ココア「喪失と渇望に甘いココアを」 (49)
「では、行ってきます」
今日は友達の家でお泊まり会をするらしく
香風家長女であるチノは
そう言い残して家を出ていく
香風家が営むラビットハウス
その店先では
チノの父親と家族ではない少女がチノを見送る
2人の表情には穏やかな笑みが浮かんでいたが
それはチノが見えなくなった途端に
暗く影を落とす
いつからこんな関係になってしまったのかと
悔いる反面、渇望して止まないその感情に痛みを受ける父親は
眼下の下宿させている少女を見やる
見上げる少女の笑みはぎこちないものだった
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あの……と
小さく声を出す少女に対して
チノの父親であるタカヒロは申し訳ない。と
苦悶の表情を浮かべる
本当は間違っていることだと
いや、間違っているなどという範疇に収まるようなものではないと
タカヒロであれ、下宿している少女、ココアであれ
理解している
けれども
2人はそれが分かっていながらも……互いに終わりを告げることはできない
「……戻ろうか」
タカヒロの静かな声に
ココアは小さく頷き、そのあとについていった
チノに連れて行かれたティッピーと
チノ当人は今夜は帰らない
というのも、友人の家に泊まりに行くからである
喫茶店からバーに変わろうかという時間
店の扉には「closed」という掛看板がかけられ
静かになったカウンター席に座るココアは
タカヒロのなにか飲むか。という問いに首を振る
これから口にするものを踏まえて
先には何も口にはしないべきだと思ったのだ
そしてココアはそれよりも。と
静かな空気さえも抜き取って真空にするように声を漏らす
そのたった五字の言葉と少女の気のない瞳に
タカヒロはわずかに頷き、部屋へと招く
2人の何の変哲もなかった日常が変わったのは
物凄く些細で、単純な偶然の一瞬のせいだった
あそこで何も見ていないと目を逸らしていれば
身を翻して自分の部屋に戻っていれば
ベッドに座るタカヒロの前で
ココアが膝をついているようなことはなかったかもしれない
でももう、それは考えるだけ無駄だと
ココアは解っていて、諦めていて
タカヒロはその優しさとは言えないココアの心に甘えてしまっていて
この醜悪な状態が未来を蝕んでいくのを
2人は止めることは出来ず、ただただそれに流されていく
曝け出された男性固有のソレを
ココアはその手で優しく包み込み
天井の明かりを受け
艶やかな光沢を放つ舌を伸ばす
慎重に距離を詰めるココアは
微かに残る風呂上がりの匂いと
隠されていたがゆえの汗臭さに肺を支配され
小さく咳き込みながら舌でソレに触れる
微細なザラつきに刺激され
タカヒロがビクッと驚いたのを上目で確認しつつ
ソレの先端の割れ目をぺろっと舐める
普通では絶対に感じ得ないその刺激に耐性などあるはずもなく
タカヒロが小さく呻いた
中断
すまん、>>1に閲覧注意を忘れた
あとsage進行
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