

「ご、ごめんなさい……私、携帯を」

申し訳ない気持ちで彼女を見た。
彼女は目を見開いて、私を見ていた。

「なに……今の。どうしたの……」

「ちょっと、こけちゃったみたいです…」

「躓くところどこにもなかったけれど」

「よくやるんです……」

「……そう、腕離して」

私は彼女のジャージを握り締めていたことに気づき、ぱっと手を離す。

「立てる?」

「はい……」

ジャージの裾で、私の顔についた泥を拭ってくれた。

「膝擦りむいてるね。保健室に行ったほうがいいよ」

みどりさんは、振り返る。
グラウンドの向こうから、先生が急いでこちらに向かってきているのが見えた。
ほぼ全力で走ってきたのか、息を切らして、私の表情を見て少し歩幅を緩めた。
体調確認をされ、みどりさんに保健室まで付き添うように指示した。
何人かの生徒が、こちらを興味深そうに見ていた。

「わかりました」

彼女は言って、しゃがみ込む。

「おんぶするから、乗って」

「え、いいですッ……重たいし」

「邦美は小さいから大丈夫」

「でも……悪いです」

「保健室少し遠いから。さっさと行ったほうがいいと思う」

確かに足を引きずりながらでは、授業にどんどん遅れてしまう。
それこそ、申し訳ないと思って、私は背中に跨った。

「っしょ」

「……ありがとうございます」

背中に先生と、生徒の視線を感じた。
恥ずかしかった。
誰かにおぶさったのは初めてだった。
みどりさんが身体を反転させる。

「それでは」

先生は、

「あ、ああ」

やや挙動不審に頷いた。

たぶん、あの体育教師は、ひやりとしたと思う。
目の前で、私が地面に突っ伏してしまったのだから。

「邦美って、ほんとに別教室で授業受けてるんだね」

「はい……」

「習うことは同じなの?」

「そうですね……ほとんど同じです」

「楽しい?」

「あんまり……」

「そう」

みどりさんは特に興味なさそうに、その後もいくつか質問してくれた。
社交辞令みたい。私は背中にいたけれど、いないような気持ちがしてしまう。
ちょっと寂しい。

感情があまりない、わけじゃないと思う。
私のことを心配してくれてる。
ほんの少しだけど、それは分かる。
ほんの少し、私に気をかけてくれる。

それくらいの距離感が新鮮で。
軽い。

保健室に到着すると、みどりさんはさっさと授業に戻ってしまった。
私は慌てる保健医に経緯を説明すると、すぐに病院へ行くように言われた。

もしかしたら、埋め込んでいるペースメーカーやリードに異常があるかもしれない。
先ほど、転けた事も話すと、卒倒しそうな顔で電話をかけ始めた。

汚れた服はそのままで、私は迎えを待つことになった。
顔だけは綺麗だ。
みどりさんが拭いてくれたから。

膝の擦り傷は後回しにされた。
じんじんと痛む。
先に、こちらの説明をした方が良かったな。
わずかに後悔した。

そう言えば、私も授業があった。
あの特別講師は、もしかしたら母に怒られるかもしれない。
もしかしたら、辞めさせられるかも知れない。
でも、私が口を挟んだところで、何かが変わるわけじゃない。

ぼんやりと耳の奥でポークの鳴き声がした。

総合病院に運ばれて、心臓以外にも、腎臓や肺の方なども診てもらうことになった。
ペースメーカーの設定を少し変えてあるから、ふらつきや目眩が起きたらすぐに言うように言われた。

その日は病院に泊まることになった。もちろん用意されていたのは個室だった。
いくつかの検査は、予約している他の患者さんとの兼ね合いで明日に受けることになった。
お母さんとお姉ちゃんは一度だけ覗きに来てくれた。ずっとそこにいたいと言う表情だった。
見ているこちらが辛い思いになった。私は大丈夫だよと笑うしかなかった。
私が笑うと、二人も思い出したかのように笑ってくれた。

小説を何冊か置いていってくれたので、私は明日までに1冊は読破しようと思った。
看護婦さんが巡回に来てくれて、異常がないか確認してちょっとだけ会話した。
底抜けに明るく、丁寧な看護婦さんだった。

夜9時。
ふと顔を上げて時計を見ると、そんな時間だった。
首周りが重だるい。
肩が凝っていた。
けっこう長いこと読んでたんだ。

指についていた小さいメーターを見る。
首筋を触ってみる。
小さくあくびをした。

夕方に受けた検査の騒音が、未だに耳の奥で続いている。
気のせいだけれど。

「……」

本に集中していた時は良かったけれど、久しぶりに入院したせいか、落ち着かなかった。
残り3ページ。
首を回してもう一度、文字を追いかける。

読んでいた本の題名は『毎日がエブリデイ』というタイトルだった。
書店の店頭にあったそうだ。
続編に『力こそパワー』というのがあって、それも今隣にある。

たぶん選んだというよりは、店頭にあるから面白いはず、と思ったんだと予想。
お母さんとお姉ちゃんが選ぶ本にしては、俗っぽい。

タイトルを見てから、数秒後に一人で笑ってしまった。
本の中身は、それって当たり前のことだよね、という常識的な知識や処世術がつらつらと書かれていた。
社会人のバイブル! と帯からはみ出さんばかりに印字されている。

パタン――と本を閉じる。
二冊目に行くには少し疲れてしまった。
他にも紙袋に何冊か入っていたけれど、封は開けていない。

もう寝よう。

寝てる間に、何が起きるかわからない。
そういった恐怖は、もちろんあるけど。
不安は不安を呼ぶから。
あまり深く考え過ぎないこと。
多少は楽観的であること。
明日のことは明日になってみないと分からない。
さっきの本の受け売りだけど。

私の周りの人も、そんな風になればいいのに。

目を閉じた。


グラウンドを駆け回っていた。
身体が軽くて、飛べるような気がした。
地面を蹴り上げる。
足は宙に浮いた。
ゆっくりと。
陽の光を受けて。
下を見ると、
みどりさんがいた。

「みどりさーん」

手を振った。
振り返してくれた。
嬉しくて、私は空を飛び回った。
暗転。
私は落っこちる。
私の中の私を操縦していた人が、
大丈夫大丈夫、と楽観的に言った。

私は叫んだ。

みどりさんが両手を広げている。
その手には白いシーツ。
それで受け止める気?

一瞬で、すぽっと収まるように私はシーツに包まれた。
みどりさんが覗き込む。
目を見開いている。
空から女の子が。
後ろの方でそんな声がした。

みどりさんの顔が近づいてくる。

「え、え……あッ、まッ」

キスされた。

起きたら、顔の下に本があった。

「いたい……」

どうやら、本とキスしていたようだった。
看護婦さんが来る前に気がついて良かった。

夢の内容がはっきりと残っている。
そのせいか、胸の辺りが苦しい。
病気のせいじゃない。

「……なんで、あんな夢」

夢占いの本があればよかったのに。
地上にはもういたくないってことかな。
でも、私は人間だから、落っこちた。
その先にはみどりさんがいて。
私は幸せな気持ちになっていた。

「昨日、携帯落としたせいで……変なの見ちゃった」

呼吸を整える。
唇を指でなぞる。
本のせいだ。
感触が残っている。

「……」

顔が熱い。

「なにこれ……」

今日はここまで
読んでくれてありがと!


だって面白いもんな

>>185
ありがとう!

これまで読んでくれたエロい百合好きの方、ありがと!
この場を借りて、相談があるのですが、

『昼下がりの中学生 百合ver』
続編『マネージャー「うっ……やば、おえっ」後輩「ちょ、ちょっとだめえ!!」』

の続編かifを書こうか迷ってます。
そこで、背中を押していただこうと思い、短い期間ですが、投票で決めようと思います。
この期間に読んだ方で、見てくれた方がいるかわからないですが、
ご了承ください……一人でも二人でも票が多かったらそちらを書きます!(笑)




期間:今現在~12/7 19:00 まで

①マネージャーになった後のちーちゃんとかよちゃんの大逆転劇 たぶん中・長編
②完全に中学生からのif おまけ的な感じ たぶん短編
③その他(見たい展開を書き込んでください)



①か②を打ち込んでください。
良ければご協力お願いします。

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