【東方】レミリア「幻想郷TVへようこそ」 (74)


①当スレッドは『東方Project』二次創作です。
 登場人物のキャラクター崩壊に注意。

②取り上げて欲しい内容を『お便り』の形でレスしていただければ――。
 作中で取り上げることができます。
 (ペンネームがあればなおよし)


#第1話『レミリア&咲夜の紅月談話』#


幻想郷が、外の世界に向けて宣伝を打った。
――Youtubeで。

幻想郷の紹介は最初の2年でとうに内容も尽き果て……。
今は、少女たちが雑学披露や討論を繰り返すだけの動画になってしまった。
それはそれで需要があるらしいが。

その動画シリーズ、名を幻想郷TVという――――。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408705539


レミリア「ねえ咲夜。この世には、いろいろと『お約束』があると思うの」

咲夜「お約束ですか?」

レミリア「予定調和というのかしらね……」

レミリア「例えば貴方がレミキチで、私のパンツ被ってフォォォ!! みたいな」

咲夜「それは……なんとまあ……」

レミリア「で、セリフの9割が『お嬢様~~鼻から忠誠心という名の血液が~♪』なのよ」

咲夜「holy shit!! その下劣な名誉棄損を止めてください!」

レミリア「けど結構『お約束』なネタなのよ? 貴方が知らないだけで」

咲夜「どこで交わされた約束ですか」

レミリア「そうね……幻想郷の外というか」

咲夜「……OK」

レミリア「……Good じゃ、本題に入ろうか」


レミリア「幻想郷TVへようこそ。今回、こんなお便りを頂きました。咲夜、読んで差し上げて」

咲夜「千葉県在住の『スランプです』さんよりのお便り」


SS速報VIPで作品を投稿したとき、あるレスがつきました。
「基本がなってない。奇を衒うだけで何も分かってない」
とのことです。

そのあとも「そうだよな。やっぱりお約束も分からないのに尖った話は作れないよ」などなど、そういうレスが殺到したのです。

そして執筆の練習を始めて半年、早くもスランプ状態に陥りつつあります。
誉れ高きデーモンロード、レミリア様にお伺いしたいです。


「物語のお約束って何ですか?」


レミリア「まあ。可哀想に……心無いレスに心折られる作者も多いからね」

咲夜「確かに……でも、気にしなくてよいのでは?」

レミリア「いや、でも作者は納得した上で、ステップアップしたいらしいわよ」

咲夜「なるほど……となれば、今回の内容が決まりましたね」

レミリア「そうね……今回は創作物特有の『お約束』が何なのか、何を意味するのか、例を挙げながら考えましょう」

レミリア「メイドと吸血鬼の紅月談話」


「さあ、貴方の迷う暗闇を、真っ赤なお月で照らしましょう」



##お約束①死亡フラグ##


≪俺 実は基地に恋人がいるんすよ≫

≪戻ったらプロポーズしようと≫

≪花束も買ってあったりして≫


レミリア「ベッタベタね」

咲夜「ええ。今後の展開も容易に予測できます」

レミリア「そうね。その兵士はあえなく死亡。基地に遺体が運ばれる」

レミリア「基地の恋人が受け取るのは、花束と戦死報告」

咲夜「恋人の涙と、ありきたりなお涙頂戴イベント」

レミリア「お偉いさんが言う『彼は……最後まで模範的な隊員だった』」

咲夜「恋人は嗚咽混じりに『でも……模範的な恋人ではありません……』」

レミリア「そして、彼の墓の前に佇む彼女は、彼が渡そうとしていた花束を持っている」

レミリア「花束には『結婚しよう』と書かれたカードが添えられていて……」

咲夜「『プロポーズ……貴方の口から聞きたかった……』」

レミリア「……」


レミリア「うー……悪くないわね……シンプルに感動的」

咲夜「お嬢様。ハンカチをどうぞ」

レミリア「な、泣いてないけど、受け取っておくわ」

咲夜「はい。お嬢様」

レミリア「……そう。死亡フラグ。ベタだけど、ベタが悪いとは限らないね」

咲夜「ええ。それだけ長く愛されてきた展開ということですから」

レミリア「多くの映画やドラマは、死亡フラグを意識して裏をかこうと捻りすぎる」

咲夜「……死んだと思ったでしょ!? でも胸元の聖書が銃弾はじいたから!! はいハッピーエンド!! と」

レミリア「そうそう。で、視聴者は結局、裏の裏を読んで、それを当ててくる」

咲夜「ムキになった脚本家が裏の裏の裏の……イタチごっこですね」


レミリア「逆に素直に死亡フラグ→死亡の流れを忠実にやったら『おっ、ギャグか?』って反応よ」

咲夜「『ジョジョの奇妙な冒険』第5部のナランチャとかですかね」

レミリア「あー。ボルチーニ茸のピッツァも食べたい! → 柵に刺さって死亡の流れか」

レミリア「あのシーン感動的だけど、たしかにメタ目線で見ればテンポ良すぎで笑っちゃうわね」

咲夜「お約束すぎるのが原因でしょうか」

レミリア「そう。それがお約束の弊害」


「死亡フラグっていうのは、お約束のメリットデメリットを半分ずつ持ち合わせた、興味深いお約束よ」


お約束のメリットは、話を作る方も、受け取るほうも、そんなに考えずに楽しめること。

デメリットは、見飽きて嫌になってくること。先が読めてつまらなく感じること。

そんな感じかしら。


「死亡フラグについて掘り進めるのはまた今度。今はお約束の基本について、刑事ドラマを見ながら確認していきましょう」


#お約束②刑事ドラマ全般#


#まず死体が転がる(大抵夜)


レミリア「日中に死体が見つかる場合、第一発見者の悲鳴もプレゼントされるわ」

咲夜「なぜ死体を転がさなきゃいけないんですか」

レミリア「視聴者の目線を釘づけにして、見てもらうためよ」

レミリア「あと……それ以外に『魅力的な掴み』を知らない作者もいる」

咲夜「ああ……なるほど……」

レミリア「ちなみに、『相棒』シリーズなんかは奇を衒うことも多いわね。それでもたまに冒頭で死体が転がる」

レミリア「死体転がしは、それほど手軽に視聴者を掴めるのよ」

レミリア「まあ、うんざりしている人がいるのも確かだけれど」


#偉い人『お前は謹慎だ!! 捜査から外れてもらう!!』
 新人刑事『分かりました!!(半ギレ)』


レミリア「こういう輩はいつも勝手に捜査を再開するのよ」

咲夜「主人公がベテラン刑事の場合、この新人は大ポカやらかしそうですね」

レミリア「それでベテランが優しくフォローし、新人との絆が生まれ……悪くないわね」

レミリア「けど、ベテランが謹慎を喰らった場合、ちょっと事情が違うの」


#偉い人『お前は謹慎だ!! 捜査から外れてもらう!!』
 ベテラン刑事『……分かりました』


レミリア「数分後、何食わぬ顔で関係者の近所の公園をぶらついていたりするわ」



アリス『刑事さん。もう全部話しましたよ。まだ何か用件でも?』

ベテラン刑事『いえ……この芝桜、綺麗ですね』

アリス『ああ。魔理沙が生前に、市の許可のもと植えていたんです』

ベテラン刑事『魔理沙さん。園芸もお好きだったんですね』

アリス『魔法の触媒です。あの子、『スカーレットフレームという品種は質のいい魔法薬を作れるんだ』とか何とか』

ベテラン刑事『……スカーレットフレーム……』



レミリア「証拠を穏便に集めて、普通に捜査している同僚に横流しするの」

咲夜「手口がスマートですね」

レミリア「ベテランがベテランたる所以ね。こうやって主人公を持ち上げるわけ」


#キーパーソン『○○公園で落ち合いましょう。そこで全てを話すわ。真犯人が分かったのよ』


レミリア「キーパーソンは死ぬ。事件があっさり解決しちゃうから、盛り上げるために死ぬ」

咲夜「なんで電話で真相を話さないのかしら」

レミリア「だって、話しちゃったらつまらないでしょ?」

咲夜「確かに」

レミリア「電話で話せない理由。メタ視点抜きで真面目に考えてみれば――」


・真犯人がキーパーソンを探しているので、転々と逃げる必要がある。暇がないから切り上げた。
・傍受されることを恐れた。
・気を引こうとしていただけで、実はなにも知らない。
・頭を冷やす時間が欲しかった。


レミリア「といったところかしら。これらを取捨選択して、妥当なものが脚本になる」

咲夜「こういうセリフ1つとってみても興味深いものですね」

レミリア「ええ。脚本家の苦悩が透けて見えるシーンは、見ていてワクワクするもの」

レミリア「脚本家は運命を操って、なるべく楽しい物語になるように苦悩するの」

咲夜「お嬢様とは正反対の方向で、能力を活用するのですね」

レミリア「そうね……私は『運命』をテーマパークだと思って遊び倒しているのだから」

レミリア「次。取り調べよ」


#取り調べ方


美鈴『……』

脇役刑事『魔理沙が勝手に門を通ると、お前はどやされる……』

脇役刑事『つまり、魔理沙さえいなければお前さんはゆったりと昼寝でもできたわけだ』

脇役刑事『事件当日、魔理沙はいつものように軽口を叩きながら門をくぐろうとした……』

脇役刑事『それでついカーッとなって、後ろから……ブスリッ!!』

脇役刑事『貴様がやったんだろ!! 包丁から指紋が出てるんだぞ!!』

美鈴『わ、私は確かに、魔理沙さんに手を焼いていましたが――』

ベテラン刑事『殺すほどでもない。そうだろ、美鈴さん』

ベテラン刑事『おい脇役刑事。交代だ』

脇役刑事『けッ……』

ベテラン刑事『すまないね……ほら、美鈴さん。貴方の故郷の名物駅弁だ』

美鈴『えっ』

ベテラン刑事『今温めてもらうから、ちょっと待ってて』


――――。


レミリア「脇役が強引に取り調べを進めるなか、主人公は容疑者にニコニコと会話するのよ」

レミリア「容疑者に美味しい食べ物とか与えてさ」

咲夜「これでベテラン刑事さんの株が上がりますね」

レミリア「そう。警官の悪い部分は脇役で描き、主人公をヨゴレにしない手法よ」

咲夜「確かに……主人公が強引に取り調べして自供に頼りっきりとか、イヤですものね」

レミリア「そうね。この手法により警察の悪習を糾弾できるし、悪い刑事との比較で、主人公の印象を良くすることができる」


#別の容疑者との迫真のチェイス&スリリングな格闘


レミリア「これもお約束ね。血気盛んな視聴者が唯一盛り上がる場面よ」

咲夜「捜査や人情ドラマが嫌いな人は、刑事ドラマを見ないんじゃ……」

レミリア「確かにそうね。そして、こういうアクションシーンは、3つの流れを基本としているわ」


①ピンチ
 (視聴者に不安を抱かせてドキドキさせる)

②逆転
 (主人公優勢の状態で安心させ、クールダウン)

③逮捕するor逃げられる。
 (次の展開への期待感で、じわじわドキドキさせる)


レミリア「そうすることで視聴者はテンションを乱高下させて、ダレない、飽きない、質のいいアクションを楽しむことになる」

レミリア「ここで逮捕されるのが真犯人だった場合、番組終了まであと10分といったところかしら」

咲夜「急いで物語を畳みにかかっているさまが、ありありと目に浮かびますね」

レミリア「逃げられた場合は、視聴者はテンションを維持したまま――」


「舞台は東尋坊に移る」



#東尋坊に追い詰められる。
知っているとは思うけど、東尋坊とは典型的な断崖絶壁で、クライマックス感ある場所。


咲夜(女刑事)『貴方が魔理沙を殺したのね!?』

レミリア(容疑者)『…………死んで当然だった』

咲夜『貴方の親友パチュリーさんの……大切な友達なんでしょ!? なんで……』

レミリア『うるさい!! ……刑事さん。お前に何が――』





咲夜「う~☆ う~☆」

レミリア「!?」

咲夜「東尋坊にパトカーが到着しました! 俳優女優が揃い踏みでカッコよく包囲! もう抵抗しても無駄ですよ!」

レミリア(あ、あぁ。う~☆ってサイレンだったの……)





レミリア「隙を見て犯人が女刑事を人質に取る」

レミリア『近づいたらこの女を殺すぞ!!』

咲夜『きゃっ』


ベテラン刑事『咲夜を離しなさい』

レミリア『うるさい!!』


ベテラン刑事『……真犯人が自供したんですよ』

レミリア『違う!! 私が犯人だ!』

ベテラン刑事『もうパチュリーさんを庇うことはできません!!』

ベテラン刑事『パチュリーさんは、貴方が身代わりとなって指名手配されていることを知り、自供しました』

レミリア『……バカね。黙っていれば……逃げられたのに……』


咲夜「そして泣き崩れる容疑者が、洗いざらい事件の謎について吐き倒すのです」

レミリア「まるで義務のように回収される数々の謎、謎、謎」

咲夜「流れ出す『もう終わっていいよね』な感じのしんみりBGM」





ベテラン刑事『今回の事件は……皆の心が少しずつすれ違って生まれた、ある種の事故なんじゃないかな』

咲夜『事故?』

ベテラン刑事『そう。事故……ほんの些細なきっかけさえなければ、皆幸せだったはずだよ』

咲夜『……あ! 刑事、あの事故(冒頭で発生)の報告書、まだ仕上げてなかったでしょ!!』

ベテラン刑事『ああ!! いっけね!!』


おわり





咲夜「こんな、お茶目で雑なハッピーエンドでオシマイ。と……」

レミリア「こういう作品が多すぎて、途中で番組すり替えても気付かないとすら思えてきたわ」

咲夜「主演はだいたいいつも船越英一郎ですものね」

レミリア「他にも沢山いるぞ。語らせたら長いけど」

レミリア「そうそう……ところで、もちろん、東尋坊で追い詰められるのは普通の真犯人でも構わない。そっちも十分お約束なのよ」



レミリア「ここまで見ていって、刑事ドラマの基本的手法が浮き彫りになったわね」

咲夜「手法?」

レミリア「そう。以下の3つの点が王道なポイントかしら」


①主人公はヒーロー。ヒーローが動く。
②視聴者に好かれる主人公と、主人公の良さを際立たせる脇役。
③話を二転三転させ、視聴者を飽きさせない。


レミリア「人気のある刑事ドラマは、大体みんな王道を行くストーリー構造をしている」

レミリア「先程挙げた『相棒』シリーズなんかも、奇を衒いつつも本筋は王道ということ」

咲夜「ちなみに、王道とお約束の違いは?」

レミリア「『王道=メジャーな手法』で、『お約束=王道の結果』ね。読者や視聴者は、作品の結果しか知らない」

レミリア「つまり、お約束は王道によって生まれるのよ」

レミリア「これから何か作品を……そう。SSとかを書く人は、まず王道の面白さを理解しなさい」

レミリア「王道の面白さが分からないからって、王道をバカにしてズレたことをやらないように!」

レミリア「ペンネーム『スランプです』さん。貴方は……小説を沢山読んで力を付けなさい。話はそれから」

咲夜「でも、王道じゃ退屈になるんじゃ……」

レミリア「王道を知らなければ、どこが脇道なのかも分からない……」


「お約束を破るには、まずお約束を知ること」


レミリア「こういうの、登山の基本なのよ? 最近の外の世界の輩は軽装で富士山に登ろうとしたり――」

咲夜「お嬢様、お嬢様」

レミリア「ん」

咲夜「話が、脇道に逸れています」


レミリア「今回の幻想郷TV。いかがだったかしら」


「お約束の本質って何!?
 王道な物語って、どうやったら作れるの!?
 ――そんな疑問には答えようがない。結局のところ、時代や場所に左右されるのさ。
 そして古くから人気の作劇手法が、明日も通用するとは限らない。
 だから、新しいお約束を開拓していく。それが表現者の宿命なのよ!!」


「……だって、それがお約束だろ?」


咲夜「以上。レミリアと咲夜の紅月談話でした」

レミリア「真っ赤なお月で照らされたなら、もう誰も迷わない」


咲夜「…………今回。暗闇を照らしたりしましたか?」

レミリア「照らした。けど……目を開くかどうかは、視聴者次第だもの」


第1話 『レミリア&咲夜の紅月談話』

END


紫「あらあら。そんなわけで、SS版の第1話は丸投げエンドで終わりみたいね」

お便り、随時お待ちしているわ。
内容は、雑談でも、真剣な悩みでも構わない。

下らない質問は下らなく、真剣な話題は真剣にがモットーらしいわ。

無ければ無いで、捏造したお便りで寂しく進めるけれど。

紫「それじゃあ、これからも幻想郷TVをよろしくお願いいたしますわ」

――――

今回はここまで。
言うまでもないと思うけれど、幻想郷TVは架空のyoutubeチャンネルです。

youtubeで宣伝なんかして大丈夫なのかい いろいろと

ペルソナのアニメのシャドウがアラガミにしか見えません、どうしたらいいですか

巷ではお嬢様の帽子がドアノブカバーと言われていますがどう思われますか?

パチュリーさんって喘息らしいですけどどのくらいまで進んでるんですか?


#第1.5話『紅月談話のお便りコーナー』#

>>19>>21
第2話で纏めて回収します。


レミリア「さて。さっそく好評につきいくつかのお便りを頂いたわ」


>>22
>巷ではお嬢様の帽子がドアノブカバーと言われていますがどう思われますか?


レミリア「……That is good question……やんちゃしてた頃の私なら、宣戦布告と受け取っていた」

咲夜「やんちゃな頃のお嬢様……実際にお目にかかったことはありませんね」

レミリア「典型的なワルさね。気に食わないってだけでルーマニアの独裁政権を潰したりした」

咲夜「それはそれは……ああ。チャウシェスクですね。ええと、それはまあ置いておいて……」

レミリア「ドアノブカバー?」

咲夜「ええ。ドアノブカバー。やはり腹が立ちますか?」

レミリア「……最初聞いたときは、少しだけムッとした。けど今は……」


「幻想が1つ守られるなら、それでいいの」


咲夜「幻想を……守る……」

レミリア「何も、吸血鬼や天狗だけが幻想じゃないのよ。朱鷺や、紙芝居師なんかも幻想の1つで……」

レミリア「じきに、ドアノブカバーも幻想の1つになると思っている」


レミリア「自動ドアの普及が進めば、普通のドアが駆逐されるということよ」

レミリア「自動ドアにはドアノブカバーを付けられない。だから、私のナイトキャップをカバーと呼ばせて、幻想を保持するのよ」

咲夜「それはちょっと極論かつ曲論なんじゃ……」

レミリア「そうかしら」

レミリア「私はね……ランタンがシェアを奪われていく様をこの目で見たのよ」


電気の利用が実用的になって来た当初、ランタンや街灯業者は皆、口を揃えてこう言った。

「あんな限定的な明かりが、我らを脅かすはずもなし!」

けど実際に電球の普及が始まると、火による照明の危うさが浮き彫りになった。


・火事の危険
 つけたまま放置できず、誰かが安全確認する必要がある。
 安全確認していても火事になる時はなる。

・煙(有害物質)の危険。
 産業革命当初は無視されてきたが、それでも『霧の都ロンドン』と呼ばれるほどに有害物質を吐き散らした。
 認知されることなく、煙による害で何人も死んでいる。


結果、電気の登場により、手放しで100%ランタンが支持される時代が終わったのね。
ランタン業者は発狂して9割方ダメになった。


咲夜「なるほど。でもランタンは、今でも災害時やアウトドアで使用されますよ」

レミリア「棲み分けているのよ。そう、すなわち自動ドアと手動ドアの関係も、それと同じ」

レミリア「今は、自動ドアがコストの面から絶大な普及率とは言えないだけ」

レミリア「もっと安価かつ省エネルギーで自動ドアにできるなら、皆そうするでしょうよ」

レミリア「LEDのランタンが大好評発売中だっていう事実の通りに」

咲夜「自動ドアと手動ドアが、電球とランタンの関係になる」

レミリア「その通り。そして手動ドアが懐古趣味となるその日に備えて、私はドアノブカバーを頭に乗せる」

>>23
パチュリーさんって喘息らしいですけどどのくらいまで進んでるんですか?


レミリア「良い質問ね。だけどプライバシー云々により私は答えない」

パチュリー「話は聞かせてもらったわ」

レミリア「おいおい。大丈夫なのか?」

パチュリー「大丈夫。それで……そうね……喘息……」

パチュリー「急な発作で死に掛けることは日常茶飯事ね」

パチュリー「けど、魔法薬飲んで、安静にしていれば発作は収まる」

パチュリー「安心して。日陰の少女は簡単には死なないのだから」

レミリア「……」

パチュリー「以上よ。このお便りのコーナー畳むんでしょ?」

レミリア「……」

咲夜「お嬢様?」

レミリア「あ、あぁ……第1.5話のお便りコーナーは、これにておしまい」

咲夜「それでは、また会う日まで」


第1.5話『紅月談話のお便りコーナー』

END


今回はここまで。
次回は命蓮寺の面々が幻想郷TVをお送りします。

お便りを随時お待ちしております。

それでは

おつー
おぜうのカリスマは超銀河剣 THE FINALでブレイクできますか?


ナズさんは実は天部に相当する霊格を持つ存在、或いは毘沙門天直属の天部そのものとも言われていますが、
実際のところどうなのでしょうか?


おぜう様の方便はスマートですなぁ


質問

幻想郷土料理の番組を担当するのは誰なんですか?

幻想住民が作るアニメはどんなんですか?

南無さんの弟関連~現在に至るまでのドキュメンタリードラマはあるんですか?


>>28
>おぜうのカリスマは超銀河剣 THE FINALでブレイクできますか?

レミリア「TCGでカリスマブレイクなんてしないさ。遊びにマジになったりはしない」

咲夜「けど、無邪気にゲームを遊ぶ、可愛らしい姿がカリスマブレイクと呼ばれているんですよね」

レミリア「ゲームを無邪気に楽しめないカリスマ。そんなものは要らない」

レミリア「というか、レミリアスカーレットのカリスマは単なる威厳じゃなくて、このぷりちーな魅力なのにさあぁぁぁ……うぅぅぅぅ……」

咲夜「御馳走様です」


>>29
>ナズさんは実は天部に相当する霊格を持つ存在、或いは毘沙門天直属の天部そのものとも言われていますが、
>実際のところどうなのでしょうか?


ナズーリン「フフフ……さあね。けど、第2話をご覧になれば、新しい発見があるかもしれないよ」


>>30
>幻想郷土料理の番組を担当するのは誰なんですか?
>幻想住民が作るアニメはどんなんですか?
登場をお楽しみに。ただ、アニメのほうは、作者の表現力が稚拙なので、自信が持てるまでは先延ばしです。

>南無さんの弟関連~現在に至るまでのドキュメンタリードラマはあるんですか?

文「恐らく本人があっけらかんと話せる話題ではないでしょう」

文「現在、独自で追跡しております。射命丸文による命蓮寺特集をお楽しみに」



#第2話『命蓮寺のホーリーカンパニー』#


ナズーリン「御主人……御主人?」

星「なんれふかナズー」

ナズーリン「oh jesus……お菓子を口一杯に頬張って、ソファで寛いで映画を見る……」

星「ええ。何か問題でも?」

ナズーリン「……だらしないですよ御主人」

ナズーリン「そもそもご主人は命蓮寺の看板だという自覚が――」

ナズーリン「what the... ……きのこの山!? なんてもの食べてるんですか!?」

星「えっ?」

ナズーリン「チョコレートペ○ス頬張って喜ぶなんてとんだビッチタイガーだ!!」

星「そこまで言わなくていいじゃないですか!! どうせ貴方はたけのこ厨なんでしょう!?」

ナズーリン「厨とは何だネズミだけにってか!? たけのこの里の人気は『家計簿アプリReceReco』で圧勝の結果なんだよ!」

星「売上だけを気にする資本主義のネズミめ! 本物の芸術は貧困層には理解されないんものなんですよ!!」

星「見てください、このきのこの美しく逞しく官能的な……それに引き換えたけのこの醜さよ!! 恥を知りなさいナズー!!」

聖「両成敗ドロップキック!!」

星&ナズ「ぐはぁ!!」

聖「ケンカに至った経緯は聞きません!! 下品な言葉でケンカをしていた事実が論外なのです!!」

聖「今の貴方たちにピッタリな議題を持ってきましたよ」




「差別と戦争」


ナズーリン「差別と戦争?」

聖「今の貴方たちのことですよ。お互い、大雑把に分ければ『お菓子大好き』じゃないですか」

星「ええ。それはまあ」

聖「なのに、なぜ似た者同士で争うのか……心を持つもの全てに根深い問題です」

ナズーリン「やっぱり今回も仏教的知見からお送りするのかい?」

聖「いいえ。今回は仏教と切り離して考えます! ノーブッダ&ノーセッポーで行きますよ!」

ナズーリン「なぜ……貴方から仏教を失くせば、グラデーションヘアとワガママボディしか残りませんよ!?」

聖「聖白蓮24時間説教の動画を、別にアップロードしたからです」

聖「ちょっと……24時間ノーカットで喋ってたせいで……ほら、さっきドロップキックかましたみたいなテンションに……」

聖「舞い上がった心では、説教などできませんよ……」

星「ああ……」

ナズーリン「納得……」

聖「そんなわけで幻想郷TV。今回お送りするのは『差別と戦争』について」

聖「信徒の皆♪ ケンカはダメだぞっ♪」

星「でも弾幕ごっこはオッケー♪」

ナズーリン「それでは『命蓮寺のホーリーカンパニー』楽しんでいってください」



#戦争①きのこたけのこ戦争#


聖「まず先程演じていた『きのこたけのこ戦争』について説明をお願いします」

ナズーリン「ネット上で白熱する戦争ごっこだよ。meijiが販売している2種類のお菓子で論争する遊びだ」

ナズーリン「やれ『きのこは売れてない』だの、やれ『たけのこは手が汚れる』だのと、遊び半分で言い合うんだが……」

星「中には顔を真っ赤にして争う姿も見られますが……」

ナズーリン「まあ、本質はごっこ遊びさ。野球ファン同士の球団論争と違って、2つのお菓子は同じ会社が販売元だからね」

ナズーリン「ニコニコ大百科の『きのこたけのこ戦争』の記事は一見の価値あり」
http://dic.nicovideo.jp/a/きのこたけのこ戦争

ナズーリン「世界史じみたそれっぽい説明と多くのファンアートが集う、コメディアンや絵師の祭典と化している」

聖「なるほど……」

星「ちなみに、聖はきのことたけのこ、どちらがお好きですか?」

聖「修行の身なので甘いものを好んで食べたりは……強いて言えば、たけのこの里ですかね」

聖「クッキーのボリューム感と、チョコレートの配分が素晴らしいです」

ナズーリン「同志よ! きのこの山はバランスが悪いしビスケットの食感はチープだし――」

星「お前きのこの山を侮辱するのか? さては異教徒だな? 毘沙門天の敵なんだなお前は」

ナズーリン「ちょちょちょ……目がマジだよご主人……さっきのは寸劇だろ」

聖「エア巻物キック!!」

星&ナズ「ぐはぁ!!」


俺はもっと多くバリバリ食える奴が良い。BIGチョコバーとか

ってか、ネコ科にチョコ?平気なの?


星「巻物……キック……?」

ナズーリン「ノリノリだねぇ……私達が人間だったら2回は死んでるぞ……」

聖「いいからケンカを止めなさい……両方とも消し炭にして、2度とケンカできないようにしますよ!?」

星「アハハ。トム&ジェリーみたく仲良くケンカしてるだけですよ聖」

ナズーリン「そうそう。トラとネズミだけど」

聖「はぁ……」

聖「本題に入りますよ。『きのこたけのこ戦争』は、血を見ずに戦争を検証できる資料です」

聖「戦争はなぜ発生するか。きのこたけのこだけで見事に説明できるのですよ」


戦争に必要な条件

①2人以上の人間の、利害・思想の対立。
 ・「きのこ派」と「たけのこ派」の、思想の違い。

②戦争の手段
 ・今回の場合、口論

③戦後に期待できる利益
 ・自身が属する側の商品のシェアが増加すれば、meijiはそれを切り捨て難くなる。


聖「『きのこたけのこ戦争』は、条件を3つ整えた上で発生したごっこ遊びです」

聖「具体的に言えば、①単なる好き嫌いを、②風評を操作することで、③相手側のシェアを切り崩すことまで昇華する」

聖「実際には③の利益は達成されず、ただただ話題になるのでmeijiの1人勝ちですが……」

聖「この戦争ごっこは、モデルケースとして見事なほどシンプルに戦争の姿を映し出しているのです」


ナズーリン「待って下さい。上の条件表によれば、2人以上の人間が居れば戦争が生じると?」

聖「……多少強引ですが、私は、国家を1つの人格だと思っています。法律用語で言う、人格・法人格の意味で、です」

聖「便宜上『人間』としましたが、国家の場合、人間の集合体ですね」

聖「その国に帰属する以上、その国の方針や思想にすら帰属することを迫られる」

聖「日本では表現の自由なども認められていますが、結局は……大きな流れを作るのは、川の上流です」

聖「上流が愚かだから、私は封印されて――――」

ナズーリン「ええと……話が脱線しつつあるけど、大丈夫かい?」

聖「え、えぇ……すみません……。話を……ええ。戻しましょう。戻すべきです」

聖「それで……星。寸劇の一環でナズーリンを罵っていて、どんな気分でしたか?」

星「ええと……」

ナズーリン「正直に言ったらどうだい? 私たちの仲じゃないか」

星「……ナズーリンを罵っていて、最高に気持ちよかったです。ナズー、貴方は?」

ナズーリン「ああ。私も、アホな御主人に言いたいこと言えてスカッとしたよ」

聖「気の置けない仲ですねぇ」

聖「そうです。相手を攻撃することでスカッとするのは、もはや本能と言っていいでしょう」

聖「古今東西のあらゆる宗教が『争いは良くない』と言っているのは、人間が暴力衝動の塊であることの反証です」





聖「そもそも人類は、外敵や家畜を殺したりなどで、誰かを傷つけなければ生きていけない種族です」

聖「だから人類は、罪悪感を吹き飛ばすために、それより多くの快楽を得る心を発達させました」

聖「そのとめどない暴力衝動! サディスティックな快楽本能!」

聖「……そういった心を無制限に発揮すれば、古今東西の人間社会では間違いなくお縄でしょう」

聖「嫌いなアイツを傷つけたいけど法が許さない! 何も思い通りにならない! 食欲が性欲が生理的欲求が心を乱す!!」

聖「抑圧された衝動は、捌け口をもとめて――いじめや差別によってストレスを解消しようとします」

聖「あるいは、捌け口はごっこ遊びの形でも――」


「平和的な暴力衝動の捌け口。それが、『きのこたけのこ戦争』です」


同じ過ぎても違い過ぎてもウザいのが人間
一番問題なのは、否定と煽りが拗れる事かな


ナズーリン「……なるほどね」

星「それでは……私たちのやっている弾幕ごっこは、『幻想郷版きのこたけのこ戦争』ということですか?」

聖「その通りです。武力行使を伴っていますが、弾幕ごっこによって傷害罪が適用されることはありません」

聖「弾幕ごっこ中に誰かが死のうとも、それは単なる事故。そういう点では社会的な平和を保っていますね」

ナズーリン「節度を必要とする点が、なおさら弾幕ごっこの社会性を補強しているか」

聖「ええ。話を続けましょう……」

聖「『きのこたけのこ戦争』から、物理的な暴力に依らない紛争解決手段や、社会の中で抑圧される衝動を見出しました」

聖「ですが『きのこたけのこ戦争』には問題点があり、>>41の言う通り、煽り合いが深刻になる点が挙げられます」

聖「ナズーや星のような信頼関係が有れば問題ありませんが、全員がそうあるのはまず不可能」

星「そして主張の中心は、いつも『ME!! ME! ME!』と言った具合ですよね?」

聖「そう。ですが激しく自己主張するほど、必然的に相手の『Me』を傷つけることになるのです」

ナズーリン「業が深いな」

聖「そうですね……いかに高尚な念仏を唱えていても、結局、私ですら我欲に満ちています」

聖「仏教を布教するのは、相手の思想を否定することに繋がるからです」

聖「罪作りなことですが、恐らく悟りを開くまで『ME』の呪縛を解くことはできないのでしょう」



#差別#


星「テーマは『差別と戦争』ですよね。聖は先ほどから戦争や利害の対立については語って、差別にはノータッチですが……」

聖「ええ……まず、差別について順序立てて解説しましょう」


差別とは

・特定の集団や属性に属する個人に特別な扱いをすること。
 
・特別な扱いとは、多くが拒否行為や除外行為である。


聖「『きのこたけのこ戦争』に付随して差別が行われるとすれば、『たけのこ派はきのこバーに入店禁止』といった具合で」

星「きのこバー? 随分蠱惑的な響きで……」

聖「ええ。その蠱惑的バーにたけのこ派だけ除外されるのです」

ナズーリン「『ネズミはレストランに立ち入り禁止』は?」

聖「ネズミに人格が認められれば、もちろん差別にあたるでしょう。ただし、衛生管理など、妥当な理由がある場合はその限りではありません」

聖「けれど盲導犬をスーパーに立ち入らせることを拒否するのは、障碍者差別に当たります。盲導犬を不可欠とする障碍者が存在するからです」

聖「そもそも、黒人差別について外の世界的な常識があれば、差別について理解するのは簡単でしょう」



聖「さて」

聖「先に差別について触れなかったのは、『差別』と『利害の対立』を混同してほしくないからです」

聖「まず、差別感情は戦争を引き起こす直接の原因とはなりえません」

聖「あくまで戦争を生むのは、利害の対立です。採算が取れない戦争というのは、まず存在しません」

聖「あんなに混沌としたWW1もWW2も、採算が取れなくなったり、継続できなくなったりで終結したのです」

ナズーリン「だがプロパガンダでは平然と差別的表現が繰り返されるぞ」

聖「それは口車です。一見『ムカつくから宣戦布告ね!』としているようでも、実際は相手から何かを略奪しようと宣戦布告するのです」

聖「差別対象を殺すだけ殺し、土地・資源・技術・文化などを一切奪わなかった戦争がありますか? 私は知りません」





ナズーリン「……差別を語るにあたって、避けては通れない問題があると思う」

聖「えっ。台本にないセリフを……」

ナズーリン「聖、私に任せてくれ。……それで、問題って何だと思う? ご主人……」

星「何ですか。ちょっと……顔が近いですよナズー」

ナズーリン「……LGBTだ」


L レズビアン
G ゲイ
B バイセクシャル
T トランスジェンダー


ナズーリン「東方Projectは御存知の通り、メインキャラクターの男性が非常に少ない。正に百合の花園」

星「ええ。何度『レズだったりしますか?』と質問されたことか。顔が近いですよナズー」

ナズーリン「ぶっちゃけた話、どうなんだい?」

星「……女だらけの環境で、ええ。確かに道を踏み外しそうになることも多々ありますが――」

ナズーリン「カミングアウトしよう」


「私はレズビアンだよ」


聖「………………ワオ」

星「ふ、不意打ちでキスなんて……歯止めが利かなくなってしまいます……」

ナズーリン「歯止めなんて失くしてしまえばいいじゃないか。終わったら、私が探してあげるよ」

聖「……ど、どうしましょうかね……LGBTは本題ではありません」

聖「差別の項目はあれで終わりのつもりだったんですが……」

ナズーリン「ねえ、ご主人、私と一緒に気持ち良くなろうよ」

星「なっなっ、ナズー……これ以上はいけません。カメラ越しに見られてます……」

聖「……はぁ……」

聖「前半の尺を使い切ってしまいました。後半に続く――」


#第2話『命蓮寺のホーリーカンパニー』#

前半 END

今回はここまで。
お便りの反映が遅れていますが、後半で回収するのでご安心を。

では。

後半で回収できないので、1件だけ。

>>37
>ってか、ネコ科にチョコ?平気なの?

星「確かに、ネコ科にチョコはダメですね」

ナズーリン「えぇぇ……。じゃあ君は何者なんだい?」

星「ネコ科がモデルの妖怪です」

星「例えばドラえもんがチョコレートを食べて死にますか?」

星「モデルが常に100%のコピーとは限りません。それだけのことです」

ナズーリン「なんだか都合のいい方向に躱されてる気がするぞ……」


とのことです。
それでは、次回の投稿をお待ちください。

>>48
訂正。
「後編で回収できない>>37を今回収します」
とした方が適切だったかもしれません。

レズとかどうせ動画内でのあざとい嘘なんだろ?

弾幕戦闘動画って、幻想郷TV開始当初はどれくらいの人気だったんだ?

(罪)ところで紫様はまだか?

宝塔を持ったナズーリンの絵が可愛すぎます。なんとかしてください

ナズーリンはピカチュウとかが何を言っているのか分かるのですか?

ナズさんに質問です
某US国が国家をかけて守っているネズミ 
ゲーム会社Nにいる電気鼠
ゲーム会社Sにいる音速鼠
↑これらについて鼠仲間としてどう思いますか?

レスありがとうございます
多忙のため投稿が遅れたことをお詫び申し上げます
今週末あたりに投稿する予定です

>>52

紫「最初期はそこまで人気は無く、ある日爆発的に人気を得ました。今は、安定した人気を持つコーナーですわね」

紫「当時、弾幕の見せ方に試行錯誤を繰り返してましたわ」

紫「遠くから眺める弾幕は美しいですが、花火と似ていて新鮮味がない」

紫「一人称視点の弾幕は迫力がありますが、撮影用のヘッドカメラが激しく振動するので視聴に耐える映像を撮れない」

紫「最終的に到達したのは、『観測手/弾幕展開者/遠景カメラ』を分担した撮影方式です」

①弾幕のすぐそばで、対戦者両名が美しく見える位置に観測手を置きます
②弾幕展開者はヘッドカメラをブレさせないように注意しつつ対戦相手に注目します
③遠景カメラにより、弾幕全体を常に見渡します

紫「この方式を導入し、編集に力を入れた頃に人気が爆発」

紫「今ではプロレスのようにドラマチックな興行となっております。是非1度ご視聴を」


>>53

紫「もう少し待てたら褒美を出しましょう」



>>50

ナズーリン「あざとい嘘か。君にとっては、確かにそうかもしれないね」

ナズーリン「言わせてもらえば、あざとく感じる精神が勝手にフィルターを作って、私たちの愛を嘘にしている」

ナズーリン「だが真実は誰にも誤魔化せない。私は、真剣に、レズビアンだ」

星「ナズ、顔真っ赤ですよ」

ナズーリン「君は悔しくないのか!? 真剣な恋を茶番扱いされて!!」

星「台本無視でキスしてるんです! それって茶番でしょ!?」

ナズーリン「……ああ……まあ……」

星「プライベートな場でいつもしているんですから、それとも我慢が出来ないほど子供なんですか?」

星「性描写が苦手な人もいるのに……押し付けて認めさせようとする今の貴方は嫌いです」

ナズーリン「……」

星「……落ち着いたら、続けましょうか」


>>54

ナズーリン「オーケー、落ち着いたよ。落ち着いて実感する。私は宝塔が無くても可愛い。だが宝塔でより輝く」

星「ええ。可愛いですよナズ。分かったから宝塔を返してください」

ナズーリン「ご主人に持たせてたら失くしちゃうだろ。ほら、もっとナズ×宝塔の絡みを画面に収めたまえよ」

星「ナズー……自分を見失ってますよ」


>>55

ナズーリン「まず、ピカチュウの声は分からない。私はネズミ語を解するが、ピカチュウの鳴き声は日本語で発せられたオノマトペに過ぎないからね」

星「幻想もへったくれもありませんね」

ナズーリン「幻想とは抱くものではない。ただそこに存在しているだけなのさ」


>>56

ナズーリン「質問にお答えしよう」

ナズーリン「ミッキーマウスは尊敬の対象だ。あのプロ根性はまさに芸能人の鑑と呼べるだろう」

ナズーリン「また、ディズニーランドと着ぐるみの中の人という『神社と巫女じみた聖性』を利用して全世界に出没する様は、東方Projectで提唱された神の概念と性質が似ているのではないか?」

ナズーリン「ピカチュウ。これも素晴らしい。声優とデザインの相乗効果で、まさにネズミ界のヒロインと言ったところか」

ナズーリン「ピカピカ~♪ と、人の言葉を喋らずとも共感できる。『ミュウツーの逆襲』での名演技は熱いものがこみ上げてきた」

ナズーリン「大好物のケチャップがお釈迦になって涙目のピカチュウを見た晩、掻き立てられた母性本能で興奮して眠れなかった」

ナズーリン「このインパクトは、宝塔を失くした星の涙目顔に匹敵する。この2人になら、喜んで命だろうが操だろうが差し出してしまうだろう」

ナズーリン「最後になるが、ソニック・ザ・ヘッジホッグ。私には男を好きになる感覚が理解できないが、きっと好きになるなら彼のような男だろう」

ナズーリン「音速を越える素早さ、泳げないという弱点。弱点のないキャラクターに魅力はない。彼は音速でハートを射止めることだろう」

ナズーリン「ピカチュウがネズミ界のヒロインなら、ソニックは主演俳優といったところか」

ナズーリン「以上。八方美人と言われるかもしれないが、私はどのネズミも好きだよ」

ナズーリン「同業者として、負けないように頑張っていこうと思ってる」

星「……キャラクター名は伏字にしないんですか?」

ナズーリン「尊敬するネズミを伏字で表すのかい?」

星「なるほど」

投稿量が少なくてすみません
続きは次回です

すみません、多忙につき中断します

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