男「ベタな世界?」(60)
黒服の男「正確には君を中心にベタなことしか起きない世界かな」
男「ふーん。何のために?」
黒服「ただの戯れだよ。君は運よく選ばれたんだ」
男「そこはベタな理由ないんだ」
黒服「まだ始まってないからね」
男「ベタなことを拒否したら?」
黒服「その時は……ベタな事が起きることになりますよ」
男「なるほどね」
黒服「落ち着いてますね」
男「夢は夢ってわかるタイプだからなあ」
黒服「なるほど。では夢から覚めたら始まります。どうぞお楽しみを」シュルン
男「消えた。変な夢だなあ」
「……ちゃん、お兄ちゃん起きて」ユサユサ
男「ん、んん」
男「もうちょっ………と?」ゴロン
男(あれ、これ誰だ?俺一人っ子ですよ?)
「もう、新学期早々遅刻する気?おーきーてー」ユサユサ
男「分かった分かった。起きるから」ガバッ
「もう早くしてよね」
男「えーと、どちら様でしょうか」
「…まだ寝ぼけてるの?私は妹です。私先に学校行ってるからね」ドタドタ
男「あー、あの夢…」
カチカチ
男「あ、やべー!遅刻する!」ドタバタ
母「またぎりぎりに起きて」
母「ほら、パンだけでも食べていきなさい」
男「そんな時間ないって!行きながら食べるから」ぱしっ
母「もう、だから早く起きなさいっていつも言ってるでしょ。今日は妹ちゃんの誕生日だから早く帰ってくるのよ」
男「分かった。行ってきまーす」
母「…それに今日は二人に大事な話があるからね」カチャ
男「やべー間に合うか!?」
ドスン
女「きゃ!」
男「あたっ!」
男「あいたたた。すみません。大丈夫ですか」
女「ちょっとちゃんと前見てなさいよね」
男「」ジーッ
女「何、見て」
男「ぷっ。熊さんパンツ」
女「///」カアッ
女「くたばれー!」ボゴッ
………
男「うう、朝から酷い目に遭った」ボロボロ
男友「どうした、男?」
男「いや、何でもないよ」
男友「そっか。そういえば今日は転校生が来るらしいぞ。しかも女の子だ。可愛いと良いな」
男「女の子か。朝の暴力女みたいな奴じゃなければ良いけど」
男(というかまず妹についてだな。あの夢はマジだったのか?)
先生「はい。じゃあ新学期最初のホームルームを始める前に転校生を紹介します。入ってくれ」
ガラッ
男子「おおー」
女「今日からこちらでお世話になる女といいます。よろしくお願いします」
男「あれ、この声…ああっ!」
女「?…あ、あんた、朝の変態!」
男「熊さんパン…」
女「」ブン!
男「ぐぼぉ」
女「」ズカズカ
女「言ったら酷い目に遭わすわよ」ボソッ
男「はひ」
先生「何だもう顔見知りだったのか。じゃあ女さんの席は男の横で。男、色々教えてやってくれ」
男「」チーン
…
女生徒「女さんどこから来たのー?」ワイワイガヤガヤ
女「えっと…」
男友「いきなり人気者だな、彼女。まあ、あれだけ可愛ければそうなるか」
男「そうだな」ムスッ
男友「そんな彼女といきなり知り合えるなんて、お前は何て羨ましい奴なんだ」
男「そんなことねえよ(あの豪快な鞄投げを見てなかったのか?)」
幼馴染(以下、幼)「おっはよー。またギリギリ登校だねー」
男「おはよう」
幼「?どうしたの男、今日は何か変だね」
男「そんなことないよ(こんな絡んでくる子だったかな)」
幼「そ、それと転校生とはどんな関係なのかな?」オズオズ
男「登校中にぶつかっただけだ」
幼「そっか。そうだよね。男があんな可愛い子と知り合いなわけないもんね」パァ
男「ひどいこというな…」
幼「あ、ごめん!そんなつもりじゃなくて!」アタフタ
男「ああ、うん大丈夫だから気にしないで」ポン
幼「ひゃあ!…うん//」
男友「やれやれ。朝から毎度のこと夫婦仲良いことで」
幼「そ、そんなんじゃ……ない//」
………
女「何で、こいつに案内されなきゃいけないのよ」ブツブツ
男「仕方ないだろ。先生に言われたんだから。次は購買だ」
女「はいはい」
妹「あ、お兄ちゃん」
男「ん?」
妹「はい、お弁当。どうせお兄ちゃん忘れるからって私が持たされたんだからね」
男「おう、ごめんな」
妹友「あ、あの先輩、こんにちは//」
男「こんにちは」
妹「ほら、妹友ちゃん」
妹友「う、うん。あの、これ作ってきたので良かったら食べてください//」
男「クッキーかな?美味しそうだ。ありがとうね」
妹友「はい。良かったら今度感想も聞かせてくださいね//」
男「うん。分かったよ」
妹「ところでそちらの綺麗な方は?まさかお兄ちゃんの彼女!?」
妹友「え!!」
男「違う。今日転校してきたから、先生に頼まれて案内してるだけだよ」
妹「なーんだ」
妹友「ほっ」
妹「妹って言います。兄に変なことされたら、いつでも言ってくださいね。じゃあまたね、お兄ちゃん」
妹友「し、失礼します」
妹「あ、お兄ちゃん今日のプレゼント期待してるからね」
男「プレゼントを催促するなよ」
女「可愛い子ね。妹さんとお友達か」
男「多分な」
女「多分?」
男(実際初対面なんだが受け入れた方が良い気がするんだよな)
『ベタなことを拒否したら……ベタなことが起きますよ』
男(何となくだけどな…)
男「んで、ここが購買。ほい次々!」
……
男「さ、飯だ飯だ」
幼「あ、あのね男。今日お弁当作りすぎちゃったんだ。だからその、良かったら一緒に食べないかなって」
男「ああ。良いけど」
幼「良かった」パァ
幼「はい!」パカッ
どろーん
男「う、あ、あのこれ味見は……(真っ暗じゃねえか…)」
幼「時間掛かったけど頑張って作ったんだ。味は大丈夫だと思う。でも一つしか出来なくて結局、私の分はお母さんのになっちゃったけどね」テヘ
男「そ、そうなんだ…」チラッ
男友「」サッ
男「(目そらしやがった)」ググッ
幼「もしかして迷惑だった?」ウルッ
男「いや、そんなことは!もちろん食べるよ!」グスッ バクバク
幼「良かったあ。頑張ってまた作って来るからね」ニコッ
………
男「あ、お、何とか食いきった…」
男友「災難だったな」ポンポン
男「健気な料理下手が可愛いなんて流れを作ったやつらを謝らせたい…」
男友「………!」ピクッ
男「どうした?」
男友「ああ、何でもない。そういえば、最近この辺りも何やら物騒らしいぞ。気を付けろよな」
男「へいへい(帰りに一応プレゼント買って帰るかね。まだ会って半日、絡んだの数分なんだがな)」
………
放課後
男「何買えば良いかさっぱりだけど、まあぬいぐるみで良いか………ん?」ピタッ
チャラ男1「なあ良いじゃん。ちょっと遊ぼうぜ」
女「私は帰る途中なの」
チャラ男2「そう言わずになあ」パシッ
女「触らないでよ!」バシッ
チャラ男2「てめえ調子乗りやがって」ガバッ
女「きゃ……んぐ」ムグムグ
男「やばっ!」ダッ
男「やめろ!」バシン バシン
チャラ男2「っ痛て!」バッ
女「あんた朝の!何で!?」
男「いいから逃げるぞ」ギュッ
女「え、あ、うん!」ダダッ
チャラ男1「待てこらー」
……
男「はぁはぁ、ここまで来れば大丈夫だろ」ギュッ
女「!………//」カアッ
女「ちょっといつまで掴んでるのよ!//」
男「お、ああ悪い」ぱっ
女「あ、でも、その、あ、ありが…」
男「しかし平手はだめだろ。相手にしないでさっさと逃げろよ」
女「な!……だってあんなのから逃げるなんて負けたみたいで嫌じゃない!」
男「あんなのと勝ち負けなんかどうでもいいだろ!捕まったら何されるか分かんないんだぞ!!」
女「あ、う、ごめんなさい…」シュン
男「あ、いや悪い。強く言い過ぎた。でもあんなのと関わっても損するだけだ。(最近物騒みたいだし)心配だから、気を付けろよ」
女「し、心配?//私のことが?」
男「ああ、当然だろ(顔見知りだし)」
女「そ、そこまで言うなら気を付けるわ//」
男「ああ、そうしてくれ」
ボロッ
男「あーあ、さっきいざこざでちぎれちたのか」
女「ぬいぐるみ?」
男「妹のプレゼントにするはずのな」
女「そっか。ごめんなさい…」
男「ん、だから気にするなって。お前が悪いわけじゃない。んでも買い直しだなあ」
女「それなら私も出すよ」
男「いや、だから」
女「良いの。お礼もしたいし。妹さんぬいぐるみ好きなの?
男「いや、分からないからこれで良いかなって」
女「呆れた。じゃあもっと良いもの選びに行くわよ」
男「おい!」
女「あ…」
男「ん?」
女「えっと、さっきは…助けてくれてありがとう//」
女「ほら。行くよ!」ニコッ
………
男「ふう。結構時間掛かったな。女さんが中々妥協してくれなかったからな」
男「しかしあんなに真剣に人の妹のための買い物に付き合ってくれるなんて。まさか女さん………」
男「実はかなり良い人?」
男「ま、助かったし良いかな」
男「これで妹も喜んでくれるはずだ」
男「……あれ?家の電気点いてないな。まだ帰ってないのかな」
ガチャ
男「ただいま」
妹「お、にいち……」
男「なんだ居たのか。どうしたんだ電気も点け……」
謎の男「こいつは息子か?」
男「な、何だお前ら!妹を離せ」
謎の男「ふん貴様に名乗る名など無い。中々貴様の母が口を割ってくれないからな、こいつに協力してもらっていたところだ」
付き人の仮面「」グッ
妹「かはっ…」
謎の男「さてこいつも加われば流石に話してくれるかな」サッ
ビュッ
男(風が…か、体があいつに引き寄せられて…)ググッ
謎の男「」ガシッ
男「うがっ…」
母「や、やめて話します。だからその子達を傷付けないで!」
謎の男「ならさっさと言え。例の研究の資料は何処にある」
母「………第一タワーの最上階。そこの机の下に隠し通路があるわ」
謎の男「ふん。最初から言えばいいものを」
母「ちゃんと話したでしょ!二人を放して!」
謎の男「話が本当か分かるまでは、こいつらには人質なってもらう」
母「そんな。嘘なんてつかないわ」
謎の男「そうだと良いな。まあ本当だったところで獣の餌にでも…」
母「っ!二人を返して!」ダダッ
謎の男「仕留めろ」
付き人の仮面「」ビクッ
謎の男「どうした?やれ」
付き人の仮面「………」スッ キュイン
ぶぉん
母「っ!!」ドゴッ
男「母さん!!」
妹「おかあさん!!」
母「ふ、二人を放し……て」ググッ
謎の男「あの程度も仕留められんのか。役立たずめ」
付き人の仮面「」ビクッ
謎の男「どれ、私が手本を」スッ
妹「や、やめて!」グスッ
謎の男「」キュイン
男「やめろ…」ドクン!
謎の男「」キュインキュイン
男「……やめろ!」ドクン!
謎の男「?」キュ……
謎の男「何だ…?」
男「これ以上母さんに手を出すなーー!!」ドゴン!!
バシン
謎の男「ぐっ……何だ、この力は!まさかこいつが…」ググッ
謎の男「ふ、ふふふ、ふはははは!!面白い!!そういうことか」
謎の男「おい、一度退くぞ。そいつも連れてこい」
付き人の仮面「」コクッ
男「妹を放せ!」
謎の男「そうはいかん。たった今こいつも大事な研究材料になった」
謎の男「私は悪の組織の一員。そしてそれを束ねる主の四天王が一人・風の王!この傷の借りは必ず返すぞ!」シュルン
妹「おにいちゃ……たす…」
付き人の仮面「」シュルン
男「いも……うと」……ハッ!
男「母さん!」ダダッ
男「大丈夫?」
母「男、ごめんなさい。…貴方たちに隠していたことがあるの」
男「そんなのは今は関係ないだろ!すぐ救急車を」
母「聞きなさい、男」グッ
男「…!」
母「あんた……には隠された力が宿ってる」ゴホッ
母「そのせいで辛い思いをさせてしまうかもしれない」ギュッ
母「でもあなたなら乗り越えられるって信じてる……あなたたちと過ごした時間はとても幸せでした……さよなら可愛い男…」……カタン
母「」
男「う………うわあああああ」
ザーザー ザーザー
ピーポーピーポー
バトルとラブコメ混ぜるつもりだったが、ベタって難しい
………
男「……」
黒服「おやおや中々凹んでいるね」
男「…」
黒服「思った以上にこの世界に順応してくれてるみたいで良かったよ。ちょっと説明不足だったからね」
男「説明?」
男「もしベタなことを拒否したらどうなっていたかを試してみよう」トン
男「?」
………
妹「お兄ちゃん、起きて」ユサユサ ユサユサ
男「えーと、どちら様でしょうか?」
妹「私は妹です」
男「いや妹なんて俺には居ないし」
妹「私は妹です」
男「妹なんていない。あんた誰だ」
妹「ワタシハイモウトデス」メキ……メキ
男「な、何だ。お前は……うわああああ」
ザシュ
………
黒服「と、まあ君中心のベタが脇役のベタに変換されることになります」
黒服「まあ見破って退治したりするのもベタでは有るんだけど、その根拠がないとね」
黒服「なので出てくるベタは受け入れることをお勧めするよ。おっと、そろそろ起きる時間だ。それでは、引き続きお楽しみを」
男「…」
男「」パチッ ムクッ
幼「男……良かった。大丈夫?痛いところ無い?あ、お医者さん呼ばないと」
男「ここは…」
幼「覚えてない?男はおばさんの付き添いで病院に来たんだけよ。それで病院に着いたら疲れ果てたみたいに倒れたんだって」
男「!……母さんは!?」
幼「………一命はとりとめたんだけど、まだ目を覚ましてないみたい」
男「そっか」
幼「ねえ、男…おばさん何か男に伝えてなかった?」
男「………俺には隠された力が有るって」
幼「隠された力?どんな力なの?」
男「分かんないよ。俺だって理解出来てないんだから」
幼「そっか…。他には何か言ってなかったかな……」スッ
男「特には何も…?何でそんなこと聞くん……」
男友「男!大丈夫か!」ドタバタ
女「男君!!」ドタバタ
男「たいしたことはないよ」
女「良かった……」ヘナヘナ
幼「人、増えちゃったね。私はそろそろお暇するね。男、無理したら駄目だよ」スタッ
男「おう、ありがとな」
幼「」スタスタ
男友「……」
………
男友「しかしお前が倒れたって聞いて驚いたよ。その………おばさんもなんだろ?」
男「」コクン
女「あれ、妹さんは?」
男「あ、あー。買い物にでも行ってくれたかな」
女「そっか。色々お見舞い持ってきたから渡しときたかったけど」
男友「先生に聞いたら明日にでも退院は出来るみたいだし、良かったな」
男「まあな」
………
翌日
ナース「お大事に」
男(俺はこれからどうすればいいんだ)スタスタ
男(不思議な力のことも、母さんのことも、俺達を襲った奴らのことも)
男(…………そうだ、第一タワー最上階!!)
男「タワーに行けば奴らに会えるんじゃ!」
「その必要はない」スッ
男「!?」
風の部下「私は風の王の配下。我が王の名に従い貴様の力を試させて貰おう」ジャキン
ドゴン ドゴン
男「ぐっ…」
風の部下「何だ。少しは反撃してこい。我が王を傷付けた力とやらを私に見せてみろ」
男(そんなこと言われても、俺にはあれが何だったかすら……)
風の部下「どうやら使えないみたいだな。拍子抜けだ。まあいい連れ帰ってゆっくり研究させて貰おう」ジャキン スタスタ
風の部下「………!」
ヒュッ カキン カキン
風の部下「っ!」
???「それ以上男に近付くのはやめて貰おうか」
風の部下「何者だ…」
男「お前……男友!」
男友「よっ。だから最近物騒だから気を付けろって言ったろ」
男「何でお前…」
男友「ちょっと待ってな。説明は後だ。とりあえずあいつを片付ける」
風の部下「ふん、少しは使えるようだが…」
男友「」ヒュン
風の部下「消え…」
ザシュ
風の部下「がっ……」バタン
男友「悪いな。お前にかまってる暇はない」
男「男友、お前いったい」
男友「…俺は、いや、俺たちはお前の母親の協力者だ」
男「俺……たち?」
男友「ああ、俺達一族はおばさんの逃亡の手助けとお前たちの監視をしていた。ぬけぬけと襲撃を許してしまったことはすまないと思っている」
男「そうなのか……そんなことより男友、妹が!」
男友「さらわれたんだろう。今は奴らの足取りを追っているところだ」
男「タワーに…」
男友「もう荒らされた後だったよ…」
男友「男……妹を助けたいなら、力を使えるようにならないと駄目だ。ここに行って修行してこい」スッ
男「煙山……ここに行けば強くなれるのか」
男友「ああ」
………
男「何て霧が濃い山だ。目印を見落とさないようにしないと」
「そこで止まれ」
男「!(どこから…)」
「何しに来た」
男「男友に言われて修行に来た」
「…!」
スーッ
男「霧が晴れていく…」
ザッ
「……ついてこい」
男「あんたが修行をつけてくれるのか?」
兄弟子「おれはまだ修行の身だ。お前の兄弟子にあたるわけだが……その小屋に師匠が居る」
兄弟子「師匠修行をつけてくれってやつが」
師匠「入りなさい」
ガラッ
男「この人が…」
師匠「男君だね。男友から事情は聞いてるよ。時間も無い。早速始めよう。私の修行は厳しいがついてこれるか」
男「それで妹を助けられるなら!」
師匠「良い答えだ。ここで教えられるのは簡単な君の力の使い方くらいだが、飛躍的に君の能力を向上させるだろう」
男「お願いします!」
………
10日後
師匠「修行はもう大丈夫だろう。後は実践で慣れていくしかない」
男「はい!」
師匠「それと男友から連絡が来た。敵のアジトがわかったそうだ。今夜、奇襲をかけるらしい。行ってきなさい」
男「はい。ありがとうございました!」
兄弟子「師匠、俺達も着いていって力を貸した方が…」
師匠「いや、まだ時期じゃない。機会を伺うんだ。いずれまた私たちの力が必要な時が来るからね」
師匠「男君……その時まで負けるんじゃないぞ」
………
男友「くそっ!奇襲をかけたってのに数で押されてやがる…」ザシュ ザシュ
ガタン
男友「しまった…足場が崩れ………」
敵「シャアアア」
男友「悪い……失敗だ。男」グッ
カキーン
男友「……………?」パチッ
男「大丈夫か。男友」
男友「男!何でここに。修行は!?」
男「俺の家族の問題を任せっきりにするわけないだろ。それより、妹はこの建物にいるんだな」
男友「ああ」
男「んじゃ、ちゃっちゃと片付けるか」キュイン
スパパパパ
男友「す、すげえ。短期間でここまで…」
男「行くぞ」
男友「おう!」
……
男「ここは…」
男友「やけに広いところにでたな」
付き人の仮面「」スッ
男「! お前は……」
付き人の仮面「」カチャ
男友「よし、俺が…」
男「俺にやらせてくれ。あいつが妹と母さんを…。男友は妹を探してきてくれ」
男友「わかった…気を付けろよ」スッ
男「」コクン
男「」ジリッ
付き人の仮面「」ジリッ
男「」タン
付き人の仮面「」タン
ダダダダッ!
付き人の仮面「っ!」
男「へっ!まずはその仮面………剥がさせてもらう」ヒュッ ガバッ
付き人の仮面「!!」
カラン
「強くなったね。男」
男「何で………お前、幼!」
幼「私も風の王の部下。ただそれだけだよ」ダン
男「ぐっ!」バッ
幼「どうしたの。さっきまでの勢いが無くなってるよ?」
幼「誰がおばさん病院送りにして、妹ちゃんさらったか忘れちゃったの?」
男「!」ダン
どどどどっ!
幼「っ!」
ドン
幼「ぐっ!」
男「」ピタッ
幼「何で止めるの…」
男「幼こそ全然攻撃をあててこないじゃねえか」
幼「たまたまだよ………ほら後は止めをさすだけ。それとも母親の敵もとれないの?」
男「………」グッ
幼「…っ!」
男「」
幼「……?」
男「」スタスタ
幼「どうして…私はおばさんの敵だよ!」
男「………死にたがりの止めなんかさせるかよ。それに妹も元気みたいだしな」
男友「」バッ
妹「お兄ちゃん!」
幼「!」
幼「私はもう男にもおばさんにも妹ちゃんにも合わす顔がないんだよ……だから止めをさしてよ」グスッ
男「……」
幼「」タタタタッ
幼「」ビクッ サッ
妹「幼さん。ありがとうございました。捕まってる間、私が不自由しないように沢山助けてくれましたよね」
妹「最初は無愛想な仮面の人が怖かったけど、段々優しい人なんだなって。まさか幼さんとは思わなかったけど」テヘヘ
幼「何で笑ってられるの……私は…」
妹「何か理由が有るんだよね。だから気にしないで。私が一緒にお母さんのところにいってあげるから」
幼「妹ちゃん……」グスッ
ドンッ!
幼「きゃあ!……」ドスン
妹「幼さん!」
男・男友「!」
風の王「役立たずの上に裏切りとはな。まあ人質で言うことを聞かせていただけだから仕方がないか」スッ
男「てめえええええ!」
風の王「どうした?かわりに母の敵をとってやったんだぞ。むしろ感謝してもらいたいね」
風の王「まあ少し見ない間に成長したようだな。しかしこちらもこの前の様にはいかないぞ!貴様の力を見せてみろ!」
風の王「」
男「」ジリッ
男「」ヒュン
ドドド
風の王「ふんっ!スピードは有るみたいだな」
男「スピードだけか?」
風の王「?……がはっ!」ドス
風の王「な、私が膝をつくだと!?」
男「母さんと妹、それに幼を悲しませた分」ゴゴゴゴゴゴ
風の王「貴様の力は一体……」
男「くらええええええ!」ドッゴーン!
風の王「く、くそぉぉ!!」
風の王「ぐわああああ!」
風の王「」バタン
男「終わった…」
男友「ああ」
………
病院
妹「お母さんが目を覚ましたって!」
幼「」ビクッ
男「行くぞ。俺も一緒に謝ってやるから」スタスタ
幼「でも…」
妹「おかーさーん」ガバッ
男「こら母さんは起きたばかりだぞ」
妹「あ、ごめんなさい」シュン
母「もう妹ったら、大丈夫よ」
母「ごめんね二人とも。辛かったでしょ」
妹「私は大丈夫」ニコッ
男「俺もだ」
幼「あ、あの…おばさん」
母「幼ちゃん。気にしないで…。おばさん分かってるから。幼ちゃんが加減してくれたから今、この子達に会えたんだしね」
幼「でも、でも……」
母「ほら、こっちおいで」
幼「」ビクッ …テクテク
母「」ギュッ
幼「!! おばさん…」
母「幼ちゃんも辛かったね」ナデナデ
幼「おば…さん…ヒックヒック」グスッ
母「そうね。でもまだおばさんお家には帰れないから、お家のお手伝い、幼ちゃんにお願いして良いかしら」
幼「は、はい!頑張ります!」グスッ
母「男にお弁当作ってあげてね」
幼「」コクン
男「………………え」
………
男「久しぶりの学校だな!」
妹「だねー!」
幼「男ー!お弁当!」タッタッタッ
男「あ、いや俺買い弁派になろうかなって…」
幼「だめ。おばさんに頼まれたんだから!」ポンッ
幼「あ、それともやっぱり迷惑かな…。でも、ちょっとでも男に償いがしたくて…」
男「うぐ……」
妹「おやおや。ふふ」
女「ちょっと男君!」
男「お、女さん、久しぶり」パッ
女「久しぶり、っじゃないわよ!退院したはずなのにずっと休みってどういうこと!家に行っても居ないし」
男「いやー、その、色々あってね?心配かけてごめん」
女「別に………し、心配なんて」カアッ
女「でも、色々聞かせては貰うからね!だから、その………昼御飯、一緒に食べるわよ!」オズオズ
幼「」ピキッ
女「ところで、それお弁当?」
幼「そう。わたしが作った…ね」
女「へー」ピキッ
男「さ、先いくからなー」
男友「おやおや」
妹「まあまあ。ふふふ」
………
どっかの闇の中
火の王「風の王が破れたようで」
悪の主「ほう。我らの想像以上だったということか」
土の王「ひひひ。四天王の名を冠するとはいえ、所詮風の王は我らの中で最弱。次は私が…」
水の王「焦るな。土のよ。様子を見るのだ。奴らが我らの役に立つか否かを」
悪の主「そう。今回のことなど些細なイレギュラーにすぎん。ほかにすべきことは有る。そのために動いていくのだ」
悪の主「我らの目的。世界制服のために!」
火・土・水「はっ!」
一部・終
続くかは分からん
終ってみればベタでなく只の中二という
意識させると何でも先読み行動になりそうで出来んかった。
でも考えてみるわ
レスありがとう
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません