男「そんなつれないこと言うなよ」

友「やだね。写させたのバレたら説教だし」

男「……なあっ！」

眼鏡「な、なにっ？」

男「頼むっ、写させてくれ！」

眼鏡「え、えと……」

男「なあ頼むよー」

眼鏡「だ、だめだよ」

友「もう諦めれば？」

男「まだだ！なら、お前は……」

不良「やってあるわけねーだろタコ」

男「最初から期待してなかった」

不良「ああ！？」

男「……」ﾁﾗｯ

委員長「勿論俺はやってあるよ」

男「委員長ー、見せて見せてー」

委員長「断る」

男「……そんないじわるしないでさー」

委員長「俺はな、お前のことを思って断っているんだ」

男「俺のことを思っているなら写させろよ！」

委員長「例えば仮に写させたとしよう」

男「おう」

委員長「そうしたらお前は上手くやり過ごせてラッキーかもしれない」

男「いや、ラッキーだから。すごく嬉しいから」

委員長「でもそうしたらそれに味を占めてまた同じことを繰り返すかもしれない」

男「しないっ！しないからはやくっ！」

委員長「それなら叱られた方が後々お前のためになると思うんだ」

男「無駄にいい笑顔見せてんじゃねえよ！いいから貸せ！」

委員長「あ、こら返せ！」

男「すぐ返すから！ほんの少し借りたら返すから！」

委員長「この手を早く離せ」ｸﾞｸﾞ…

男「少しだけだから……」ｸﾞｸﾞ…

委員長「は　な　せ」

男「い　や　だ」

委員長「……」ｸﾞｸﾞ…

男「ふんぬおぉぉ……」ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞ…

友「……何やってんだか」

委員長「……わかった、離すぞ」ﾊﾟｯ

男「えっ」

ガッ！

不良「……思いっきり頭ぶつけたぞ？」

友「やばくね？」

保健室

男「ん……」

男「っ！いててて……頭が……」

男「……ここ、保健室か？」

友「あ、起きた？ちょっと心配したわよ？」

男「……は？」

友「……ちょっと、何ボーっとしてるのよ。もしかして悪いところにでもぶつけた？」

男「…………！」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

友「いったいなによ？……もしかして私どこか変？」

男「……お前さ」

友「なに？」

男「……友、か？」

友「そうだけど？何変なこと聞いてんのよ」

男「……あれ、見た目完璧に別人なのになんで俺は友だって思ったんだ？つうかなんでここに女の子が……」

友「何言ってんのよあんた。本当に大丈夫？」

男「大丈夫……多分」

友「……？」

男「な、なあ」

友「何？」

男「お前と俺ってどんな関係？」

友「えっ……な、ななによ急に！？」

男「頼む！教えてくれ！」

友「え、えっと……この学校で友達になった……と、友達」

男「…………」

友「……今のところは」ﾎﾞｿｯ

男「……もう一つ聞いてもいいか？」

友「なに？」

男「……右尻にほくろが二つあるよな？」

友「急にな、なにを言い出すのよ！？」

男「あるんだな？」

友「ていうかなんでそんなこと……」

男「あるんだな？」

友「……」ｺｸﾝ

男(……と、なるとだ。よくよく見ると美少女な女の子は友だ。間違いない)

男(というかなんで友が女の子になっているんだ！？全くわけがわか……)

ガララ

委員長「見舞いにきたぞ」

友「あ、委員長」

男「！？」

委員長「起きていたのか。大丈夫か？」

友「それがちょっと変なのよ」

委員長「……変？」

友「なんか変なことを聞いてくるんです」

委員長「ふむ？直接話してみようか。頭を強く打ったが大丈夫か？」

男「……委員長、だよな？」

委員長「…………なるほど」

友「ほら、変でしょ？」

委員長「確かに変だな。……私としたことがさっきは調子に乗りすぎたな」

男「……いや、別に大丈夫だよ」

委員長「だが……」

男「いや、本当に大丈夫だって。それよりもちょっといい？」

委員長「どうした？」

男「ここって男子校だよな？」

委員長「」

友「」

男「……違うのか？」

委員長「……病院に連れて行った方がいいな。私としたことがなんということを……」

友「元々頭が悪かったのにこんなことになるなんて……」

男「ボロクソに言い過ぎだろ」

委員長「……ここは全寮制の女子校だ。そんな当たり前のことを聞くな」

男「……俺は野郎だぞ？」

友「そうね」

委員長「なんだ急に当たり前のことを言って」

男(……女子校に俺という男が居るのに違和感を感じていない？ということはつまり……)

男「や……やったーっ！！」

友「うわ！？ちょっと急になによ！」

委員長「可哀想に……私があんなことをしたから脳がやられたんだな」

男(なんでこんなことになったのとかはまったくわからんが女だらけの園に俺一人！ハーレムじゃん！楽園じゃん！)

男「……」ﾋﾟﾀｯ、ｼﾞｰ

委員長「こ、今度なんなんだ。急にこちらを見つめてきて……」

友「そんなに強く頭を打ったのかな……」

男(……よく見ると美少女にはなっているが面影があるな。こうやって見つめていると思いだして……)

男「……萎える」

委員長「は？」

男「いかん、どうしてもあいつらがちらつく。くっそぉ！どうせなら面影全部なくしちまえばよかったのにぃぃぃ！」

委員長「こ、今度は発狂し始めたぞ！？」

友「せ、先生呼んでくる！」