男「安価で何かが起こる学園物語」 (20)
男「今日も元気に学校行きますかね」
―――俺の名前は男。健全で元気な男子高校生だ。
男「じゃあ母さん、学校行ってくるわー」
母さん「気を付けて行ってこいよー」
そんな俺は、今日も今日とて別段行きたくもない学校へと重たい足を運ぶ。
面倒臭い事だが、高校へ通わなければ自身の就職が不利になってしまうので仕方がない。
高校へ通って卒業して、大学へ行って卒業して、社会人になって働いて、定年退職して死ぬ。
人間という生き物は非常に儚い存在だと思う。
そんな儚さを否定する為に、人は日々を一生懸命に生きているのだろうか。
だとしたらせめて、一回でいいから是非とも凄い体験をしたいもんだ。
男「まあそんな哲学的な考えはそろそろやめにして、と」
男「今日はどんな一日になるかな」
―――これは、そんなとある高校生のこれから起こる波乱万丈な学園物語を描いた物である。
※とりあえず即興もの。安価は何でもあり
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納豆
男
こいつは俺の幼馴染。あだ名は納豆だ。
残念な事に、どうして納豆なのかは俺も忘れた。
納豆「今日もいい天気だな! 絶好の昼寝日和だぜ」
男「お前なぁ……今日も授業寝る気だろ」
納豆「あったりまえよ、授業は寝るためにあるんだからな」
男「ちげーよ! この野郎、俺ですら最近は寝ずに授業受けてるってのによ」
納豆「何? 男が授業を真面に受けてるだと……?俺はお前をそんな風に育てたつもりはないぞ」
男「いやお前誰だよ、どちら様だよ」
納豆「納豆だよ」
男「……」
納豆「なんかごめん。まあそんな事よりもほら、学校着いたぜ」
男「……」
納豆「ておい、白い目で見ながら無視すんなよ!」
男「――はぁ、遂に学校に来てしまった訳だが」
納豆「憂鬱だな」
男「納豆の憂鬱ってか?」
納豆「まあそんなとこかな。宇宙人でも未来人でも何でもいいから、一目会ってみたいもんだ」
男「気持ちは分かるけど、そんなのはこの世に存在しないよ」
納豆「いやいや、100%いないとは言い切れないだろ」
納豆「もしかしたらアニメみたいに、『実は憧れの先輩が宇宙人だった!!!』みたいな事があるかもしんないじゃん?」
男「おいおい……そんな非現実的な事はアニメだけで充分だぜ」
納豆「え? なんでだよ、お前はそういうの望まないのか?」
男「だってよー、もし仮にその憧れの先輩が宇宙人だったという衝撃の真実を突き付けられたとしても、だ」
納豆「うん」
男「どういう意図で地球に在住してるのかわなんないじゃん」
男「大抵、宇宙人っていうと地球侵略を企んでたり人類を滅亡させようとしてきたりするもんだろ?」
納豆「いやそれは映画の話なんだけど……」
男「しかも宇宙人の容姿って何かグロいのばっかだし、先輩が宇宙人だったら実際は嫌な事しかないんだよ」
納豆「いやあのだから……」
男「嫌な事越して生命の危機的状況だな。下手すれば人類滅亡だぞ」
納豆「……」
男「それにだな――」
納豆「あ、もういいっす。僕が悪かったっす。うっす」
男「あ、そう? オッケー」
納豆「いやー男さんマジパネェっす。ガチヤバっす」
男「え、なにその喋り方は」
ねーねー聞いたー? あっちでなんかあったらしいよー
えーマジでー? いってみよー
男「ん? あっちで何かあったのか?」
納豆「朝からなんだなんだ……? はっ! まさか宇宙人が見つかったとか!?」
男「いや、それはない。安心しろよ」
納豆「うぃす」
>>10何が起こったか
金髪美人が倒れてる
ざわ……ざわ……
納豆「うわー、結構な人だかりが出来てるな。何かを囲んでるのか?」
男「あのーすいません、生徒会の者です通して下さい」
納豆「ってお、おい男!? なに勝手してんだよ!」
男「よし……だんだん先頭に近付いてきたぞ。なぁ、人たかり過ぎじゃないかこれ?」
納豆「たかり過ぎってレベルじゃねぇ! よくよく見たらこれ廊下のど真ん中にざっと100人は居るぞ!」
男「えええ!? どんだけいんだよ! この人混みを潜り抜けた先に何があるってんだ!」
納豆「よし、あと少しだ……!」
男「よっしゃあ! やっと人混みから出れたぞ、さて一体何が………」
納豆「……え」
男「……なぁ、納豆。俺の目に狂いがなければ、今目の前に人が倒れてるよな?」
納豆「あ、ああ……俺の目もおかしくなけりゃその通りだ」
男「髪色、金髪だよな?」
納豆「ああ、金髪だな……」
男「でもって……す、すげー美人だよな?」
納豆「お、おおう。その通りだよ……宇宙人に違ってもいい……」
男「この人……誰だ?」
納豆「わ、わかんねぇ。一応ウチの学校の制服は着てるけど……」
男「つ、つーことは先輩か?」
納豆「いや、まだ俺らもこの高校に入学して日は浅い。同級生の可能性だってあるぞ」
男「……どうする?」
納豆「どうするって、そりゃ取り敢えず起こすだろ」
男「そ、そうだな……納豆、頼んだ」
納豆「俺!? お前から首突っ込んだんだからお前が起こせよ!」
男「は、はぁあ!? 何でだよ! 元はと言えばお前が宇宙人の話なんてするから――」
金髪美人「……うぅん……」
男「――ッ!!」
納豆「……どうやら、いい争ってる暇は無さそうだな」
男「……そうみたいだな」
納豆「俺が今、何考えてるか分かるか?」
男「ああ、なんとなく分かるよ」
納豆「ふ、流石ブラザーだ。行くぞ……同時に起こすんだ」
男「分かった、3.2.1のタイミングだ。いいな?」
納豆「勿論だ。じゃあ、数えるぞ!」
男「了解……!」
納豆「3―――!」
男「2――!」
男&納豆「―――ッ1!!」
ピタッ
金髪美人「ん……ふぁああ……」
男「お、起きたぞ!」
納豆「成功だ。流石だぜ俺ら」
男「あのう、大丈夫ですか?」
金髪美人「……貴方達は?」
男「あっいえ、たまたまここを通りすがっただけのただの高校生ですよ」
納豆「貴女がここで倒れていたので起こしたのですが……大丈夫ですか?」
金髪美人「え、ええ……大丈夫。確か私は………って、何よこの人集りは!?」
男「あ、気にしないで下さい」
金髪美人「いやいや気にするわよ!」
納豆「じゃあ一旦、場所を移動しましょう。事情はそちらでお伺いするという事で」
金髪美人「そ、そうね。ありがとう」
男「静かで落ち着ける場所と言えば……保健室だな」
納豆「よし、行こう」
男「よし……無事に保健室に辿り着いた」
納豆「ふうぅ、あそこを通り抜けるだけでも一苦労だったな」
金髪美人「どうもありがとう、自己紹介が遅れたわね。私は金髪美人、学年は>>16よ。よろしく」
男「一体、何があったんですか?」
金髪美人「それは……>>15」
>>15何があったのか
>>16学年は
※男と納豆は一年で、この前入学したばかり
予兆なく意識が飛ぶ持病もち
一年
金髪美人「私、何の予兆もなく突然意識が飛ぶ持病を持ってるのよ」
男「なるほど……それは大変だな」
納豆「結構ヤバ目な病気なんじゃないのかそれ」
金髪美人「でも最近は意識が飛ぶ頻度も昔と比べて減ってきたし、大丈夫」
男「減ってきたっつっても意識が飛ぶのは相変わらずなんだろ? 危険じゃないか」
金髪美人「……そうね。この前なんて、歩道を渡っている時に意識が飛んでしまって大変だったわ」
納豆「えええ!? 大丈夫だったのかよそれ?」
金髪美人「ええ、その時はちょうど親と一緒に居たから。危うく難を逃れる事は出来たの」
男「……そんな経験を何度もしてるのか?」
金髪美人「まあね。幼い頃からずっと」
金髪美人「でも、もう流石に慣れてきたわ」
男「……」
納豆「……」
金髪美人「なんだかごめんなさいね、しんみりさせちゃって」
金髪美人「私はそろそろ行くわ。二人ともありがとう」
金髪美人「もうじきショートホームルームが始まるし、貴方達も教室に戻った方が――」
男「なぁ」
金髪美人「――え?」
男「迷惑じゃなければ、俺達友達にならないか?」
金髪美人「……友達?」
男「そう、友達」
金髪美人「私は一向に構わないけど……急にどうして?」
男「友達になるのに理由が必要か?」
金髪美人「い、いえ……そんな事はないけれど」
納豆「困った時はお互い様って言うだろ?」
男「金髪美人の助けになりたいのさ」
金髪美人「! 私の……?」
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