後輩「天文部っス!」 先輩「天文部…なんですかね?」 (31)

※オチなしヤマなし後輩の胸なし



後輩「何で疑問形なんスか!先輩は部長なんスよ!」


先輩「そうですね、部員が少ないせいで二年生なのに部長です」


後輩「たった三人だけだし、男さんは滅多に来ないから基本先輩と自分の二人だけっスね」


先輩「しかも後輩は後輩で部活には顔を出しても真面目に活動している姿は見たことなし、と」


後輩「自分は先輩に会いに来てるだけっスから!」


先輩「…はぁ」


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先輩「最近は暑いですね」


後輩「そうっスねぇ。そういえば今朝、セミが鳴いてたっスよ」


先輩「夏を感じますね」


後輩「あ、そういえばこれ持ってきたんスよ、風鈴!」


先輩「おお、良いですね涼しげで」


チリンチリーン


後輩「風流っスね」


先輩「爽やかですね」


チリンチリーン


後輩「…でもやっぱ暑いモンは暑いっスね」


先輩「まぁ結局は雰囲気を楽しむものですから」

後輩「先輩、アイス買ってきましょうか?」


先輩「行くのなら僕も一緒に行きますが、どこまで買いに行くつもりですか?」


後輩「コンビニか…購買か…うへぇ、どっちも遠いっス」


先輩「歩けば購買まででも片道5分くらいかかりますからね」


後輩「部活棟最上階一番奥なんて僻地過ぎるっス!迫害っス!暑いっス!」


先輩「クーラーつけます?」


後輩「いやそれは勿体無いんで」


先輩「はい」

後輩「先輩何読んでるんスか?」


先輩「男くんに借りた本ですね。中々面白いですよ」


後輩「へぇー…」


先輩「今度読んでみますか?」


後輩「いや、自分は活字はちょっと…授業中ならともかく、プライベートで本なんか見たらマトモでいられる自信ないっス」


先輩「そうですか、ほりゃ」ペラッ


後輩「いやああああ!目が!目がぁ!紙と文字の白黒コントラストが痛いっスぅ!」

先輩「後輩は毎日来てますが、こんな場所で退屈じゃないんですか?」


後輩「え?何でっスか?」


先輩「何でも何も、後輩は毎日ここに来て何もせずに帰るじゃないですか」


後輩「先輩と話してるじゃないっスか」


先輩「まぁそれはそうですが…」


後輩「自分は先輩さえいればそれでいいんス」


先輩「…そうですか」


後輩「そうっス」



後輩「先輩は夏と冬どっちが好きっスか?」


先輩「…どちらかと言えば冬ですかね」


後輩「へぇ、何でっスか?」


先輩「太陽が沈むのが早いですし、星が良く見えますから」


後輩「あはは、先輩らしい理由っスね」


先輩「後輩は夏が好きそうですね」


後輩「どうしてそう思うんスか?」


先輩「遊べる時間が長いから、とかですかね」


後輩「子供じゃないっスよ!?」


先輩「違うんですか?」


後輩「…いや、えっと…違わないっス…」


先輩「ふふ、素直でよろしい」


天文部の印象はこんななのか

>>8
すみませんぶっちゃけ文化系の部活なら何でもよかったんで適当に天文部チョイスしただけです
天文部的トークやらはなくダラダラやっていきます


後輩「せーんぱい」


先輩「何ですか?」


後輩「いえー、何でもないっス」


先輩「そうですか」


後輩「そうっス」


先輩「…何笑ってるんですか?」


後輩「別にー何でもないっスよー」


先輩「…じゃあこの後輩の食べかけの紅茶とシュークリームはいりませんね、僕が貰います」


後輩「あああすみませんすみませんっス!それだけはご勘弁を!」


先輩「暇なら無理して来なくてもいいんですよ?僕は一人でも問題ありませんし…」


後輩「あ、でも自分の食べかけを先輩が食べると言うことはすなわち…か、関節キス…!」


先輩「聞いてませんね、しかも何を考えているのやら」


後輩「先輩!この紅茶とシュークリームあげるっス!」


先輩「いや今の独り言を聞いた上でもらうわけないじゃないですか」

先輩「しかし好きですね、紅茶とシュークリーム」


後輩「そうっスね、おやつには最適っスよ」


先輩「後輩は食べ方が綺麗ですね。僕は後輩がおやつを食べるのを見るのは好きですよ」


後輩「ごふっ!?けほっ!こほっこほっ」


先輩「うわっ、だ、大丈夫ですか?どうしたんですか急に…拭くもの持ってきます」


後輩「せ、先輩が綺麗って…好きって…」


先輩「取り敢えずハンカチとタオル持ってきました。顔拭くので動かないで下さいね」フキフキ


後輩「んぐ…うにゅ…」


先輩「これでよし…気になるなら顔を洗ってきても大丈夫ですよ。あとは机を…」


後輩「せ、先輩!」


先輩「ん?何ですか?」


後輩「自分も…す、好きっス!」


先輩(…?…ああ、シュークリームのことかな)


先輩「ええ、僕も好きですよ」


後輩「はぅあ」バタンキュー


先輩「!?ちょ、後輩!?大丈夫ですか!?ってうわ顔赤っ!熱!?と、取り敢えず保健室に!」




後輩「…えへへぇ」

・・・・・・・・・・・・


後輩「先輩、そういえば気になったんスけど、兄弟とかっているんスか?」


先輩「唐突ですね。兄が1人、姉が1人います」


後輩「へぇ、意外っス」


先輩「そうですか?」


後輩「はいっス。何だか先輩って小さい子の面倒とか見てそうだから弟サンか妹サンでもいるのかなって思ってたっス」

先輩「まぁ、否定はしませんよ。子供は嫌いじゃないですし」


後輩「妹とか欲しくないっスか?」


先輩「そうですね…確かに、たまに欲しくなるときはありますね。癒されそうです」


後輩「じゃあ自分が先輩の妹になってあげるっス!どうっスか?お兄ちゃん♪」


先輩「…やめておきます。癒しなんて考えた僕が馬鹿でした」


後輩「何でっスか!?お兄ちゃんよりにぃにとかの方が良かったとか!?」


先輩「………」

後輩「先輩って誕生日いつっスか?」


先輩「来月末です」


後輩「へぇ!近いっスね!」


先輩「後輩は?」


後輩「自分は来週っス!」


先輩「近い…?」

後輩「先輩、お菓子食べるっスか?」


先輩「クッキーですか、いただきます」


後輩「今日は先輩の為に自分で作ってきたんスよ」


先輩「あ、じゃあ遠慮しておきます」


後輩「何でっスか!?」


先輩「何を混ぜられたか分かったものではないので」


後輩「心外っス!」


先輩「じゃあ後輩、試しに1つ食べてみて下さい」


後輩「えー先輩のために作ったんスけど…」


先輩「他の誰かにあげるわけじゃないですし、1つくらい問題ないでしょうに」


後輩「それでも自分は先輩の為に1つ1つ作ってきたんス。例え自分であろうとも1つとして先輩以外にはあげたくないんス!」


先輩「………」


後輩「…先輩ぃ…」


先輩「…はぁ、じゃあ全部、頂きます。欲しいって言っても上げませんよ?」

後輩「……!」パァァ


後輩「どうぞどうぞっス!1つ残らず頂いちゃって下さいっス!」


先輩「では…。……!」


後輩「…ど、どうっスか?」


先輩「…後輩、これ、味見しました?」


後輩「…?いえ、全部先輩に食べて欲しかったんで手はつけてないっす。…も、もしかして、美味しくなかったっスか…?」


先輩「…いえ、美味しいですよ」


後輩「そうっスか!良かったぁ…」


先輩(…砂糖の代わりに塩の効いたクッキーは思った以上にキツい…)

先輩「後輩、だらしないんで服装はちゃつとしてください」


後輩「え?どこがっスか?うわ、先輩の前なのに、恥ずかしいっス」


先輩「ああもう、僕が直しますから動かないで下さい」


後輩「変なとこ触んないで下さいっスよ」


先輩「はいはい」




後輩「こほっこほっ」


先輩「夏風邪ですか?薬いります?はい冷えピタです。休むなら保健室まで連れていきますよ?それともソファで横になります?毛布持ってきますね」


後輩「い、いやむせただけっスから!大丈夫っス!」




先輩「暑いですね、クーラーつけます?」


後輩「いや、もったいないんでいいっス」


先輩「じゃあ冷えピタ使います?」


後輩「いやいいっス。…ってかそれさっき勢いで開けたのじゃないっスか」


先輩「もったいないですしどうぞ」


後輩「いやいいっスって。先輩こそどうぞ」


先輩「後輩が体調崩したら大事ですから、付けてください」


後輩「さっきから気使いすぎっス!これじゃ兄妹じゃなくてまるで親子っス!」

先輩「後輩、だらしないんで服装はちゃつとしてください」

先輩「後輩、だらしないんで服装はちゃんとしてください」

先輩「たまには真面目に活動しましょう」


後輩「はぁ、何するんスか?」


先輩「うちは天文部です」


後輩「知ってます」


先輩「ならやることはただ1つ、天体観測です」


後輩「でもまだ外は明るいっすよ」


先輩「はい、なので下校時刻ギリギリまで待ちます。後輩、今夜は帰りは遅くなりますよ」


後輩「きゃー何するつもりなんスか先輩ー♪」


・・・・・・・・・・


後輩「…先輩、下校時刻っスよ」


先輩「…ええ」


後輩「…外、明るいっスね」


先輩「そうですね、8時前なのに明るいってどういうことですか」


後輩「そういう季節っスから」


先輩「まったく、まるで後輩みたいな太陽です」


後輩「どういう意味っスか!?」

先輩「…まぁ文句を言っても仕方ないです。後輩、帰りましょう」


後輩「あ、はいっス。でも先輩とは家の方向が違うから一緒に帰れないのが残念っス…」


先輩「今日は家まで送ります」


後輩「え?」


先輩「帰りが遅くなったのは僕のせいですから。それに、こんな時間に1人は危険です」


後輩「心配してくれるんスか?」


先輩「いや、そういうわけでは…」


後輩「ふふ、ありがとうごさいますっス♪」


先輩「…はぁ、もうそれでいいです。早く帰りますよ」


後輩「あー待って下さいっス!せんぱーい!」

男「………」ペラッ


後輩「こんちゃーっスせんぱーい!…ってありゃ、男サンどもっス。先輩はまだですか?」


男「………」コクリ


後輩「うーん先輩まだっスかー。急いだ甲斐がないっス」


男「………」ペラッ


後輩「あ、男サン聞いて下さいよ!昨日先輩と一緒に帰ったんス!家まで送ってくれたんスよ!」


男「………」


後輩「家に上がってもらおうと思ったんスけど、もう遅いからって帰っちゃいました…。まぁそんなツレないところも…」


男「………」




男「………」

後輩「そんで先輩が美味しいって言ってくれたんス!いやー幸せっス~」


男「………」


後輩「はぁ~でも先輩の前だと緊張して上手く話せないんス…深刻な悩みっス…」


男「……!?」


後輩「なんスかその顔。自分だって悩みくらいあるっス。…はぁ~、なんだかんだで真っ直ぐ先輩に伝えたことはないんス…」


男「………」


後輩「でもやっぱ先輩はかっこいいっス~。この間なんかっスよ・・・・・


男「………」ウンザリ

・・・・・・・・・・


女「んー…あ!男くんやっぱりここにいたんだ!何で逃げるのさ!」


男「!」ギクッ


後輩「あ、女サンどもー」


女「こんにちは、後輩ちゃん。さ、男くん行くよ!今日は駅前のシュークリーム屋に行く約束だよ!」


男「………」ハァ


後輩「男サンも大変っスね」


男「………」スッ


後輩「ん?なんスかコレ。…ボイスレコーダー?」


男「………」コクリ


後輩「いやいきなり渡されても…どうすりゃいいんスかコレ」


男「………」コクリ


後輩「いやいやコクリじゃなくて…」


女「それ、部長さんに渡して欲しいって」


後輩「何で分かるんスか!?」


女「さ!男くん行くよ、早く行かないと閉まっちゃう!じゃあね後輩ちゃん」


男「………」ズルズル


後輩「あはは…幸運を祈るっス…」ノシ

・・・・・・・・・・・


後輩「そんでコレ渡してって頼まれたっス」


先輩「ボイスレコーダー?そんなもの頼んだ覚えはないですが…」


後輩「中にデータ入ってるっスか?」


先輩「入ってますね」


後輩「じゃあ伝えたいことがあって録音したデータ持ってきたとかっスかね?」


先輩「…男君ならありえますね。でも他の誰かからの伝言ってこともあるでしょう」


後輩「聞いてみるっスか?」


先輩「まぁそういうことでしょうし、聞いてみましょう」

『せん…にクッキ…焼…んス…』


後輩「えらくザラついてるっスね」


先輩「何か急に録音したんでしょうか?」


『前の晩から…して…懸命作った…ス』


先輩「女性の声ですね、少なくとも男君の声じゃなさそうです」


後輩(…ん?)


『先輩に食べてもらっ…不味かっ…どうしよ…と思ったっス…』


先輩「…おや?これってもしかして…」


後輩(ああぁぁぁああ…!?)


『そんで先輩が美味しいって言ってくれたんス!いやー幸せっス?』


先輩「これって…後輩?」


後輩「ちょちょちょ、止めっ」


『そしたら気持ちが凄くフワフワして…やっぱり自分、先輩のことが大好きなんだなぁって…あ、これ先輩には秘密っスよ!』


後輩「うわああああ!?止めて下さいっス!違うんス!」


先輩「………」ヒョイッ


後輩「先輩!?渡してくださいっス!それ止めてくださいっス!」


先輩「…ちょっと興味が湧きました。もうちょっと聞いてみましょう」


後輩「」

『やっぱり先輩はかっこいいっス!自分もうメロメロっスよ~』


『しかも凄く優しいんス!この間なんか~~~


『家に上がってもらおうと思ったんスけど、もう遅いからって帰っちゃいました…。まぁそんなツレないところも素敵っス~!』


後輩「あうあうあう…」プシュー


先輩「…ふむ」

後輩「しぇ、しぇんぱい…ちがうんス…これはちがうんスぅ…!」グスッ




先輩「…後輩、ありがとうございます」ポンッ


後輩「…ふぇ?」


先輩「こんなに慕ってくれる後輩がいて、僕は幸せです」ナデナデ


後輩「せ、先輩…?」


先輩「だから、泣かないで下さい。後輩の気持ち、嬉しかったですよ」


後輩「先輩…せんぱいぃ!」ガバッ


先輩「おっとと…顔が汚れてますよ、ほらこれで拭いてください」


後輩「ふぇぇ…先輩ぃ…♪」


先輩「…ふふ」ナデナデ

・・・・・・・・・・・・


先輩「さて、そろそろ帰りましょうか。家まで送って行きますよ」


後輩「はいっス!えへへぇ…」


先輩「腕にくっつかないで下さい。歩きにくいです」


後輩「…駄目っスか?」


先輩「…今日だけですよ」


後輩「…♪」


先輩「まったく、僕も甘い…」


後輩「先輩も嬉しいくせに~っス♪」


先輩「…まぁ、否定はしませんが」


後輩「そういえば、ボイスレコーダーはどうしたんスか?」


先輩「………」


後輩「先輩?」


後輩「…ア、アレは僕が責任を持って処分しておきます」


後輩「…先輩、ボイスレコーダー渡して下さいっス」


先輩「はは…何を言っているのやら…ちゃんと僕が管理しておきますよ」


後輩「じゃあデータ消すんで渡して下さいっス!アレは嫌なんス!恥ずかしいっス!」


先輩「大丈夫ですって!他の人には聞かせませんから!」


後輩「先輩に聞かれるのが1番嫌なんス!」




先輩「クッキー、また期待してますよ」


後輩「…任せて下さいっス!愛情込めて作るっスよ!」


いやー天文部ガン無視でしたね、もうちょっと何とかしたかったんですがね

というわけでこれで終わりです。本当はもっと続くかなって思ってましたがキリが良かったのでってことで

また気が向いたら何か書くかもです


前に書いたの
男「淡々とした彼女」
男「淡々とした彼女」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396108884/)

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