男「アマゾン探検……?」 (10)
10年以上前に書いていた小説のリメイク版なので、クオリティはお察し
それでも良い方はお読みください^_^
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ベルク「う……ここは……どこなんだ」
ぐらぐらする頭を抑えながらベルクはむくりと起き上がった。
彼はイギリスのあるテレビショッピングに出演している23歳の男性である。
ビルソン「おいベルク、ここは多分アマゾン川の中流域だぞ、ハアハア」
デブい奴が喘ぎながら走ってきた。
彼の名はビルソン、ベルクの幼馴染であり大飯食らいで有名だ。
ビルソン「秘境探検に出かけたら、飛行機が墜落してこのザマだ!」
ベルク「説明ご苦労、ビルソン。他のメンバーも起こしてくれ」
ベルク「朝飯の時間だ」
朝飯はスープとパンで済ませた。
ビルソン「で、これからどうすんのさ。救助は期待しない方がいいね、ハアハア」
ベルク「だろうね、取り敢えず探索に越したことは無い」
行く手を阻むツルを切りながら暫く歩くと、巨大な白い壁が目に入った。
ベルク「こんな所に壁……? 文明的な物が……おかしい」
ビルソン「と、豆腐に見えて来たんだけど、食べていいかな?」
ベルク「君がそう思うなら、好きにしてくれ」
???「待て、勝手な判断を下すな!」
列の後方から、鋭い声が飛んできた。
声の主はジャックだった。
ジャックは隊長であるベルクより三歳年上の26歳だ。
故にいくら生意気な事を吐こうが暗黙の了解で許されている。
無論、性格のキツさから隊の中で孤立気味にもなっている。
ジャック「ベルク、ナイフを貸せ」
彼はナイフの柄にロープを縛り付けると、壁に投げた。
ジャック「よし、反対側に刺さったみたいだな。貴様ら、死にたくなければオレについて来い」
ジャックはオールバックの髪を自慢気撫でながら言った。
ベルク「ちぇっ自分が隊長だとでも思ってるのかね、偉そうに」
ジャック「いいや、オレはただ生き延びたいだけさ」
彼はヒョウの様なしなやかな動きで登ってしまった。
ビルソン「な、なぁベルク……向こうの茂みがガサガサいってるよ」
ビルソン「まさか虎なんじゃ……」
ぞわりと全身が総毛立った。
ベルク「気をつけろ、案外近いぞ!」
ジャック「ふふ、アマゾンの主が臭いを嗅ぎつけて来たみたいだな」
ジャック「さっさと登れ!」
恐れを成したベルク、ビルソン他15名の隊員達はあっと言う間に壁を乗り越えたのであった。
ーその夜、キャンプ場にてー
夕餉はアワと粗末な味噌汁だけだった。
ビルソン「粗末だ……」
ベルク「え?」
ビルソン「いくらなんでもお粗末過ぎるよ! 普通なら缶詰に白米だろ!」
駄々をこねるビルソンを、ベルクは優しく嗜める。
ベルク「まぁねぇ。しかし今は異常事態だ、少しでも食糧を節約しないとな」
ジャック「フン、生ものは早めに処理した方がイイぜ。ほらよ」
ベルク「おいジャック! 勝手にバックから生肉を取り出さないでくれたまえ!」
ジャック「お前の臆病な考えに付き合っていられる程、オレはお人好しじゃない」
二人の間に険悪な雰囲気が漂う。
ジャック「隊全体に伝えておく、明日は朝5時に出発だ。寝過ごさない様目覚ましでもセットしておけ」
それだけ言い残すと、彼はテントの中へ入ってしまった。
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