サシャ「一緒に走りましょうよ!」(29)
コニー「ふざけんなっ!」ダダダダッ
サシャ「そんな事言いながら走ってるじゃないですか~」ダダダダッ
コニー「てめぇが『逃げますよ!』とか言ったせいで俺まで芋泥棒扱いされてんだろーが!このクソ芋女!」ダダダダッ
サシャ「芋の悪口は見逃せません、謝ってください!」ダダダダッ
コニー「100パーセントお前の悪口だボケがぁぁぁあ!」ダダダダッ
・・・・・
サシャ「コニーの……ハァッ……せいですからね!」グッタリ
コニー「……ハァッ……頭沸いてんのか……」グッタリ
サシャ「コニーが騒ぎながら走るから……バレて……ハァ…罰則受けたんじゃないですかぁっ!」
コニー「出会っちまった時点で既にてめぇは追われてただろうが!」
エレン「おー、お前らあんだけ走らされたのにまだ元気あんだな。水飲むか?」
サシャ「いただきます!」ゴクゴク
コニー「悪いな。今日はエレンが水汲み当番だったか」ゴクゴク
エレン「おう。じゃ、俺は戻るわ。仲が良いのも程ほどにな」
コニー「誰がこんなクソ芋女と仲が良いって!?」
サシャ「心外です!芋を侮辱する輩にいい人間はいませんよ!」
エレン「え?でも近接格闘はいつも一緒に組んでるし割とよく話してないか?」
コニー「……もうやらねー」フンッ
サシャ「わ……私だってお断りですよ!」フンッ
・・・・・
エレン「──って事があったんだが、仲が良いと思ってたのは俺の勘違いだったのか?」
アルミン「うーん……あの二人は割と小さめの村育ちでさ、狩猟で生きてたってところも同じだし、今まで無意識に一緒にいたって感じかな?」
エレン「んー……って事は俺が余計な事を意識させちまった、とか?」
アルミン「それは……否定出来ないかもね」
エレン「そうか……やっちまったな。変にこじれなきゃいいんだがなぁ」
アルミン「ま、まぁ明日になったら元通りって可能性もあるからね。エレンも深く気にしない方がいいよ」ニコッ
エレン「おう、そう言ってくれると気が楽になる。じゃあ寝るか」
──食堂、朝
アルミン「……」
ミカサ「……なぜあなたがここに?」
コニー「たまには一緒に食ったっていいだろ?」モグモグ
エレン「まぁ席が決まってる訳でもないしな」モグモグ
コニー「あーうまかった!飯を盗られる心配がない席って最高だな!」チラッ
アルミン(わざわざ隣のテーブルのサシャに喧嘩を売らないでよ……)ゲンナリ
サシャ「!……ハゲが視界に入らない朝は快適ですね!」チラッ
コニー「!誰がハゲだこらぁぁっ!」
サシャ「人の話を盗み聞きして、勝手に勘違いして怒らないでくださいよ!過剰摂取ですよ!」フンッ
アルミン「サシャ、自意識過剰、ね」
サシャ「!じ、自意識過剰です…よ」
コニー「ハッ!お前には過剰摂取の方がお似合いだな。いつまでも食ってろ」スタスタ
サシャ「きぃぃぃぃっ!女の子に向かってなんてことを…っ!」
ユミル「騒ぐなら余所で食えよ。うるせーから」ゲシッ
サシャ「あ、ユミルそんなこと言わないでくださいよ~」エヘ
クリスタ「もうユミル、また意地悪言ってる!」
ユミル「私はクリスタと二人で食べたいんだよ。何よりこいつがうるせーのが悪い」
クリスタ「もう!……でもサシャ、コニーと喧嘩したなら仲直りしなきゃダメだよ?」
サシャ「わ、私は謝りませんよ!?あ、食べ終わったのでお先にっ!」スタコラ
──近接格闘
サシャ(ど、どうしましょう……いつもコニーと組んでいたので相手が……)オロオロ
コニー(チッ……なんだかんだ皆も相手決まってんだよな……早く組まないと教官にど突かれちまう)イライラ
エレン「うおっ!?」ドテッ
アニ「ふん……足技を警戒しながら足技にやられるとはね」
エレン「ちくしょう!もう一回だ!」
サシャコニ「「エレン!」」
エレン「あ?サシャとコニーか。仲直り出来たんだな!」
サシャ「わ、私と組んで貰えませんか!?」
コニー(チッ…先を越されたか!)
エレン「やだよ、俺いまアニと組んでr…」
サシャ(コニーとは仲直りしてないんです助けてくださいお願いしますよぉぉぉ)ヒソヒソ
エレン(まだ仲直りしてないのか……二人の喧嘩は俺のせいでもあるってアルミンも言ってたしな)
エレン「……アニ、途中で悪いんだけど俺サシャと組んでもいいか?」
アニ「……まだ私の足技攻略していないじゃないか。まぁ負けっぱなしでいいなら……好きにしたら?」フンッ
エレン「いいってよ。じゃあ組むか」
サシャ「ありがとうございますエレェェェン!」
コニー「お、おい!だったらアニは俺と組まないか!?」
アニ「……容赦しないよ」
コニー「え?なんで怒って……」
ドゴッ…
──食堂、夕食
アルミン「……」
ミカサ「……なぜあなたがここに?」
サシャ「細かいことはいいじゃないですか」モグモグ
エレン「まぁ席が決まってる訳でもないしな」モグモグ
サシャ「そういえばエレン、あなたは加減を知らなさすぎですよ!?おかげで私はアザだらけですよだからパンください」
エレン「やらん。俺も腹減ってるんだからな。それに俺はいつもライナーやアニと組んでるんだぞ?サシャのレベルなんか知らねえよ」
ミカサ「サシャ、エレンに文句があるなら私と代わって欲しい。私はいつも組みたいのを我慢しているのに」
サシャ「うっ……すみません」
エレン「あ、ミカサがサシャと組めばいいじゃないか。こいつ成績トップだし、一応女だし」
ミカサ「そう、私は一応女//」テレ
アルミン(ミカサ、誉められてないよ…)
アルミン「あのさサシャ、コニーと仲直りしなよ」
サシャ「!アルミンまでそんなことを言うんですか!?」
アルミン「だってさ、ちょっとコニーを見てごらんよ」チラッ
サシャ「?……うわっなんですかあれ!」
コニー「」ボロボロ
アルミン「たぶんだけど……アニに手加減無しでやられたんだと思う。サシャがエレンをアニに返してあげないと、サシャ以上にコニーの体がもたないかも知れないね」
ミカサ「?エレンを返すというなら私だと思うけど、なぜアニに?」
アルミン「ああああのレベルのあった組み手の相手って意味でね!それ以上でも以下でもなくね!」
エレン「いや、しれっと言ってるけど俺はミカサのもんじゃねえぞ?」
アルミン(頼むから今は黙ってて!)ヒソヒソ
サシャ「……でも」
サシャ「どうしたらコニーが許してくれるのか、私にはわかりません」シュン
アルミン「まずはちゃんと言葉で謝ってみたらどう?」
サシャ「それで許してくれるでしょうか?」
コニー「……許すわけねーだろ」
サシャ「あ……」
コニー「お前も狩猟で生きてたならわかるだろ。獲物の一匹でも仕留めてきたら許してやらんでもないぞ」フンッ
サシャ「わ、わかりましたっ!絶対ですよ!?」タタッ
アルミン「サシャ!……コニー、このあたりに狩れるような動物がいないことは知ってるだろ!?」
コニー「う……俺の知ったこっちゃねーよ!」ダッ
アルミン「コニー……」
──男子寮、深夜
アルミン「サシャはまだ帰ってないって」
ライナー「まずいな、もう消灯時間はとっくに過ぎている。これ以上は女子とも簡単には連絡が取れないから状況がわからなくなるな……」
ベルトルト「皆……雨が降り始めたよ」
ライナー「嫌なタイミングだな……」
エレン「俺ちょっと外見てくるわ」バサッ
アルミン「僕も行くよ。下手に遠くでなければ裏山に向かうだろうし」バサッ
ガチャッ
コニー「待ってくれ……俺も行く」バサッ
アルミン「そう言ってくれると思ってたよ。山はコニーが一番詳しいからね。ライナー達は悪いけど万が一見回りが来たらごまかしておいてくれる?」
ライナー「こちらのことは任せておけ」
エレン「よし、出よう」
─────
───
──
サーーー…
サシャ「雨……」
サシャ(獲物探しに夢中で道を見失うとは……やはり夜の山なんて来るもんじゃありませんね)
サシャ(結局は獲物の影すらみつかりませんし……いいことなしとはこのことです)
サシャ(……まぁろくな道具もなく狩れるとは思ってもいませんでしたが)
サシャ「これじゃあコニーの許しは得られませんね……困りました」
サシャ「少し明るくなるまで待ちましょうか。……体力が持ちますように!」
コニー「……アホか。夜の山で雨の中、何時間粘るつもりだよ」
サシャ「コニー!来てくれたんですか!?あ、でもまだ獲物が……」
コニー「いらねぇよ。その代わり明日のパンで手ぇ打ってやる。ほら行くぞ」
サシャ「は、はい!すみません……肩を借りてもいいでしょうか…?実は不甲斐ないことに足をちょっと……」シュン
コニー「チッ……狩猟で食ってた割にはどんくせえな」
・・・・・
エレン「アルミン!いたか!?」
アルミン「あ、エレン、ちょっと静かに!……サシャはいたみたい。ほら」
エレン「!おぉ、コニーが見つけたみたいだな。じゃあアイツにまかせて俺達は帰るか」
アルミン「え?エレンが二人に気を使った!?」
エレン「ばっ…馬鹿にすんなよ!流石にあれを邪魔しにいくほど野暮じゃねぇ」ムスッ
アルミン「ごめんごめん、じゃ帰ろう。見つからないようにね」クスクス
・・・・・
サシャ「コニー、背負って貰えるのは嬉しいのですが足がつきそうで怖いです」
コニー「いやいや俺も流石にそこまで小さくねーから」
サシャ「コニー、ハゲっていってすみませんでした」
コニー「気にすんな。お前もいつかハゲるだろ」
サシャ「コニー、明日の訓練…一緒に走りましょうね」
コニー「……」
サシャ「コニー?」
コニー「……おう」
完
おまけ
──近接格闘、再び
エレン「アニ、今日も頼むぜ。やっぱりやるならアニに限る。サシャは俺には合わねえ」
アニ「……あの子は変な癖でもあるのかい?」
エレン「奴らを見てりゃわかるよ」
・・
サシャ「甘いです!蝶のように舞う私にそんなもの当たりません!あ、ちなみに私の背中には目に見えない羽根があって、その羽根の鱗粉を吸うと強力な眠気が襲います。解毒薬は湖の中に沈む特別な岩を粉末にする以外に無くて、その岩は青いのですごく見つけにくくて…」
コニー「お前毎回設定凝りすぎなんだよ。覚えきれねーって」
サシャ「あと“父を探して一人旅”はやめて、“血をわけた双子の兄に追われて逃げる途中”に変更しますから!」
コニー「だからそれも覚えてねぇから!もういくぞ!?くらえっ輪廻転生パーンチ!!」
アニ「……」
エレン「あれに付き合えるのはコニーくらいだろ?……コニーのセンスも大概だけどな」
おしまい
お付き合いありがとうございました。
進撃は三作目になります。
期待レス頂いてましたがベタな展開かつ短めですみません。
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