男「イケメンに幼馴染を取られた......」(22)



男「俺は見た、イケメンと幼馴染が手を繋いで歩く光景を......」

男「最近素っ気ないと思ったらそういうことか......」

男「はぁ......死にたい......」

男「学校に行きたくない......」

母「男ー!! 早く降りてきなさーい!! 遅刻するわよー!!」

男「......現実は非情だぁ......」

学校

男「あーあ、結局来ちゃったよ......」

ワイワイガヤガヤ

男「ん? 騒がしいな......なんだろ......う!?」

さて、俺が驚愕のあまりに顔の輪郭を歪める前にとある話をしよう

俺と幼馴染はつい最近まで付き合っていた。

そして俺の通う高校ではカップルが自分のネームプレートを
恋人に渡すという、なんとも甘い暗黙の了解のような習慣がある。

もちろん、別れるとなればネームプレートは返される。

以上で話は終わる。現実逃避は終わりだ。

男「俺のネーム......」

俺の机には幼馴染に渡したネームがあった。

そして皆がその机を囲っている

委員長「あ、男くん」

男「え、なに委員長?」

委員長「幼ちゃんがネーム返してだって」

男「......分かった」

女「......男」ジッ

図書室

男「はぁ......」

女「あれれ、今日は元気がないねぇ?」

この娘は女、俺と同じ図書委員だ。
今日は彼女と図書室にある本の整頓をしている。

とにかく元気が取り柄の
可愛い女の子だ。

男子生徒から人気があるほどに。

彼女の身長は百四十半ばだ。
中々の低身長、俺の胸くらいまでしかない。

首を傾げながらの上目遣いは反則級の威力だ。可愛いすぎる

男「まぁ、彼女に振られたらね......」

女「机のネームはエグかったね。晒しプレイにも程があったよ」

男「しかも、よりによってあのイケメンに......」

女「確かにイケメン君はモテるからね~」

男「なんかもう疲れたよ......」

女「男、元気だしなよー、次の相手を探せばいいじゃん」

男「......まあなぁ、そうは言っても......お前はどうなんだ?

女「え、私?」

男「好きな人いるのか?」

女「あ......うん、いるにはいるよ......」

男「そっか、付き合えたらいいな」

女「......うん///」

男「ちなみに誰なんだ?」

女「えぇと......言ってもいいのかなぁ?」

男「おう、女がいいならな」

女「それなら......ん!!」ビシッ

男「なにその指......?」

女「へへへ/// バーン!!」

男「......へ?」

女「......男、大好きだよ......///」

男「............」

その日、俺の心は目の前にいる
小さな女の子に奪われた。

おわり

男「............へ?」

女「ふい~、こういうのは心がドキドキするよ~///」

女「でも、悪くないね......///」

男「お、女......」

女「ん? なーに?」

男「おま、なんで俺を......」

女「もー、そういうことは後で!! 今は返事聞かせてよ?///」

男「あ......ええっと、わりぃ」

女「............」

男「俺、幼馴染と別れて日も浅いし......」

女「気まずいのかな?」

男「......ああ」

女「......へえ」

男「すまん......」

女「だーめー」

男「はい?」

女「私がそれを許さない」ギュ

男「え、ちょ女......」

女「ずっと見てたんだよ?」

男「え......」

女「私をもらってよ......男」

男「でも.........」

女「じゃあこうしよう!! 二人きりの時以外は普通の関係をよそうの」

女「幼ちゃんとのほとぼりが冷めはじたら......ね?」

男「まぁ、それなら......」

女「よーし決定!! よろしくね!!」

男「お、おう」

それから俺は女と付き合い始めた。

といっても

女「おおーい男ー」

男「ん? おお女、おはよ」

女「グーットグットグットグットモーニン!!」

男「元気だなお前は」

女「へへ、なんでだろうね?///」ジッ

周りから見れば仲のいい友達だ。

女「今日は席替えがあるね」

男「そだな」

女「男の隣がいいな......///」

男「俺は窓際がいい」

女「......むぅ、ばか」

男「えぇ......!?」

女「へへ///」

男「なんだかんだで隣かい、しかも窓際じゃん女。羨ましい......」

女「私も喜びに心が晴れやかだよ~」

男「俺は......まぁ、いいか」

女「今日から一緒だね......?」

男「お、おうそうだな」

女「というわけで、教科書見せてね?」

男「......なんで?」

女「だって家に置いて来たんだもん」

男「はぁ......仕方ねーな...」

女「おお~、そうこなくては」ガタガタ

男「ちょ......ちかい」

女「良いではないか~」

男「おま人前では......」

女「好きな人がこんなに近くにいる」

男「え......」

女「私の心をこんなにも虜にさせたアナタが、私のすぐ隣にいる」

女「これでも結構我慢してるよ私......」

男「......はぁ、とにかくあんまり引っ付くな」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom