京太郎「ステルスと」モモ「イーワンっす!」 (808)
京モモSSです。
長編になります。
原作改竄、キャラ崩壊、その他もろもろあります。
苦手な方はそっと戻るを押してください。
基本的にモモ視点で話を進めていこうかなって思います。
京太郎視点もたまにあります。
コンマ判定あります
ただしそこまで重要なことにはなりません。
イチャイチャできればそれでいいのです。
イチャイチャ込みの修羅場はあるかもしれません。
京太郎「ステルスっ子と」桃子「初夜」
京太郎「ステルスっ子と」桃子「初夜」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399550448/)
前スレです。
今は小ネタ集をやってます。
小ネタは上のURLのスレでやります。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401274076
出会い
「はぁ・・・・」
いつもの日常。
誰からも見向きもされず、誰からも相手にされず。
(・・・・一人でかくれんぼやってるみたいっす)
桃子は公園のベンチにずっと座っていた。
(私もあんな風にみんなと遊びたいっす)
視線の先には友達とブランコしていたり、砂場でお城を作っていたり。
誰しもが友達と一緒にいた。
ただ一人、桃子を除いて。
桃子は何度もこの体質を恨んだ。
苛められているわけではない。
そこにいることに気付いてもらえない。
「・・・・・・・・」グスグス
ポツリ。
一つ、また一つ。
桃子の頬を伝う雫が落ちた。
(こんな人生嫌っす)
誰でもいいから気付いて欲しかった。
(こんなの耐えられないっす)
ゆっくり立ち上がる。
フラフラとした足取りで公園を立ち去る。
歩道をおぼつかないで歩く。
何度も人にぶつかったりもした。
でも、誰も桃子に気付くことはなかった。
(もう・・・・死にたいっす・・・)
桃子は横断歩道を歩く。
その目の前の信号が赤になっていることにも気付かずに。
「危ないっっ!!!!!」
突然、腕を引っ張られる。
その瞬間、さっきまで自分がいた場所にトラックが通り過ぎる。
まるで何もなかった、誰もいなかったかのように。
「ったく・・・・危ない奴だな・・・」
また声が聞こえた。
腕が引っ張られる方に向くとそこには金色の髪の少年のがいた。
鼻の頭に絆創膏を貼り付けていてわんぱく少年っぽかった。
「それにしてもあの車、気付いてなかったのかな・・・・」
ポリポリと頬をかきながらチラチラとこちらを見る少年。
「君は・・・私のこと・・・・視えるっすか・・・・?」
恐る恐る聞いた。
少年はきょとんとした顔をして
「見えるに決まってんだろ」
当たり前のようにそう答えた。
ぽた・・・・ぽた・・・・。
頬を伝い雫が落ちた。
「お、おい。どうかしたか? どっか痛いのか?!」
少年があたふたしてる。
「ふふっ」
どこかその仕草が面白くて笑ってしまった。
「痛くないのか・・・? 大丈夫か?」
少年が見上げてくる。
どうやらまだ私の方が高いみたいだ。
そんなこともちょっと嬉しく思ってしまう。
「えっと・・・大丈夫っす」
「そ、そうか。ならいいけど」
少年は掴んでた腕を離した。
ちょっとだけ寂しい気がした。
「あの、助けてくれてありがとうっす」
「ま、まぁな! 男は女を守るのがシメイだからって父ちゃんによく言われてんだ」
「だから俺は当然のことをしただけだぜ」
少年が笑う。
太陽のように眩しかった。
「あの、名前教えてほしいっす」
意を決して私は聞いた。
「京太郎だよ」
京太郎、と心の中で刻み込むように小さく呟く。
「お前は?」
「私は桃子っす」
「じゃあ、モモだな」
「!?」
「だって顔がモモみたいに真っ赤になってるぜ」
慌てて顔を触ると信じられないくらいに熱くなっていた。
気付いて更に熱くなる気がした。
きっと私はこの時から少年―京太郎―に恋をしていたのだと思う。
これで出会い編は終わりっす
転校と再会
「はぁ・・・」
小さくため息をつく。
気付かれることもなく周りは普段通りの日常を送る。
(須賀くん・・・どこにいったっすか・・・)
あの日の出来事以来、京太郎の姿を追うことが多くなった。
自分を見つけてくれた少年は桃子が見ているのに気付くとにこりと笑いかけてくれた。
時には一緒に遊んでくれたり。
そんな彼が昨日、両親の転勤を境に学校を転校してしまった。
(・・・・でも)
京太郎は転校する日、校門でモモを待っていた。
一つだけ言い残したことがあると。
『モモが何処にいても何処に隠れても必ず見つけてやるからな』
彼はそれだけ言って去っていった。
ちゃっかり頭を撫でて貰った。
(いやいやそれは関係ないっす///)
桃子は窓際の席で外を見る。
そこにはいつもの景色があった。
そして数年後
(うぅ・・・・緊張するっす)
桃子は高校受験の会場にいた。
後ろから二番目の席に着き開始の合図を待つ。
(・・・・・そういえば須賀くんはどこの受験会場にいるっすかね・・・)
ふと京太郎のことが頭を過ぎる。
転校してから一切連絡もなかった。
それでも桃子は忘れることが出来なかった。
(きっと何処を受けても大丈夫っすよね。私の王子様っすから)
桃子の京太郎への想いは小さくなることなく、大きくなっていた。
桃子の短い人生で自分を見てくれる相手は彼だけだったから。
思い出に耽っていると入り口から職員が入ってきた。
(えっと・・・筆箱を出して・・・あれ?)
ふと自分の筆箱を探して消しゴムがなくなってることに気付く。
(どっかに落としちゃった・・・っすよー・・・・)
いくら探しても無いことに気付くと机に突っ伏した。
(うぅ・・・終わりっす・・・絶対絶命っす)
そんなことをしているのにも関わらず、職員は桃子の行動に気付くことなく説明を続ける。
周りの生徒も気付くはずなく職員の話を聞いている。
桃子は小さくため息を吐く。
つんつん。
後ろから鉛筆のほう物で背中を突っつかれた。
(きっと何かの間違いっす)
桃子は突っ伏した姿勢を崩さずにいると、
つんつんつん
更に突っついていた。
いい加減鬱陶しくなってきた。
(こっちは消しゴムなくしてそれどころじゃないっす)
つんつんつんつんっ
更に加速してきた。
「あーもう!」
我慢の限界を超え、後ろに振り返る。
(こうなったら文句の一つでも言ってやるっす!!)
そう思い、口を開けた瞬間、息が止まった。
「消しゴム落としたろ?」
視線の先には見覚えのある金髪の少年がいた。
再会編終わりっす
やっとプロローグが終わった感じっす
こんな感じで書いていくのですが大丈夫ですか・・・ね?
地の文ありって書くの忘れてました・・すいませんorz
高校はどっちなんだろうか
受験会場~京太郎視点~
(二年前に創立した学校だからさすがに綺麗だよなぁ)
京太郎は会場を見渡す。
(なんというか・・・場違い感半端ないんだけど・・・)
周りの学生は黒髪だったり、染めていても女子だけだったり。
(地毛だから仕方ないけど・・・・・・こればっかりはなぁ)
転校する度に髪の毛のことを色んな人に聞かれた。
聞きもせずに不良だと決め付ける人もいた。
(ここでもまたそうなるのかね・・・ん?)
ため息を吐くと同時に視線を落とすと足元に消しゴムが転がっていた。
とても見覚えがあった。
ピンクのモモが真ん中に描かれている、消しゴムだ。
影の薄い少女が使っていたものと全く同じだった。
(まさか・・・ね)
そんなことはありえないと、頭を横に振る。
消しゴムを拾い、机に置く。
目の前の女生徒が騒がしく動いていた。
(あー、多分消しゴム落としたんだろうなぁ・・・)
なんとなくそう思った。
女生徒は探し物を探すのを諦めたのか机に突っ伏してしまった。
(・・・・やれやれ)
女生徒の背中を鉛筆でつつく。
女生徒はピクリともしなかった。
(・・・・・・・・)
更につつく。
だが振り向く気配が無かった。
(・・・・・・・・・・・・)
加速させてつつく。
すると女生徒の肩が何かを堪える様に上下した。
(よしっ俺の勝ちだな)
なんてくだらないことを思いながら、さっき拾った消しゴムを手に持つ。
「あーもう!」
女生徒の声が聞こえた。
振り返った女生徒はあの影の薄い少女だった。
>>12
京太郎視点の台詞に答えがありますよー
【入学式】
(・・・・・)
桃子は新入生として入れた鶴賀高校の入学式に参加し、通過儀礼とも言われるこの式はなんの問題もなく進行して終わった。
(・・・・須賀くん・・・ううん、京太郎くん・・・)
桃子と京太郎は運良く同じクラスだった。
急いで教室に戻る。
廊下を走っても誰も注意しない、たとえ教師であっても、桃子には気付けないのだから。
「おう、モモ」
教室の扉の前に京太郎がいた。
勢い余ってぶつかりそうになるのを堪えながら正面に立つ。
「あ、あの・・・・京太郎くん・・・っすよね?」
恐る恐る聞いてみる。
世界に三人同じ顔をした人がいるという噂があるように、きっと彼も偽者ではないかとつい疑ってしまった。
「そうだけど・・・」
なんでこんな質問するのか分からないって顔をしていた。
(あーもう・・・私が聞きたいのはこんなことじゃないっす)
久々再会出来て―試験会場では会話無し―頭がパニックになってる。
沸騰しそうな頭を深呼吸して落ち着ける。
まっすぐ京太郎の顔を見る。
数年の年月のせいかいつの間にか京太郎を見上げなくてはならないくらいの身長差になっていた。
そんな些細なことに気付けた自分が少しだけ誇らしく嬉しく思ってしまう。
「えっと・・・わ、私のこと覚えてます?」
緊張のあまり、いつもの癖なんて忘れて喋っていた。
桃子は俯いた。
不安で張り裂けそうな心を必死に押さえつけながら答えを待った。
(うぅ・・・・こんな緊張するんだったら聞かなきゃよかったっす・・・)
心の中で後悔をしたそのとき、京太郎は桃子の頭に手をのせた。
別れのあの日の続きをするように優しく頭を撫でた。
「おう、覚えてるぜ」
桃子はゆっくりと顔を上げる。
「男は女を守るのが使命だからな」
「・・・・うえっ・・・うぅ・・・」
「お、おい・・・どうしたんだよ・・・・・!?」
桃子は京太郎に抱き、
「うわああああああああああああああああん」
間髪入れることなく泣いた。
京太郎は困り顔をしながら桃子が泣き止むまでその場から動けなかった。
(えへへ、やっぱり京太郎くんは私のことを見つけてくれるっすねっ♪)
高鳴る胸の鼓動は少しずつ速くなっていった―――。
今日はここで区切りにします
今のところ全体的に小ネタっぽいですけど、麻雀部に入ってから本番なのでそれまでの過程はちゃちゃっと進めちゃいますよー
乙 これ以上へテロを撒き散らすのはやめた方がいいのよー
やっぱり台詞の前に名前入れます・・・すいません・・・
次からの地の文は京太郎視点でお送りしますっす・・・・ほんとにすいません
>>20
ネット用語に詳しくないのでヘテロ?が何かわからない
食テロなのか・・・?
>>23
ヘテロセクシャルの略で異性愛者という意味であります
っつーか、その踊り子さんには手を触れないようにしやしょう
荒らしっちゅーヤツなんですわ
>>24
なるほど、そういう意味だったんですね
ヘテロでググって見ても食テロしか出てこないからおかしいと思ったんですよ
あざすっ
台詞の前に名前入れなくても普通に読めるよな…?
>>27
なんか地の文がくどいような気がして…
試作段階みたいな感じです
地の文削りつつ名前無しでも大丈夫ですかね?
キャラは増えます
地の文出来るだけ減らさず名前表記するって形を出来るだけ崩さないよう頑張るっす
昨日は来れなくて申し訳ないっす
便りが無いのは良い便りって言いますし(震え声
ちょこっとすすめていくっすよー
君が欲しいっ!
京太郎「なぁモモ」
学校の帰り道が同じなので一緒に歩きながら桃子の方を向く。
桃子「なんっすか?」
モモがこっちを見る。
京太郎「お前ってなにか趣味あるの?」
桃子「趣味っていうより…ちょっとやってることならあるっすよ」
京太郎「お、マジか」
モモがやってることってなんだろうか…。
料理とか女の子女の子してるのだったら流石に教えてもらうのは無理だけど…。
趣味の共有とか出来たら話がしやすいしな。
桃子「京太郎くんはなにかあるっすか?」
京太郎「んー特に何もやってないからなー」
中学校時代も両親の転勤で引っ越すことが多かったからなぁ・・・。
中々一つのことに集中なんて出来なかったし。
桃子「ふっふっふ…そんな京太郎くんにいいものがあるっすよ」
モモが闇売人みたいな顔してる。
こういうのは可愛いから許されるんだろなこういうの。
京太郎「で、なんなんだ?」
乗ってもよかったが続きが気になったので素で返すことにする。
桃子「ちぇー」
唇を尖らせて不満そうな顔をする。
桃子「しょうがないから教えてあげるっすよー」
桃子「私がやってるのは麻雀っす」
京太郎「まーじゃん?」
桃子「聞いたことないわけないっすよね…?」
そりゃ聞いたことくらいあるけど…。
ルールが全然分からなくてすぐに止めてしまった。
桃子「麻雀と言ってもネット麻雀なんっすけどね」
桃子「こんな体質だしネット以外で人と麻雀なんて打てないっすよ」
自虐風にモモが笑った。
この癖どうにかならないかね…。
ふと悪戯心が芽生えたのでからかってみることにした。
京太郎「お前可愛いのにもったいねーよなぁ」
桃子「えっ!?」
そんなに驚かれるとこっちまでビックリするからやめて欲しいんだが…。
からかった俺が悪いのか。
桃子「いっ、今は麻雀の話をするっすよっ」
おおーすげー慌ててる。多分こういうこと言われて慣れてないんだろうなぁ。
でも本心だったりもするんだぜ。
こんな可愛い女の子が見えないなんて損してるぜお前ら、って学校の全員に言ってやりたいくらいだ。
京太郎「ネット麻雀が出来るってことは家にパソコンとかあるのか?」
桃子「あるっすよ?」
京太郎「どれがいいのか分かるか?」
桃子「私が使ってるサイトを教えてもいいっすけど…」
桃子「ちょっと説明がめんどくさいっす」
頬をポリポリ掻きながら困ったように笑う。
桃子「だから帰ったらメールで教えるっすよ」
京太郎「うーん…」
それでもいいんだが、一人でやったら前みたいにすぐ投げ出してしまいそうだ。
せっかく教えてもらえるんだからサイトだけじゃなくて、麻雀自体も教えてもらえれば………
京太郎「あっ」
桃子「どうしたっすか?」
京太郎「そうだ、今からモモの家に行こう」
桃子「!!!?」
京太郎「サイト教えるついでに麻雀も教えてくれ」
京太郎「俺初心者で役とかよくわかんねーしさ」
京太郎「一人でやるより二人でやった方が楽しいだろ?」
その一言がきっかけとなり、麻雀を教えてもらうということで久々にモモの家に行くことになった。
桃子「ぎゃーーー」
部屋に入ると同時に散らかってる私物を片付ける。
京太郎くんには家の外で待たせてるので早く片付けなくてはならないっす。
桃子(うぅ…こんなことになるなら日頃からもっと片付けておけばよかったっす)
散らかってる物をとりあえずクローゼットや押入れの中に押し込む。
ベッドを綺麗に直す。
桃子(京太郎くんに片付け出来ない女の子って思われるわけにはいかないっすよ)
片付けることはや10分。ある程度片付け終わった。
桃子(はぁ…疲れたっす…)
髪の毛に櫛を通しながら身だしなみを整える。
とりあえず、京太郎くんを部屋に入れる環境になったっすよ。
「はーよく片付けたわねー」
桃子「お母さんっ!?」
「帰ってくるなりただいまも言わないで部屋に入ってどたばたしてたら気になるじゃない」
「誰かくるのかしら?」
桃子「うぅ……」
どうやら隠し事は出来ない雰囲気っすね…。
桃子「……友達っす」
嘘は言ってないっすよ?
嘘は。
「男ね」
桃子「うぐっ」
言い当てられカーペットに跪く。
桃子「と、友達っすから」
「はいはい、わかってるわかってる」
手を口元に当ててにこやかに笑っている。
桃子「絶対に分かってないっす…」
「入学したばっかりなのに友達連れてくるって言わず黙って部屋に入れようとしてたんでしょ?」
「それ、男以外あると思う?」
桃子「うぐぐ…」
反論の余地がなかった。
もちろん男を連れてきたのだから反論なんて出来るはずもないのだけれども。
「でも、よかったわ」
桃子「へ?」
「だってモモちゃん、あの男の子が転校してからずっと元気なかっただもん」
「それでやっと新しい相手をモモちゃんが見つけることが出来て母さん嬉しいわ」
桃子「あの…」
「なに?」
桃子「今日来るのあの男の子なんっすけど…」
「……冗談でも面白くないわよ?」
桃子「いやいや、本当に」
これは嘘ではないと言えることっす。
「えっと…マジ?」
桃子「マジっす」
「…それで入学……いえ、受験に行った時から元気だったのはそのせいだったね」
桃子「えへへ照れるっす」
「というか、こんな話してていいのかしら?」
「彼、来てるんなら待ってるんじゃないの?」
桃子「あっ」
「ほらはやく行きなさい」
桃子「分かってるっすー」
玄関までノンストップで走り抜ける。
「初恋って叶わないってよく言うけど…」
「貴方のお父さん、私の初恋相手なのよねぇ…」
桃子の母は聞こえない声でポツリと呟いた。
試行錯誤しながらなんで色々試してみるっす
sage進行してたっすね…
あ、ここで一旦区切ります
書き溜め切れたっす
日曜までにあのシーンまで行ければいいなぁ
京太郎「遅いなぁ…」
待たされることはや10分。
家の前でモモからのGOサインが出るのを待っていた。
(女の子の部屋に行くの初めてだっけ…)
そもそも女友達などほとんどいなかった京太郎には無縁の話であった。
中学の時に気が弱くて泣き虫なドジっ娘の文学少女くらいしか女友達はいない。
桃子「京太郎くんっ」
玄関の扉が勢いよく開く。
どうやら片付けは終わったようだ。
京太郎「もういいのか?」
桃子「な、なんのことかわかんないっすよ」
誤魔化してるつもりなんだろうけど、目が泳ぎまくってるぞ。
桃子「ささ、どうぞっす」
モモの手招きで玄関を跨る。
自分の家とは違う匂いがした。
甘いような、それでいて優しい匂いが―――。
桃子「どうかしたっすか?」
モモが心配そうに見上げながらこちらを見ていた。
京太郎「いや大丈夫。なんか緊張してるみたいだ」
桃子「ふふ、京太郎くんでも緊張するんっすね?」
京太郎「俺をなんだと思ってるんだよ…」
桃子「秘密っすよ♪」
モモはウィンクしながら人差し指を立てた。
可愛いからムカつく。
桃子「それよりも、早く私の部屋にいくっすよ」
桃子「時間は有限なんっすからっ」
モモはそれだけ言うと勢いよく階段を駆け上がっていった。
モモ、一つだけ言わせてくれ。
スカートで階段を駆け上がるのはやめたほうがいいぞ。
(……ピンクか)
目の前に広がる光景を目と記憶に焼き付けながらモモの後を追った。
桃子「この場合はどれ捨てればいいかわかるっすか?」
京太郎「うーん…ニ萬と八萬捨ててあるから伍萬か?」
桃子「正解っす」
モモの家から麻雀を教わってから二週間。
なんとなく役とか危険牌とか覚えられるようになってきた。
まだ点数計算は苦手だけど。
桃子「流石京太郎くんっすね」
モモがニコニコしながら肩を叩く。
京太郎「モモの教え方が上手いからだろ」
桃子「そんなことないっすよ~」
そう言いながらも顔のニヤけ具合が一向に改善されてないぞ?
確かにモモの教え方は初心者にとってとても分かりやすかった。
京太郎「いやいや、モモはやっぱすげーよ」
桃子「そ、そんな褒められても困るっす」
くねくねしながら喜びをあらわにしている姿をもし他の人に見られたら変な人扱い確定なのだろう。
その心配はないのだけれども。
褒めるのはこのくらいにしておかないと取り返しのつかないことになりそうなので話を変えることにする。
京太郎「そういや最近学校のサーバで麻雀が出来るようになったみたいだな」
桃子「あー…そういえばそんなこと先生が言ってたっすね」
京太郎「そろそろ挑戦してみてもいい頃じゃないか?」
桃子「んー…確かにCPUとばっかりやってたら変な癖がつくかも…」
桃子「うん、じゃあ明日、ちょっとだけやってみるっす」
どうやら師匠からのお許しも出たようだ。
京太郎「よし、明日が楽しみだぜ
桃子「京太郎くんは現金っすねぇ」
モモの呆れ声を聞きながら、対人戦への闘志を燃やしていった。
...to be continued
はんでめためたごっちょでごいす
短いですが今日はこのくらいで区切りにしますですよ
次の更新であのシーンまでいけるかなぁ…って感じっす
この後の展開は予想がついてるかもっす
多分皆様が思う通りだと思いますっす
過去スレ見てたら同じような設定で京かじゅがありましたね
更新は夜になりそうっす
京太郎「だぁぁぁっ」
勝てない。何度やっても勝てない。
このかじゅって人には特に。
桃子「京太郎くん」
モモが後ろから声をかける。
桃子「ちょっと変わってもらってもいいっすか?」
京太郎「勝てそうか?」
桃子「わからないっすけど…」
なにやらモモの闘志を燃やすほどの相手のようだ。
ささくさと席を退き、モモに席を明け渡す。
桃子「京太郎くんの弔い合戦っすよ」
京太郎「死んでねーから!」
勝手に殺されてた。
確かに飛ばされまくったのだから死んでいるようなものだけど。
京太郎「頑張れよ」
期待と思いを込めて肩に手を置いてやる。
俺みたいな弱い奴にこんなことされても意味なんてないんだろうけど。
桃子「っっ」
モモの肩が跳ねる。
京太郎「ん? どうかしたか?」
桃子「な、なんでもないっす…」
桃子(こんなことされたら京太郎くんにカッコ悪いところみせられないっす)
モモがチャットによろしくおねがいします、と書き込むとすぐに対局が始まった。
下校時刻が刻々と迫る中、最後の半荘。
京太郎「……」
桃子「……」
沈黙が流れる。
順位が表示される。
京太郎「………っ」
桃子「…………っす」
桃子「………勝った?」
京太郎「ああ、そうだっよ、勝てたんだよっ」
桃子「やったーーーーっ!!」
席を立って喜ぶモモの姿を見るとこっちも嬉しくなってくる。
髪が乱れるのも気にせず飛び跳ねて喜んでいる。
跳ねるのと同時に胸もゆっさゆっさと動いている。
京太郎(とくもりっ!)
桃子「あっ……京太郎くんは…えっちっす」
ずっと見続けていたのですぐ気付かれた。
もうちょっと見たかったんだけどな。
京太郎「下校時刻が近づいてるし帰ろうぜ」
誤魔化すように言う。
桃子「そうっすね」
チャットに書き込み電源を落として鞄を持つ。
外は少しだけ薄暗くなっていた。
いつも元気な野球部もサッカー部もいなくなっていた。
京太郎「ちょっと暗くなっちまったな」
京太郎「家まで送っててやるよ」
女の子を暗い中一人で歩かせるのはとても危険だし。
それにモモは認識されないから暗い中だと事故にあいやすいだろうし。
桃子「今日は麻雀も勝てるし、京太郎くんにも送ってって貰えるなんてすっごく幸せな日っすね」
モモは笑顔でそう言った。
京太郎「別に俺が送っていくのは関係ないだろ」
桃子「恥ずかしがってるっすか京太郎くん」
図星。
当たってるって思ったのかモモがニヤニヤしてる。
何か言われる前に歩調を速める。
桃子「待ってくださいっすー」
モモが小走りで着いてくる。
追いついたところで歩調を合わせてやる。
桃子「はぁ…はぁ…」
苦しそうなので立ち止まる。
桃子「…京太郎くん、校門に誰かいるっすよ」
モモが校門を指差す。
そちらに視線を向けると女生徒が校門の横に立っていた。
同級生では見たこと無い顔だったので上級生だと思う。
何も言わないで通り過ぎるのは失礼だと思ったので
京太郎「うっす」
桃子「っす」
それだけ声をかけて通り過ぎた。
「ああ、お疲れ様」
後ろから声が聞こえた。
なんとなくこれからも聞くことになるのだろうと思った。
???視点
「はぁ」
(収穫なしか…)
ため息をつき、椅子に寄りかかる。
(あの後すぐ校門に走って向かったはずなんだがな)
(あの少年しか現れなかった)
(もしかして本当はあの少年だけなのか…?)
(だとしても途中から打ち方が変わった説明がつかない)
(あーもうなんでもっと話しかけなかったんだ…)
(もう一度、もう一度だけあの少年とやってみよう)
(話はそれからだ)
ぎゅっと手を握りしめた。
区切りにしますですよ
夜にこれなくてすいませぬ
ちょっと立て込んでいまして
夜に更新できればいいなーって思いますですよー
わた咲ちゃんみたいな女の子にも優しくしてくれたよ
わた桃子みたいな女の子のことを見つけてくれたっす
いいところ…ですか
平凡なのに諦めないところですかね
ゆーきの為にタコスの作り方をハギヨシさんに聞いたり
部のために雀卓を持って行ったり
入部してから買い出ししかしてなかったり
部の勝利のために身を粉にしているところですかね
翌日、京太郎とモモは昨日と同じく学校のサーバー経由のネット麻雀をしていた。
対戦相手は昨日とほぼ同じでかじゅって人もいた。
ただ一つ違うとすればかじゅって人から個人的にチャットがきていたことくらいだ。
京太郎「……」
桃子「……」
京太郎「これどう思う?」
画面のチャット欄に打ち込まれた文字を見て固まった。
『君、麻雀部に入らないか?』
そこの書き込まれていたのはその一文字だった。
桃子「普通に勧誘だと思うっすけど…」
桃子「京太郎くんはどしたいっすか?」
京太郎「見学くらいなら行ってみてもいいけど…」
京太郎(この人が誘いたいのは俺ではなくモモだと思うんだよなぁ…)
京太郎「お前はどうしたい?」
モモの顔を見る。
すこしだけ悲しそうな顔をしていた。
モモの頭に手を乗せて撫でてやる。
京太郎「大丈夫だって。俺はどこにもいかないからさ」
それだけでモモの悲しそうな顔は引っ込み、すぐに嬉しそうな顔になった。
桃子「えへへっす」
京太郎「えっと…じゃあ」
ほっとけない奴がいるんでご遠慮します、っとチャットに打ち込む。
かじゅさんはそれ以上何も言ってこなかった。
桃子「本当にいいんっすか?」
桃子「京太郎くんが強くなるチャンスだったんっすよ?」
京太郎「んーまぁ、そうかもしれないけど、お前がいなかったらつまらないし」
それだけ言って俺はパソコンの席から立ち上がる。
桃子「今日も私が打つっすか?」
京太郎「おう、見てるのも結構勉強になったりして面白いしな」
桃子「しょうがないっすねぇ」
モモは席に腰を降ろし、チャットによろしくお願いしますと書きこむとすぐ半荘が始まった。
桃子「ぐぬぬ」
京太郎「惜しいなぁ」
昨日みたいに勝つことは出来なかった。
昨日の今日で流石にマークされてるのか、かじゅさんからの放銃は少なかった。
桃子「やっぱり何度も勝てる相手じゃないみたいっすね」
京太郎「まぁでもいい線じゃないのか?」
初心者の俺から見たらって話だけど。
京太郎「んじゃま、キリがいいから帰ろうか」
桃子「はーい」
元気の無い声で返事をしながらモモはパソコンの電源を落とした。
教室の扉を開けようと思って手をかけようとしたその瞬間、
「私は君が欲しいっ!!!!!!」
扉が勢い良く開いたの同時に昨日の上級生が目の前にいたのだった。
To be continued
今日はここで区切るっす
実は伸ばしすぎて着地点見失った感じっす
明日から本気出す(震え声
京太郎「……」
「……」
桃子「……」
俺もモモも上級生も誰一人身動きが取れなかった。
もちろん教室内には他の生徒もいるのだが、その誰一人でさえ動くことは出来なかった。
京太郎「あの…」
意を決して声をかけてみる。
「ひゃいっ!」
裏返った声で返ってきた。
というかさっき俺はこの上級生になんて言われたんだっけ…
京太郎「私は君が欲しいって…俺のこと…じゃないっすよね…?」
「っ」
上級生の顔が真っ赤に染まっていく。
あーかなり恥ずかしいんだろうなぁ、もし俺が同じことしたら耐えられる自信なんてないし。
京太郎「…なんかの間違いっすよね?」
「……」
助け舟を出すと黙り込んでしまった。
さっきから一言も話していないけど。
「………」
次第に周りの生徒たちも緊迫から解き放たれたのかひそひそ話をし始めた。
俺にも聞こえてるんだからこの上級生にも聞こえているんだろうなぁ、なんてのんきなことを考えていると
「……いや」
上級生が耳まで真っ赤にしながら話し始めた。
「……さっきの言葉の意味の通りで構わない」
「ただ、麻雀部にも来て欲しい」
俯きながら小さく呟いた。
今なんて言った?
さっきの言葉の意味の通りで構わない?
つまり俺のことが欲しいってことなんですか?
もしかして一目惚れってやつですか?
桃子「だ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇっす!!!」
モモが俺と上級生の間に入りこんだ。
桃子「そんなの絶対許さないっすよ!」
「……えっと…君は…?」
桃子「東横桃子っす。京太郎くんとは同級生でさっきの半荘は私が打ってたっすよ!」
「…そう…なのか?」
いきなりの出来事で混乱しているのだろうか。
目が泳ぎまくっている。
京太郎「まぁ…俺の麻雀の師匠ですからね、モモは。さっきの半荘はモモが打ってましたよ」
「そう…なのか…どうりでいきなり強くなるわけだ…」
上級生がぶつぶつと呟いた。
どーせ俺は弱いですよーっだ。
桃子「麻雀部の勧誘っすよね? だったら京太郎くんではなく麻雀の強い私にするっす!」
「だが君はさっきまでそこにはいなかったはずだが…」
あの状況で周りを見渡せるのかこの人は。
すごいなこの人。
京太郎「あーこいつの体質のせいっすよ」
京太郎「ほらよく聞くじゃないですか、ファミレスとか友達と一緒に来て一人だけ水がもらえない人の話とか」
京太郎「その強化版みたいなものっすよ」
「な、なるほど…」
納得したのか顎に指を当て頷く。
「確かに気付けなかったが…」
「君のその実力は確かだ」
桃子「は、はいっす」
こいつ人に褒められるの慣れてなさ過ぎるだろ…。
もっと慣れないと変な人につれてかれるぞ。
「すまない、気が動転して自己紹介していなかったな」
「私は三年の加治木ゆみだ。麻雀部に入部している」
加治木ゆみと名乗った上級生は桃子をまっすぐに見つめる。
「桃子、麻雀部に入部してくれないか」
凛とした声でそうはっきりと言った。
モモは不安そうにこっちを見てきた。
親指を立ててやる。
お前の好きにしろ、という意味を込めて。
桃子「わかったっす。麻雀部に入部するっす」
それがお前の望むなら俺は応援するさ。
桃子「でも条件があるっす」
ゆみ「何でも言ってくれ。出来る限り善処しよう」
するとモモはにっこりと微笑み、俺の袖を掴んだ。
桃子「京太郎くんと一緒に麻雀部に入ることが条件っす」
とびっきりの笑顔でそう言い放った。
ゆみ「ああ、もちろん構わないぞ」
ゆみ「一緒に麻雀をしよう、須賀くん」
そういって加治木先輩が俺に手を差し伸べる。
京太郎「えええええええええええええ!!?」
京太郎「ちょっと待て俺の意思はどうなるんだよ!?」
桃子「私が一緒じゃないとつまらないって言ったのは京太郎くんっすよ?」
モモに笑顔でそう言われて俺は言葉を失った。
こうして俺とモモは鶴賀高校の麻雀部に入部することになった。
To be continued
今日は区切りっす
頭痛いっす
やったね京ちゃん、やっと麻雀部にいけるね
ここでコンマ安価しますっす
20:45に一番近いスレの鶴賀メンバー(ゆみとモモ除く)を書き込んでくださいっす
次の展開がちょっとだけ変わりますっす
本筋には影響ないので気楽に参加してくださいっす
かおりん人気っすね
やっぱりおもち持ちだからか…
了解です
かおりん可愛いもんねメガネかけてて天然系おもちですし
うぅ…頭痛すぎるっす…
夏風邪っすかね…災難っす…orz
すいませぬ更新出来そうもないっす
回復次第更新したいと思いますのでしばしお待ち下さいっす
ちょー寝たら完全復活したっすよー
ちょー元気になったから書き溜めていくっすよー
と言っても割と即席っすけど
かおりんの口調分からんたい
ちょっと分析しながら書くのでお時間ほしいっぽい
ゆみ「ここが麻雀部の部室だ」
加治木先輩の後をついていくこと数分。
すぐに麻雀部の部室へたどり着くことが出来た。
ゆみ「歓迎するよ」
加治木先輩が部室の扉を開ける。
ゆみ「ようこそ麻雀部へ」
部室の扉をくぐり中に入る。
普通の部屋に麻雀卓と金色の髪の毛の眼鏡をかけた少女がバツが悪そうに佇んでいた。
ゆみ「妹尾だけか?」
「えっと…さっきまで智美ちゃんもいたんだけど…」
妹尾と呼ばれた少女は困ったように答える。
うん、制服から分かるくらいおもちも大きいし可愛いし言うことなしだな。
桃子「むむむ…」
後ろでモモが一人唸ってるが放っておく。
「ところで後ろの人は…?」
恐る恐るのその仕草、キュートです。小動物みたいで。
ゆみ「ああ、この二人は新入部員だ」
加治木先輩の言葉に疑問を感じたのか妹尾さんは小首を傾げた。
「でも、一人しか…」
妹尾さんにはモモの姿は当然見えていなかったようだ。
京太郎「どもっす。新入部員の須賀京太郎っす。精一杯部の為に尽くしていくんでよろしくおねがいしますっ」
桃子「京太郎くん………」
妹尾さんが考える前に頭を下げて自己紹介をして気を逸らす。
「あ、はいっ。あとがとうございます」
妹尾さんは立ち上がり、
「私は二年の妹尾佳織です。麻雀はあまりやったことなくて…まだまだ初心者ですけどよろしくね」
そう言って同じくらい頭を下げて自己紹介してくれた。
初心者と聞いて少しだけ安心出来た。
「わっはっはー、ユミちんお手柄じゃないかー」
後ろから声が聞こえた。
ゆみ「遅いじゃないか蒲原」
振り返るとそこに二人の女生徒がいた。
「ちょっと先生に呼び出しされてたからなー」
「…………うむ」
カラカラと笑いながら話す女生徒と無口な女生徒。
なんだか対称的な二人だと思った。
「君、さっきの自己紹介廊下に丸聞こえだったぞー」
さっきのあれ聞かれてたのか…なんか恥ずかしいな。
「結構結構。下級生は元気なのが取り柄みたいなもんだからなー」
ゆみ「おい蒲原。無駄話ばっかりしてたら話が進まないだろ、さっさと自己紹介しておけ」
「ユミちんはせっかちだなー、だから彼氏の一つや二つも出来ないだぞー」
ゆみ「それは今関係ないだろ……」
加治木先輩の方がプルプルと震えている。
綺麗な人だから彼氏くらいいると思ったけどそうでもないのか、ちょっと良い事聞いたな。
智美「えー、私は三年生の蒲原智美だ。麻雀部の部長をやってるんだ。これからよろしくなー二人とも」
京太郎「!?」
桃子「えっ!?」
この人、モモの存在に気付いてるのか?
智美「いや、姿は見えないけど匂いでなんとなくなー」
智美「私は昔から鼻がいいからな、嗅いだことの無い匂いがあれば気付く」
最後にワッハッハと笑った。
睦月「二年、津山睦月。趣味はプロ麻雀せんべいのカード集めだ。よろしく」
二人が自己紹介を終えると
智美「では改めて、ようこそ我が麻雀部へ」
と蒲原先輩が手を差し伸べる。
モモの手を掴み、一緒に蒲原先輩の手を握る。
モモがビックリして俺の方を見てた。
京太郎「よろしくお願いします」
桃子「…よろしくおねがいしますっす」
ゆみ「よろしく」
加治木先輩がその手の上に自分の手を重ねる。
佳織「私もいいかな?」
睦月「では私も」
二年生の二人も手を重ねる。
智美「ワッハッハー、麻雀部、始動開始ー」
皆「はいっ!」
智美「やっと部活として活動出来るなー」
京太郎「え、今まで部じゃなかったんですか?」
智美「部活動として認められるのは五人以上の部員がいて成り立つからなー」
智美「今日先生に呼ばれたのは五人揃ったって連絡もかねてたんだぞー」
智美「だからユミちんが君たちを連れてこなかったらちょっと面倒なことになってたんだなー」
智美「ワッハッハー」
京太郎「」
桃子「」
モモとアイコンタクトをしてみる。
どうやら同じこと思っているらしい。
大丈夫なのかこの部…って。
不安の残る中、俺とモモは蒲原部長率いる麻雀部の一員になれたのだった。
ワッハッハー
部長は動かしやすいなー
というかモモちゃんヒロインしてない…
次はヒロインさせたい
でも麻雀する話なんだなーこれが
とりあえず、今日は病み上がりなのでここで区切りとしますっす
励ましの言葉くれてありがとうっす!
ヒャッハー仕事が終わったっすー
久々に午後休みだったっすよー
さて書き溜めるっすよー
ここでちょっとアンケっぽい!
一気に投下系か時間決めてその時間にちょいちょい投下系のどっちがいいのです?
後者は割りと即席みたいな感じになるっす
今のやり方もわりと即席だったり(>>83-88くらいの長さ)書き溜めだったりしますっす
智美「今から新入部員の実力を見るぞー」
京太郎「それはいいですけど…俺人と打つの初めてなんで」
ネット麻雀経験はあっても人と対面で打つなんて初めての経験だ。
それに綺麗な人が多いのもあって緊張する。
佳織「大丈夫だよ」
妹尾先輩が微笑む。
佳織「私もここの人たちとしか打ったことないしね」
天使や、天使がここにおる。
桃子「……」
静かに俺のつま先を踏んでくるモモ。
誰からも見えないからってやっていいこととやっちゃならんことだってあるんだぞ。
ゆみ「私はネット麻雀で何度も対局したことあるから後で構わないぞ」
そう言って加治木先輩は椅子に座り込んだ。
近くにあった麻雀雑誌を手にとって読んでいる。
智美「ん、じゃあ、私、むっきー、かおりん、須賀くんで席につくことにするぞー」
京太郎「はい」
とりあえず雀卓の席に座る。
他の人も次々に座っていく。
佳織「えへへ、よろしくね、須賀くん」
桃子「…鼻の下伸びっぱなし」
後ろからモモにボソッと呟かれた。
いかんいかん、対局の間くらいは集中しないと。
気を引き締めて周りを見渡す。
智美「ワハハー、では須賀くんが仮親ということでサイコロを回してくれ」
京太郎「はい」
中央にあるボタンを押すと雀卓のサイコロが回り始めた。
京太郎「」
燃え尽きたぜ、真っ白にな………。
佳織「ご、ごめんね?」
妹尾先輩がペコペコと頭を下げてくれた。
京太郎「いえ、…大丈夫っすよ」
まさか役満に振り混むなんて思わなかった。東一局目で。
智美「ワハハー、出たなかおりんのビギナーズラック」
京太郎「うぅ…初心者って…なんなんだ…」
ガックリとうなだれる。
桃子「よしよしっす」
モモが俺の頭を撫でる。
いつもだったら振りほどくのだが、そんな気力なんて残っていなかった。
智美「次はユミちんかもう一人の子に打ってもらいたいんだけど…」
蒲原先輩は俺の方を見る。
あーモモの意見を聞きたいのか。
モモの方を見る。
どうやら顔はやる気十分だな。
蒲原先輩の方に向きなおし頷く。
智美「そっかー」
智美「じゃあ、かおりんは休みだぞー」
佳織「はーい」
前かがみになりながら立ち上がる妹尾先輩。
迫る胸の姿を目に焼き付けながら妹尾先輩が立ち上がって行くのを見送った。
桃子「………」
妹尾先輩がいなくなった対面に座ったモモはとてもいい笑顔だった。
…………あ、これ本気で怒ってる顔だ。
桃子「よろしくっす」
ずっと笑顔を崩さないモモの表情を見ながらの対局が始まったのだった。
京太郎「」
本日二回目の飛びだった。全てモモから直撃だけど。
というか、周りの先輩が軽く引いてたぞ。
智美「ワハハーどれだけ怨みをかってるんだ須賀くんは」
睦月「強い弱いの判断なんて出来ないくらいすぐ飛んでしまったからな」
智美「対局の間はモモの姿は丸見えだったなー」
睦月「今は全く見えないんだが…どこにいるんだ?」
そりゃ…まぁ…。
あんなに存在感振りまいてるモモなんて俺だって初めて見ましたし…。
桃子「つぁー………つかれたっすー…もう二度とあんな集中したくないっすよー」
髪の毛逆立つほど集中するとか人外レベルじゃねぇのかそれ。
ゆみ「どうだった?」
加治木先輩が後ろに立って背中を押してくれた。
京太郎「実際に人とするのってなんか…言葉にしにくいっすけど……」
京太郎「なんか…いいっすね」
これは本当の気持ちだ。
飛ばされたりされたけど、それ以上に楽しかった。
ゆみ「そうか」
加治木先輩はゆっくりと頷く。
京太郎「やるなら勝ちたい」
男とか女とか関係ない。
何回飛ぶことになってもいい。
ゆみ「…いい眼だ」
ゆみ「智美」
智美「んー?」
ゆみ「次は私が打ってもいいか?」
智美「構わないぞー」
蒲原先輩はそう言って席を立った。
ゆみ「ありがとう」
加治木先輩は空いた席に座る。
ゆみ「須賀くん、君の力を見せてくれ」
京太郎「…………」
ここまで言われたんだ。
少しだけ言い返しても問題ないだろう。
京太郎「後悔しても知りませんよ?」
京太郎「」
ゆみ「いや…本当にすまない」
飛んだよ、綺麗にな。
まさか三回とも飛ばされることになるとは思わなかった。
桃子「京太郎くん」
モモが隣に来てしゃがむ。
桃子「こうなったら特訓するしかないっすよ!」
特訓…特訓か…。
確かにこの実力差は歴然。
こうなったら死に物狂いでやらないと追いつけない。
ゆみ「落ち込んでるところだと思うが少しだけ私の話を聞いて欲しい」
京太郎「あ、はい」
体を起こし体勢を整える。
ゆみ「恥ずかしいことに私が麻雀を始めたのは高校一年の時なんだ」
京太郎「あんなに強いのに…?」
ゆみ「強くないさ、まだまだ上には上がいる」
ゆみ「私はその人たちに一矢報いたいんだよ」
ゆみ「平凡でも非凡に勝てるってことを証明してやりたい」
そう語る加治木先輩の言葉には覚悟があった。
やると言ったらやってしまいそうなそんな覚悟が現れていた。
ゆみ「勝てなくて悔しいかもしれない」
ゆみ「勝てないからかって腐らないで欲しい」
ゆみ「須賀くんは私と似てるからな」
ゆみ「君もきっと強くなれる」
加治木先輩がニコッと笑う。
その顔は上級生とは思えないくらい可愛くて――――綺麗だった。
閑話休題
京太郎「そういえば部長って加治木先輩ですよね?」
ゆみ「私じゃないんだが」
京太郎「え?!」
智美「ワハハーもうその反応されても泣かないぞー」
嘘ですね蒲原先輩。
目元にめっちゃ涙溜まってますよ?
智美「自己紹介の時に突っ込まれなかったからおかしいと思ったぞー」
智美「でも、突っ込まれないから、やっと私にも部長の風格が出てきたと思ってたのに……」
智美「こんな時間差攻撃あるなのか…ワハハー…ワハハ………グスン」
泣いちゃったよ!?
桃子「わ、私は勘違いしてないっすからね!」
フォローしてもお前の声は届かないんだぞ。
それにその慌てよう、勘違いしてましたって言ってるようなもんじゃないか。
ゆみ「はぁ……あと何回この光景見ることになるのだろうか…」
加治木先輩は窓の外を眺めながら、深くため息を吐いた。
というわけで一旦区切りっす
この後更新するどうかは後で決めますっす
とりあえず更新するつもりはありっすよー
アンケしてるので答えてくれたら嬉しいっすよー
あるなのかってなんなのさ…
ごめんなさい
>>100の
智美「こんな時間差攻撃あるなのか…ワハハー…ワハハ………グスン」
↓
智美「こんな時間差攻撃あるのか…ワハハー…ワハハ………グスン」
で脳内補完してくださいオナシャス
気をつけてたのに…orz
おつー
俺は一気に投下がいいな
ついでに互いの呼び方にツッコミ
ワハ→かおりんは「佳織」、かじゅ→ワハは「蒲原」だったと思う
>>104
そうでした…orz
なんでかおりん書いてるんだ俺…orz
なんで蒲原呼んでたかじゅがいきなり智美って呼んでるのさ…
なんでもしますんで許してください
以後気をつけます
ちなみに一気投下ってどの程度のことっすか…?
合宿に行こう
智美「というわけで次の土曜から日曜まで一泊二日で皆で合宿行くことになってるぞー。ワハハー」
京太郎「いや全く話の内容が分からないんですけど…」
智美「せっかく部活として活動出来るようになったんだから、こういうことしておかないと後悔すると思ってなー」
京太郎「モモもなんか言ってやってくr」
桃子「………」ワクワク
やったー、って顔してるモモを見てため息をついた。
蒲原先輩はワッハッハーって笑ってるし。
加治木先輩の方を見るとやれやれ、って顔していた。
睦月先輩は我関せずみたいな感じなんですけど。
智美「どうやら反対はいないみたいだなー」
智美「出来るだけ参加してくれよー」
智美「じゃ、今日の部活は終了するからなー」
智美「ほら出てった出てった」
蒲原先輩に背中を押されるように部室から追い出される。
モモも遅れて部室から出る。
智美「今日は色々あったし家に帰ってゆっくり休むといいぞー」
いつもの笑顔の蒲原先輩。
その横に加治木先輩と津山先輩と妹尾先輩の姿があった。
ゆみ「部の後始末は私たちに任せておいてくれ」
モモと顔を見合わせる。
桃子「どうやら私たちは帰った方がよさそうっすね」
京太郎「みたいだな…」
どうやら意見は一致しているみたいだ。
京太郎「すいません、では先に帰りますっす」
佳織「気をつけてね~」
妹尾先輩が手を振ってくれた。
モモが手の甲の皮を抓ってきた。
後始末は先輩たちのご好意に甘え、俺とモモは先に校門に向かって歩いていった。
後始末が終わり、睦月も佳織も部室を後にした。
ゆみ「…行ったか」
智美「そうみたいだなー」
智美「ユミちんが連れてくるもんだからどんな子かと思ったけど」
智美「私はどっちも好きだぞ」
ゆみ「偶然だな。私もどっちも好きだ」
智美「ラブか?」
ゆみ「ライクに決まってるだろ!」
ゆみ「ゴホン…合宿なんてどうやって申請したんだ?」
智美「ユミちんが勧誘行ってる間にちょっとなー」
智美「部員が今日揃うので親睦会をしたいので合宿の申請に来ましたってな」
智美「かなりゴリ押しだったから結構しんどかったぞ」
ゆみ「お前は……全く無茶ばっかりするんだな」
智美「それだけが取り柄だからなー」
智美「それにユミちんも無茶ばっかりしてるじゃないか」
智美「まさか金髪の男子生徒のことを聞き込みするんだからなー」
ゆみ「っ…それは気になったからであってだな…」
智美「同級生の間でちょっとだけ噂になったんだぞ?」
智美「あの加治木ゆみの意中の人現る!?みたいな感じでさー」
ゆみ「いやいやいや」
智美「でも、須賀くんカッコいいだろ?」
ゆみ「いやまぁ…一般的に言えばそういう部類なんだろうな」
智美「あー、ユミちんって男子と付き合ったことないからそういう基準分からないもんなー」
智美「それにガールズトークを好き好んでするタイプにも見えないだろうし」
智美「女の子にしかモテてなかったみたいだしなー」
ゆみ「ガールズトークは誰も振ってこないだけだ」
智美「じゃあするか?」
ゆみ「……………やっぱいい///」
智美「こんな姿、後輩諸君には見せられないなー」
麻雀部にはワハハという声が鳴り響いた。
合宿があると言われた土曜日。
京太郎「…ふぅ」
腕時計を確認する。
集合時間の20分も前についてしまった。
4月と言っても長野は肌寒い。
ポケットからホットのお茶を取り出し飲む。
睦月「おや?」
飲みながら声の方に顔を向けると津山先輩がいた。制服で。
あれかこれは突っ込み待ちなのか…?
突っ込んだら負け的なやつなのか…?
いやいや突っ込んだらダメだろ先輩の服装なんだから。
睦月「須賀くんの方が早かったか」
何も気にすることなく会話を開始する。
京太郎「え、ええ。ちょっと早くついちゃったもので…」アハハ
ダメだ…その格好が気になりすぎて会話なんて出来る状態じゃない。
睦月「須賀くんはプロ麻雀せんべいとか食べるか?」
京太郎「あ、はい。今日は買ってきてありますよ」
睦月「まさか私の自己紹介の時のこと覚えておいてくれたのか」
京太郎「そりゃ先輩のことですからね」
もちろん全員分覚えているつもりだ。
自己申告していないのはちょっとわからないけど。
睦月「…君はとてもいい人なんだな」
あれ? そんなこと言われる会話してたっけ?
睦月「私は最初、須賀くんを見たときは不良なんじゃないかって思ったよ」
睦月「髪の毛は金髪だから」
それよく言われます。地毛なんで諦めましたけど。
睦月「でも、君は私みたいな先輩のことも覚えていてくれる優しい人なんだって」
京太郎「やめてくださいって」
こうやってストレートに言われるのは照れるからやめてほしい。
嫌って訳じゃないんだけど…こう背中がムズムズしてくる。
京太郎「津山先輩だって新入部員の俺に部活のこと色々教えてくれてるじゃないですか」
京太郎「だから、私みたいな先輩とか言わないで下さい」
京太郎「俺にとっちゃすげー大事な先輩でもあるんっすから」
睦月「………」
黙り込んでしまった。
変なこと言い過ぎてしまったかもしれない。
京太郎「あ、あの…でしゃばって余計なこと言って津山先輩の気分を悪くしたなら」
睦月「睦月」
京太郎「はい?」
睦月「津山先輩ってなんだか堅苦しいだろ?」
睦月「だから睦月でいい」
京太郎「いやいや、先輩を呼び捨てになんて出来ないっす」
それこそ特別な仲じゃないと許されない様な呼び方だし。
京太郎「だから睦月先輩って呼ぶっす」
睦月「そうか」
それだけ呟いて睦月先輩は反対側を向いてしまった。
後ろからしか姿は見えないけど決して不機嫌そうな感じではなかった。
この後ちょっとコンマ安価したいのですが人いますかね?
アコチャースレのパクリみたいな感じですけど……
集合時間五分前になると部長の蒲原先輩以外が集合場所に集まっていた。
そして今は集合時間の一分前。
いまだに姿を見せない蒲原先輩。
ゆみ「まったく蒲原は…」
加治木先輩が携帯を取り出し、蒲原先輩に電話をかける。
待てども待てども電話に出る気配は無かった。
ゆみ「……一体どうしたんだ…蒲原の奴…」
桃子「確かに部長遅いっすねー」
佳織「なにかあったのかな…?」
ちなみにこの三人は私服です。
加治木先輩と妹尾先輩の私服姿は新鮮です。
眼福眼福。
京太郎「なんかこっち向かってくる車に乗ってるのって蒲原先輩っぽくないっすか」
桃子「確かに…部長っぽいといわれるとっぽいっすね」
ゆみ「あいつ車の免許なんて持ってたのか…?」
佳織「あ、前そんな話してたような気がする…」
そんなことを言ってると俺たちの前に車が止まった。
助手席の窓が開く。
智美「ワハハーすまんすまん、ちょっと遅れてしまった」
運転席にいたのは蒲原先輩だった。
そんなことはどうでもいい。
京太郎「すげー!」
京太郎「これフォルクスワーゲン・タイプ2じゃないっすか!」
智美「須賀は車が好きなのかー?」
京太郎「親父が影響で好きになったっす!」
蒲原部長の車を360度眺める。
いやーいつ見ても車はかっこいいなぁー。
俺も車乗れるようになったら自分の車持って運転して旅に出てみたいなぁ。
桃子「京太郎くん、いい加減にするっすよ」
モモに首根っこを捕まれて車から引き離れさせられる。
智美「私の車は後でじっくり見てもらって構わないからとりあえず席順を決めるぞ」
蒲原先輩が持っていたのは番号が書いてあるくじだった。
席決め安価です
コンマ二桁が大きい順番から
1 智
×23
45
の順番になります
コンマ安価 京太郎とモモのコンマが両方ともぞろ目だった場合は隣になります
下1 京太郎
下2 桃子
下3 ゆみ
下4 佳織
下5 睦月
え……どうすんのこれ…(困惑
同じ高コンマ出るなんて考慮しとらんし…(震え声
むっきーとはちょいイベント起きて名前呼びになったからかおりんでいいよね(白目
こうなったら多数決取ります
先に三票入った方が京ちゃん隣になれます
1 かおりん
2 むっきー
圧倒的かおりん
皆さん方かおりん選んでくれるおかげでかおりんのイベントが着々と消化されていくっすよ
やっぱり席順ではヒロインは隣に座れない説濃厚ですね(確信
睦 智
×佳京
、桃ゆ
の席順に決まったことで今日は区切りとさせていただくっす
コンマと多数決に参加して下さってありがとうございますっす
ちょこっとだけ更新するっすよ
一気更新って結構書き溜めしないとダメっぽいっすね
合宿の話はちょい長めになりそう…
いっせーの、でくじを引き合う。
睦月「私の番号は…1番か」
ゆみ「私は5番だな」
次々に発表していく。
どれどれ、俺の番号は…っと。
京太郎「俺は3番」
桃子「」
いきなりモモが膝までついてガックリと落ち込んでいた。
なんなんだ一体ビックリするからやめて欲しい。
佳織「あ、私と隣だね」
天国確定じゃないか。
佳織「よろしくね」
と、妹尾先輩が俺の方を見て微笑む。
京太郎(結婚しよ)
智美「ワハハー、みんな早く乗れよー」
智美「時間はあるって言っても有限じゃないからなー」
各人、蒲原先輩の言う通りにさくっと乗り込むことにした。
智美「みんなーしっかりシートベルトするんだぞー?」
佳織「えと…どこに…」
妹尾先輩がシートベルトの位置が分からないのかおろおろしていた。
京太郎「真ん中の席はお尻の辺りにありますよ?」
佳織「あ、これなんだ」
妹尾先輩は目的の物を見つけられたのか安堵の表情を浮かべ、腰にシートベルトを装着する。
佳織「ありがとね、須賀くん」
にっこりと笑いながらこっちを向いてくれた。
なんでいちいち仕草が可愛いのだろうかこの人は。
京太郎「いえいえ」
紳士的に答える。
まだだ、まだ慌てる時間じゃない。
桃子「むぅ…」
ゆみ「今日はモモの姿が良く見える日なんだな…」
智美「それじゃあ、出発するぞー」
蒲原先輩がエンジンをかけようとキーを差し込む。
これから向かう合宿先に思いを馳せながら車が発進した。
智美「ワハハー」
車が大きく揺れる。
遠心力に耐え切れず妹尾先輩が俺に寄りかかる。
佳織「ご、ごめんね」
顔を真っ赤にしながら謝る妹尾先輩。
京太郎「だ、大丈夫っす」
俺も釣られて真っ赤になる。
ゆみ「おい、蒲原」
後ろから加治木先輩の声が聞こえる。
ゆみ「運転荒すぎないか!?」
ごもっともです。蛇行運転するなんて思っても無かったです。
智美「ワハハー、ごめんなー」
智美「実はあんまり運転に慣れてないんだ」
ふとバックミラーから蒲原先輩の顔を見る。
顔から沢山の汗が出てた。
智美「それに皆の命を預かってると思うと緊張してしまってなー」
声にいつもの元気がないのはそのせいなのか。
というか蒲原先輩でも緊張することがあるのか。
智美「しばらくすればいつも通りになるからもう少し辛抱してくれなー」
蒲原先輩はこちらをチラチラと見てながら言った。
良く見えるということはモモの感情が高まれば見えるようになる?
つまり、もっ感情豊かになれば……ってすでに豊かか
睦月「部長危ないっ」
智美「おっと」
余所見をしていた蒲原先輩はカーブに差し掛かってることに気付き慌てて、右にハンドルを切ってカーブを通過する。
しかしカーブ前にスピードを落とさない急なハンドル操作なので遠心力も相当なものできっとこうなったのは仕方の無いことだと思う。
佳織「………っ///」
京太郎「………」
妹尾先輩の膝の上に俺の顔があった。
視線を右に向ければ車の天井があって、左には妹尾先輩の太ももだろうか。
近くで見ることが無かったので知らなかったが、肌はきめ細かくて白くて、むっちりしていた。
一秒でも長くこの至福の一時を味わいたかったがこれ以上この状態でいたら怪しまれてしまうので起き上がることにする。
妹尾先輩の方を見ると耳まで真っ赤になって俯いていた。
佳織「えと…ごめんなさい…///」
謝られた。
京太郎「そんな、俺の方こそっ」
あくまでアクシデント。
そう、あれはアクシデントなんだ。
誰も悪くない。いや悪いのは蒲原先輩の運転なんだけど。
佳織「///」
妹尾先輩はそれっきり黙りこけてしまった。
桃子「むむ…さっきのカーブの時になにかあったっすね…」
どうやらモモに何があったかは見られてないみたいだ。
ゆみ「すまないモモ」
ゆみ「急に曲がるから対処出来なかったよ」
桃子「あ、大丈夫っす」
桃子「それにしても先輩って意外と着痩せするタイプだったんっすね」
ゆみ「っっ!!?」
桃子「さっき当たってたっす」
くぅ…すっげー気になる会話してるのに入ることが出来ないのが悔しい。
ふと妹尾先輩の方を見ると
佳織「………あぅ///」
色々考えすぎてトリップしてしまったらしい。
真っ赤な顔で眼鏡の奥の眼を回してしまっている。
智美「ワハハー、すまなかったなみんな」
智美「でも、安心してくれ。もうすぐで着くぞー」
外を眺めると山の中にポツリと立つ旅館の姿が小さく見えた。
>>145
このスレではモモのステレスは今のところ嫉妬で一時解除される設定ですので
とりあえず今日はここで区切るっす
一括投下したいのですがそれだと三日とかあけなくてはならなくなってしまう場合があるっすので
一区切りつくまでの更新を目処にしていこうと思いますっす
はいまたやらかしたっす…
気をつけてるつもりなんですけどつい指が勝手に(震え声
ステルスっすから
ステレスしは間違いですっす
本編では間違えないから許してください(震え声
ふ…ふふ…ふふふ…
やっと…やっと…念願の超女神信仰ノワールを手に入れたっす
自分が買ったらちょうど売り切れになったっす危なかったっす
今日は来れないっす!
…冗談っすよ?(震え声
殺してでも奪い取る
今日は小ネタ消化の日にするっす
といってもちょっとだけっすけど
ノワールムズ過ぎ…
normal選んで二章で全滅経験するとか泣けるっすね…orz
>>160
自分も6店舗目でやっと買えたので簡単に渡すわけにはいかねぇっすよ!
桃子「おー」
京太郎「結構広いなぁ」
旅館に着くと女将さんが部屋まで案内してくれた。
智美「ワッハッハー」
ゆみ「おい、蒲原」
加治木先輩が蒲原先輩に耳打ちする。
智美「なんだ?」
ゆみ「こんな旅館……いくらすると思ってるんだ」
智美「ワハハー」
智美「世の中には知らない方がいいことの方があるんだぞー?」
先輩方の声は小さくて内容は聞き取れなかったが蒲原先輩はとてもいい笑顔だった。
ゆみ「あ、ああ…悪かった。これ以上聞かないから…」
頭を抑えながら加治木先輩は座布団の上に腰を下ろす。
睦月「部長」
睦月「このまま時間が過ぎてしまうのはもったいないのでこれからの行動を決めましょう」
上級生はいつの間にか座っていたので、慌てて畳の上で正座する。
その横でモモも正座した。
智美「まー合宿って言っても本来の目的は違うんだなー」
蒲原先輩はワッハッハーと笑うとニヤリと表情を変えて
智美「須賀くんとモモが麻雀部に入ってくれたことによって正式に部として活動が出来るようになったのと」
智美「あと」
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/: : : :/: : : : : :.:/: : : : : : : : : : : : ヽ: \: ヽ
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/: : : : i: : : : :.| |: `ト.}: : : : : 斗イ l: :|:.:l: : : :| : : ヽ
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__,ノ: : : : : 八.: :.| 〃ん:::ハ \: :/ ん::::ハ Y|: : :|: : : : : \_
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「麻雀部として今回の大会に出るからなー」
いつものあの顔でいい放ったのであった。
温泉と言ったら…やっぱり…っ
京太郎「ふぅ…いい湯だなぁ…」
男湯で一人。
月を見上げる。
満月の月が辺りを明るく照らし出してくれていた。
京太郎(美人さんと一緒に入れたらどれだけ嬉しいことか…)
などとありえないことを妄想しては悲しくなってやめる。
「おっきいっすね~」
高い柵に阻まれた先には女湯があるのか、そこからモモの声が聞こえた。
京太郎(そういやモモの胸ってかなり大きくなってたよなぁ…)
京太郎(昔から姫カットしててTHE地味っ子みたいな容姿してたのに)チャプチャプ
京太郎(今じゃすっげー可愛くなってるし…試験会場で会ったときなんて呼吸が出来なくなったし…)
目を閉じ昔の記憶を思い出す。
一緒になって色んな遊びをした。
缶蹴りも鬼ごっこもかくれんぼも。
かくれんぼした時のモモはわりと簡単に見つかった。
したことないからどこに隠れればいいのかわからないんだと思うけど。
京太郎(あの時、モモのこと見つけられて本当に良かったな)
あの時―モモを車から助けた―、もし見つけることが出来なかったら、きっと今の自分はいない。
京太郎「なんてな」
辛気臭い雰囲気を飛ばすように顔に洗うように温泉をかける。
「あれ? 桃子さん?」
向こうから妹尾先輩の声が聞こえる。
よし耳を澄ませよう。
「かおりん先輩…もしかして私が見えるっすか?」
「うーん…ぼんやりとしててよくわからないけど…なんとなくわかるかな」
「わーいわーいっす」
「桃子さんっいきなり抱きついてきたりしたら危ないよっ?!」
なん…だと……。
モモと妹尾先輩の胸がサンドイッチしている!?
これは…見ないと男じゃないだろ。男を見せるときがきた。
いつ見に行くの?
京太郎「今でしょ」
湯船から立ち上がり柵の近くに行く。
京太郎「およそ3メートルってとこか…」
ふっ…この程度の障害。
ないようなもんだぜ。
膝を曲げバネのように跳躍する。
柵の一番上に手を引っ掛けることに成功。
京太郎(よし…このまま…)
懸垂の要領で顔を柵から越える高さにあげる。
京太郎(oh……)
いつの間にか女湯には誰もいなくなっていた。
京太郎「そんなのってありかよ…」
そのまま力尽きたように湯船に落ちていった。
今日はここまでっすー
昨日は申し訳ないっす来れなくて
ノワール楽しすぎてやばいっすね
ここに京桃ネタ書いていくと本編でそのうち採用されたりされなかったりするっすよー
温泉から出ると部屋の前でモモが出迎えてくれた。
桃子「京太郎くん、たんこぶできてるっすよ?」
どうやらすぐ気付かれたようだ。
京太郎「温泉で足を滑らせてちょっとな」
女湯を覗きしようとして出来ましたなんて言う訳にもいかないので適当に誤魔化しておく。
それ以上何も言ってこなかったので皆がいる部屋の扉を開ける。
あるものは麻雀の雑誌を見たり、あるものは眼鏡を取られておろおろしていたり、それを見てワハハーと笑っていたり、プロ麻雀カードを眺めていたり。
自由気ままに過ごしていた。
智美「お、須賀くん」
蒲原先輩が一番最初に声をかけると他の人もこちらを向いた。
ゆみ「温泉はどうだった?」
京太郎「いいもんっすね、こう…夜空とか月を見ながらゆっくり入れるってのは」
睦月「全く同感だ。風情がある」
睦月先輩がうんうんと頷いてくれた。
見たかったのは女湯ですけどね、なんて言えるわけもなく愛想笑いで返す。
智美「じゃあ、全員揃ったことだしちょっと聞いてくれー」
蒲原先輩を中心にして皆が座りなおす。
智美「前に大会に出るって言ったのは覚えてるかー?」
智美「それで今回、こうやって合宿に来たってことはどういうことか分かるか?」
それはもちろん――。
京太郎「大会に向けて皆で強くなるためっすか?」
正直それ以外考えられなかった。
他の部活も合宿といえば強化合宿みたいなイメージがあったし。
智美「もちろん、強くなって大会に出るのが目的だ」
智美「でも全国とか優勝とかなんてことは考えてない」
智美「私はここにいる皆と麻雀をしたいんだ」
智美「少しでも一秒でも長く……な」
誰も声を出さないで蒲原先輩の話を聞いていた。
京太郎「……」
俺はゆっくりと立ち上がって先輩に近づいて、
智美「どうしたん…ってなにするんだー!」
先輩の手をぎゅっと握り締めた。
京太郎「俺、麻雀とか始めたばっかりで全然わかんなくて力になれなくて足手まといっすけど」
京太郎「皆で強くなって全国行きましょう!」
智美「いやだから、全国とかそういうのは…あんまり…」
先輩があたふたしているけど知ったことじゃない。
今、俺のやりたいことが見つかった。
この人たちを―――。
京太郎「全国まで行きましょうよっ!」
京太郎「そうすればもっと先輩たちと沢山麻雀出来ますからっ!!」
全国行けるようにサポートしていこうと思ったのだった。
やっと京ちゃんが雑用をするようになりますっす
とりあえず、合宿編は終わりってことになりますっすよー
あー卓球とかマッサージ機とか色々考えてたのに文章に出来なかったっす…
次の合宿で…なんとか文章に……出来たらいいっす
ちなみに
桃子:運命の王子様っす
ゆみ:元気な後輩ってとこかな
睦月:名前呼びされるのは慣れないな
佳織:初めて男の子に膝枕しちゃったな…
智美:男子の手って大きいんだなーワハハー
程度の好感度です
ではでは今日は一旦区切りますっす
更新しないかもしれませんしするかもしれません
書き溜めがある程度溜まったら投下するっすよー
乙
いつか部員による修羅場が…
あのスレみたいにはならないだろ……
ならないよな?
ステルス少女とラキスケ?
合宿の次の日――つまり月曜日――に俺は朝早く学園に来ていた。
なぜかって? そんなの鶴賀学園の麻雀部を支えるために雑用という雑用をこなす為だ。
職員室に入ると事務員が船を漕いでいた。
その横を静かに通り過ぎ、部室の鍵を手に入れる。
静かに職員室から出て一目散に部室に向かった。
鍵を開けて中に入りカーテンを開けて窓も開ける。
京太郎(よし…頑張りますか)
知識が無いよりかはマシだろうと思って、昨日の夜に雀卓の手入れの仕方をネットで調べてきた。
雀卓を開き中の牌を全て取り出す。
学園自体は新しいのだが、予算だけでは全て新品で揃えることが出来なかったのかところどころ中古品があった。
この雀卓もその一つだったのだ。
取り出した牌を一つ一つ丁寧に磨いていく。
欠けてる牌も汚れている牌も全て綺麗に。
汚れ一つない牌を見てるとなんだか――。
京太郎「俺の心のようだぜ」
なんて一人呟いてみる。
桃子「なーに言ってるんっすか」
振り返ると呆れ顔のモモが部室の扉の前にいた。
桃子「どうせ京太郎くんのことだから」
桃子「先輩たちの為に雑用をこなしてもっと練習できる時間を増やそう」
桃子「とか思ってるんじゃないのかって思ってたっす」
京太郎「………うっ」
図星でした。
桃子「はぁ……」
モモは呆れ顔でため息をついて近づいてきて、
桃子「京太郎くんは一人で麻雀部をしてるっすか?」
桃子「そんなに私は頼りないっすっか」
桃子「私も先輩の為になんでもしたいっすよ!」
桃子「だから一人でやらないで私にも頼って欲しいっす!!」
と捲くし立てた。
京太郎「………そう…だよな」
京太郎「俺、なんか勘違いしてたわ」
京太郎「俺が先輩の分も雑用こなして、先輩が麻雀する時間増えてそれで強くなって」
京太郎「いっぱい勝って全国行って」
京太郎「俺が雑用したから全国いけました」
京太郎「だから俺のおかげです、みたいな…そんなこと」
京太郎「……思ってた」
桃子「…うん」
京太郎「でもそれじゃ結局自己満だもんな」
桃子「うん」
京太郎「ごめんな、モモ」
京太郎「そんなことにも気付けないなんて」
馬鹿な自分に恥ずかしくて頭を下げた。
桃子「京太郎くん」
頭に手を置かれる。
桃子「そういう時はごめん、よりも」
桃子「ありがとう、の方が嬉しいっす」
ハッとなって顔を上げるとモモはさっきの呆れ顔から笑顔になっていた。
京太郎「ああ」
それ釣られて頬が緩む。
京太郎「ありがとなっ、モモ!」
気付いた時にはそう言っていた。
それを聞いたモモは満足そうに頷き、
桃子「無駄話はこれくらいにして雑用を始めるっすよー!」
と右手を大きく上に突き出した。
京太郎「うし」
京太郎「じゃあ、俺はこのまま牌を磨く作業を続けるからなー」
椅子に座り牌を磨く作業に戻る。
桃子「さっきみたいな独り言は勘弁っすよー」
京太郎「言わねぇっての!」
このネタでずっとからかわれ続けるんだろうな、とか思いながら牌を磨く。
モモは本棚からファイルを取り出して中身を確認していた。
そういやあの文学少女はどの部活に入ったんだろうか。
あの人見知りのままじゃきっと文学部とかなんだろうなぁ、とか。
図書委員とかになってそうだ、とか想像して静かに笑う。
桃子「よっ…ほっ…」
ふと視線を向けるとモモがファイルを棚に入れようとジャンプしていた。
ジャンプの度にスカートがひらひらとはためいていた。
京太郎(あとちょっと…)
見えそうで見えない。
そんなチラリズムの中、運命とは残酷で女子高生のスカートは鉄壁だった。
桃子「うーん…届かないっす…」
どうしようか悩んでるので、
京太郎「靴脱いで椅子の上に乗れば届くんじゃね?」
とアドバイスしておく。
それを聞くとモモは近くにあった椅子を足場にしてファイルを戻し始めた。
激しい動きをしていないせいでスカートは動かないので作業に戻ることにした。
戻ること数分、
桃子「うっ…滅茶苦茶詰め込み過ぎて…とれないぃぃ」
また棚と格闘していた。
少しずつではあるが抜けてきているので時間の問題だろう。
そう思って作業に戻ろうとした時、
桃子「やっと取れ…って…わっ…わわっ……」
すっとんきょんな声が聞こえたのでそちらを見ると、モモが椅子の上でバランスを崩していた。
京太郎「危ねぇっ!」
気付いたときにはモモの近くに駆けていた。。
モモの身体は傾いていて、後は重力に従って落下するだけだになっていた。
桃子「きゃぁっ!」
両手を広げてモモを受け止める。
受け止めてかっこつけようと思ったけど落下してきた人を支えられる力はなく受け止めたまま地面に背中をぶつけた。
京太郎「っ…いてぇ…」
受身を取れなかったのでダイレクトで衝撃が伝わってきた。
桃子「っっ……」
なんとかモモは無事のようだ。
ホッと一息つくと緊張が解けたのか身体に感覚が戻っていく。
京太郎(ん? あれ、手になんか柔らかい感触が)
手、というか指を動かしてみる。
ふにふにと指の動きにあわせて指が沈んでいく。
これはなんだろうか、と考えながら手を動かしていると俺の上にいたモモが震え始めた。
後ろからなので顔は確認が出来ないが耳を真っ赤にしていた。
京太郎(落っこちたのがそんなに恥ずかしいのか)
京太郎「おいモモ、大丈夫か?」
声をかけてみる。
桃子「………///」
返事は無い。
震えているので意識を失っていることはないとは思うんだけど。
桃子「あの…手、どけてもらえます?///」
京太郎「あ、ああ、悪い。手が邪魔で立てなかったのか」
手を離す。
モモはすぐに立ち上がりこっちを見た。
これ以上ないくらい真っ赤になっていた。
桃子「あの……その……///」
モジモジしながら視線をあちらこちらに向けていた。
ずっと床に座ってるわけにはいかないので俺も立ち上がる。
京太郎「あーなんだ、その高いところの作業するときは俺を頼ってもいいんだからな?」
桃子「あ…はい…わかったっす…わかりました…///」
それだけ言うとモモは真っ赤のまま作業に戻った。
雑用を終え朝礼の予鈴が鳴ったので部室の鍵を閉めた。
モモがちょっとトイレに行きたい、ということなので別れ一人で教室に戻っていった。
というわけでラキスケですっす
まだまだ続きますけども今日は区切りっすよー
恋するモモちゃんは切なすぎてすぐステルスしちゃうの
って電波拾ったんですけど活用出来るのかこの京ちゃん設定で……
トイレ行った桃子視点いるっすか?
安価↓コンマ二桁が4以外で『いる』の場合のみ書きますっす
桃子視点
桃子はトイレの個室で頭を抱え込んでいた。
(うぅ…京太郎くんに…触られちゃったっす……///)
先ほど椅子から落ちたときに京太郎が助けてくれたのだ。
そのとき、たまたま桃子を抱きかかえていた手の場所が悪かっただけだ。
京太郎は全く気付いていないようだったので言えなかったのだが。
(あぅ…まだ顔があっつい…)
頬をペタペタと触る。
リンゴのように真っ赤になった頬は熱くなっていた。
(うぅぅぅぅ…どんな顔して京太郎くんに会ったらいいんだろう…)
また頭を抱え込んで髪の毛をわしゃわしゃする。
(でも…ちょっと嬉しいかもっす…///)
(あんなことでも///)
これで三度目。
京太郎に助けてもらったのは。
一度目は横断歩道で。
二度目は試験会場で。
そして三度目は部室で。
助けてもらった時の事の大きさは違えど、その一つ一つが桃子の大切な思い出だった。
数年の年月を持ってしても消えなかったこの想いが、
一緒の学校に通えるようになって
一緒の部活をすることになって
少しずつ大きくなっていく。
京太郎の顔を思い浮かべれば、鼓動が早くなる。
京太郎の声を聞くと嬉しくなる。
京太郎の文字を見るだけで―――。
「ひゃぅっ!?///」
ブーブーと携帯が振動する。
桃子は携帯を開いてメッセージを確認すると相手は京太郎だった。
その文字を見るだけでホッとして頬を緩ませる。
メッセージには、
『体調悪いのか?大丈夫か?』
とだけ書かれていた。
そんなメッセージでさえも嬉しく感じてしまえた。
桃子は京太郎からのメッセージをすぐに返信してトイレから出た。
(ったく…京太郎くんは心配症っすね!)
桃子はいつもよりちょっとだけ早く歩いて教室に向かったのだった。
(早く応じ様を安心させてあげないと…っすね///)
こんな感じなことがあったっす
オ○ニーとかするわけじゃないから大したことない大したことない(震え声
これで本日は本当に区切るっすよー
ラキスケのイベはきっとまだ続くっすー
ではでは読んでくれて乙っすよー
って誤字やん…応じ様ってなにゃねん
ごめんなさい
王子様って脳内変換お願いしますっす
仕事が終わったので書き溜め開始しますっすー
22:00以降になると思うっすー
智美「今日はなんだか部室が綺麗な気がするぞー」
ゆみ「いや、どう見ても綺麗だろうが…」
先輩方が部室に入るや否や周りを見渡すとそう呟いた。
モモと視線を合わせて親指を立てあう。
睦月「牌も綺麗になってるな」
佳織「もしかしてこれって」
妹尾先輩の言葉で全員がこちらを見る。
ちょっと照れくさい。
恥ずかしさを誤魔化すように頬をポリポリと掻く。
モモが肘で脇腹をつついてくるのがちょっとうざかった。
ゆみ「…ふっ」
ゆみ「全くもって君というやつは…」
やれやれと首を振る。
ゆみ「私たちは君に……いや、君たち二人に負担をかけるつもりはないんだ」
智美「そうだぞー。大会の為に誰かを犠牲にするなんてそんなの意味ないからなー」
佳織「こういうことするなら皆一緒、だよ?」
睦月「先輩後輩とか関係ない」
智美「皆でやればそれだけで思い出になるからなー」
蒲原先輩がワハハと笑いながら雀卓の席についた。
智美「まー二人とも座れ」
モモと顔を見合わせる。
智美「取って食おうなんて思ってないからなー」
智美「掃除を頑張ってくれた後輩の指導だよ」
ゆみ「ほら早く席につけ」
加治木先輩が背中を押して席の前まで連れてってくれた。
おずおずと席に座るとモモも続いて席に座る。
智美「むっきーは牌譜を。佳織は席についてくれ」
各々が蒲原先輩に言われた通りに行動していく中、加治木先輩だけ余っていた。
智美「ユミちんは………そうだなぁ」
周りを見渡し俺の方に視線を向ける。
智美「須賀くんの後ろでサポートしてやってくれー」
ゆみ「了解だ」
京太郎「!?」
こうして加治木先輩がすぐ後ろで見ている中で対局が始まってしまったのだった。
結果、いつもより緊張してしまって周りを全く見えなかった。
何度も振り込んでしまった。
そして気がつけば南場に突入し、もう一度振り込んだら飛んでしまうような状態になってしまった。
ゆみ「須賀くん」
加治木先輩に呼ばれて振り返る。
ゆみ「そんな絶望的な顔をするな」
加治木先輩が優しく俺の頭を撫でる。
京太郎「っっ」
ビクンと体が跳ねた。
女の人から触れられる経験が少ないのでビックリしてしまった。
ゆみ「大丈夫だ」
ゆみ「君には私がついている」
自信たっぷりの声で耳元でそっと囁く。
その言葉を聞いた途端、体の緊張の糸が霧散していった。
ゆみ「さあ、残りの局もしっかりやるんだ」
京太郎「はいっ」
元気良く返事をする。
配牌を確認する。
さっきとは比べ物にならないくらい良かった。
配牌の中で一番作り易い役を考える。
方針を決めて不要な牌を捨てる。
ツモっては不要な牌を捨てる。
その行動一つ一つに意識を集中させる。
京太郎「よし…リーチだ」
思いきってリーチをかける。
なんとなく上がれる気がした。
智美「ワハハー早いなー」
笑いながら現物を捨てる。
桃子「3巡目リーチとか当たったら事故っすよこんなの」
それでもスジを読んで捨ててくる。
ゆみ「いいぞ、須賀くん」
肩に手を置かれる。
その手から伝わる熱を感じて顔が熱くなる。
佳織「えと…これなら大丈夫かな…?」
妹尾先輩がビクビクしながら牌を捨てる。
京太郎「その牌、ロンっ!!」
京太郎「リーチ一発ピンフっす!」
高らかに宣言した。
点数は低いけど先輩たちとやって初めて上がれた瞬間だった。
ゆみ「よし、よくやったぞ京太郎!」
後ろから嬉しそうな声で加治木先輩が俺の肩を叩く。
京太郎「はいっ! やりましたよっ!」
席から立ち上がり加治木先輩を向き合う。
京太郎「先輩のおかげで上がれましたっ!」
頭を下げる。
ゆみ「いやいや、今のは君の実力だよ」
京太郎「でも先輩が励ましてくれなかったら焼き鳥のままだったっす」
京太郎「だから先輩になんかお礼をしたいんです!」
ゆみ「本当に大したことしていないんだが…」
加治木先輩はやれやれと首を振り
ゆみ「はぁ……君は一度言い出したら何しても曲げそうにないな」
ゆみ「では、お礼というわけではないが」
ゆみ「須賀くん、携帯を出してくれないか?」
京太郎「携帯ですか?」
言われた通り、スマホをポケットから取り出す。
先輩もスカートのポケットからスマホを取り出す。
ゆみ「君の電話番号教えてくれ」
まさか…この展開って…。
ゴクリと唾を飲み込む。
ゆみ「部で活動する上で番号を知っていないと何かと不便だと思ってな」
ですよねー。
スマホを操作して待ち構える。
ピロリンと音が鳴り画面には登録しましたの文字が出ていた。
ゆみ「………ふふっ」
智美「おやおやーユミちんがニヤニヤしてるぞー?」
ニヤニヤしてるのは蒲原先輩の方だと思うんですけど。
ゆみ「ば、ばかいうんじゃにゃい!」
ゆみ「あっ…………」
見る見るうちに顔を真っ赤に染める加治木先輩。
それを見て蒲原先輩が笑い、睦月先輩、妹尾先輩が笑う。
俺もモモもいつの間にか釣られて笑っていた。
ゆみ「あーもう!」
ゆみ「皆して笑うなぁぁぁぁぁぁぁ///」
加治木先輩の声が校内中に響き渡ったのだった。
ゆみ「ちなみに他の部員の電話番号は知ってるのか?」
京太郎「知ってますよ?」
ゆみ「!!?」
京太郎「合宿の時に交換しましたから」
ゆみ「蒲原もか?」
京太郎「部長ですからね。一番最初に教えてました」
ゆみ「 」
京太郎「あれ、どうかしましたか先輩?」
ゆみ(アレより先だと思ったのに……)グスッ
これにて本日は区切りっすよー
そろそろ咲ちゃん出すっすよー
修羅場までまだ時間かかりそうですかねぇ
>>208
そうでもないっす
文学少女がそろそろ顔を出します
20時くらいに投下予定っすー
さて更新の時間っすよー
【文学少女は恋する乙女?】
久々にアイツに電話してみるか。
スマホを操り電話帳を開いてさ行の一番最初にいた奴に電話をかける。
四回ほど呼び出し音が聞こえると、
『もしもし?』
どうやら無事に繋がったようだ。
5回に1回は切られるんだよなぁコイツに電話すると。
わざとやってるわけじゃないからすぐに折り返しの電話が来て謝ってくるんだけど。
「おう、俺だよ俺」
『新手の詐欺かな?』
電話越しでもクスクスと笑ってるのが分かる。
「いやー今日いいことあってさ」
『へー』
「いやいや、そこは何があったの?って聞くところだろ」
『なにがあったのー?』
「いやそんな興味なさ気に言われても…」
『嘘だよっ、で、何があったの?』
「なんと俺、麻雀でかなり強い先輩相手に上がれたんだぜ?」
『………』
「咲、聞いてるか?」
『あ、うん、聞いてるよ』
『へー、京ちゃんって麻雀やってるんだー』
「麻雀に詳しい友達が出来て教えてもらったら思いのほか面白かったんだよ」
「咲もやってみようぜ?」
「まぁ、ポンコツな咲じゃちょっと難しいかもしれないけどな」
『私はポンコツじゃないもんっ!』
「へいへい、お姫様」
『そーやっていつも誤魔化すんだから…』
呆れた様子で咲はため息を吐いた。
『あ、京ちゃん』
「ん?」
『京ちゃんって麻雀部に入ってるの?』
「初心者だけどな」
「あ、そうそう。部長が大会に出るって言ってたぜ」
「もし予定が合ったら応援しにきてくれよな?」
『ふーん…わかった』
「ふぁぁ…」
『京ちゃん眠いの?』
「んーまぁ麻雀で体力使ったしな」
『じゃあもう寝る?』
「悪いけどそうするわ」
『全然大丈夫だよー?』
「また何かあったら電話するぜ」
『私も何かあったら京ちゃんに電話するね?』
「電話できるならな」
『何度もかけ直してるんだから出来るよっ!?』
「いやミスって電話ぶっちすることなかったらそんなことにはならないんだが…」
『ぐぬぬ………今に見ててよね』
『きっと京ちゃんをあっと言わせてあげるんだからっ!』
きっと今電話越しで凄んでるんだろうけどなぁ。
「はいはい期待して待ってる」
『……絶対期待してないし』
「じゃあ、もう寝るよ」
『うん、私も明日の準備もしなきゃならないから』
「準備して忘れて行ったら意味ないからなー」
『流石にそれは私を馬鹿にしすぎだよ京ちゃんっ!?』
「わりぃわりぃ」
『もう…私だからいいものだけどさ。反省してよね?』
「お許しくださいませお姫様ー」
『くるしゅうないくるしゅうない』
「ってこんなこと言ってたらずっと寝れないな」
『ん、そうだね』
「ということでほんとに寝るからな」
『うん』
「咲、お休み」
『お休みなさい、京ちゃん』
画面を押して通話を切る。
切ると同時にあくびが出てきたので布団にもぐりこむ。
瞳を閉じるとゆっくりと意識が闇の中に沈んでいった。
咲視点
(……京ちゃん)
私は机の上に置いてある写真立てを指で撫でる。
中学の時に運動会でお父さんに撮って貰った写真。
そこには私と恥ずかしそうに鼻を擦って目を逸らしてる京ちゃんの姿があった。
彼と出会ったのは中学に入ってからだった。
人と話すのが苦手で入学してから趣味だった本を読んでいた。
そのせいか、委員会を決める時にある生徒が、
「宮永さんっていつも本読んでるし図書委員でいいんじゃない?」
と言った。
委員会は規則的に男女ペアで入るのが学校の方針だった。
地味で無口な私と一緒の委員会なんて誰が入ろうとするのだろうか。
そう思った直後だった。
「俺、図書委員会入るぜ!」
と京ちゃんが立ち上がりながらな名乗りを上げた。
京ちゃんは明るい性格で入学当初からクラスの中心にいた。
まるで私とは全く正反対な人。
正直なんで名乗りを上げたのかよくわからなかった。
周りのクラスメイトも同じ気持ちなのか、とてもどよめいていた。
それから京ちゃんと一緒に図書委員になって活動した。
初めて委員会集会があった時、集合場所が分からなくて迷子になった。
嫌になって泣きそうになった時、後ろから京ちゃんが走って私の元に来て、
「ったく…もう全員集まってるぜ?」
って言いながら手を引いてくれた。
多分、私はその時から京ちゃんを意識してたんだと思う。
それからも集合の度に京ちゃんは私のことを待っていてくれた。
一緒に図書便りを作ったり、一緒に図書館の受付したり。
沢山のことを京ちゃんと共有した。
京ちゃんといた三年間は全部楽しくて充実していた。
高校に上がってからは中学入学当初とあまり変わらない日々を送っていた。
窓際の席で読書に耽る日々の繰り返し。
一つ違うとすればこうやって京ちゃんが毎日連絡くれることくらい。
(そういえば京ちゃん、麻雀部に入ったんだっけ…)
確か私の高校にも麻雀部があったはずだ。
学生議会長、他の学校では生徒会長を務めてる人が入学式の後にあった部活紹介の時に麻雀部のことを言っていたような気がする。
(明日、麻雀部に行ってみようかな…)
もぞもぞと布団の中に潜る。
明日はもっと京ちゃんと話せますように、と心の中で呟きながら意識を手放していった。
いったんここで区切りますっす
書き溜めが溜まった時に更新しますっす
京太郎ハーレムみたいなのが苦手な方は戻る推奨っす
注意書きに書いてなくて申し訳ないっす
いまさらですが咲ちゃんの回想と京太郎の回想で矛盾発生してしまった…orz
>>33の
中学校時代も両親の転勤で引っ越すことが多かったからなぁ・・・。
中々一つのことに集中なんて出来なかったし。
を
小学校時代まで両親の転勤で引っ越すことが多かったからなぁ・・・。
中学じゃポンコツの相手で精一杯だったし中々一つのことに集中なんて出来なかったし。
に脳内変換お願いしますっす
以後こんなことがないように気をつけるっす…
申し訳ないっす
【げっ歯類とステルス少女】
京太郎「うーん」
俺は加治木先輩から渡された本を見ながら唸っていた。
タイトルは『これなにどれ捨てる?』という麻雀雑誌だ。
表紙にはプロ雀士の瑞原はやりこと、卓のおねえさんのはやりん(28)だ。
何度見てもこの人のおもちはすばらしいと思う。
桃子「どうしたっすか?」
モモが俺が見ている本を覗き込む。
京太郎「ここが分かんなくてさ」
見やすいようにモモの方へ本を向ける。
桃子「あー、これちょっとした引っ掛けっすねぇ」
桃子「ほら、ここでこの牌を捨ててあるっすから」
そう言って本に書かれている牌を指差して説明する。
モモの教え方は相変わらず分かりやすい。
京太郎「なるほど…ありがとなモモ」
桃子「京太郎さんの為だったらお安い御用っすよ」
そう言って俺の隣に座る。
てか、ポンコツ扱いって……
京太郎はあんまり咲のこと好きじゃないだろwwwww
桃子「そう言えば今週の土曜日は暇っすか?」
京太郎「んー特に用事はないぞ」
そう答えるとモモは笑顔になり、
桃子「じゃあ、土曜日は京太郎くんの家で麻雀の特訓っすよ!」
と元気良く言った。
京太郎「特訓か…」
そう言えばそんなこと言ってた気がする。
先輩たちに頼りっきりになるよりも自分たちで強くなる努力は出来るだけしたい。
そうとなれば答えは決まっていた同然だった。
京太郎「ああ、じゃあ土曜日にな」
という訳で土曜日に俺の家で特訓をすることになった。
土曜日。
モモとの待ち合わせの時間丁度に目的地の駅に辿り着いた。
木陰にモモの姿を確認する。
腕時計をチラチラと確認していた。
なるべき気付かれないように後ろから接近する。
ゆっくり足音を聞こえないように気をつけながらモモの背後に辿り着く。
京太郎「よっ」
後ろから背中を叩きながらモモに声をかける。
桃子「ひゃっ!」
相当ビックリしたのか前につんのめっていた。
その様子が可笑しくて声を上げて笑う。
桃子「もーっ! 笑い事じゃないっすよー」ウガー
俺の胸をポカポカと叩いてきた。
京太郎「悪かったって」ニヤニヤ
桃子「そんなニヤニヤしながら言われても全然誠意を感じないっす!」
京太郎「後でアイス奢ってやるからそれで勘弁な?」
桃子「………ピーチ味っす」
京太郎「分かってるよ、桃姫様」
ゆっくりと家に向かって歩き出す。
モモが後ろからトタトタと着いて来る。
桃子「そう言えば京太郎くんの家ってどんな感じなんっすか?」
京太郎「どんな…って難しい質問だな」
あんまり自分の家を考えたことないのでどう答えればいいのか分からないのだ。
京太郎「普通だよ、普通」
桃子「ふーん」
京太郎「その前に、コンビニよろーぜ」
桃子「私はかまわないっすよー」
近くにあったコンビニに入る。
店員のお決まりの挨拶を聞きながら棚を物色する。
モモへの約束の品を手に取る。
京太郎(これと…あっ)
プロ麻雀せんべいが売っているのが目に入る。
迷うことなくそれを手に取りレジに向かう。
会計を終えると先に買い物を追えたのかモモがコンビニの外にいて待っていた。
京太郎「ほれ、姫様のご志望の品だ」
そう言ってモモにピーチ味のアイスバーを渡す。
桃子「くるしゅうないくるしゅうないっす」
満足そうにそれを受け取って袋をあけて中身を取り出す。
髪を掻きあげアイスバーを頬張る。
桃子「ちゅぱ、ちゅっ」
口の奥まで入れて吸い取りながら頭を何度か前後させる。
桃子「ぷはぁっ」
苦しくなって口を離す。
唾液で濡れたそれは徐々に汁を増やしていく。
桃子「あぁ…もったいないっす」
汁が落ちる前にそれを下から上に舐めまわす。
桃子「んっ…れろ…」
モモはもう一度棒を口に入れて汁を吸い取った。
桃子「ん、ろうしたっふか?」
まじまじと見ていたのがバレた。
京太郎「な、なんでもない」
恥ずかしくなって誤魔化すように目を逸らす。
さっきのモモがエロかったから、なんて言えるわけなかった。
桃子「あげないっすよ」
なにやら嬉しそうにそう言ってアイスバーをペロリと食べてしまった。
京太郎「ここだぜ」
桃子「おおー」
無事家に到着する。
玄関を開けてモモを待つ。
京太郎「入れよ」
桃子「お、おじゃましますっす」
周りを見渡しながら中に入っていく。
俺も後に続いて中に入る。
「きゅーっ」トタトタ
桃子「きゃっ!」
俺が中に入ると元気よくアイツが玄関に顔を出した。
しゃがむと俺の傍に寄ってきて身体を擦り付ける。
京太郎「おーよしよし、今日も元気だなー」
そのまま抱きしめてやると嬉しそうに更に身体を擦り付けてきた。
桃子「な、なんっすかその生き物……」
モモがどうしたらいいか分からずにおろおろとしている。
そういやコイツを見せるのは初めてだな…。
抱きしめた腕を離して立ち上がる。
京太郎「コイツは俺のペットのカピバラのカピーだ」
カピー「きゅーっ♪」スリスリ
桃子「…ネーミングセンス」ボソッ
京太郎「変な名前付けるよりかはいいだろっ!?」
桃子「まぁそうっすけど…」
桃子「もしかして京太郎くんってボンボンなんっすか?」
京太郎「んーそうか?」
カピーを撫でる。
ごわもふしてる質感がたまらない。
ずっと触っていたくなる。
桃子「私もちょっとだけ触ってもいいっすか?」
京太郎「別に許可とか必要ないってーの」
撫でる手を止めてモモが撫でやすいように撫でる場所をあけてやる。
モモは深呼吸しておずおずと手を伸ばした。
恐る恐るカピーに触れる。
桃子「……なんか…思ってたのより毛が硬いっすね」
カピーの毛を撫で回す。
カピー「きゅぅ」
カピーは気持ちよさそうに目を細める。
桃子「えへへ…なんか可愛く見えていたっす」
ちょっと大胆に耳を掴んでみる。
カピーは嫌がる様子もなく受け入れていた。
京太郎「カピーに気に入られてるみたいだな」
桃子「ふふっ…やったっすね」
モモはニコニコしながらカピーに触れる。
京太郎「モモ」
桃子「なんすかー」
京太郎「先に部屋に行っててくれるか?」
桃子「部屋っすか? でも場所わかんないっすよ?」
京太郎「扉の前に書いてあるから分かる」
それだけ言って俺は居間の方へ向かった。
桃子「えっと…京太郎くんの部屋は…っと」
カピーと戯れるのをやめて京太郎の部屋を探す。
桃子「あ、ここっすね」
きょーたろー、と書かれた部屋を見つけて中に入る。
桃子「おじゃましまーす」
初めて入る男の子の部屋。
自分の部屋と違って質素でちょっと男の子の匂いがした。
桃子(これが京太郎くんの匂い…)
きっと深呼吸すれば肺いっぱいに京太郎の匂いが……。
桃子(いやいやそんな変態チックなことはしないっすよ!?)
頭の中で浮かんだ行動を即座に却下する。
ふと周りを見渡すとベッドの上にある台には何冊か麻雀の本と一つの写真たてがあった。
なんの写真だろうと思い机に近づく。
写真たてには10人ほどの生徒と京太郎が写っていた。
桃子「へー、京太郎くんって図書委員だったんっすねぇ」
中学時代の京太郎を知らない桃子にとって、その写真は羨ましいものに見えた。
しばらく眺めているとふとした違和感に気付いた。
京太郎の隣にいる少女に目がいった。
パッと見ならば、ああこの人は気が弱くて写真慣れしていないんだろうな、って思えた。
桃子は見つけてしまった。
彼女の指が京太郎の服の袖を掴んでいたのを。
この人が京太郎と中学時代を一番長く過ごした人だと女の勘が告げる。
桃子(これは…思わぬライバル登場っすね……)
下唇を軽く噛む。
もしこの子と京太郎が付き合っていたのなら……。
いつもの桃子らしくない考えが頭を過ぎる。
ガチャっと音を立てて扉が開く。
倒れこむようにベッドの上にダイブする。
京太郎「お菓子と飲み物持ってきたぞ……ってどうしたんだ?」
桃子「ちょっと足を滑らせちゃったっす」
京太郎「ならいいんだけど…」
トレイからコップとお菓子を丸机に移す。
後ろからカピーも着いて来ていた。
京太郎「お前はご飯食べたからダメ」
カピー「きゅぅ……」
しゅんとしてしまった。
京太郎はクッションを桃子の近くに置く。
京太郎「ほら、モモもこっち座れよ」
クッションをポンポンして促す。
ベッドから立ち上がりクッションに座る。
桃子「えへへ、ありがとうっす」
ちょっとした京太郎の優しさが嬉しくてつい笑顔になる。
京太郎「女の子に地べた座れなんて言ったのが親父に伝わった日には半殺しにされかねないからな」
恥ずかしそうにそっぽを向いて頬を掻く。
誤魔化すようにノートパソコンを開く。
京太郎「ほら特訓するんだろ?」
桃子「でもほら…ついてすぐにやる必要はないと思うっす」
桃子「休憩も必要っす」
京太郎「まぁ、そうかもな」
桃子「というわけで京太郎くんの中学時代の卒業アルバムを見ることにするっすよ!」
京太郎「俺の中学時代なんてそんなに面白いものないぞ?」
桃子「それでいいんっすよ、私が見たいだけっすから」
京太郎「まぁいいけど……」
引き出しから卒業アルバムを取り出して机に置く。
桃子はそれを一枚一枚ずつ捲る。
京太郎の姿は分かりやすくすぐに見つけることが出来た。
その近くに例の少女が写ってるのも。
桃子(一体どんな関係なんっすか……)
アルバム見た感じ、恋人という感じではない。
どちらかというと兄と妹に近い。
ペラペラと捲ってくと気になる写真を見つけた。
桃子「これ…」
京太郎「おー懐かしいなぁこれ」
京太郎が身を乗り出して写真を見る。
運動会でリレーのアンカーを務めて一位でゴールした写真だった。
他にも文化祭の写真やら修学旅行の写真など三年分の思い出の写真がたくさんあった。
桃子(私も一緒に過ごしたかったっすね)
なんて心の中で呟いてみせる。
京太郎「じゃあ片付けるぞ」
そう言って卒業アルバムを閉じて立ち上がる。
桃子「りょーかいっす」
京太郎「おっと…長く座ってたから足が」
カピー「きゅー♪」ドンッ
カピーが京太郎に体当たりした。
普段なら何の問題もない行為。
しかし、足の感覚がない京太郎は踏ん張ることが出来ず、
京太郎「うぉっ」
桃子「えっ……」
バッターンと音と立てて倒れこむ。
京太郎「いてて…すまんモモ」
桃子「だ、大丈夫っすよ…あっ」
京太郎「ん?」
気付けば目と鼻の先の相手の瞳があった。
二人とも相手の目から目を逸らすことが出来なかった。
桃子「京太郎くん」
京太郎「なんだ?」
桃子「京太郎くんといつも一緒に写ってたあの子って…」
桃子(ってなんでこのタイミングでそれを聞いてるっすかー!?)
京太郎「あー、ああ、アイツはただの同級生だよ」
桃子「本当っすか…?」
京太郎「嘘なんてつかねーよ」
桃子「えへへ、そうっすよね」
そう言って桃子は笑顔になった。
京太郎(……やっぱりモモって可愛いよな。笑顔だと特に)
京太郎「なぁ…モモ」
桃子「なんっすか?」
京太郎「キスしていいか?」
京太郎「ぐふっ!!」
桃子の上にいた京太郎が横に吹き飛ばされるように転がった。
カピー「きゅーきゅー!」
吹き飛ばした本人が不満そうに鳴き声を荒げる。
どうやら遊んでもらえないのが不満だったようだ。
京太郎「いてーだろがっ!!」
カピーに近づき顔をぐりぐりとこねくり回す。
カピー「きゅっきゅっ」
嬉しそうに鳴く。
カピー的には遊んでもらってると思っているようで楽しそうだった。
桃子(……………さっきの)
桃子は心臓に手を当てる。
心臓の音は激しく音を立てて脈動をしている。
あの時もし答えていたら…。
桃子は服をぎゅっと掴む。
桃子(………京太郎くん)
真っ赤になった顔の熱は引かず。
京太郎の姿を見るだけで顔が熱くなっていく。
桃子(………ホントにもうっ)
桃子(……こんなにドキドキさせるなんてっ)
桃子(……京太郎くんも罪な人っすね)
桃子(……これ以上好きになったらどうするつもりなんすか)
桃子「……もう手加減なしっすよ///」
京太郎に聞こえないように小さく呟いたのだった。
今まであれで加減していただと…!
閑話休題
ゆみ「で、ちゃんと課題もしてきたんだろうな?」
京太郎「」
ゆみ「ほう…いい度胸じゃないか」
ゆみ「どうやら君にはもっと課題を増やした方がいいみたいだな」
ゆみ「ここに君に貸した本の続編が20冊ある」
ゆみ「これを明日までにやってもらおうか」
ゆみ「無論、前に渡した課題もやってもらうよ」ニッコリ
京太郎「そんな…殺生な………」
ゆみ「なに、人間一日くらい寝ないでも生きていけるさ」ニコ
京太郎「」チーン
智美「ユミちんはスパルタだなー」
桃子「…………」ヌキアシサシアシシノビアシ
智美「モモー逃げようとしても無駄だぞー?」
ゆみ「ああ、モモにも当然須賀くんと同じメニューをやってもらう」ニッコリ
桃子「」チーン
必死で課題を終わらせる努力をする二人の姿があった。
終わったか終わらなかったか、どちらを信じるのかは貴方次第です。
区切りっす
ライバル登場とカピ登場とモモイベントこなしたかった結果こうなったっす
文才下さい(懇願
上手い引き際がわからないっす
どうなるの?って興味を引ける終わり方をしたいのです
>>231
手のかかる妹みたいな感じの印象なのでポンコツ扱いです
>>246
自分からはロンしかしてない気が(震え声
京太郎の家事能力はそのうち分かりますっすよー
親が転勤族ってのを考えて……って感じっすね
>>1でシリアスなしと言ってないので…って感じっすね
【ラッキー少女と全自動麻雀卓】
京太郎「あの…」
智美「ん?」
京太郎「俺、買出しに言ってくるって言いましたよね?」
ゆみ「そうだな」
京太郎「だったらなんで皆いるんですかっ!」
部室で使う物を買出しに行くと伝え、放課後を利用して買い物に行こうとした矢先。
モモ、加治木先輩、睦月先輩、妹尾先輩、蒲原部長が後ろについて来ていた。
佳織「須賀くんはいつも頑張ってくれてるからそのお手伝いだよ」
やっぱり妹尾先輩は天使だった。
智美「それに皆でやった方が思い出になるだろ?」
京太郎「はぁ…そうっすか」
なんか言いくるめられた気がする。
智美「それにこういうのも大会が終わったら出来ないだろうしな」
京太郎「……」
それを言われると何も言えない。
部長と加治木先輩は今年で卒業だから進路について考えないとならない。
こうやって最後の大会の前に思い出を作りたいと言ってるのだから、それを断るほど馬鹿じゃない。
だからこの人はずるい。
睦月「京太郎くん」
京太郎「はい?」
睦月先輩から話かけてくるなんて珍しい。
睦月「先週この辺で買い物をしたのだがこういうものを貰ってね」
睦月先輩は鞄の中をゴソゴソと漁る。
目的の物を手に取り見せてくれた。
睦月「どうやらこの辺で福引があるみたいなんだ」
睦月「物は試しにやってみないか?」
京太郎「俺はいいっすけど…」
部長を見る。
どうやら話を聞いていたようで親指を立てていた。
京太郎「オッケーみたいっすね」
睦月「それは良かった」
桃子「福引ならあそこの店の前でやってたっすよ」
モモが人だかりを指差す。
そこには福引の文字が書かれていた。
鶴賀学園麻雀部の福引大会が今始まろうとしていた。
智美「一番槍はもらったぞー」
意気揚々と福引機の前に立つ部長。
おっちゃさんに福引権を渡してハンドルを握る。
智美「ワハハ」
元気よくハンドルを回す。
ガラガラを福引機の中がかき回される。
何度か回すと中身が排出される。
「あちゃー五等だねぇ」
出てきたのは白の玉だった。
おっちゃさんはテッシュを部長に渡した。
智美「このくらいじゃ泣かないぞ……」
部長、背中に哀愁漂ってますって。
ゆみ「では私が行こう」
腕まくりをして福引権の前に立ち加治木先輩。
ハンドルを掴みカラカラと回す。
落ちた玉は―――。
「あーー残念ーー」
やっぱり、白だった。
ゆみ「………」
ティッシュを受け取り何も語らずに皆の元に帰って来る。
なんて声をかければいいのかわからないっす…。
桃子「ふふふ…次は私の番っすよー!」
モモが威勢良くおっちゃんのところまで行った。
目の前にいるというのに気付かないおっちゃんに痺れを切らして、
桃子「私が回しますっすよ!!」
と大声を上げた。
「お、おぅ、お嬢ちゃん」
とビックリした様子で答えるおっちゃん。
おっちゃんにとっちゃいきなり現れたようなもんだしな。
桃子「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
桃子(ここで京太郎くんにいいところ見せて好感度アップっすよ)
力いっぱいガラガラするモモ。
いやなんでそんなに体育系のノリなんだよお前。
「おっ、いいねお嬢ちゃん」
出てきたのは黄色い玉だった。
「黄色はこれだ」
モモの手にギフトカードが渡される。
ガックリした様子で戻ってくる。
桃子「…うぅ」
しょんぼりしているモモの頭に手を乗っけてやる。
京太郎「そういうときもあるさ」
桃子「……っす」
恥ずかしそうに顔を逸らした。
佳織「次は私でいいかな?」
妹尾先輩が俺に話しかける。
京太郎「はい、俺は後で全然かまわないっす」
と答えてモモの頭をぐしゃぐしゃにしてやる。
桃子「やめるっす! せっかくセットした髪がぐしゃぐしゃになっちゃったっすよ!」
怒りはじめたのでやめる。
桃子「……うー」
唸ってる唸ってる。
女心って難しいなぁ、なんてことを考えていると。
「一等賞おめでとうー!!」
おっちゃんの元気な声が福引機の方から聞こえた。
おっちゃんがカランカランカラーンとベルを景気よく鳴らしている。
通行人が野次馬のごとく集まってきた。
智美「ナイスだ佳織っ!」
ゆみ「よくやった!」
あ、復活したんですね先輩。
佳織「えと…あの…」
注目を浴びて困ってオロオロしている天s妹尾先輩。
相変わらず仕草がキュートです。
佳織「えへへ」
こちらを向いて微笑みながら指でVサイン。
京太郎(天使や)
桃子「むぅ…」
…むくれてる。
「一等は麻雀卓だよー」
おっちゃんの声で現実に戻される。
え、麻雀卓? もちろん郵送っすよね?
「そこの兄ちゃん」
俺を指差すおっちゃん。
「アンタ同じ高校なんだろ?」
京太郎「まぁ…そうっすけど」
「女の子にこんなもの持たせるわけにはいかないよな?」
おっちゃんがにこやかにそう言った。
俺はこの雀卓を持って学園に戻らないといけないのか…。
「男を見せるチャンスじゃねぇかっ」
「気張れよ!」
大きなダンボールに入れられた雀卓。
見るだけで嫌なんですけど…。
佳織「大丈夫?」
京太郎「ええ、大丈夫です」
おっちゃんに渡されたダンボールを持つ。
うっ、結構重いぞこれ……。
ゆみ「須賀くん」
京太郎「なんです?」
ゆみ「蒲原が車を取りに行ったからそれまでの辛抱してくれ」
それを聞いてちょっとだけ安心した。
これを学園まで運べとか言われたら不登校になるところだ。
小さな希望を胸に重い荷物を持ちながら学園に向けて歩き出した。
部長の車が到着したのは雀卓が学園に辿りついてからだった。
一旦区切りますっす
んー中々ヒロインを動かせないっすねぇ
もっと動かしたいんですけど…
文才下さい(懇願
鶴賀学園の日常編
京太郎「モモ」
桃子「なんっすか?」
京太郎「お昼とかよく一緒に食べてるけどさ」
京太郎「お前料理出来るの?」
一緒にお昼を食べていて気になったので聞いてみた。
桃子「んー、まぁ出来るっちゃ出来るっすけど…」
弁当箱を突付きながら
桃子「あんまり自信はないっすね」
桃子「ほとんどお母さんに作ってもらってるっすから」
京太郎「へぇ、なんか意外だな」
京太郎(そういえばあいつは料理とか普通に出来てたな…)
清澄に行った少女のことを思い出す。
普段はポンコツなくせに料理になると一切その影を見せなくなるのだ。
素人がよくやる砂糖と塩を間違えたり、米を洗う時に洗剤を入れたり。
そういったミスは全くなくなる。
桃子「そういう京太郎くんはどうなんっすか?」
京太郎「俺は男料理なら出来るぞ」
桃子「男料理?」
京太郎「炒め物とか、質より量って感じの料理だよ」
桃子「私もそれくらいだったら簡単っすよ」
そういいながら胸を張る。
京太郎「なら今度食わせてくれよ」
簡単に作れるなら食べてみたかった。
同級生の手料理なんて中々食べれるものじゃないしな。
桃子「もちろんっすよ!」
智美「今の話きかせてもらったぞー」
京太郎「!?」
桃子「!?」
どこからともなく蒲原部長が現れた。
モモ、お前のアイデンティティがクライシスしてんぞ。
智美「部員で料理を作ってきて誰が一番上手いのか選手権をするぞー」
そう言い残して颯爽と去っていった。
京太郎「………ここ屋上なんだけど」
桃子「……………謎っすね」
部長が出て行った扉を二人して時間になるまで眺めていた。
蒲原部長が屋上で言い残していった日の放課後の部活終了間際にて、
智美「ワハハ、よく聞いてくれたまえ諸君」
智美「各人は明日は自分でお弁当を作るんだぞ」
智美「そして昼休みは部室に全員集合だ」
智美「もちろん部長権限だからなー」
とだけ言い残して去っていった。
部長の命令を無視するわけにもいかず自分でお弁当を作ってきたわけだが…。
京太郎「しっかし部長は何考えてるのかわかんないなぁ…」
と一人で愚痴る。
ゆみ「蒲原は色々考えているぞ」
背後から声をかけられて飛び跳ねる。
ゆみ「君を叱ろうとかそういうつもりじゃない」
ゆみ「ただ、あいつはあいつなりに色々思ってることがあるってことを知ってもらいたかったんだ」
目を細めながらそういう加治木先輩。
ゆみ「ちょっと昔の話をするけど聞くかい?」
京太郎「はい」
俺の返事を聞くと加治木先輩は近くの椅子に座った。
ゆみ「そうだな…」
ゆみ「あいつと出会ったときはなんて能天気な奴なんだろう、って思ったよ」
ゆみ「いつもヘラヘラしていて」
ゆみ「正直言ってしまえば嫌いなタイプだった」
ゆみ「でも、学園祭の準備の時にトラブルが起こったんだ」
ゆみ「創立したばかりの学園だからか色んな中学から色んな人が入学していた」
ゆみ「全く人の話を聞かない、纏まりのないクラスだったよ」
ゆみ「色んな人が纏めようと努力した」
ゆみ「けど上手くいかなかったんだよ。ただ一人を除いてな」
京太郎「それが……」
ゆみ「そう。君の思っている通りの人物だ」
ゆみ「学園祭を無事に終えて、初めてあいつに話かけた」
ゆみ「それからあいつにカード麻雀を教えてもらって麻雀を始めたんだ」
京太郎「二年でそんなに強く?」
ゆみ「ああ、だから君にも期待してる」
京太郎「俺なんてまだまだダメダメっすよ」
ゆみ「大丈夫だ。あきらめない限り、なんだって出来るさ」
智美「ユミちんはまず料理のスキルアップをしないとなー」
ゆみ「ひゃっ!!」
加治木先輩が椅子から飛び跳ねて俺にしがみ付く。
ゆみ「お前っ! いきなり現れるな!」
京太郎(あの…胸当たってるんですけど……)
顔に当たっている胸がむにゅむにゅと動く。
天国ってのはこういうことを言うんだろうな…。
智美「いい加減に離してやらないと須賀くんが死んでしまうぞー」
部長の声で自分の状況に気付けたのか、加治木先輩は離れてしまった。
京太郎(もうちょっと堪能したかった……あ)
扉の向こうにモモの姿があった。
ものすごい笑顔でそこにいた。
人の握力で壁に穴って空くもんなんだな…。
背筋に悪寒が走った。
加治木先輩はさっきの行動が恥ずかしいのか椅子に座って髪の毛をくしゃくしゃしていた。
しばらくすると妹尾先輩と睦月先輩がやってきた。
智美「うむ、全員揃ったようだな」
智美「では、第一回鶴賀麻雀部料理王選手権を実施するぞー」
智美「さぁお前たち、せーのっ、の合図でお弁当をテーブルの上に置くんだ」
部長が周りを見渡す。
各人、頷き合図を待つ。
智美「行くぞー」
智美「いっせーのっ!」
全員が揃った動きでテーブルの上にお弁当を出した。
ちょっと安価です
ちょっと多いので連投ありです
安価下コンマで料理力が決まります
01~15 oh……(玉子焼きが真っ黒レベル
15~25 あーうん…(具がぐちゃぐちゃレベル
26~50 普通(普通なお弁当レベル
51~65 あ…普通に美味しい(ちょっと美味しいお弁当
66~80 美味しいじゃん!(嫁にいけるレベル
81~95 ゥンまああ~いっこっこれはああ~~~っこの味わあぁ~っ(以下略レベル
96~98 うわああああ、はっ腹がすいていくうよぉ~~~っ!食えば食うほどもっと食いたくなるぞッ!こりゃあよお―――ッ!!ンまあーーいっ!!味に目醒めたァーっ(以下略レベル
99~00 僕は今…神の味を知った(以下略
京太郎 下1
桃子 下2
ゆみ 下3
睦月 下4
佳織 下5
智美 下6
まさかの77のゾロ目のワハハwwwww
まさかの女子力は高いのか!?
あとゾロ目はどうするんですか?真面目に
>>286
おう…ゾロ目考慮してなかった…
旅館レベルってことにしますっす
京太郎 予想通り
桃子 oh...
ゆみ 予想通り
睦月 微妙に予想外
佳織 予想通り
智美 oh...
京ちゃんに通い夫されるモモの姿しか見えない件
じゃ、一旦区切りで新しく書き溜めますっす
その前にお風呂入るっす
ではではっす
最悪、誰か一人再安価させてもいいんだよ?(ニッコリ)
>>293
しません(ニッコリ
安価は絶対っす
モモは料理ベタの方がモモイベントは増えるっす
部長が料理上手いと全体のイベントが増えるっす
お風呂から上がったっすよー
書き溜めるっすー
今です!
更新の時間です!
差し出されたお弁当を見渡す。
加治木先輩のお弁当は、健康に気をつけているのか野菜中心なお弁当だ。普通に美味しそう。
ゆみ「私にもこれくらい出来るさ」
睦月先輩のお弁当は、タコさんウィンナーや端っこに兎のリンゴがあったりご飯には海苔でキャラクターの顔を作ってた。このまま嫁にいけるレベルだよこの人……。
睦月「うむ、造作もない」
そして問題の二人。
モモと妹尾先輩だ。
桃子「…………」ガタガタガタ
震えていた。
桃子(……まさか本当にこんなことになるなんて思ってなかったっす)
モモのお弁当は、玉子焼きを真っ黒に焦がしたような物体が中に入っていた。周りに生野菜を置いてカモフラージュしてる。ご飯がまともなだけいいのかもしれないが。
京太郎「お前…料理出来ないんだな」
桃子「ふぎゅっ」
その言葉がトドメの一撃となったようだ。
モモは前に倒れこみ何かをぶつぶつと呟いているが無視無視。
妹尾先輩の方へ向きなおすと。
佳織「えへへ」ニコニコ
笑顔だった。これ以上ないくらい笑顔だった。
むしろ褒めて褒めてと言わんばかりの笑顔だった。
ごめんなさいこれ―暗黒物質―を褒める術は今の俺には持ち合わせていません。
モモより酷いとは思わなかったので俺のショックも大きい。
智美「佳織は箱入り娘だからなー」
と部長が口を開く。
智美「包丁はおろかキッチンにすら立ったことないもんな」
佳織「うん。だからちょっと緊張しちゃったけどなんとか出来たよ」
あー…うん、いまどき料理できない女の子っているよね、ネットにも書いてあったし。
京太郎「えっと…上手く出来てると…思います」
口を無理やり動かして褒める。
佳織「ほんとにっ!?」
佳織「ありがとね、須賀くんっ」
満開の笑顔が咲いた。
京太郎(ああ、俺はこの笑顔を守るためになんて嘘をついてしまったんだろうか…)
吐いてしまった嘘の罪悪感に押しつぶされそうになる。
智美「須賀くんも罪な男だなぁー」
ワハハと笑う部長。
見ていなかったというか、あえて視界から外していたのだけれども全員見てしまったのでやっぱり見ないといけなくなってしまった部長のお弁当。
なぜ視界から外してまで見なかったのかと言うと。
京太郎「なんで部長のお弁当が重箱なんですかっ!!」
そう。
部長の持ってきたお弁当はお弁当の枠に入らず、その姿は重箱だった。
智美「ワハハ、作るのに苦労したんだぞー」
京太郎「これ苦労とかの問題で作れるもんじゃないですよね!?」
智美「いい女は秘密を沢山持ってるもんだぞー」
智美「峰不二子もそう言ってたしなー」
重箱を広げる。
智美「せっかく皆で作ってきたんだから一緒に食べるぞ」
部長のお弁当に呆気に取られていた皆もその言葉で意識を取り戻した。
重箱に圧倒されながら自らの弁当箱を広げる。
ゆみ「須賀くん」
京太郎「なんです?」
ゆみ「君のお弁当のそれ、貰ってもいいか?」
加治木先輩が俺の弁当のミニハンバーグを指す。
京太郎「いいっすよ」
箸で掴んで加治木先輩の弁当の中に入れる。
ゆみ「ありがとう」
ゆみ「じゃあ、私はこれを」
加治木先輩は俺の弁当にアスパラベーコン巻きを入れてくれる。
京太郎「等価交換っすね」
智美「お前ら付き合ってるのかー?」
ゆみ「っっ///」
京太郎「そんなことあるわけないじゃないですかー」
京太郎「俺なんかじゃ加治木先輩に釣り合わないっす」
俺がそう言うと加治木先輩がしゅんとなってしまった。
どっか具合が悪いのだろうか。
智美「今の絡み見てる限りじゃそうは見えないんだけどなー」
睦月「ああ、私もそういう関係なのかと思ってしまったよ」
京太郎「睦月先輩も勘弁してくださいよ…」
睦月「すまない。ちょっと羨ましくて」
京太郎「なら睦月先輩も何か取ります?」
睦月「なら遠慮なく」
睦月先輩が俺の弁当の中身をあげる。
京太郎「なら俺も」
俺も睦月先輩の弁当の中身を貰う。
智美「ワハハー、私も貰うぞー」
京太郎「どうぞっす」
京太郎「部長、一個貰ってもいいっすか?」
智美「いっぱいあるからかまわないぞー」
と料理が出来る組で交換し合う中、出来ない組はというと。
桃子「………うぅ」
佳織「いいなぁ……」
羨ましく周りの光景を眺めているだけだった。
京太郎「…」
ったく…仕方ねぇなぁ。
京太郎「モモ、弁当箱ちょっと貸してくれ」
桃子「え、でも……」
おろおろするモモを放置して弁当箱を奪う。
京太郎「ほら、食えよ」
代わりにモモに俺の弁当箱を渡す。
桃子「…でも、これって」
京太郎「玉子焼きが食いたかったんだよ」
そう言ってモモの弁当を一気にかっ込む。
京太郎(焦げた味しかしねぇ…けど)
全部食べなくちゃいけない気がした。
租借なんて一切せずに胃に入れる。
桃子「京太郎くんっ」
心配そうにモモが声を荒げる。
京太郎(心配すんなってーのっ)
モモの弁当の中身を全て平らげる。
京太郎「…お前の料理美味かったぜ」
そう言って立ち上がり、扉に向かって歩く。
桃子「どこ行くんすか?」
京太郎「……食事中に席を立つ理由は一つしかないだろ?」
それだけ言ってトイレに向かって歩く。
京太郎(…もうちょっとだけ持ってくれよ…)
視界がぼやけてくる。
壁に手を付きながら歩く。
京太郎(……畜生…もうダメか…)
意識が遠のく中、最後に聞こえたのは誰かの俺を呼ぶ声だった。
桃子「…本当に心配したっすよ…」
京太郎が部室を出ていった後、心配になって後を追った。
桃子が次に京太郎を見たのは廊下に倒れる瞬間だった。
すぐに駆け寄り、京太郎の肩を担いで保健室に向かった。
女一人で大の男を運ぶのは苦労した。
それでも必死になって京太郎を保健室に運んだ。
保険医によると、ただの体調不良、ということらしい。
後は任せて、とも言われたが心配で残ることにした。
桃子「あんな嘘まで吐いて…本当に馬鹿っすよ」
京太郎の手を握る。
あんな焦げきった料理が上手いわけがない。
そんなの分かってる、分かりきってる。
なのに、京太郎から美味かったと言われて、言ってもらえて。
とても嬉しかったのだ。
失敗したけど、それでも美味かったって。
自分のことを気遣った言葉だとわかっていても、それでも。
嬉しかった。
それと同時にとても悲しくなった。
京太郎に気を使わせてしまったことが。
桃子「馬鹿…馬鹿…本当に馬鹿っす…」
唇が触れそうな距離にまで近づく。
桃子(このままじゃきっとダメっす…もっと私が強くならなくちゃ…)
桃子は瞳を閉じる。
桃子(だから……私が強くなるために…)
桃子(………勇気をください)
唇を重ね合わせる。
初めてのキスは苦くてしょっぱかった。
今日は区切りっすー
1~15は真っ黒と言ったな? あれは嘘だ
詳しくいうならバカテスのピンク髪と同レベル程度っす
ちなみに11だったら見た目炭、味最高の予定でした
ちょっと立て込んでて更新出来そうもないので今日の更新はなしっす
申し訳ない気持ちでいっぱいっす
ちなみに毒物錬金してますが自覚症状ありなのでモモの料理は変化あり
かおりんは自覚症状ないのでたまにすごく上手い料理が作れる程度(10000回に1回の確率程度)
出来るだけ早く更新出来るようにしたいと思いますっす
ぐぬぬ…来週から二週間くらい支援いかねばならなくなったのでもしかしたら更新できないかもしれませぬ…あばばばば
なのでしばらくの間はスマホからの更新になりますので区切りまでsage進行にしたいと思います
ご迷惑おかけして申し訳ないっす
桃子「あーうー…」
桃子「ツイてないっす…」
ゴホゴホと咳き込むみながら、布団に潜り込む。
桃子「皆、今頃部活をしているころっすねぇ…」
京太郎「今日、部活ないぞ」
桃子「え…?」
京太郎「なんか蒲原部長のテストの成績が芳しくなかったから加治木先輩が付きっきりで勉強をさせるから今日は休みだとさ」
ポカリをコップに入れる。
京太郎「ほらよ」
桃子「あ、ありがとうっす」
のそのそと布団から起き上がり、コップを受け取る。
ひんやりしていて少しだけ気持ちよかった。
桃子「京太郎くん」
京太郎「ん?」
桃子「……そういえば、なんでここにいるんすか?」
京太郎「そりゃお前が風邪引いたからだろ?」
なにいってんだこいつ、みたいな顔で桃子をみる京太郎。
桃子「いやい確かに私が風邪を引いたのは事実っけど…」
なんて部屋にまで来ているの、とは聞けなかった。
京太郎「いやさ、インターホン押して学校から配られたプリントとかモモの親に渡そうと思ったんだけどさ」
ポリポリと頬を始めとする掻く。
桃子「京太郎くん」
京太郎「ん?」
桃子「……そういえば、なんでここにいるんすか?」
京太郎「そりゃお前が風邪引いたからだろ?」
なにいってんだこいつ、みたいな顔で桃子をみる京太郎。
桃子「いやい確かに私が風邪を引いたのは事実っけど…」
なんて部屋にまで来ているの、とは聞けなかった。
京太郎「いやさ、インターホン押して学校から配られたプリントとかモモの親に渡そうと思ったんだけどさ」
ポリポリと頬を掻く。
京太郎「モモの母親が、さ」
東横母『私出掛けるから娘の面倒頼んだよ』
京太郎「っていって車乗ってどこか行っちゃったみたいだからさ…」
桃子「あー……」
桃子は相槌を打ちながら、心の中で母親に親指を立てた。
京太郎「それに病気の時って心細くなるし」
桶にタオルを入れて水を絞って桃子のおでこに乗せる。
京太郎「それにさ、いつも麻雀とか色々世話になってるからちょっとでもモモに恩返しが出来ればいいかなって思ってさ」
そういいながら桃子に布団をかけてやる。
桃子「……///」
京太郎「なんか顔赤いけど大丈夫か?」
心配になって桃子の顔を覗き込む。
桃子「だ、大丈夫っす///」
そう言いながら布団を頭まで被る。
桃子(京太郎くんはズルいっすよ…)
桃子(恩返ししたいのは私の方なんっすよ?)
布団から目だけを出してジト目て京太郎を見る。
京太郎「ん、どうかしたか?」
ニコリと笑いかけてくれた。
桃子「な、なんでもないっす///」
そう言ってまた布団に潜った。
桃子(うぅ…嬉しいやら恥ずかしいやらて京太郎くんの顔がまともに見れないっすよ…///)
京太郎「そういえば、もう夕飯って食べたのか?」
桃子「夕ご飯はまだっす」
布団からひょっこっと顔を出して答える。
京太郎「うーん…コンビニで何か買ってくるか…」
京太郎がそう言って立ち上がろうとした時、桃子の携帯が唐突に鳴った。
母親からの着信だった。
とりあえず電話に出ることにした。
桃子「もしもしっす」
東横母『もしー』
桃子「…なんすか?」
東横母『機嫌悪いわね…せっかく二人っきりにさせてあげたのに…』
それには感謝してるけど、テンションがウザかった。
東横母『ま、そんなことはいいんだけど』
桃子「早く要件を言うっすよ。京太郎くんがどうしたらいいかわかんなくなってるっすから」
東横母『ふむふむ…つまりコンビニに行こうとしているわけね』
桃子「………」
とりあえず当たってるって言うのはイヤなので無言。
東横母『いいこと教えてあげる。無言は肯定よ』
ダメだった。
東横母『とりあえず京太郎くんにはコンビニに行くのはやめてもらいなさい』
桃子「なんでっすか?」
東横母『京太郎くんは家の鍵を持ってないから。桃子が渡しているなら話は別だけどね』
桃子「まだ渡してるないっすよ!!?///」
東横母『渡す予定はあるのね…』
桃子「あっ……///」
と言いながらコホンと咳をする。
東横母『京太郎がコンビニに行くために家を出た後、家にいるのは貴方だけよね?』
桃子「そうっすよ?」
東横母『つまり強盗とか不法侵入とかされたい放題ってことよね?』
桃子「されたい放題ってことはないとは思うっすけど…」
東横母『というわけで、京太郎くんには我が家のキッチンにて桃子の夕ご飯を作って貰って下さい』
桃子「いやいやどういうわけっ…あ……切られた…」
母親は言いたいことだけ言って電話を切ったようだ。
京太郎「なんかあったのか?」
桃子「いやー…別に…ないっすよ?」
誤魔化すようにそっぽを向く。
京太郎「モモ」
京太郎「何か言われたんだろ?」
しゃがみこんて桃子の顔を真っ直ぐ見つめる。
京太郎「なんでも言ってくれ」
桃子「なんでもっすか…?///」
京太郎「ああ、なんでもだ」
桃子「わかったっす…///」
深呼吸をして京太郎を見つめ返す。
桃子「私のご飯を作ってくださいっす///」
顔を真っ赤にしながらそう言い放った。
更新できないかもしれない(出来ないryって感じっす
スマホ更新はしにくいっす…
あ、まだこの話は続きます
とりあえずこれで区切りっす
スマホだと末尾Oになるみたいっすね!
今気づいたっす
京太郎「~~♪」
モモの夕食を作るため、モモの家の台所に立った。
米をザルで軽く洗い、その米を小さな土鍋に移す。
土鍋をコンロに置いて火をつける。
京太郎「ったく…言い方ってあるだろ、普通」
先ほどのモモの発言を思い出す。
京太郎「俺じゃなきゃ勘違いしてたっつーの」
土鍋の中をニ、三回ほど混ぜる。
お米がいい感じにほぐれてきたので溶き卵を加える。
京太郎「あいつって薄味の方が好きなのか……?」
少しだけレンゲに掬って食べてみる。
ちょっと薄いけど中々の出来だった。
京太郎「さてと」
土鍋をお盆に乗っけてモモの部屋に向かって歩き出した。
桃子「……あーうー///」
唸っていた。
さっき京太郎へ言ってしまった台詞を思い出しては唸って恥ずかしくなってジタバタしてを繰り返していた。
桃子「別に本当にそうなってもいいんっすけど…///」
桃子「でもやっぱり料理は私が作りたいといいますか…///」
桃子「京太郎くんには美味しいって言ってもらえるご飯作ってあげたいっす…///」
身体をくねらせる。
布団が動きまくって芋虫みたいになっていた。
桃子「ま、そのためにはもっと料理を勉強しないといけないんっすけど…」
ふと我に返る。
この前、あんなお弁当を作ってしまってから母親に料理の手伝いなどさせてもらって勉強はしている。
桃子(今ならちゃんと玉子焼きくらいは作れるっす。ちょっと焦げちゃうっすけど)
桃子「もう京太郎くんがあんなことにならないようになったっすよ!」
桃子(でも…保健室でのあれがもう一回出来るなら…いいかもっす」
京太郎「何がいいかも、なんだ?」
桃子「ふぎゃーー!!//////」
布団の中から飛び出す。
まさかいるとは思わなかったし、声に出ているとは夢にも思わなかった。
壁に背中をつけながら京太郎を見る。
京太郎「ほら、お粥作ったぞ」
そう言って布団の前に座る。
布団をポンポンと叩いてこっちこいと合図されておずおずと布団に戻る。
京太郎「食べれるか?」
桃子「あんまりお腹すいてないっす」クゥゥ
京太郎「食べるか」
桃子「……はいっす///」
どうやら身体は正直でお粥のいい匂いの前には勝てなかった。
京太郎はレンゲでお粥を掬って熱くないようにニ、三度息を吹きかける。
京太郎「ほらよ」
桃子の口の前にレンゲを移動させる。
桃子「…………///」
これはきっとそういうことなのだろうか。
まさか京太郎のほうからそういうことをしてくれるとは思わなかった。
嬉しさと恥ずかしさで頭がいっぱいになりそうだった。
京太郎「なにしてんだよ、早く口開けろって」
レンゲをズイッと近づけて催促する。
桃子「うぅ///」
京太郎を見る。
真剣な目でこちらを見ていた。
どうやら避けられる雰囲気じゃない。
避けるつもいはないのだけど。
心の準備が出来ていないのだ。
桃子「……これって///」
京太郎「あーんだよ、あーん」
桃子「やっぱり…っすか///」
京太郎「早くしないと冷めちまうぞ」
京太郎に言われて覚悟を決める。
せっかく作ってくれたものを冷ましてしまうわけにはいかない。
作ってくれた人にも失礼だし。
だからこれは仕方ない行為だ。
と心の中で言い訳して、ゆっくり口を開けていく。
桃子「あ…あーん//////」
京太郎は桃子の口が開いたのを確認すると口の中にお粥を流し込む。
桃子「…///」
もぐもぐとゆっくりと租借しながら味わう。
京太郎からの初めての手料理。
あーんされた恥ずかしさと嬉しさと緊張とか色々混ざって味なんて分からなかった。
幸せすぎて明日には死んでしまうんじゃないかと思った。
京太郎「ん、どうだ?」
桃子「……美味しいっす///」
京太郎「ならよかったぜ」
そう言って次のお粥を掬って同じように息を吹きかける。
京太郎「ほら、まだまだあるからもっと食べろよ?」
どうやらステルス少女の幸せな時間―ハッピータイム―はまだまだ続く。
今日はここで区切りっすー
タイトルなんて浮かばないよ…orz
そろそろ鶴賀に爆弾を打ち込みたいっすねぇ
睦月しか名前呼びじゃないですし
もっと打ち解けさせたいのにきっかけが難しいのですのだ
かじゅのイベは決まってる
かおりんもある程度決まってる
ワハハだけは決まらない…orz
というわけで来週から更新出来るか微妙っす
ご了承のほどよろしくお願いしますっす
ごめんなさいっす
次の展開のためにどうしても必要なので安価だけさせてくださいっす
部活のない久々の休日。
部長が麻雀ばっかりやってたら息が詰まるという理由で休みになった、というのは建前。
本当の理由は部活をすると加治木先輩に勉強を強要してくるから、だろうだ。
そんなことはともかくせっかくの休みに家でゴロゴロとしているのもネト麻しているのも味気ないので最近出来たというイ○ンに遊びに来た。
京太郎「でっけぇなぁ…」
高い。天井が高すぎる。
首が痛くなるくらい高い。
京太郎「あ、すいません」
入口で呆然と立ち尽くしていたので邪魔になってしまっていたようだ。
そそくさと端っこまで歩いてく。
とにかく広すぎて何処に何があるのか全く分からないのだ。
コンマ下二桁判定
奇数 「あれは…加治木先輩?」
偶数 「あの金髪は…妹尾先輩か?」
ゾロ目 「あぅ…迷子になっちゃったよぉ…」
おまかせあれ
ぎゃー色々ミスったっすごめんなさいっす
どこに行けばいいのかもわからないのでとりあえず案内板を探すことにした。
京太郎「案内板…っと」
入口の近くにあったのですぐに見つけられた。
京太郎(はぁ…色々ありすぎて分からんなこりゃ)
案内板を見るのをやめて周りを見渡す。
京太郎(とりあえず片っ端から歩いていくか)
人ごみに紛れながら奥へ奥へと歩いていった。
ミスはなかったいいね?(震え声
不手際で申し訳ないっす
安価入れるタイミングをしくじった感じっすorz
>>341の後に>>345で>>342の予定だったのに
最低だ…僕って……
>>343の安価は採用っす
こちらの不手際がおこしたミスなので本当に申し訳ないっす
とりあえずこれで内容が決まったので区切りっす
>>343さん参加してくださったのに申し訳ないっす
あちがとうございますっす
気にならないなら出来るだけ言わないようにするっす
ミスしないのが一番ですけどね
京太郎「………」
もう歩きたくない。
どんだけ広いんだよここのイ○ン…。
ベンチに座り自動販売機で買った飲料をちょっとだけ飲む。
京太郎「………」
一息ついて周りを見渡すとそこには手を繋いで一緒に歩いている男女や腕を組んでいる男女がひしめき合っていた。
京太郎(こんなの絶対おかしい…)
疎外感が半端なかった。
このままベンチに座っててもカップルの様子を見ることしか出来ないので立ち上がる。
この場にいるのが嫌になり歩き出そうと一歩踏み出すと、視界の隅に見覚えのある金髪が目に入った。
京太郎「……あの金髪って、妹尾先輩か?」
気になってそちら向かってへ歩いていく。
徐々に近づくにつれてその姿が見えてくる。
金髪でいて眼鏡をかけていて、それでいて胸のあの膨らみは妹尾先輩しかいない。
そう確信して声をかけようとしたとき、
「ねーねーそこの金髪のお姉ちゃん」
とどこの誰かも分からない相手が妹尾先輩に話し掛けていた。
出そうとした声を殺して少し遠くでその様子を窺う。
見たところ話しかけた相手はちょっと年上の男性。
京太郎(……いけ好かねぇ)
第一印象がそれだった。
遊んでいそうなチャラい男。
不良といわれてもおかしくない風貌が更に嫌悪感を増幅させる。
確かに自分も金髪で周りの人からよく不良扱いされるのだが、心は青少年のままのはずだし…。
よく見ると男が何かを誘っているように見える。
それを妹尾先輩が何度も首を横に振って断っていた。
だが、男のほうがしくこく何度も誘っている。
京太郎(しつこい男は嫌われるってーの……)
そんなことを思っていると突然、男の顔色が強張った。
妹尾先輩が何度も断ったのが気に食わなかったのか男は妹尾先輩の腕を掴んだ。
その光景を見た瞬間、考えるよりも早く体が動いていた。
佳織「あの…そういうのは困りますので…」
一人で買い物をしたくてこういう場所に来たのだが、それがいけなかったのか。
気付いたら年上の男性に話かけられていた。
何度も一緒に買い物しようとかちょっとそこで休まないかとか言われた。
行く気はなかったので断っていた。
それが気に入らなかったのか、男性がいきなり腕を掴んできたのだ。
必死に抵抗しても女性の力では男性の力には遠く及ばない。
周りの人も見るだけで誰も助けてくれず。
もうダメだと思った。
酷いことをされてしまうんだと思った。
誰も助けてはくれないのだと。
それでも助けを求めずには言われなかった。
こういう時、颯爽と現れて私を救ってくれる王子様がきっといるのではないかと。
佳織(誰か助けて…)
心の中でそう願ったその時、
「姉貴ー!!!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
いつも部活で聞く男子部員の声を。
声のしたほうへ向くと金髪の彼がこちらに向かって走っていた。
京太郎「はぁ…はぁ……やっと見つけた……」
息を切らしながら傍に寄ってきてくれた。
呼吸を整えつつ私を男性を見る。
京太郎「えと…この人、知り合い?」
私は須賀くんの問いかけに対して横に首を振った。
私を見る須賀くんはとてもいつも部活で見ている雰囲気とは違った。
その…なんていえばいいのか…。
そう、いつもよりカッコよく見えたのだ。
「チッ」
男性が掴んでいた手を離す。
京太郎「…アンタ誰だよ」
そう言いながら男性を強く睨む。
わわっ、いつの間にか私は須賀くんに肩を抱かれて引き寄せられていた。
京太郎「俺の姉に手ぇ出すなら許さないぜ」
「シスコンかよ気持ち悪ぃ」
そんな三流の捨て台詞を吐きながら男性は人ごみに逃げていった。
その姿が見えなくなると須賀くんは私の肩に回していた手を退けた。
もうちょっとだけやってくれてもよかったのになぁ…なんて思ったり。
京太郎「ほんとっすみませんっ!」
須賀くんは頭を下げて謝ってきた。
なんのことか分からずにポカンとしてしまった。
京太郎「妹尾先輩の肩を抱いてしまったり、勝手に姉扱いしてしまったり」
京太郎「ほんとーにすみませんっ!!」
さっきよりも深々と頭を下げていた。
佳織「須賀くん?」
京太郎「はい?」
佳織「須賀くんは私のことを助けようと思ってやったんだよね?」
京太郎「まぁ…そうですけど…」
佳織「だったら謝ることなんてないよ」
佳織「私のほうこそごめんね?」
佳織「こんなことに巻き込んじゃったりして」
京太郎「いえいえ、そんな全然大丈夫っすよ」
って言いながらニッコリと笑う須賀くんの姿を見て私も笑顔になる。
京太郎「でも、やっぱりさっきのはちょっとやりすぎたっすね」
と苦笑いする。
どうやら何かしてもらわないと彼の気が治まらないらしい。
佳織「んーそれじゃあ……」
せっかくこうやって逢ったのだからもう少しだけ一緒に居たい。
だからちょっとだけワガママになってもいいよね?
佳織「―――――」
私の言葉を聞いた京太郎くんは少し驚いていたけど、すぐに笑顔になって二つ返事してくれた。
ビギナーズラックなんかに頼らなくても絶対惚れさせるからね。
待っててね、京太郎くん♪
今日の更新は終わりっす!
タイトル付けるなら
『私と幸運と王子様と』
って感じっす…え? センスない? 知ってr(
これにてかおりん陥落っす
来週からちょっと更新できるか分からない状況っす
パソコンは持っていけるみたいなので持っていって随時書き溜めしていこうと思います
モモイベ書いてくれるのとかすっげーありがたいっす
話の本筋に絡めて進行が出来るっす
京太郎がかおりんのことを姉貴と言った理由は
『男にかおりんの名前が教えることない』
『かおりんの特別な誰かになるため』
の二つをクリアするのが『弟のフリをする』ということだったってことっすよー
質問あれば答えるのでいつでもどうぞっすよー
京太郎「はぁ…」
ため息を吐きながら廊下を歩く。
京太郎「これ…どうっすかなぁ……」
手に持っている物を呆れたように眺める。
京太郎「加治木先輩に渡してくれって…」
渡されたのはラブレターだった。
クラスメイトが自分で渡すのは恥ずかしいからって理由で押し付けてきたのだ。
智美「お、須賀くんじゃないか。どうしたんだこんなところで」
廊下で蒲原部長に出会った。
京太郎「加治木先輩、どこに行ったか知ってます?」
とりあえず聞いてみた。
智美「ユミちんなら、先生に頼みごとされて体育館の倉庫にいると思うぞー?」
あっさり教えてくれた。
もしかすると、この人なんでも知ってるんじゃないのか…。
智美「なんでもは知らないぞ、知ってるのことだけ」
と人差し指を口元で立てて言った。
京太郎「全く似てないのでやめたほうがいいと思いますよ」
とだけ言って体育館へ歩いていった。
ゆみ「よし、これで終わりだな」
先生に頼まれた整理と物品の数の点検が終わった。
思ったより時間がかかってしまったな…。
京太郎「加治木先輩」
後ろから声をかけられた。
振り返ると我が麻雀部唯一の男子部員である須賀京太郎が立っていた。
ゆみ「もしかして私を探していたのか?」
京太郎「じゃなきゃこんなところまで探しに来ないっすよ」
そう言って倉庫の中に入ってくる。
ゆみ「だったら電話してくれても良かったのに」
京太郎「皆がいる前だとこれ渡し難くて…」
そう言って須賀くんが私に何かを差し出した。
それが一体なんなのか一瞬分からなかった。
ゆみ「…手紙か」
自分の呟く声を聞いてそれの正体を理解することができた。
京太郎「これ、先輩に渡したくて探してました」
そっぽを向いて恥ずかしそうに頬をかく。
これは一体どういうことなのだろうか。
この手紙を渡したくて私を探していたと彼は言った。
そして皆がいる前だと渡し難いとも。
つまりこれはそういう、一般的に言えばラブレターの類なのだろうか。
あいにくこういったものを書くような人だとは思わない。
思わないのだが、いざこういうものを本人から貰うとこういうのもありかな、なんて考えてしまう自分もいる。
彼が私のことを好きでラブレターを書いて、私に渡したくて体育館まで探しに来てくれた。
自意識過剰かもしれないが、彼に嫌われているという自覚はない。
好かれている……とは思う。
部活でも学園内でも会えば挨拶してくれるし…。
つまりこのまま交際に発展してそれから手を繋いで歩いたり、カップルがやっているようなことを私と彼でするのか…。
京太郎「あのー…加治木先輩?」
ゆみ「ひゃい!///」
申し訳なさそうに彼が私の名前を呼ぶ。
突然のことで声が裏返ってしまった。
恥ずかしくなって俯いた。
京太郎「えっと…受け取ってもらえませんか?」
ゆみ「その…気持ちは嬉しいんだが……今は大会のことで頭がいっぱいで…今すぐ答えることは出来ないんだ…」
京太郎「……?」
ゆみ「だから…大会が終わった後に…もし須賀くんの気持ちが変わらないのなら…答えを出すよ」
京太郎「えっと…俺の気持ちってなんのことです?」
心底不思議そうにこちらを見る。
ゆみ「……ちょっと待ってくれ」
頭を抱える。
ゆみ(どう考えたって彼が私のことを好きでラブレターを書いたんだよな…? だったら気持ちはあるんじゃないのか…)
京太郎「とりあえずこれ開いて読んでください」
須賀くんが私の手を取って手紙を渡す。
戸惑いながらその手紙を開いてみる。
丸っこい文字で『ゆみ先輩のことが大好きです。良かったら私と友達になってください』と書かれていた。
端っこの方にメールアドレスが記入されていた。
手紙と須賀くんを交互に見る。
京太郎「クラスメイトに加治木先輩にこれを渡してくださいって言われて」
京太郎「部室で渡すと皆に勘違いされそうで嫌だったんで…って加治木先輩?」
ゆみ「ふふ……そうか……そういうことか」
京太郎「あー……えっと…なんか…怒ってます?」
ゆみ「いいや、怒ってないさ」
乙女心を弄ばれたんだ。
ちょっとくらい意地悪してもいいよな。
ゆみ「須賀くんにやってもらおうと思ってたことがあるんだ」ニッコリ
須賀くんから貰えたラブレターだと思って勘違いしていた私が馬鹿みたいじゃないか。
京太郎「ちょっ、待ってくださいって」
ゆみ「さぁ早く部室に行こうか」
須賀くんの首根っこを掴む。
今日は須賀くんにどんな課題をやらせてやろうか。
そんなことを考えながら部室に向かって歩いて行った。
今日は区切り
かじゅのイベントがかおりんに食われた感が否めないっすねぇ
まぁその泳げない設定を使う時までの辛抱っす
来れないと思いましたがなんとかくることが出来たっす
出来るだけ来るようにしますっす
最後に嘘予告していくっすよー
桃子「京太郎くん」
京太郎「ん?」
桃子「あの手紙、ゆみ先輩に渡したんっすか?」
京太郎「あー…うん、まぁ…」
桃子「京太郎くんも手紙とか貰ったら嬉しいっすか?」
京太郎「貰ったことないからなぁ…貰ってみないと分からないし」
桃子「ふーん……そうっすか」
京太郎「ん? なんかあったのか?」
桃子「なんでもないっすよ」
京太郎「……変なモモ」
桃子(京太郎くんの靴箱に入ってる手紙は全部私が回収しているから貰えるわけないっすけどね!)
時間がありすぎて書き溜めたらいいところまでいけたので投下するっすよ!
部室にて牌譜整理や雑用をしていたある日。
蒲原部長と加治木先輩が近づいてきて、
智美「雀荘に行ってみないか?」
ゆみ「そろそろ次のステップに進むために須賀くんには色んな人と打ってもらおうと思ってね」
と言った。
自分も色んな人と打ちたいと思っていたのそれを二つ返事で承諾した。
そんなわけで長野にある雀荘の前にいた。
京太郎「ろーふ・とっぷ?」
桃子「ルーフ・トップっす」
1人では不安なのでモモにもついてきてもらった。
他の人から見たら1人にしか見えないのだろうが、俺にとってはとても心強い味方なのだ。
店の前で立ち往生していても仕方ないので意を決して扉を開ける。
「いらっしゃいませー」
と黄色い声が聞こえた。
天国か、ここは。
そう思った。
なぜなら女性店員が全員メイド服を着ていた。
そう、メイド服を着ていたのだ。
これに歓喜しない男がいるのだろうか。
いや、いないね。
「一名様ですか?」
店員さんに声をかけられて我に返る。
京太郎「あ、いえ」
桃子「二名っす!!」
後ろからモモが大きな声を出す。
店員さんが驚いたような顔をしたがすぐ営業スマイルに戻り先導してくる。
桃子「むぅ……私だってああいうの着ればメロメロに出来るっす…」
モモが後ろでぶつぶつ呟いていた。
声が小さくて聞こえなかった。
店員さんに案内され、卓の前に座る。
京太郎「ふぅ…」
桃子「なんだか落ちつかないっすね…」
俺もモモもこういうところは初めてなのでソワソワしていた。
緊張しすぎて店員さんが持ってきてくれた水を一気に飲み干してしまった。
そんなこんなしていると関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉からこちらの卓に向かって2人のメイドさんが歩いてきた。
1人はピンク髪のとてもおっぱいが大きいメイドさん。
そしてもう1人はおっぱいが小さいメイドさん。
とても対称的な二人だった。
おっぱいの大きいメイドさんはとても凛々しく歩いているのに対し、小さいメイドさんはとても恥ずかしそうに俯きながらこちらに歩いていた。
「今日はようこそいらっしゃいました」
卓の前まで来たピンクメイドさんが頭を下げる。
京太郎(おおっ、おっぱいが揺れて…っていてぇ!)
ピンクメイドさんのおっぱいに見とれていると爪先をグリグリと踏まれていた。
踏んだと思われる相手を睨むとモモはツーンとした態度でそっぽを向いてしまった。
「今日はよろしくおねがいします」
「……おねがいします」
メイドさんが揃って頭を下げて、すぐに顔を上げた。
京太郎「咲……?」
咲「京ちゃん…?」
中学時代に一緒にいた宮永咲と再会した瞬間だった。
というわけで一旦区切りっす
次の更新は夜か明日になるっす
やったね咲ちゃん出番が増えるよ
そしてまたまた嘘予告
京太郎「これだっ!」
咲「ふふ、京ちゃん、それカンだよ」ゴッ
京太郎「なんだと…」
咲「もう一度カンッ」
咲「さらに、カンッ」
咲「ツモ!」
京太郎「あばばば」
咲「麻雀って楽しいよね、京ちゃん?」ニコッ
咲「いーやーだー」
ジタバタ暴れる咲を何とか抑え付けて席に座らせる。
若干涙目になっている。
お互いに自己紹介を終えて席に着いた。
和「貴方があの京ちゃんでしたか」
京太郎「ん? 俺のこと知ってるのか?」
和「部室にベッドがあるんですけどそこで咲さんが寝てしまって、その時に何度か寝言でふぁっ」
原村が言い終わる前に咲が原村の口を手で押さえた。
咲「な、なんでもないからねっ!」
京太郎「お、おう。それはいいんだけど…そろそろ手放してやれって」
咲「あ、そうだね」
そう言って和の口に当てていた手を放す。
咲「ごめんね、和ちゃん」
和「いえいえ、大丈夫です」
ちょっとだけほっこり顔の原村。
京太郎「というか咲って麻雀出来たんだな」
咲「えっと…まぁ……」
咲「私の話はどうでもいいからっ」
咲「京ちゃんの話を聞かせてよ」
桃子(あだ名で呼んでるのっていいっすね…)
京太郎「俺は咲の高校の話を聞きたいんだけどな」
和「それでしたら私が」
京太郎「やっぱり迷子になってるのか?」
咲「そ、そんなわけ」
和「何度もなってますよ。移動教室を間違えたり」
咲「 」
いきなりバラされて絶句する咲。
京太郎「あーやっぱりかー…お前の方向音痴は筋金入りだな」
桃子「京太郎くんも何度も迷ったっすよね?」
京太郎「 」
そんな他愛もない話を四人でした。
京太郎の高校生活をモモが、咲の高校生活を和が。
そして、咲と京太郎の中学の出来事を京太郎と咲が。
こんなことがあった、あんなことがあった、と皆で思い出話に華を咲かせていた。
桃子「京太郎くん」
ふいにモモが突いてきた。
京太郎「ん?」
桃子「そろそろ先輩が迎えに来る時間っすけど…」
京太郎「マジ!?」
桃子「大マジっす」
咲「どうかしたの?」
京太郎「すまん、部活の先輩がそろそろ迎えに行くからお暇(いとま)しないと」
咲「そっか…」
寂しそうに頭を垂れる。
なんかお留守番を頼まれた犬みたいだな。
そんなことを思っていたら、いつの間にか咲の頭に手を乗っけていた。
京太郎「また会えるから心配すんなって」
そう言って咲の頭を撫でた。
咲「待ってるからね」
笑顔になった。
京太郎「おし、帰るか」
手を退けて立ち上がる。
桃子「じゃ、またっす」
モモも立ち上がる。
咲・和「本日はありがとうございました」
そう言って二人揃ってお辞儀をするのを見てから店内を出た。
智美「2人ともいい経験になったか?」
京太郎「あっ」
桃子「あっ」
ゆみ「…まさか麻雀してない、なんてことはないよな?」
京太郎「 」
桃子「 」
ゆみ「二人にはたっぷりとお仕置きが必要なようだな…」ニッコリ
京太郎「いやあああああああああああああああ」
桃子「いやっすうううううううううううううう」
智美「やれやれだなー、ワッハッハー」
蒲原部長の笑い声が辺りに響き渡ったのだった。
清澄編
和「そう言えばあの二人は麻雀していきませんでしたね」
咲「あっ」
和「まさか咲さん、自分の仕事も忘れていたんですか?」
咲「え、えへへー」
和「可愛く誤魔化してもダメですよ?」
和「このことは先輩に報告しておきますね」
咲「 」
後日、メイド服で部活に参加する咲の姿があったとかなかったとか……・
今日はここで区切りっすよー
次はかじゅイベントなのでお楽しみにっすー
咲ちゃん可愛い
動かしやすいし
というわけで嘘予告
ゆみ「なにっ!?京太郎くんが誘拐されただと!?」
ゆみ「返して欲しくば、京太郎くんの脱ぎたての下着を用意しろ?」
ゆみ「そんなの私の方が欲しいに決まってる!!」
ゆみ「許せないな、絶対捕まえてやるさ!」
智美「ユミちんにこの武器を授けようー」
ゆみ「こ、これは…っ!」
智美「そう、これは伝説の槍槓槍だ」
ゆみ「これさえあれば誘拐犯も捕まえられるっ!」
ゆみ「ではこれはありがたく貰っていくぞ」
頑張れユミちん、負けるなユミちん。
桃子「京太郎くん」
廊下を歩きながらモモが話しかける。
京太郎「ん?」
顔を向けずに答える。
桃子「来週の体育、プールみたいっすね」
京太郎「…はい?」
桃子「だからプール開きっすよ」
京太郎「really?」
桃子「その無駄にいい発音、ムカつくっす」
モモは呆れたようにため息を吐く。
桃子「今日のSHRで先生が言ってたじゃないっすか……ってもしかして寝てたっすね?」
京太郎「当たり前田のクラッk「ていっ」ぐふっ」
京太郎「な、なにするんだよ……」
桃子「手加減してあげたんだから感謝して欲しいぐらいっす」
スタスタと先を歩いていくモモ。
その後ろから遅れないように後を追う。
だがしかし、よく考えてみよう。
来週からプール開きってことはモモの水着姿が拝見できるのだ。
学校でするものだから着るのはもちろん、スクール水着だ。
モモがそのスクール水着を着たらどうなるかわかるか?
俺は分かる。
窮屈そうに主張するスク水と胸を拝見出来るのだ。
そう考えたらなんだかテンション上がってきた。
桃子「言い忘れてたっすけど、男女別っすからね」
モモは振り返ってそれだけ言ってまた前を向いて歩いていった。
京太郎「そんなことって……ありかよ………」
ガックリと膝と手を突く。
この世界に救いなんてない、そう思った瞬間だった。
一旦区切りっす
モモの水着姿ってすっごくそそりますよね…
あーもーモモ可愛いよモモ
という訳で恒例にしたいと思ってる嘘予告
智美「実はユミちんは神鳴流の伝承者なんだ」
ゆみ「なんだそれは?」
智美「神鳴流とは、数百年に渡りうんらたかんたらかんたーびれである」
ゆみ「全く説明してないじゃないか……」
智美「というわけでそこにある岩を切ってもらうぞ」
ゆみ「いや、そんなことより京太郎くんを助けに行かなくては…」
智美「相手がものすごく強い相手だったらどうするんだ?」
智美「そんなのへし折られてしまうかもしれないだろー?」
ゆみ「た、確かに…」
智美「だから、ユミちんには神鳴流の技を覚えてもらいたいんだ」
ゆみ「あ、ああ。わかった、やってみよう」
智美「…チョロ過ぎるぞユミちん」ボソボソ
ゆみ「なんか言ったか?」
智美「なんでもないぞー」ワハハ
ゆみ「では私はそのなんとか流ってのを習得するために何をすればいい?」
智美「斬岩剣って言いながら岩を切ればいいぞ」
ゆみ「お前の言うことだ。きっと何かあるんだろうな」
智美「もちろんだぞー」
智美(何もないとは言えないなー)
ゆみ「では行くぞ………やぁぁぁぁぁっ!!!」
ゆみ「斬岩剣ッッ!!!」
岩<マップタツッス
智美「嘘……だろ……」
......To be continued
時間が出来たのでちょこっと投下するっすよー
このSSを見てる人はみんなステルス持ちなのかと最近思い始めてきた今日この頃っす
意気消沈しながら部室に入る。
ゆみ「………」
この中にも意気消沈している人がいた。
京太郎「どうしたんです?」
蒲原部長の耳元で小さく聞いてみる。
智美「実はユミちんは泳げないんだ」
と耳打ちしてくれた。
なるほど、そういうことか。
加治木先輩にも苦手なものがあったのか。
てっきりなんでも出来るような人だと思っていたけど、なんだか親近感が沸いた。
桃子「どうしたんっすか、先輩」
モモが加治木先輩に話しかける。
ゆみ「あ、ああ。モモか」
桃子「なんだか酷く落ちこんでいたような気がするっすけど…」
ゆみ「ふっ…後輩に心配されるようではまだまだだな」
加治木先輩は一息吐いて立ちあがる。
ゆみ「気にすることはない」
といつものように言い放った。
智美「実はユミちんはカナヅチで今度あるプール開きが来るのが憂鬱で仕方なかったみたいだぞー」
当然、落ち込んでいた理由をバラされた加治木先輩はフリーズし、モモは蒲原部長の方を見てニヤリと笑った。
あ、これは何か思いついたときの顔だ。
桃子「先輩っ」
さっきよりも明るい声でモモが話す。
ゆみ「な、なんだ?」
さっきよりも沈んだ声で答える加治木先輩。
桃子「先輩の苦手なもの、皆で特訓して直せばいいんっすよ!」
モモのこの発言を部長は笑いながら賛同し、後日麻雀部で温水プールに行くことになった。
ここで一旦区切るっすよー
ちょっとやること出来たっす
水着回なんだけれども水着はスク水と私物ならどちらの方がいいっすか?
ちなみに自分はパレオが好きっすね
なんか隠れてるのってそそりませんか?
スカートの中にあるからパンツが見たいんであって
パンツだけを見たいわけじゃないですもんね
パンツが見たかったらしまむら行けばいくらでも見れますし
つまり、隠れてるからこそ見たい、見てみたいっていう欲求が生まれるんですよ
というわけで着せたい水着募集中っす
水着を買いたいのに一人ではいけないので京太郎について来てもらうモモとかどう?
>>416
それだっ!
ちょっと買い物イベント書き溜めするんで今日は終わりにするっす
ステルスしないで雑談してもいいんすよ?(震え声
ここ雑談するとこじゃないし…
>>418
アコチャースレとか…(震え声
スレは落ちないけどモチベが落ちる?
いやいやそんなことはないっす
でも皆が話してるの見てると嬉しかったり
基本的にはモモの画像見てテンション上がるしモモの同人誌みてテンション上げてます
あ、ステルスおっぱいは家宝っす
あれを定期的に見ないとモモ分が足りなくなるっす
一人書き込んでたら20匹はROMってるような板だからなー
自分が書き込むなんて1カ月に2~3回程度だしステルスモード発動っす
確かにこのSSってネタがないっすね
ネタ要素は全く入れてないというか入れ方分からないので試行錯誤しながらって感じですね
地の文多くなると説明臭くなるし填補が悪くなるけど、細かい動作を書けるので想像し易いかなーって思ったり
方針が定まらないのが原因っすね
申し訳ない
もうちょい上手く書けたら見てる人が楽しめるSSになると思うっすけど…
これからもがんばるっす
頑張って楽しんでもらえるようなSSにしたいと思うっす
こうしたほうがああしたほうがいいみたいな意見とかあったらドンドン言ってって下さいっす
>>421
私は君が欲しいっ!
なーにやってんの俺ェ…orz
本当に昨日の俺なにやってんのさ……orz
ちょっとだけ更新しますっすー
今日は何もないはずの休日。
ないはずなのだが…。
桃子「一緒に出かけるっすよっ!」
カピ「きゅー♪」
いつの間にかモモが家の中に居たのだ。
二度寝の誘惑に逆わずに二度寝を遂行して惰眠を貪ったのだ。
二度目の目覚めで眠気が消えうせてしまったので仕方なく階段を降りてリビングに向かうと、モモとペットのカピーがじゃれあっている姿を発見してしまったのだ。
話を聞けば買いたい物があるということらしい。
どうやらモモの中では行くことが前提になっているようでどこかに家を出て行く様子もない。
桃子「早くするっすよ!」
京太郎「はいはい」
というわけでまたまたやってきましたイオ○。
色々揃ってお買い得だもんねショウガナイヨネ。
京太郎「なぁ…何買うんだ?」
桃子「着いてからのお楽しみっすよ」
さっきからモモにはぐらかされてばかりだ。
ちなみにカピーも行く気満々だったが、連れて行くわけには行かなかったのでお留守番させた。
京太郎「別に何でもいいんだけどさ…」
周りを見渡せば、あちらこちらにカップルのバーゲンセール。
休みなのに学校の制服を着てイオ○にいるとかどういう神経してるんだお前ら…。
というか、鶴賀の制服のカップルもいるんだが。
桃子「どうかしたっすか?」
京太郎「いんや、なんでもない」
桃子「でもカップルをよく見てたっすよね?」
京太郎「うっ」
桃子「ったく、京太郎くんは仕方ないっすねぇ…」
モモが近づいてきたと思ったら俺の腕と腕を絡ませる。
京太郎「お、おいっ…//」
桃子「どうせ私の姿は見えないっす」
京太郎「いや…そうだけど…///」
正直恥ずかしい。
モモの姿は他の人から見えないのだろうけど、俺からはばっちり見えてしまう。
こんな可愛い子がこんなことしてくれば、健全な男子高校生はそりゃ色々意識してしまう訳で…。
桃子「さくっと買い物するっすよ」
気にする様子もなく腕を絡ませたまま、どんどんと奥に進んでいく。
京太郎「……やれやれ」
引っ張られるまま、後を着いて行く。
引っ張られること数分。
目的地に到着した。
京太郎「だからってここは…」
桃子「ダメっすか?」ウワメヅカイ
京太郎「うっ…ダメじゃないけどさ…」
非常に居づらい。
なんせ俺は――、
京太郎「だからって……」
桃子「ただの水着売り場じゃないっすか」
という訳で区切りっすー
昨日は申し訳ないっす
酔った勢いとはいえ変なことを書き込んでしまって、申し訳ないっす
反省っす
では嘘予告っす
京太郎「お、おい…ここ、更衣室だろ…///」
桃子「えへへ、私ずっとこうなったら、こうできたらいいなって思ってたっす///」
桃子「だから、場所なんて関係ないっす///」
京太郎「だからって…ひぅっ///」
桃子「京太郎くんって耳、弱いんっすね…///」
桃子「可愛いっすよ///」スリスリ
京太郎「うっ///」
桃子「あれぇ?なんか太股に当たってるっすよ?///」
京太郎「し、仕方ないだろっ///」
桃子「私で興奮してくれたんっすねぇ///」
桃子「いいっすよ、京太郎くんなら///」ギュ
桃子「私、京太郎くんのこと好きっす///」
桃子「出会ってからずっと京太郎くんのこと好きっす///」
桃子「だから京太郎くんの手でメチャクチャにして…?///」ニコッ
京太郎「」プッチン
次回、(人目から見て)一人で女性水着売り場にいく京ちゃん
おつ
そして咲に遭遇して修羅場…
>>439
咲ちゃんは方向音痴のポンコツだから…(
更新はっじめるよー
安価もあるかも?
桃子「いやーゆみ先輩に克服しに行こうと言ったのはいいんすけど…」
桃子「学校指定の水着しか持ってないことに気付いて、これはいけないと思って買いに来たっす」
京太郎「…中学の時のとかないのか?」
桃子「あー…あるにはあるっすけど…」
言いにくそうに頬を掻く。
桃子「色々成長してしまって入らないっす…えへへ」
京太郎「あ、ああ、なんか悪いこと聞いちまったな…」
きっと成長したのはあの部分なんだろうな…。
桃子「それより、今日はせっかくなんで京太郎くんに私の水着を選んでもらうっす」
京太郎「でも俺センスないぞ?」
桃子「私がお願いしているんだからいいんすよ」
桃子「それに、私は京太郎くんのセンスがないとは思わないっすけどね」
そう言ってモモは水着を選びに行ってしまった。
京太郎「…やれやれ」
周りの視線が痛いのでモモの後を追うことにした。
桃子「うーん…」
京太郎「どうかしたか?」
桃子「なんとか二着まで絞れたんっすけど…」
どうやら二着で迷っているようだ。
京太郎「どれだ?」
桃子「これっす」
ピンクのビキニと黒のビキニのパレオ。
ビキニ以外の選択肢はないのですか。
桃子「……」ワクワク
あ、これ、どっちがいいか言わなきゃいけない雰囲気だ。
さて、どっちがいいか…。
安価っすー
↓1のコンマ判定
奇数 ピンク
偶数 パレオ
ぞろ目の場合は好きなほうをどうぞっす
安価の結果
モモの水着はピンクのビキニになった!
参加ありがとっすよー
桃子「……」ワクワク
俺が選ぶのを今か今かと待っている。
くそっ、俺の趣向がばれるが仕方ない。
京太郎「これがいいと思うぜ」
ピンクのビキニを指差した。
桃子「京太郎くんがそう言うならこれにするっす」
モモは選ばれなかった方の水着を元の場所に戻した。
桃子「ちょっと試着してくるっす」
京太郎「おう」
桃子「覗いたらめっ、っすよ?」
京太郎「のぞかねーよ」
桃子「べーっす」
あっかんべーして試着室のカーテンをしめる。
京太郎(このカーテンの向こうでモモが着替えるんだよな……)
見るなといわれると見たくなる。
いやしかし、モモとの信頼関係もある。
だが男としては見たい。
そんなことを考えているとカーテンの向こうから布が擦れる音が聞こえ始めた。
京太郎(……)ゴクリ
心臓の音がうるさい。
この向こうにモモが・・・。
京太郎(ちょっとだけ…ちょっとだけ…)
ゆっくりとカーテンに手を伸ばす。
あと2㎝...後2㎜...
京太郎(よし、掴んだっ!)
桃子「京太郎くんっ、着替えたっすよっ」
桃子「ってあれ、どうしたんっすか、そんなに熱心に水着を見て」
京太郎「あ、ああ……ちょっと気になってな」
京太郎(あっぶねぇー…)
危うく信頼関係その他もろもろを全て失うところだった。
京太郎「それより、着たみたいだな…」
桃子「どうっすか?」
京太郎「どうって…」
言われて見てモモの姿をじっくりと観察する。
髪の毛の一本一本に手入れが行き届いているのかとても艶のある髪質で、モモが首を動かす度にしなやかにサラサラと動く髪の毛はとても美しく、瞳は大きくパッチリと開いておりずっと見ていると吸い込まれそうだし、唇はグロスリップをしているのかぷるぷるしていて思わず触りたくなるような唇だし、肌はシミ一つなくそれでいて白くてもちもちしていそうで、胸は平均より大きく、女性らしい、むしろ母性の塊のようなそれは男としては一度触れてみたくもあり、それでいて触れてはならないサンクチュアリのような、全部を見て見たい気もするけど、見てしまってはいけないもののようなそんな二律背反を彷彿させる狂気、むしろ胸気、そしてしっかりとくびれたウエスト、腰に手を回してぐっと引き寄せてしまいたい欲望が全身を駆け巡る、しかしそんなことに屈してしまうわけにはいかない、そんなことしてしまえばもう二度とモモに顔を会わせることなんて出来なくなり、それはすなわちこの素晴らしいプロポーションを拝めなくなってしまうことに繋がってしまうのだから、そんなことはさておき、次はお尻だ、お尻、胸、この二大勢力は常どちらが素晴らしいのか日々物議を交わしているが、モモのお尻の前ではそんなことどうでもよくなってしまうのだ、なぜならモモの胸もお尻も素晴らしい、どこが? そんなの見ればわかることじゃないか、モモのお尻は間違いなく安産型タイプだ、大きいお尻は敬遠されがちなのかも知れないが大きいお尻はそれだけで人を魅了出来る、胸が母性を彷彿させるならば、お尻は女の性を彷彿させる、そうお尻もまたサンクチュアリなのだ、そして視線を更に下に落とすとそこには太股がある、太股、その響きだけでご飯三杯はいけるであろうその太股は、無駄な肉がついているなんてことはなく、それでいて細すぎるなんてこともない、この太股に膝枕なんてされた日には天国へ一直線してしまいそうな至福の一時を味わえること間違いない、断言しよう、モモの太股はパーフェクトだ、次に見るべきは膝小僧で――、
桃子「い、いつまで見てるっすか///」
顔だけ出してカーテンに隠れていた。
京太郎「すまん、見蕩れていた」
正直に思ったことを口にしてしまった。
桃子「みと…っ///」
顔を真っ赤にしてカーテンを閉めてしまった。
残念、もっと見たかったのに…。
桃子「も、もうっ!///」
桃子「着替えるから離れてっす/////」
モモに離れろと言われてしまったのでちょっと離れたところでモモが着替え終わるのを待つ。
桃子「お、お待たせしたっす///」
まだ顔が赤くなっていた。
桃子「ちょっと会計行ってくるっす///」
フラフラとレジに向かっていくモモ。
どうせ店員さんに気付かれないで戻ってくるだろうと思っていたら、案の定気付かれることなく戻ってきた。
桃子「一緒にぎでぐだざいっず」グズグズ
涙目だった。
そんなこんなでモモとの買い物を終えたのであった。
はい、買い物編終わりということで区切りです
ちなみに京ちゃんの水着も買いましたが自分で選びました
ブーメランを履かせようとしたモモがいたようですが京ちゃんの粘り勝ちです
嘘予告編
京太郎「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだっ!」
京太郎「白山名君の名において告ぐっ! 蛙よ、破砕せよっ!」
京太郎「サンライトハートッ!」
京太郎「闇の炎に抱かれて消えろッ!」
京太郎「なぁ…これ撮って何の意味があるんだ…?」
咲「なーいしょ♪」
京太郎「なんなんだ一体……」
なんで「構えろよ俺達!」がないんだ(憤慨)
いぬかみ面白かったです(小声)
おつおつ
モモのスタイルは元々と今のどちらだ
昔のほどよく大きいくらいがベストなのだが
乙!
何故か骨仮面の台詞を言わされる京太郎……骨仮面さん厨二全開だからなぁ~
>>456
何度か見直しても面白いてすよねぇ
>>457
ホライゾンは見てないっす…すまぬぅ
>>458
やっぱりこのセリフといったら仮面ストーカーですよね
もしかしたら今日は更新できないかも…っす
>>457
確か宥に負けず劣らずの巨乳の設定だったかな?
ここでのモモは
和>>>>>>モモ>キャップくらいかなって
でも想像に任せるすっすよ
>>先間違えてすまんっす
【速報】>>1、提督就任する
というわけで提督に就任してしまったっす
友人に誘われて抽選に挑戦して
一回目 ネコパンチ
ああやっぱりか
二回目 名前を記入してください
(゚д゚)ポカーン
というわけっす
今日の更新は出来ないっぽい…?
駆逐艦可愛いよ駆逐艦
お、初期艦誰にしたん?
>>462
吹雪にしたっす
今1-3っす
1-2で天龍出たのが嬉しいっすねぇ
>>463
じゃあ川内型ももうそろったに違いない(ゲス顔)
更新するっすよー
>>464
1-4突破不可能すぎっす
こんなん無理ゲーっす(こなみかん
そして当日。
麻雀部でプールに行こうということで集合時間より少し早く到着した。
佳織「あ、京太郎くん」
どうやら一番乗りではないみたいだ。
京太郎「早いっすね」
佳織「皆で集まってこういうことするのって楽しくてつい、ね」
京太郎「俺もこういうの好きなタイプなんで」
とお互い笑いあった。
京太郎「妹尾先輩」
佳織「あのね京太郎くん」
京太郎「はい?」
話題を振ろうとしたら妹尾先輩に遮られた。
佳織「その…妹尾先輩ってのやめてほしいなぁって…」
佳織「なんか他人行儀で嫌だなぁって思って…」
申し訳なさそうな表情をする妹尾先輩。
京太郎「じゃあ、親しげ風にかおりんって呼びますね」
佳織「それは恥ずかしいからダメっ!」
京太郎「えー」
佳織「えーじゃないのっ」
どうやらかおりんって呼ぶのはダメなようだ。
なら、心の中で呼ぶことにしよう。
京太郎「なら、佳織って呼んでもいいですか?」
佳織「!?」
完璧に決まった。
唐突に100万貸してくれよって言われても無理って断られるだろ?
だからその後に1000円貸してくれよって言えば、100万に比べれば無理じゃない上に先ほど断っているという意識があるから貸してもらえるって寸法よ。
無理なお願いからのちょっと無理なお願い作戦。
これで合法的に天使と名前で呼び合えるぜ!
天使はというと。
佳織「……あぅあぅ///」
顔を真っ赤にしてあぅあぅしていらっしゃった。
佳織「えっと…その……ダメ…っじゃないけど……でも…///」
何か呟いているのだが如何せん小さな声過ぎて何も聞こえない。
京太郎「冗談っすからっ! 佳織さん」
と肩を掴んだ。
佳織「はえ?」
肝心の佳織さんは目をグルグル回していた。
京太郎「あちゃー」
佳織さんを近くのベンチに座らせる。
ふむ、上からだと佳織さんの胸の谷間がよく見え――、
桃子「えいっす」
モモの声と同時に目に激痛が走る。
京太郎「ぎゃあああああああああああああああああああ」
痛さのあまり、地べたをゴロゴロと這う。
桃子「今、かおりん先輩のこと厭らしい目で見ようとしてたっすね!」
京太郎「だからって目潰ししていいってことじゃねーだろっ!!」
桃子「京太郎くんはスケベっすから」
胸を張るモモ。
くそぅ……こいつ、実はかなり暴力派じゃねぇのか…。
桃子「今変なこと考えったっすよね?」
京太郎「いえいえ滅相もございません」
桃子「ならいいっす」
そう言って佳織さんの横に腰掛けた。
京太郎「モモ」
桃子「なんっすか?」
京太郎「その服似合ってるぞ」
桃子「当然っすよ」
京太郎「そうかい」
そう言って会話を終える。
モモの頬がすこしだけ緩まっていたのを見逃さなかった。
智美「お待たせー」
時間ぎりぎりになって部長がやってきた。
京太郎「あれ? 加治木先輩は?」
智美「ああ、あそこにいるぞ」
部長が見た先を見るとそこには小さく丸まった加治木先輩の姿があった。
智美「嫌だって言ってたから家から無理矢理連れ出してきた」
智美「ワッハッハー」
悪びれる様子もなく豪快に笑う部長。
こんな部長は放っておいて加治木先輩の近くに寄る。
京太郎「加治木先輩?」
声をかけてみた。
ゆみ「水怖いプール怖い」
ガタガタ震えながら呟いていた。
ダメだこりゃ……。
京太郎「ほら、行きますよ」
加治木先輩の腕を掴んで立ち上がらせる。
ゆみ「怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
睦月「失礼」
ストンと加治木先輩の首筋に手刀を決める睦月先輩。
ゆみ「うっ……」
ガックリとうな垂れると同時に意識を失って静かになる。
智美「ワハハ、さすがむっきーだなー」
京太郎「あの…加治木先輩は…?」
智美「頑張れ、男の子」
それだ言うと部長と他の部員はプールに向けて歩き出した。
京太郎「……うっす」
加治木先輩をおんぶして皆の後を追う。
背中の感触だけが唯一の癒しだった。
今日はこれにて区切りっすー
書き溜めが切れたっす
プールの話が予想以上に長引きそう…
うーん、かじゅイベントだからなぁって感じっすねぇ
というわけで嘘予告
プールで泳いでいるとき、自分の水着が何者かによって流されてしまった京太郎。
彼を救ったのは一人のおっさんだった。
「この水着を履けば女の子からモテモテになれる」
そういわれ、水着もなかったのでおっさんから受け取り装着する。
するとすぐさま、京太郎の下に女性が集まってきた。
京太郎「はっはっはー!」
京太郎「モテまくるのって気持ちいいなぁ!」
京太郎の周りを囲む女性たち。
それを遠くから眺めることしか出来ない鶴賀麻雀部。
だが、1人の少女が勇気を出して彼に向かって歩き出す。
この物語がどうなってしまうのか、誰にも分からない。
どうなってしまうのか――。
To be continued?
飽きた訳じゃないっすよ…?
艦これとノワールと仕事に追われながら過ごすと書き留め作ってる暇がががが…
一週間……いや二週間以内に更新しますっす
申し訳ないっす
1ヶ月は落ちないって見たっすけど一応生存報告っす
オリョクルにて羅針盤と戦う日々っす
建造で瑞鶴と阿武隈と加賀さんが手に入ったっす
摩耶様改になったり愛宕改になったり最上改になったり球磨改になったり五十鈴改になったり北上改になったり
というわけで自分のなかで一段落ついたのでSS書く作業に戻るっすよー
お待たせして申し訳ないっす
それでは更新するっすよー
ちょこっとっすけど
2-4にて羅針盤がラスボスだと言うことに気がついたっす
一応今の途中経過っす
改になった一覧
吹雪改 夕立改 響改 雷改 不知火改 木曾改 川内改 阿武隈改 五十鈴改 球磨改 北上改 愛宕改 摩耶改 瑞鶴改 扶桑改 千代田甲 最上改 っすねー
育成中なのは 榛名 加賀 山城 羽黒 高雄 筑摩 衣笠 時雨 くらいっすね
誰を育てればいいのかわからないっすねぇ
可愛い子優先でもいいっすかねぇこういうのって
プールに到着し、さくっと着替えて皆を待つ。
京太郎「皆遅いなぁー」
男ってトランクスを履き変えるだけでいいのだからとても早く準備できてしまうのだ。
「お待たせ」
「待たせたなー」
そういって登場したのは睦月先輩と部長だ。
睦月先輩は紫の水玉が入ったパレオだ
スレンダーで大人っぽくてとても綺麗だった。
そして部長は学園指定のスクール水着だった。
そもそもそんなに胸がないのでとてもお似合いだと思った。
智美「私とむっきーで扱い違わないかー?」
さすが部長鋭い。
京太郎「そんなことないっすよ」
京太郎「部長の水着、とても似合ってます」
嘘は言ってない、嘘は。
智美「ふむ…」
部長が黙ったので俺も黙った。
桃子「お待たせっす」
此方に向けて手を振るモモと恥ずかしそうにこちらを見る佳織さん。
モモに向かって片手を上げる。
それを確認するとモモは笑顔になってこちらに走ってきた。
おいおい、プールサイドは走ったら危険だろーが。
桃子「はいっ」
手を上げたままのモモの意図が分かり言葉を繋げる。
京太郎「タッチ」
手が合わさりパチンと乾いた音がプールに響く。
桃子「いぇーいっす」
モモの流れるような動作。
きっとアイツだったらこっちに来る時に転んでいただろうなぁ。
佳織「私もやっていいかな?」
京太郎「は、はい、もちろん」
おずおずと手を上げる佳織さんの手の数センチ前に手を合わせる。
佳織「タッチっ」
モモの時とは違い、大きな音はしなかったもののそれでもしっかり手と手が触れ合う。
佳織「ありがとね」
そう言って微笑む佳織さん。
やっぱりこの人は天使だと思う。
智美「………」
睦月「………」
先輩の冷たい視線を背中に受ける。
やらなきゃよかった…。
だって仕方ないじゃないか。
桃子「えへへ」
はにかみながら胸を上下させる。
思春期の男子高校生というのは単純なもので、揺れ動くものがあればたとえどんな形でさえ見てしまうのだ。
こればっかりは仕方ない。
ああ、仕方ないことなのだ。
睦月「京太郎くん」
京太郎「はい?」
振り向く。
睦月「……すけべ」
照れながら睦月先輩がそう言い放つ。
ちょっといいかもしれない......。
桃子「来ないっすねぇ」
モモがポツリと呟いた。
確かに、加治木先輩以外が揃ってから数分は経過していた。
京太郎「俺見てきましょうか?」
智美「いや」
京太郎「でも……」
智美「それに見てくるって女子更衣室だぞー?」
智美「流石に我が麻雀部から犯罪者は出したくないからなー」
からかう様に笑いながら言う。
桃子「じゃあ私が見てくるっすよー」
京太郎「ん、ああ、じゃあ頼む」
モモが行くことになった。
桃子「じゃ、行ってくるっす」
そう言って更衣室に歩いていくモモ。
その足が更衣室の前で止まった。
モモの視線は更衣室ではなく、その横のシャワー室に注がれていた。
迷いなくシャワー室に入っていくモモ。
京太郎「アイツ、シャワー室に入っていったっすよ?」
智美「女には女しか分からないことがあるもんさ」
京太郎「はぁ......」
よくはわからないがそう言うことらしい。
そしてモモがシャワー室に入ってからすぐ、その扉が開く。
その扉からモモと加治木先輩が姿を現した。
京太郎(………スクール水着!!?)
スクール水着なのだ、あの先輩が。
オシャレだと思っていたあの先輩が学校指定のスクール水着。
別にスクール水着を馬鹿にしているわけではない。
ただ、あの加治木先輩が、あの蒲原智美、もとい蒲原部長と同じスクール水着を着ているのだ。
異常事態だ。
そう思った。
智美「後で罰ゲームを与えるから」
京太郎「ファッ!?」
残酷で無機質で機械的な声だった。
というわけで本日の更新は終わりっす
リアルが忙しいのでしばらく空くかもしれないっす
でも完結させるまで続けるつもりなのでよろしくおねがいしますっす
嘘予告
ゆみ「き、君は…」
突然、ゆみの前に現れた青年。
彼との出会いがゆみの運命を大きく変えていくことになる。
偶然は必然になり、必然は運命、運命は宿命となる。
ゆみはこの宿命を越える事は出来るのか。
次回、
『加治木、死す』
続きをやっとこさ拵えたので更新しますっす
でも完結まではしてないっす
なんか消化不良っぽい感じで申し訳ないっす
艦これが忙しいから仕方ない(震え声
京太郎「加治木先輩」
ゆみ「な、なんだ」
京太郎「そんなに緊張しなくてもいいですよ」
ゆみ「そうは言っても…こういうのは不慣れでな…」
京太郎「大丈夫です、俺がいますから」
ゆみ「あ、ああ」
ゆみ「君に全て任せるから…」
ゆみ「好きなようにやってくれ…」
京太郎「はいっ」
京太郎「じゃあ、いきますよ」
加治木先輩が持つビート板の先を持って誘導する。
桃子「会話だけ聞いてるとすっげー卑猥に聞こえるのは私の耳がおかしいからっすか?」
智美「きっと他の人も卑猥に聞こえたと思うぞー」
睦月「右に同じく」
佳織「?」
智美「あーかおりんがいたかー」
ちょっと離れたところで先輩方とモモが此方を見ていた。
どうやら部長の罰ゲームというのは加治木先輩のカナヅチを克服させるということだった。
水に顔をつけるのすら怖いタイプのカナヅチではなく、ただ単に泳ぎ方が分からないタイプのカナヅチだったので告白させるのはそれほど時間がかからなそうだった。
その時はそう思っていた。
京太郎「はい、オッケーです」
進むのを止めて声をかける。
ゆみ「ああ、わかった」
ビート板にしがみ付きながら身体を支える加治木先輩。
ちょっといつもの先輩とは違って可愛い。
ゆみ「なんとなくコツが掴めて来たな」
そういいながらビート板を放さない加治木先輩はキュートだと思います。
ゆみ「須賀くんから見てもどうかな?」
まるで目の前に大好物が置いている子供のような瞳。
京太郎「うっ…上達してると思いますよ…」
正直泳げているのか泳げていないのか微妙なラインだった。
しかし、あんなキラキラとした瞳の加治木先輩に対してそんなこと言えず、嘘ではないが少しばかし盛った言い方をしてしまった。
それを聞いて気分を良くしたのか、加治木先輩は笑顔になる。
ゆみ「よし、ではまた再開するか」
機嫌と元気を取り戻した加治木先輩に引っ張られつつ、練習を再開するのだった。
教えていく内にわかったことだが、褒められて伸びるタイプらしい。
その後の練習でコツを掴んでいきビート板なしで泳げるようになった。
ただし、何かを掴んでいる―この場では俺の腕だが―状態なら少しだけ長い距離―と言っても10m程度だが―を泳ぐことが出来るようになった。
ゆみ「ふふ…ふふふ……」
京太郎「どうかしました?」
ゆみ「いや、少し気分が高まってしまってね」
どうやら泳げるようになったのが相当嬉しいみたいだ。
智美「ユミちーん、須賀くーん」
部長の声が聞こえた。
声のするほうに振り向くと部長以外の他の部員もそこにいた。
二人で水の中を歩き皆のいる場所に向かう。
智美「そろそろ休まないかー?」
二人で顔を見合わせる。
ゆみ「私はもう少しだけやっていくよ」
京太郎「じゃあ、俺はちょっとだけ休みます」
そう言ってプールサイドに出る。
京太郎「ちょっとトイレ行ってきますね」
智美「行っトイレ」
京太郎「…………」
智美「……………………」
こんな時、どんな顔をすればいいか分からないんですが…。
智美「笑えばいいと思うぞーワハハー」
部長が一番笑った方がいいと思いますよ。
心の中で呟きながら、涙目の部長を尻目にトイレへ向かって歩き出した。
須賀くんはトイレに行ってしまった。
さっきまでは須賀くんの逞sゴホン、腕に捕まって泳いでいたので安心感はあったのだが支えがなくなるとちょっと寂しい気がした。
ゆみ(さてと…さっき須賀くんに色々教えてもらったことを復習しないとな)
ゆみ(少しでも泳げるようになってやるさ)
支えがないがやるしかない。
意を決して、床を蹴る。
ゆみ(よしっ)
出だしのスピードもよく、ぐんぐんと前に進む。
スピードが落ちないように足を動かす。
支えがない時よりも早く水の中を進む。
ゆみ(なんだ、泳げるようになったじゃないか)
調子に乗って更にスピードを上げて足を動かそうとした時、
ゆみ(っっ!?)
足に激痛が走る。
ゆみ(さっきまでなんともなかったのに…っ)
足と腕を懸命に動かす。
だが、つった足は自分の思うように動いてはくれず体が少しずつ沈んで行く。
ゆみ「がばっ......ごぼっ......」
息をしようにも口を開ければ水が入ってきて息をすることすら出来なくなっていく。
「加治木先輩っ!!」
どこか遠くで私を呼ぶ声が聞こえた。
もがきながら声のする方を見ると、誰かがプールに飛び込む姿が見えた。
それが誰か考えながら私は深い闇の中へ沈んでいった。
とりあえずここまでっす
この先の展開がまだ練れてないんっすよねぇ
という訳で安価しますっす
1 全部書く
2 誰か視点のみ(出来ればキャラ名も同時に書いてもらえると助かるっす)
3 いきなり後日談からのゆみちんの変化その他もろもろ
上から更新が遅い順になりそうな予感っす
雷ちゃんが可愛すぎてレベリングしてたら1人だけ40越えてたっす
3-2と4-2が越えられないっす
そして嘘予告
ゆみ「ここは……?」
「あの世っす」
ゆみ「モモじゃないか」
「いやいや私はモモなんかじゃないっすよ」
ゆみ「いやいやモモじゃないか」
モモ「じゃあモモでいいっす」
ゆみ「してここはあの世といったがどういうことだ?」
モモ「言葉のままっす」
ゆみ「なんとかして戻ることはできないのか?」
モモ「出来るっすけど…どうしてっすか?」
ゆみ「京太郎くんを助けないといけないからだ」
ゆみ「彼も私のことを待っているだろうし」
モモ「むむむ、ならこれを見るっす」
モモが空間を指でなぞるとそこにはテレビの画面のようなものが映し出された。
ゆみ「っ!!?」
彼女が見たものとは一体…。
...to be continued
乙でしたー
どうせなら1で全部見たい
安価結果は1ということでよろしいっすね?
>>518はどうやってやったっすか...すっごく気になるっすね
あ、言い忘れてましたが1の場合は2の視点がかじゅ視点固定になるだけっすよ
ではでは書き溜めしていくっす
遅くなるって言ったな?
あれは嘘だ
更新するっすよ!
気がついたらプールに飛び込んでいた。
いつだってそう。
考えるよりも先に体が勝手に動いてしまうのだ。
苦笑しながら加治木先輩の下へ泳ぐ。
京太郎(よしっ)
先輩を抱えて水面に浮上する。
智美「よくやったぞ須賀くんっ」
俺に向けて親指を立てる蒲原部長。
親指だけ立ててそれに応える。
先輩の身体を揺らさないようにゆっくりと、それでいて急ぎつつプールサイドに向かう。
桃子「京太郎くんっ」
睦月「京太郎くん」
プールの中で二人が俺の到着を待っていた。
京太郎「頼みましたっ」
先輩の身体を二人に渡す。
佳織「じゃあ、引っ張るよ」
智美「せーのっ」
全員で加治木先輩の身体をプールサイドに引き上げた。
心地よい夢を見ている気分だった。
周りに何もないがとても心が落ち着く。
そんな夢心地の中に私はいた。
何も考えること必要もない。
何におびえることもない。
けど、何か忘れているような。
そんな違和感だけが心に残っていた。
そんな時、
「先輩っ!」
と遠くの方で聞こえてきた。
なんだ...。
「加治木先輩!」
うるさい...私は眠いんだ...。
寝かせてくれ...。
「加治木先輩っ!」
少年がいつの間にか自分の目の前にいた。
京太郎「先輩、大丈夫っすか?」
ゆみ「………ここは?」
智美「プール施設の仮眠室だぞ」
私服の蒲原が私の問いに答える。
智美「いやーまさかユミちんがプールで溺れるとは思ってなかったんだけどな」
ゆみ「…そうか、溺れたのか、私は」
曖昧だった記憶が少しずつ思い出されていく。
あの時、誰かがプールから飛び込んでくれて……。
智美「皆心配したんだぞ」
ゆみ「心配かけてすまない」
とは言ったものの蒲原と須賀くんの周りには誰もいなかった。
智美「他の人は皆帰らせたぞー」
私がなぜ、という風に首を傾げると、
智美「ユミちん、今何時だと思う?」
そう言われて慌てて時計を確認する。
時計の針は8時を指していた。
智美「モモもむっきーも佳織もユミちんが目を覚ますまで残りたいって言ってたけど」
京太郎「親が心配するだろうからって部長が送り届けたんですよ」
京太郎「部長は18歳ですし、車も持っているってことで親御さんはあんまり心配してなかったみたいですし」
ゆみ「では、須賀くんは?」
京太郎「俺っすか?」
すると須賀くんは考えるように腕を組んで、
京太郎「俺って男の子じゃないですか」
と答えにもなってないようなことを口にした。
ゆみ「ふふ…確かにな」
そんなことでも面白く感じてしまい、つい笑ってしまった。
京太郎「加治木先輩も目を覚ましたみたいですし、俺は外に出ますね」
立ち上がって部屋を出ようとする。
ゆみ「どうして出る必要があるんだ?」
京太郎「いやだって…ねぇ?」
そう言って須賀くんは蒲原を見る。
面白そうに蒲原は笑って私を見る。
智美「ユミちん」
蒲原が私を指差す。正しく言えば顔ではなく体の方だが。
智美「今の自分の格好よく見てみるといい」
ゆみ「…………あ」
この姿を見たら次にするべき行動が分かってくる。
きっと須賀くんは私に気を使って外に出てくれたんだ。
私は溺れたときの格好―水着姿―のあのままの姿をしていた。
加治木家
ゆみ「疲れた……」
蒲原に車で家まで送ってもらい、お風呂や着替えをすませてベッドに横たわる頃には時計の針は11時を過ぎていた。
特に蒲原の車の中が一番疲れた。
ゆみ(というか、蒲原め…最後にあんなこと言わなくてもいいだろ……)
智美『ユミちん』
車のハンドルにもたれながら前を向いている蒲原の姿を横目で見る。
ゆみ『どうかしたか?』
智美『溺れた時さ、ユミちんは息してなかったんだよね』
ゆみ『あ、ああ……。確かに水を飲んでたからな。息をしていない可能性の方が高いだろう』
智美『あの時、すっごく怖かったんだ』
智美『あのまま大切な友達を1人失ってしまうんじゃないかって』
智美『恐怖で動けなかった』
智美『でもな、1人だけそうじゃなかったんだ』
智美『ユミちんの呼吸が止まってるって分かるとすぐに人工呼吸をした』
智美『ユミちんはそれが誰だか分かる?』
智美『もちろん私でも、佳織でも、むっきーでも、モモでもなかった』
ゆみ『じゃあ、プールの関係者とかか?』
智美『ハズレ』
ゆみ『それだとすると他に………あっ』
ふと頭の中を何かが過ぎる。
智美『きっと今、ユミちんが思った人物で正解だよ』
ゆみ(あぁ……もうそんなこと言われたら意識するだろうが…)
携帯の画面を眺める。
麻雀部員から大丈夫なのかというメールやら電話やらラインやら沢山届いていた。
ゆみ(………)
とりあえず全員に返事をする。ただ1人を除いて。
ゆみ(須賀くん…か)
私を助けてくれた男の子。
私に泳ぎ方を教えてくれた男の子。
私が教室で叫んでしまったのを間近で聞いた男の子。
ゆみ「……京太郎」
ポツリと口から出た名前。
意識すると顔が熱くなる。
ゆみ(わ、私は何を言っているんだ…///)
バタバタとベッドの上で暴れる。
考えれば考えるほど彼のことが頭の中に残ってしまう。
ゆみ(れ、冷静になれ私///)
深呼吸する。
ゆみ(ああ、そう言えばこの唇に彼の唇が触れたんだよな・・・・・・)
ゆみ(って何考えてるんだっ///)
ゆみ(人工呼吸はノーカンに決まってるだろう///)
ゆみ(ったく・・・ん?)
携帯のバイブ音が鳴る。
携帯を確認すると、ディスプレイに映る名前を見て頬が緩んでしまう。
________________________________________
きょーたろー:今日は色々あったっすけど、先輩に泳ぎ教えることが出来てよかったです
もうは溺れないでくださいよ?
________________________________________
緩みっぱなしの頬は放っておく。
慣れた手つきで携帯を操作して返信してやる。
ゆみ(ふふ、京太郎くんのくせに生意気だ)
携帯を枕元に置いて目を閉じる。
今ならきっと、いつもよりよく眠れそうな気がした。
これにてプール編は終わりっすよ
これで蒲原部長を残すのみっすね!
はてさてこれからどうなることやら・・・
あ、ちなみになんですが
舞台というか場所が変わったらどこかにいるのか書いたほうが分かりやすいっすかね?
今回の嘘予告
京太郎「あの・・・これはいったい?」
桃子「えっへんっすよ」
桃子「今日は京太郎くんのために一日メイドになるっすよ!」
京太郎「なんでそうなったんだよっ!?」
桃子「作者の意思じゃないっすか?」
京太郎「思いっきりメタ発言だろそれやめろよっ!!」
桃子「というわけで、まず最初に京太郎くんの性処r「言わせねぇからな!」っすね///」
桃子「ええー、一生懸命この日の為に雑誌とかで勉強したのにぃっすー」
京太郎「べんきょってそんなのお父さん認めませんからねっ!!」
果たして京ちゃんはモモの誘惑に耐えることができるのか・・・。
...To be continued
乙でしたー かじゅ可愛い
あと>>521ってこっちじゃなくて>>517へのレスだと思うんだけど
orz_resってメ欄に入れたらいけますよ
場所はあれば分かりやすいけど無くても問題ないかなーと
3-2はほぼ運のみって印象
一番レベル高い駆逐が25の艦隊でいけたし
>>544
安価ミスっすね
申し訳ないっす
我が儘言うと全部の文章ではなく一部の文章だけ消したい所存ー
3-2は渦潮に巻き込まれて上に行って空母にボコボコにされるルートしかいけなくて泣きそうっす
雷ちゃんのレベルが47になったよやったね一番レベル高いよ!
雷ちゃんのせいでダメ提督になりそうっす
週末くらいまで更新出来ないっぽいっす……orz
まことに申し訳ないっす
そういえば雷ちゃんが51になったっす
このまま旗艦にしてたらいつの間にか90突破してそうっす
対空以外カンストしたっすよ
そろそろ本編の時間列進めたいところっすけど
たしかどこかで見た2050年6月5日が全国大会予選の開始日っぽいので
その日程に合わせるかたちになるっぽい?
でも大会をどうするか決めてないっす
勝ってもいいけど負けてもいい
勝てば選手として、負けたら応援として全国行くみたいな感じっす
多分勝ち負けは安価になるかもっす
その時は協力のほどお願いしますっす
>>550
全国大会予選ではなく長野決勝戦が6月5日っす
というわけでこのスレでは長野予選は6月4日?5日にかけての2日間としますっす
これを今決めると言うことは皆分かるっすね?
放置プレイして申し訳ないっす
艦これにて4-2抜けましたのでその報告に来たっす
あと生存報告っす
この後の展開なのですが
1 京ちゃん強化イベ
2 長野予選編
一人語りして申し訳ないです
艦これも控えます
導入は出来たのですが京ちゃん強化はどこがいいですか
というわけでちょいアンケートです
1 鹿児島(巫女さん見れるよ)
2 プロ(すこやん固定)
3 東京(照or淡)
4 その他
安価の結果3が一番多いっすね
では強化先は東京になります
照さんはポンコツでもいいよね?(
京太郎強化編
ゴールデンウィーク初日。
母「なんか照ちゃんからSOSの連絡あったから行ってきてね♪」キャピ
京太郎「はぁ!?」
京太郎「なんでだよ、母さん行けばいいだろ」
母「私をパパはカピーのお世話しないといけないから」
京太郎「ぐぬぬ...」
母「ほらほら、早く行った行った」
そんなこんなで俺のGWの予定は決まってしまったのだった。
京太郎「しっかし、やっぱり都内ってのははあっついなぁ......」
手で影を作りながら周りを見渡す。
どこを見てもビルの山。
それにコンクリートやアスファルトの照り返しが激しすぎて熱いのなんのって。
故郷の長野の自然が恋しいぜ。
いつまでもホームシックになっているわけにもいかないので、目的地に向かって歩き出した。
京太郎「しっかし、照姉遅いな...」
着ている上着をパタパタさせながら相手を待つこと五分。
駅の方向から見え覚えのある髪の毛の女の子がこちらに向かって歩いてきていた。
あのポンコツそっくりな髪型は照姉だ。
照「お待たせ、京ちゃん」
京太郎「俺も今来たところですよ」
照「ありがとね」
照姉は俺の顔をじっと見つめると、ポシェットからハンカチを取り出して俺の額に当てて汗をふき取った。
照「相変わらず京ちゃんは嘘が下手」
汗をふき取ったハンカチをポシェットにしまうと俺の前でくるりと一回転して見せた。
京太郎「?」
照「京ちゃん...鈍いよ」
ガッカリした様子で肩を落とす。
京太郎「あー、照姉って白のワンピースとか着るんだ」
京太郎「すごく似合ってると思う」
後だしジャンケンのような俺の言葉を聞いて照姉はじーっと俺の顔を見てため息をついた。
照「...及第点」
こんな調子じゃ先が思いやられるよ、みたいな顔をされた。
京太郎「...ここで立ち話もなんですし、喫茶店とか行きます?」
照「...ん」
それだけ言って照姉は手を出してきた。
やれやれ、昔から俺のこと子供扱いする癖は直ってないみたいですね。
照姉の手を握る。
昔と変わらない、小さくて温かい手だった。
喫茶店に入って照姉の話を聞いた。
京太郎「......」
そして頭を抱え込んだ。
照「~~♪」
全てを話し終えてご機嫌で鼻歌を歌ってる照姉。
話を纏めるとこういうことらしい。
GWということで母と一緒に実家へ帰省する予定。
しかし大会が近いため長期で部活に参加出来ない日が続くのは部としても照姉自身としてもよろしくない。
というわけで母には「もう高校三年なんだから1人で出来る」と見栄を張って寮から出て母の住むアパートにGW中は滞在することになった。
なったのはいいのだが、いざ家事をしようとしても勝手が分からない。
見栄を張った手前、母に聞いて頼るのは恥ずかしい。
父親に連絡するのも恥ずかしいし、妹にそんなの知られたくない。
知られても恥ずかしくなく、それでいて家事を代わりやってくれそうな人は...と考えたところ、白羽の矢が立ったのが須賀京太郎こと、俺だった。
頭を抱えて、いつまでも考えていても仕方ない。
京太郎「で、照姉」
照「ん?」
京太郎「俺はいつまで滞在してればいい?」
照「......」
ストローを口にくわえながら考え込む。
照「終わりまで?」
京太郎「出来るわけねぇ!」
却下だ却下。
俺の大事なGWが全てポンコツの姉のせいで潰されてしまうのはとても困るのだ。
京太郎「ある程度したら帰りますからね」
照「仕方ない、それで我慢する」
やれやれ大人の私が妥協してあげますよ、みたいな顔をされた。
照「じゃあ、行こうか」
そう言って喫茶店の扉に向かって歩き出した。
ちょっとはお会計のことも考えてくれても罰は当たらないと思うんですけどねぇ!
さっさとお会計を済ませて照姉の後を追う。
さっきと同じく手を伸ばす照姉。
やれやれ、と思いながら手を握ってしまうのは照姉に久々に会ったからつい昔の癖が出てるだけだ。
なんて言い訳しながら照姉の手を握りながら歩き出したのだった。
今日はここまでっす
見てくれてありがとうっす
ちなみに鹿児島編だとモモあり
プロだとモモなし
照編は考え中っす
ではでは嘘予告?
桃子「京太郎くん」
京太郎「いやまて違うんだッ!」
桃子「大丈夫っす」
桃子「京太郎くんは何も悪くないっす」
京太郎「お前は誤解してるんだって!」
京太郎「別に照姉とはそういう関係じゃない」
桃子「京太郎くんには何もしないっすよ」
桃子「でも」
桃子「京太郎くんを誑かした雌猫にはこの世から消えてもらうっす♪」ニコッ
生存報告っす
今立て込んでる仕事が片付けば更新出来るようになると思うっす
24日さえ無事に乗り気ってしまえば…
というわさで24日以降の更新になりますっす
待たせてしまって申し訳ないっす
そのころ須賀家にて
桃子「むむ……」
桃子「なんか今嫌な予感がしたっす!」
カピ「きゅ?」
桃子「いやぁそれにしてもカピと戯れられると癒されるっすねぇ」モフモフ
カピ「きゅー!」ジタバタ
桃子は京太郎のペットであるカピバラと戯れていた。
京太郎「で、照姉?」
照「なに?」ズズズ
部屋の真ん中で正座しながらお茶をすする照姉。
京太郎「なんでこんなに汚いんですか!?」
汚かった。
圧倒的に汚かったのだ。
部屋の真ん中で座っているのが奇跡なくらいに。
1日や2日でこんなに汚くなる訳がない。
京太郎(まぁおおよそ、照姉が片付けようとしたら物が散乱して、それを片付けようとしたらまた散乱したって感じだろうけど……)
京太郎(この人は麻雀のこと以外は本当にポンコツだからなぁ……)
とまぁ頭を抱えてしまいそうになるが、とりあえず部屋を片付けなくては何も出来ないし、もしこのままなにもしないで帰ったらニュースになってしまうかもしれない。
もちろん、ゴミ屋敷として。
京太郎「はぁ……とりあえず片付けますね」
照「私は何をしたらいい?」
京太郎「んー、応援しててください」
京太郎「ちょっとでも早く終わりますようにって」
照「わかった」
照「頑張れ頑張れ京ちゃん負けるな負けるな京ちゃん」
京太郎「あ、やっぱり黙っててください」
照「………………」テルーン
よし、それじゃあちゃっちゃと片付けちゃいますか。
こうして照姉の部屋を綺麗にするために動き出したのであった。
片付けること約三時間。
京太郎「………………………………」
なんとか片付けは終わった。
色々あったが。
女の人の部屋を掃除して何もない、なんてことあるはずないのだけれども。
照「お疲れ様」
照姉が俺に麦茶を淹れてくれた。
京太郎「……ありがとうございます」
それを一気に飲みながら喉を潤す。
照「片付けをしてくれたお礼にお姉ちゃんが何でも言うこと聞いてあげる」
京太郎「ブーッ!!?」
京太郎「ゴホッ……ゴホッ……照姉?」
むせながら照姉を見る。
照「……?」
どうやら自分がどんな発言をしたのかわかっていらっしゃらない様子だった。
京太郎「照姉」
照「なに?」
京太郎「そういう言葉は気安く言ったらダメな言葉だぜ?」
照「気安くなんてない」
照「京ちゃんにはとても感謝してる」
照姉が目を閉じた。
照「ゴールデンウィークでせっかくの休みなのに、私の為にこっちに来てくれた」
照「私のワガママを聞いてくれてる」
照「だから私も京ちゃんのワガママを聞きたい」
照「だから何でもいい」
照「京ちゃんのワガママを私に言って」
照姉の事がちょっと可愛く見えた。
京太郎「ワガママって言ったって……」
京太郎(もしかして本当になんでもいいのか……? エッチなことでも……い、いやダメだろそういうのは。そういうことはもっと段階を踏んでそれで恋人になって初めてしていいことであってホイホイそういうことをやるのはダメだろ……でも何でもって言ってたし……ちょっとくらいならいいのか…………?)
照「京ちゃん?」
照姉がズイッと身体をこっちに近づけてきた。
京太郎(照姉から甘い匂いがする……)
鼻から女の子独特の甘い匂いが入ってくる。
心臓がうるさいくらいバクンバクンと脈を打つ。
京太郎「え、えっと―――」
安価コンマ下
奇数 「俺に麻雀を教えてくださいっ」
偶数「エッチなことを教えてくださいっ」
ゾロ目 「エッチな麻雀を教えてくださいっ」
お任せあれ!
>>604
……嘘やん
お、オーケー
君たちのエロへの追求はよくわかった
(照姉ルートに)切り替えてく
京太郎「俺にエッチな麻雀を教えてくださいっ」
照姉が目の前にいるのやら良い匂いがするのやらで混乱していたのだろう。
俺はとんでもないことを口にしてしまった気がする。
照「……………………」チラチラ
照姉はというと俺から若干離れてチラチラとこちらを見ていた。
手をいじいじともじもじと動かしている姿は小動物、例えるならば、リスの姿にとても似ていた。
照「じゃあ……する?///」
照れ臭そうに照姉がそう言った。
その照れ顔でご飯三杯はイケる、と思った。
照「…………京ちゃん///」
京太郎「照姉……//」
照「ここに京ちゃんのリー棒を挿れて///」クパァ
京太郎「照姉のって白なんだね……///」
照「そんなにジロジロ見られたら恥ずかしいよ///」
京太郎「ご、ごめん。女の子のって初めて見たから……///」
京太郎「それに胸のリャンピンも大きくなりすぎて一つ一つがピンズみたいだし……////」
照「いちいち言わなくて良いから……///」
照「それに京ちゃんのリー棒も千点棒から万点棒になってる///」
照「ほら、もう我慢できないでしょ?////」
照「私の中にリー棒挿れてリーチ一発リンシャンカイホウしてぇぇっ/////」
京太郎「いきますよっ///」
照「ロン」
照「リーチ一発タンヤオ三色ドラ3」
照「これで京ちゃんの飛びだね」
ええ、妄想ですがなにか。
麻雀って勝負の時点で私が勝てる術など持ち合わせていませんよ。
麻雀って言ってもネット麻雀なんだけど。
それにエッチな麻雀とかそんなことが頭をよぎって全く集中できなかったし。
照「麻雀は教えてあげられるけど……エッチなことは……ちょっと……///」
って照姉が照れたところまではとても良かったんだけど、その後の麻雀は地獄のような気分だった。
ゆみ先輩とかモモとかに鍛えられてたからちょっとは強くなってるとは思ったのに……。
ちょっと自信なくなるなぁ。
照「京ちゃん」
京太郎「はい?」
照「京ちゃんって麻雀初心者だよね?」
京太郎「4月の半ばくらいに始めたからまだまた初心者だけど……照姉から一回くらいは上がりたかったなぁ」
椅子に全体重かけて寄りかかる。
どうせなら脱衣麻雀してほしかった(切望)
照「初めて1ヶ月くらいの時は私は何もわからないで打ってたよ?」
照「でも京ちゃんは私からの直撃を避けてたり」
照「私は上がるなんてこと出来なかったし、でも京ちゃんは他の人から上がったりしてた」
照「最後に私に振り込んだのは集中力が切れてたから」
照「何を考えてたのかは…………知りないけど……///」プイッ
そう言って照姉はそっぽを向いてしまった。
多分考えてたことがバレたんだと思う。
女の人ってそういうのに鋭いとかいうし。
照「大丈夫、京ちゃんはもっと強くなれる」
京太郎「本当に……?」
照「お姉ちゃん嘘つかない」
照姉が少しだけ笑った気がした。
笑顔というより、お姉ちゃんに任せろ的な笑みだったと思う。
京太郎「俺、強くなれるならもっと強くなりたい」
京太郎「んで、照姉から直撃取るっ!」
照「京ちゃんならそう言うと思った」
照「明日、私と一緒に部活に参加しよう」
京太郎「え?」
照「はい決まりっ」
そう言うと照姉は満足そうに頷いた。
京太郎「部活? はい?」
俺1人状況が飲み込めずにいたのだった。
>>615
脱衣麻雀も考えたっすけど……京ちゃんが衣服脱ぐだけの展開になるっすよ?
超亀レスっすけど
京ゆみSSに影響された感はあるっす
ちょっとしたその後 麻雀後
照「じゃあ京ちゃんには罰ゲーム」
京太郎「え、なんで……」
照「さっきエッチな麻雀を教えてくださいって言った」
京太郎「まぁ……ものの弾みで言ったけど……」
照「だからエッチな麻雀してた」
京太郎「え、どこが!?」
照「胸はまだまだ成長する可能性ある」
京太郎「みてねーから! 誤解広まるだろ!」
照「私は構わない。京ちゃんがちっぱい好きだとしても」
京太郎「余計なお世話っ!」
照「というわけで罰ゲーム」
京太郎「すっげぇ雑!」
照「とりあえず脱ごっか京ちゃん」
京太郎「Why?」
照「エッチな麻雀と言えば、脱衣麻雀」
照「敗者は勝者に従う義務がある」
照「さぁ……さぁ!」ズイッ
京太郎「あっ……」
京太郎「あっ…………」
京太郎「アッーーーーー!」
次の日ちょっとやつれた京太郎とツヤツヤした照がいましたとさ。
次回予告
照に連れられてやってきた白糸台。
淡「アンタは私の奴隷になりなさいっ!」
京太郎「声優違うだろうが!」
淡「戦争を、しましょう」
京太郎「怒られるからやめなさいっ!」
淡「ったくつれないなー」
白糸台で出会った少女。
彼女との出会いによって京太郎の運命は大きく動き出す。
次回
『淡いGWの恋』
??「……嘘っす」
照「ここが私の通ってる学校」
ドヤ顔で無い胸を照姉。
京太郎「……そっすか」
ノコノコとついてきてしまった間抜けな俺。
とは言うものの、東京なんてどこにいけばいいのかわからない俺にとっては照姉に着いていくことしか出来ないのだが。
校内にいる生徒の影はほとんどなかった。
京太郎(ゴールデンウィークに部活なんてやらないか……)
とは言うものの、我が鶴賀では部活をすると言っていた。
家庭の都合により参加できない場合を除く、という条件で。
これ―照姉の世話係―が家庭の都合に入るかは別なのだが。
白糸台だが思ったよりも小さい印象だった。
いやまぁ長野の無駄に広い学校と比べるのがおかしい。
京太郎「……あれ?」
照姉の姿が見えない。
どうやら校舎を眺めている間にどっか行ってしまった。
京太郎「なんであの姉妹はすぐどっか行くのんだよ……」
長野にいるあのポンコツ系文学少女のことを思いだした。
こんなところにずっといたら、不審者として通報されてしまうかもしれない。
俺は仕方なく照姉探しの為に校舎へ歩き出した。
??「あーっ!」
!?
校舎の中で誰かに見付かった。
京太郎「くっ……」
万事休す。
ダンボール箱は敵の目を欺く最高の偽装。
潜入任務の必需品じゃなかったのかよ……。
??「こんなところにダンボール捨てるなんて人としてどうかしてるって」
声の主が近づいてきた。
??「……誰も見てないよね?」
京太郎(ここにいますよー!)
??「しょ、しょうがないなー。淡ちゃんがこのゴミを捨ててさしあげよー」
京太郎「待っ――」
??「あ……?」
遅かった。
ダンボールは取り上げられ、先ほどの声の少女とご対面。
京太郎「……ども」
悪戯がばれてしまったときのような気恥ずかしさを感じながら挨拶してみた。
何度か唇の端をヒクヒクさせた後、
??「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
大声で叫ばれた。
ですよねー。
??「で、なにしに来たの?」
さっき出会った少女はベンチに座って俺の奢りのジュースをストローでちゅーちゅー吸っていた。
京太郎「照ね……宮永さんに学校に来いって言われて…」
まぁ嘘は言ってないよな嘘は。
??「ふーん……」
と何か考えているような表情をすると、すぐに元の表情に戻った。
??「テルーに男の影とか無かったし嘘だねそれ」
??「もしかしてもしかすると、高校100年生の私のファン?」
高校100年生。
もしかして、頭が残念なのか……?
??「今失礼なこと考えたでしょ?」
踵で指先をグリグリされた。
女の感って怖い。
京太郎「滅相もございm痛い痛いっ!」
??「ふーんっだっ」
どうやらご立腹の様子だ。
100年生というか、ワガママ姫の方があってるんじゃないかコイツ……。
京太郎「宮永さんって麻雀部員だよな?」
??「じゃなきゃ大会出てなくない?」
京太郎「……ごもっとも」
正論過ぎた。
アホな質問してしまった。
京太郎「宮永さんってどれくらい強いんだ?」
京太郎「やっぱり白糸台一強いのか?」
??「うん、テルーは強いよ」
??「でもいつか必ず倒すけどね」
そう言ってニカッと笑う100年生。
京太郎(……この子、麻雀部員だったのか)
あの照姉を必ず倒すという少女。
ちよっとだけ羨ましい。
あの照姉を倒すと言えるだけの力量があるということなのだから。
??「じゃ行こっか」
少女はベンチから立ち上がり、歩き出した。
京太郎「え?」
100年生はくるりと回る。
「会うんでしょ、テルーに」
/ / // . :〃 . :iト、|:. | ヽ ヽ ヽ
乂 .′ / ,イ .:/ ! . :i| |:. |\: . ハ
.′ i`ーァ′/ ! .:i | . : | |:. | \: . ヽ: . ____ i-‐ ´ .
.′ !/ . : ′| .:| | . : | |:. | \: .  ̄| ̄ ̄ `ヽ:
/i| :|. :| | .:| | . : ! |:. |_,,-‐====‐\ . : :| . :|: . i
j〃 . :i| :|. :|‐===┼- | : j -‐ \: . . : | . :|: . |
/ . :i| :{. :! \八 . : | jノ , -‐ __,,.⊥ . : } . :|: . 人
′ . : 八 ? ≫=ミ、 . : ! ≫≦Y⌒'マハ:、 . : .′ . :|: . : .\
i . :i . :\{ハ 《 )i:::::::ハ\{ ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : / . :/!: . \: .\
| . :| . :i '. ヾ い;::::::jj 八∨乂 _;ノ:ノ . :/ . : |: . : .`ー-
| . :| . :| . :| . :l'. V辷ク ゞ゚-‐ ' . :/ . :/ . :|: . .
| . :| . :| . :| . :|ハ / . :/ . :/ .:.:|: . : .
| . :| . :| . :| . :| :. , / . . : .′ . / . : :|: . : : . .
| . :| . :| . :| . :| :. / ,. : ,イ . :/ . : 人: . : : : . . .
|..:i:| . :| . :| . :| ゝ. 、 ノ .′ // / . : : / . :.:/ \: .\: .
l :从 . : :| . :| . :{ / > . { /' / . : / . : : .:′ \: .\: .
乂{: \. : :!\〉、:\_/ . : .:〕jッ。. . ィV`ヽ /. :/ . . : :/ \: .\: . .
`\ \{ \;/ . : .://{{ ` ´ | |│ ,// . : .:/ \: .\: . .
続く
というわけで、100年生との出会いみたいなもののプロローグ終わりっす
Id変わるのはちょっとした大人の都合なので気にしないでほしいっす
女の子を可愛くしたい
でも恋愛には絡めたくない
どうすればいいのさorz
淡ちゃんは友達ポジだから(震え声
というわけで今日の更新は終わりっす
見てくれてありがとっす
どもっす
前スレ埋めてくれて感謝感激っす
時間的に無理だろうなーなんて思って朝見たら埋まっててちょっと泣きそうになったのは秘密っす
というわけで前スレ>>1000取った方おめでとうっす
番外編編を書くことになったっすよ!
といってもここのスレの番外編らしいので……
うーん、選択肢で選ばれなかった場合の話の進行を書いていけばいいっすかね?
ここの更新はもうちょい待ってほしいっす
淡が可愛すぎてなんか淡とずっと一緒にいるんですよねなんでだろう……(棒読み
スレ完走おつ
弁当シリーズもっと見たかったぜ
どもっす
有給とるとなんか気分がいいっす
そんなことはどうでもいいっす
スレ完遂出来たのは皆様のおかげっす
これからも精進していくっす
書き溜め出来たら新スレ立てたいと思っているっす
自分としてはシリーズものないのでそういう小ネタシリーズみたいなのがあればすすむのかなって思うっす
例えば>>647で言ってくれたようなお弁当シリーズとか
みたいものとかいつでも募集してるっす
遅くなって申し訳ないっす
20時くらいに更新予定っす
といってもちょっとだけっす……orz
新スレはちょっと落ち着いたら作るっす
そっちの方も書き溜めしてないのである程度は書き溜めしてからになるっす
100年生の後ろを歩いていく。
俺と同じ金色の髪の毛を揺らしながら歩く100年生。
その100年生がある部屋の前で立ち止まった。
100年生100年生うるさい?
仕方ないだろ名前知らないんだし……。
いや待てよ……たしか自分で名前言ってたような気がする。
京太郎(たしか……あわ――)
??「たのもーー!」
ドアを力一杯開けた。
我が物顔で部活に入っていく。
しかし、その足もすぐさま止まった。
??「あれー?」
後ろから見ても頭にクエスチョンマークを浮かべているように見えた。
??「おっかしいなぁ…」
京太郎「どうかしたのか?」
部室を覗いてみる。
京太郎「……誰もいない……?」
??「あー……やっぱりかー」
100年生が携帯電話の画面を見ていた。
流石に女の子の携帯電話を覗くような趣味は持ってないのでそのまま待つ。
??「ふむふむ」
どうやら何か分かったらしい。
??「今日、部活ないってさ」
京太郎「」
んな、バカな……。
??「これからどーすんの?」
そうだった。
京太郎「宮永さんに会えないなら今日は帰ります」
??「……ねぇ」
京太郎「ん?」
??「その宮永さんって呼び方、いつもしてないでしょ?」
??「それにテルーが学校に呼ぶ相手なんだもん」
??「君も麻雀……やってるよね?」
そう言われた途端、身体が重くなるのを感じた。
焦点がずれ、呼吸が苦しくなる。
??「なんだ……この程度か……」
そう言って彼女が踵を返した瞬間、
照「淡、なにしてるの?」
照姉の声が聞こえた。
??「あっれー? テルーじゃん」
彼女がそう言って照姉にとことこ歩いていく時には、先程感じたものは全て消え去っていた。
照「質問に答えて」
??「だってこの人がテルーに会いたいって」
??「麻雀ってその時の精神状態に引っ張られるし変な虫がつく前に駆除しないとって……てへ☆」
牌のお姉さん顔負けのウィンクをしてのける。
京太郎(別に照姉とはそんな関係じゃないし……)
照「はぁ…………」
照姉がやれやれと言ったように首を横に振る。
照「よく聞いて」
京太郎(そうだ言ってやってくださいよ、なんでもないってことを!)
照「私と京ちゃんは許嫁なんだ」ブイッ
「「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!????」」
この日、二度目の絶叫が白糸台に響き渡った。
というわけで一旦終わりっす
書いてって書けたら書こうと思うっす
申し訳ないっす
京太郎のオカルト考えつかないのでどうしたものかと思ってたら一ヶ月経過するところだったっす
ちょっとだけ更新しますっす
「異議ありッ!!!」バンッ
部室の扉を叩いて現れたのは。
京太郎「モ、モモっ!? どうしてここに?」
桃子「京太郎くんのお義母様に東京に来てるって聞いていてもたってもいられなくなってこっち来たっす」
長野にいるはずのモモだった。
桃子「絶対、絶対認めないっす!」
桃子「たとえ天地が認めたとしても、この私、東横桃子が認めないっす!!」バンッ
照「京ちゃんと私が出会ったのはあの熱い日のことだった......」
桃子「ちょっ、え、無視っすか?!」
照「そう、私が学校の屋上で涼んでいる時、京ちゃんがやってきた」
桃子「あのー......見えてます?」
照「見えてない」
桃子「見えてるじゃないっすかっ!」
照「チッ」
桃子「今舌打ちしたっすね?!」
照「アーアーキコエナイー」
桃子「ぐぬぬ......チャンプのくせに白々しいっす」
モモと照姉が睨み合う中、淡と呼ばれた少女がこっちを向いた。
淡「なんかしらけちゃった...」
京太郎「ん、ああ」
淡「何度も呼ばれてるから分かってると思うけど一応、自己紹介するね」
淡「私は大星 淡。高校1年s...んんっ、100年生のスーパー高校生」
淡「12月15日生まれ、今は大会で白糸台の大将を務めてるのよ」エッヘン
そう言って胸を張った。
ふむ、無い訳ではないがそこまで大きいわけではないな。
咲以上睦月先輩以下ってとこか。
まぁ比較対照が少なすぎるからなんとも言えないけど。
ちなみに向こうでいい争っている二人は極めて対象的だった。
長野トップクラスの胸囲を持つモモ。
そして、全てが麻雀の栄養になってしまった悲しき照姉。
二人を足して二で割ったら思いのほか丁度よくなりそうではある。
思ってても口になんて出来ないけど。
京太郎「よろしく、大星さん」
淡「淡でいいよ」
京太郎「そっか、じゃあ淡って呼ぶことにする」
淡「苦しゅうない苦しゅうない」
満足げな顔をして何度か頷く淡の姿を尻目に、そろそろあの2人がとめられなくなりそうなので止めに入る。
京太郎「あー、争ってるとこ悪いけど、そろそろお腹空いてきたかなーって......」
京太郎「なんて...あはは......」
自分でもこれはちょっと苦しいとはわかってのだが、こういうときどんな顔すればいいか分からない。
照「.........」
桃子「.........」
両者顔を見合わせる。
すると、どちらかからともなく、くぅ~と可愛い音が聞こえてきた。
まぁ、どっちかなんて分かりきっているんだけど。
照「京ちゃん、ご飯」
照姉が一目散に俺の袖を掴んで催促してきた。
あぁ、やっぱりね。
京太郎「ちょっと待ってってくださいね」
俺は鞄にしまっておいた弁当箱を取り出す。
部室の机を借りて照姉と俺が座れる場所を確保すると、
淡「......」ジィ
桃子「......」ジィ
こっちをものすごく羨ましそうに見てくる。
どうやらお腹を空かせたのが他にも二人いるみたいだ。
京太郎「ったく...」
俺は自分のお弁当箱を2人の前に差し出す。
京太郎「ほら、食えよ」
男の俺だけ食べるのはなんだか気が引けるしな。
桃子「でも......」
モモはなんだか本当に食べていいのか迷っているようで視線を泳がせていた。
淡「いっただきまーすっ」
淡にいたっては、すでに食べる気満々で手を合わせていた。
桃子「ちょっ、それは京太郎くんが私にくれたものっすよ!」
モモが淡の持っているお弁当を奪う。
淡「これは私のだからっ!」
奪われたお弁当を奪い返そうと腕を伸ばす。
照「京ちゃん、あーん」
それを見たモモが俺に対してあーんをしてきたが、受け取ってしまうと、照姉からのそれも受け取らなくてはならないので、断腸の思いでそれを拒否した。
淡「ん~、おいひぃ」
今日も平和だな......。
外を見ると雲ひとつない青く澄み渡った空がそこにあった。
モモと淡と別れた後、照姉と一緒に家に向かって歩く。
照「京ちゃん」
京太郎「なんです?」
照「京ちゃんってオカルトって信じる?」
京太郎「うーん......まぁ、信じてますよ」
京太郎「だってカッコいいじゃないですか」
京太郎「自分だけのルールを持って相手を倒していくのって」
照「そっか......カッコいい...か」
小さな声で照姉が呟く。
京太郎「それがどうかしたんですか?」
照「あのね...京ちゃんにもあるよ」
京太郎「あるって...まさか」
照「そう、そのまさか」
京太郎「それで、俺のオカルトってどんなオカルトなんですか?」
自分にそんな力があったなんて知らなかったから、とても興味あった。
ちょっと食い気味に照姉に聞いた。
照「えっと、今日来てたあの子のおかげでわかったんだけど」
照「京ちゃんのオカルトは人のオカルトの影響を受けやすいってオカルトだよ。
例えば、今日いた淡なんかのオカルトの影響なんかモロに受けると思う。
でも、それを使った戦い方も出来るよ。
もし、絶一門とか使ってくるオカルト使いなら、京ちゃんの手牌はものすごい偏りをする。
悪い流れになるオカルトの影響も受けやすいってことになるけど」
照姉の説明を聞いて少しガッカリした。
強化とかそういうのではなく、相手に左右されるオカルト。
カッコ悪いというか、弱体化っぽい感じだし。
俺がガッカリしている顔をしていると照姉がおどおどし始めた。
照「えと...あの、そんなに悲観することはないと思う。
その...オカルトの影響を受けやすいってことは対処しやすいってことだと思うし。」
しどろもどろに説明する照姉を見ていたら、なんだかショックを受けているのがおかしく思えてきた。
人のことでおどおどするなんて、やっぱりアイツと同じ血を受け継いでいるんだな、って。
照「京ちゃん?」
京太郎「はい?」
照「なんで笑ってるの?」
京太郎「照姉が可愛いからですよ」
照「...///」
そっぽを向いて歩く速度を上げる照姉。
離れないようにしっかりと後ろを付いていった。
とりあえず、今日はここまでっす
申し訳ないっす
なんとか終わらせたいとは思うっすけど...インスピレーションががが...
がんばるっす
勢いで立てたスレが終わったっす...浮気してもうしわけないっす
心を入れ替えてこっちに本腰入れるっす
というか、他の咲ssのモモ可愛すぎるっす...
おかえりー
なんかやってたのか…
とりあえずおかえり
照「京ちゃんのオカルトでわかったことがある」
照姉が正座しながらそう言った。
つられて俺も正座する。
京太郎「昨日言った内容のほかにですか?」
照「......」コクリ
京太郎「それって一体...」
どんなオカルトなのだろうか...
照「夜、京ちゃんが寝てる間に京ちゃんのオカルトを覗かせてもらった」
そういうと照姉はポツポツと語り始めた。
京ちゃんには悪いけど...これも京ちゃんのためだから...
そう言い訳して、京ちゃんが寝ている間に、京ちゃんのオカルトを覗いた。
そこにあったのは―――、
(これは......龍?)
(それと........剣?)
龍とその上には、龍の額に突き刺さっている剣があった。
その龍には意識が無いのが見て分かる。
だが、意識の無い龍の胸が何度か上下していた。
意識は無いけど...呼吸はしている。
(多分この剣のせいで......)
封印されている。
色々な人のオカルトを見てきた照にはそう見えた。
(抜いたらどうなるんだろうか...)
そう思っても見ることしか出来ない照のオカルトではそれをすることは出来ない。
つまり京太郎自身がなんとかしなくてはならない問題、オカルトなのだ。
そろそろ眠くなってしまったので、戻ろうとすると―――、
「■■■■■■―――!」
耳鳴り、正確には脳に響くようなとても大きい音が頭全体に駆け巡る。
しかし、それもすぐさま過ぎ去っていった。
(今のなんだったんだろう......)
ふと京太郎のオカルトの象徴である龍を見る。
特に何も変わっていない様子。
(私の勘違いか...)
龍の方から聞こえた気がしたんだけど...
そのまま、剣の方に視線を向ける。
(あれ?)
剣に違和感を感じる。
(.........あんなに抜けそうだったっけ?)
さっきまでの光景を思い出そうとしても、睡魔が邪魔して中々思い出せない。
徐々に頭が働かなくなっていき、そのまま睡魔に逆らえず、意識をゆっくりと落としていった。
照「っというわけ」
京太郎「」
照「......京ちゃん?」
京太郎「.........っ!」
京太郎「すっげーカッコいいじゃないですか!」
いきなり立ち上がる京太郎。
照「え?」
京太郎「だって、龍に剣ですよ!?」
京太郎「龍といえば、大体RPGとかでラスボスとか裏ボスとか、すっげー強いイメージじゃないですか!!」
照「......うん...まぁ」
それってやられるってことじゃないか、とは言わないのは優しさだと思う。
京太郎「それに剣ですよ、剣」
京太郎「龍に剣が刺さってるって、剣が封印されてるみたいな、そんな感じだとおもうんっすよ!」
京太郎「あまりにも強すぎる龍に対抗する手段が封印!!」
京太郎「くぅぅ...なんかカッコいいじゃないですか!」
照「......そう...だね」
剣一つで封印される龍もどうなんだろう。
京太郎「照姉!」
京ちゃんに手をぎゅっと握られる。
照「はいっ!?」
思わず声が上擦ってしまう。
変に思われてないよね?
京太郎「ありがとうございますっ!」
握った手をブンブン振られる。
ちょっと痛いけど、京ちゃんが喜んでいると思うと不思議と嫌ではなかった。
桃子「あっつーいっす」
京太郎「そうはいってもな...」
確かに東京の夏は熱いのだ。
なぜモモがここにいるのか、突っ込んだら負けだろう。
昨日もいたし。
照「じゃあ、アイス食べよう」
桃子「いいっすね~」
京太郎「おい、お前らお金持ってないじゃねぇか」
照「私のお世話代金」
京太郎「むしろアンタが払う方だよっ!」
照「こんな可愛いインターチャンプに払わせるつもりなの?」営業スマイル
桃子「うわぁ...っす」
同性のモモからみても引くくらいのいい笑顔だった。
京太郎「はぁ......分かった...わかりました」
京太郎「じゃあ、買いに行って来ますね」
俺は近くのコンビニに向かって歩き出した。
照「ふぅ...やっとふたりっきりになれた」
桃子「なんっすか?」
照「貴方に言わなきゃいけないことがあるの」
目の前にいるインターチャンプが真面目な顔をしている。
それに応えるべく、暑さで曲げていた腰を起こしてまっすぐ見つめ返す。
照「京ちゃんのオカルトについて」
それはモモもいつも気になっていた。
影の薄い自分が、何もしなければ気付かれない自分が、彼―京太郎―だけには常に見つかってしまう。
いや、見つけてくれるその謎を。
桃子「......」
照「その顔は何か心当たりがあるみたいだね」
桃子「実は私、とても影が薄いっす」
桃子「子供のころから、ずっと薄くて」
桃子「誰にも気付いてもらえない、誰とも仲良くなれない」
桃子「そんな生活を送ってたっす」
桃子「でも...そんな私に京太郎くんは話しかけてくれた」
桃子「初めて気付いてくれた人」
桃子「初めて話かけてくれた人」
桃子「初めて友達になってくれた人」
桃子「そして......初めて好きになった人っす」
桃子「京太郎くんは私の全てっす」
胸を張って照をまっすぐ見つめてそう告げる桃子。
しかし照の顔は暗く沈んでいた。
桃子「?」
照「それなら私は...貴方にとても辛い選択強いらないといけない.....」
桃子「......」
照「京ちゃんのオカルトは......」
照「相手のオカルトを吸収するオカルトなの」
桃子「吸収...?」
照「そう...オカルトを吸い取って自分の物にする」
照「そういうオカルトなの」
桃子「それの何が問題なんっすか?」
照「京ちゃんのオカルトは今は吸収するだけ」
照「吸収して溜めるだけしか出来ないの」
桃子「え...それって......」
照「多分貴方の考えてることだと思う」
桃子「嘘......嘘っす............」
照「多分、そろそろ京ちゃんの身体に異変が起きるころだよ」
桃子「いやっ! そんなの聞きたくないっす!」
照「このままだと貴方と同じで京ちゃんも影が薄くなるんだよ」
チャンプから告げられたその言葉。
意味を理解する前にモモは走り出した。
桃子「嫌だっ嫌だ!」
桃子「なんで...なんで...京太郎くんもっ」
桃子「私と同じ生活なんてさせたくない...させたくないっすっ」
桃子「うぐっ...なんで...なんで...」
何かに当たって倒れこむ。
神様は意地悪だ。
こうなるのを分かって出会いをもたらせた神様が。
自分のせいで好きな人が自分と同じような、人に無視し続けられてしまうように。
そんなのは嫌だ。
彼にはもっと明るい人生を、もっと沢山の人と知り合って、楽しく暮らしてほしい。
出来ればその彼の一番近くに自分がいたい。
そんなちょっとした願望も打ち砕かれたような。
遠くから彼を見ることが出来ないなんて。
そんなの...死んだのと同じだ。
自分の全てを失って生きていけるほど、私は強くない。
一度覚えてしまった温もりを手放すなんて無理だ。
なんで...なんで...。
意識が遠のいていく。
あぁ...こんなときにも浮かぶのは初恋の彼の顔だった。
>>683
ただいまっす!
>>684
艦これっすね...いやー結局タイトル詐欺してしまった
今日の更新は終わりっすよー
ちょっと書きすぎて文字を打ち間違えるミスが頻発してるので今日は休むっす
ではでは、またっすよ!
艦これやってたのか
なんにせよ乙ー
>>700
艦これSSのことです(ボソッ
艦これのことここで話すのはと思いましたので安価スレ立ててました
ちょっくら始まるっすー
京太郎「いやー遅くなって申し訳ないっす」
京太郎「店員さんが感じ悪くて、レジの前に立っても気付かないみたいで」
京太郎「仕方ないから声かけたら、『うわっ』みたいな声出して驚いて」
京太郎「こんな昼間にボーっとしてる方が悪いのに、『いたのですか』みたいなこと言われて」
京太郎「モモみたいなことってあるもんなんですね」
頭をポリポリ掻きながら説明する京太郎。
照「......そっか」
京太郎からアイスを受け取る照。
京太郎「あれ?モモは?」
辺りを見渡してもモモがいないかった。
京太郎「照姉、モモは?」
照「............」
言っていいのか悩んでいるようなそんな表情。
京太郎「もしかしてトイレっすか?」
京太郎「それだったら別にそんなに気を使わなくてもいいのに...」
笑って和ませようとするが照の顔は一向に笑わない。
京太郎「.........何かありました?」
照「京ちゃん」
照「今から話すこと怒らないで聞いてくれる?」
照がさっきモモにした説明と同じような説明を京太郎にした。
京太郎「俺、モモを探しに行って来ます」
京太郎はそう言って走って人ごみに紛れてしまった。
照「咲...おねえちゃん......振られちゃったかな...」
頬に伝う雫を拭うことは照には出来なかった。
京太郎「ったく...どこいったったんだよ」
当ても無く人ごみを探す。
京太郎「っと...すみませんっ!」
何度も人や者にぶつかる。
照の言ったことが本当のような気がしてきた。
決して照のことを信じていないわけではない。オカルトに関しては照の方が詳しいのだから。
今の自分がモモと同じようなそんな状況になっているなんて思ってもいなかった。
それを否定したい自分がいた。
そんな思いが砕かれるよな音がした。
京太郎「モモ.........モモ......」
体力も無くなって、走ることが出来なくなってしまう。
それでもモモを見つける為に前に進む足は決して止めない。
京太郎「っ......」
足がふらつく。
踏ん張る為に片方の足に力を込める。
しかし、そんな力も残っていなかったのか、踏ん張り切れず倒れこむ。
情けない...情けない...
好きな女の子1人、見つけることの出来ない不甲斐無さに唇を噛み締める。
周りの人は気付いているのか気付いていないのか分からないが、京太郎の身体を避けて歩いている。
無視されているようのか。
見えてないものとして。
これをずっとモモは耐えていたのか。
子供の頃からずっと......1人で。
同情か、又は別の感情なのか。
京太郎の瞳に少しだけ潤む。
京太郎(バカヤロウ...なにしてんだ俺は)
今一番寂しい思いをしているのは誰だ?
今一番モモに逢いたいと思っているのは誰だ?
拳に力を込めて何とか這いつくばって立ち上がる。
体力は空っぽだけど、気力ならまだ...ある。
京太郎「ったく......昔っから世話かけさせやがって....」
小学校のフォークダンスの時だって、二人三脚の時だって、遠足の時だって。
ずっとモモの隣にいたのは俺だ。
俺がモモの隣にいたんだ。俺が隣にいたくて隣にいた。
そのくせ、こうやって自分から離れていくなんて恩知らずめ。
頬が緩んだような気がした。疲れきっているはずなのに。
京太郎「何処へでも行けばいいさ」
京太郎「俺がどこだって探して出してみせ...うわっ」
躓いて転びそうになるのを寸前で堪える。
京太郎「あちゃー...ぜんぜん締まらないな......」
不思議とその顔は笑っていた。
短いですが今はこれだけで...
もうちょっと書き溜めしてから残りを投げたいと思うっす!
気付いたら昔のように私は一人ぼっちになっていた。
土地勘もない都会で、誰も知り合いのいないこの場所で。
「あーあ...」
なんであの場所から逃げてしまったのだろうか。
ちょっと自己嫌悪。
「これからどうしたら...」
さっきから携帯電話がうるさいくらいに鳴っている。
多分、相手は京太郎だと思う。
だからこそ、出られないのだが。
携帯電話を手に持ってしまえば、そのまま出てしまうから。
「京太郎くん......」
幻滅しちゃったっすかね......
逃げた私なんて放っておいて、チャンプとよろしくしているのだと思うと涙が出そうになる。
それを零してしまったら歯止めが利かなくなりそうで、上を向いて何とか耐える。
「あ......」
横を見ると自分に向かって車がクラクションを鳴らしながら進んできた。
あぁ、ここで私は死んでしまうのだと思った。
死んだら悲しむ人がいるだろうか。もし彼が悲しんでくれたら嬉しいな。
なんてことを思いながら車とぶつかるのを待った。
目を閉じて今までのことを思い出す。
思い出すのは京太郎と一緒にいた楽しい思い出だけだった。
こんな幸せな人生を送れたのは彼のおかげっすね
最後に願い事が叶うなら、彼の顔を見たい。
それだけだった。
「きゃっ」
首根っこを捕まれて、後ろにひっぱられて倒れこむ。
その前を車が通過していった。
後、数秒遅かったら車にぶつかっていた。
多分、そのまま―――。
「...」
スカートをパタパタと払いながら立ち上がる。
人のいきなり引っ張った人の顔を見るべく振り返る。
「っ」
息が止まった。
堪えようと思っていた涙が零れだす。
「どうかしたか? どっか痛いのか?」
忘れもしないあの時、あの台詞。
「ふふっ」
涙を流しながら私は笑ってしまう。
「痛くないのか? 大丈夫か?」
彼は私を見下ろしながらそう聞いてきた。
いつの間にか背を越されてしまった。昔は私の方が高かったのに。
そんなこともちょっと嬉しく思ってしまう。
「えっと...大丈夫っす」
あの時の台詞をなぞるように繰り返す。
「そうか。ならいいけど」
彼は私の頭に手を乗せて優しく撫でる。
ちょっとだけ心が温かくなるのを感じた。
「助けてくれてありがとうっす」
「まぁな。男は惚れた女だけは必ず守れって親父によく言われてたからな」
「だから俺は当然のことをしただけだぜ」
彼はニカっと笑いながら、何のためらいも無くそう言い放つ。
あぁもう...なんでこんなに愛しく感じてしまうのか。
好きだと言われたら我慢できなくなってしまう。
うずうずする身体を堪えることが出来ず、私は彼に飛びついた。
「おっと...」
一歩二歩後退しながら私の身体を受け止めてくれる。
「...おかえり」
ぎゅっと彼の腕に抱き締められた。
「......ただいまっす」
強く強く...彼の身体を抱き締めた。
照「で、なんで手を繋いでるの?」
照の後ろにドス黒いオーラが見え隠れしている
京太郎「なんでって...なぁ?」
桃子「えへへ......」
照「まぁいいや」
京太郎「うい」
照「京ちゃんのオカルトのことなんだけどね」
照「実はオカルトを吸収する条件があって、その条件をクリアしないと吸収し続けることがないんだけど...」
照「その条件ってのがキスなんだけど...京ちゃんはしたことある?」
京太郎「いやぁ......俺はないっすけど...」
ゆみ先輩とのアレはノーカン。人工呼吸だし
モモの方を見ると、下を向いて顔を真っ赤にしてプルプル震えてた
京太郎「.........モモ?」
モモに声をかける
モモはビクッと身体を跳ねさせる
桃子「ひぁぃっす!//////」
噛み噛みだった
照「はぁ...」
照は呆れた様にため息をついて説明を続けた
照「分かりやすく説明すると、キスをした相手と強制的にパスを繋いで相手のオカルトを自分の物にするみたい」
照「京ちゃんがまだオカルトを制御できないから、放出が出来ないけど...」
照「それもなんとかする方法がある」
京太郎「その方法は...?」
照「もう一度キスをすれば解けるよ」
あっさりと照は答える
照「でも...京ちゃんはまだ一度もキスしていないわけだから、その方法は使えない」
一度も、の部分を強調する照
モモの手がじんわりと湿っていくような気がした
照「あーどうやったら治るか分からないしお手上げだなー」
棒読みというか、やけくそ気味にそう言う照
照にでさえ、お手上げなら京太郎の知識ではどうにもならないのだ
桃子「.........っす///」
小さく呟くモモ
小さすぎて聞き取れなかった
照「......」
照はまっすぐモモを見ていた
桃子「あーもう!///」
真っ赤な顔を上げてキッと照を睨みつける
桃子「はい、そうです、そうっすよ!///」
桃子「京太郎くんとキスしました! したっす!///」
桃子「なんすか!それの何が悪いんっすか!///」
桃子「好きな人の唇を奪って自分のものにしたいって思うのはそんなにいけないことっすか!//////」
桃子「京太郎くんが寝てる間にしたっすよ!///」
桃子「私の作ってきたマズイ料理を残せばよかったのに全部食べて」
桃子「その後すぐ具合が悪くなって意識失って」
桃子「廊下で倒れてる京太郎くんを保健室まで運んで」
桃子「先生には、帰ってもいいと言われたっすけど」
桃子「私のせいで倒れたっすから私が見なくちゃって思って」
桃子「私の為に嘘までついて食べてくれた京太郎くんのことが愛しくなって」
桃子「先生がいなくなって誰も見てない今なら出来るって」
桃子「京太郎くんの寝込みを襲って」
桃子「誰もいない保健室で京太郎くんの唇を奪ったんですぅぅぅぅぅぅ!!!!!///」
桃子「滑稽っすよね! 気持ち悪いっすよね! 笑えばいいっす!」
桃子「自分の気持ちを堪えられなくて京太郎くんに隠れてキスしてこんな事態になって!」
桃子「馬鹿みたいっすね! 痴女だとか淫乱だとか思えばいいっすよ! ホラ皆で私のことを笑えばいいっす!」
桃子「あーはっはっはっはって!//////」
桃子「うぅ.........///」
どうやら言い終わって恥ずかしさが増してきたのか京太郎の後ろに隠れる
京太郎「.........」
照「............」
照と目を合わせる
照「............はぁ」
照がため息を吐く
照「ま、そんなことだとは思ってたけど...」
照「で、京ちゃん」
京太郎「なんです?」
照「京ちゃんはどうなの?」
京太郎「どう...って言われても...」
正直嬉しい
ファーストキスの相手がモモで安心した
ゆみ先輩とキス...というか人工呼吸したのが初めてじゃなくて本当に
いや、ゆみ先輩が嫌いとかそういうわけじゃない
ただ、初めてはモモの方が良かった
そう思ったのだ
京太郎「まぁ...モモで良かったと思いますよ」
桃子「ぁ......」
モモが握っている手をぎゅっと強くしてきた
照「はいはい...惚気はいいから」
京太郎「あ...はい...すみません」
照「私が聞いているのは、もう一度キスすれば戻れるってことなんだけど」
照「京ちゃんはする?」
京太郎「.........ぅ///」
面と向かって他の女の子に別の女の子とキスするのかと聞かれる経験なんてないので少し照れてしまう
それに個人の問題じゃないし...
京太郎「いや...俺だけの問題じゃないし...モモにも確認とらないと...///」
照「その子、犬だったら尻尾を思いっきりブンブンするくらい喜んでるけど」
桃子「そそそ、しょんなことないっすよ!//////」
顔を見ないでも分かるくらい動揺していた
照「はぁ......後は京ちゃんだけだけど...」
京太郎「......えっと...ここじゃ...人込みだし...///」
そう、色んな人が行きかっているのだからその中でするなんて出来るわけない
恥ずかしいし
照「京ちゃん、一つ良い事教えてあげるね」
照はニッコリと笑顔を作ると
照「今の京ちゃんはその子と全く同じ体質なんだよ?」
まるで死刑宣告を受けたような、そんな気分だった
京太郎「うぅ.......人として大事な何かを失った気がする......///」
桃子「えへへ、なんだか癖になりそうっすねぇ...//////」
げっそりと肩を下ろすのと、頬に手を当ててくねくねしているの
説明しなくてもどっちがどっちかなんて分かるよな?
照「ん」
照はポッキーとボリボリ食べていた
どうやらキスシーンは見ないようにしてくれていたらしい
照「京ちゃん」
京太郎「なんっすか?」
照「キスするとパスが出来るってさっき説明したでしょ?」
京太郎「ええ...そう言われましたね」
照「じゃあ、私とキスしようか」
京太郎「えぇ!?」
桃子「駄目っすよ!」
驚く京太郎の前にいち早く桃子が立ちはだかる。
桃子「これ以上京太郎くんに指一本触れさせないっす!」
ビシッと照を指差すモモ
照「仕方ない」
照「今は諦めてあげる」
あっさり引き下がる照に安堵を覚えるのと同時に喉に何かひっかかるよなそんな気がした
照「京ちゃん」
京太郎「なんです?」
照「.........私諦めないから」
何をだろう...
照「だから覚悟しててね」
京太郎「はい...よくわからないっすけど」
照「ふふっ...京ちゃんにはまだ早かったかな?」
ニコっと笑う
作り物の笑顔じゃなくて、正真正銘、照の笑顔
桃子「がるるるる」
威嚇するように手を上にあげるモモ
照「じゃあね、京ちゃん」
そう言って照は人込みに入っていった。
桃子「京太郎くん」
モモはくるっと回って京太郎の方を向く
スカートがふわっと舞い上がって健康的な太股を晒す
京太郎「ん?」
桃子「長野に帰るっすよ」
京太郎の手を掴んで駅に向かって歩くモモ
京太郎「ちょ、待ってくれ、照さんのお世話が...」
その時、ポケットに入れてある携帯電話が鳴った
取り出して画面を見ると、母親からだった
京太郎「もしもし」
『もっしー』
京太郎「なんかあったのか?」
『今照ちゃんから電話があって、もうお世話はいらないってさ』
京太郎「......え?」
『だから早く帰ってきなさいよ』
京太郎「ちょ、どういうことだよ」
『察しが悪いわねぇ...誰に似たんだか...』
『いいから今すぐ帰ってきなさい』
それだけ言い終えると通話を切られてしまった
桃子「ほら、お義母さんも帰って来いって言ってるっすよ」
京太郎「ん...?」
なんか違和感を感じたが気のせいだろう
京太郎「そうだな...カピーも待ってることだろうし」
こうして照のお世話係という役割がなくなり、長野に帰ることにした京太郎であった
はい、というわけで京ちゃんのオカルトの内容が徐々に解明されていってますね
今のところ分かっているのは
・キスでパスが出来る
・パスから限度無くオカルトを吸い続ける
・吸収しすぎると京太郎にも影響が出る
ですかね
まぁこれが生かされるかどうかは別ですが...
とりあえず今日の更新は終わりっす!
見てくれた人ありがとうございますっす!
そろそろ京白書きたい(ボソッ
乙
乙
咏さんもみたい(ボソッ
どこの士道君
乙
艦これの浜風ってモモっぽくない?
>>724 >>727
ありがとうございます
>>725
ありがとうございます
安価スレ立てればいいんですね分かります
>>726
アライブは見てないっす
今期は異能バトルが面白すぎて(ぇ
>>728
どこがですかねぇ...(おっぱいを見ながら
更新しないといいましたがちょっとだけ更新します
今書かないと書けなくなりそうだったので
この後、安価あり(ストーリーに若干変化ありです
人いますかね?
ゆみ「さて、明日から予選の決勝だが用意はいいか?」
智美「いいぞ」
睦月「ええ」
佳織「はいっ」
桃子「もちっす!」
各々がゆみの言葉に答えていく
京太郎「うっす」
牌譜の準備を整えてゆみの方を向く
ゆみ「すまない」
みんなの前でゆみが京太郎に頭を下げる
京太郎「いえ、大丈夫っすよ」
京太郎「俺は俺の出来ることをする」
京太郎「そう決めたんですから」
笑顔でそう答えると、ゆみも下げていた頭を上げる
ゆみ「君のおかげで予選の決勝の対策は十分出来た」
ゆみ「ここまでしてもらって負けるわけにはいかないからな」
智美「目に隈が出来てるぞ?」
京太郎「え、マジっすか?」
京太郎「気をつけてたはずなんだけどなぁ」
智美「ワハハ、ブラフだったけど当たったぞー」
ゆみ「あれほど無理はするなと言っただろ...」
呆れたようにため息をつく
京太郎「大丈夫です」
京太郎「応援は気合入れてしますからっ」
ゆみ「そういう問題では......まぁいいか」
智美「では、本日の部活は終わりだ」
智美「各人、悔いの残らないように今日を送ってくれたまえ」
というわけで本日の部活が終わってしまった
正直、もう少し練習したい気持ちもあったが、先輩らに追い出されてしまった
京太郎「はぁ...明日か......」
桃子「柄にも無く緊張してるっすか?」
隣にはモモの姿
京太郎「そりゃ...そうだろ......」
コレで負けてしまえば...
京太郎(やめだ...やめ)
京太郎「そう言えばモモはこの後何か予定あるのか?」
桃子「んー.........これと行ってないっすねぇ...」
唇に指を立てて考えるようにそう答えるモモ
京太郎(この唇とキス...したんだよな.........二度も)
ドクンと心臓が強く跳ねる
桃子「どうかしたっすか?」
そんな京太郎を覗き込むモモ
京太郎「な...なんでもない...」
桃子「そっすか」
京太郎(俺の意気地なし...)
とは言え、お互いがお互いのことを好きなのはわかったのだがそこからどう踏み出せばいいかわからない
付き合ったことなんてないのだから
こういうのはモモの方が詳しいんだろうな...なんて思いながら歩くのだった
桃子(むぅ......)
頬を膨らませる。
桃子(あれ以来、京太郎くんと全く近づけてないっす...)
桃子(せっかく早く帰れるんだから遊びに、否、デートしたいっす)
桃子(付き合ってるわけではないっすけど...)
桃子(でも...私から誘うのはなんだか恥ずかしいし...)
桃子(こういう時は京太郎くんから誘ってくれたらいいんっすけど...)
とは思うものの、京太郎はチラチラとモモを見るばかりで中々行動に移せないでいた
モモも踏ん切りが付かず、チラチラと京太郎の方を見ては逸らし見ては逸らしを繰り返していた
京太郎「ん...」
とうとう何も出来ないま、いつもの分かれ道に到着してしまった
桃子「......」
本来ならそのまま分かれるのだが、思うように足が動かない
桃子(ええいこうなったらヤケクソっす)
触れそうな距離にいた京太郎の袖を掴む
京太郎「モモ?」
気付いたのかモモを見下ろす京太郎
桃子「......今日は家に誰もいないから...////」
真っ赤になりながら小さな声でそう呟いたのだった
「.........」
落ち着かない
何度か訪れたことがあるとはいえ、家の中に俺とモモしかいないのは片手で数えられるくらいしかない
「ジュースとおかし持ってきたっすよー」
部屋のドアを開けてモモが入ってきた
「どうかしたっすか?」
いつの間にか制服から私服に着替えていたようだ
白いワンピースだけ
後は何もつけていない
いや、下着は流石につけているとは思うが...
前かがみになるときに胸が強調されてつい視線がいってしまう
「えへへ...もしかして意識してるっすか?」
モモが嬉しそうに笑う
正直、意識はしている
多分、ずっと前から
でも、あの時からより強く意識してしまう
気がついたらモモの柔らかそうな唇を目で追ってしまったり
風でスカートが舞い上がると見てしまったり
熱そうに胸元をパタパタしているのを見てしまったり
「......京太郎くん」
「な、なんだ?」
「京太郎くんは私のこと好きって言ってたっすよね?」
「あ...ああ、そうだけど...」
今思うととても恥ずかしい
「じゃあ、私のこと...モモのこと...好きにしてもいいっすよ?」
「っっ」
気がついたら真横にモモの顔があった
四つんばいになっているせいか、ワンピースから見える今にも零れ落ちそうな大きな胸
手を伸ばせば届きそうな大きな果実
「......ゴクリ」
自分の唾を飲む音がやけに大きく聞こえた
「ふふっ...緊張してるっすね...」
モモは京太郎の膝の上に手を乗せて優しく撫でる
「ぅっ......」
膝がくすぐったい
それ以上に気持ちいい
「ほら...気持ちいいっすよね?」
「受け入れればもっと気持ちいいこと出来るんすよ?」
モモが艶かしく頬を緩ませる
膝の上にあったモモの手は上に上がっていく
太股の付け根で動きを止める
もう少しでもっと気持ちよく―――、
「だ、駄目だっ///」
「え、何が駄目なんすか? あ、もしかしてモンブラン系は駄目っすか?」
モモの声
でも、さっきとは全然違うような...
「あ...あれ?」
辺りを見渡すと、モモの姿がある
ただ、先ほどと違ってワンピースではなく、制服姿だが
「モモ...お前、さっき着替えてなかったか...?」
「いやだなぁーもう、この部屋に着替えがあるのにそんなこと出来るわけないじゃないっすかー」
「それとも...私の生着替えをみたいっすか?」
これ見よがしにニヤニヤするモモ
「べっ、別にそういうわけじゃないし...///」
恥ずかしくなって顔をモモから逸らす
「照れちゃって...可愛いっすねぇ...うりうり~」
髪の毛をモモに好きなようにされる
その手はいつの間にか止まっていた
「京太郎くん」
「私は何があっても京太郎くんの傍にいるっす」
「京太郎くんの敵が沢山いようとも」
「私だけは京太郎くんの味方っす」
その言葉を共に膝立ちのモモに抱き締められる
顔がモモの柔らかい部分に当たっているが、モモは気にすることなく自分の腕を強く抱き締める
(あぁ...なんだか...安心する......)
寝不足のせいなのか、包まれている安心感なのか
京太郎の目蓋が少しずつ降りていく
「お休みなさい...京くん♪」
最後に聞いたのはモモの嬉しそうな声だった
「ん.........」
目蓋をあけると目の前には視界を遮る大きな何かがあった
後頭部には柔らかい感触が
「あ、起きたっすか?」
上からモモの声
どうやら寝てしまっていたようだ
「すまん...なんか眠くなった...」
「全然平気っすよ」
「京太郎くんの寝顔をバッチリくっきりちゃっかり眺めることが出来たっすから」
ふんす、と意気揚々と語るモモ
「男の寝顔なんて見たってしょうがないだろ」
「そんなことないっすよ?」
「だって、好きな人の寝顔っすから」
「好きな人の色んな顔、私はみたいっす」
「笑っている顔も、怒っている顔も」
「泣いてる顔も、悲しんでる顔も」
「恥ずかしがってる顔も、退屈そうにしている顔も」
「幸せな顔も、何かに一生懸命な顔も」
「全部...私は見たいっす」
「なんだか照れくさいな...」
「えへへー、京太郎くんを好きだというこの思いは誰にも負けないっすよ」
「俺だって負けてないさ」
「可愛いモモも、怒ってるモモも」
「笑ってるモモも、泣いてるモモも」
「照れてるモモも、頑張ってるモモも」
「幸せそうなモモも、落ち込んでるモモも」
「全部好きだ」
「えへへ......私たち両思いっすね」
「そうだな」
「なら、もう付き合っちゃうっすか?」
安価は2230頃とるっす
多数決っす
付き合うか付き合わないかの二択っす
1 付き合う
2 付き合わない
になるっすよ
えっと、質問あるなら今のうちにお願いしますっす!
ちなみに付き合っても付き合わなくてもストーリーには大した変化はないと思います...多分
糖分大目になると思うだけで...はい
では時間なので安価します
下1~ 多数決
先に4票入った方の安価にします
まぁ...そうなるな(某航戦風
割と早く埋まるもんですね...びっくりしたっす
1ということはエロありでいいってことですね
了解しました
書けるかどうかは別としてエロあり√ってことになりました
参加ありがとうございましたっす!
京太郎もモモと同じ状態だったとするとテルーが独り言ずっと言ってるように周りからは見えてたのか
>>758
あ.........そうなるっすね......
ほら、チャンプには皆とは違うものが見えてるって皆思ってるから(震え声
ちょっと更新しますっす
「......俺もそう思ってた」
「よっしゃぁ!」
「!?」
京太郎はビクンと身体を跳ねさせる
「いやー、まさかこんなに早く京太郎くんと付き合えるなんて思ってなかったもので...」
「さっきのは冗談だったのかよっ!?」
「本気っすよ?」
そう言ってぎゅっと京太郎の身体を抱き締める
「温かいっす...」
念願の人をこうして抱き締められる
それだけで十分幸せなはずなのに満たされない
心のどこかでもっと深く繋がりたいと思っているのだろうか
身体もモジモジと動かす
京太郎の身体に触れた部分から甘い快感が襲う
「んっ...」
「モモ...?」
「...ふぁい?」
モモは蕩けた顔をしていた
「......ゴクリ」
その顔から目を逸らすことが出来なかった
「ぁ...」
気が付いたらモモの頬に手を当て引き寄せていた
「モモ...」
「京......くん...」
そっとモモの顔を引き寄せて唇を奪う
口の中に甘くむせ返るような匂いが充満する
「ふぁ...」
「これじゃあ、もう一回しなきゃ駄目っすね...///」
「ちゅ... ちゅる... んふっ... あむ...」
貪るように唇を奪われる
頭の中いっぱいにモモのことで埋め尽くされる
「んふふー...京くんっ...京くんっ///」
満足したのか、キスを止めて身体を擦り付けるモモ
呼び方変わってるし...
「あっ.........」
どうやら気付かれてしまったようだ
「私が言うのもなんっすけど......京くんもえっちっちぃっすね///」
ニヤニヤとそれでいて嬉しそうに笑うモモ
「いいっすよ、私は」
「その代わり.........」
「うんと、私のことを愛してほしいっす///」
_,,.. -ー―――- _
,..-彡--‐::::::::::::::::::::::::::::::>ー 、
,,ィiリ'":::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::〃::::::::::〃::::〃::::::::|::r㍉:ヽ::::::::::::::::::::ヽ
/:;/:::::〃:://:::/:::::::::::::〃 ';:::';:::::';:::l:::::::::::::::|
l:::li:::〃::/ l::::/::::::::::::/l::l |i::l:::::}::::|:::::::::::::::',
Y八:::i:l丁リi下::::::/ |:l _i::l:::::|::::l:l:::::::::::::::l
/:::リリ| f笊ハ/ ソ|丁リil:::/:::::';}:::::::::::::',
/::::::/::::| 弋ソ ィ笊ハ|:/:::::::::',::::::::::::::',
/|:::::::l:/l::| :::::::|::: 弋ソ|:::::::::::::l:㍉::::::::::l
/::l:::::::リ::::|:_ゝ | ´ :::::::: |::|:::::::::::::|::::ヽ:::::::::l
l::/|/ ̄ ,.\ ` ' _.イ|:l:|:::::::i::::ハ:::::',::::::::}
|:l l|V ヘ / / > --‐ | |:| l:::::::|:::l ',::::l::::::::|
|::::|:ハ ./ | / | ! リ リ:::::l::ノ l:',:::}:::::::l
\{ / / .l ノ|::::l/\ノ |::ハ:::/
,ノ゙| / l \ | l/ノ ヽリ |/
{ ヽ." ̄ ̄ゝ 、 .゛  ̄ ̄/ / _r‐ |
\ .\ト / | Y´ / | / }
>‐'  ̄_| イ.{ 。l } />_! / /
-‐―-‐< \ | \,! ! / .ノ゛ / }
r´_ .l .l‐ \ \__人 .ノ .,./ / /
ゝ__ / ∥ ! .ヽ \ ゙'.、川゙ ,i / .、 .i___
γ___ __/ / | .} .゙l!、. ヾl, .i^iリ/,i′ ./ / ,! `゙''! ̄''‐、
丶ー __ -''" ./ / l │ .li \ _`//リ./ ./ ./ | ヽ \
` ̄ ./ / イ ! .l ゝ__.゙П./ / ./ ! ヽ \
./ .r/゙´ i゙ .! " .l''‐i|′./ l l__|_
/ .,/ ! .! .l .! ./ ./ .,l / |
| _/゛ 人/ l | il′ _ノノ´ !
| / .iッ゙ .\ !‘ i -‐// !
l゙ ,i.l. \ `'-、ー‐| ‐''″ _ / | ゝ
| l .′ `、 `"_.| ._..-‐"゛ ,i
.ヽ, . __ノ´>__ `─-¬r".「 " i
`''―ヘニ==、 `ヘ、 !、 .、、 | ∠ -――――、 _-
=_"゙‐'',゙ \ .'i ゝ- --ニゝ .|/ ,/,__∠二__
'゙-ッ ‐",..-/!、 │ . / ` ̄ | __-''"´
--"´ (, ‐ゝ_-ニii' l¬―-_ l,i ___ ''´
`゛ .'!ヽ -/ ._,. , ., l゙''i|
/ ./ .! !、 |く. l゙'! __-‐―
゙‐'゛ | .l゙丶_l ` 八 __ -‐
丶 \ ____ー '''"゛
「」ガバッ
「きゃんっ♪」
京太郎の理性が持ったのはここまでだった
更新終わりっす
本番描写っすか? 無理無理、余裕で(
キンクリっすよ、そんなもん!
要望や質問があればドンドン言ってもらえるとありがたいっす
ではではっす
ちょっとラノベっぽく書いてみました
試行錯誤の連続ですが、皆様に迷惑かけて申し訳ないっす
ちょっと更新するっすよ!
モモと京とステレスと
「いつつ......」
朝、起きると腰に痛みを感じた。原因なんて分かりきっている。
昨日のアレのせいだろうな、なんて思いながら、朝の支度を済ませて外に出る。
麻雀部で示された集合場所に向かって俺は歩き出す。
「昨日、頑張りすぎたからなぁ...」
頑張りすぎたというかなんというべきなのか。
今まで溜まってたモノを全てぶつけたというか、搾り取られたというべきか。
「昨日のモモ...エロかったよなぁ...」
こう、自分から腰を下ろしたり、綺麗にしてくれたり、挟んでくれたり。
言えばなんてもしてくれたし、俺だって何でもした。
ただ問題なのは、それはよくなかった。
正確に何回したのか覚えていないのだ。
「いかんいかん...」
流石に小さな子供や若い奥様がいらっしゃるこんな道路で愚息を元気にするわけにもいかない。
モモのことはとりあえず置いといて、カピーのことを思い出す。
そう言えば昨日は一緒に寝てくれなかったな。
なにやら拗ねているような、怒っているような、そんな気がした。
「ん......」
どうやら治まったようだ。
どうにかこれで前かがみで歩かなくてすむようだ。
しばらく歩くと、集合場所が見えてくる。どうやら俺が一番最後みたいのようだ。
少し近づくと1人の少女が俺に向かってブンブンと手を振ってきた。
「よっ」
「おはようっす」
俺も手を上げて手を振っている少女とハイタッチをする。
パチンと乾いた音が周りに響く。
「わっ......あ、モモちゃん?」
その音に吃驚して肩を震わせたのは、俺の一つ上の先輩である、佳織さん。
俺と同じ金色の髪の毛をしている、おもちの大きな人だ。
「京太郎くんか」
ベンチに座って何かの本を読んでいた少女が顔を上げる。
髪の毛を後ろで結んでいる彼女は、睦月さん。
先ほど説明した佳織さんの同級生だ。
佳織さんとは少し正反対にいるような存在だ。
明るく元気...というより、癒しとなるのが佳織さん。
そして、頼りになるお姉さん的な睦月さん。
「うむ、時間通りだな」
腕を組んでウンウンと頷くこの人は、三年生の智美さん。
実はこの人が...いや、この説明は後にしよう。
別に蔑ろにしているわけではないのだが。
そのうち分かるときが来る。
「準備は出来ているか、京太郎」
スラっとした体、凛とした声、キリっとした眼差し。
俺が女だったら間違いなく惚れているであろうその人は、加治木ゆみさんだ。
なんでこの人だけフルネーム紹介なのか。
それは俺が一番尊敬している人だからだ。多分、一番お世話になってるであろう。
正直、頭が上がらない人なのだ。
本当は名字で呼びたい人なのだが、名字で呼ぶとなぜか機嫌が悪くなってしまうんだ。
その時に課題を出されたのなら堪ったものではない。
とは言うものの、ゆみさんはとてもいい人だ。
初めての大会で忙しいってのに、俺の為に時間を割いて麻雀や効率牌のことなど沢山のことを教えてくれた。
もし、俺が鶴賀ではなく別の学校に行っていたのなら、麻雀のことを好きになりきれず、途中で挫折してしまったかもしれない。
とまぁ、別世界軸の話なんて今は関係ない。俺がここにいる、今が俺の居場所なんだから。
さて、ここまで順々に説明したが2人ほど説明を全くしていないがいる。
智美さんに関しては置いておくとして、今は他の1人の説明をしよう。
「京くんっ♪」
「おっと」
急に抱きつかれて体勢を崩す。
今俺を『京くん』と呼び、俺に向かって抱きついてきたこの少女は、東横桃子。
通称...まぁ、あだ名なんだが、モモ。
馴れ初めとか色々言いたいことは沢山あるが、ここで話すことでもないので割愛する。
黒髪ストレート、前髪の一部が少しだけ瞳に線を入れるように垂れかかっている。
制服の上からでも十二分に分かるほどのおもちをおもちの俺の同級生。
今のその驚異的な武器を俺の腕に当てつけてアピールしている。
せっかく治めた愚息が復活してしまいそうだ。
なぜこんなにボディタッチが激しいのかと言うと......。
昨日、付き合うことになった。まさに出来立てホヤホヤのカップルなのだ。
元々お互いがお互いを好きだったのだが、生憎恋愛事は不慣れでいつ告白していいのか分からなかったせいで中々付き合うまでの一歩を踏み出せなかった。
あまり昨日のことを思い出すのはやめよう。
大事な試合の前に不謹慎だしな。
「ワハハ、バスが来たみたいだぞ」
智美さんが皆に声をかける。
各々がバスの到着を今か今かと待つ。
「さぁ、出陣だ」
ゆみさんが一番最初にバスへ乗り込む。
それに釣られて、佳織さん、睦月さん、智美さんの順でバスに乗り込む。
「部長は私のはずなのに............ワハハ」
智美さんの悲しそうな呟きがそっと聞こえた。
気まずくなりながら俺もバスに乗り込み、ゆみさんたちの前の席に座る。
「隣失礼するっすよ」
俺に声をかけて座るモモ。
1人で座れる場所にしようと思ったが、そうしたらなんだかとても嫌な予感がした。
なんというか、モモの今までの我慢していたリミッターが外れているようなそんな気が。
「..................」
後ろからものすごいプレッシャーを感じる。
針のムシロ。まさにそんな状況だった。
そのせいか喉が異様に渇く。
家から持ってきたお茶のペットボトルを一口飲む。
ああ...心が澄んでいく...。
喉も潤ったのでしまおうとすると、
「私も一口欲しいっす」
とモモが身体を乗り出してきた。
自分で出して飲めというのもおかしな話なので、モモに飲みかけのペットボトルを渡す。
モモは何のためらいもなく、そのペットボトルを開けて、
「ごくっ...ごくっ」
と飲み始めた。
間接キスなんですけど...抵抗ってないものなのかね。
そんな風に考えていると、ペットボトルから口を離したモモはこちらを向いた。
「えへへ......間接キス...っすね///」
照れながらはにかむモモ。
やっぱり恥ずかしいんじゃねーか!
モモのはにかんだ顔を見てると、昨日のことが鮮明に思い出される。
うん、やっぱり俺の彼女は可愛い。
「........................................」
......無言の圧力半端ないっす。
心配そうに俺に話し掛けるモモと、後ろからの謎のプレッシャーに耐えながら、バスが会場に着くのを必死に待ち続けた。
(頼むっっっ!!! 早くついてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)
必死にそうやって祈り続けた。
更新終わりっす
どうっすかね?
久々にこういう感じで書いてみたっすけど...
違和感あるっすか?
明日は更新出来なさそうなので今のうちに何もきいちゃうっすよ!
台本式に戻して、とか。
このままずっと書いてくれ、とか。
何かありましたらどうぞお願いしますっす
ではでは、また見てステルス!
おつ
いちゃらぶがみれれば一向に構わん!
乙
個人的には前の方が好き
>>778
これからもイチャラブ出来るように精進するっす!
恋人になったの、取られるかもしれないと不安になrモモと積極的に奪いに来るサブヒロインという構図に
>>779
台本式ってやつのことっすか?
台本+地の文ありでちょこっと更新するっす!
乙って言ってくれる人皆様、いつもいつもありがとうございますっす!
京太郎「......っ疲れたぁぁぁ」
バスから降りて出た言葉がそれだった。
そんな俺を心配そうにモモが覗き込む。
桃子「大丈夫っすか?」
なんと健気なのだろうか。
モモに手で大丈夫だと答えておく。
ゆみ「さて、会場は広いからな。迷子にならないように皆で待機室に行こうか」
ゆみさんのその言葉に皆でゾロゾロとついていく。
まぁ、いくら広いからってこんなところで迷子になる奴なんていないだろうけど。
先輩方の後ろを歩くこと数分、部屋の前のプレートに『鶴賀学園麻雀部様』と書かれた部屋を見つける。
ゆみ「ここのようだな」
ゆみさんがドアを開けて部屋の中に入っていく。
釣られて後ろにいた皆も部屋に入る。
桃子「おおー.........」
京太郎「なんというか普通だな」
内装はいたって普通だった。
ソファーと机と小さい冷蔵庫と化粧直し用の鏡と、なぜか仮眠用のベッドがあった。
質素な部屋だと思った。
智美「予選の時は酷い部屋だったけど、決勝ともなると豪華になるもんだなー」
智美「椅子だってこんなに綺麗だし」
腰に手を当てて笑う智美さん。
ああ...そういえば予選一回戦目の時の待機室の椅子に座ろうとしたら、椅子の足が腐っててそのまま倒れたんだっけ...
京太郎(根に持ってるなぁ...)
智美さんの顔が茹ダコのように真っ赤になったのを見たのはそれが初めてだったので、とても印象に残っている。
女の子は恥ずかしそうにしている姿が一番可愛いもんな。
桃子「?」
首をかしげてこちらを見るモモ。
いやうん、可愛いけどさ......
他の人に姿見えないからってさっきからくっつきすぎじゃないですかね...
腰をロックされていて歩くのも大変だ。
とりあえず離れるようにアイコンタクトを送ってみる。
桃子「あっ」
どうやら気付いてくれたみたいだ。
モモはゆっくり腰に回した手を離し、自らの頬に当てた。
桃子「そこのベッドでしたいってことっすね♡」
分かってなかった。
京太郎「......」
とりあえず冷めた目で見つめてやる。
桃子「はうっ!」
ビクッと身体を一度震わせ、
桃子「......養豚所の豚を見る目もいいっすね...///」
どうやら駄目だった。
頭が痛くなってきた。
やれやれと頭を抑えると、
佳織「京太郎くん、大丈夫?」
佳織さんが近くまでやってきて覗き込んでくれる。
ああ、やっぱりこの人は天使だな。
佳織「てっ!?」
パンの包みに穴をあけずにレンジに入れて暖めるとボンッて音がするだろ?
あんな音が佳織さんの方から聞こえた。
佳織「わ、わひゃひはててて天使なんかじゃ...はぅ......///」
キャパオーバーしてしまったのか、フラフラと椅子に座り込んでしまった。
どうやら声にだしてしまっていたようだ。
ってことは.........
桃子「.......」
すっげーニコニコしてるんですけどー
無言の圧力半端ないんですけどー
眉がヒクヒク動いてるんですけどー
モモは静かに俺に近づくと、
桃子「ちょっとしばらく京くんを借りていくっす」
と先輩方に言い残し、俺の首根っこを掴んでズルズルと引きずって部屋を出て行く。
あの.......出来れば、骨は日本海側に流してほしいです。
桃子「大丈夫っすよ」
京太郎「うぇ?」
桃子「骨だけになっても愛してるっすよ」ニッコリ
京太郎「ひぃっ!」
とりあえず今日は更新終わりっす
もっと執筆スピード上がればいいんっすけど...
ギャルゲーとかなら付き合って2人は幸せなキスをしてENDなんですが...
そうは問屋が卸さないっす
リハビリというか、ちょっと迷走してます
......最初からしてるとか言わないでほしいっすよ
多分、台本式+地の文が一番書きやすいのかな?
しばらくこの形で書いていくと思うっす!
ではでは、また見てステルス
このトリップでいいはず...多分
終わりまで後は一直なのでさくっと行きます
と言っても短いんですけどね
京太郎「モモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛いモモ可愛い」ブツブツ
永遠と同じことばを呟き続ける機械に成り下がった京太郎を見て、
桃子「えへっ☆」
桃子「やりすぎたっす♪」テヘッ
自分でもちょっとやりすぎたと思う。
まさかこんなに京さんのことが好きだったとは...
恋って人を狂わせるっすね
ゆみ「ったく...京太郎と...モモも一緒にいるよな」
こちらに向かって歩いてくるゆみ先輩。
桃子「もちのロンっすよ。京くんのいるところに桃子ありっす」
ゆみ「そ...そうか......」
ちょっとこまった顔をするゆみ先輩。
しかし、すぐに何かを思い出したかのようにいつものキリッとした表情に戻る。
ゆみ「そう言えば、先ほどから気になっていたのだが...」
ゆみ先輩は目をスッと細めた。
ゆみ「京太郎と何かあったのか?」
唐突に、そして当然の如く聞いてきた。
ゆみ「なんだから、昨日と比べるとモモと京太郎の距離が近いような気がして、な」
ゆみ「このままだと、そのことが気になってしまって大会でミスを犯してしまうかもしれなくてな」
違う。この人はそういう人ではない。
大事な場面ではそういうミスは絶対にしない人だ。
そんな人がこんなことを言うってことはつまり、
桃子「心のモヤモヤを綺麗になくしたいってことっすか?」
ゆみ「.........ふぅ」
ゆみ「ま、そんなところかな」
ゆみ「で、質問の答えは?」
桃子「......昨日から京くんと付き合うことになったっす」
少しだけ罪悪感を感じる。
おそらく、ゆみ先輩も京くんのことが好きだから。
それを奪う...わけではないが、独り占めしてしまっているようなものなのだから。
ゆみ「そうか」
ゆみ先輩から出た言葉はあっさりしていた。
当然、というか、やっぱりか、あるいは、今更か。
そんな意味が込められているように聞こえた。
ゆみ「昨日から......か」
その部分だけ呟くと、ゆみ先輩は顔を上げる。
ゆみ「付き合っているのか...」
もしかして諦めてくれるってことなのだろうか...
ゆみ「やれやれ.....どうやら私の恋心は自分の好きな人が誰かと付き合っているからって静まってくれるものではないらしいな」
ゆみ「だから、宣戦布告しよう」
ゆみ「私は須賀京太郎のことが好きだ」
桃子「知ってたっすよ」
ゆみ「ふふっ、そうか......なら」
ゆみ「モモには悪いが、正々堂々あの時のように私は京太郎にアピールしていくことにしよう」
あの時......教室に入ってきて開口一番に言った「お前が欲しい」って言葉の時だろうか
桃子「ええ、先輩だったら望むところです」ニコッ
笑いあいながら握手を交わす
あれから5年後
京太郎「今年もお疲れ様」
桃子「お疲れ様っす」
2人で炬燵に入ってテレビを見ていた
桃子「あっという間に終わってしまったっすね」
京太郎「そうだな...色々あったしな」
桃子「そうっすね......」
左手の薬指を見つめる
そこには銀色のリングがあった
京太郎「なぁモモ」
桃子「?」
京太郎「モモは俺と一緒になれて幸せか?」
桃子「いきなりなんっすか?」
京太郎「モモくらいの可愛い女の子だったら他にいくらでも人生があったんじゃないかって思って」
桃子「あぁ...そういうことっすか」
桃子はそっと京太郎の肩に寄り添う
桃子「私は貴方に出逢ってから一度も不幸せなんて思ったこと...まぁ、あったっすけど」
京太郎「あったのかよ!?」
桃子「そりゃ、貴方が引っ越した時はこの世の終わりだと思ったっすけど」
桃子「こうして再び逢えたっす」
桃子「そして最後に私を選んでくれた」
桃子「その事実だけで十分っす」
京太郎「そっか」
桃子「うんっ」
言葉を交わすことなく時間が過ぎていく
だが、不思議と居心地の悪さは感じない
ただゆっくりと時間が流れていく
テレビが年越しのカウントダウンを告げる
京太郎「もう次の年か」
桃子「そうっすね」
京太郎「今年もこんな俺だけどよろしくな」
桃子の髪の毛に手を乗せて撫でる
気持ちよさそうに目を細める桃子
桃子「今年だけじゃ嫌っすよ」
桃子「これからもずっとお願いしたいっす」
飛び切りの笑顔を咲かせる
京太郎「モモ」
桃子「貴方...」
2人の距離が縮まっていく
京太郎「姫はじめ...するか?」
桃子「はいっ」
カンッ!
というわけで終わりです
申し訳ない
なんか他のネタ書きすぎてそっちばかり更新してて気づいたらエタりそうだったので
それくらいなら無理矢理でも終わらせようと思いまして
こうなってしまって申し訳ないっす
依頼は明日出します
他に京太郎スレやっておりますのでそちらでまた会いましょう
では最後に、こんな駄文を読んでいただきありがとうございました!
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