男「本人に悪気はないんだけどな…」
義妹「兄さん」
男「…はいなんでしょう、義妹さん」
義妹「兄さんは、私の周囲にいる男性の中で、最も昨今の女性事情に精通しているのだと聞いています」
男「ああ、そりゃ俺を除けば父さんしかいないからな」
義妹「そこで、敏感な兄さんにこの春から新しく学校に通う私の服装を見繕って欲しいのです」
男「あのな、お前も俺も公立校。基本は制服、ok?」
義妹「…でもお洒落したいじゃないですか」
男「ん、その気持ちは分からんでもないけどな」
義妹「なら家族サービスだと思って、次の日曜日にでも…」
男「…ok。分かった了解」
義妹「! 本当ですか」
男「…本当だ。分かったから、分かったから」
男「…俺のトランクス、そろそろ返して下さい」
ーーーーー
男(昔々、俺には妹はいませんでした)
男(ある時、俺の家に新しい母親がやってきて、)
男(ある時、俺には義理の妹がいるのだと告げられました)
男(ある時、俺は病院に連れて行かれて、)
男(……ある時、肌と髪が真っ白で、お目々の紅い女の子と出会いました)
…というのは冗談で、えーと…、
以前ここで書き掛けたまま放置してた駄文の続き書いても良いでしょうか?
去年の年末以降放置してた、偽アルビノっ娘の物語ですが…。
おー。ありがとうございます。
しからば密やかにはじめさせて頂きます。
兄「…従妹におしっこを飲ませる?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1352825321.html)
1:2012/12/31(月) 10:52:06 id:ol2kzyjq
?「…あの娘の亡骸を、町場の火葬屋よりも有用に『使って』みせよう」
?「置物として愛でるにしろ、またと無い一品だろう」
?「悪くない、悪くないな」クックック
医「………」
?「…そう睨んでくれるなよ。あくまでも仮に完治させねば、の話だ」
?「そう、君が治せば解決する話さ」クックック
?「医者は医者であれば良い。患者にとっても、我々にとっても…」
?「…以上の二点を支払ってくれるならば、我々も君に対してはそれ以上多くを望まん」
?「……さて、話は以上だ。君、この男を下がらせたまえ」
側近「…」スッ
医師「……否、まだ肝心の部分を覗っていません」
?「ん? まだ何かあるのか?」
医師「患者は、…触れられたくない過去を暴露された患者は? インターネット上にばら撒かれた画像は、特定の場所から削除しただけでは不十分だと思われますが?」
?「…くくっ」
?「くくくくくっ」
医師「?」
?「…ああ、その件に関してなら既に手配を終えてある。後は我々に任せたまえ」
?「……くくっ、随分と大きな買い物でしたなぁ」
?「言っただろう? 君は医者であればいい、…それとも、我々の領域を侵してみるかね?」
医「……必要、ならば…」ギリッ
?「…おお、怖や怖や。噛み付いて見せる気か?」クックック
?「御老、お戯れはそれぐらいに。…医師、立場を弁えろ」
医「……出過ぎた真似、申し訳ありません…」
?「ああ、そうだ。それでいい」
医「…………」
?「…………」
?「……では、お互いこれ以上に言葉は無かろう。この会合はここで解散とする」
ー帰りの車内ー
ブロロロロロロ………
側近「………」
医師「………」
側近「…やはりあの方達のことが信じられませんか?」
医師「………」
側近「安心して下さい、この車は各国の外務官の御用達。盗聴や録音の危険性は無いものとお考え下さい」
医師「…そうですか」ホッ
側近「まあ、部下の私が言うのも変ですが、あの人達にはあの人達なりの世界での常識がありますが、そしてそれらは、得てして世間一般の常識とはかけ離れています」
医師「…所謂、永田町での常識というものですか」
側近「ええまあ…」
医師「どの国においても、そのトップは様々な世界が複雑怪奇に絡まり合い、その癖、密接な関係を保つことで成り立っています。
彼らの言う《言葉》にしても、確かな力が宿っているのでしょう」
側近「…言霊ですか。言い得て妙ですね」
医師「…………」
側近「医師さんは、先程の会合、どの世界の人間が出入りしていたか分かりましたか?」
医師「さすがに、昔勤務していた大学病院の教授陣くらいは分かりましたが…」
側近「…政界、財界、宗教界、医学会に民族学会。どの面子も、そうそうたる有名人ばかりですよ」
医師「……」
側近「…そんな高名な方々の集まりなのに、どうしても顔を合わせれば、派閥やら学閥やらのしがらみばかりで」
医師「…………」
側近「ご存知の通り、今のこの国では限られた予算の中を少しでも捥ぎ取ろうと、皆さん成果を競って、かなり殺伐としたものとなっています」
医師「…ええ、存じているつもりでした」
側近「お世辞にも和やかな雰囲気とは言えませんでしたね。…もし、腹に据えかねたのなら、上役に代わってお詫び申し上げます」
医師「…慣れています」
側近「そうでしたか」ハハハ
医師「それよりも、貴方の上役とは?」
側近「ええ、上は欧州から例の患者に関連のレポートを取り寄せるため、向こうの学会と渡りをつけた人間の一人です」
医師「それは、何とお礼をいっていいやら」
側近「…ま、先程、貴方に暴言を吐いた一人でもありますが…」
医師「…………」
側近「さて、無駄話はこれぐらいにしましょうか」
医師「ええ」
側近「…もうすぐ赤坂見附。御降りになる前にアタッシュケースの中のものを…」
カチャ
医師「? この箱は?」
側近「…『黒うさぎ』からの敢闘賞です。どうぞお納めになって下さい」
……………………
………………………………
【7月22日(土)】
(朝)
―ロッジ101玄関前―
ドタドタドタ…
歯科医「…おい! 兄、起きてるか!」
兄「歯科医さん? …少し待って下さい、今、従妹の着替えを手伝っているので」
歯科医「…………」イライラ
ガチャリ
兄「お待たせしました、どうぞ中へ」
歯科「おう、すまんな。朝早くから。…それより少し時間を貰ってもいいか?」チラッ
兄「分かりました。ほら従妹、管理人さんと一緒にいてくれ」
従妹「? かんりにんさんとですか? にいさんは?」
兄「ああ、俺は歯科医さんと話がある。大人しく待っててくれ」
従妹「…いやです」ギュッ
兄「我侭言うなよ、すぐにそっちに戻るからさ」
従妹「………」ウー
管理「ほら、従妹ちゃん。言うこと聞かない子のは嫌われますよ?」
従妹「……わかりました」
管理「はい、良い子ですね」ナデナデ
兄「それでは失礼します。歯科医さん何処に向かえば?」
歯科「…管理小屋のロビー」
兄「ロビー?」
歯科「もう少ししたら次の報道番組があるだろ。丁度いい、隣の奴らも叩き起こせ」
兄「え、え?」
歯科「……ほら早くしろ。記者会見の時間に間に合わなくなるぞ?」
ドーモ、19=サン
一応、これは、
兄「…従妹におしっこを飲ませる?」
兄「…従妹におしっこを飲ませる?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1352825321.html)
の続きの駄文となっています。
とにかく不憫な従妹をどうにかしようと舞い戻ってきたのですが、
実際、かなり個人的に気まずく、
また春なので未成年の方も多かろうと、タイトル詐欺を行ったしだいです。
まことに申し訳ありません。
ちなみに前作、
姉「妹に監禁された」
姉「妹に監禁された」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1327413569.html)
は完全放置状態です。本当に申し訳ありません。
ー管理小屋ー
ーロビー歓談室ー
------------
キャスター『jnnの○○です。現場の××さん、そちらの様子は?』
レポーター『…はい、今回問題のあったh県立山ノ上病院に来ています。
これから間もなく病院側による会見が開かれるとあって、
朝早くから、多くの報道関係者が詰め掛け、病院内はごった返しています』
キャスター『そうですか、まだ会見は開かれていないのですね』
レポーター『はい、病院側によれば午前9時から始められるとのことです』
キャスター『しかし××さん、この事件に関して病院側の対応は異例とも言える早さですね』
レポーター『…はい、現代の医療界の根幹を揺るがし兼ねない事態とあって、
病院側も緊急会見の必要性に迫られたものと思われます』
キャスター『では、一旦カメラをスタジオに戻して……』
------------
歯科「うし、間に合ったな」
兄「……山ノ上って、歯科医さん達の病院じゃないですか」
歯科「その様子なら、やっぱり昨日のニュースを見てなかったのか」
兄「ニュース?」
歯科「…俺も寝耳に水でな。昨晩遅くに病院内の情報管理システムが破壊されたそうだ」
友「破壊って暴動でも?」
歯科「否、物理的にって話じゃない。患者の個人情報やら手術の予定管理なんかを管理しているコンピューターが軒並みダウンしたってことだ」
友「…それって、かなりやばくないですか?」
歯科「…やばいどころじゃねぇ。病院の信用自体に関わる重大事件として、今の病院長と管理責任者の首は軽く消し飛ぶだろうよ」
兄「医師さんからの連絡は?」
歯科「それがさっぱり。多分復旧作業に追われてるんだろ」
兄「歯科医さんは戻らなくても?」
歯科「安心しろ、病院長命令で一般臨床の場からは外されてた。受け持ちの患者なら、既に他の先生方に移ってる」
兄「…………」
歯科「しっかし、資料室の俺のpcまでぶっ壊れてるのなら、話は別だ」
兄「従妹のデータですか?」
歯科「ああ、あの中には検査結果やら治療経過だけでなく、バートリー関連の翻訳文なんかもあったからな。一から積み上げるとなると気が滅入るなんてもんじゃない」
友「バックアップは?」
歯科「…当然市販品は入れてあるが、問題はそこじゃねぇ」
兄「?」
歯科「…お前らも電子カルテってのを聞いたことがあるだろう?」
友「患者の診療記録をネットを介し、外部機関との相互伝達を早めようってヤツですか」
兄「……」
歯科「おう、その通り」
友「けど、同じ病院内でのやりとりは、通常オフラインだと聞いてますが?」
歯科「…なんだ、よく知ってるじゃないか。電子カルテってのは個人情報の塊。当然の防衛策だわな」
兄「そのシステムが破壊されたってことは?」
歯科「獅子身中の蟲。外患誘致、…敵は俺達の病院内にいるってことだろうな」
友「…………」
兄「…歯科医さんは、この行為が何のためだと?」
歯科「見せしめ、あぶり出し、奇病治療研究に関する学会内のごたごた。…あの子関連だけでも心当たりが多過ぎる」
兄「完全に、向こうからの連絡待ちですか」
友「…………」
歯科「…………」
女「……あの~…」
兄「? どうした、女」
女「……あのさ、兄君のお母さんって、あの病院の看護師さんだよね?」
兄「! そうか、母さんなら!」
歯科「…止めとけ、どうせ緘口令が敷かれてるだろ。迂闊に動けば母親が人事部送りになるぞ」
兄「でも!」
歯科「…子供の正義ってのはいつだって正しくて脆い。社会的な立場を視野に入れてないからな…」
歯科「ああ畜生、会見が始まりやがった」
6月12日 従妹到着(2012/11/14(水) 04:21:25 id:xzpwq60q)
↓
6月24日 第一章 了
↓
7月11日 第二章 開始
↓
7月17日 キャンプ場へ避難
↓
7月21日 一旦、スレ落ち(2012/12/31(月) 10:52:06 id:ol2kzyjq)
↓
本項 7レスから再開 (2013/04/05(金) 04:21:46 id:koegsomc)
時系列的には、まだ男と義妹は登場してないです。
分かりづらくてごめんなさし。
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ー同日 昼ー
ーキャンプ場 ー
兄「…ほら従妹、人参も食え」ホラヨ
従妹「はい、にいさん」アーン
友「今日の昼はカレーか。…これ従妹ちゃんが作ったのか?」
従妹「はい、管理人さんと一緒に」
管理「従妹ちゃん、今日は包丁を使ってお手伝いしてくれたんです」
従妹「…不恰好な出来ですが///」エヘヘ
女「わー凄い!頑張ったね」
従妹「…………」
女「? ほら、兄君も褒めて褒めて」
兄「おう、なかなか美味いぞ」ナデナデ
従妹「そうですか、嬉しいです」ニコリ
管理「病院側の状態はいかがでしたか? その顔ではあまり宜しくないようですが」
歯科「…回線がパンクしてやがる。手元にあるのは、今朝届いた全職員向けの待機命令だけだ」
兄「会見の方も、病院長の平謝りばかりで、記者の質問には終始調査中と答えてばかりでしたからね」
歯科「…どうにも上手くないな。病院に戻っても間者とマスコミの質問攻めに捕まるのは目に見えてるぞ」
女「ここに、いつまで隠れてたら良いんだろう」
従妹「……にいさん」クイクイ
兄「? なんだ? お代わりか?」
従妹「あの、皆さん何のお話をしてるんですか?」
兄「…うーん、少し困ったことになって、家に帰るのが伸びそうだなって話をしてるんだ」
管理「ここは僻地ですから色々と足りない物があると思います。リクエストがあるなら、私が町まで出て買出しに行きますよ」
友「あ、じゃあ俺もついてこうかな?」
女「…あんた、黒うさぎの件はどうすんの」
友「だってよ~、あれから一度も姿を現さないし、それどころか関わらない方針に決まっちまったし。俺がここでやるべき目的がなくなっちまったってよ~」
女「…それは…、うん、確かにそうだけどさ」
友「な? だったらここであーだこーだ悩むよりも、身体を動かしてた方が俺の性分に合ってるし」
兄「…そっちの進展も無いのか?」
友「お~、あの掲示板、昨日のレスは一昨日の半数以下。今いるのは保守担当の人間だけだぞ」
女「やっぱり一斉削除の件が響いてるの?」
友「…多分な。規制が入った後、過去データを再度うpする人間も何人かいたんだが、すぐに削除対象になって消されてたし。ありゃ過疎るのも時間の問題だ」
兄「他の風紀委員からは?」
友「…他の掲示板でも類似した状況だそうだ。まあ夏休みだし、野次馬根性しかない連中にとっては、いつ更新されるとも知れないスレッドに一日中張り付いてるよりかは、外で遊んだほうが楽しいんだろうよ」
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